本発明は、以下の説明及び添付図面によって、より一層良く理解されると考えられる。ただし、これらの説明及び添付図面は、本発明の例示であって、本発明を限定するものではない。
本発明の適用例については、以下の説明で明らかになると考えられる。しかし、以下の実施形態は、本発明の好ましい例示ではあるものの、例示に過ぎず、以下の説明から本発明の範囲内における様々な変形が当業者に明らかになるであろう。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、説明中、「左」及び「右」なる語を使用することがあるが、これは各図の左右方向に対応したものである。
(第1実施形態)
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る積層コンデンサC1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第1実施形態に係る積層コンデンサC1は、図1に示されるように、略直方体形状である積層体L1と、積層体L1の側面上に形成された4つの外部導体とを備える。4つの外部導体は、第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4である。これらの4つの外部導体は、積層体L1の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1外部導体1及び第4外部導体4はいずれも、後述する積層体L1における内部対向方向と平行な側面のうち第1側面L1a、すなわち積層体L1における内部対向方向と直交する側面L1c、L1dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L1a上に位置する。第1外部導体1及び第4外部導体4は、図1の左側から右側に向かって、第1外部導体1、第4外部導体4の順で形成されている。
第2外部導体2及び第3外部導体3はいずれも、後述する積層体L1における内部対向方向と平行な側面のうち第2側面L1b、すなわち積層体L1における内部対向方向と直交する側面L1c、L1dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L1aと対向する第2側面L1b上に位置する。第2外部導体2及び第3外部導体3は、図1の左側から右側に向かって、第2外部導体2、第3外部導体3の順で形成されている。
このように、4つの外部導体(第1〜第4外部導体1〜4)のうち、2つの外部導体(第1外部導体1及び第4外部導体4)は積層体L1の第1側面L1a上に位置し、残りの2つの外部導体(第2外部導体2及び第3外部導体3)は第1側面L1aに対向する第2側面L1b上に位置する。
また、積層体L1の第1側面L1a上に形成された2つの外部導体(第1及び第2外部導体1、2)と第2側面L1b上に形成された残りの2つの外部導体(第3及び第4外部導体3、4)とは、第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で対向する位置にある。すなわち、積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第1外部導体1と対向する位置に、第2外部導体2が位置する。一方、積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第2外部導体2と対向する位置に、第1外部導体1が位置する。
積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第3外部導体3と対向する位置に、第4外部導体4が位置する。一方、積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第4外部導体4と対向する位置に、第3外部導体3が位置する。
積層体L1は、図2に示されるように、複数(本実施形態では、9層)の誘電体層11〜19が積層されて形成されている。積層体L1には、複数(本実施形態では、各3層)の第1及び第2内部導体31〜33、41〜43が、少なくとも1層の誘電体層14〜18を介して対向する領域をそれぞれ有するように含まれている。なお、実際の積層コンデンサC1では、誘電体層11〜19の間の境界が視認できない程度に一体化されている。さらに、積層体L1には、1つの第3内部導体51と1つの第4内部導体61とが積層されている。
各第1内部導体31〜33は、第1本体部31A〜33A及び引き出し部31B〜33Bを有している。各第1本体部31A〜33Aは、略矩形形状を呈している。複数の第1本体部31A〜33Aはそれぞれ、積層体L1における各第1内部導体31〜33と各第2内部導体41〜44との対向方向(以下、単に「内部対向方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部31B〜33Bはそれぞれ、対応する第1本体部31A〜33Aから積層体L1の第2側面L1bに引き出されるように形成されている。引き出し部31Bは、第1本体部31Aと一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第1本体部31Aから伸びている。引き出し部32Bは、第1本体部32Aと一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第1本体部32Aから伸びている。引き出し部33Bは、第1本体部33Aと一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第1本体部33Aから伸びている。
第1内部導体31の第1本体部31Aは、引き出し部31Bを介して第3外部導体3に接続される。第1内部導体32の第1本体部32Aは、引き出し部32Bを介して第3外部導体3に接続される。第1内部導体33の第1本体部33Aは、引き出し部33Bを介して第3外部導体3に接続される。これにより、複数の第1内部導体31〜33が、第3外部導体3を介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部導体41〜43は、第2本体部41A〜43A及び引き出し部41B〜43Bを有している。第2本体部41A〜43Aは、略矩形形状を呈している。複数の第2本体部41A〜43Aはそれぞれ、積層体L1における内部対向方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部41B〜43Bはそれぞれ、対応する第2本体部41A〜43Aから積層体L1の第2側面L1bに引き出されるように形成されている。引き出し部41Bは、第2本体部41Aと一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第2本体部41Aから伸びている。引き出し部42Bは、第2本体部42Aと一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第2本体部42Aから伸びている。引き出し部43Bは、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第2本体部43Aから伸びている。
第2内部導体41の本体部41Aは、引き出し部41Bを介して第2外部導体2に接続される。第2内部導体42の本体部42Aは、引き出し部42Bを介して第2外部導体2に接続される。第2内部導体43の本体部43Aは、引き出し部43Bを介して第2外部導体2に接続される。これにより、複数の第2内部導体41〜43が、第2外部導体2を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1及び第2内部導体31〜33、41〜43はそれぞれ、1層の誘電体層14〜18を介して対向する領域(第1本体部31A〜33A、第2本体部41A〜43A)を有する。したがって、第1及び第2内部導体31〜33、41〜43はいずれも、積層コンデンサC1の容量成分の形成を担うことが可能な構成となっている。
