JP4408616B2 - 脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法 - Google Patents

脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法に係り、特に、さまざまな環境下での使用が想定される脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、所定の運用条件下での動作を保証する脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法に係り、特に、運用条件からの逸脱を未然に防止して制御系全体の性能を高める脚式移動ロボットの歩行制御装置及び歩行制御方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の"ROBOTA(奴隷機械)"に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】
最近では、ヒトやサルなどの2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作を模した脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。2足直立による脚式移動は、クローラ式や、4足又は6足式などに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、不整地や障害物など作業経路上に凹凸のある歩行面や、階段や梯子の昇降など不連続な歩行面に対応することができるなど、柔軟な移動作業を実現できるという点で優れている。
【0005】
また、ヒトの生体メカニズムや動作を再現した脚式移動ロボットのことを、特に、「人間形」、若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)と呼ぶ。人間型ロボットは、例えば、生活支援、すなわち住環境その他の日常生活上のさまざまな場面における人的活動の支援などを行なうことができる。
【0006】
人間の作業空間や居住空間のほとんどは、2足直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様式に合わせて形成されおり、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の機械システムが移動するのには多くの障壁が存在する。したがって、機械システムすなわちロボットがさまざまな人的作業を代行し、さらに人間の住空間に深く浸透していくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれとほぼ同じであることが好ましい。これが、脚式移動ロボットの実用化が大いに期待されている所以でもある。
【0007】
高い脚式移動ロボットは、整地・不整地を問わず、あらゆる環境下での使用が想定され、機体の制御系が保証する運用条件を逸脱するような場面が多々存在する。
【0008】
一般に、制御系が保証する運用条件を逸脱した場合のシステムの挙動は予測が困難であり、その挙動によっては脚式移動ロボット、若しくは運用環境(動作環境)に損傷を与える可能性もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、さまざまな環境下での使用が想定される、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらなる目的は、所定の運用条件下での動作を保証する、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法を提供することにある。
【0011】
本発明のさらなる目的は、運用条件からの逸脱を未然に防止して制御系全体の性能を高めることができる、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの動作制御装置又は動作制御方法であって、
機体の運用状態が制御系が保証する運用条件を保っているかどうかを監視する運用状態監視部又はステップと、
運用状態の監視結果に応じて運用状態逸脱を未然に回避するための抑制動作を実行する抑制動作部又はステップと、
を具備することを特徴とする脚式移動ロボットの動作制御装置又は動作制御方法である。
【0013】
本発明の第1の側面に係る脚式移動ロボットの動作制御装置又は動作制御方法は、前記抑制動作部又はステップにおいて運用状態逸脱を未然に回避することが困難で、運用状態を逸脱した場合における、機体並びに動作環境に対する保護動作を実行する保護動作部又はステップをさらに備えていてもよい。
【0014】
また、前記運用状態監視部は、前記脚式移動ロボットの脚部に作用する床反力から算出されるZMPを基に運用状態を監視するようにしてもよい。
【0015】
本発明に係る脚式移動ロボットは、足部に作用する床反力から算出したZMPを基に運用状態を監視する運用状態監視部を備え、その運用状態に応じて運用状態の逸脱を未然に回避するための抑制動作を実行する。抑制動作を行なうことで、運用条件を良好に満足する領域にZMPを操作する効果を持ち、あるいは安定領域を拡大又は移動する効果を持つ。
【0016】
さらに、抑制動作により脚式移動ロボットに加わる衝撃力を吸収する衝撃吸収動作を併用することにより、運用状態を良好に保ち、なお且つ脚式移動ロボット及びその運用環境への影響を緩和する機能を有する。脚式移動ロボットは、運用状態を逸脱した場合の制御機能も備え、システムの挙動による脚式移動ロボット及び運用環境への影響を最小限に低減することができる。
【0017】
前記運用状態監視部又はステップは、足部足底面に幾つかの位置に関する閾値を設けることで運用領域を分割し、ZMP位置が現在どの運用領域に収容されているかによって運用状態を管理するようにしてもよい。
【0018】
また、前記抑制動作部又はステップは、運用状態に応じて運用状態逸脱を未然に回避するための抑制動作を切り換える抑制動作判別手段又はステップを備えていてもよい。これにより効率的且つ的確な運用状態の回復、又は運用状態逸脱の回避を実現することが可能である。
【0019】
また、前記抑制動作部又はステップは、所定期間ZMPが留まる状態が継続した場合に運用領域に応じた抑制動作を発動するようにしてもよい。あるいは、前記抑制動作部又はステップは、所定期間のZMPの変化速度が所定値よりも小さい場合に運用領域に応じた抑制動作を発動する
【0020】
また、前記抑制動作部又はステップは、機体の上体運動の停止、及び/又は各部の位置姿勢操作により、運用状況がさらに悪化することを未然に防止するようにしてもよい。
【0021】
また、前記抑制動作部又はステップは、蹴り力を発生することにより、発生した床反力を用いてZMPを操作することで、運用状態を回復させるようにしてもよい。
【0022】
また、前記抑制動作部又はステップは、動作目的以外の部位の動作を停止し、又は動作目的以外の部位を用いてZMPを操作するようにしてもよい。
【0023】
また、前記抑制動作部又はステップは、運用状態に応じて操作部位を決定してZMPを操作するようにしてもよい。
【0024】
また、前記抑制動作部又はステップは、安定領域を拡大又は移動するように機体を操作するようにしてもよい。
【0025】
また、前記抑制動作部又はステップは、遊脚が着床可能かどうかに応じて安定領域の操作方法を決定するようにしてもよい。
【0026】
