JP4406601B2 - 組織幹細胞増殖剤 - Google Patents

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Description

本発明は、低分子化合物、特に2環化合物を有効成分とする組織幹細胞増殖剤、それを用いる組織幹細胞培養方法、培地およびそれを用いて作製された組織幹細胞株に関する。
外傷や病気、さらには加齢などによって傷害を受けた臓器・組織は、再生を促進し、その機能を回復させる必要がある。特に、心臓・肝臓・腎臓・膵臓などの実質臓器は生命維持に必須であるためその機能低下・廃絶は死に直結することから、臓器移植により救命を図る移植医療が盛んに行われている。しかし、恒常的なドナー不足からその解決には新たなアプローチが必要になっている。
最近になり、胚、あるいは成体の臓器、組織に存在し、ひとつ或いは複数の方向に分化する能力を有すると考えられる幹細胞を利用して組織・器官の作製を行い、欠損組織の補填を行う再生医療が、従来の臓器移植の欠点を凌駕する治療法として注目されている。
具体的には、幹細胞を増殖させた後、分化させ細胞移植に用いたり、人工支持組織の利用と併せ人工的な組織構築を行い、それを生体内へ移植したり人工臓器として利用したりすることなどが考えられている。幹細胞を細胞移植治療や組織工学に利用できれば、ドナーにおける移植片摘出後の組織欠損やドナー不足など、従来の自家移植を含む移植治療が抱える問題点を解決できると期待される。
それぞれの臓器に存在する組織幹細胞(臓器幹細胞を含む)は、骨髄、血管、神経、血液、軟骨、骨、肝臓、膵臓など数々の分野で同定されており、主要な幹細胞として、骨髄、末梢血及び臍帯血に存在する造血幹細胞、脳の海馬などに存在する神経幹細胞、上皮系組織に存在する皮膚表皮幹細胞、毛包幹細胞、角膜幹細胞及び消化管上皮幹細胞、肝臓に存在する肝臓幹細胞、骨格筋に存在する骨格筋幹細胞、そして、骨髄及び臍帯血などに存在する間葉系幹細胞などが知られている。例えば骨髄には、間葉系幹細胞が包含され、これらは、骨、軟骨、筋肉、靱帯、腱、脂肪および間質などの間充織組織系の再生に有用な役割を果たしており、未分化な細胞として増殖し、そして例えば軟骨細胞または骨芽細胞などに分化しうる多能性を保持していることが明らかにされている。さらに、間葉系幹細胞は、骨髄や臍帯血から容易に単離することができ、インビトロ培養では単層の性質を保持している(非特許文献1)ことから、間葉系幹細胞を大量に培養して、得られた未分化細胞から軟骨組織または骨組織などを分化誘導し、これらを移植治療に用いることが提案される。しかしながら、従来の培養方法では、幹細胞の増殖は極度に遅く、十分な数の間葉系幹細胞を得るには非常に長い培養期間が必要である、或いは、途中で増殖が停止してしまうという問題がある。さらには軟骨細胞または骨芽細胞への分化能が消失してしまうという問題も生じている。しかし、これら組織幹細胞を生体外において効率的に増殖させる方法はこれまで知られていない。間葉系幹細胞の増殖因子として線維芽細胞増殖因子(FGF)が報告されている(特許文献1)が、該因子は蛋白質であることから高コスト、保存安定性などの問題があり、大量培養には適していない。さらに、該線維芽細胞増殖因子には、間葉系幹細胞の増殖速度の上昇効果は認められず、治療用途など短期間に大量の間葉系幹細胞を要する培養には適していない。即ち、間葉系幹細胞をはじめとする組織幹細胞を短期間で大量に培養する方法はこれまで知られていない。
Pittenger M.F.ら,Science 284,143-147,1999年 国際公開WO2002/022788号公報
本発明の課題は、組織幹細胞を、短期間で増殖させ得る組織幹細胞増殖剤を提供することにある。また、本発明の課題は、かかる組織幹細胞増殖剤を用いて、組織幹細胞を増殖させる方法を提供すること、このような組織幹細胞増殖剤を含む培地を提供すること、およびこのような組織幹細胞増殖剤を用いて培養して作製された細胞株を提供することにある。
本発明者らは、組織幹細胞の増殖促進活性を有する化合物について鋭意検討した結果、下記一般式(1)〜(6)で表される二環化合物に、組織幹細胞増殖促進作用があることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであって、組織幹細胞を増殖させ得る組織幹細胞増殖剤、それを用いた組織幹細胞の培養方法、組織幹細胞増殖剤を含む培地、およびこのような組織幹細胞増殖剤を用いて培養して作製された細胞株に関する。
すなわち、本発明は、以下のような構成からなる。
(1) 低分子化合物またはその塩を有効成分として含有する組織幹細胞増殖剤。
(2) 低分子化合物が、一般式(1)
Figure 0004406601
[式中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。A環は、少なくとも1つのヘテロ原子を環内に含む5〜8員環を表す。Xは、主鎖の原子数が0〜10のアルキレン基を表す。原子数0のアルキレン基とは、単結合を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C=C−基及び/又は−N=N−基及び/又は−CONH−基で置き換わっていてもよい。また、環Aと結合するボンドが二重結合となる基であってもよい。さらに、該アルキレン基は、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい。Gは、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい芳香族基を表す。該A環は、−XG基以外の置換基として電子吸引基及び/又は電子供与基を1つ以上有してもよい。]
で表される化合物である、(1)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(3) A環が窒素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を環内に含む5もしくは6員環である、(2)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(4) A環が、1つの窒素原子を環内に含む5または6員環である、(2)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(5) Xで表されるアルキレン基が、置換基としてアルキル基、アシル基、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ニトリル基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基及び/又は原子を1つ以上有している、(2)〜(4)の何れかに記載の組織幹細胞増殖剤。
(6) 低分子化合物が、一般式(2)
Figure 0004406601
[式中、R1、R2、R3、R4、X及びGは、前記(2)中の定義と同義である。R5、R6、R7、R8、及びR9は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。]
で表される化合物である、(2)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(7) 低分子化合物が、一般式(3)
Figure 0004406601
[式中、R1、R2、R3、R4、X及びGは、前記(2)中の定義と同義である。R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。]
で表される化合物である、(2)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(8) 低分子化合物が、一般式(4)
Figure 0004406601
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は、前記(6)中の定義と同義である。R10、R11、R12、及びR13は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。二重片側破線は単結合または二重結合を表す。二重片側破線が二重結合を表す場合、波線部に関して幾何異性体が存在する。これらの幾何異性体の配置は特に限定されず、それぞれ独立に、E体又はZ体のいずれであってもよい。]
で表される化合物である、(6)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(9) R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、及びR13が、それぞれ独立に、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子である、(8)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(10) 低分子化合物が、一般式(5)
Figure 0004406601
ただし、Aは水素原子もしくは
Figure 0004406601
を表す。
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9は、前記(6)中の定義と同義である。R10、R11、R12は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。]
で表される化合物である、(6)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(11) R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12が、それぞれ独立に、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子である、(10)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(12) 低分子化合物が、一般式(6)
Figure 0004406601
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は前記(7)中の定義と同義である。R7、R8、及びR9は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。]
で表される化合物である、(7)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(13) R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9がそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトリル基、アセトキシ基、アセトキシアルキル基、酸素原子を含んでも良い環状アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノビニル基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、アリールアミノビニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子である、(12)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(14) R1、R2、R3、R4、R8、R9及びR10が水素原子であり、R5が水素原子、低級アシル基、または低級アルキル基であり、R6及びR7は、同一であっても異なってもよい低級アルキル基であり、R11が、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、低級アルキル基、低級アシル基または低級アルコキシ基であり、R12が、水素原子、低級アルキル基、低級アシル基、または低級アルコキシ基であり、R13が、ヒドロキシカルボニル基、ニトリル基、カルバモイル基、モノ低級アルキルアミノカルボニル基、ジ低級アルキルアミノカルボニル基、二級アミノカルボニル基、三級アミノカルボニル基、または低級アルコキシカルボニル基である、(8)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(15) R1、R2、R3、R4、R8、及びR9が水素原子であり、R5が水素原子、低級アシル基、または低級アルキル基であり、R6及びR7が、同一であっても異なってもよい低級アルキル基であり、R10が水素原子又は低級アルキル基であり、R11が、水素原子、またはニトロ基であり、R12が、水素原子、低級アルキル基、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基、または低級アルコキシ基である、(10)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(16) R1およびR2が水素原子であり、R3がヒドロキシル基またはアセトキシ基であり、R4がアセトキシアルキル基、酸素原子を含んでも良い環状アルキルアミノアルキル基、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノ低級アルキル基、又は水素原子であり、R5が低級アルキル基、ジ低級アルキルアミノビニル基、またはアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7、R8、及びR9が同一であっても異なってもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基、または水素原子である、(12)に記載の組織幹細胞増殖剤。
