JP4407046B2 - 光スキャナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザスキャン型バーコードリーダ,レーザスキャン型障害物センサ等に使用され、光源からの光を反射し、その反射光を用いて1次元的に走査を行う光スキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザスキャン型バーコードリーダや、レーザスキャン型障害物センサ等において、レーザ光を走査するために用いられる低コスト型の光スキャナとして、例えば、特開平9−138366号に開示されているように、鏡面加工された磁石をトーションバネで支持し、外部から交番磁界を作用させることにより、トーションバネが捻れる方向に磁石を揺動させ、光源からの入射光を鏡面にて反射させ、この鏡面からの反射光を用いて走査するように構成されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来装置では、広い走査角を得るためには、トーションバネが十分に弾性変形できるように、トーションバネの径を細く(ここでは140μm)しなければならない。しかし細径のトーションバネは、走査に必要なねじり方向以外に、延び方向や曲げ方向にも変形し易く、即ち、トーションバネに支持された磁石は、走査に使用するねじり方向以外にも、振動可能な方向(振動の自由度)を多数持つことになる。
【0004】
このため、例えば車載用機器に用いられる等、強い外乱加速度が作用する環境で上述の従来装置(光スキャナ)を使用した場合、これら振動の自由度に応じた様々な振動モードが励振されてしまい、その結果、走査軌跡が乱れてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、外乱加速度が作用した場合でも安定した走査が可能な光スキャナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための発明である請求項1記載の光スキャナでは、ハウジングが、隣接して配置された一対の腕部を有し、可動部をハウジングに対して揺動可能に支持する支持部が、一対の板状弾性体からなる。
【0007】
各板状弾性体は、先端に形成された折返部が一対の腕部のいずれか一方の先端に固定されるハウジング固定片と、先端に形成された折返部が可動部に固定される可動部固定片とを有し、折返部を設けたことによりハウジング固定片及び可動部固定片に形成される稜線部が単一軸上に配置されるように構成されている。
【0008】
このように構成された一対の板状弾性体は、稜線部が互いに近接した状態で一対の腕部の間に配置され、両板状弾性体の稜線部が並んだ配列軸を中心として可動部が揺動運動するようにされている。
これにより、支持部は、稜線部に沿った方向、即ち揺動運動の中心となる配列軸に沿った方向への変形に対しては剛性が高くなり、これに直交した方向、即ち可動部を揺動させる揺動方向への変形に対しては剛性が低くなる。
【0009】
従って、本発明の光スキャナによれば、可動部に、揺動方向以外の不要な振動モードが発生することを十分に抑えることができ、その結果、外乱加速度作用時にも、可動部から放射される光ビームの走査軌跡が乱れることなく、安定した走査を行うことができる。
【0010】
また、可動部を支持する支持部が板状弾性体からなるため、可動部の揺動時に摩擦を生じる部分がなく、優れた耐久性を得ることができる。
なお、可動部には、光源を取り付けて光ビームを直接放射させるようにしてもよいし、請求項2記載のように、外部の光源から照射された光を反射する反射面を設けることにより、この反射面から放射される反射光を光ビームとして用いるようにしてもよい。
【0011】
また、可動部の重心は、請求項3記載のように、可動部の揺動運動の中心となる配列軸上に位置していることが望ましい。
この場合、外乱加速度作用時であっても、可動部の揺動方向への振動(「1次モードの振動」ともいう)を変化させようとするモーメントが発生しないため、可動部の振動状態が乱れることがなく、より安定した走査を行うことができる。
【0012】
但し、可動部の重心と配列軸とは、必ずしも正確に一致している必要はなく、配列軸の近傍に可動部の重心があれば十分に効果を得ることができる。
次に、駆動手段は、請求項4記載のように、可動部の質量及び支持部のばね定数から決定される共振周波数にて、可動部を揺動させることが望ましい。
【0013】
この場合、可動部が共振することで、可動部の振幅を最大にでき、また同じ振幅を得るのであれば、駆動手段での消費電力を最小限に抑えることができる。
