JP4408344B2 - 作業車両の操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の操作装置の構成に関する。より詳しくは、作業車両に配設されるペダルの操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業車両の左右一側のステップ上に、前後進切換自在で走行速度を変更可能な走行ペダルを配置し、他側のステップ上には、車両に備えられた左右のブレーキ装置を独立して制動操作可能な2つの左右ターンブレーキペダルを配置すると共に、前記走行ペダルの近傍に1つのマスターブレーキペダルを配置した構成において、左右一対のブレーキ装置に連係された左右一対のブレーキペダルと、油圧式無段変速装置を操作する変速ペダルと、該変速ペダルを任意の変速位置でロックする変速ロック機構と、前記左右のブレーキ装置を同時に操作した際に変速ペダルのロック状態を解除するような構成が知られている。さらに、中立側に復帰する操向ペダルを、人為的に任意の変速位置へ保持可能な変速ロック機構を有して、マスターブレーキペダルの踏み込み操作によって、そのロック解除がなされる変速ロック機構を有するものも知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−247119号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成においては、変速ペダルの保持機構などは、作業車両のフレームの外側に配設されている。これにより、操作系のリンク機構がフレームの外に配設され、ミッドモアなどの昇降機構を配設する際のスペースが狭くなる場合がある。このため、作業機などを操作するリンク機構が操作系リンク機構との干渉をさけるため、複雑な構成となり、配設にも労力が必要となるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
請求項1においては、エンジン(E)を支持する左右のフレーム(15・15)と、前記エンジン(E)によって駆動されるHST(10)と、該HST(10)の操作部(38)に連係される変速ペダル(31・32)と、該変速ペダル(31・32)とはフレーム(15・15)を介して、逆の外側に配置した左右のブレーキペダル(34・35)を具備した作業車両の操作装置において、該変速ペダル(31・32)は、前進用変速ペダル(31)と後進用変速ペダル(32)の2本のペダルにより構成し、該前進用変速ペダル(31)は、支軸(41)に固設し、該支軸(41)にはL字アーム(43)および位置保持アーム(36)を固設し、前記後進用変速ペダル(32)は、支軸(42)に固設し、該支軸(42)に当接アーム(45)を固設し、前記L字アーム(43)は角部において支軸(41)に固設し、該L字アーム(43)の他端にダンパー(44)を接続し、後端にローラ(48)を回動自在に配設し、該ローラ(48)は、前記後進用変速ペダル(32)に固設した当接アーム(45)の一端と当接し、該前進用変速ペダル(31)を踏み込むことにより、該前進用変速ペダル(31)と共に位置保持アーム(36)が回動し、該位置保持アーム(36)に接続したロッド(37)が移動し、該ロッド(37)は前記HST(10)のHST操作部(38)に接続されHST(10)を前進側に操作し、前記後進用変速ペダル(32)を踏み込むと、該後進用変速ペダル(32)に固設した当接アーム(45)が回動し、該当接アーム(45)が、L字アーム(43)に設けたローラ(48)に当接し、該L字アーム(43)と共に前進用変速ペダル(31)も後方の後進側に回動し、該L字アーム(43)は該位置保持アーム(36)と一体的に後進側に回動し、該HST(10)が後進側に操作され、前記速度位置保持機構は、速度保持を行う速度保持レバー(51)、位置保持アーム(36)の位置を保持する爪(54)と、該爪(54)と位置保持アーム(36)の係合を解除する解除アーム(55)により構成し、該速度位置保持機構の解除は、前記速度保持レバー(51)の操作により可能とすると共に、前記左右のブレーキペダル(34・35)の制動操作によっても解除可能