(17) 組織幹細胞が間葉系幹細胞である、(1)〜(16)のいずれかに記載の組織幹細胞増殖剤。
(18) 組織幹細胞がヒト組織幹細胞である、(1)〜(17)のいずれかに記載の組織幹細胞増殖剤。
(19) (1)〜(18)のいずれかに記載の組織幹細胞増殖剤を用いて組織幹細胞を増殖させることを特徴とする組織幹細胞培養方法。
(20) (1)〜(18)のいずれかに記載の組織幹細胞増殖剤を有効成分として含有する培地。
(21) 組織幹細胞増殖剤の濃度が10ng/ml〜100μg/mlであることを特徴とする(20)に記載の培地。
(22) (1)〜(18)のいずれかに記載の組織幹細胞増殖剤を用いて培養された組織幹細胞。
(23) (1)〜(18)のいずれかに記載の組織幹細胞増殖剤を用いて培養された組織幹細胞を分化させて得られる細胞または組織。
(24) 細胞または組織が生体内へ移植するためのものである(22)または(23)に記載の細胞または組織。
(25) (22)〜(24)のいずれかに記載の細胞または/および組織を生体内に移植する治療方法。
本発明の組織幹細胞増殖剤は、組織幹細胞を未分化状態で増殖させる効果を有する。本発明の組織幹細胞増殖剤を用いて培養した組織幹細胞を用いて医療用の細胞や組織を培養することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下の用語は他で述べない限り、以下に提供されるように定義される。
本明細書で使用される他の全ての用語は、他に述べない限り、その用語に関する特定の分野でのその語法に関して定義される。
幹細胞:幹細胞とは、特異化された機能を有する他の細胞型、即ち、最終的に分化した細胞、もしくは、より狭い範囲の細胞型に分化可能な他の幹細胞型に分化し得る細胞を指す。
組織幹細胞:組織幹細胞とは、体内に存在する多能性幹細胞のことをいい、造血幹細胞、神経幹細胞、皮膚表皮幹細胞、毛包幹細胞、角膜幹細胞、消化管上皮幹細胞、肝臓幹細胞、骨格筋幹細胞、及び間葉系幹細胞などが例として挙げられる。
多能性幹細胞:多能性幹細胞とは、必ずしも全ての型にならないけれども、異なる多数の細胞型のうちの1つへと分化し得る細胞をいう。多能性幹細胞の1つの例は、造血幹細胞であり、この細胞はリンパ球および赤血球のような種々の血液細胞型へと分化し得る。
多能性:多能性とは、必ずしも全ての型にならないけれども、異なる多数の細胞型のうちの1つへと分化し得る状態をいう。
未分化:未分化とは、1つの細胞、或いは複数の細胞からなる任意の細胞集団が、1つまたは複数の、さらに分化が進んだ状態の細胞に分化し得る能力を有する状態である細胞、或いは該細胞を含む細胞集団である状態であることをいう。
本発明は、組織幹細胞を増殖させ得る組織幹細胞増殖剤、それを用いた培養方法、それを用いた培地、それを用いて培養し作製された細胞株を提供する。本発明で提供する組織幹細胞増殖剤、培養方法および培地は、従来より簡便に、安全に、組織幹細胞を増殖させ得る。本発明の組織幹細胞増殖剤を含む細胞培養方法はまた、特定の分化誘導因子、および分化誘導因子の有用な組み合わせについてスクリーニングするために使用され得る。本発明の組織幹細胞増殖剤、および培養方法を使用して、組織幹細胞を増殖させる能力は、重要な治療適用を有する単一もしくは複数の遺伝的改変を有する組織幹細胞を産生する能力を含む重要な利益を提供する。
本発明の組織幹細胞増殖剤は、化学的に安定な低分子化合物で、組織幹細胞を未分化な状態で維持する活性を有するものであればいずれも用いることができるが、好ましくは下記一般式(1)で表される低分子化合物があげられる。
Figure 0004406601
式中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。電子供与基とは、ベンゼン環へ電子を供与し得る置換基、電子吸引基とはベンゼン環上のπ電子を吸引する性質を有する置換基をいう。また、Hammettの置換基定数σを用いてσ<0を電子供与基、σ>0を電子吸引基と定義することもできる(基礎有機反応論、橋本静信ら著、三共出版、1997年)。
A環は、少なくとも1つのヘテロ原子を環内に含む5〜8員環を表す。
Xは、主鎖の原子数が0〜10のアルキレン基を表す。原子数0のアルキレン基とは、単結合を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C=C−基及び/又は−N=N−基及び/又は−CONH−基で置き換わっていてもよい。また、環Aと結合するボンドが二重結合となる基であってもよい。さらに、該アルキレン基は、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい。
Gは、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい芳香族基を表す。該A環は、−XG基以外の置換基として電子吸引基及び/又は電子供与基を1つ以上有してもよい。
このうち、A環が窒素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を環内に含む5もしくは6員環であることが望ましい。
また、A環が、1つの窒素原子を環内に含む5または6員環である場合も同様に望ましい。この場合、5員環は不飽和であることが望ましく、6員環は飽和であることが望ましい。
さらに、Xで表されるアルキレン基は、置換基としてアルキル基、アシル基、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ニトリル基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基及び/又は原子を1つ以上有している場合が望ましい。
たとえば一般式(1)の例としては、式(2)で表されるようなテトラヒドロイソキノリン誘導体および一般式(3)で表されるようなインドール誘導体があげられる。
Figure 0004406601
式中、R1、R2、R3、R4、X及びGは、前記と同義である。R5、R6、R7、R8、及びR9は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。
Figure 0004406601
式中、R1、R2、R3、R4、X及びGは、前記と同義である。R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。
一般式(2)で表されるテトラヒドロイソキノリン誘導体の具体例としては、式(4)若しくは式(5)で示される構造の化合物および塩があげられる。
Figure 0004406601
Figure 0004406601
ただし、Aは水素原子もしくは
Figure 0004406601
を表す。
式中、R1〜R13は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。
より好ましくは、R1〜R13は、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシカルボニル基、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子があげられる。
また、一般式(4)の場合、さらに好ましくは、R1、R2、R3、R4、R8、R9及びR10が水素原子であり、R5が水素原子、低級アシル基、または低級アルキル基であり、R6及びR7は、同一であっても異なってもよい低級アルキル基であり、R11が、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、低級アルキル基、低級アシル基または低級アルコキシ基であり、R12が、水素原子、低級アルキル基、低級アシル基、または低級アルコキシ基であり、R13が、ヒドロキシカルボニル基、ニトリル基、カルバモイル基、モノ低級アルキルアミノカルボニル基、ジ低級アルキルアミノカルボニル基、二級アミノカルボニル基、三級アミノカルボニル基、または低級アルコキシカルボニル基があげられる。
一般式(5)の場合、さらに好ましくは、R1、R2、R3、R4、R8、及びR9が水素原子であり、R5が水素原子、低級アシル基、または低級アルキル基であり、R6及びR7が、同一であっても異なってもよい低級アルキル基であり、R10が水素原子又は低級アルキル基であり、R11が、水素原子またはニトロ基、であり、R12が、水素原子、低級アルキル基、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基、または低級アルコキシ基があげられる。
一般式(4)の具体例として式(4)中、二重片側破線が二重結合であり、R13がアミノカルボニル基である、一般式(7)で表される化合物があげられる。
Figure 0004406601
また、テトラヒドロイソンキノリン誘導体である前記一般式(4)に含まれるさらに具体的な化合物には、次のようなものが例示される。
2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(3-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(4-ブロモ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(3-ブロモ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(4-クロロ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(3-クロロ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-m-トリルアゾ-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-p-トリルアゾ-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(4-メトキシ-フェニルアゾ)-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(3-メトキシ-フェニルアゾ)-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(4-ニトロ-フェニルアゾ)-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(3-ニトロ-フェニルアゾ)-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(4-スルファモイル-フェニルアゾ)-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(3-スルファモイル-フェニルアゾ)-アセトアミド
2-(4-アセチルアミノ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(3-アセチルアミノ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(2-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-フェニルアゾ-アセトアミド
(4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸エチルエステル
2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-1-イル)-アセトアミド
2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-メチル-アセトアミド
2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)- N-フェニル-アセトアミド
2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(2,3,3-トリメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
(4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトニトリル
2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)- N,N-ジメチル-アセトアミド
(4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸
2-(2-アセチル-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(4-アセチル-フェニルアゾ)- アセトアミド
また、一般式(5)の具体例として以下に示す一般式(8)で表される化合物があげられる。
Figure 0004406601
また一般式(5)に含まれる化合物には次のようなものが例示される。
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-p-トリル-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-m-トリル-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-o-トリル-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-(4-メトキシ-フェニル)-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-(3-メトキシ-フェニル)-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-(4-ニトロ-フェニル)-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-(3-ニトロ-フェニル)-アセトアミド
4-[2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセチルアミノ]-安息香酸エチルエステル
3-[2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセチルアミノ]-安息香酸エチルエステル
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-フェニル-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-(2,4-ジメチル-フェニル)-アセトアミド
2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
一般式(3)に表されるようなインドール誘導体としては、以下の式(6)で表される化合物があげられる。
Figure 0004406601
式中、R1〜R9は同一または異なった電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。このうち、好ましくは、R1〜R9はアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ニトリル基、アセトキシ基、アセトキシアルキル基、酸素原子を含んでも良い環状アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノビニル基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、アリールアミノビニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子があげられる。さらには、R1およびR2が水素原子であり、R3がヒドロキシル基またはアセトキシ基であり、R4がアセトキシアルキル基、酸素原子を含んでも良い環状アルキルアミノアルキル基、ジ低級アルキルアミノ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノ低級アルキル基、又は水素原子であり、R5が低級アルキル基、ジ低級アルキルアミノビニル基またはアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7、R8、及びR9が同一であっても異なってもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基、または水素原子であることが望ましい。
また、一般式(6)に含まれる化合物には次のようなものが例示される。
2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-オール
1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
2-メチル-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
2-[2-(4-メトキシ-フェニルアミノ)-ビニル]-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
1-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-ピペリジン-1-イルメチル-1H-インドール-6-オール塩酸塩
2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-7-モルフォリン-4-イルメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
7-[(3-ヒドロキシ-プロピルアミノ)-メチル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール塩酸塩
7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
7-ジエチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
7-ジメチルアミノメチル-2-メチル-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-ピペリジン-1-イルメチル-1H-インドール-6-オール
酢酸 7-アセトキシメチル-2-メチル-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-イルエステル
2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-7-ピペリジン-1-イルメチル-1H-インドール-6-オール
7-ジメチルアミノメチル-2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-オール
7-ジメチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
酢酸 6-アセトキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル エステル
2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-オール
酢酸 6-アセトキシ-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル エステル
1-(4-クロロ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
酢酸 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル エステル
5-ヒドロキシ-2-メチル-4,6-ジニトロ-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボン酸エチルエステル
7-[[ビス-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-メチル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
7-[[ビス-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-メチル]-2-メチル-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-オール
2-(6-ヒドロキシ-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-2-イルメチル)-イソチオウレア
酢酸 2-(N,N'-ジフェニル-カーバムイミドイルスルファニルメチル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル
酢酸 6-アセトキシ-1-(4-アセトキシ-フェニル)-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル エステル
2-(2-ジメチルアミノ-5-ヒドロキシ-ベンゾフラン-3-イル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
5-ブロモ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
酢酸 1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル
7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボニトリル
7-ジエチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボニトリル
2-(2-ジメチルアミノ-5-ヒドロキシ-ベンゾフラン-3-イル)-6-メトキシ-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボニトリル
6-メトキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボニトリル
2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-メトキシ-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボニトリル
5-ブロモ-6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-1H-インドール-3-カルボニトリル
5,7-ジブロモ-6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-1H-インドール-3-カルボニトリル
6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-1H-インドール-3-カルボニトリル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-p-トリル-1H-インドール-3-カルボニトリル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボニトリル
1H-フロ[2,3-g]インドール-3-酢酸, 5-ヒドロキシ-1-(4-メトキシフェニル)-2,8-ジメチル-, エチルエステル
5-ブロモ-7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-1-フェニル-2-フェニルスルファニルメチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-酢酸
5-ブロモ-6-ヒドロキシ-1-フェニル-2-フェニルスルファニルメチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-5-ブロモ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
5-ブロモ-7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-1-フェニル-2-フェニルスルファニルメチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-5-ブロモ-2-ブロモメチル-1-フェニル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-2-ブロモメチル-1-フェニル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
ピロロ[2,3-f][1,3]ベンゾキサジン-3-酢酸, 8-エチル-1,7,8,9-テトラヒドロ-2-メチル-1-(4-ニトロフェニル)-, エチルエステル
6-アセトキシ-2-メチル-1-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-エトキシカルボニル-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-シアノ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-ニトロ-フェニル)-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-ブロモ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-フルオロ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-ニトロ-フェニル)-5,7-ビス-ピペリジン-1-イルメチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