ところで、駆動手段は、請求項5記載のように、可動部と一体に設けられた永久磁石と、永久磁石に対向配置されたソレノイドとにより構成し、ソレノイドに交流電流を印加して交番磁界を発生させることにより、可動部を揺動駆動することができる。
【0014】
永久磁石は、請求項6記載のように、可動部の揺動方向に位置する両端部のいずれか一方に固定してもよいし、請求項7記載のように、可動部の揺動方向に沿った両端部のいずれか一方に固定してもよい。
なお、前者の場合には、例えば、ビームの反射面を貫通する方向に沿って両磁極が配列するように永久磁石を固定し、永久磁石の両磁極の中間にソレノイドを対抗させ、このソレノイドに両磁極を交互に吸引,反発させることにより可動部を揺動させることができる。また、後者の場合には、例えば、揺動方向に沿って両磁極が配列するように永久磁石を固定し、前者の場合と同様に、永久磁石の両磁極の中間にソレノイドを対抗させ、このソレノイドに両磁極を交互に吸引,反発することにより、可動部を揺動させることができる。
【0015】
これらいずれの場合も、駆動手段を簡易な構成とすることができるため、装置の小型化に対応することができる。
また、可動部の重心位置の調整を容易にするために、請求項8記載のように、永久磁石の取付端とは反対側の端部に慣性体を取り付けたり、更に請求項9記載のように、永久磁石の取付端に直交する両端部にも慣性体を取り付けたりしてもよい。
【0016】
特に、永久磁石が、可動部の水平方向に位置する一方の端部に固定されている場合には、永久磁石と同じ質量を有する慣性体を、永久磁石の取付端とは反対側の端部に取り付けることで可動部の水平方向の重心位置を簡単に調整することができる。
【0017】
また、請求項10記載のように、永久磁石や慣性体を、可動部からビーム放射面を貫通する方向に突設されたアームに取り付けるようにすれば、可動部の重心位置がビーム反射面を貫通する方向に大きく偏っている場合でも、その重心位置の調整を容易に行うことができる。
【0018】
ところで、支持部を構成する板状弾性体においては、請求項11記載のように、ハウジング固定片及び可動部固定片が同数,或いはいずれか一方が一つだけ多く形成され、これら両固定片が交互に配列されていることが望ましい。この場合、支持部の揺動方向以外への剛性がより大きくなり、可動部が、揺動方向以外の方向に振動することをより確実に防止できる。
【0019】
なお、板状弾性体は、請求項12記載のように、ハウジング固定片と可動部固定片との間にスリットが形成されている場合、請求項13記載のように、このスリットの輪郭が曲線形状を有するように構成することが望ましい。この場合、可動部の揺動に従って板状弾性体が弾性変形した際に、特にスリットの先端部分、即ち固定片の付根部分に生じる応力を分散させることができ、光スキャナに衝撃荷重が作用する等して固定片に過剰な変形が加えられた場合に、固定片の付根部分が破損してしまうことを防止できる。
【0020】
ところで、可動部の揺動動作の共振周波数は、板状弾性体のばね定数により決まり、ひいては、板状弾性体の材質や形状によって決まる。そして、ゆっくりとした動作を実現するために揺動動作の共振周波数を小さくするには、例えば、板状弾性体を、ハウジング固定片と可動部固定片との間で弾性変形する領域が長くなるように構成すればよい。具体的には、請求項14記載のように、ハウジング固定片と可動部固定片との連結部分を波形状に形成してもよいし、請求項15記載のように、一端にハウジング固定片、他端に可動部固定片を形成したものを、稜線部が同一軸上に配置される形状に弾性変形してなる板状弾性体を用いるようにしてもよい。これらの場合、支持部を大型化することなく、ばね定数を小さくすることができる。
【0021】
また、支持部を構成する一対の板状弾性体は、請求項16記載のように、ハウジング固定片や可動部固定片の付根側にて一体に連結されていてもよい。この場合、支持部を単一の部品にて構成することができ、組立や部品の管理を容易化できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の光スキャナ1の全体構成を表す斜視図、図2はその分解図である。
【0023】
図1及び図2に示すように、本実施形態の光スキャナ1は、装置の筐体等に固定されるハウジング10と、光源からの入射光を反射する反射面を備えた可動部20と、可動部20をハウジング10に対して所定の揺動方向(図中Y軸方向)への揺動が可能となるように支持する支持部30と、可動部20を揺動駆動するための駆動部40とを備えている。
【0024】
このうち、ハウジング10は、鉄製の物体からなり、先端が近接するように形成された一対の腕部10a,10bを有するように、平面形状がC字状に機械加工されている。
