JP4406493B2 - 低光沢ブロー成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロー成形品に関し、詳しくは、ガラス製化粧瓶等に見られるのと同様のフロスト(艶消し)感を有するプラスチック製ブロー成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フロスト感を有するガラス製成形品は、化粧品等の成形品(瓶など)として高級感、重厚感があるため広く使用されているが、ガラス製成形品は重量があり、コストも高く、また落下時に割れやすく衝撃性に劣るという難点があった。そこで近年、これらガラス製成形品の軽量化、耐衝撃性向上、低コスト化等を図る狙いから、プラスチック成形品化の検討が進められている。
【0003】
その場合、ガラスのフロスト感をプラスチック製成形品に付与するための試みとして、一般に成形金型のキャビティー面を粗面化させる加工処理が考えられるが、それらに要する加工費用が必要となる上、さらに成形品表面への転写性が十分に得られないという問題がある。また、プラスチック製成形品の樹脂原料としてポリプロピレンを用いる場合、表面フロスト感を向上させるべくさらにポリエチレンなどの他の熱可塑性樹脂を加えて改質する方法が用いられている。
【0004】
しかしながら、これらの改質組成物で成形品を成形する方法では、フロスト感の改良効果は認められるものの、ガラス製成形品のフロスト感とは異なり、高級感、重厚感に乏しく、また、ポリプロピレン樹脂のブロー成形品はポリエチレン樹脂、特に高密度ポリエチレンに比べ、落下衝撃強度の低下等や改質による製造コストの上昇を招くという問題があった。
【0005】
また、ポリプロピレン樹脂成形品の品質向上のためにポリエチレン樹脂との積層体を用いることも考えられるが、通常のポリプロピレンとは接着性が悪く、無水マレイン酸等のグラフト変性系ポリオレフィン接着樹脂あるいはポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を混合した樹脂を層間に介在させる必要があった。このため成形装置が複雑(3層以上が必要となる)になり、接着用樹脂の使用も必要なことから生産コストが大幅にアップする問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決し、ガラス製成形品と同様のフロスト感が付与され、かつ、低温耐衝撃強度や成形性に優れたプラスチック成形品を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、少なくとも成形品の表層(外側の表面)に特定のプロピレン系共重合体組成物を用いた成形品をブロー成形により成形することで、単なる低光沢だけではなく良好なフロスト感を有するプラスチック製成形品が得られ、さらには、ポリエチレン樹脂と積層体にした場合にも接着性が良いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、少なくとも表層が、下記の(A)成分と(B)成分を含み、(A)成分の重合後に(B)成分が重合されることにより製造され、o−ジクロルベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対して40重量%以上、メルトフローレート(230℃、21.18N荷重)が0.1〜10g/10分、組成物全体のメルトフローレート(230℃、21.18N荷重)と(A)成分のメルトフローレート(230℃、21.18N荷重)の比が0.1以下であることを特徴とするプロピレン系共重合体組成物からなるブロー成形品である。
(A)アイソタクチックインデックスが85%以上のプロピレンの単独重合体、又は、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体成分。
(B)プロピレンとエチレンを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα―オレフィンとの共重合体成分。
【0009】
また、本発明は、表層と内層とを含む積層体により形成される多層ブロー成形品であって、内層がポリオレフィン樹脂からなる上記のブロー成形品である。
【0010】
また、本発明は、JIS−Z8741に準拠し入射角60°にて測定した光沢値が10%以下である上記のブロー成形品である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(1)表層組成物
本発明のブロー成形品は、その表面が、アイソタクチックインデックスが85%以上のプロピレンの単独重合体、又は、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体からなる(A)成分とプロピレンとエチレンを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体からなる(B)成分とを含み、(A)成分の重合後に(B)成分が重合されることにより製造されるプロピレン系共重合体組成物からなる。
【0012】
そして、該プロピレン系共重合体組成物は、o−ジクロルベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が、全溶出量に対して40重量%以上、好ましくは43重量%以上である。
0℃での溶出分が40重量%未満では、目的とするフロスト感が得られないとともに、積層体では通常の使用に十分な400g以上の接着強度が得られない。
【0013】
なお、ここで、温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation;TREF)とは、公知の分析法であって、原理的には、高温でポリマーを溶媒に完全に溶解させた後に冷却して、溶液中に存在させておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層を形成させる。このとき、結晶化し易い高結晶性成分から結晶化しにくい低結晶性若しくは非晶性成分の順にポリマー層が形成される。次いで、連続又は段階的に昇温すると、前記と逆に、低結晶性若しくは非晶性成分から溶出し、最後に高結晶性成分が溶出する。この各温度での溶出量と溶出温度によって描かれる溶出曲線からポリマーの組成分布を分析するものである。本発明においては、この温度上昇溶離分別における溶媒としてo−ジクロルベンゼンを使用する。
【0014】