5,7-ビス-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-ニトロ-フェニル)-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-ニトロ-フェニル)-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-ニトロ-フェニル)-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-1-(4-クロロ-フェニル)-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-2-メチル-1-p-トリル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-p-トリル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-クロロ-フェニル)-7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(2-クロロ-フェニル)-6-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(2-クロロ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-1-(4-クロロ-フェニル)-2-メチル-5,7-ジニトロ-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-クロロ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-5,7-ジニトロ-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-5,7-ジブロモ-1-(4-クロロ-フェニル)-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
5,7-ジブロモ-1-(4-クロロ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
6-アセトキシ-5-ブロモ-1-(4-クロロ-フェニル)-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
5-ブロモ-1-(4-クロロ-フェニル)-6-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-クロロ-フェニル)-6-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸
1-(4-クロロ-フェニル)-6-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
1-(4-クロロ-フェニル)-6-ヒドロキシ-2-メチル-1H-インドール-3-酢酸 エチルエステル
Rで表される低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-メチルプロピル、n-ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルプロピル、2-エチルブチルなどが挙げられる。好ましくは、メチルである。
Rで表される低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシロキシ、へプチロキシ、オクチロキシなどが挙げられる。好ましくはメトキシである。
Rで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられるが、好ましくは塩素または臭素である。
Rで表される低級アシル基として、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルなどが挙げられるが、好ましくはアセチルである。
Rで表される環状構造を形成してもよい低級アルキル基としてシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられるが、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルである。
Rで表される低級アルコキシカルボニルとして、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポオキシカルボニルなどが挙げられるが、好ましくはメトキシカルボニルもしくはエトキシカルボニルである。
Rで表されるアミノカルボニルとしては、例えば、-CONR2(Rは同一でも異なってもよい水素原子、先に例示した低級アルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す)などが挙げられる。
Rで表される二級アミノカルボニル基としては、例えば、-CONHR(先に例示した低級アルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す)などが挙げられる。また、三級アミノカルボニル基としては、例えば、-CONR2(Rは同一でも異なってもよい先に例示した低級アルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す)などが挙げられる。
Rで表されるアミノアルキル基としては、例えば、−(CH2n−NR2(nは1〜8を示すが、好ましくは1である。またRは同一でも異なっても良い水素原子、低級アルキル基、環状構造を形成しても良い低級アルキル基(環状構造中には窒素や酸素などのヘテロ原子を1〜3個含んでも良い)、置換基を有しても良いフェニル基を表す)などがあげられる。
Rで表されるアセトキシアルキルとしては、−(CH2n−OAc(nは1〜8を表す)があげられるが、好ましくはnは1である。
また、式(4)における二重片側破線は単結合または二重結合を表す。さらに、式(4)で表される化合物において、二重片側破線が二重結合を表す場合、波線部(2箇所)に関して幾何異性体が存在する。これらの幾何異性体の配置は特に限定されず、それぞれ独立に、E体又はZ体のいずれであってもよく、本発明の化合物は、これらの幾何異性に基づく純粋な形態の幾何異性体の任意の混合物であってもよい。さらに、互変異性体を任意の比率で含んでもよい。
一般式(2)および(3)であらわされる化合物の塩としては、薬学的に許容しうる塩が望ましい。例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などを形成してもよい。
また、一般式(4)および(5)であらわされる化合物のエステル化合物も本発明の範囲であり、例えば、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、無機酸エステルなどがあげられる。
本発明において記載されている化合物名は、IUPAC命名法、或いは市販のソフト(例えばChemDraw Ultra, CambridgeSoft社、米国)を用いて変換される名称を用いる。
本発明で用いる化合物は以下に述べる方法及びそれらに準ずる方法、または公知の方法を行うことにより製造することができる。式(9)で表される化合物の製造法を以下に示す。
Figure 0004406601
Figure 0004406601
等量のチオエーテル誘導体(I)とフェニルアゾアセトアミド誘導体(II)を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類)に溶解し、原料がなくなるまで還流することにより製造することができる。該誘導体(I)は公知の方法(例えば、Khim.Geterotsikl.Soedin.,No.7, p995(1990)などに記載)により、もしくは、市販品から購入することができる。具体的には、下表1に示すとおりである。
Figure 0004406601
フェニルアゾアセトアミド誘導体(II)は、公知の手法(Materialy Ural'sk. Soveshch. po Spektroskopii, 4th, Sverdlovsk 1963, p205(1965), Bulletin de l'Academie Polonaise des Sciences, Serie des Sciences Chimiques , 14(1), p29 (1966), Am. Chem. Soc., Div. Org. Coatings, Plastics Chem. Preprints , 23(2), p486 (1963), Zhurnal Obshchei Khimii ,35(3), p559 (1965)、Zhurnal Obshchei Khimii, 32, p526 (1962)など)により製造することができる。
式(9)で表される化合物は以下のスキームでも合成可能である。
Figure 0004406601
ベンジルカルビノール誘導体と2-シアノアセトアミド誘導体とを硫酸存在下で反応することにより得られる化合物(IV)とジアゾニウム塩(V)とを反応に悪影響を及ぼさないアルコール水溶液中、塩酸存在下で反応させることにより得られる。ベンジルカルビノール誘導体は様々な誘導体が市販品から購入でき、さらに公知の方法(例えば、J.Gen.Chem.USSR, No.6, p1263(1936)により得る事が出来る。また、ジアゾニウム塩は市販のアミノベンゼン誘導体を塩酸、亜硝酸ナトリウム水溶液により公知の方法で誘導できる。
式(9)で表される化合物のうち、2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド(Asinex, ロシア)、2-(3-クロロ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド(Asinex, ロシア)、2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(3-メトキシ-フェニルアゾ)-アセトアミド(Asinex, ロシア)、2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(3-ニトロ-フェニルアゾ)-アセトアミド(PHARMEKS, ロシア)、2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(4-メトキシ-フェニルアゾ)-アセトアミド(PHARMEKS, ロシア)、2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-m-トリルアゾ-アセトアミド(IBS, ロシア)は市販品であり、サプライヤーから入手することが出来る。
式(9)で表される化合物の中で、R5がメチル基である場合の製造法を以下に示す。反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、アセトニトリルのニトリル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類)に式(4)で表される化合物(R5=-H)及び炭酸ナトリウムを加えて溶解し、ヨウ化メチルを反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類)に溶解したものをゆっくり滴下し、還流することにより製造することができる。
式(9)で表される化合物の中で、R5がアセチル基である場合の製造法を以下に示す。氷浴下、式(9)で表される化合物(R5=-H)及びジメチルアミノピリジンをピリジンに溶解し、無水酢酸を加え、攪拌することにより製造することができる。
式(11)で表される化合物の製造法を以下に示す。
Figure 0004406601
式(9)で表される化合物を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類)に溶解し、塩化チオニルを反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類)に溶解したものを氷浴下で滴下することにより製造できる。
式(12)で表される化合物の製造法を以下に示す。
Figure 0004406601
エタノールに水酸化カリウム及び式(9)で表される化合物を加え、還流することにより製造することができる。
式(13)で表される化合物の製造法を以下に示す。
Figure 0004406601
式(12)で表される化合物をエタノールに懸濁し、冷却しながら塩化チオニルをゆっくり滴下し、室温で攪拌することにより製造することができる。
式(14)で表される化合物の製造法を以下に示す。
Figure 0004406601