また、前記抑制動作部又はステップは、機体の急停止に応答して、関節アクチュエータのサーボ・ゲインを低下させるようにしてもよい。
【0027】
また、前記抑制動作部又はステップは、機体の急停止に応答して、膝を曲げて衝撃吸収するようにしてもよい。
【0028】
また、前記抑制動作部又はステップは、運用条件を逸脱する可能性が高まってきた場合に、動作目的に応じて、衝撃吸収動作を行なう部位を判別するようにしてもよい。
【0029】
また、前記抑制動作部又はステップは、運用条件を逸脱する可能性が高まってきた場合に、運用状態に応じて操作部位を決定してZMPを操作するようにしてもよい。
【0030】
また、前記抑制動作部又はステップは、撃力に対するセンサの反応に応答して、アクチュエータの応答により撃力をリアルタイムで吸収するようにしてもよい。
【0031】
また、前記抑制動作部又はステップは、所定のモーションの再生により衝撃吸収動作を行なうようにしてもよい。
【0032】
また、前記抑制動作判別部又はステップは、実ZMPが存在する領域に基づいて抑制動作を判別するようにしてもよい。あるいは、前記抑制動作判別部又はステップは、床反力に基づいて抑制動作を判別するようにしてもよい。あるいは、前記抑制動作判別部は、抑制動作による結果を基に次の抑制動作を判別するようにしてもよい。
【0033】
また、前記抑制動作判別部又はステップは、実ZMPが存在する領域に基づいて保護動作を発動するようにしてもよい。あるいは、前記抑制動作判別部又はステップは、床反力に基づいて保護動作を発動するようにしてもよい。あるいは、前記抑制動作判別部又はステップは、抑制動作による結果を基に保護動作を発動するようにしてもよい。
【0034】
また、前記保護動作部又はステップは、関節アクチュエータのサーボ・ゲイン・ダウン、受身姿勢への移行、電源オフ、関節サーボの停止のうちいずれかを実行するようにしてもよい。
【0035】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0037】
図1には、本発明の実施に供される脚式移動ロボットの自由度構成を模式的に示している。
【0038】
同図に示すロボットは、二脚二腕を有する人間型ロボットである。本ロボットは、機体に四肢が取り付けられ、肩関節ピッチ軸、肩関節ロール軸、上腕ヨー軸、肘関節ピッチ軸、前腕ヨー軸、手首ロール軸、手首ピッチ軸という7自由度からなる左右の腕部と、股関節ヨー軸、股関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝ピッチ軸、足首ピッチ軸、足首ロール軸という6自由度からなる左右の脚部で構成されている。
【0039】
これらの各関節自由度は、実際にはアクチュエータ・モータにより実現される。本実施形態では、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載する。なお、この種のACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2000−299970号公報(特願平11−33386号明細書)に開示されている。
【0040】
機体には、加速度センサA1及びジャイロG1が搭載されている。また、左右の足底四隅には、足底面垂直方向の床反力を検出する1軸ロードセル(F1〜F8)と、床面までの距離を測定する赤外線測距センサ(D1〜D8)がそれぞれ4つ取り付けられている。また、左右の足底中央部には、それぞれ加速度センサ(A2,A3)及びジャイロ(G2,G3)が取り付けられている。
【0041】
本実施形態に係る脚式移動ロボットは、ZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。
【0042】
この力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形(すなわちZMP安定領域)の辺上あるいはその内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する。
【0043】
要約すれば、ZMP規範とは、「歩行のあらゆる瞬間において、ZMPが足部と路面とが形成する支持多角形の内側に存在し、且つ、ロボットが路面に押す方向の力が作用すれば、ロボットが転倒(機体が回転運動)することなく安定に歩行できる」とするものである。
【0044】
ZMP規範に基づく2足歩行パターン生成によれば、足底着地点をあらかじめ設定することができ、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力ではなく軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味するので、技術的に実現可能性が高まる。
【0045】
なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボットの安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic著"LEGGED LOCOMOTION ROBOTS"(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。
【0046】
図2には、本実施形態に係る脚式移動ロボットに適用される動作制御システムの機能構成を模式的に示している。
【0047】
図示の通り、この歩行制御システムは、ロボット状態観測部21と、環境形状観測部22と、外力・外モーメント観測部23と、上肢・下肢要求運動入力部24と、運用状況監視部25と、抑制動作部26と、保護動作部27と、歩容生成部28と、全身関節駆動部29により構成される。
【0048】
ロボット状態観測部21は、機体の各部に装備された種々のセンサ(前述)からの情報を基に、実際のロボットの運動状態を計測し、その結果を運用状況監視部25へと出力する。
【0049】
環境形状観測部22は、種々のセンサ(前述)からの情報を基に、路面傾斜・段差高さなどの環境形状を算出し、その結果を運用状況監視部25へと出力する。
【0050】
外力・外モーメント観測部23は、主にロボット上に搭載された力センサ並びに加速度センサ情報を基に、ロボットに対して外界から作用する外力・外モーメントを算出し、その結果を運用状況監視部25へ反映する。
【0051】
上肢・下肢要求運動入力部24は、ユーザ・プログラムに従って時々刻々と決定される上肢への運動要求と、歩幅・歩行周期・旋回角などの下肢への要求運動に関る歩容パラメータを入力し、歩容生成部28へと出力する。
【0052】
運用状況監視部25は、脚部に作用する床反力から算出したZMPを基に、機体の運用状態を監視し、その監視結果を抑制動作部26に出力する。
【0053】
抑制動作部26は、運用状態の監視結果に応じて運用状態逸脱を未然に回避するための抑制動作を生成して、歩容生成部28へと出力する。
【0054】
保護動作部27は、抑制動作部27において運用状態逸脱を未然に回避することが困難で、運用状態を逸脱した場合における、機体並びに動作環境に対する保護動作を生成して、歩容生成部28へと出力する。
【0055】
歩容生成部28は、通常は上肢・下肢運動変更要求を満足することができる次時刻のロボットの運動状態を決定し、全身の関節角参照値を出力するが、運用状態の逸脱を未然に回避するための歩容、あるいは、運用状態を逸脱したときの歩容を生成して、全身の関節角参照値を出力する。
【0056】
全身関節駆動部29は、歩容生成部28の出力した関節角参照値を実現するよう、各関節の自由度を構成するアクチュエータ・モータ(前述)をサーボ・コントローラ(図示しない)により駆動する。
