JP4407831B2 - オープンデッキ型のシリンダブロック - Google Patents

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Description

本発明は、オープンデッキ型のシリンダブロックをガスケットを介してシリンダヘッドに組み付ける際、シリンダブロックの長手方向両端に位置するシリンダボアの変形を抑えることが可能なオープンデッキ型のシリンダブロック関するものである。
一般に、エンジンのシリンダブロックには、図9に示すように、エンジンの冷却効率の向上及び軽量化のために、シリンダヘッドとの合わせ面7において、略直線的に複数配置されるシリンダボア3〜6と、シリンダブロック外壁12とを離間させるように設けられたウォータジャケット8を有するオープンデッキ型のシリンダブロック50が採用されている。
また、図9に示すように、このシリンダブロック50の長手側シリンダブロック外壁11、11には、ヘッドボルト(図示略)が締め付られる締付孔13a〜17aを有する締付ボス部13〜17が間隔をおいて複数形成されている(図9では10個)。これらの締付ボス部13〜17の内、2対の締付ボス部13と13及び17と17は、シリンダブロック1の長手側シリンダブロック外壁11、11の両端にそれぞれ配置されると共に、3対の締付ボス部14と14、15と15及び16と16は、隣接するシリンダボア3〜6の各結合部位の両側にそれぞれ配置されている。
そして、シリンダブロック50にシリンダヘッドが組み付けられる際には、シリンダブロック50の上面にガスケットが介装された状態でシリンダヘッドが載置されて、ヘッドボルトをシリンダブロック50の長手側シリンダブロック外壁11、11に設けられた締付ボス部13〜17の締付孔13a〜17aに締め付けることで、シリンダブロック50にシリンダヘッドが組み付けられるようになる。なお、図9はシリンダブロックの上面を模式的に図示したもので、シリンダヘッド、ヘッドボルト及びガスケットの図示は省略している。
しかしながら、シリンダブロック50をガスケットを介してシリンダヘッドにヘッドボルトにより所定の締付トルクで締め付けると、従来から問題点として指摘されているように、各シリンダボア3〜6が変形した状態となり、特に両端に位置するシリンダボア3、6の変形が著しく悪化する。その原因としては、図10及び図11に示すように、シリンダブロック50をシリンダヘッドに組み付けた際には、シリンダブロック50の長手方向端部に位置するシリンダボア3には、シリンダボア3の半円分の領域(図10(b)の点線で囲んだ領域)に対して、その両側の締付孔13a、13aに挿通される2本のヘッドボルトの締付力が作用することになるが、一方、中間に位置するシリンダボア4には、隣接するシリンダボア3、4の各半円分の領域(図10(b)の実線で囲んだ領域)それぞれに対して、その結合部分の両側の締付孔14a、14aに挿通される2本のヘッドボルトの締付力が作用することになる。そのため、端部に位置するシリンダボア3に作用する締付力が、中間に位置するシリンダボア4に作用する締付力よりも大きくなってしまい、シリンダボア3のボア壁3aが、図10(b)及び図11(b)に示すように、上面視で楕円状に変形すると共に、側面視で座屈変形してしまう。
このような状態で組み付けられると、ボアの変形により、運転時にピストンリングがボアの変形に追従することが困難となり、燃焼室内へ潤滑オイルが侵入して燃焼してしまい潤滑オイルの消費量が増大するという問題が生じ、さらには、ブローバイガスの発生の原因となる。
そして、従来からこうした問題を解決すべく種々の提案が成されており、特許文献1には、オープンデッキ型シリンダブロックにおいて、クランク軸方向の両端部に位置するシリンダボアの、クランク軸方向にシリンダブロック外壁と対向する端部近傍の肉厚を、他の部分の肉厚よりも厚くして、シリンダブロックにシリンダヘッドを組み付けた際の、両端に位置するシリンダボアの変形を防止することが開示されている。
特開平10−47153号公報
上述したように、特許文献1の発明では、両端部に位置するシリンダボアの、クランク軸方向でシリンダブロック外壁部と対向する端部近傍の肉厚を、他の部分よりも厚くして、各シリンダボアの変形を防ごうとしているが、単に肉厚を厚くするだけの形状変更では、両端に位置するシリンダボアの変形を抑えることはできず、さらに、シリンダブロックだけの形状変更だけでは、両端に位置するシリンダボアの変形発生メカニズムの根本的な解決となり得ない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、オープンデッキ型のシリンダブロックをガスケットを介してシリンダヘッドに組み付ける際、シリンダブロックの長手方向両端に位置するシリンダボアの変形を抑えることが可能なオープンデッキ型のシリンダブロック提