とし、該変速ペダル(31・32)を一定角度に保持する位置保持アーム(36)と速度位置保持機構を、前記左右のフレーム(15・15)間に設け、前記左右のフレーム(15・15)の間に配置したHST操作部(38)と、左右のフレーム(15・15)の外側に配置した変速ペダル(31・32)とを、前記速度位置保持機構を介して連係したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の作業車両の操作装置において、前記エンジン(E)の出力軸に対して、該HST(10)の入力軸をオフセットし、該HST(10)を前記フレーム(15)間において一側方に配置し、該変速ペダル(31・32)を一定角度に保持する速度位置保持機構を、前記左右のフレーム(15・15)間に設け、前記HST操作部(38)と、前記速度位置保持機構とを接続するロッド(37)を左右のフレーム(15・15)の内側に沿って配設したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0008】
図1は作業車の全体側面図である。図1において、下腹部にモアを備えた作業車の全体構成を説明する。機体前部上のボンネット1内の機枠上に、エンジンEを設置し、該ボンネット1後部にダッシュボード2を連設し、該ダッシュボード2上にハンドル3を配置している。該ダッシュボード2と座席6との間の下部には、オペレータ乗降用のステップ4を配置し、機体の左右両側方に張り出している。座席6下方に、トランスミッションケース11が配置されており、該トランスミッションケース11の前部には機体フレーム15が固設されており、この機体フレーム15上にエンジンEが載置されている。エンジンEのクランク軸にはユニバーサルジョイント7を介して油圧式無段変速装置(以下HST)10が接続されている。エンジンEの出力はHST10により変速された後にトランスミッションケース11内に入力される。トランスミッションケース11の前面にはHST10が取付けられており、前下部よりミッドPTO軸14が突出されている。ミッドPTO軸14から出力される動力はユニバーサルジョイント14を介して、作業車両の前後輪間に配設されたモア24に伝えられる。
【0009】
トランスミッションケース11の上面には、上下操作自在なリフトアームを備えた油圧式作業機昇降装置が設けられており、ミッションケース11下部両側より後方に突出したロアリンク17とトップリンク16とにより車両の後部に、耕耘装置等の作業機を昇降自在に装着することができる。
【0010】
次に、エンジンの載置構成について説明する。図2はエンジンとフレームとの関係を示す平面図、図3は同じく側面図、図4は同じく後面図である。フレーム15は前後方向に延出した2つの板状部材を左右方向に配設した接続部材により接続したラダーフレーム構造をとるものである。エンジンEはフレーム15の前後略中央部において、フレーム15に固設される。フレーム15上部にはステー21・21およびステー22・22が設けられている。ステー21・21はエンジンEの前部を防振ゴムを介して支持するものであり、ステー22・22にはエンジンEをフレーム15に固設するものである。ステー21・21には、接続部材18を介してエンジンEが接続される。接続部材18はアルミ等により構成されるものであり、剛性の高い部材により構成されるものである。この接続部材18を介してエンジンEの後部をフレーム15に固設する。
【0011】
エンジンEは前部において、防振支持され、後部においてフレーム15にリジッドマウントされるものである。フレーム15に対して4点で支持されるエンジンにおいて、出力軸側もしくはフライホイールを配設する側の2点をフレーム15に固設するものである。これにより、エンジンEと伝動軸とのミスアライメントを防止し、騒音および振動が低減されるものである。そして、急加速、急減速時におけるエンジンEの振幅を小さくでき、エンジンEに配設する電装品や、配管における設計上の自由度が増し、エンジンをコンパクトにまとめることが出来る。さらに、回転モーメントの大きいフライホイール近傍においてエンジンの振れを規制するので、フライホイール近傍の出力軸の軸受部にかかる負担を軽減できる。さらに、ジャイロ効果の大きいフライホイールを大きく動かすことがないので、エンジンの応答性を向上できる。