式(12)で表される化合物、該当する1級または2級アミン、HOBt(Advanced ChemTech社、米国)及びトリエチルアミンを反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類など)に溶解し、これにHBTU(Advanced ChemTech社、米国)を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒など)に溶解したものを加えた。室温で攪拌することにより製造することができる。
式(10)で表される化合物の製造法を以下に示す。
Figure 0004406601
反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、アセトニトリルのニトリル類など)に式(9)及び(11)〜(14)で表される化合物を溶解し、トリフェニルすず水素化物(Aldrich、米国)を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類)に溶解したものを前記溶媒に加え、還流することにより製造することができる。
一般式(4)で示される化合物は、適当な溶媒に溶解させることができるが、溶媒中においてはそのままで、或いは下記式(15)で表される還元型で、あるいはその混合物として存在してもよい。
Figure 0004406601
かくして得られる本発明で用いる化合物またはその塩は、例えば、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により単離、精製することができる。かくして本発明で用いる化合物が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じた方法によって塩に変換することができる。逆に塩で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じた方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。化合物またはその塩が不斉炭素を有する場合もあるが、光学活性の混合物(ラセミ体)として得られた場合には、通常の光学分割手段によりそれぞれの光学活性に分離することができる。
本発明の組織幹細胞増殖剤における有効成分である低分子化合物の濃度としては、0.1ng/ml〜1mg/mlの範囲で使用することが望ましく、好ましくは10ng/ml〜100μg/ml、さらに好ましくは100ng/ml〜10μg/mlの範囲で使用することである。
本発明の組織幹細胞増殖剤は、動物細胞培養用基礎培地である任意の哺乳類細胞培養基本培地に添加して使用することができる。動物細胞基本培地の例としては、ダルベッコ改変イーグル培地:DMEM、ノックアウトDMEM、グラスゴーMEM:GMEM、RPMI1640、IMDM(以上 InvitrogenInvitrogen社製、米国)などが挙げられるがこれらに限定されない。1つの実施態様としての細胞培地はダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)である。さらにこれらの基礎培地に血清または血清代替物、各種増殖因子、サイトカインなど、細胞増殖や分化制御に関わる蛋白質を添加して用いることもできる。また、任意の化合物を添加しても良い。血清は、組織幹細胞の増殖および生存性の維持に効果的である栄養素を供給する任意の血清、または、血清ベースの溶液であり得る。このような血清の例には、ウシ胎仔血清(FCS)、ウシ血清(CS)、馬血清(HS)などがあり、また、血清代替物としては当業者に周知のもの、蛋白質、アミノ酸、脂質、ビタミンなどを単独で、或いは組み合わせて用いることができる。蛋白質としてはインスリン、トランスフェリン、アルブミン、ペプトン、FGF(Fibroblast Growth Factor)、EGF(EpitherialGrowth Factor)などが、アミノ酸としてはアルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどが、ビタミンとしては、パントテン酸、コリン、葉酸、イノシトール、ニコチン酸アミド、リボフラビン、チアミン、ピリドキシンなどが例示されるがこれらに限定されない。1つの実施態様において、血清はウシ胎仔血清である。より特定の実施態様において、ウシ胎仔血清は約25%と約1%との間の濃度で提供される。さらにより特定の実施態様において、細胞培地でのウシ胎仔血清濃度は10%である。また、他の実施態様において、血清代替物はノックアウト血清リプレースメント:KSR(Invitrogen社製、米国)である。添加し得る細胞増殖因子としては、肝細胞成長因子(HGF)、上皮細胞増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、骨形成因子(BMP)、幹細胞因子(SCF)、Wntなどが例示されるがこれらに限定されない。添加し得るサイトカインとしてはインターロイキン(IL)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)などが例示されるがこれらに限定されない。また、LIF、ノッチリガンドなどの分化制御因子を添加することもできる。また、添加する化合物は特に限定されないが、任意の蛋白質に対するアゴニストまたはアンタゴニストであってよく、また、任意のリン酸化阻害剤であっても良い。また、市販の培養キットであるブレットキットMSCGMセット(CAMBREX社製)を用いることもできる。
細胞培地は、抗酸化剤(還元剤)(例えば、β−メルカプトエタノール)も含む。ある好適な実施態様において、β−メルカプトエタノールは、約0.1mMの濃度を有する。他の抗酸化剤 (例えば、モノチオグリセロール、もしくは、ジチオス レイトール(DTT)の単独もしくは組み合わせ)が同様の効果のために使用され得る。さらに他の等価な物質は、細胞培養の分野の当業者に周知である。
本発明の組織幹細胞増殖剤ならびにその有効成分は、任意の培養基材とともにあるいは培養基材に固定して使用することもできる。培養基材には多孔質体を使用することがでる。多孔質体とは、微細な孔を多数有する基材のことをいい、その材質、厚さ、形状、寸法などは特に限定はない。多孔質体の材質は、有機材料、無機材料及び有機材料と無機材料からなる複合材料であっても良い。多孔質体の形状は平板状、球状、棒状、繊維状、中空状のいずれの形態であっても良く、例えば、フィルム、シート、膜、板、不織布、ろ紙、スポンジ、織物、編物、塊、糸、中空糸、粒子等が挙げられる。細胞を培養するにあたって、3次元的に培養できるように細胞を支持する孔の大きさを簡単に制御できることや、基材作製の容易さ及びコストなどを考慮すると不織布がより好ましい。多孔質体の孔の大きさについては、特に限定はないが、細胞を3次元的に支持できるようにすることを考慮すると、平均孔径が、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、1μm以上50μm以下がさらに好ましい。繊維径については特に限定はないが、0.03デニール以下が好ましい。
上記の多孔質体は、細胞の接着性や分化維持機能、増殖能を向上させるために、高分子化合物により表面コーティング処理を施されていてもよい。高分子物質とは、1種以上の繰り返し構成単位の単量体が1次元、2次元、3次元的に連なった分子量数百以上の物質のことをいう。高分子物質は、大きく天然高分子物質、半合成高分子物質、合成高分子物質の3つに分類することができ、本発明においていずれの高分子物質も使用することができる。
例えば、天然高分子物質としては、マイカ(雲母)、アスベスト(石綿)、グラファイト(石墨)、ダイアモンド、でんぷん、セルロース、アルギン酸等に代表される糖類及びゼラチン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ラミニン、コラーゲン等に代表されるタンパク質等が挙げられる。半合成高分子物質としては、ガラス、硝酸セルロース、酢酸セルロース、塩酸ゴム、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。合成高分子物質としては、ポリホスホニトリルクロライド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体に代表されるような2種類以上の合成単量体からなる共重合体等が挙げられる。
コーティング処理のし易さを考慮すると、有機高分子物質が好ましく、タンパク質やペプチド並びに有機合成高分子物質がさらに好ましく、好適な例としてマトリゲル(BD Biosciences社)が挙げられる。
本発明の組織幹細胞増殖剤を固定した培養基材を細胞捕捉材として用いることにより、複数の異なる細胞からなる集団から、組織幹細胞を分離し、かつ、培養を行える方法及び装置が提供され得る。即ち、組織幹細胞と、除去対象細胞を含む細胞含有液を本発明の組織幹細胞増殖剤を固定した、多孔質体などの培養基材からなる細胞捕捉材が充填されている容器に導入し、細胞捕捉材に組織幹細胞を捕捉させ、除去対象細胞を容器外に導出した後に容器ごと培養することを特徴とする組織幹細胞培養方法であり、また本発明の組織幹細胞増殖剤を固定化した培養基材からなる細胞捕捉材を容器に充填した細胞培養装置であって、前記細胞捕捉材は細胞培養用担体として使用し得るものであり、前記容器は細胞培養に使用し得るものであることを特徴とする細胞培養装置である。除去対象細胞とは、組織幹細胞以外の全ての細胞をいう。また、組織幹細胞から分化して、多分化能を失った細胞もこれに含まれる。細胞捕捉材に導入する細胞含有液としては、組織幹細胞を含有する細胞液であればいかなるものでもよく、一例として、血液、骨髄、砕片組織液、或いは、組織幹細胞の培養液などがあげられる。
本発明は組織幹細胞を増殖するための方法に関する。本発明の組織幹細胞増殖剤を用いて増殖させた組織幹細胞の培養物を提供することができる。
本発明の組織幹細胞増殖剤を用いて培養される細胞には、公知の方法および材料を使用して入手し得る全ての組織幹細胞が含まれる。組織幹細胞には以下の公知の方法によって入手し得る細胞が一例として挙げられる。
骨髄幹細胞(Osawaら、 Science、 273、 p242-245、1996年、 Goodellら、 J.E.Med.183、 p1797-1806、1996年、Verfaillieら、Nature, 418, p41, 2002年)、神経幹細胞(Reynoldsら、Science、p1707-1710、1992年、Gageら、Science、287、p1433-1438、2000年)、組織幹細胞(Goodellら、J.E.Med.183、p1797-1806、1996年、松崎ら、実験医学、19、p345-349、2001年、Blauら、Cell、105、p829-841、2001年)、間葉系幹細胞(Liechtyら、NatureMedicine、6、p1282-1286、2000年。Pittengerら、Science、284、p143-147、1999年)、皮膚幹細胞・表皮幹細胞(室田誠逸編、「再生医学・再生治療」現代化学増刊41、東京化学同人、Fuchsら、Nature Reviews Genetics、3、p199-209、2002年、Tumbarら、Science、303、p359-363、2004年)、色素幹細胞(Nishimuraら、Nature、416、p854-860、2002年)、毛包幹細胞(Oshimaら、Cell、104、p233-245、2001年、Nishimuraら、Nature、416、p854-860、2002年、Tumbarら、Science、303、p359-363、2004年)。
本発明により提供される組織幹細胞増殖剤は、既に単離された組織幹細胞に用いることもできるし、または、本発明の組織幹細胞増殖剤を用いて組織幹細胞を単離並びに培養することもできる。本発明の組織幹細胞増殖剤を用いて培養した組織幹細胞の未分化程度は各々の幹細胞の細胞膜上に存在する特異的マーカーを検出することにより確認することができる。間葉系幹細胞の同定には、CD105抗原、CD166抗原、CD29抗原、CD44抗原(以上陽性)、CD45抗原、CD14抗原、CD34抗原(以上陰性)などを用いることができる。また、神経幹細胞の同定にはTuj1抗原、GFAP抗原、O4抗原などを用いることができる。造血幹細胞の同定にはCD34抗原(陰性または弱陽性)、c-Kit抗原、Sca-1抗原(以上陽性)、lineageマーカー(陰性)などを用いることができる(中辻ら、「幹細胞・クローン研究プロトコール」羊土社)。一つの実施態様において、上記の表面抗原は、同抗原を認識する特異的抗体(一次抗体)とインキュベートし、さらに蛍光標識のようなレポーターと結合した第二の抗体(二次抗体)とインキュベートことにより、標識することができる。この操作により目的の抗原を発現する細胞が、蛍光性になる。次いで、標識された細胞を標準的な方法、例えばフローサイトメーターを用いて、計数、さらには分取され得る。次いで、標識および非標識細胞の数は、目的とする分化抑制剤の効果を決定するために比較され得る。あるいは、非標識細胞表面マーカー抗体に曝露された後、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)形式において、その細胞は、抗細胞表面抗原抗体(例えば抗SSEA-1抗体)に対して特異的な第二の抗体に曝露され得、そこから所望の表面抗原を発現する細胞の数が、比色定量的に、または蛍光を測定することにより定量され得る。表面抗原を発現する細胞を定量するさらに他の方法も、細胞培養の当業者に周知である。