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載したオープンデッキ型のシリンダブロックの発明は、オープンデッキ型のシリンダブロックの長手方向両端に位置する各シリンダボアの各ボア壁の、前記シリンダブロックの長手方向両側に位置するシリンダブロック外壁の内壁面と対向する部位に、前記各ボア壁の外壁面から前記シリンダブロック外壁の内壁面に向けて突出する壁部を、それぞれ一体に形成し、前記各シリンダボアの各ボア壁及び前記各壁部の上面にそれぞれ沿うように形成したガスケットビードを有するガスケットを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載したオープンデッキ型のシリンダブロックの発明は、請求項1に記載した発明において、前記壁部は、前記各シリンダボアの前記シリンダブロック外壁側に結合される仮想シリンダボアのボア壁の一部を形成するような形状に形成したことを特徴とするものである。
請求項3に記載したオープンデッキ型のシリンダブロックの発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記壁部の高さは、ウォータジャケットの深さと略同一に設定されることを特徴とするものである。
さらに、上記課題を解決するための手段として、請求項に記載したオープンデッキ型のシリンダブロックの発明は、オープンデッキ型のシリンダブロックの長手方向両端に位置する各シリンダボアのボア壁を、前記シリンダブロックの長手方向両側に位置するシリンダブロック外壁の内壁面に一体に結合し、前記各シリンダブロック外壁の外壁面に、前記各シリンダボアのシリンダブロック外壁との結合部に仮想シリンダボアのボア壁の一部が連設されるような凹部を形成し、前記各シリンダボアの各ボア壁及び前記シリンダブロック外壁の凹部の形成部位の上面にそれぞれ沿うように形成したガスケットビードを有するガスケットを備えたことを特徴とするものである。
従って、請求項1に記載したオープンデッキ型のシリンダブロックの発明では、オープンデッキ型のシリンダブロックの長手方向両端に位置する各シリンダボアの各ボア壁に、該各ボア壁の外壁面からシリンダブロックの長手方向両端に位置するシリンダブロック外壁の内壁面に向けて突出する壁部を、それぞれ一体に形成したので、両端に位置するシリンダボアのボア壁で、組み付けの際に想定される変形部位の剛性が向上される。また、ガスケットには、各シリンダボアの各ボア壁及び各壁部の上面に沿うようなガスケットビードが形成されているので、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間にガスケットを介装した状態でヘッドボルトにより締め付けた際、特に、両端に位置するシリンダボア周辺のヘッドボルトの締付力が、ガスケットのガスケットビードを介して各壁部に伝達されるために、両端に位置するシリンダボアのボア壁の剛性が、その変形を抑えるべく効果的に作用するようになる。
請求項2に記載したオープンデッキ型のシリンダブロックの発明では、各壁部が、両端に位置する各シリンダボアのシリンダブロック外壁側に結合される仮想シリンダボアのボア壁の一部を形成するような形状に形成されているため、両端に位置するシリンダボア周辺のヘッドボルトを締め付けると、その締付力は、両端のシリンダボアと各壁部(仮想シリンダボア)とに分散されて、従来のようにヘッドボルトによる締付力が両端のシリンダボアだけに作用するのを防ぎ、両端に位置するシリンダボアの変形が抑えられる。
請求項3に記載したオープンデッキ型のシリンダブロックの発明では、両端に位置するシリンダボアのボア壁の剛性がさらに向上される。
請求項に記載したシリンダブロックの発明では、各シリンダブロック外壁の外壁面に凹部をそれぞれ形成して、各シリンダブロック外壁の内壁面を両端に位置する各シリンダボアの各ボア壁に結合して、両端に位置する各シリンダボアのシリンダブロック外壁との結合部に仮想シリンダボアのボア壁の一部を連設させたので、両端のシリンダボアのボア壁で、組み付けの際に想定される変形部位の剛性が向上される。また、ガスケットには、各シリンダボアの各ボア壁及びシリンダブロック外壁に設けた凹部の形成部位の上面に沿うようなガスケットビードが形成されているので、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間にガスケットを介装した状態でヘッドボルトにより締め付けた際、特に、両端に位置するシリンダボア周辺のヘッドボルトの締付力が、ガスケットのガスケットビードを介してシリンダブロック外壁に設けた凹部の形成部位(仮想シリンダボアのボア壁)の上面に伝達されるために、両端に位置するシリンダボアのボア壁の剛性が、その変形を抑えるべく効果的に作用するようになる。