第3内部導体51と第4内部導体61とは、1層の誘電体層12を介して対向する領域をそれぞれ有する。すなわち、第3内部導体51は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第4内部導体61は、誘電体層12と誘電体層13との間に挟まれように位置している。第3内部導体51と第4内部導体61とは、互いに電気的に絶縁されている。
また、第3及び第4内部導体51、61は、積層体L1が、誘電体層を介して内部対向方向に互いに隣り合うように配置される第1内部導体及び第2内部導体を少なくとも1組(本実施形態においては3組)含むように、積層体L1に積層されている。具体的には、第3及び第4内部導体51、61は、積層体L1が、例えば誘電体層14を介して内部対向方向に互いに隣り合うように配置される第1内部導体31及び第2内部導体41を含むように積層体L1に積層されている。積層体L1は、少なくとも1組の第3及び第4の内部導体51、61を含む必要がある。
積層体L1では、1組以上の第3及び第4内部導体51、61を含むことによって、積層コンデンサC1の等価直列インダクタンスをより一層低減することができ、好ましい。その場合、第3及び第4内部導体51、61の組のうち約半数の組が積層方向で一方の側(例えば、後述する図22の上方)に位置し、残りの約半数の組が積層方向で他方の側(例えば、後述する図22の下方)に位置することが好ましい。これにより、積層コンデンサC1では、その等価直列インダクタンスが実装方向に依存してしまうことが抑制され、その結果、実装が容易となる。図22は、2組の第3及び第4内部導体51、52、61、62を、1組(図22では、第3及び第4内部導体51、61)は積層方向で一方の側(図22の上方)に位置し、残りの1組(図22では、第3及び第4内部導体52、62)は積層方向で他方の側(図22の下方)に位置するようにして含む積層体L1を示す。すなわち、図22では、図2の第1及び第2内部導体33、43が、第3及び第4内部導体52、62と入れ替えられている。
第3内部導体51は、長方形状を呈する第1導体部51Aと、第1導体部51Aから積層体L1の第1側面L1aに引き出されるように伸びる第2導体部51Bと、第1導体部51Aから積層体L1の第2側面L1bに引き出されるように伸びる第3導体部51Cとを含む。第1導体部51Aは、その長手方向が積層体L1の第1及び第2側面L1a、L1bと平行となるように配置されている。
第3内部導体51の第2導体部51Bは、第1外部導体1に接続される。第3内部導体51の第3導体部51Cは、第3外部導体3に接続される。したがって、第3内部導体51は、第1外部導体1と第3外部導体3とに電気的に接続される。
第4内部導体61は、長方形状を呈する第1導体部61Aと、第1導体部61Aから積層体L1の第2側面L1bに引き出されるように伸びる第2導体部61Bと、第1導体部61Aから積層体L1の第1側面L1aに引き出されるように伸びる第3導体部61Cとを含む。第1導体部61Aは、その長手方向が積層体L1の第1及び第2側面L1a、L1bと平行となるように配置されている。
第4内部導体61の第2導体部61Bは、第2外部導体2に接続される。第4内部導体61の第3導体部61Cは、第4外部導体4に接続される。したがって、第4内部導体61は、第2外部導体2と第4外部導体4とに電気的に接続される。
第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとが、積層体L1における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する。すなわち、第3内部導体51及び第4内部導体61はそれぞれ、積層体L1における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域を有する。
一例として積層コンデンサC1を基板Sに実装する場合を示す。図3は、積層コンデンサC1を基板に実装する状態を説明するための図である。図3では、第1外部導体1が基板Sに形成された陽極ランドパターンA1に、第2外部導体2が陰極ランドパターンB1に接続されている状態を示す。また、図3は、基板Sにおいて、陽極ランドパターンA1が配線A2に、陰極ランドパターンB1が配線B2にそれぞれ接続されている状態を示す。
この場合、積層コンデンサC1では、第1内部導体31〜33が、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第1外部導体1)に接続されていない。一方、第2内部導体41〜43は、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第2外部導体2)に接続されている。したがって、極性の異なる第1及び第2内部導体のうち一方の内部導体である第2内部導体41〜43のみが、ランドパターンと直接接続される外部導体(この場合、第2外部導体2)に接続されることとなる。
積層コンデンサC1を基板Sに対し、図3に示す状態から180°基板上で回転させ、図4に示すように実装させた場合について検討する。図4では、積層コンデンサC1の第3外部導体3が基板Sに形成された陽極ランドパターンA1と接続され、第4外部導体4が陰極ランドパターンB1に接続されている状態を示す。
図5に、図4のように実装した状態での積層コンデンサC1に含まれる積層体L1の分解斜視図を示す。図5に示される積層体の左右方向、上下方向は、図4で示される積層コンデンサC1の左右方向、上下方向と一致する。図4及び図5から理解されるように、積層コンデンサC1を180°回転して、第3及び第4外部導体3、4がランドパターンA1、B1と接続されるように実装した場合、第2内部導体41〜43の引き出し部41B〜43Bに接続される第2外部導体2は、図3の場合と違ってランドパターンに接続されない外部導体となる。一方、第1内部導体31〜33の引き出し部31B〜33Bに接続される第3外部導体3は、図3の場合と違ってランドパターンに接続される外部導体となる。
そのため、図4に示すように実装した場合の積層コンデンサC1では、第2内部導体41〜43が、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第4外部導体4)に接続されていない。一方、第1内部導体31〜33は、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第3外部導体3)に接続されている。したがって、極性の異なる第1及び第2内部導体のうち一方の内部導体である第1内部導体31〜33のみが、ランドパターンと直接接続される外部導体(この場合、第3外部導体3)に接続されることとなる。
積層コンデンサC1を基板Sに対し、図3に示す状態から基板Sに対する積層コンデンサC1の上下方向を反転させて、図6に示すように実装させた場合について検討する。図6では、積層コンデンサC1の第2外部導体2が基板Sに形成された陽極ランドパターンA1と接続され、第1外部導体1が陰極ランドパターンB1に接続されている状態を示す。