また、幹細胞特異的なマーカー或いは分化した細胞特異的なマーカーを、マーカー遺伝子の発現量を測定することによって確認することもできる。一つの実施態様においてはリアルタイムPCR法が用いられ、幅広いダイナミックレンジをもち、簡便で信頼性のある定量測定が可能である。リアルタイムPCR技術には、ABIPRISM7700TM (Applied Biosystems)を使用したTaq Manプローブを用いる方法や、LightCyclerTM(ロシュ・ダイアグノスティック)を用いた方法がある。特に後者の場合はPCRの温度サイクルが数十分で終了する高速反応サイクルのもとで、サイクルごとに合成されるDNAの増幅量変化をリアルタイムに検出できる。リアルタイムPCR法のDNA検出法としては、DNA結合色素(インターカレーター)、ハイブリダイゼーション・プローブ(キッシングプローブ)、TaqManプローブおよびSunriseユニプライマー(モレキュラー・ビーコン)を利用する4種類の方法がある。また、DNA結合色素、例えばSYBR GreenIを利用してマーカー遺伝子の発現量を解析することができる。SYBR GreenIはDNAの二本鎖特異的に結合色素であり、二本鎖に結合することで本来の蛍光強度が増強される。PCR反応時にSYBR GreenIを加え、伸張反応の各サイクルの終わりに蛍光強度を測定すれば、PCR産物の増加が検出できる。マーカー遺伝子を検出するには通常のPCRと同様にマーカー遺伝子の配列をもとに、市販の遺伝子解析ソフトウェアなどを用いてプライマーを設計する。SYBR GreenIは非特異的産物も検出してしまうため最適なプライマーの設定が必要となる。設計基準としては、オリゴマーの長さ、配列の塩基組成、GC含量、およびTm値などに留意が必要である。
多くの場合、定量PCRにおいて明らかにすることを目的とするのは、サンプル一定量当たりの目的DNA量である。このためには最初に反応系に加えたサンプル量の評価が必要である。この場合サンプル量を反映するような内部標準となる別のDNAを目的DNAとは別に測定し、最初に反応系に加えたサンプル量を補正することができる。サンプル量を補正する目的で用いる内部標準には、通常、組織によって発現量に差がないと考えられているハウスキーピング遺伝子を用いることができる。例えば、解糖系の主要酵素であるグリセロアルデヒドリン酸脱水素酵素(GAPDH)、細胞骨格の構成成分であるβアクチンまたはγアクチン、リボゾームの構成蛋白質であるS26などの遺伝子が挙げられる。
マーカー遺伝子の発現レベルは、本発明の組織幹細胞増殖剤に暴露された細胞について決定することができる。該増殖剤に暴露されていない、即ち、組織幹細胞から分化誘導されたコントロール細胞のマーカー遺伝子発現量にくらべ、有意に幹細胞特異的マーカー遺伝子の発現量を維持させる、或いは、分化細胞特異的マーカー遺伝子の発現を抑制することができる活性を有する化合物が、組織幹細胞の未分化を維持して増殖させ得る増殖剤であるとみなされる。特定の実施態様において、実施例1(3)「ヒト間葉系幹細胞増殖アッセイ」に記載の方法で培養したヒト間葉系幹細胞からISOGEN(株式会社ニッポンジーン社製、日本)を用い、添付の方法に従ってトータルRNAを抽出する。即ち、培養後のディッシュから培地を除去し、PBS 10mlで二回洗浄し、ISOGENE 1mlに溶解する。室温で5分間静置した後、1.5mlのエッペンドルフチューブに回収する。クロロホルム(和光純薬)を0.2ml加え、15秒間振とうし、2〜3分間室温で静置した。微量遠心機(トミー精工)で4℃、10,000rpmで15分間遠心する。上清400μlを新しい1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、500μlのイソプロパノール(和光純薬)を加え、室温で10分間静置後、微量遠心機にて4℃、10,000rpmで10分間遠心する。上清を除去後、70%エタノール水溶液を1ml加え、振とう後、微量遠心機にて4℃、10,000rpm、約5分間遠心する。上澄みを除去して沈殿を乾燥させた後、30μlの蒸留水に溶解させ、トータルRNA溶液を得る。
このようにして得られるトータルRNAの2μg を鋳型に、DeoxyribonucleaseI(Amplification Grade)(Invitrogen社製)、Oligo(dT)12-18プライマー(Invitrogen社製 18418-012)、オムニスクリプトリバーストランスクリプターゼ(QIAGEN社製)を用い添付のプロトコールに従ってcDNAを合成する。即ち、トータルRNA2μgに1μlの10×DNaseI Reaction BuffeR1μlの10×DNaseI(以上Invitrogen社製)と蒸留水を加えて10μlとなるように反応液を調製し、室温で10分間インキュベートする。25mM EDTA溶液を1μl加えて、65℃で10分間加熱し、室温に戻した後、2μlの10× Buffer RT、2μlの5mM dNTP Mix、2μlのOligo(dT)12-18プライマー、0.25μlのRNaseOUT(Invitrogen社製、10777−019)、1μlのOmniscript Reverse Transcriptaseを加え、RNaseフリー精製水で全量20μlに合わせ、次いで37℃で60分間インキュベートし、cDNA溶液を得る。このようにして得られる合成cDNAの一部を蒸留水で5倍に希釈し、その2μlを鋳型として、ライトサイクラーファーストスタートDNA マスターSYBRグリーンI キット(ロシュ・ダイアグノスティック社製)を用い添付のプロトコールに従ってPCR を行う。マーカー遺伝子、並びに内部標準としてグリセロアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)遺伝子の発現量を測定する。反応液組成及び反応条件を以下に示す。
Figure 0004406601
Figure 0004406601
これにより、本発明の組織幹細胞増殖剤存在下で培養した組織幹細胞と該増殖剤を含まない培地にて培養した組織幹細胞のマーカー遺伝子の発現量を比較することができる。
本発明によって提供される、組織幹細胞増殖剤、該増殖剤を用いた培養方法および培地は、組織幹細胞が有用であるすべての技術に対して適用されることが予想される。
本発明の組織幹細胞増殖剤、該増殖剤を用いた培養方法および培地を用いて産生される細胞は、分化させ、細胞移植に用いたり、人工支持組織の利用と併せ人工的な組織構築に使用され、生体内へ移植したり人工臓器として利用されうる。組織幹細胞の細胞移植治療や組織工学への利用は、ドナーにおける移植片摘出後の組織欠損やドナー不足など、従来の自家移植を含む移植治療が抱える問題点を解決できる。移植のために培養された細胞や組織は、治療のため、採取した人と同一人に戻す場合と他人に移植する場合があるが、本発明の細胞等はいずれにも用いることができる。
本発明の組織幹細胞増殖剤、それを用いた培養方法、それを含む培地により得られた、非改変および改変された組織幹細胞及びその培養物は、組織幹細胞のモニタリングまたは組織幹細胞収集を改良する物質についてスクリーニングするために使用される。例えば、推定の組織幹細胞分化誘導物質は、上記の方法を用いて増殖させた細胞培養物へ添加され得る。推定の組織幹細胞分化誘導物質を欠損した対照細胞培養物と比較して、分化を誘導し得る物質は、組織幹細胞分化誘導因子として同定される。
本発明の組織幹細胞増殖剤は、優れた組織幹細胞未分化維持ならびに増殖能を有することから、加齢、病気または外傷などにより傷害を受けた組織または器官の治療剤または予防剤として用いることができる。対象となる疾患としては、例えば皮膚関連では、熱傷、難治性皮膚潰瘍、じょくそう、肥厚性瘢痕、母斑、刺青など、骨関連では、骨折、骨粗しょう症など、軟骨関連では、変形性関節症、慢性リウマチ、椎間板ヘルニア、骨端症、スポーツ障害など、神経関連では、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、外傷による四肢の神経切断、頭頸部外科・胸部外科に伴う損傷、顔面神経麻痺、横隔膜神経損傷、骨盤内神経損傷など、歯関連では歯周病・歯槽膿漏による歯槽骨損傷、無歯症が、毛髪では男性型脱毛症が、角膜では先天性異常、内皮細胞代償不全、角膜感染による混濁、角膜変性症、角膜形状異常など、血管関連では高血圧、慢性動脈閉塞症、虚血性心疾患など、心筋では心筋梗塞、膵臓では糖尿病など、肝臓では肝炎、肝硬変、肝不全などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組織幹細胞増殖剤は、上記の疾患に対して予防および/または治療剤として、経口投与または非経口投与のいずれも可能であり、薬学的に許容される担体と混合し、通常、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤など固形製剤として経口投与されるか、静脈内、皮下、筋肉内などに注射剤、経皮剤、坐薬若しくは舌下錠などとして非経口投与される。また、舌下錠、マイクロカプセルなどの徐放製剤として、舌下、皮下および筋肉内などに投与してもよい。一日の投与量は、症状の程度;投与対象の年齢、性別、体重、感受性差;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、通常、哺乳動物1kg体重あたり約0.01〜100mg、好ましくは約0.02〜20mg、更に好ましくは0.1〜10mg、最も好ましくは0.5〜10mgを、通常1日1〜4回に分けて投与する。畜産または水産分野で使用する場合の投与量も上記に準ずるが、投与対象生物1kg体重あたり約0.01〜30mg、好ましくは約0.1〜10mgを、通常一日1〜3回に分けて投与する。本発明の組織幹細胞増殖剤の医薬組成物中の含有量は、組成物全体の約0.01ないし100重量%である。
上記薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。上記賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。上記滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。上記結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
上記崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。上記溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。上記溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
上記等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。上記緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。上記防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。上記抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
本発明の組織幹細胞増殖剤に、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等脹化剤、保存剤などを添加し、公知の方法により静脈、皮下、筋肉内注射剤とすることができる。その際必要により公知の方法により凍結乾燥物とすることも可能である。本発明の組織幹細胞増殖剤を例えばヒトに投与する場合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物として経口的または非経口的に安全に投与することができる。上記医薬組成物としては、経口剤(例、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤)、非経口剤〔例、注射剤、点滴10 剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)など〕が挙げられる。これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