【0057】
本実施形態に係る脚式移動ロボットは、足部に作用する床反力から算出したZMPを基に運用状態を監視する運用状態監視部25を備え、その運用状態に応じて運用状態逸脱を未然に回避するための抑制動作を実行する。抑制動作を行なうことで、運用条件を良好に満足する領域にZMPを操作する効果を持ち、あるいは安定領域を拡大又は移動する効果を持つ。
【0058】
さらに、抑制動作により脚式移動ロボットに加わる衝撃力を吸収する衝撃吸収動作を併用することにより、運用状態を良好に保ち、なお且つ脚式移動ロボット及びその運用環境への影響を緩和する機能を有する。
【0059】
また、脚式移動ロボットは運用状態に応じて運用状態逸脱を未然に回避するための抑制動作を切り換える抑制動作判別を行なう機能を備え、これにより効率的且つ的確な運用状態の回復、又は運用状態逸脱の回避を実現することが可能である。
【0060】
これらに加え、脚式移動ロボットは、運用状態を逸脱した場合の制御機能も備え、システムの挙動による脚式移動ロボット及び運用環境への影響を最小限に低減することができる。
【0061】
運用状態監視部:
運用状態監視部25は、ZMP及び床反力の監視を行なう。ZMPの監視では、支持多角形を領域分割することにより、運用状態を閾値などを用いて管理する。また、足底に搭載した力センサ(F1〜F8)の出力である床反力(又は衝撃力)を基に、運用状態を監視する。目標床反力と実床反力との偏差から運用状態を管理する。あるいは、単純にある閾値と実床反力の比較から運用状態を管理する。
【0062】
図3には、ZMPを監視するための方法の一例を示している。足部に搭載した力センサ(F1〜F8)からのセンサ情報を基に運用状態を監視するが、同図に示すように、足部足底面に幾つかの位置に関する閾値(thresh1_ZMP_x〜thresh6_ZMP_x, thresh1_ZMP_y〜thresh6_ZMP_y)を設けることで領域を分割し、運用状態を管理する。ここで、支持脚の足部足底面を領域A、領域B、領域Cに分割して、ZMP位置(ZMP_x, ZMP_y)が現在どの領域に収容されているかによって、運用状態を監視する。
【0063】
領域A:運用状態が良好な領域
【数1】
thresh1_ZMP_x < ZMP_x < thresh4_ZMP_x
thresh1_ZMP_y < ZMP_y < thresh4_ZMP_y
【0064】
領域B:行動・動作目的の続行を最大限に考慮しつつ、運用状態が良好な領域(領域A)にZMPを戻す抑制動作を発動する領域
【数2】
thresh2_ZMP_x < ZMP_x < thresh1_ZMP_x
thresh4_ZMP_x < ZMP_x < thresh5_ZMP_x
thresh2_ZMP_y < ZMP_y < thresh1_ZMP_y
thresh4_ZMP_y < ZMP_y < thresh5_ZMP_y
【0065】
領域C:安定領域を拡大又は移動することを目的とした抑制動作を発動する領域
【数3】
thresh2_ZMP_x < ZMP_x < thresh3_ZMP_x
thresh5_ZMP_x < ZMP_x < thresh6_ZMP_xthresh2_ZMP_y < ZMP_y < thresh3_ZMP_y
thresh5_ZMP_y < ZMP_y < thresh6_ZMP_y
【0066】
これら各領域にある一定期間ZMPが留まる状態が継続した場合に、運用領域に応じた抑制動作を発動する。あるいは、ZMPの時間変化(速度)の監視も併用してもよい。ある一定期間(時間)変化速度がある値よりも小さい場合に、運用領域に応じた抑制動作を発動する。
【0067】
抑制動作部:
抑制動作部26は、システムに作用する外乱情報に基づき,運用可能条件外での運用を未然に回避し、制御系が未対応な状態への遷移を未然に抑制することで,制御系全体の性能を高める。
【0068】
本実施形態では、抑制動作部26は、後述する抑制動作判別の結果に基づいて、以下の抑制動作を切り換えて発動する。
【0069】
▲1▼運用条件を良好に満足する領域にZMPを操作する。この前提として、良好な足部と床面(環境)との接地状態が確保されている。
▲2▼安定領域を拡大又は移動する(支持多角形の移動)。
▲3▼急停止時の衝撃吸収
【0070】
以下、これらの各抑制動作について詳解する。
【0071】
(1)運用条件を良好に満足する領域にZMPを操作する抑制動作
運用条件を良好に満足する領域にZMPを操作する抑制動作として、上体運動の停止と、各部位置姿勢操作を挙げることができる。
【0072】
上体が動作することにより、運用状況がさらに悪化することを未然に防止することができる。
【0073】
図4には、上体運動を抑止動作するための処理手順をフローチャートの形式で示している。同図に示す例では、運用条件を逸脱する可能性が高まってきた場合に、動作目的に応じて、上体運動を停止するようになっている。
【0074】
ここで言う「動作目的」とは、例えば頭部に搭載したカメラを利用して対象物をトラッキングしているような思考動作を行なっている場合には首から上の動きを継続するような形態で上体運動を停止することである。また、モーション・データ中にモーションが持つ意味を埋め込むことによって、このような処理を効率的に行なうことができる。
【0075】
図4に示すように、運用条件を逸脱する可能性が高まってきたときに、頭部の運動を主とする行動をとっていたときには、頭部以外の上体運動を停止する。同様に、腕部の運動を主とする行動をとっていたときには、腕部以外の上体運動を停止し、脚部の運動を主とする行動をとっていたときには全上体運動を停止する。
【0076】
また、各部の位置姿勢操作を行なうことにより、運用状況がさらに悪化することを未然に防止することができる。
【0077】
例えば、蹴り力を発生することにより、発生した床反力を用いてZMPを操作することで、運用状態を回復させることができる。
【0078】
図5には、各部位置姿勢を操作するための処理手順をフローチャートの形式で示している。同図に示す例では、運用条件を逸脱する可能性が高まってきた場合に、動作目的に応じて、優先度を決定し操作部位を判別するようになっている。
【0079】
図5に示すように、運用条件を逸脱する可能性が高まってきたときに、頭部の運動を主とする行動をとっていたときには、頭部以外の部位を用いてZMPを操作する。同様に、腕部の運動を主とする行動をとっていたときには、腕部以外の部位を用いてZMPを操作し、脚部の運動を主とする行動をとっていたときには、脚部以外の部位を用いてZMPを操作し、上肢の運動を主とする行動をとっていたときには下肢を用いてZMPを操作し、主とする行動がないときには全部位を用いてZMPを操作する。
【0080】
図6には、システム状態に応じて操作部位を判別するための処理手順をフローチャートの形式で示している。本実施形態では、図3に示すように、支持脚の足部足底面を領域A、領域B、領域Cに分割して、ZMP位置が現在どの領域に収容されているかによって、運用状態を監視する。ZMPが領域Aにあるときには何もしないが、ZMPが領域Bにあるときには上肢を用いてZMPを操作し、ZMPが領域Cにあるときには全身を用いてZMPを操作する。
【0081】
以下、各部位を操作した場合の作用について詳解する。
【0082】
(1)骨盤部(腰部、上体)姿勢を操作
骨盤部姿勢を操作することで、蹴り力を発生し、ZMPを操作して、運用状態をより良好な状態に回復させる。実ZMPの足底内での位置に従い、骨盤部姿勢操作量を決定する。操作量決定方法の一例を以下に示す(図3を参照のこと)。