本発明によれば、オープンデッキ型のシリンダブロックをガスケットを介してシリンダヘッドに組み付ける際、シリンダブロックの長手方向両端に位置するシリンダボアの変形を抑えることが可能なオープンデッキ型のシリンダブロック提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図8に基いて詳細に説明する。従来例と同一部材及び相当する部品は、同一の符号を使用して説明する。
本発明の実施の形態に係るシリンダブロック1は、図1〜図3に示すように、シリンダヘッド(図示略)との合わせ面7において、略直線的に複数(本実施の形態では、直列4気筒)配置されるシリンダボア3〜6の周りを開口して設けたウォータジャケット8を有するオープンデッキ型のシリンダブロック1として構成されている。
図1及び図2に示すように、このシリンダブロック1は、4つのシリンダボア3〜6が直列状に配置されている。これらシリンダボア3〜6は、前端側から後端側に向かって、#1気筒3、#2気筒4、#3気筒5、#4気筒6として構成されている。また、シリンダブロック1は、シリンダヘッドとの合わせ面7において、各シリンダボア3〜6の周りを開口したウォータジャケット8を備えている。このウォータジャケット8は、各シリンダボア3〜8の周りをシリンダブロック外壁12との間に間隔をあけるように形成されている。このウォータジャケット8は、エンジンの冷却効率を向上させるべく適宜の深さで形成されている。また、このシリンダブロック1は、各シリンダボア3〜6が直列に一体的に結合されて構成されたサイアミーズ型シリンダブロックである。
図1に示すように、このシリンダブロック1の長手側シリンダブロック外壁11、11には、ヘッドボルト(図示略)が締め付られる締付孔13a〜17aを有する締付ボス部13〜17が間隔をおいて複数形成されている(本実施の形態では10個)。これらの締付ボス部13〜17の内、2対の締付ボス部13と13及び17と17は、シリンダブロック1の長手側シリンダブロック外壁11、11の両端にそれぞれ配置されると共に、3対の締付ボス部14と14、15と15及び16と16は、隣接するシリンダボア3〜6の各結合部位の両側にそれぞれ配置されている。
また、シリンダブロック1の長手方向両端に位置するシリンダボア3、6のボア壁3a、6aの外壁面で、シリンダブロック1の短手側シリンダブロック外壁10、10の内壁面と対向する部位に、各ボア壁3a、6aの外壁面から短手側シリンダブロック外壁10、10の内壁面に向けて突出する壁部20、20がそれぞれ一体に結合されている。これらの壁部20、20は、その形状が各シリンダボア3、6のボア壁3a、6aの一部と略同一に形成されている。また、これらの壁部20、20の高さは、ウォータジャケット8の深さと略同一に設定される。
また、これらの壁部20、20の外壁面と各シリンダボア3、6のボア壁3a、6aの外壁面との結合形態は、隣接するシリンダボア4、5のボア壁4a、5aのそれぞれの外壁面が結合される結合形態と略同一である。
さらに、各壁部20、20の周長(又は中心角)は、各壁部20、20が両端のシリンダボア3、6のボア壁3a、6aの外壁面と結合された状態で、シリンダブロック1の短手側シリンダブロック外壁10、10と、各シリンダボア3、6のボア壁3a、6aとの間のウォータジャケット8、8内に位置できるように適宜設定される。なお、各壁部20、20は、ボア壁3a、6aとの結合部位とは反対側の両端部が、シリンダブロック1の短手側シリンダブロック外壁10、10に一体に結合される形態でもよい。
以上のように、両端に位置するシリンダボア3、6のボア壁3a、6aに一体に結合される各壁部20、20は、シリンダボア3、6のボア壁3a、6aの一部と略同じ形状、すなわち、擬似的なシリンダボア(仮想シリンダボア)として構成されるために、両端に位置するシリンダボア3、6は、その短手側シリンダブロック外壁10、10側に、シリンダボアが結合されているような環境になる。
次に、本発明の実施の形態に係るガスケット2は、上述した本発明の実施の形態に係るシリンダブロック1に使用されるもので、単板または積層板からなる板状に形成されており、図3には図示されていないが、各シリンダボア3〜6、ウォータジャケット8及びシリンダブロック1とシリンダヘッドとを連通するオイル通路(図示略)等を適宜避けるための空間を有する形状になっており、それらのシール性を保持すべくガスケットビードが適宜な位置に形成されている。
また、ガスケット2には、図3に示すように、シリンダボア3〜6のボア壁3a〜6aの上面に沿うように形成した、略円筒形状で互いに結合された複数(本実施の形態では4個)のガスケットビード23、及び各壁部20、20の上面に沿うように形成した、両端の各ガスケットビード23、23に結合された円弧状の各ガスケットビード24、24を有している。