【0012】
次に、操作ペダルの配置構成について説明する。図5は、操作ペダルの配置構成を示す平面図である。フレーム15の左右側方には、それぞれブレーキペダル34・35と変速ペダル31・32とが配設されている。ブレーキペダル34・35は側方に並設されており、リンク機構を介して後輪のブレーキ機構に接続されている。ブレーキペダル34を踏み込むことにより、左側後輪駆動装置のブレーキ機構に接続されたロッド40が摺動し、左側後輪に制動かかかる。ブレーキペダル35においても同様に、ロッド39が摺動され右側後輪に制動がかかるものである。
【0013】
変速ペダル31・32は変速ペダル接続部33を介してフレーム15の外側面に装着される。変速ペダル接続部33はリンク機構を介してHST10の操作部38に接続しており、変速ペダル31・32の操作に応じてHST10の変速操作を行うものである。変速ペダル接続部33にはアーム36が接続されており、アーム36はロッド37によりHST操作部38に接続している。変速ペダル31・32の操作は、変速ペダル接続部33を介してアーム36に伝達され、HST10が操作されるものである。アーム36はフレーム15の内側に配設されている。これにより、アーム36とHST操作部38とを接続するロッド37をフレーム15の内側に沿って配設することができ、HST操作部38をコンパクトに構成できる。そして、アーム36からHST操作部38までのリンク機構をフレーム15により保護しやすくなる。さらに、アーム36からHST操作部38までのリンク機構がフレーム15の内側に設けられるので、ミッドマウントモアなどを配設する場合に、作業機のリンク機構と変速操作用リンクとの干渉を容易に回避可能となる。
【0014】
アーム36は、変速ペダル31・32を一定角度で固定し、作業車の走行速度を一定に保つためのものであり、ラチェット体により構成されている。アーム36はHST10を操作するための部材と、変速ペダル31・32を一定角度に保つための部材を兼ねたものとなっている。これにより、アーム36にHST操作用の機能が統一され、部品点数を減少可能であり、一定角での保持機構を含むHSTの操作機構をコンパクトに構成でき、フレーム15のスペースを有効に利用することができる。
【0015】
次に、変速ペダル31・32とアーム36の構成について、詳しく説明する。図6は変速ペダルの構成を示す平面図、図7は同じく側面図である。変速ペダル31は前進用ペダルであり、支軸41に固設されている。支軸41にはL字アーム43およびアーム36が固設し、変速ペダル31とL字アーム43およびアーム36は一体的に回動する。そして、変速ペダル32は後進用ペダルであり、支軸42に固設されている。支軸42には当接アーム45が固設しており、変速ペダル32と当接アーム45は一体的に回動する。L字アーム43は角部において支軸41に固設しており、前端にダンパー44が接続されており、後端にローラ48が回動自在に配設されている。ダンパーが前端に接続されていることにより、ミッドマウントモアなどを配設する場合に、作業機のリンク機構と変速操作用リンクとの干渉を容易に回避可能となる。ローラー48はL字アーム43の後方に配設した当接レバー45に当接しているものである。なお、L字アーム43、当接アーム45は変速ペダル接続部33内に配設されている。ダンパー44をL字アーム43に接続することにより、変速ペダルが急激に中立位置に復帰することを抑制し、HSTにおける急速な中立位置への復帰により発生するハイドロブレーキを防止するものである。
【0016】
