JP4406918B2 - 封着用複合材料 - Google Patents

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本発明は封着用複合材料に関し、具体的にはプラズマディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管(VFD)、FED等の表示管関連パネルの封着材料や、半導体集積回路、水晶振動子、SAWフィルタ等のパッケージの封着材料等として使用される封着用複合材料に関するものである。
ガラス、セラミック、金属等の各種材料の封着材料として、封着用ガラスを使用した材料が知られており、プラズマディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管(VFD)、FED等の表示管関連のパネル封着や、半導体集積回路、水晶振動子、SAWフィルタ等の素子を搭載した高信頼性のパッケージの気密封着には、機械的強度の向上や熱膨張係数の調整のためにセラミックフィラー粉末が封着用ガラスに混合される。
強固な封着を得るためには、封着用ガラスが被封着物の接着表面を濡らすのに十分な温度まで加熱する必要がある。ところが電子部品の封着は、封着温度をできる限り低く維持しなければならない。従来、このような用途には、鉛ホウ酸系の低融点ガラスを用いた材料が広く使用されている。
ところが近年では、環境問題の観点から、封着材料から鉛を除くことが求められている。そこで鉛ホウ酸系ガラスの代わりに、リン酸スズ系ガラス、銀リン酸系ガラス等のリン酸系無鉛ガラスを使用することが提案されている。
特開2000−290007号公報 特開2001−19472号公報
リン酸系無鉛ガラスと相性のよい無鉛フィラー粉末として、特許文献1に開示のNbZr(PO43フィラー粉末、特許文献2に開示の五酸化ニオブ(Nb25)フィラー粉末が知られている。
しかしながら、これらのフィラー粉末をリン酸系無鉛ガラスと組み合わせて使用した場合、ガラス組成によってはガラスの失透傾向が強まり、流動性を阻害する要因となったり、十分な耐候性が得られなかったりする。なお上記フィラー粉末以外にも、鉛を含有しないフィラー粉末として、コージエライト、二酸化スズ、β−ユークリプタイト、ムライト、シリカ、β−石英固溶体、チタン酸アルミ、ジルコン、ウイレマイトなどを使用することも考えられるが、いずれのフィラー粉末も膨張係数が十分に低くならない場合や、流動性に乏しいなどの問題がある。
本発明の目的は、環境負荷低減のため実質的に鉛成分を含有せず、要求される低膨張特性、耐候性、流動性等に優れた封着用複合材料を提供することにある。
本発明の封着用複合材料は、リン酸系無鉛ガラス粉末とフィラー粉末からなり、リン酸系無鉛ガラス粉末が、モル%表示でSnO 30〜70%、P 20〜45%、ZnO 0〜20%、Al 0〜10%、SiO 0〜15%、B 0〜30%含有し、且つフィラー粉末がKZr(POフィラー粉末及び/又はK0.5Nb0.5Zr1.5(POフィラー粉末を含むことを特徴とする。
また封着用複合材料は、KZr2(PO43フィラー粉末及びK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末の合量が、封着用複合材料全体の5〜50体積%を占めることを特徴とする。
また封着用複合材料は、KZr2(PO43フィラー粉末及びK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末の平均粒径が1〜30μmの範囲にあることを特徴とする。
本発明の材料を使用すれば、PDP、VFD、FED等の表示管関連パネル、半導体集積回路、水晶振動子、SAWフィルタ等の素子を搭載したパッケージ、磁気ヘッド等の電子部品から環境負荷物質を低減又は全廃することが可能になる。しかも、要求される低膨張特性、耐候性、流動性等に優れた材料であるため、上記したような種々の用途における封着材料として好適である。
本発明の封着用複合材料において使用するKZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末は非常に低い膨張係数を有する。またこれらのフィラー粉末を用いた封着材料は流動性に優れる。さらにKZr2(PO43フィラー粉末を用いれば、耐候性に優れた封着材料が得られる。