そして、図4及び図5に示すように、シリンダブロック1とシリンダヘッドとをガスケット2を介装した状態で、ヘッドボルトを端部のシリンダボア3の両側の締付孔13a、13aに締め付けると、その締付力は、ガスケット2のガスケットビード23、24を介して、図4(b)の点線で囲んだ領域内のシリンダボア3のボア壁3aの上面及び壁部20の上面に作用して、その締付力がシリンダボア3と壁部20とに分散されるようになる。これにより、従来のように、ヘッドボルトの締付力が端部のシリンダボア3だけに作用することはなく、端部のシリンダボア3のボア壁3aの変形、つまり、上面視での楕円状の変形(図10(b)参照)や側面視での座屈による変形(図11(b)参照)が抑制される。
次に、シリンダブロック1にガスケット2を介してシリンダヘッドに組み付けた際の、従来構造における端部に位置するシリンダボア3の変形量と、本発明の構造における端部に位置するシリンダボア3の変形量とを、有限要素法(FEM)によってシリンダボア3の真円度の観点から比較解析した結果を、図6及び図7に基いて説明する。
図6は、シリンダボア3の上面からの各距離における平面上の真円度(0.A値:オーバーオール値)をグラフ化したものであり、本発明の構造は従来構造に比べて、シリンダボア3の真円度が略50%程度改善されていることが解る。
また、図7は、シリンダボアの上面からの各距離における平面上の真円度(4次変形値)をグラフ化したものであり、本発明の構造は従来構造に比べて、シリンダボア3の真円度が略25%程度改善されていることが解る。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、オープンデッキ型のシリンダブロック1の両端に位置するシリンダボア3、6のボア壁3a、6aの外壁面で、シリンダブロック1の短手側シリンダブロック外壁10、10の内壁面と対向する部位に、仮想シリンダボアのボア壁の一部を形成するように、シリンダボア3、6のボア壁3a、6aの一部の形状と略同一形状の壁部20、20を、短手側シリンダブロック外壁10、10側に突出するようにそれぞれ一体に結合している。さらに、ガスケット2には、少なくとも各シリンダボア3〜6のボア壁3a、6a及び各壁部20、20の上面に沿うようなガスケットビード23、24が形成されている。
これにより、シリンダブロック1の両端に位置するシリンダボア3、6は、仮想シリンダボアのボア壁の一部を形成するような形状の各壁部20、20を一体に結合して形成されることにより、中間に位置するシリンダボア4、5と略同じ環境となり、しかも、ガスケット2には、各壁部20、20の上面に沿うようなガスケットビード24、24が形成されているので、両端に位置するシリンダボア3、6の両側の各ヘッドボルトを締め付けた際、その締付力が両端のシリンダボア3、6だけに集中せず各壁部20、20にも分散するため、両端のシリンダボア3、6の変形量を抑制することができる。
そして、従来から問題とされてきた、シリンダブロック1をシリンダヘッドへ組み付ける際の両端に位置するシリンダボア3、6の変形を抑えることが可能となったので、運転時に潤滑オイルが燃焼室内へ侵入することを防ぎ、潤滑オイルの消費量を低減させることができ、さらに、ブローバイガスの発生をも抑えることが可能になった。
次に、オープンデッキ型のシリンダブロック1の他の実施形態を図8に基いて説明する。
シリンダブロック1aは、その短手側シリンダブロック外壁10、10の略中央部位をそれぞれ内側に湾曲させることで湾曲状の壁部20、20を形成して、各壁部20、20の外壁面を両端に位置するシリンダボア3、6のボア壁3a、6aの外壁面に結合させて構成している。
詳述すると、シリンダブロック1aの各壁部20、20は、その形状が各シリンダボア3、6のボア壁3a、6aの一部と略同一形状に形成されるように、つまり、両端に位置するシリンダボア3、6のボア壁3a、6aとの結合部に仮想シリンダボアのボア壁の一部が連設されるように、短手側シリンダブロック外壁10、10の略中央部位に円弧状の凹部21、21を形成して構成されている。
また、他の実施形態のシリンダブロック1aに使用されるガスケット2は、図1に示すシリンダブロック1に使用されるガスケット2と同一で、図3に示すように、各シリンダボア3〜6のボア壁3a〜6aの上面に沿うように形成した、略円筒形状で互いに結合された複数(本実施の形態では4個)のガスケットビード23、及び各壁部(凹部21、21の形成部位)20、20の上面に沿うように形成した、両端の各ガスケットビード23、23に結合された円弧状の各ガスケットビード24、24を有する構造である。
このように構成することにより、シリンダブロック1aの両端に位置するシリンダボア3、6は、図1に示すシリンダブロック1の両端に位置するシリンダボア3、6と略同等の剛性を有するようになり、シリンダブロック1aをシリンダヘッドへ組み付ける際、両端に位置するシリンダボア3、6の変形が抑えられて、潤滑オイルの消費量を低減させることができ、ブローバイガスの発生をも抑えることができる。