また、可動部20は、反射面を形成する反射鏡22を備え、この反射鏡22を支持部30に固定される可動部本体26に、スペーサ24を介して固定することにより構成されている。そして、可動部20の揺動方向に位置する一方の端部には永久磁石42、他方の端部にはこの永久磁石42と同じ質量を有する慣性体50が固定されている。
【0025】
なお、スペーサ24及び可動部本体26は、いずれも長方形状に機械加工された鉄板(厚さ0.5mm程度)からなり、長方形状の穴24a,26aが形成され、特に可動部本体26には、この穴26aから、後述する可動部固定片を挿通させるための切欠部26bが連設されている。また、反射鏡22は、ガラス板(厚さ0.2mm程度)からなり、その表面には、光を効率よく反射できるようにアルミが蒸着されている。
【0026】
次に、支持部30は、第1及び第2スプリング(板状弾性体に相当)32,34からなり、それぞれ、先端に形成された折返部位がハウジング10への固定に使用されるハウジング固定片32a,34a、ハウジング固定片32a,34aの両側に設けられ、先端に形成された折返部位が可動部20への固定に使用される可動部固定片32b,34bを有している。
【0027】
なお、第1及び第2スプリング32,34の図中Z軸方向の幅は、可動部本体26の切欠部26bを挿通可能な大きさに形成され、また、ハウジング固定片32a,34aの図中Z軸方向の幅は、当該スプリング32,34を切欠部26bに挿通させた時に、スペーサ24及び可動部本体26の穴24a,26aの縁部に接触しない大きさに形成されている。
【0028】
また、第1及び第2スプリング32,34は、図3に示すように、バネ用ステンレス鋼(厚さ0.05mm程度)を、エッチングや打ち抜き加工等によりE字形状に加工することにより、ハウジング固定片32a,34a及び可動部固定片32b,34bを形成し、これら両固定片の先端部から所定長さlの折曲位置(図中1点鎖線にて示す)にて折曲加工を施すことにより、折返部位が形成されている。
【0029】
但し、バネ用ステンレス鋼をE字形状に加工する際に、各固定片の間に形成されるスリットSは、固定部の根元部分Pでの輪郭が曲線形状となるようにされている。また、折返部位を形成する折曲加工の際に、ハウジング固定片32a,34aは75度の角度に、可動部固定片32b,34bは60度の角度に折り曲げられる。
【0030】
なお、ここでは、第1及び第2スプリング32,34をステンレス鋼により構成しているが、ベリリウム銅、リン青銅、バネ鋼などを使用してもよい。
このように構成された第1及び第2スプリング32,34は、各固定片の折返部位が互いに逆方向に折り返された状態となるように組み合わされ、この状態で、可動部固定片32b,34bの折返部位が可動部本体26のスペーサ取付面側に配置されるように、可動部本体26の切欠部26bに挿通される。そして、可動部固定片32b,34bの折返部位を、可動部本体26のスペーサ取付面に溶接することにより、第1及び第2スプリング32,34からなる支持部30は、可動部本体26に固定される。この時、両スプリング32,34は、折曲加工により形成された稜線部が、互いに接触する程度に近接した状態で配置されるように固定する。
【0031】
このようにして支持部30が固定された可動部本体26を、図3に示すように、両スプリング32,34がハウジング10の両腕部10a,10bの間に収納されるように配置し、各スプリング32,34のハウジング固定片32a,34aの折返部位を、ハウジング10の各腕部10a,10bの先端にそれぞれ溶接する。
【0032】
これにより、可動部本体26は、支持部30を介してハウジング10に揺動自在に連結される。また、両スプリング32,34の稜線部が接触するように配列された配列軸iが、可動部本体26(ひいては可動部20)の揺動運動の回転中心となる。
【0033】
その後、可動部本体26に、スペーサ24,反射鏡22が固定されることにより可動部20が組み立てられる。
この時、ハウジング固定片32a,32bの稜線部が、可動部本体26のスペーサ取付面と同一面に位置する。しかし、ハウジング固定片32a,32bがスペーサ24と接触することのないように、スペーサ24には穴24aが形成されている。つまり、可動部20は他の部位からの干渉を受けることなく揺動することが可能なようにされている。
【0034】
更に、可動部20に取り付けられる永久磁石42及び慣性体50は、支持部30を介してハウジング10に取り付けられた可動部20の重心が、可動部20の揺動運動の中心となる配列軸i上に位置するように配置される。なお、永久磁石42や慣性体50にネジ孔を形成し、このネジ孔に螺合されるネジのねじ込み量を調節することにより、可動部20の重心位置を微調整できるように構成してもよい。
【0035】