また、該プロピレン系共重合体組成物は、JIS K7210に準拠して測定されるメルトフローレート(230℃、21.18N荷重;以下、「MFR−1」という。)が0.1〜10g/10分、好ましくは0.3〜5g/10分であることが必須である。MFR−1が0.1g/10分未満では、一般に成形性が低下する傾向にあり、特にブロー成形が難しくなり、仮に成形できたとしてもメルトフラクチャー等が発生しフロスト感以前に成形品としての商品価値を損ねることがある。一方、MFR−1が10g/10分を超えると光沢値が高くなり、目的とするフロスト感が得られなくなる。
【0015】
さらに、MFR−1と(A)成分のメルトフローレート(230℃、21.18N荷重;以下、「MFR−2」という。)の比(MFR−1/MFR−2)が0.1以下であることが必須である。(MFR−1/MFR−2)が0.1を超えると、光沢値が高くなり、目的とするフロスト感が得られない。
【0016】
以下、このプロピレン系共重合体組成物の製造方法について詳述する。
プロピレン系共重合体組成物は、(A)成分の重合後に(B)成分が重合される逐次重合により製造される。この逐次重合に用いられる触媒は、特に限定されるものではないが、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなるものが好ましい。
【0017】
ここで、有機アルミニウム化合物としては、この種の重合において公知の、一般式R AlX(3−m)(式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、mは1〜3の数である。)で表される化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
【0018】
チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分としては、やはりこの種の重合において公知であって、チタン原子の供給源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR(4−n)(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、nは0〜4の数である。)で表される化合物が挙げられ、中でも、四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等が好ましい。マグネシウム原子の供給源となるマグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げられ、中でもマグネシウムジハライド等が好ましい。なお、ハロゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、沃素が挙げられ、中でも、塩素が好ましく、これらは、通常、前記チタン化合物或いはマグネシウム化合物から供給されるが、アルミニウムのハロゲン化物、珪素のハロゲン化物、タングステンのハロゲン化物等の他のハロゲン供給源から供給されてもよい。
【0019】
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸及びその誘導体等の含酸素化合物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素化合物等が挙げられ、中でも、無機酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好ましく、珪酸エステル、フタル酸エステル、酢酸セロソルブエステル、フタル酸ハライド等が更に好ましく、一般式R (3−p)Si(OR(式中、Rは炭素数3〜20、好ましくは4〜10の分岐状脂肪族炭化水素残基、又は、炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を示し、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐又は直鎖状脂肪族炭化水素残基を示し、Rは炭素数1〜10、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を示し、pは1〜3の数である。)で表される有機珪素化合物、例えば、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン、t−ブチル−メチル−ジエトキシシラン、シクロへキシル−メチル−ジメトキシシラン、シクロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等が特に好ましい。
【0020】
本発明のプロピレン系共重合体組成物の製造は、第一段階((A)成分の製造)で、プロピレン、又は、プロピレンと炭素数2〜8の他のα−オレフィンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好ましくは1.0〜3.5MPaの条件で、プロピレン(単独)重合体の重合を実施し、引き続いて、第二段階((B)成分の製造)で、プロピレンとエチレン、又は、プロピレンとエチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレン及びエチレンの分圧各0.3〜4.5MPa、好ましくは0.5〜3.5MPaの条件で、プロピレン−エチレン共重合体、又は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体の重合を実施することによりなされる。
【0021】
なお、その際の重合は、回分式、連続式、半回分式のいずれによってもよく、第一段階の重合は気相又は液相中、又、第二段階の重合も気相又は液相中、特には気相中で実施するのが好ましく、各段階の滞留時間は各々0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間とする。
【0022】
又、前記方法により製造される組成物の粉体粒子にベタツキ等の問題が生じる際は、粉体粒子の流動性を付与する目的で、第一段階での重合後、第二段階での重合開始前又は重合途中に、活性水素含有化合物を、触媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000倍モルで、かつ、触媒の有機アルミニウム化合物に対して2〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。
【0023】
ここで、活性水素含有化合物としては、例えば、水、アルコール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸類、酸アミド類、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