また本発明において、KZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末の体積含有率は、封着用複合材料全体の5〜50%、特に10〜30%であることが好ましい。一般に、封着材料にフィラー粉末を用いる主な理由は、第一に封着ガラス成分だけでは被封着物に適合した低い膨張係数に達しないため、フィラー粉末の添加により低い膨張係数を得ることである。フィラー粉末の種類や混合量を調整すれば、容易に目的とする膨張係数を得ることが可能となる。なお封着材料の膨張係数は、材料全体に占めるフィラー粉末の体積含有率とほぼ比例する。第二に封着ガラス成分だけでは必要な機械的強度を確保できないため、フィラー粉末の添加によって材料に十分な機械的強度を付与することである。ただしフィラー粉末の種類によって機械的強度の改善効果が異なるので、使用するフィラー粉末の種類毎に体積含有量を調整する必要がある。
本発明におけるKZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43の体積含有率は、このような事情を考慮して決定したものである。そしてKZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43のそれぞれ単独の体積含有率が封着材料全体の5%未満の場合は、封着時の流動性は優れているものの、熱膨張係数が高くなりすぎて被封着物との膨張係数が合わず、歪が生じ剥がれてしまうおそれがある。また機械的強度も不十分となり易く、封着後のクラックの発生などが危惧される。一方、KZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43のそれぞれ単独又は合計の体積含有率が封着材料全体の50%を超える場合は、封着材料の流動性が乏しく、求められる焼成温度では封着できない可能性が高くなる。或いは流動性を確保するために焼成温度を上げて封着したとしても、ガラス成分が少ないために封着部における気密信頼性が低くなる。
また本発明において、KZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末の平均粒径は、いずれも1〜30μm、特に5〜20μmの範囲にあることが好ましい。これはKZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43の平均粒度がいずれも1μm未満の場合は、フィラー粉末が微粉化することで膨張係数が上昇し、低膨張材料としての働きが弱くなる。その結果、目的とする膨張係数を得るためにより多くのフィラー粉末が必要となり、焼成時の封着材料の流動性を悪化させる。また封着材料は、通常、樹脂と混合してペースト状態で使用されるが、フィラー粉末の粒径が小さすぎると、樹脂との混合時にペースト粘度が高くなり、樹脂と混合しにくくなる。これを避けるために樹脂をより多く使用すると、焼成後の嵩の調整が困難になる等の新たな問題が発生する。一方、KZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43の平均粒度がいずれも30μmを超える場合には、膨張を下げる効果は大きくなるが、焼成後の封着材料の機械的強度が弱くなる。また緻密な電子部品材料の封着では、封止部でリークが発生する可能性があるなど信頼性の問題が発生する。なお、粒度の測定は、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製)を用いて測定することができる。
また本発明の封着用複合材料は、フィラー粉末としてKZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を単独で使用してもよいが、従来から使用されている他の無鉛フィラー粉末と併用することもできる。その他の無鉛フィラー粉末としては、コージエライト、二酸化スズ、β−ユークリプタイト、ムライト、シリカ、β−石英固溶体、チタン酸アルミ、ジルコン、ウイレマイト、NbZr(PO43、五酸化ニオブ等からなるフィラー粉末が使用可能であり、これらを1種又は2種以上使用することができる。なおその他の無鉛フィラー粉末の体積含有率は、封着用複合材料全体の0〜45%、特に0〜30%であることが好ましい。
次に本発明の封着用複合材料において使用するガラス粉末について説明する。ガラス粉末は、リン酸系無鉛ガラスからなるものであれば使用可能であり、特にリン酸スズ系ガラスが好適に使用できる。
リン酸スズ系ガラス粉末は、モル%表示でSnO 30〜70%、P 20〜45%、ZnO 0〜20%、Al 0〜10%、SiO 0〜15%、B 0〜30%含有する以下に上記組成範囲の限定理由を述べる。
SnOはガラスを低融点化させる成分である。SnOが30%より少ないとガラスの粘性が高くなって焼成温度が高くなりすぎ、70%を超えるとガラス化しなくなる。なおSnO成分が多いと焼成時に失透しやすくなるので、60%以下であることが好ましい。また40%以上であれば、流動性に優れ、高い気密性を得ることができるため好ましい。