次に、変速ペダル31・32とアーム36の作動構成について説明する。図8はペダルの作動構成を示す模式図、図8(a)は前進時の作動構成、図8(b)は後進時の作動構成を示す図である。図8(a)に示すごとく、前進ペダルである変速ペダル31を踏み込むと、変速ペダル31と共にアーム36が前方に回動する。アーム36にはHST操作部に接続したロッド37が接続しており、ロッド37が前方に移動するものである。これにより、HSTが前進側に操作される。そして、図8(b)に示すごとく、後進ペダルである変速ペダル32を踏み込むと、変速ペダル32とともに当接アーム45が前方に回動する。当接アーム45はL字アーム43のローラ48に当接しており、当接アーム45の前方への回動によりL字アーム43が後方に回動する。L字アーム43はアーム36と一体的に回動する構成となっている。すなわち、変速ペダル32の踏み込みによりアーム36が後方に回動し、ロッド37が後方に移動し、HSTが後進側に操作される。
【0017】
次に、変速ペダルを一定角に維持する構成について説明する。図9は速度保持機構の構成を示す図である。速度保持機構は、速度保持を行う速度保持レバー51、アーム36の位置を保持する爪54、爪54とアーム36との係合を解除する解除アーム55により構成されている。速度保持レバー51はステアリングホイール下方のフロントコラムに配設されており、速度保持レバー51にはロッド52の上端が接続されている。ロッド52の下端は回動自在に枢支されたステー53の一端に接続しており、ステー53にはアーム36に係合する爪54が設けられている。該ステー53はフレーム15・15間に設けられている。アーム36の前上部にはノコギリ状の歯が設けられており、この部位に前記の爪54が係合してアーム36を保持する。ステー53をフレーム15・15間に配設することにより、速度保持機構をフレーム15により保護することが可能となり、部品点数を削減しながら、速度保持機構を保護し、安定した動作を得ることが出来る。
【0018】
速度保持機構は解除状態において、図9(a)に示すごとく、速度保持レバー51は下方に回動した状態で保持されており、爪54とアーム36との係合が解除されている。速度保持レバー51を、図9(b)に示すごとく、上方に回動すると、ロッド52が下方に移動してステー53が下方に回動する。これにより、ステー53に設けられた爪54がアーム36に係合して、アーム36の位置が保持される。なお、アーム36にはHST操作部に接続しており、HST操作部の復帰力が伝達されるため中立位置への復帰力が常にかかるものである。速度保持の解消は、ブレーキ操作により行うことができる。ブレーキ操作を行うことにより、アーム36と爪54との係合を解除させるものである。ブレーキ操作手段に連動したアーム55によりアーム36と爪54の係合を解除するものである。アーム55はブレーキペダルに連動しており、ブレーキ操作を行うことにより、アーム55が前方に回動する。爪54を保持するステー53にはアーム55側に折れ曲がった当接部が構成されており、アーム55の先端の突起部と当接可能に構成されている。このため、図9(c)に示すごとく、アーム55を前方に回動させると、アーム55の突起部がステー53に当接し、ステー53を上方に回動させる。これにより、爪54とアーム36との係合を解消され、速度保持状態が解消される。
【0019】
[速度保持アームの別実施例]
図10は速度保持機構のアームの側面図である。速度保持機構を構成するアーム36としては、図10に示すごとく、ダンパー44をアーム36に接続することも可能である。これにより、他の変速操作に用いられる部材を簡便に構成することが可能であり、部品点数を削減できる。また、HST操作部に接続したアーム36にダンパー44を接続するので、フリクションロスなどによる抵抗を軽減して、ダンパー44の調節が容易となる。また、フリクションロスなどの要素を減少できるので、安定したペダルの操作感を維持できる。
【0020】
[変速ペダル接続部の別実施例]
次に、変速ペダル接続部33の配置における別実施例について説明する。図11は変速ペダル接続部の別実施例を示す平面図である。この実施例においては、変速ペダルの接続部33をフレーム15の内側に配設するものである。変速ペダル31・32はフレーム15の外側に配設され、変速ペダル接続部33はフレーム15の内側面に固設されるものである。これにより、ペダル31・32よる受ける荷重をフレーム15により直接受け止めることが可能であり、ペダル接続部33に係る負荷を軽減できるものである。さらに、フレーム15の外側における構成を簡素にすることができ、ミッドマウントモアなどの作業機を取付ける場合に、昇降機構などの設置が容易となる。