【0024】
上記プロピレン系共重合体には、使用目的や用途に応じて、他の樹脂をブレンドして使用することも可能である。特に、ポリエチレン、ポリプロピレンとは相溶性が良く、品質改良樹脂として好ましい。これらポリエチレンとしては、密度が0.86〜0.97g/cmまでのチーグラー、フィリップス、メタロセン触媒等のイオン重合及びラジカル重合品が挙げられる。一方、ポリプロピレンとしては、チーグラー、メタロセン触媒等のイオン重合によって得られるホモ、ランダム、ブロック共重合体が挙げられる。また、従来からこの分野で慣用されている各種助剤成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、中和剤、帯電防止剤、流動改良剤、核剤等の添加剤を直接又は樹脂ベースのマスターバッチの形で添加することもできる。
【0025】
(2)成形品の成形
本発明の成形品は、ブロー成形により得られるものであって、公知のブロー成形法及び設備・装置によって成形することにより得ることができる。ブロー成形は、通常、押出機タイプの中空成形機にて樹脂材料を加熱溶融させ、ダイより溶融パリソンを押し出し、次いで金型でパリソンをはさみ、内部に空気等の流体を吹き込むことにより行われる。
【0026】
また、本発明は、表層に前記プロピレン系共重合体組成物を用いさえすれば、多層成形品に適用することが可能である。この場合、内層には、好ましくはポリオレフィン系樹脂、具体的には、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂が用いられる。
【0027】
内層に用いるポリプロピレン系樹脂としては、具体的には、プロピレン単独重合体、又はエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとプロピレンとのランダム共重合体等が挙げられる。好ましくはエチレン含量が1.5〜7重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体が用いられる。また、前記したα―オレフィンとプロピレンとのランダム共重合体、プロピレン単独重合体、及びプロピレン−エチレンブロック共重合体(エチレン含量は好ましくは30重量%以下)からなる群から選ばれるポリプロピレン樹脂と、エチレン−プロピレンゴムなどの軟質エラストマー、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等の他の樹脂とのブレンド物(他の樹脂の割合は好ましくはブレンド物全体の50重量%以下)であってもよい。プロピレン系樹脂のMFRは、0.5〜3g/10分が好ましい。
【0028】
内層に用いるポリエチレン系樹脂としては、具体的には、エチレン単独重合体、又はエチレンが50モル%以上のエチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。具体的なポリエチレン樹脂としてはチーグラー型、フィリップス型触媒のようなマルチサイトタイプ及びカミンスキー型(通称メタロセン)触媒のシングルサイトタイプを用いたイオン重合ポリエチレン、またラジカル重合によって得られるポリエチレン等が挙げられる。これらポリエチレン樹脂の中には比較的分子量分布が狭くブロー成形性等に劣る樹脂も挙げられるが、このような場合には2種以上のポリエチレン樹脂をブレンドして使用することも出来る。ポリエチレン樹脂の中ではブロー成形性、剛性、耐衝撃強度等に優れる高密度ポリエチレンが好ましい。高密度ポリエチレンの密度は、0.940g/cm以上であることが好ましく、0.940〜0.970g/cmであることが更に好ましい。
【0029】
上記内層に用いるポリオレフィン系樹脂には、使用目的や用途に応じて、従来からこの分野で慣用されている各種助剤成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、中和剤、帯電防止剤、流動改良剤、核剤等の添加剤、あるいは他に有機系顔料、無機系顔料等の着色剤を直接又は樹脂ベースのマスターバッチの形で添加することができる。
【0030】
多層成形品を成形する場合は、通常、多層パリソンを用いて成形され、層構成としては、構成する積層体の厚みは特に限定されないが、好ましくは100〜2500μm、より好ましくは700〜1500μmである。層構成としては、表層は積層体全体の厚みの1〜50%、好ましくは1〜30%、特に好ましく1〜20%を占める層厚みを有するのが望ましい。また、内層は積層体全体の厚みの50〜99%、好ましくは70〜99%、特に好ましくは80〜99%を占める層厚みを有するのが望ましい。
【0031】
また、前記積層体には、本発明の目的を逸脱しない限り、前記表層と内層以外の層を含めることもできる。例えば、表層と内層との間などに、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)等のガスバリヤー樹脂や、バリヤー樹脂と表層もしくは内層との接着を目的とする接着樹脂層(例えば無水マレイン酸等の不飽和化合物でグラフト変性されたポリオレフィン等からなる層)を設けることもできる。また、内溶液への影響の少ない樹脂を最内層に設けたり、最内面にコーティング等の加工を施すこともできる。さらに、成形品製造コス卜低減の観点から、再生樹脂材料を使用した再生層を設けてもよい。
【0032】
(3)ブロー成形品
本発明のブロー成形品は、JIS−Z8741に準拠し、入射角60°にて測定した光沢値が10%以下、好ましくは5%以下である。光沢値が10%を超えると、フロスト感のある外観の成形品が得られない。
また、本発明のブロー成形品の大きさ、形状は特に限定されず、さらに、用途についても特に限定されないが、フロスト感のある外観を有するものであるから、例えば化粧品、食品、医薬品容器等の外観を必要とされるものに好適である。
【0033】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例での試験方法及び用いたプロピレン系共重合体の製造例を以下に示す。
【0034】
1.試験方法
(1)メルトフローレート:JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nにて測定した。
(2)0℃溶出量割合:温度上昇溶離分別(TREF)で0℃の溶出量と0〜140℃間の全溶出量を測定し、0℃の溶出量割合を求めた。
(3)成形品の光沢:成形した容器の側面平面部からサイズ4cm×4cmの試験片を切り取り、JIS−Z8741に準拠し、日本電色工業(株)製グロスメーターにより入射角60°にて測定した。