図7に、図6のように実装した状態での積層コンデンサC1に含まれる積層体L1の分解斜視図を示す。図7に示される積層体の左右方向、上下方向は、図6で示される積層コンデンサC1の左右方向、上下方向と一致する。図6及び図7から理解されるように、積層コンデンサC1の上下を反転して、第1及び第2外部導体1、2が接続されるランドパターンA1、B1の極性が逆になるように実装した場合、図3の場合同様、第1内部導体31〜33の引き出し部31B〜33Bに接続される第3外部導体3はランドパターンに接続されない外部導体となる。一方、第2内部導体41〜43の引き出し部41B〜43Bに接続される第2外部導体2は、図3の場合同様、ランドパターンに接続される外部導体となる。
そのため、図6に示すように実装した場合、積層コンデンサC1では、第1内部導体31〜33が、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第1外部導体1)に接続されていない。一方、第2内部導体41〜43は、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第2外部導体2)に接続されている。したがって、極性の異なる第1及び第2内部導体のうち一方の内部導体である第2内部導体41〜43のみが、ランドパターンと直接接続される外部導体(この場合、第2外部導体2)に接続されることとなる。
積層コンデンサC1を基板Sに対し、図3に示す状態から180°基板上で回転させた上で上下方向を反転させ、図8に示すように実装させた場合について検討する。図8では、積層コンデンサC1の第4外部導体4が基板Sに形成された陽極ランドパターンA1と接続され、第3外部導体3が陰極ランドパターンB1に接続されている状態を示す。
図9に、図8のように実装した状態での積層コンデンサC1に含まれる積層体L1の分解斜視図を示す。図9に示される積層体の左右方向、上下方向は、図8で示される積層コンデンサC1の左右方向、上下方向と一致する。図8及び図9から理解されるように、積層コンデンサC1を180°回転した上でさらに上下反転し、第3及び第4外部導体3、4がランドパターンA1、B1と接続されるように実装した場合、第2内部導体41〜43の引き出し部41B〜43Bに接続される第2外部導体2は、図3の場合と違ってランドパターンに接続されない外部導体となる。一方、第1内部導体31〜33の引き出し部31B〜33Bに接続される第3外部導体3は、図3の場合と違ってランドパターンに接続される外部導体となる。
そのため、図8に示すように実装した場合の積層コンデンサC1では、第2内部導体41〜43が、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第4外部導体4)に接続されていない。一方、第1内部導体31〜33は、ランドパターンに直接接続される外部導体(この場合、第3外部導体3)に接続されている。したがって、極性の異なる第1及び第2内部導体のうち一方の内部導体である第1内部導体31〜33のみが、ランドパターンと直接接続される外部導体(この場合、第3外部導体3)に接続されることとなる。
積層コンデンサC1において、第1内部導体31〜33が直接接続されるのは第3外部導体3である。したがって、第1内部導体31〜33は、第3外部導体3及び第3内部導体51を介して第1外部導体1に電気的に接続される。また、第2内部導体41〜43が直接接続されるのは第2外部導体2である。したがって、第2内部導体41〜43は、第2外部導体2及び第4内部導体61を介して第4外部導体4に電気的に接続される。そのため、ランドパターンに接続される外部導体にすべての第1及び第2内部導体が直接接続されている従来の積層コンデンサに比べ、積層コンデンサC1では第1及び第2外部導体1、2を基板等のランドパターンに接続するように実装する場合、あるいは第3及び第4外部導体3、4を基板等のランドパターンに接続するように実装する場合に等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
特に、積層コンデンサC1では、ランドパターンと接続されない外部導体の数を2つとすることができるため、ランドパターンと接続されない外部導体の数が3つ以上のコンデンサに比べ、より一層等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
また、等価直列抵抗が第3内部導体51又は第4内部導体61によって制御されるため、積層コンデンサC1では、容量成分の形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数を多くすることにより、静電容量を大きくしつつ等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
積層コンデンサC1の容量成分形成を担うことができる第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうち、積層コンデンサC1を図3又は図6に示すように実装した場合にランドパターンと接続される外部導体(この場合、第2外部導体2)に接続されるのは第2内部導体41〜43である。一方、積層コンデンサC1を図4又は図8に示すように実装した場合にランドパターンと直接接続される外部導体(この場合、第3外部導体3)に接続されるのは第1内部導体31〜33である。すなわち、積層コンデンサC1を180°回転、あるいは上下反転等して実装方向を変えても、積層コンデンサC1の容量成分形成を担うことができる第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうちランドパターンと直接接続される外部導体に接続される内部導体というのは一方の内部導体のみである。したがって、積層コンデンサC1では実装方向によることなく等価直列抵抗を大きくすることが可能であるため、実装が容易となる。
積層コンデンサC1では、2つの外部導体(例えば第1及び第2外部導体1、2)のみを基板等に接続することで等価直列抵抗を大きくするという効果が得られる。そのため、基板等に接続される外部導体が3つ以上の場合に比べ、実装される基板等に形成されるランドパターンの構成がより単純になる。そのため、実装基板の基板回路の配線を簡略化することができる。
積層コンデンサC1の外部導体である第1外部導体1及び第4外部導体4はいずれも、積層体L1の第1側面L1a上に形成されている。積層コンデンサC1の外部導体である第2外部導体2及び第3外部導体3はいずれも、積層体L1の第1側面L1aと対向する第2側面L1b上に形成されている。このように、積層コンデンサC1では第1〜第4外部導体1〜4がすべて、積層体L1の互いに対向する2側面L1a、L1b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC1では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC1では、その製造を容易に行うことが可能となる。
積層コンデンサでは、第1外部導体1が積層体L1の第1側面L1a上に、第3外部導体3が積層体L1の第2側面L1b上にそれぞれ形成されている。一方、第2外部導体2は積層体L1の第2側面L1b上に、第4外部導体4は積層体L1の第1側面L1a上にそれぞれ形成されている。また、第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aは、積層体L1における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する。そのため、積層コンデンサC1では、第3内部導体51を流れる電流によって発生する磁界と第4内部導体61を流れる電流によって発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC1では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