次に駆動部40は、可動部20に取り付けられた永久磁石42と、この永久磁石42に対向配置されるソレノイド44と、ソレノイド44への通電状態を制御する図示しない通電制御回路とからなる。
但し、永久磁石42は、可動部20のビーム反射面を貫通する方向(図中X軸方向)に沿って両磁極が並ぶように配置されている。従って、例えば、ビーム反射面側(以下「前面側」という)にS極、その反対面側(以下「後面側」という)にN極を配置した場合、ソレノイド44の永久磁石42側にN極を発生させると、可動部20の前面側にある永久磁石42のS極が吸引され、後面側にあるN極が反発することにより、可動部20は、図1中では右回りに回転するモーメントを受け、逆に、ソレノイド44の永久磁石42側にS極を発生させると、前面側にある永久磁石42のS極が反発し、後面側にあるN極が吸引されることにより、可動部20は、図1中では左回りに回転するモーメントを受ける。
【0036】
このため、通電制御回路により、正弦波や矩形波等の周期的な駆動信号をソレノイド44に印加して交番磁界を発生させると、この交番磁界と永久磁石42との相互作用により、可動部20が配列軸iを中心に揺動する。
その結果、反射鏡22が形成する反射面に照射された光ビームは、可動部20の揺動方向(Y軸方向)に沿って反射方向が直線的に変化するため、この反射面からの反射光を用いることにより、配列軸iに直交する面に沿った一次元的な走査を行うことが可能となる。なお、光ビームの走査速度は、可動部20の揺動周期、即ち駆動信号の周波数にて制御され、また、光ビームの走査範囲は、可動部20の揺動の大きさ、即ち駆動信号の振幅(電圧レベル)にて制御される。
【0037】
但し、本実施形態では、通電制御回路が生成する駆動信号の周波数を、可動部20の慣性モーメントと支持部30を構成する第1及び第2スプリング32,34のばね定数から決定される共振周波数と一致させており、可動部20が共振状態で揺動するようにされている。
【0038】
また、ソレノイド44に過大な駆動信号が印加され、可動部20の揺動の振幅が大きくなり過ぎると、可動部本体26がハウジング10の腕部10a,10bに当接し、可動部20の揺動が制限されるように構成されている。
以上説明したように、本実施形態の光スキャナ1では、可動部20を揺動自在に支持する支持部30が、弾性変形する第1及び第2スプリング32,34からなり、しかも、両スプリング32,34を折曲加工することにより形成された稜線部の配列軸iが、可動部20の揺動運動の中心となるようにされている。
【0039】
つまり、第1及び第2スプリング32,34は、可動部20の揺動方向への変形に対する剛性が低く、それ以外の方向、特に配列軸iに沿った方向への変形に対する剛性が高くなるようにされている。
これに加えて、本実施形態の光スキャナ1では、可動部20の重心位置を、可動部20の揺動運動の回転中心となる配列軸iにほぼ一致させ、当該光スキャナ1に外乱加速度が作用しても、可動部20の光走査に使用する揺動方向の振動を乱すようなモーメントが発生しないようにされている。
【0040】
つまり、本実施形態の光スキャナ1によれば、支持部30が、走査軌跡を乱す不要な振動を発生し難い構造とされているだけでなく、外乱加速度が作用しても、不要振動を励振するモーメントが発生し難いように可動部20の重心位置が設定されている。このため、当該光スキャナ1を、外部から様々な振動が作用する車載装置等に適用した場合でも、可動部20の揺動に基づく光ビームの走査軌跡が乱れることがなく、安定した走査を行うことができる。
【0041】
また、本実施形態の光スキャナ1では、第1及び第2スプリング32,34により支持された可動部20が、動作時に摩擦を生じないため、耐久性に優れており、しかも、ハウジング10の腕部10a,10bにて、可動部20の過大な揺動動作を制限し、支持部30(第1及び第2スプリング32,34)が、必要以上に変形することを防止しているため、装置の信頼性を向上させることができる。
【0042】
また、第1及び第2スプリング32,34に形成されたスリットSの輪郭を曲線形状にすることで、各固定片の変形時に生じる固定片の根元部分Pの応力を分散することができ、当該光スキャナ1に外部からの衝撃荷重が作用した場合でもスプリング32,34の破損を防止することができる。
【0043】
更に、本実施形態の光スキャナ1では、永久磁石42及びソレノイド44からなる単純な構成の駆動部40を用いているため、装置を安価に構成することができ、また、可動部20を共振状態となるように駆動し、小さな駆動力で大きな揺動が得られるようにされているため、駆動部40での消費電力を低減できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
【0044】