【0021】
[ブレーキ]
次に、ブレーキの構成について説明する。図12はブレーキペダルの構成を示す側面図、図13は同じく平面図である。ブレーキペダル34・35はフレーム15の外側に配設されている。ブレーキペダル34は支軸81に回動自在に支持されており、支軸81に対して相対回動自在に構成されている。ブレーキペダル35は支軸81に固設されており、支軸81と一体的に回動する。支軸81はフレーム15・15間において横架されており、フレーム15に回動自在に支持されている。ブレーキペダル34の基部には上斜後方に延出されたアームが設けられており、ブレーキペダル34の動きをロッド40に伝達する。ブレーキペダル35は支軸81の一端に固設されており、他端には上斜後方に延出されたアームが設けられている。アームはロッド39に接続されており、アームを介してブレーキペダル35の動きをロッド39に伝達する。ロッド40・39はそれぞれ後輪のブレーキ装置に接続されており、ロッド40・39の摺動により左右の後輪にそれぞれ制動を行うものである。
【0022】
ブレーキペダル34・35の基部には下方に延出されたアームがそれぞれ設けられており、アームはそれぞれ接続部材92・93に接続されている。接続部材92・93はともにプレート91に接続しており、プレート91は支軸94に固設したアームに接続している。支軸94には、前述した速度保持機構の解除アーム55が固設されており、支軸94の回動により解除アーム55が回動して速度保持が解除されるものである。接続部材92・93は長孔を介してブレーキペダル34・35の下方に延出されたアームに接続されるものであり、一方のブレーキペダルが踏み込まれることによりプレート91を後方に摺動させて支軸94を回動させる。これにより、ブレーキペダル34・35の踏み込みにより速度保持が解除されるものである。
【0023】
[駐車ブレーキ]
次に駐車ブレーキの構成について説明する。図14は駐車ブレーキ機構を示す図であり、図14(a)は駐車ブレーキの作動状態を示す図、図14(b)は駐車ブレーキの解除状態を示す図である。ブレーキペダル35はブレーキペダル34に係止可能に構成されており、係止することによりブレーキペダル34・35を一体的に回動することとなる。これにより、ブレーキペダル34・35の踏み込みにより、支軸81が回動するものである。そして、支軸81の回動角度を保持することにより、駐車ブレーキとすることが出来るものである。
【0024】
支軸81には延出プレート82が固設されており、プレート82は支軸81に対して直交方向に延出されている。プレート82は支軸81と一体的に回動するものであり、外縁部に係合用の歯が形成されている。プレート82の前方には、アーム83が配設されている。アーム83はフレーム15の内側において回動自在に支持されており、アーム83の先端には係合部材84が固設されている。係合部材84はL字状に構成された棒状部材であり、先端部をプレート82に係合可能に構成している。そして、係合部材84とプレート82とが係合することにより、支軸81の回動状態が保持され、駐車ブレーキがかかる。アーム83にはロッド85が接続されており、ロッド85の上下摺動に応じてアームが前後方向に回動する。ロッド85は図示しない駐車ブレーキレバーに接続されており、ブレーキを踏んだ状態で駐車ブレーキレバーを操作して駐車ブレーキをかけるものである。
【0025】
駐車ブレーキレバーによりロッド85を下げると、アーム83が下方に回動し、係合部材84がプレート82の歯形成部と係合する。これにより、プレート82の後方への回動が規制されて、図14(a)に示すごとく、駐車ブレーキの作動状態となる。そして、駐車ブレーキレバーによりロッド85を上げると、アーム83が上方に回動し、係合部材84とプレート82との係合が解除される。これにより、図14(b)に示すごとく、駐車ブレーキが解除されるものである。
【0026】