また、第3及び第4内部導体51、61は、積層体L1における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域である第1導体部51A、61Aをそれぞれ有する。第3及び第4内部導体51、61は互いに極性が異なるため、第3及び第4内部導体51、61も容量成分の形成に寄与できる。したがって、積層コンデンサC1では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
(第2実施形態)
図10及び図11を参照して、第2実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第2実施形態に係る積層コンデンサは、積層体における外部導体の配置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図10は、第2実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図11は、第2実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第2実施形態に係る積層コンデンサC2は、図10に示されるように、略直方体形状である積層体L2と、積層体L2の側面上に形成された4つの外部導体とを備える。4つの外部導体は、第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4である。これらの4つの外部導体は、積層体L2の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1外部導体1及び第3外部導体3はいずれも、後述する積層体L2における内部対向方向と平行な側面のうち第1側面L2a、すなわち内部対向方向と直交する側面L2c、L2dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L2a上に位置する。第1外部導体1及び第3外部導体3は、図10の左側から右側に向かって、第1外部導体1、第3外部導体3の順で形成されている。
第2外部導体2及び第4外部導体4はいずれも、後述する積層体L2における内部対向方向と平行な側面のうち第2側面L2b、すなわち内部対向方向と直交する側面L2c、L2dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L2aと対向する第2側面L2b上に位置する。第2外部導体2及び第4外部導体4は、図10の左側から右側に向かって、第2外部導体2、第4外部導体4の順で形成されている。
このように、4つの外部導体(第1〜第4外部導体1〜4)のうち、2つの外部導体(第1外部導体1及び第3外部導体3)は積層体L2の第1側面L2a上に形成され、残りの2つの外部導体(第2外部導体2及び第4外部導体4)は第1側面L2aに対向する第2側面L2b上に形成される。
また、積層体L2の第1側面L2a上に形成された2つの外部導体(第1及び第3外部導体1、3)と第2側面L1b上に形成された残りの2つの外部導体(第2及び第4外部導体2、4)とは、第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で対向する位置にある。すなわち、積層体L2の第1側面L2aと第2側面L2bとの対向方向で、第1外部導体1と対向する位置に第2外部導体2が位置する。積層体L2の第1側面L2aと第2側面L2bとの対向方向で、第3外部導体3と対向する位置に、第4外部導体4が位置する。
積層体L2は、図11に示されるように、複数(本実施形態では、9層)の誘電体層11〜19が積層されて形成されている。積層体L2には、複数(本実施形態では、各3層)の第1及び第2内部導体31〜33、41〜43が、少なくとも1層の誘電体層14〜18を介して対向する領域をそれぞれ有するように含まれている。
各第1内部導体31〜33は、第1本体部31A〜33A及び引き出し部31B〜33Bを有している。各第1本体部31A〜33Aは、略矩形形状を呈している。複数の第1本体部31A〜33Aはそれぞれ、積層体L1における各第1内部導体31〜33と各第2内部導体41〜44との対向方向(以下、単に「内部対向方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部31B〜33Bはそれぞれ、対応する第1本体部31A〜33Aから積層体L2の第1側面L2aに引き出されるように形成されている。引き出し部31Bは、第1本体部31Aと一体に形成されており、積層体L2の第1側面L2aに臨むように第1本体部31Aから伸びている。引き出し部32Bは、第1本体部32Aと一体に形成されており、積層体L2の第1側面L2aに臨むように第1本体部32Aから伸びている。引き出し部33Bは、第1本体部33Aと一体に形成されており、積層体L2の第1側面L2aに臨むように第1本体部33Aから伸びている。
第1内部導体31の第1本体部31Aは引き出し部31Bを介して、第1内部導体32の第1本体部32Aは引き出し部32Bを介して、第1内部導体33の第1本体部33Aは引き出し部33Bを介してそれぞれ、第3外部導体3に接続される。これにより、複数の第1内部導体31〜33が、第3外部導体3を介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部導体41〜43は、第2本体部41A〜43A及び引き出し部41B〜43Bを有している。第2本体部41A〜43Aは、略矩形形状を呈している。複数の第2本体部41A〜43Aはそれぞれ、積層体L1における内部対向方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部41B〜43Bはそれぞれ、対応する第2本体部41A〜43Aから積層体L1の第2側面L1bに引き出されるように形成されている。引き出し部41Bは、第2本体部41Aと一体に形成されており、積層体L2の第2側面L2bに臨むように第2本体部41Aから伸びている。引き出し部42Bは、第2本体部42Aと一体に形成されており、積層体L2の第2側面L2bに臨むように第2本体部42Aから伸びている。引き出し部43Bは、積層体L2の第2側面L2bに臨むように第2本体部43Aから伸びている。
第2内部導体41の本体部41Aは引き出し部41Bを介して、第2内部導体42の本体部42Aは引き出し部42Bを介して、第2内部導体43の本体部43Aは引き出し部43Bを介してそれぞれ、第2外部導体2に接続される。これにより、複数の第2内部導体41〜43が、第2外部導体2を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第3内部導体51と第4内部導体61とが、積層体L2において誘電体層12を介して内部対向方向に隣り合うように積層されている。第3内部導体51と第4内部導体61とは、1層の誘電体層12を介して対向する領域をそれぞれ有する。第3内部導体51と第4内部導体61とは、互いに電気的に絶縁されている。
第3内部導体51は、長方形状を呈する第1導体部51Aと、第1導体部51Aから積層体L2の第1側面L2aに引き出されるように伸びる第2導体部51Bと、第1導体部51Aから積層体L2の第1側面L2aに引き出されるように伸びる第3導体部51Cとを含む。第1導体部51Aは、その長手方向が積層体L2の第1及び第2側面L2a、L2bと平行となるように配置されている。