本発明の組織幹細胞増殖剤は、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国、HCO60(日光ケミカルズ製)ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどに溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。経口剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明の組織幹細胞増殖剤を例えば賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。そのコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、プルロニックF68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)および色素(例、ベンガラ、二酸化チタンなど)などが用いられる。腸溶性製剤とする場合、腸溶相と薬剤含有相との間に両相の分離を目的として、自体公知の方法により中間相を設けることもできる。
外用剤とするには、公知の方法に従い、本発明の組織幹細胞増殖剤を固状、半固状または液状の外用投与剤とすることができる。例えば、上記固状のものとしては、本発明化合物をそのまま、あるいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを添加、混合して粉状の組成物とする。上記液状のものとしては、注射剤の場合とほとんど同様に油性または水性懸濁剤とする。半固状の場合は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これらはいずれも、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを加えてもよい。例えば坐剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明化合物を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記組成物に用いる油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
次に本発明を具体化した実施例を示す。この実施例は、本発明を実施する当業者を補助するために提供される。これらの実施例は、いかなる様式においても、決して本発明の範囲を制限するものではない。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。以下の実施例に記載の「室温」は0ないし30℃を示す。「%」は特記しない限り重量パーセントを意味する。
合成例:化合物の製造方法
[1] 3,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニデン-1-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
ベンゼンに2-シアノアセトアミド(Aldrich社、米国)を加え攪拌しながら、10℃に上がらないようにゆっくりと濃硫酸を滴下する。室温に戻した後、ジメチルベンジルカルビノール(Lancaster社、英国)を加える。約30分間還流し、室温に放冷後、反応混合液を氷水に注ぐ。抽出した水相を中和し、生じた沈殿を濾別する。乾燥後、イソプロパノールで再結晶することにより標題化合物を得る。
MS(m/z)=217(M+1)
[2] 2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
p-アミノアセトフェノン(Aldrich社、米国)をベンゼンに溶解し、塩酸ガスを通気し、得られた沈殿を濾別し、イソプロパノールにより再結晶することによりp-アミノアセトフェノン塩酸塩を得る。得られたp-アミノアセトフェノン塩酸塩を20%エタノール水溶液に溶解し、氷浴下、濃塩酸で酸性にする。亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下し、尿素で処理することにより、ジアゾニウム塩溶液を得る。
3,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニデン-1-アセトアミドを20%エタノール水溶液に溶解し、濃塩酸を加える。10℃を越えないように温度を調整し、先のジアゾニウム塩溶液を加える。反応液が変化し、攪拌しながら飽和酢酸ナトリウム水溶液を加える。得られた沈殿を濾別後、イソプロパノールで再結晶することにより標題化合物を得る。
MS(m/z)=363(M+1)
[3] 2-(3-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
m-アミノアセトフェノン(Aldrich社、米国)をベンゼンに溶解し、塩酸ガスを通気し、得られた沈殿を濾別し、イソプロパノールにより再結晶することによりp-アミノアセトフェノン塩酸塩を得る。得られたp-アミノアセトフェノン塩酸塩を20%エタノール水溶液に溶解し、氷浴下、濃塩酸で酸性にする。亜硝酸ナトリウム水溶液を滴下し、尿素で処理することにより、ジアゾニウム塩溶液を得る。
3,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニデン-1-アセトアミドを20%エタノール水溶液に溶解し、濃塩酸を加える。10℃を越えないように温度を調整し、先のジアゾニウム塩溶液を加える。反応液が変化し、攪拌しながら飽和酢酸ナトリウム水溶液を加える。得られた沈殿を濾別後、イソプロパノールで再結晶することにより標題化合物を得る。
MS(m/z)=363(M+1)
[4] 2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(2,3,3-トリメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
アセトニトリルに2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド(Asinex社, ロシア)及び炭酸ナトリウムを加え、ヨウ化メチルのアセトニトリル溶液をゆっくり滴下し、還流する。還流物を室温まで放冷後、溶媒を減圧留去し、残渣をジクロロメタンに溶解し、蒸留水で洗浄する。その後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾別した後、溶媒を減圧留去する。反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=377(M+1)
[5] 2-(2-アセチル-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
氷浴下、2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド(Asinex社, ロシア)及びジメチルアミノピリジンをピリジンに溶解し、無水酢酸を加える。停止後、前記反応後の溶媒を氷水に注ぎ、ジクロロメタンにより反応生成物を抽出する。反応生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾別した後、溶媒を減圧留去する。反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=405(M+1)
[6] (4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトニトリルの合成
Figure 0004406601
氷浴下、2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド(Asinex社, ロシア)、塩化チオニル及びDMFを混合し、ゆっくり攪拌する。混合溶媒から過剰の塩化チオニルを減圧留去し、反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=345(M+1)
[7] (4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸の合成
Figure 0004406601
エタノールに水酸化カリウム及び2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド(Asinex社, ロシア)を加え、加熱還流する。還流物を室温まで放冷後、これに蒸留水を加え、さらに塩酸を加えて中性にした後、エーテルで反応生成物を抽出する。反応生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾別した後、溶媒を減圧留去する。反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=364(M+1)
[8] (4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸エチルエステルの合成
Figure 0004406601
(4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸をエタノールに懸濁し、攪拌する。冷却しながら塩化チオニルをゆっくり滴下し、その後、室温で攪拌する。攪拌混合溶媒から溶媒を減圧留去し、水で洗浄する。反応生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾別した後、溶媒を減圧留去する。反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=392(M+1)
[9] 2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-メチル-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
(4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸、メチルアミン、HOBt(Advanced ChemTech社、米国)及びトリエチルアミンをDMFに溶解し、HBTU(Advanced ChemTech社、米国)のジクロロメタン溶液を加え、その後、室温で攪拌する。攪拌混合溶媒を飽和塩化ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。反応生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾別した後、溶媒を減圧留去する。反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=377(M+1)
[10] 2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N,N-ジメチル-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
(4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸、ジメチルアミン、HOBt(Advanced ChemTech社、米国)及びトリエチルアミンをDMFに溶解し、HBTU(Advanced ChemTech社、米国)のジクロロメタン溶液を加え、その後、室温で攪拌する。攪拌混合溶媒を飽和塩化ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。反応生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾別した後、溶媒を減圧留去する。反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=391(M+1)
[11] 2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-フェニル-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
(4-アセチル-フェニルアゾ)-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-酢酸、フェニルアミン、HOBt(Advanced ChemTech社、米国)及びトリエチルアミンをDMFに溶解し、HBTU(Advanced ChemTech社、米国)のジクロロメタン溶液を加え、その後、室温で攪拌する。攪拌混合溶媒を飽和塩化ナトリウム水溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。反応生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾別した後、溶媒を減圧留去する。反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=439(M+1)
[12] 2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-1-イル)-アセトアミドの合成
Figure 0004406601