このように、駐車ブレーキ用のラッチとなるプレート82をフレーム15・15間に配設し、ブレーキシャフトとなる支軸81をフレーム15・15間において露出した状態とするものである。支軸81はフレーム15においてブッシュ等を介して回動自在に支持されているのであり、ブレーキ操作機構を簡便に構成できる。また、ラッチとなるプレート82と係合する係合部材84をフレーム15・15間に配置する。これにより、作業車のブレーキ操作機構および駐車ブレーキ機構を簡便かつコンパクトに構成することができるとともに、作業車の配管構成や、ミッドマウントモアなどの作業機の設計上の自由度を向上させることができる。また、フレーム15をブレーキ操作機構の支持部材として積極的に利用し、部品点数の削減および製造コストの軽減を行うことが出来るものである。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、エンジン(E)を支持する左右のフレーム(15・15)と、前記エンジン(E)によって駆動されるHST(10)と、該HST(10)の操作部(38)に連係される変速ペダル(31・32)と、該変速ペダル(31・32)とはフレーム(15・15)を介して、逆の外側に配置した左右のブレーキペダル(34・35)を具備した作業車両の操作装置において、該変速ペダル(31・32)は、前進用変速ペダル(31)と後進用変速ペダル(32)の2本のペダルにより構成し、該前進用変速ペダル(31)は、支軸(41)に固設し、該支軸(41)にはL字アーム(43)および位置保持アーム(36)を固設し、前記後進用変速ペダル(32)は、支軸(42)に固設し、該支軸(42)に当接アーム(45)を固設し、前記L字アーム(43)は角部において支軸(41)に固設し、該L字アーム(43)の他端にダンパー(44)を接続し、後端にローラ(48)を回動自在に配設し、該ローラ(48)は、前記後進用変速ペダル(32)に固設した当接アーム(45)の一端と当接し、該前進用変速ペダル(31)を踏み込むことにより、該前進用変速ペダル(31)と共に位置保持アーム(36)が回動し、該位置保持アーム(36)に接続したロッド(37)が移動し、該ロッド(37)は前記HST(10)のHST操作部(38)に接続されHST(10)を前進側に操作し、前記後進用変速ペダル(32)を踏み込むと、該後進用変速ペダル(32)に固設した当接アーム(45)が回動し、該当接アーム(45)が、L字アーム(43)に設けたローラ(48)に当接し、該L字アーム(43)と共に前進用変速ペダル(31)も後方の後進側に回動し、該L字アーム(43)は該位置保持アーム(36)と一体的に後進側に回動し、該HST(10)が後進側に操作され、前記速度位置保持機構は、速度保持を行う速度保持レバー(51)、位置保持アーム(36)の位置を保持する爪(54)と、該爪(54)と位置保持アーム(36)の係合を解除する解除アーム(55)により構成し、該速度位置保持機構の解除は、前記速度保持レバー(51)の操作により可能とすると共に、前記左右のブレーキペダル(34・35)の制動操作によっても解除可能とし、該変速ペダル(31・32)を一定角度に保持する位置保持アーム(36)と速度位置保持機構を、前記左右のフレーム(15・15)間に設け、前記左右のフレーム(15・15)の間に配置したHST操作部(38)と、左右のフレーム(15・15)の外側に配置した変速ペダル(31・32)とを、前記速度位置保持機構を介して連係したので、フレーム外側方の空間を有効に利用することが可能となり、フレーム下方に配設する作業機の昇降機構を配設しやすく、作業機の装着が容易となる。
【0028】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載の作業車両の操作装置において、前記エンジン(E)の出力軸に対して、該HST(10)の入力軸をオフセットし、該HST(10)を前記フレーム(15)間において一側方に配置し、該変速ペダル(31・32)を一定角度に保持する速度位置保持機構を、前記左右のフレーム(15・15)間に設け、前記HST操作部(38)と、前記速度位置保持機構とを接続するロッド(37)を左右のフレーム(15・15)の内側に沿って配設したので、フレーム内側に操作機構を配設し、フレームにより操作機構を保護することが可能であり、外側方の空間を有効に利用することができる。さらに、フレーム下方に配設する作業機の昇降機構を配設しやすく、作業機の装着が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 作業車の全体側面図。