【0083】
足底中心点からのZMPの距離に所定の係数Kを乗じて、操作量を決定する。
【0084】
【数4】
【0085】
図7には、Xの−方向へ運用状態が逸脱する可能性が高まってきた場合に、機体の骨盤部姿勢をピッチ軸+方向に動作させることでZMPを操作する様子を示している。
【0086】
また、図8には、Yの+方向へ運用状態が逸脱する可能性が高まってきた場合に、骨盤部姿勢をロール軸−方向に動作させることでZMPを操作する様子を示している。
【0087】
▲2▼重心(腰部、骨盤部)位置を操作
重心(腰部、骨盤部)位置を操作することで、蹴り力を発生し、ZMPを操作して、運用状態をよりよい状態に回復させる(重心を上げる)。例えば、下式に示すように、抑制動作発動時の床反力に従い操作量を決定する。
【0088】
【数5】
【0089】
また、下式に示すように、抑制動作発動時の運用領域(分割した足部領域:図3を参照のこと)に従い操作量を決定して、ZMPの足底中心点からの距離に応じて操作量を決定するようにしてもよい。
【0090】
【数6】
【0091】
あるいは、上記の2式に重み付けをして、合わせて操作量を決定するようにしてもよい。
【0092】
【数7】
【0093】
図9には、Xの+方向へ運用状態が逸脱する可能性が高まってきた場合に、機体の重心位置をZ軸+方向に動作させることでZMPを操作する様子を示している。
【0094】
重心位置によりZMPを操作する際、目標値床反力と実床反力の偏差にある係数を乗じて操作量としてもよい。
【0095】
その他、以下の部位もZMP操作のための操作部位として利用することができる。
【0096】
▲3▼腕部位置姿勢を操作
▲4▼頭部位置姿勢を操作
▲5▼腰部関節(体幹関節)を操作
【0097】
(2)安定領域を拡大又は移動する(支持多角形の移動)
立脚姿勢状態で最大の安定領域を実現可能な状態は、両脚支持状態である。上述したような抑制動作を行なったにもかかわらず、運用状態が改善できない場合には、運用条件を逸脱する可能性が高い。また、実床反力の値がある値よりも大きい場合も、運用条件を逸脱する可能性が高い。そこで、安定領域を拡大又は移動することにより、より安定度の高い(すなわち、運用条件に適した)状態を確保するようにする。
【0098】
安定領域を拡大又は移動する抑制動作として、速やかに両脚支持状態へ移行する動作(安定領域(支持多角形)の拡大)と、飛ぶ又ははねるという動作(安定領域(支持多角形)の移動)を挙げることができる。
【0099】
図10には、遊脚が着床可能かどうかに応じて安定領域の操作方法を決定するための処理手順をフローチャートの形式で示している。すなわち、遊脚が着床可能であれば、安定領域(運用領域)を拡大する動作を選択し、遊脚が着床可能でなければ、安定領域(運用領域)を移動する動作を選択する。
【0100】
単脚支持状態にあり、遊脚を着床可能な状態であれば、安定領域を最大限確保するように、歩幅を拡大して、可能な限り安定領域を拡大して、速やかに両脚支持状態へ移行する。
【0101】
このときの歩幅操作量は、抑制動作発動時の床反力にしたがって決定することができる。
【0102】
【数8】
【0103】
また、抑制動作発動時の運用領域(分割した足部領域:図3を参照のこと)に従い、歩幅操作量を決定してもよい。
【0104】
【数9】
【0105】
あるいは、上述した2式に重み付けをし、合わせて歩幅操作量を決定するようにしてもよい。
【0106】
【数10】
【0107】
図11には、片脚をピッチ方向へ操作して安定領域を拡大する様子を示している。また、図12には、片脚をロール方向へ操作して安定領域を拡大する様子を示している。
【0108】
一方、単脚支持状態にあるが、遊脚を着床不能な状態であれば、安定領域を確保するために、飛ぶ、はねることにより安定領域を移動し、運用条件からの逸脱を回避することができる。例えば、右足支持期にある状態で、さらに右側に安定領域を拡大したい場合、左足を床面に着床したい状態であるが、物理的に不可能であれば、右方向に跳ねる。
【0109】
図13には、Y軸+方向に遊脚である左足を着床して安定領域を拡大したいが、物理的に遊脚を望む位置に移動することができないため、安定領域を移動することにより運用条件からの逸脱を回避する様子を示している。
【0110】
(3)急停止時の衝撃吸収動作
機体が急停止した場合には、関節アクチュエータのサーボ・ゲインを低下させる。このとき、全関節のサーボ・ゲインを同時に低下させてもよいが、部位に応じてサーボ・ゲインの目標値を異なる値に設定してもよいし、部位に応じてサーボ・ゲインを異なるタイミングで低下させるようにしてもよい。
【0111】
また、機体が急停止した場合には、膝を曲げて衝撃吸収するようにしてもよい。このような抑制動作により、足部に加わる衝撃力を緩和すことができる。また、重心位置に限らず、例えば腕部、頭部、腰関節など、その他の部位を動作させることにより衝撃吸収動作を行なう。
【0112】
図14には、衝撃吸収動作を発動させる部位を判別するための処理手順をフローチャートの形式で示している。同図に示す例では、運用条件を逸脱する可能性が高まってきた場合に、動作目的に応じて、衝撃吸収動作を行なう部位を判別するようになっている。
【0113】
頭部の運動を主とする行動をとっていた場合には、頭部以外の部位を用いて衝撃吸収動作を行なう。また、腕部の運動を主とする行動をとっていた場合には、腕部以外の部位を用いて衝撃吸収動作を行なう。また、脚部の運動を主とする行動をとっていた場合には、脚部以外の部位を用いて衝撃吸収動作を行なう。また、上肢の運動を主とする行動をとっていた場合には、下肢を用いて衝撃吸収動作を行なう。また、主とする行動がない場合には、全部位を用いて衝撃吸収動作を行なう。
【0114】
また、図15には、システムの運用状態に応じて衝撃吸収動作を発動させる部位を判別するための処理手順をフローチャートの形式で示している。本実施形態では、図3に示すように、支持脚の足部足底面を領域A、領域B、領域Cに分割して、ZMP位置が現在どの領域に収容されているかによって、運用状態を監視する。ZMPが領域Aにあるときには何もしないが、ZMPが領域Bにあるときには上肢を用いて衝撃吸収動作をし、ZMPが領域Cにあるときには全身を用いて衝撃吸収動作をする。
【0115】
腰部位置を下げることで、床反力を減少させることが可能である。
【0116】
また、床反力などの撃力に対するセンサに応答して、アクチュエータの応答性能を確保できる場合には、撃力をリアルタイムで吸収することができる。
【0117】
また、撃力に対するセンサの応答やアクチュエータの応答性能を確保することができない場合には、モーションを発動して、現在値から目標値への遷移を行なう。例えば、重心を下げるのであれば、現在重心位置から目標重心位置への遷移を行なうことになる。
【0118】
図16には、モーションの再生により衝撃吸収動作を行なう様子を示している。同図に示す例では、腰部位置をZ方向に下げることにより、撃力としての床反力を減少させている。このような衝撃吸収動作を行なうことにより、ロボットの機体の電気的及び機械的な損傷や、運用環境の損傷を低減することができるとともに、運用条件からの逸脱を回避することができる。
【0119】
抑制動作判別部:
既に述べたように、本実施形態に係る脚式移動ロボットは運用状態(運用条件からの逸脱状態やセンサ情報)に基づいて運用状態逸脱を未然に回避するための抑制動作を切り換える抑制動作判別を行なう機能を備え、これにより効率的且つ的確な運用状態の回復、又は運用状態逸脱の回避を実現することが可能である。また、抑制動作部26は、この判別結果に基づいて、抑制動作の組み合わせを変えることで、さまざまな状況への対応が可能になる。ここで言う抑制動作は、上述した個々の抑制動作を指す訳ではなく、1以上の抑制動作を組み合わせてなる抑制動作セットを意味する。