窒素気流下、アセトニトリルに2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド(Asinex社, ロシア)を溶解したものに、トリフェニルすず水素化物(Aldrich、米国)を溶解したキシレンを加え、還流する。還流物を室温まで放冷し、不溶物を濾別する。濾液から溶媒を減圧留去し、反応生成物を含む残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得る。
MS(m/z)=365(M+1)
実施例1
(1)ヒト間葉系幹細胞の培養
Mesenchymal Stem Cell Basal Medium (MSCBM)(CAMBREX社製)に、添付のプロトコールに従ってMesenchymal Cell Growth Supplement(MCGS)、グルタミン、ペニシリンおよびストレプトマイシン(以上、CAMBREX社製)を添加してヒト間葉系幹細胞培養培地を調製した。
ヒト間葉系幹細胞(CAMBREX社から購入)を添付のプロトコールに従って融解して培養した。即ち、ヒト間葉系幹細胞凍結バイアルを37℃で融解し、予め37℃、5%CO2インキュベーターで30分以上保温しておいた培地を用いて5〜6×103cells/cm2となるように希釈して細胞培養用ディッシュに播種した。75cm2の角型フラスコ(Costar社製)では約4×105cellsを37.5mlの培地を用いて培養する。3〜4日おきに培地を交換し、コンフルエントになるまで培養した。
(2)ヒト間葉系幹細胞の調製
前記(1)の「ヒト間葉系幹細胞の培養」に記載の方法に従って培養したヒト間葉系幹細胞を、CaおよびMgを含まないPBSを用いて洗浄後、トリプシン−EDTA溶液(コスモバイオ社製)を加え、37℃で5分間インキュベートし、5mlの間葉系幹細胞培地を添加し、ピペットを使用して細胞を分散させ、15mlの滅菌チューブに移し、卓上遠心機(トミー精工)で1000rpm、約5分間遠心してペレット化した。上清を除き、細胞を5mlの新鮮な間葉系幹細胞培地を加えて細胞懸濁液を得た。
(3)間葉系幹細胞増殖アッセイ
前記の(2)ヒト間葉系幹細胞の調製に記載の方法に従って調製したヒト間葉系幹細胞を6cm2細胞培養用ディッシュ(FALCON社製、米国)に、3×104〜1×105個の細胞を、5.5mlの培地に懸濁して播種した。ジメチルスルフォキシド(DMSO)、または水、或いはその混合物に溶解した以下に記載の本発明の組織幹細胞増殖剤を、ヒト間葉系幹細胞培地で0.4〜100μg/mlとなるように希釈したサンプルを、0.5mlずつヒト間葉系幹細胞培養皿に添加し、37℃、5%CO2インキュベーターで培養した。DMSOの培地中への持ち込は最終濃度0.1%以下となるようにした。またコントロールには、DMSOのみを最終濃度で0.1%となるように加えた。7日〜14日間培養後の間葉系幹細胞を、前記(2)の「ヒト間葉系幹細胞の調製」に記載の方法に従って回収し、血球計算盤を用いて細胞数を計測したところ、本発明の組織幹細胞増殖剤を添加して培養した間葉系幹細胞は、該増殖剤を含まない培地で培養した細胞に比べ有意に増殖していた(図1)。
実施例で用いた組織幹細胞増殖剤
A: 2-シアノ-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-N-p-トリル-アセトアミド
B: 2-(4-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
C: 2-(3-クロロ-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
D: 2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(3-メトキシ-フェニルアゾ)-アセトアミド
E: 2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(3-ニトロ-フェニルアゾ)-アセトアミド
F: 2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-(4-トリルアゾ-フェニルアゾ)-アセトアミド
G: 2-(3-アセチル-フェニルアゾ)-2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-アセトアミド
H: 2-(3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-1-イリデン)-2-m-トリルアゾ-アセトアミド
a: 2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-オール
b: 1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
c: 2-メチル-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
d: 2-[2-(4-メトキシ-フェニルアミノ)-ビニル]-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
e: 1-(2-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
f: 7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
g: 1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-ピペリジン-1-イルメチル-1H-インドール-6-オール
h: 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-7-モルホリン-4-イルメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
i: 7-[(3-ヒドロキシ-プロピルアミノ)-メチル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
j: 7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
k: 7-ジエチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
l: 7-ジメチルアミノメチル-2-メチル-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
m: 1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-ピペリジン-1-イルメチル-1H-インドール-6-オール
n: 酢酸 7-アセトキシメチル-2-メチル-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-イル エステル
o: 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-7-ピペリジン-1-イルメチル-1H-インドール-6-オール
p: 7-ジメチルアミノメチル-2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-オール
q: 7-ジメチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
r: 酢酸 6-アセトキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル エステル
s: 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-6-オール
t: 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-オール
u: 酢酸 6-アセトキシ-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル エステル
v: 1-(4-クロロ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール
w: 酢酸 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル エステル
x: 5-ヒドロキシ-2-メチル-4,6-ジニトロ-1-フェニル-1H-インドール-3-カルボン酸エチルエステル
(4)ヒト間葉系幹細胞のマーカー蛋白の発現検討
前記(3)の「ヒト間葉系幹細胞増殖アッセイ」に記載の方法に従って培養して得られるヒト間葉系幹細胞のヒト間葉系幹細胞マーカー蛋白の発現を確認した。即ち、ヒト間葉系幹細胞を培養したディッシュを、PBSを用いて洗浄後、0.05%トリプシン−EDTA溶液(コスモバイオ社製)を加え、37℃で5分間インキュベートした。5mlの間葉系幹細胞培地を添加し、ピペットを使用して細胞を分散させ、15mlの滅菌チューブに移し、卓上遠心機(トミー精工)で1000rpm、約5分間遠心してペレット化した。2%FBSを含むHanks balanced salt solution(HBSS、Invitrogen社製)で洗浄後、細胞数が1〜6×105個になるように2%FBSを含むHBSSを添加した。ヒト間葉系幹細胞表面抗原、CD105、CD29、CD44、CD14、及びCD34に対する抗体、即ち、抗CD105-PE抗体(Ancell Corporation)、抗CD-29-PE抗体(Coulter Corporation)、抗CD-44-FITC抗体(IMMUNOTECH)、抗CD-14-PE抗体(Coulter Corporation)、及び抗CD-34-PE抗体(Coulter Corporation)を添付のプロトコールに従ってHBSSでそれぞれ希釈して加え、30〜50分間氷上で静置した。HBSS(1ml)で二回洗浄後、HBSS (1ml)に再分散し、フローサイトメーター測定に用いるサンプルを得た。またフローサイトメーター測定に用いるサンプルは、凝集塊を除く目的で孔径100μmのナイロン・メッシュに通した後に測定を行った。フローサイトメーターはFACSCalibur(BECTON DICKINSON社製、米国)を用い、測定条件データ収集解析ソフトウェアはCELLQuest(BECTON DICKINSON社製、米国)を用いる。本発明の組織幹細胞増殖剤を添加して培養したヒト間葉系幹細胞は、CD105、CD29及びCD44陽性であり、かつCD14、及びCD34陰性であることから、ヒト間葉系幹細胞が有する性質を有していることが確認できた(図2)。即ち、本発明の組織幹細胞増殖剤は、ヒト間葉系幹細胞を増殖可能であることが確認できた。
本発明によれば、組織幹細胞を、単期間に大量に増殖させることができる。本発明によって提供される組織幹細胞増殖剤、それを用いた培養方法、培地は、細胞移植用途で用いる細胞ソースとしての組織幹細胞を産生するために適用され得る。組織幹細胞を利用することにより得られる多くの恩恵に加え、本発明によって提供される組織幹細胞増殖剤およびそれを用いた培養方法は、1つもしくは多数の遺伝的な改変を有する組織幹細胞を産生するために適用され得る。このような適用の例は、疾患について細胞ベースでのモデルの開発、ならびに遺伝病を処置するために移植について特異化された組織の開発を含むが、これに限定されない。
さらに、本発明の組織幹細胞増殖剤は、優れた組織幹細胞未分化維持ならびに増殖能を有することから、加齢、病気または外傷などにより傷害を受けた組織または器官の治療剤または予防剤として用いることができる。特に歯周病・歯槽膿漏による歯槽骨損傷、男性型脱毛症がなどに適用され、予防および/または治療剤として、経口剤または非経口剤として利用され得る。
上記の通り、本発明の組織幹細胞増殖剤は、組織幹細胞を未分化状態で増殖させることができ、再生医療分野等で好適に利用できる。
図1は、本発明の間葉系幹細胞増殖アッセイの結果を示す。 図2は、本発明の間葉系幹細胞のマーカー蛋白の発現検討を示す。

Claims (5)

  1. 一般式(6)
    Figure 0004406601
    [式中、R1およびR2が水素原子であり、R3がヒドロキシル基であり、R4がジ低級アルキルアミノ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノ低級アルキル基、又は水素原子であり、R5が低級アルキル基、またはジ低級アルキルアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7、R8、及びR9が同一であっても異なってもよい低級アルキル基、低級アルコキシ基、または水素原子を表す。]
    で表される化合物またはその塩を有効成分として含有する間葉系幹細胞増殖剤。
  2. 間葉系幹細胞がヒト間葉系幹細胞である、請求項に記載の間葉系幹細胞増殖剤。
  3. 請求項1又は2に記載の間葉系幹細胞増殖剤を用いて間葉系幹細胞を増殖させることを特徴とする間葉系幹細胞培養方法。
  4. 請求項1又は2に記載の間葉系幹細胞増殖剤を有効成分として含有する培地。
  5. 間葉系幹細胞増殖剤の濃度が10ng/ml〜100μg/mlであることを特徴とする請求項に記載の培地。
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