本実施形態の光スキャナ1aは、第1実施形態の光スキャナ1とは、構成の一部が異なっているだけであるため、同じ構成部分については同一符号を付して説明を省略し、構成の相違する部分を中心に説明する。
即ち、本実施形態の光スキャナ1aでは、図5に示すように、可動部本体26の上下端(図中Z軸方向両端)に、ビーム反射面を貫通する前後方向(図中X軸方向)に向けてビーム反射面側に突出したアーム28がそれぞれ設けられており、これらアーム28のそれぞれに、可動部20の前後方向の重心位置を調整するための慣性体52が取り付けられている。
【0045】
なお、可動部20の前後方向の重心位置は、永久磁石42及びこれと対向する位置に設けられた慣性体50の形状や取付位置によっても調整することが可能であるが、本実施形態のように、アーム28を介して慣性体52を取り付けることにより、重心位置の偏りが大きい場合でも、小さな質量の慣性体52を用いて精度よく調整することが可能となる。
【0046】
なお、本実施形態では、アーム28に慣性体52を取り付けたが、一方のアーム28に、永久磁石を取り付けて、この永久磁石に対向配置したソレノイドにより、可動部20を揺動駆動するように構成してもよい。
また、本実施形態では、アーム28をビーム反射面側に突出させているが、重心位置によっては、これと反対側に突出させるように構成してもよい。
[他の実施形態]
上記実施形態では、可動部20に反射鏡22が取り付けられており、外部から照射された光を反射鏡22で反射させて光走査を行なうようにされているが、反射鏡22の代わりに光源を可動部20に搭載して、光源からの光ビームにて直接光走査を行なうように構成してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、支持部30を構成する第1及び第2スプリング32,34として、E字形に形成されたものを用いているが、図6に示すように、ハウジング固定片36aと可動部固定片36bとの間の連結部36cの形状を、波形状に形成し、可動部20の揺動運動時に、両固定片36a,36bの間で弾性変形する領域が長くなるように構成したスプリング36を用いてもよい。
【0048】
この場合、支持部30のばね定数を小さくでき、ひいては、揺動の共振周波数を小さくできるため、遅い光走査が必要な場合に、支持部30の構成を大型化することなく対応することができる。
また、図7(a)に示すように、一端にハウジング固定片38a、他端に可動部固定片38bが形成された台形の板状のスプリングを用い、各固定片38a,38bを図中一点鎖線及び点線にて示す所定位置にて折曲加工して折返部位を形成し、更に図7(b)に示すように、折曲加工により形成された稜線部が同一軸上に配列されるよう弾性変形させることでスプリング38を構成してもよい。
【0049】
この場合も、先に説明したスプリング36の場合と同様に、揺動運動時に、両固定片38a,38bの間で弾性変形する領域が長くなるため、先のスプリング36を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施形態では、支持部30を構成する第1及び第2スプリング32,34が別体に構成されているが、図8に示すように、両スプリングの固定片の根元側を一体に接続するように構成してもよい。但し、両スプリング32,34を連結する部分は、揺動方向への弾性変形が妨げられることのないように、湾曲させておくことが望ましい。
【0050】
この場合、支持部30を構成する部品を一つにすることができ、部品の管理や装置の組立を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の光スキャナの全体構成を表す斜視図である。
【図2】 第1実施形態の光スキャナの分解図である。
【図3】 第1及び第2スプリングの構成を表す説明図である。
【図4】 第1実施形態の光スキャナにおいて、支持部の接続状態を明確にするため一部の部品を取り除いた状態を表す斜視図である。
【図5】 第2実施形態の光スキャナの全体構成を表す斜視図である。
【図6】 第1及び第2スプリングの他の実施形態を表す説明図である。
【図7】 第1及び第2スプリングの他の実施形態を表す説明図である。
【図8】 第1及び第2スプリングの他の実施形態を表す説明図である。
【符号の説明】
1,1a…光スキャナ 10…ハウジング 10a,10b…腕部
20…可動部 22…反射鏡 24…スペーサ 26…可動部本体
28…アーム 30…支持部 32,34,36,38…スプリング
32a,34a,36a,38a…ハウジング固定片
32b,34b,36b,38b…可動部固定片
36c…連結部 40…駆動部 42…永久磁石
44…ソレノイド 50,52…慣性体

Claims (16)