【図2】 エンジンとフレームとの関係を示す平面図。
【図3】 同じく側面図。
【図4】 同じく後面図。
【図5】 操作ペダルの配置構成を示す平面図。
【図6】 変速ペダルの構成を示す平面図。
【図7】 同じく側面図。
【図8】 ペダルの作動構成を示す模式図。
【図9】 速度保持機構の構成を示す図。
【図10】 速度保持機構のアームの側面図。
【図11】 変速ペダル接続部の別実施例を示す平面図。
【図12】 ブレーキペダルの構成を示す側面図。
【図13】 同じく平面図。
【図14】 駐車ブレーキ機構を示す図。
【符号の説明】
15 フレーム
31・32 変速ペダル
33 変速ペダル接続部
34 アーム
37 ロッド
Claims (2)
- エンジン(E)を支持する左右のフレーム(15・15)と、前記エンジン(E)によって駆動されるHST(10)と、該HST(10)の操作部(38)に連係される変速ペダル(31・32)と、該変速ペダル(31・32)とはフレーム(15・15)を介して、逆の外側に配置した左右のブレーキペダル(34・35)を具備した作業車両の操作装置において、該変速ペダル(31・32)は、前進用変速ペダル(31)と後進用変速ペダル(32)の2本のペダルにより構成し、該前進用変速ペダル(31)は、支軸(41)に固設し、該支軸(41)にはL字アーム(43)および位置保持アーム(36)を固設し、前記後進用変速ペダル(32)は、支軸(42)に固設し、該支軸(42)に当接アーム(45)を固設し、前記L字アーム(43)は角部において支軸(41)に固設し、該L字アーム(43)の他端にダンパー(44)を接続し、後端にローラ(48)を回動自在に配設し、該ローラ(48)は、前記後進用変速ペダル(32)に固設した当接アーム(45)の一端と当接し、該前進用変速ペダル(31)を踏み込むことにより、該前進用変速ペダル(31)と共に位置保持アーム(36)が回動し、該位置保持アーム(36)に接続したロッド(37)が移動し、該ロッド(37)は前記HST(10)のHST操作部(38)に接続されHST(10)を前進側に操作し、前記後進用変速ペダル(32)を踏み込むと、該後進用変速ペダル(32)に固設した当接アーム(45)が回動し、該当接アーム(45)が、L字アーム(43)に設けたローラ(48)に当接し、該L字アーム(43)と共に前進用変速ペダル(31)も後方の後進側に回動し、該L字アーム(43)は該位置保持アーム(36)と一体的に後進側に回動し、該HST(10)が後進側に操作され、前記速度位置保持機構は、速度保持を行う速度保持レバー(51)、位置保持アーム(36)の位置を保持する爪(54)と、該爪(54)と位置保持アーム(36)の係合を解除する解除アーム(55)により構成し、該速度位置保持機構の解除は、前記速度保持レバー(51)の操作により可能とすると共に、前記左右のブレーキペダル(34・35)の制動操作によっても解除可能とし、該変速ペダル(31・32)を一定角度に保持する位置保持アーム(36)と速度位置保持機構を、前記フレーム(15)間に設け、前記左右のフレーム(15・15)の間に配置したHST操作部(38)と、左右のフレーム(15・15)の外側に配置した変速ペダル(31・32)とを、前記速度位置保持機構を介して連係したことを特徴とする作業車両の操作装置。
- 請求項1記載の作業車両の操作装置において、前記エンジン(E)の出力軸に対して、該HST(10)の入力軸をオフセットし、該HST(10)を前記左右のフレーム(15・15)間において一側方に配置し、該変速ペダル(31・32)を一定角度に保持する速度位置保持機構を、前記左右のフレーム(15・15)間に設け、前記HST操作部(38)と、前記速度位置保持機構とを接続するロッド(37)を左右のフレーム(15・15)の内側に沿って配設したことを特徴とする作業車両の操作装置。
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