第3内部導体51の第2導体部51Bは、第1外部導体1に接続される。第3内部導体51の第3導体部51Cは、第3外部導体3に接続される。したがって、第3内部導体51は、第1外部導体1と第3外部導体3とに電気的に接続される。
第4内部導体61は、長方形状を呈する第1導体部61Aと、第1導体部61Aから積層体L2の第2側面L2bに引き出されるように伸びる第2導体部61Bと、第1導体部61Aから積層体L2の第2側面L2bに引き出されるように伸びる第3導体部61Cとを含む。第1導体部61Aは、その長手方向が積層体L2の第1及び第2側面L2a、L2bと平行となるように配置されている。
第4内部導体61の第2導体部61Bは、第2外部導体2に接続される。第4内部導体61の第3導体部61Cは、第4外部導体4に接続される。したがって、第4内部導体61は、第2外部導体2と第4外部導体4とに電気的に接続される。
第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとが、積層体L2における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する。すなわち、第3内部導体51及び第4内部導体61はそれぞれ、積層体L2における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域を有する。
積層コンデンサC2において、第1内部導体31〜33は第3外部導体3及び第3内部導体51を介して第1外部導体1に電気的に接続される。また、第2内部導体41〜43は第2外部導体2及び第4内部導体61を介して第4外部導体4に電気的に接続される。したがって、積層コンデンサC2では、第1及び第2外部導体1、2の組及び第3及び第4外部導体3、4の組のいずれの組を基板等のランドパターンと接続させたとしても、すべての第1及び第2内部導体がランドパターンと接続される外部導体に接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
特に、積層コンデンサC2では、ランドパターンと接続されない外部導体の数を2つとすることができるため、ランドパターンと接続されない外部導体の数が3つ以上のコンデンサに比べ、より一層等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
また、等価直列抵抗が第3内部導体51又は第4内部導体61によって制御されるため、積層コンデンサC2では、容量成分の形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数を多くすることにより、静電容量を大きくしつつ等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
積層コンデンサC2を基板等にどのような方向で実装した場合であっても、容量成分形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうち基板等のランドパターンと接続される外部導体に接続されるのは、いずれか一方の内部導体のみである。そのため、積層コンデンサC2では実装方向に依らず等価直列抵抗を大きくすることが可能となり、実装も容易となる。
積層コンデンサC2では、2つの外部導体をランドパターンに接続させることにより、所望の効果(等価直列抵抗を大きくする等)を得ることが可能となる。このように、積層コンデンサC2では2つの外部導体の基板への接続で十分であるため、実装基板の回路配線を簡略化することが可能となる。
積層コンデンサC2の外部導体(第1〜第4外部導体1〜4)はすべて、積層体L2の互いに対向する第1及び第2側面L2a、L2b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサL2では、その製造を容易に行うことが可能となる。
積層コンデンサでは、第1外部導体1及び第3外部導体3が積層体L2の第1側面L2a上にそれぞれ形成されている。一方、第2外部導体2及び第4外部導体4が積層体L2の第2側面L2b上にそれぞれ形成されている。また、第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとは、積層体L2における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する。そのため、積層コンデンサC2では、第3内部導体51を流れる電流によって発生する磁界と第4内部導体61を流れる電流によって発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC2では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
また、第3及び第4内部導体51、61は、積層体L2における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域をそれぞれ有し、積層コンデンサC2の容量成分の形成に寄与することができる。したがって、積層コンデンサC2では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
(第3実施形態)
図12及び図13を参照して、第3実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第3実施形態に係る積層コンデンサは、積層体における外部導体の配置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図12は、第3実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図13は、第3実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第3実施形態に係る積層コンデンサC3は、図12に示されるように、略直方体形状である積層体L3と、積層体L3の側面上に形成された4つの外部導体とを備える。4つの外部導体は、第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4である。これらの4つの外部導体は、積層体L3の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1外部導体1及び第3外部導体3はいずれも、後述する積層体L3における内部対向方向と平行な側面のうち第1側面L3a、すなわち積層体L3における内部対向方向と直交する側面L3c、L3dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L3a上に位置する。第1外部導体1及び第3外部導体3は、図12の左側から右側に向かって、第3外部導体3、第1外部導体1の順で形成されている。
第2外部導体2及び第4外部導体4はいずれも、後述する積層体L3における内部対向方向と平行な側面のうち第2側面L3b、すなわち積層体L3における内部対向方向と直交する側面L3c、L3dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L3aと対向する第2側面L3b上に位置する。第2外部導体2及び第4外部導体4は、図12の左側から右側に向かって、第2外部導体2、第4外部導体4の順で形成されている。
このように、4つの外部導体(第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4)のうち、2つの外部導体(第1外部導体1及び第3外部導体3)は積層体L3の第1側面L3a上に形成され、残りの2つの外部導体(第2外部導体2及び第4外部導体4)は第1側面L3aに対向する第2側面L3b上に形成される。