25はガラス形成酸化物である。P25が20%未満の領域ではガラスの安定性が不十分である。20〜45%の範囲では、ガラスに十分な安定性が得られるが、45%を超えると耐湿性が悪くなる。またP25が25%以上であれば、ガラスがより安定化するが、35%を超えると焼成体の耐候性がやや悪くなる傾向が現れるので、25〜35%であることが好ましい。
ZnOは中間酸化物である。ZnOは必須成分ではないが、ガラスを安定化させる効果が大きいため、4%以上含有させることが望ましい。しかしZnOが20%を超えると焼成時にガラス表面に失透が発生しやすくなる。また、焼成後に長時間(例えば1時間以上)の熱処理工程がある場合などは失透が起こりやすくなるため、よりガラスが安定になるように考慮する必要がある。このような場合、ZnOの含有量は5〜15%であることが望ましい。
Al23は中間酸化物である。Al23は必須成分ではないが、ガラスを安定化させる効果があり、また熱膨張係数を低下させる効果もあるので含有させることが望ましい。但し、10%を超えると軟化温度が上昇し、焼成時の流動性が阻害される。なおガラスの安定性や熱膨張係数及び流動性など考慮した場合、1〜5%の範囲がより好ましい。
SiO2はガラス形成酸化物である。SiO2は脱バインダー後の封着における失透を抑制する効果があるので含有させることが望ましい。なお15%を超えると軟化温度が上昇し、焼成時の流動性が著しく悪くなる。低融点材料としての流動性など考慮した場合、SiO2の含有量は0〜10%であることが望ましい。
23はガラス形成酸化物である。B23は溶融時にガラスが分離して発生するスカムを減少させる効果がある。またガラスを安定させる効果がある。但し、30%より多いとガラスの粘性が高くなりすぎ、焼成時の流動性が著しく悪くなり、封着部の気密性が損なわれる。B23の好適な範囲は0〜25%である。なおB23はガラスの粘性を高くする傾向が強いため、非常に高い流動性が要求され、軟化点を大幅に下げる必要がある場合は含有しないほうがよい。
2O(RはLi、Na、K、Cs)は必須成分ではないが、R2O成分の内、少なくとも1種類が組成中に加わることにより被封着物との接着力が強くなる。しかし合量で20%を超えると焼成時に失透しやすくなる。なお表面失透や流動性を考慮した場合、R2O合量で10%以下であることが望ましい。またR2O成分の内、Li2Oは、最も基板との接着力を向上させる能力が高い成分である。
また上記ガラスは、さらに種々の成分を添加することができる。例えばWO3、MoO3、Nb25、TiO2、ZrO2、CuO、MnO、R’O(R’はMg、Ca、Sr、Ba)等のガラスを安定化させる成分を合量で35%以下含有させることができる。なおこれら安定化成分の含有量を35%以下に限定する理由は、35%を超えると逆にガラスが不安定になって成形時に失透し易くなるためである。より安定なガラスを得る為には25%以下にすることが好ましい。
安定化成分の含有量及びその限定理由を以下に述べる。
WO3及びMoO3の含有量は何れも0〜20%、特に0〜10%であることが好ましい。これらの成分が各々20%を超えるとガラスの粘性が高くなりやすい。
Nb25、TiO2、及びZrO2の含有量は何れも0〜15%、特に各々0〜10%であることが好ましい。これらの成分が各々15%を超えるとガラスの失透傾向が大きくなりやすい。
CuO及びMnOの含有量は何れも0〜10%、特に各々0〜5%が好ましい。これらの成分が各々10%を超えるとガラスが不安定になりやすい。
R’Oの含有量は合量で0〜15%、特に0〜5%であることが好ましい。R’Oが15%を超えるとガラスが不安定になりやすい。
またIn23を含有させることもできる。In23は、コストを度外視した場合、優れた耐候性や耐湿性を得る上で効果的である。In23の含有量は0〜5%であることが好ましい。
さらに耐候性を向上させるためにLa23、CeO2、Gd23等を添加することも可能である。La23、CeO2、Gd23は何れも0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。これらの成分が各々10%を超えると粘性が上昇し、流動性が阻害される。
なおVFD、FED、CRT、PDP等の表示管用途の場合、F、Cl等のハロゲンは、電子放電等に悪影響を及ぼし、表示輝度を低下させる等の問題を発生させるおそれがある。それゆえ本発明のガラスを表示管用途に使用する場合は、ガラス中にハロゲンを含まないようにすることが望ましい。