【0120】
抑制動作判別部は、実ZMPが存在する領域、床反力Fzの大きさ、抑制動作による結果などから、抑制動作を判別する。
【0121】
図17には、実ZMPが存在する領域に基づいて抑制動作を判別するための処理手順をフローチャートの形式で示している。本実施形態では、図3に示すように、支持脚の足部足底面を領域A、領域B、領域Cに分割して、ZMP位置が現在どの領域に収容されているかによって、運用状態を監視する。抑制動作判別部は、ZMPが領域Aにあるときには何もしないが、ZMPが領域Bにあるときには抑制動作セットA(後述)を選択し、ZMPが領域Cにあるときには抑制動作セットB(後述)を選択する。
【0122】
後述する抑制動作を、そのZMPが一定期間停滞した領域に応じ、効率的且つ的確に切り換える。
【0123】
また、図18には、実ZMPが存在する領域、及び床反力Fzの大きさを考慮し、運用状態をレベル分けして抑制動作を判別するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0124】
抑制動作判別部は、ZMPが領域Aにあるときには、運用状態レベルをレベル1にセットする。また、ZMPが領域Bにあるときには、さらに床反力が所定の閾値threshold_Fzを越えるかどうかを判断し、越えない場合は運用状態レベルをレベル2にセットし、越える場合は運用状態レベルをレベル3にセットする。また、ZMPが領域Cにあるときには運用状態レベルをレベル3にセットする。
【0125】
そして、抑制動作判別部は、上述のようにして判定された運用状態レベルに応じて抑制動作セットを選択する。すなわち、運用状態レベルがレベル1にあるときには何もしないが、レベル2にあるときには抑制動作セットA(後述)を選択し、レベル3にあるときには抑制動作セットB(後述)を選択する。
【0126】
運用状態監視部25より得た領域にZMPがある一定期間停滞した場合に、抑制動作を発動する。また、同時にそのときの床反力Fzの大きさも考慮し、抑制動作の種類を切り換える。
【0127】
また、図19には、実ZMPが存在する領域、及び抑制動作による結果(連続抑制動作発動回数)を考慮し、運用状態をレベル分けして抑制動作を判別するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0128】
抑制動作判別部は、ZMPが領域Aにあるときには、運用状態レベルをレベル1にセットする。また、ZMPが領域Bにあるときには、さらに抑制動作連続発動回数が所定値nを越えるかどうかを判断し、越えない場合は運用状態レベルをレベル2にセットし、越える場合は運用状態レベルをレベル3にセットする。また、ZMPが領域Cにあるときには運用状態レベルをレベル3にセットする。
【0129】
そして、抑制動作判別部は、上述のようにして判定された運用状態レベルに応じて抑制動作セットを選択する。すなわち、運用状態レベルがレベル1にあるときには何もしないが、レベル2にあるときには抑制動作セットA(後述)を選択し、レベル3にあるときには抑制動作セットB(後述)を選択する。
【0130】
運用状態監視部25より得た領域にZMPがある一定期間停滞した場合に、抑制動作を発動する。また、同時に、そのときの抑制動作による結果(連続抑制動作発動回数)を合わせて考慮し、抑制動作の種類を切り換える。
【0131】
その他、図17〜図19に示した各抑制動作判別処理を同時に考慮して、運用状態をレベル分けし、抑制動作を決定するようにしてもよい。
【0132】
抑制動作の組み合わせは自由であり、さまざまな状況に合わせて抑制動作の組み合わせを用意する。したがって、図4〜図6以外の判別方法も考えられる。
【0133】
ここで、抑制動作セットの例を挙げておく。
【0134】
●抑制動作セット例1
◇抑制動作A:
・上肢運動の停止
・骨盤部姿勢操作によるZMP操作
・重心位置操作によるZMP操作
◇抑制動作B:
・安定領域の拡大(速やかに両脚支持状態へ)
・関節サーボ・ゲイン操作(衝撃吸収)
・重心位置(腰部位置)による衝撃吸収動作
【0135】
●抑制動作セット例2
◇抑制動作A:
・上肢運動の停止
・骨盤部姿勢操作によるZMP操作
◇抑制動作B:
・安定領域の拡大又は移動
・関節サーボ・ゲイン操作により衝撃吸収動作
【0136】
なお、本明細書で示した抑制動作セットはあくまで一例であり、抑制動作をさまざまな形態で組み合わせることが可能であり、目的に適った設計を行なうようにすればよい。
【0137】
保護動作部(運用状態を逸脱した場合の制御):
保護動作部27は、抑制動作部27において運用状態逸脱を未然に回避することが困難で、運用状態を逸脱した場合における、機体並びに動作環境に対する保護動作を生成する。
【0138】
保護動作部27は、運用状況判別の領域(図3を参照のこと)に従って発動する。さらに逸脱領域を設け、逸脱状態となった場合に発動する。また、抑制動作を行なったにも拘らず、状況が改善しない場合に発動する(抑制動作連続発動回数による判断)。
【0139】
図20には、実ZMPが存在する領域に基づいて抑制動作を判別し、さらに保護動作を発動するための処理手順をフローチャートの形式で示している。本実施形態では、図3に示すように、支持脚の足部足底面を領域A、領域B、領域C、領域Dに分割して、ZMP位置が現在どの領域に収容されているかによって、運用状態を監視する。抑制動作判別部は、ZMPが領域Aにあるときには何もしないが、ZMPが領域Bにあるときには抑制動作セットAを選択し、ZMPが領域Cにあるときには抑制動作Cを選択し、ZMPがさらのその外側の領域Dにあるときは保護動作を選択する。
【0140】
また、図21には、実ZMPが存在する領域、及び床反力Fzの大きさを考慮し、運用状態をレベル分けして抑制動作を判別し、保護動作を発動するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0141】
抑制動作判別部は、ZMPが領域Aにあるときには、運用状態レベルをレベル1にセットする。また、ZMPが領域Bにあるときには、さらに床反力が所定の閾値threshold1_Fzを越えるかどうかを判断し、越えない場合は運用状態レベルをレベル2にセットし、越える場合は運用状態レベルをレベル3にセットする。また、ZMPが領域Cにあるときには、さらに床反力が所定の閾値threshold2_Fzを越えるかどうかを判断し、越えない場合は運用状態レベルをレベル3にセットし、越える場合は運用状態レベルをレベル4にセットする。また、ZMPがさらにその外側の領域Dにあるときには、運用状態レベルをレベル4にセットする。
【0142】
そして、抑制動作判別部は、上述のようにして判定された運用状態レベルに応じて抑制動作セットを選択する。すなわち、運用状態レベルがレベル1にあるときには何もしないが、レベル2にあるときには抑制動作セットAを選択し、レベル3にあるときには抑制動作セットBを選択し、レベル4にあるときには保護動作を実行する。
【0143】
また、図22には、実ZMPが存在する領域、及び抑制動作による結果(連続抑制動作発動回数)を考慮し、運用状態をレベル分けして抑制動作を判別するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
【0144】