また、積層体L3の第1側面L3a上に形成された2つの外部導体(第1及び第3外部導体1、3)と第2側面L3b上に形成された残りの2つの外部導体(第2及び第4外部導体2、4)とは、第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向で対向する位置にある。すなわち、積層体L3の第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向で、第1外部導体1と対向する位置に第4外部導体4が位置する。積層体L3の第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向で、第2外部導体2と対向する位置に、第3外部導体3が位置する。
積層体L3は、図13に示されるように、複数(本実施形態では、9層)の誘電体層11〜19が積層されて形成されている。積層体L3には、複数(本実施形態では、各3層)の第1及び第2内部導体31〜33、41〜43が、少なくとも1層の誘電体層14〜18を介して対向する領域をそれぞれ有するように含まれている。
各第1内部導体31〜33は、第1本体部31A〜33A及び引き出し部31B〜33Bを有している。各第1本体部31A〜33Aは、略矩形形状を呈している。複数の第1本体部31A〜33Aはそれぞれ、積層体L3における各第1内部導体31〜33と各第2内部導体41〜44との対向方向(以下、単に「内部対向方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部31B〜33Bはそれぞれ、対応する第1本体部31A〜33Aから積層体L3の第1側面L3aに引き出されるように形成されている。引き出し部31Bは、第1本体部31Aと一体に形成されており、積層体L3の第1側面L3aに臨むように第1本体部31Aから伸びている。引き出し部32Bは、第1本体部32Aと一体に形成されており、積層体L3の第1側面L3aに臨むように第1本体部32Aから伸びている。引き出し部33Bは、第1本体部33Aと一体に形成されており、積層体L3の第1側面L3aに臨むように第1本体部33Aから伸びている。
第1内部導体31の第1本体部31Aは引き出し部31Bを介して、第1内部導体32の第1本体部32Aは引き出し部32Bを介して、第1内部導体33の第1本体部33Aは引き出し部33Bを介してそれぞれ、第3外部導体3に接続される。これにより、複数の第1内部導体31〜33が、第3外部導体3を介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部導体41〜43は、第2本体部41A〜43A及び引き出し部41B〜43Bを有している。第2本体部41A〜43Aは、略矩形形状を呈している。複数の第2本体部41A〜43Aはそれぞれ、積層体L1における内部対向方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部41B〜43Bはそれぞれ、対応する第2本体部41A〜43Aから積層体L3の第2側面L3bに引き出されるように形成されている。引き出し部41Bは、第2本体部41Aと一体に形成されており、積層体L3の第2側面L3bに臨むように第2本体部41Aから伸びている。引き出し部42Bは、第2本体部42Aと一体に形成されており、積層体L3の第2側面L3bに臨むように第2本体部42Aから伸びている。引き出し部43Bは、積層体L3の第2側面L3bに臨むように第2本体部43Aから伸びている。
第2内部導体41の本体部41Aは引き出し部41Bを介して、第2内部導体42の本体部42Aは引き出し部42Bを介して、第2内部導体43の本体部43Aは引き出し部43Bを介してそれぞれ、第2外部導体2に接続される。これにより、複数の第2内部導体41〜43が、第2外部導体2を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第3内部導体51と第4内部導体61とが、積層体L3において誘電体層12を介して内部対向方向に隣り合うように積層されている。第3内部導体51と第4内部導体61とは、1層の誘電体層12を介して対向する領域をそれぞれ有する。第3内部導体51と第4内部導体61とは、互いに電気的に絶縁されている。
第3内部導体51は、長方形状を呈する第1導体部51Aと、第1導体部51Aから積層体L3の第1側面L3aに引き出されるように伸びる第2導体部51Bと、第1導体部51Aから積層体L3の第1側面L3aに引き出されるように伸びる第3導体部51Cとを含む。第1導体部51Aは、その長手方向が積層体L3の第1及び第2側面L3a、L3bと平行となるように配置されている。
第3内部導体51の第2導体部51Bは、第1外部導体1に接続される。第3内部導体51の第3導体部51Cは、第3外部導体3に接続される。したがって、第3内部導体51は、第1外部導体1と第3外部導体3とに電気的に接続される。
第4内部導体61は、長方形状を呈する第1導体部61Aと、第1導体部61Aから積層体L3の第2側面L3bに引き出されるように伸びる第2導体部61Bと、第1導体部61Aから積層体L3の第2側面L3bに引き出されるように伸びる第3導体部61Cとを含む。第1導体部61Aは、その長手方向が積層体L3の第1及び第2側面L3a、L3bと平行となるように配置されている。
第4内部導体61の第2導体部61Bは、第2外部導体2に接続される。第4内部導体61の第3導体部61Cは、第4外部導体4に接続される。したがって、第4内部導体61は、第2外部導体2と第4外部導体4とに電気的に接続される。
第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとが、積層体L3における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する。すなわち、第3内部導体51及び第4内部導体61はそれぞれ、積層体L3における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域を有する。
積層コンデンサC3において、第1内部導体31〜33は第3外部導体3及び第3内部導体51を介して第1外部導体1に電気的に接続される。また、第2内部導体41〜43は第2外部導体2及び第4内部導体61を介して第4外部導体4に電気的に接続される。したがって、積層コンデンサC3では、第1及び第2外部導体1、2の組及び第3及び第4外部導体3、4の組のいずれの組を基板等のランドパターンと接続させたとしても、すべての第1及び第2内部導体がランドパターンと接続される外部導体に接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
特に、積層コンデンサC3では、ランドパターンと接続されない外部導体の数を2つとすることができるため、ランドパターンと接続されない外部導体の数が3つ以上のコンデンサに比べ、より一層等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
また、等価直列抵抗が第3内部導体51又は第4内部導体61によって制御されるため、積層コンデンサC3では、容量成分の形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数を多くすることにより、静電容量を大きくしつつ等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