以上の組成を有するガラスは、270〜380℃のガラス転移点を有し、約400〜600℃の温度範囲で良好な流動性を示す。また30〜250℃において90〜150×10-7/℃程度の熱膨張係数を有する。
次に本発明において使用するKZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を作製する方法を説明する。なおKZr2(PO43又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を作製するに当たっては、その所定の組成を有するフィラー粉末が得られれば特にその方法は限定されない。以下に、作製方法の具体例を挙げる。
まずKZr2(PO43の場合、この組成が得られるように、それぞれ1mol%に相当する分量のリン酸ジルコニウム(ZrP27)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、リン酸カリウム(KPO3)を混合し、そのままか、或いは結晶化助剤として酸化マグネシウム又は酸化亜鉛を3つの原料の総量に対して3wt%程度添加して、ボールミルなどで混合する。その後、この混合原料を焼結させる。焼結の条件は、例えば1400℃で15時間である。焼結後、焼成炉内で200℃以下まで徐冷した後、炉内から取りだす。その後、KZr2(PO43の塊をボールミル等にて粉砕する。粉砕は1時間〜2時間かけて行い、粉砕して作製した粉末を分級にかける。例えば目開き105μmの篩を通過させれば、平均粒径約10μmのKZr2(PO43フィラー粉末を得ることができる。また、K0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を作製する場合は、それぞれ1/2mol%に相当する分量のリン酸カリウム(KPO3)、リン酸ニオブ(NbPO5)、を混合し、酸化ジルコニウム(ZrO2)と1mol%に相当する分量のリン酸ジルコニウム(ZrP27)を混合し、その後KZr2(PO43の場合と同様にしてK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を得ることができる。
また、上記製法の他に、ペースト状態にしたフィラー原料を熱風空気中に噴出し、粉末凝集体を得た後、上記と同様の方法で焼成し、必要に応じて粉砕し、分級する方法を採用することも可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
まず本実施例において使用するKZr2(PO43フィラー粉末の作製方法を述べる。原料としてリン酸ジルコニウム:ZrP27を1mol相当の265.2g、酸化ジルコニウム:ZrO2を1mol相当の123.2g、リン酸カリウム:KPO3を1mol相当の118.1gを混合し、結晶化助剤として酸化マグネシウムを総量の3wt%に相当する15.1g添加してアルミナボールミルで1時間混合した。次いでこの混合粉末をアルミナルツボ中、1400℃で15時間焼成を行い、KZr2(PO43を合成した。冷却後、坩堝からKZr2(PO43の焼結物を取り出し、アルミナボールミルにて粉砕、分級し、金属製の325メッシュの篩を通し、平均粒径が15μmであるKZr2(PO43フィラー粉末を得た。
次に、K0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末の作製方法を述べる。
原料としてリン酸カリウム:KPO3を0.5mol相当の59.0g、リン酸ニオブ:NbPO5を0.5mol相当の101.9g、酸化ジルコニウム:ZrO2を0.5mol相当の61.6g、リン酸ジルコニウム:ZrP27を1mol相当の265.2g、を混合し、結晶化助剤として酸化マグネシウムを総量の3wt%に相当する14.6g添加してアルミナボールミルで1時間混合した。次いでこの混合粉末をアルミナルツボ中、1400℃で15時間焼成を行い、K0.5Nb0.5Zr1.5(PO43を合成した。冷却後、坩堝からK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43の焼結物を取り出し、アルミナボールミルにて粉砕、分級し、金属製の325メッシュの篩を通し、平均粒径が15μmであるK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を得た。
また比較例において使用する五酸化ニオブ(Nb25)フィラー粉末及び二酸化スズ(SnO2)フィラー粉末は、何れも同様の方法で作製した。まず原料粉末に焼結助剤として酸化亜鉛を3wt%添加し混合した後、アルミナルツボ中、1400℃で16時間焼成した。続いて焼結塊を取りだし、アルミナボールミルにて粉砕した後、金属製の325メッシュの篩を通し、平均粒径が17μmである五酸化ニオブ(Nb25)及び二酸化スズ(SnO2)のフィラー粉末を得た。