抑制動作判別部は、ZMPが領域Aにあるときには、運用状態レベルをレベル1にセットする。また、ZMPが領域Bにあるときには、さらに抑制動作連続発動回数が所定値n1を越えるかどうかを判断し、越えない場合は運用状態レベルをレベル2にセットし、越える場合は運用状態レベルをレベル3にセットする。また、ZMPが領域Cにあるときには、さらに抑制動作連続発動回数が所定値n2を越えるかどうかを判断し、越えない場合は運用状態レベルをレベル3にセットし、越える場合は運用状態レベルをレベル4にセットする。また、ZMPがさらにその外側の領域Dにあるときには、運用状態レベルをレベル4にセットする。
【0145】
そして、抑制動作判別部は、上述のようにして判定された運用状態レベルに応じて抑制動作セットを選択する。すなわち、運用状態レベルがレベル1にあるときには何もしないが、レベル2にあるときには抑制動作セットAを選択し、レベル3にあるときには抑制動作セットBを選択し、レベル4にあるときには保護動作を発動する。
【0146】
保護動作の具体例としては、関節アクチュエータのサーボ・ゲイン・ダウン、受身姿勢への移行、電源オフ、関節サーボの停止などを挙げることができる。電源オフさせた場合、関節アクチュエータ自身のバック・ドライブ・アビリティにより、サーボ・ゲインをダウンさせたのと同等の効果が得られる。
【0147】
関節サーボ・ゲインをダウンする場合、サーボ・ゲインを小さくする順番を操作対象とする。ゲインをダウンさせる順番を部位により変化させる(部位により異なるタイミングでゲイン・ダウンする)。そのダウンさせる軌道を部位毎に変える。これによって、転倒姿勢を操作することにつながる。また、全部位のサーボ・ゲインを小さく又はゼロにする。
【0148】
受身姿勢へ移行(関節角度操作)する場合、現在姿勢から目標姿勢への遷移動作を利用する。例えば手の床面へのつき方を場合に応じて変化させる。
【0149】
また、機体の電源をオフにする場合、オフする順番を部位により変化させる。これによって、転倒姿勢を操作することにつながる。
【0150】
また、関節サーボをオフにする場合、オフにする順番を部位により変化させる。これによって、転倒姿勢を操作することにつながる。
【0151】
関節サーボ・ゲイン操作:
最後に、抑制動作及び保護動作手段の一つである関節サーボ・ゲイン操作について説明する。
【0152】
脚式移動ロボットと運用環境との接触時(衝突時)に発生する機械的損傷の大きさを示す指標として、脚式移動ロボット内部及び被衝突物体内部に発生する応力を用いることができる。応力εは以下の式で近似することができる。
【0153】
【数11】
【0154】
ここで、ΔLは衝突時の運動量変化、Sは応力発生部の断面積、Δtは衝突に要する時間である。上式によれば、衝突に要する時間Δtが極力大きくなるように脚式移動ロボットを制御することにより、衝突時に発生する応力を小さくすることができ、衝突力による機械的損傷を軽減することが可能であることが分かる。この衝突時間Δt長くするための脚式移動ロボットの動作制御方法を提供する。
【0155】
脚式移動ロボットの関節サーボ・ゲインの値を操作し、機械剛性を仮想的に変化させることで、衝突にようする時間を増大させ、脚式移動ロボット及び運用環境に作用する衝撃力を緩和させる。
【0156】
上肢及び下肢の関節が位置制御されている場合、一般に各関節に発生させるトルクは以下の式で表現される。
【0157】
【数12】
【0158】
ここでτは発生トルク、Δθは関節角偏差、Kp、Kd、Kiはそれぞれ比例ゲイン、速度ゲイン、積分ゲインを表している。
【0159】
例えば,図23のように,保護動作開始時(ゲインダウン開始時)に比例ゲインKpをステップ状に減少させ、関節剛性を低下させることで、図24に示すような関節にばね定数の低いばねが挿入されているのと同等の特性を与えることができることから、高ゲインのまま衝突する場合に比べて、衝突時間を長くすることができる。
【0160】
すなわち、ゲインを下げなかった場合は、図25の実線に示すように、衝突時間は短く発生衝撃力の最大値も大きくなる。これに対し、ゲインを下げることで図25の破線のように衝突に要する時間を長くすることができ、その結果として発生衝撃力の最大値を小さく抑えることができる。
【0161】
さらに、図26に示すように、保護動作時に速度ゲインを負の値に設定することで、図27に示すように、関節にダンパとばねが挿入されているのと同等の特性を得ることができ、着床時の振動に減衰効果を与えるようにしてもよい。
【0162】
あるいは、上記のサーボ・ゲインはステップ状の変化のみならず、運用条件逸脱の可能性があると判断された後、任意の時間的変化をするように設定しても良い。例えば、図28に示すように、比例ゲインを減少から増加へ、速度ゲインを負の値で減少するように変化させることで、関節に非線形なばね及びダンパが挿入されているのと同様の特性を与え、衝撃力を軽減するとともに、減衰効果を与え、なお且つ、関節目標値に復帰する効果を与えることが可能になる。
【0163】
あるいは、ゲインを変更する時刻を全ての関節において同一とするのではなく、関節部位毎にサーボ・ゲインの変更開始時刻、変更速度を設定するようにしてもよい。例えば、図29に示すように、足首関節、膝関節、股関節の順に比例ゲインを低下させることで、衝突部位付近の衝撃力を軽減するとともに、ゲインが未だ低下していない関節に関しては計画軌道を維持させる効果を得ることができる。
【0164】
あるいは、ゲインの変更方法は、転倒状況に応じたゲイン変更方法をテーブル方式で記憶しておき、テーブルを参照してゲインを変更するようにしてもよい。例えば、ロボットに保護動作発動方向手段を装備し、保護動作発動方向毎に関節部位のゲイン値の時刻列をテーブル上に記憶しておき、上記保護動作発動方向手段の出力結果に応じてテーブルをルックアップし、ゲインの変更方法を決定するようにすることで、保護動作発動方向毎に衝撃を吸収するのに最適なゲイン変更を行なうことができる。
【0165】
あるいは、ゲインの値を零としてもよい。ゲインの値をゼロにすることで、保護動作発動時に機械的損傷を生じ易いギヤ部の破損を軽減することができる。
【0166】
その他、上述した例ではサーボ・ゲインを操作量としたのに対し、関節角(角速度,角加速度を含む)の目標値を操作量として、脚式移動ロボットの機械剛性を仮想的に変化させることで、脚式移動ロボット及び運用環境に作用する衝撃力を緩和することも可能である。
【0167】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0168】
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
【0169】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、運用条件からの逸脱を未然に防止して制御系全体の性能を高める、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法を提供することができる。
【0170】
また、本発明によれば、機体の制御系が保証する運用条件を逸脱した場合において、システムの挙動が与える機体及び運用環境への影響を最小限に抑えることができる、優れた脚式移動ロボットの動作制御装置及び動作制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に供される脚式移動ロボットの自由度構成を模式的に示した図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る脚式移動ロボットに適用される動作制御システムの機能構成を模式的に示した図である