積層コンデンサC3を基板等にどのような方向で実装した場合であっても、容量成分形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうち基板等のランドパターンと接続される外部導体に接続されるのは、いずれか一方の内部導体のみである。そのため、積層コンデンサC3では実装方向に依らず等価直列抵抗を大きくすることが可能となり、実装も容易となる。
積層コンデンサC3では、2つの外部導体をランドパターンに接続させることにより、所望の効果(等価直列抵抗を大きくする等)を得ることが可能となる。このように、積層コンデンサC3では2つの外部導体の基板への接続で十分であるため、実装基板の回路配線を簡略化することが可能となる。
積層コンデンサC3の外部導体(第1〜第4外部導体1〜4)はすべて、積層体L3の互いに対向する第1及び第2側面L3a、L3b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサL3では、その製造を容易に行うことが可能となる。
積層コンデンサでは、第1外部導体1及び第3外部導体3が積層体L3の第1側面L3a上にそれぞれ形成されている。一方、第2外部導体2及び第4外部導体4が積層体L3の第2側面L3b上にそれぞれ形成されている。また、第1内部導体31〜33及び第2内部導体41〜43は誘電体層を介して交互に積層されている。そのため、積層コンデンサC3では、第1内部導体31〜33を流れる電流によって発生する磁界と第2内部導体41〜43を流れる電流によって発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC3では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。特に、第1及び第2内部導体を多数積層する場合には、等価直列インダクタンス低減の効果が顕著に現れる。
また、第3及び第4内部導体51、61は、積層体L3における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域をそれぞれ有し、積層コンデンサC3の容量成分の形成に寄与することができる。したがって、積層コンデンサC3では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
(第4実施形態)
図14及び図15を参照して、第4実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第4実施形態に係る積層コンデンサは、積層体における外部導体の配置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図14は、第4実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図15は、第4実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第4実施形態に係る積層コンデンサC4は、図14に示されるように、略直方体形状である積層体L4と、積層体L4の側面上に形成された4つの外部導体とを備える。4つの外部導体は、第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4である。これらの4つの外部導体は、積層体L4の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1外部導体1及び第4外部導体4はいずれも、後述する積層体L4における内部対向方向と平行な側面のうち第1側面L4a、すなわち積層体L4における内部対向方向と直交する側面L4c、L4dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L4a上に位置する。第1外部導体1及び第4外部導体4は、図14の左側から右側に向かって、第4外部導体4、第1外部導体1の順で形成されている。
第2外部導体2及び第3外部導体3はいずれも、後述する積層体L4における内部対向方向と平行な側面のうち第2側面L4b、すなわち積層体L4における内部対向方向と直交する側面L4c、L4dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L4aと対向する第2側面L4b上に位置する。第2外部導体2及び第3外部導体3は、図14の左側から右側に向かって、第2外部導体2、第3外部導体3の順で形成されている。
このように、4つの外部導体(第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4)のうち、2つの外部導体(第1外部導体1及び第4外部導体4)は積層体L4の第1側面L4a上に形成され、残りの2つの外部導体(第2外部導体2及び第3外部導体3)は第1側面L4aに対向する第2側面L4b上に形成される。
また、積層体L4の第1側面L4a上に形成された2つの外部導体(第1及び第4外部導体1、4)と第2側面L4b上に形成された残りの2つの外部導体(第2及び第3外部導体2、3)とは、第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向で対向する位置にある。すなわち、積層体L4の第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向で、第1外部導体1と対向する位置に第3外部導体3が位置する。積層体L4の第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向で、第2外部導体2と対向する位置に、第4外部導体4が位置する。
積層体L4は、図15に示されるように、複数(本実施形態では、9層)の誘電体層11〜19が積層されて形成されている。積層体L4には、複数(本実施形態では、各3層)の第1及び第2内部導体31〜33、41〜43が、少なくとも1層の誘電体層14〜18を介して対向する領域をそれぞれ有するように含まれている。
各第1内部導体31〜33は、第1本体部31A〜33A及び引き出し部31B〜33Bを有している。各第1本体部31A〜33Aは、略矩形形状を呈している。複数の第1本体部31A〜33Aはそれぞれ、積層体L1における各第1内部導体31〜33と各第2内部導体41〜44との対向方向(以下、単に「内部対向方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部31B〜33Bはそれぞれ、対応する第1本体部31A〜33Aから積層体L4の第2側面L4bに引き出されるように形成されている。引き出し部31Bは、第1本体部31Aと一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第1本体部31Aから伸びている。引き出し部32Bは、第1本体部32Aと一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第1本体部32Aから伸びている。引き出し部33Bは、第1本体部33Aと一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第1本体部33Aから伸びている。