(4)成形品のフロスト感:成形した容器のフロスト感を、目視で確認した。
(5)接着強度:容器の側面平面部からサイズ1cm×15cmの試験片を切り出し、表層と、内層が積層されている界面に切込みを入れ、両層を支持して引張試験機(引張速度:50mm/min)にて剥離させ、その接着強度を測定した。
【0035】
2.プロピレン系共重合体
合成例
(1)固体成分触媒の製造
窒素置換した内容積50リットルの攪拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで塩化マグネシウム4モルとテトラブトキシチタン8モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)480ミリリットルを導入して更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
【0036】
引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン15リットルを導入し、次いで、得られた固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入し、更に、四塩化珪素8モルをn−ヘプタン25ミリリットルに加えた混合液を30℃で30分間かけて導入して、温度を90℃に上げ、1時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
【0037】
引き続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、前記で得られたチタン含有固体成分250グラムと、1,5−ヘキサジエン750グラム、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン130ミリリットル、ジビニルジメチルシラン10ミリリットル、トリエチルアルミニウム225グラムとをそれぞれ導入して30℃で2時間接触させた後、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体成分触媒を得た。
得られた固体成分触媒は、1,5−ヘキサジエンの予備重合量がチタン含有固体成分あたり、2.97グラムのものであった。
【0038】
(2)プロピレン共重合体の製造
(A)成分
内容積550リットルの第一段反応器に、温度70℃、圧力(70℃においては3.2MPaになる)において、プロピレンと、トリエチルアルミニウム、及び、重合体生成速度が20kg/時間となるような量比の前記固体成分触媒とを連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を連続的に供給して液相中で重合を実施した。
【0039】
(B)成分
引き続いて、生成重合体を、プロピレンパージ槽を経由させて、内容積1900リットルの第二段反応器に導入し、温度60℃で、圧力3.0MPaになるように、生成する共重合体中の組成割合に応じたプロピレンとエチレンとを連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を連続的に供給すると共に、活性水素化合物であるエタノールを、第一段階で供給した固体成分触媒中のチタン原子に対して200倍モルで、トリエチルアルミニウムに対して2.5倍モルになるように供給して気相中で重合を実施し、生成重合体を連続的にベッセルに移した後、水分を含んだ窒素ガスを導入して反応を停止させた。
【0040】
実施例1〜3、比較例1〜3
各実施例及び比較例のプロピレン−エチレン共重合体について、メルトフローレート、o−ジクロロベンゼンを溶液として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における全溶出量に対する0℃での溶出量の割合、及び組成物全体のメルトフローレートと(A)成分のメルトフローレートの比を測定し表1に示した。
【0041】
各実施例及び比較例のプロピレン−エチレン共重合体について、押出機を用いて可塑化し、続いて金型内でブロー成形することにより楕円状の底面を有する偏平容器(長径8.5cm×短径5.5cm×高さ20cm、容量500cc、平均肉厚0.8mm)を成形した。なお、多層ブロー成形の場合は、内層に高密度ポリエチレンを用い、内層と表層の厚さ比は90:10とした。
これらの成形品の光沢、フロスト感、多層容器の表層と内層の剥離強度を測定し、結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 0004406493
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、高耐衝撃性、軽量性、低コスト性等のプラスチック成形品が有する基本的な性能、特にブロー成形成形品としての基本的な品質性能を損なうことなく、単なる低光沢だけではなく、ガラス製瓶と同様のフロスト感に優れたプラスチック製成形品を得ることができ、産業上の有用性は非常に高い。

Claims (3)

  1. 少なくとも表層が、下記の(A)成分と(B)成分を含み、(A)成分の重合後に(B)成分が重合されることにより製造され、o−ジクロルベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対して40重量%以上、メルトフローレート(230℃、21.18N荷重)が0.1〜10g/10分、組成物全体のメルトフローレート(230℃、21.18N荷重)と(A)成分のメルトフローレート(230℃、21.18N荷重)の比が0.1以下であることを特徴とするプロピレン系共重合体組成物からなるブロー成形品。
    (A)アイソタクチックインデックスが85%以上のプロピレンの単独重合体、又は、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体成分。
    (B)プロピレンとエチレンを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共重合体成分。
  2. 表層と内層とを含む積層体により形成される多層ブロー成形品であって、内層がポリオレフィン樹脂からなる請求項1に記載のブロー成形品。
  3. JIS−Z8741に準拠し入射角60°にて測定した光沢値が10%以下である請求項1又は2に記載のブロー成形品。
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