【図3】 ZMPを監視するための方法の一例を示した図である。
【図4】 上体運動を抑止動作するための処理手順を示したフローチャートである。
【図5】 各部位置姿勢を操作するための処理手順を示したフローチャートである。
【図6】 システム状態に応じて操作部位を判別するための処理手順を示したフローチャートである。
【図7】 Xの−方向へ運用状態が逸脱する可能性が高まってきた場合に、機体の骨盤部姿勢をピッチ軸+方向に動作させることでZMPを操作する様子を示した図である。
【図8】 Yの+方向へ運用状態が逸脱する可能性が高まってきた場合に、骨盤部姿勢をロール軸+方向に動作させることでZMPを操作する様子を示した図である。
【図9】 Xの+方向へ運用状態が逸脱する可能性が高まってきた場合に、機体の重心位置をZ軸+方向に動作させることでZMPを操作する様子を示した図である。
【図10】 遊脚が着床可能かどうかに応じて安定領域の操作方法を決定するための処理手順を示したフローチャートである。
【図11】 片脚をピッチ方向へ操作して安定領域を拡大する様子を示した図である。
【図12】 片脚をロール方向へ操作して安定領域を拡大する様子を示した図である。
【図13】 安定領域を移動することにより運用条件からの逸脱を回避する様子を示した図である。
【図14】 衝撃吸収動作を発動させる部位を判別するための処理手順を示したフローチャートである。
【図15】 システムの運用状態に応じて衝撃吸収動作を発動させる部位を判別するための処理手順を示したフローチャートである。
【図16】 モーションの再生により衝撃吸収動作を行なう様子を示した図である。
【図17】 実ZMPが存在する領域に基づいて抑制動作を判別するための処理手順を示したフローチャートである。
【図18】 実ZMPが存在する領域、及び床反力Fzの大きさを考慮し、運用状態をレベル分けして抑制動作を判別するための処理手順を示したフローチャートである。
【図19】 実ZMPが存在する領域、及び抑制動作による結果(連続抑制動作発動回数)を考慮し、運用状態をレベル分けして抑制動作を判別するための処理手順を示したフローチャートである。
【図20】 実ZMPが存在する領域に基づいて保護動作を発動するための処理手順を示したフローチャートである。
【図21】 実ZMPが存在する領域、及び床反力Fzの大きさを考慮し、運用状態をレベル分けして保護動作を発動するための処理手順を示したフローチャートである。
【図22】 実ZMPが存在する領域、及び抑制動作による結果(連続抑制動作発動回数)を考慮し、運用状態をレベル分けして保護動作を発動するための処理手順を示したフローチャートである。
【図23】 保護動作開始時(ゲインダウン開始時)に比例ゲインKpをステップ状に減少させ、関節剛性を低下させる様子を示した図である。
【図24】 保護動作開始時(ゲインダウン開始時)に比例ゲインKpをステップ状に減少させ、関節剛性を低下させることで、関節にばね定数の低いばねが挿入されている効果が得られる様子を示した図である。
【図25】 衝突開始からの時間と衝突力との関係を示した図である。
【図26】 保護動作時に速度ゲインを負の値に設定する様子を示した図である。
【図27】 保護動作時に速度ゲインを負の値に設定することで、関節にダンパとばねが挿入されている効果を得る様子を示した図である。
【図28】 比例ゲインを減少から増加へ、速度ゲインを負の値で減少するように変化させる様子を示した図である。
【図29】 足首関節、膝関節、股関節の順に比例ゲインを低下させる様子を示した図である。

Claims (32)

  1. 複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの動作制御装置であって、
    前記脚式移動ロボットの支持脚の足部に作用する床反力から算出されるZMP位置で表される運用状態が、前記足部足底が路面と接地する点により形成される支持多角形の領域で表される前記脚式移動ロボットが転倒しない運用条件を逸脱しないか否かを監視する運用状態監視部と、
    前記運用状態前記運用条件から逸脱してしまう事態を未然に回避するために、機体の上体運動の停止及び各部の位置姿勢操作の少なくとも一方を含んだ抑制動作を、あらかじめ記憶されている複数の抑制動作の中から前記運用状態に基づいて選択し、実行する抑制動作部と、
    を具備することを特徴とする脚式移動ロボットの動作制御装置。
  2. 前記抑制動作部が前記の選択した抑制動作を実行して前記運用状態が前記運用条件から逸脱してしまう事態を未然に回避することが困難で、前記運用状態を逸脱した場合における、機体並びに動作環境に対する保護動作を実行する保護動作部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  3. 前記抑制動作部は、所定期間ZMPが前記脚式移動ロボットが転倒しない運用条件を逸脱する前記支持多角形の領域に留まる状態が継続した場合に、ZMPが収容されている前記支持多角形の領域に応じた抑制動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  4. 前記抑制動作部は、所定期間におけるZMPの変化速度が継続的に所定値よりも小さい場合に、ZMPが収容されている前記支持多角形の領域に応じた抑制動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  5. 前記抑制動作部は、前記運用状態に基づいて、蹴り力を発生する動作を選択し、実行することにより、発生した床反力を用いてZMPを操作して、運用状態を回復させる、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  6. 前記抑制動作部は、前記運用状態に基づいて、動作目的が割り当てられていない前記脚式移動ロボットの部位の動作を停止し、又は動作目的が割り当てられていない前記脚式移動ロボットの部位を用いた動作を選択し、実行することにより、ZMPを操作する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  7. 前記抑制動作部は、前記運用状態に基づいて決定した前記脚式移動ロボットの操作部位を操作する動作を選択し、実行することにより、ZMPを操作する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  8. 前記抑制動作部は、前記運用状態に基づいて、前記支持多角形を拡大又は移動するように機体を操作する動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  9. 前記抑制動作部は、遊脚が着床可能かどうかに応じて前記支持多角形の操作方法を決定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  10. 前記抑制動作部は、前記運用状態に基づいて、機体を急停止するとともに関節アクチュエータのサーボ・ゲインを低下させる動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  11. 前記抑制動作部は、前記運用状態に基づいて、機体を急停止するとともに膝を曲げて衝撃吸収する動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  12. 前記抑制動作部は、前記運用状態が前記運用条件を逸脱する可能性が高まってきた場合に、動作目的に応じて判別した前記脚式移動ロボットの部位を用いた衝撃吸収動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  13. 前記運用状態監視部は、前記脚式移動ロボットの足部に作用する床反力で表される運用状態が、前記運用条件を逸脱する撃力に相当するか否かをさらに監視し、