同様に比較例で使用するNbZr(PO43フィラー粉末は次のようにして作製した。まずリン酸ニオブ:NbPO5を1mol相当量、リン酸ジルコニウム:ZrP271mol相当量の混合粉末に対し、分子量全体に対して2wt%の酸化マグネシウムを原料として用いた。次にこれら3種類の粉末を混合した後、アルミナルツボ中で、1400℃15時間の焼成を行った。冷却後、焼結したNbZr(PO43をルツボから取り出し、アルミナボールミルにて粉砕した後、金属製の325メッシュの篩により分級した。このようにして平均粒径14μmのNbZr(PO43フィラー粉末であった。
表1はリン酸スズ系のガラス粉末試料(試料a〜c)を示している。
Figure 0004406918
フィラー粉末と混合するガラス粉末は次のようにして調製した。まず表の組成を有するように原料を調合し、石英ルツボ中において、リン酸スズ系ガラスはルツボに蓋をかぶせ、銀リン酸系ガラスは蓋をかぶせずに、空気中で表1、2に示した温度で1〜2時間溶融した。次いで溶融ガラスを水冷ローラー間に通して薄板状に成形し、ボールミルにて粉砕後、フィラー粉末と同様に目開き105μmの篩を通過させ、平均粒径10μmのガラス粉末を得た。
得られたガラス粉末試料について、ガラス転移点を評価し表1に示した結果を得た。尚、ガラス転移点はガラスを40×10mmφの試料に成形した後、石英押し棒式の熱膨張計により測定した。
次にガラス粉末試料a〜eを、表2、3に示す割合でフィラー粉末と混合し、複合材料試料とし、各種評価に供した。表2の試料1〜6は本発明のフィラー粉末を用いた実施例、表3の試料7〜10は比較例を示す。なお表中の「KZP」はKZr2(PO43フィラー粉末を、また「KNZP」はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を、「NZP」はNbZr(PO43フィラー粉末をそれぞれ示している。また「ソーダ」はソーダガラスを、「高歪点」は高歪点ガラスをそれぞれ示している。
熱膨張係数は複合材料試料を40×10mmφの試料に成形した後、石英押し棒式の熱膨張計により測定した。なお適切な封着材料の熱膨張係数は、被封着基板の熱膨張係数に依存する。リン酸系の封着ガラスを用いる場合、ソーダガラス基板に適する熱膨張係数は60〜78×10-7/℃、好ましくは65〜75×10-7/℃であり、高歪点ガラス基板の場合は55〜72×10-7/℃、好ましくは60〜70×10-7/℃である。
流動性は、密度分重量の粉末を金型により直径20mmのボタン形状にプレス体を作製し、これを表3及び表4の焼成条件で焼成し、その流動径を測定することで評価した。なお封着材料に求められる適切な流動特性は、各表の焼成条件において20mm以上、好ましくは22mm以上である。
Figure 0004406918
Figure 0004406918
表2、3から明らかなように、KZr2(PO43フィラー粉末又はK0.5Nb0.5Zr1.5(PO43フィラー粉末を用いた本発明の実施例は、熱膨張係数を低下させる効果が著しい。また流動性が従来例と同等以上であった。
本発明の封着用複合材料は、蛍光表示管(VFD)、FED、プラズマディスプレイ(PDP)等の表示管関連パネルの封着材料、半導体集積回路、水晶振動子、SAWフィルタ等の素子を搭載した高信頼性のパッケージの気密封着材料、磁気ヘッド等の電子部品の接着材料等として使用できる。

Claims (3)

  1. リン酸系無鉛ガラス粉末とフィラー粉末からなり、リン酸系無鉛ガラス粉末が、モル%表示でSnO 30〜70%、P 20〜45%、ZnO 0〜20%、Al 0〜10%、SiO 0〜15%、B 0〜30%含有し、且つフィラー粉末がKZr(POフィラー粉末及び/又はK0.5Nb0.5Zr1.5(POフィラー粉末を含むことを特徴とする封着用複合材料。
  2. KZr(POフィラー粉末及びK0.5Nb0.5Zr1.5(POフィラー粉末の合量が、封着用複合材料全体の5〜50体積%を占めることを特徴とする請求項1の封着用複合材料。
  3. KZr(POフィラー粉末及びK0.5Nb0.5Zr1.5(POフィラー粉末の平均粒径が1〜30μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2の封着用複合材料。
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