  1. 被取付体に固定されるハウジングと、
    光ビームを放射する可動部と、
    該可動部をハウジングに対して揺動可能に支持する支持部と、
    前記可動部を予め設定された揺動方向に揺動駆動する駆動部と、
    を備え、前記可動部から放射された光ビームにより対象物を走査する光スキャナにおいて、
    前記ハウジングは、隣接して配置された一対の腕部を有し、
    前記支持部は、
    先端に形成された折返部が前記一対の腕部のいずれか一方の先端に固定されるハウジング固定片と、先端に形成された折返部が前記可動部に固定される可動部固定片とを有し、前記折返部を設けたことにより前記ハウジング固定片及び前記可動部固定片に形成される稜線部が単一軸上に配置された一対の板状弾性体からなり、
    該一対の板状弾性体は、前記稜線部が互いに近接した状態で前記一対の腕部の間に配置され、両板状弾性体の稜線部が並んだ配列軸を中心として前記可動部が揺動運動することを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記可動部は、外部の光源から照射された光を反射する反射面を有し、該反射面から放射される反射光を前記光ビームとして用いることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
  3. 前記可動部の重心が、前記配列軸上に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光スキャナ。
  4. 前記駆動手段は、前記可動部の質量及び支持部のばね定数から決定される共振周波数にて、前記可動部を揺動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の光スキャナ。
  5. 前記駆動手段は、
    前記可動部と一体に設けられた永久磁石と、
    該永久磁石に対向配置されたソレノイドと、
    を備え、前記ソレノイドに交番磁界を発生させ、前記永久磁石を吸引,反発することにより前記可動部を揺動駆動することを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載の光スキャナ。
  6. 前記永久磁石は、前記可動部の揺動方向に位置する両端部のいずれか一方に固定されていることを特徴とする請求項5記載の光スキャナ。
  7. 前記永久磁石は、前記可動部の揺動方向に沿った両端部のいずれか一方に固定されていることを特徴とする請求項5記載の光スキャナ。
  8. 前記可動部には、前記永久磁石の取付端とは反対側の端部に、該可動部の重心位置を調整するための慣性体が固定されていることを特徴とする請求項5ないし請求項7いずれか記載の光スキャナ。
  9. 前記可動部には、前記永久磁石の取付端に直交する両端部にも、該可動部の重心位置を調整するための慣性体が固定されていることを特徴とする請求項8記載の光スキャナ。
  10. 前記永久磁石及び慣性体は、前記可動部からビーム放射面を貫通する方向に突設されたアームに取り付けられていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の光スキャナ。
  11. 前記板状弾性体は、前記ハウジング固定片及び前記可動部固定片が同数,或いはいずれか一方が一つだけ多く形成され、両固定片が交互に配列されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10いずれか記載の光スキャナ。
  12. 前記板状弾性体は、前記ハウジング固定片及び前記可動部固定片との間にスリットが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項11いずれか記載の光スキャナ。
  13. 前記スリットの輪郭が曲線形状を有することを特徴とする請求項12記載の光スキャナ。
  14. 前記板状弾性体は、前記ハウジング固定片と前記可動部固定片との連結部分が波形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項13いずれか記載の光スキャナ。
  15. 前記板状弾性体は、一端に前記ハウジング固定片、他端に前記可動部固定片を形成したものを、前記稜線部が同一軸上に配置される形状に弾性変形してなることを特徴とする請求項1ないし請求項11いずれか記載の光スキャナ。
  16. 前記一対の板状弾性体は、前記ハウジング固定片や前記可動部固定片の付根側にて一体に連結されていることを特徴とする請求項1ないし請求項13いずれか記載の光スキャナ。
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