    前記抑制動作部は、床反力が撃力に達する運用状態に応答して、アクチュエータの応答により撃力をリアルタイムで吸収する動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  14. 前記抑制動作部は、前記運用状態に基づいて、所定のモーションの再生により衝撃吸収動作を行なう動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  15. 前記抑制動作部は、抑制動作の連続発動回数を基に次の抑制動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  16. 前記保護動作部は、関節アクチュエータのサーボ・ゲインの低下、受身姿勢への移行、電源オフ、関節サーボの停止のうちいずれかを前記保護動作として実行する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の脚式移動ロボットの動作制御装置。
  17. 複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの動作制御方法であって、
    前記脚式移動ロボットの支持脚の足部に作用する床反力から算出されるZMP位置で表される運用状態が、前記足部足底が路面と接地する点により形成される支持多角形の領域で表される前記脚式移動ロボットが転倒しない運用条件を逸脱しないか否かを監視する運用状態監視ステップと、
    前記運用状態が前記運用条件から逸脱してしまう事態を未然に回避するために、機体の上体運動の停止及び各部の位置姿勢の操作の少なくとも一方を含んだ抑制動作を、あらかじめ記憶されている複数の抑制動作の中から前記運用状態に基づいて選択し、実行する抑制動作ステップと、
    を有することを特徴とする脚式移動ロボットの動作制御方法。
  18. 前記抑制動作ステップにおいて前記の選択した抑制動作を実行して前記運用状態が前記運用条件から逸脱してしまう事態を未然に回避することが困難で、前記運用状態を逸脱した場合における、機体並びに動作環境に対する保護動作を実行する保護動作ステップをさらに有する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  19. 前記抑制動作ステップでは、所定期間ZMPが前記脚式移動ロボットが転倒しない運用条件を逸脱する前記支持多角形の領域に留まる状態が継続した場合に、ZMPが収容されている前記支持多角形の領域に応じた抑制動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  20. 前記抑制動作ステップでは、所定期間におけるZMPの変化速度が継続的に所定値よりも小さい場合に、ZMPが収容されている前記支持多角形の領域に応じた抑制動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  21. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態に基づいて、蹴り力を発生する動作を選択し、実行することにより、発生した床反力を用いてZMPを操作することで、運用状態を回復させる、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  22. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態に基づいて、動作に目的が割り当てられていない前記脚式移動ロボットの部位の動作を停止し、又は動作に目的が割り当てられていない前記脚式移動ロボットの部位を用いた動作を選択し、実行することにより、ZMPを操作する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  23. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態に基づいて決定した前記脚式移動ロボットの操作部位を操作する動作を選択し、実行することにより、ZMPを操作する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  24. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態に基づいて、前記支持多角形を拡大又は移動するように機体を操作する動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  25. 前記抑制動作ステップでは、遊脚が着床可能かどうかに応じて前記支持多角形の操作方法を決定する、
    ことを特徴とする請求項24に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  26. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態に基づいて、機体を急停止するとともに関節アクチュエータのサーボ・ゲインを低下させる動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  27. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態に基づいて、機体を急停止するとともに膝を曲げて衝撃吸収する動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  28. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態が前記運用条件を逸脱する可能性が高まってきた場合に、動作目的に応じて判別した前記脚式移動ロボットの部位を用いた衝撃吸収動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  29. 前記運用状態監視ステップでは、前記脚式移動ロボットの足部に作用する床反力で表される運用状態が、前記運用条件を逸脱する撃力に相当するか否かをさらに監視し、
    前記抑制動作ステップでは、床反力が撃力に達する運用状態に応答して、アクチュエータの応答により撃力をリアルタイムで吸収する動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  30. 前記抑制動作ステップでは、前記運用状態に基づいて、所定のモーションの再生により衝撃吸収動作を行なう動作を選択し、実行する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  31. 前記抑制動作ステップでは、抑制動作の連続発動回数を基に次の抑制動作を判別する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
  32. 前記保護動作ステップでは、関節アクチュエータのサーボ・ゲインの低下、受身姿勢への移行、電源オフ、関節サーボの停止のうちいずれかを前記保護動作として実行する、
    ことを特徴とする請求項18に記載の脚式移動ロボットの動作制御方法。
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