ここで、上述した他の実施形態のごとく各壁部20、20が構成されると、両端のシリンダボア3、6と、シリンダブロック1aの短手側シリンダブロック外壁10、10との間にウォータジャケット8、8が構成されなくなる。しかしながら、冷却性の問題において、最高温度に達するのは中間に位置するシリンダボア4、5であるため、両端に位置するシリンダボア3、6と、シリンダブロック1aの短手側シリンダブロック外壁10、10との間のウォータジャケット8、8の有無についてはさほど問題になることはない。必要であれば、シリンダブロック1aの上部に、各シリンダボア3〜6の両側に位置する各ウォータジャケット8、8を連通させる冷却水通路を設けてもよい。
なお、本発明の実施の形態では、両端に位置するシリンダボア3、6を中間のシリンダボア4、5と略同じ環境にするために、各壁部20、20を各シリンダボア3、6のボア壁3a、6aの一部と略同一の形状で形成したが、各壁部20、20の形状は、各壁部20、20と等価な剛性を有する形状であればこの形状に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係るオープンデッキ型のシリンダブロックの上面を模式的に図示したものである。 図2は、本発明の実施の形態に係るオープンデッキ型のシリンダブロックの端部を斜め上方向から見た斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るガスケットの主要なガスケットビードを示した上面図である。 図4は、本発明のシリンダブロックにおけるシリンダボアの変形具合を示す上面図で、(a)は締付前、(b)は締付後を示している。 図5は、本発明のシリンダブロックにおけるシリンダボアの変形具合を示す側面図で、(a)は締付前、(b)は締付後を示している。 図6は、有限要素法によって端部に位置するシリンダボアの真円度(O.A.値)を従来構造と発明構造とで比較解析した結果を示した図である。 図7は、有限要素法によって端部に位置するシリンダボアの真円度(4次変形値)を従来構造と発明構造とで比較解析した結果を示した図である。 図8は、シリンダブロックの他の実施形態の上面を模式的に図示したものである。 図9は、従来のオープンデッキ型のシリンダブロックの上面を模式的に図示したものである。 図10は、従来のシリンダブロックにおけるシリンダボアの変形具合を示す上面図で、(a)は締付前、(b)は締付後を示している。 図11は、従来のシリンダブロックにおけるシリンダボアの変形具合を示す側面図で、(a)は締付前、(b)は締付後を示している。
符号の説明
1、1a オープンデッキ型のシリンダブロック,2 ガスケット,3〜6 シリンダボア,3a〜6a ボア壁,10 短手側シリンダブロック外壁,11 長手側シリンダブロック外壁,12 シリンダブロック外壁,13a〜17a 締付孔,20 壁部,21 凹部,23、24 ガスケットビード

Claims (4)

  1. オープンデッキ型のシリンダブロックの長手方向両端に位置する各シリンダボアの各ボア壁の、前記シリンダブロックの長手方向両側に位置するシリンダブロック外壁の内壁面と対向する部位に、前記各ボア壁の外壁面から前記シリンダブロック外壁の内壁面に向けて突出する壁部を、それぞれ一体に形成し
    前記各シリンダボアの各ボア壁及び前記各壁部の上面にそれぞれ沿うように形成したガスケットビードを有するガスケットを備えたことを特徴とするオープンデッキ型のシリンダブロック。
  2. 前記壁部は、前記各シリンダボアの前記シリンダブロック外壁側に結合される仮想シリンダボアのボア壁の一部を形成するような形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のオープンデッキ型のシリンダブロック。
  3. 前記壁部の高さは、ウォータジャケットの深さと略同一に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のオープンデッキ型のシリンダブロック。
  4. オープンデッキ型のシリンダブロックの長手方向両端に位置する各シリンダボアのボア壁を、前記シリンダブロックの長手方向両側に位置するシリンダブロック外壁の内壁面に一体に結合し、前記各シリンダブロック外壁の外壁面に、前記各シリンダボアのシリンダブロック外壁との結合部に仮想シリンダボアのボア壁の一部が連設されるような凹部を形成し
    前記各シリンダボアの各ボア壁及び前記シリンダブロック外壁の凹部の形成部位の上面にそれぞれ沿うように形成したガスケットビードを有するガスケットを備えたことを特徴とするオープンデッキ型のシリンダブロック。
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