第1内部導体31の第1本体部31Aは引き出し部31Bを介して、第1内部導体32の第1本体部32Aは引き出し部32Bを介して、第1内部導体33の第1本体部33Aは引き出し部33Bを介してそれぞれ、第3外部導体3に接続される。これにより、複数の第1内部導体31〜33が、第3外部導体3を介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部導体41〜43は、第2本体部41A〜43A及び引き出し部41B〜43Bを有している。第2本体部41A〜43Aは、略矩形形状を呈している。複数の第2本体部41A〜43Aはそれぞれ、積層体L1における内部対向方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部41B〜43Bはそれぞれ、対応する第2本体部41A〜43Aから積層体L4の第2側面L4bに引き出されるように形成されている。引き出し部41Bは、第2本体部41Aと一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第2本体部41Aから伸びている。引き出し部42Bは、第2本体部42Aと一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第2本体部42Aから伸びている。引き出し部43Bは、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第2本体部43Aから伸びている。
第2内部導体41の本体部41Aは引き出し部41Bを介して、第2内部導体42の本体部42Aは引き出し部42Bを介して、第2内部導体43の本体部43Aは引き出し部43Bを介してそれぞれ、第2外部導体2に接続される。これにより、複数の第2内部導体41〜43が、第2外部導体2を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第3内部導体51と第4内部導体51とが、積層体L4において誘電体層12を介して内部対向方向に隣り合うように積層されている。第3内部導体51と第4内部導体51とは、1層の誘電体層12を介して対向する領域をそれぞれ有する。第3内部導体51と第4内部導体51とは、互いに電気的に絶縁されている。
第3内部導体51は、長方形状を呈する第1導体部51Aと、第1導体部51Aから積層体L4の第1側面L4aに引き出されるように伸びる第2導体部51Bと、第1導体部51Aから積層体L4の第2側面L4bに引き出されるように伸びる第3導体部51Cとを含む。第1導体部51Aは、その長手方向が積層体L4の第1及び第2側面L4a、L4bと平行となるように配置されている。
第3内部導体51の第2導体部51Bは、第1外部導体1に接続される。第3内部導体51の第3導体部51Cは、第3外部導体3に接続される。したがって、第3内部導体51は、第1外部導体1と第3外部導体3とに電気的に接続される。
第4内部導体61は、長方形状を呈する第1導体部61Aと、第1導体部61Aから積層体L4の第2側面L4bに引き出されるように伸びる第2導体部61Bと、第1導体部61Aから積層体L4の第1側面L4aに引き出されるように伸びる第3導体部61Cとを含む。第1導体部61Aは、その長手方向が積層体L4の第1及び第2側面L4a、L4bと平行となるように配置されている。
第4内部導体61の第2導体部61Bは、第2外部導体2に接続される。第4内部導体61の第3導体部61Cは、第4外部導体4に接続される。したがって、第4内部導体61は、第2外部導体2と第4外部導体4とに電気的に接続される。
第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとが、積層体L4における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する。すなわち、第3内部導体51及び第4内部導体61はそれぞれ、積層体L4における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域を有する。
積層コンデンサC4において、第1内部導体31〜33は第3外部導体3及び第3内部導体51を介して第1外部導体1に電気的に接続される。また、第2内部導体41〜43は第2外部導体2及び第4内部導体61を介して第4外部導体4に電気的に接続される。したがって、積層コンデンサC4では、第1及び第2外部導体1、2の組及び第3及び第4外部導体3、4の組のいずれの組を基板等のランドパターンと接続させたとしても、すべての第1及び第2内部導体がランドパターンと接続される外部導体に接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
特に、積層コンデンサC4では、ランドパターンと接続されない外部導体の数を2つとすることができるため、ランドパターンと接続されない外部導体の数が3つ以上のコンデンサに比べ、より一層等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
また、等価直列抵抗が第3内部導体51又は第4内部導体61によって制御されるため、積層コンデンサC4では、容量成分の形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数を多くすることにより、静電容量を大きくしつつ等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
積層コンデンサC4を基板等にどのような方向で実装した場合であっても、容量成分形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうち基板等のランドパターンと接続される外部導体に接続されるのは、いずれか一方の内部導体のみである。そのため、積層コンデンサC4では実装方向に依らず等価直列抵抗を大きくすることが可能となり、実装も容易となる。
積層コンデンサC4では、2つの外部導体をランドパターンに接続させることにより、所望の効果(等価直列抵抗を大きくする等)を得ることが可能となる。このように、積層コンデンサC4では2つの外部導体の基板への接続で十分であるため、実装基板の回路配線を簡略化することが可能となる。
積層コンデンサC4の外部導体(第1及び第2外部導体1、2、第3及び第4外部導体3、4)はすべて、積層体L4の互いに対向する第1及び第2側面L4a、L4b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサL4では、その製造を容易に行うことが可能となる。
また、第3及び第4内部導体51、61は、積層体L4における内部対向方向で誘電体層12を介して互いに対向する領域をそれぞれ有し、積層コンデンサC4の容量成分の形成に寄与することができる。したがって、積層コンデンサC4では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
(第5実施形態)
図16及び図17を参照して、第5実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第5実施形態に係る積層コンデンサは、積層体における内部接続導体の配置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図16は、第5実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図17は、第5実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第5実施形態に係る積層コンデンサC5は、図16に示されるように、略直方体形状である積層体L5と、積層体L5の側面上に形成された4つの外部導体とを備える。4つの外部導体は、第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4である。これらの4つの外部導体は、積層体L5の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1外部導体1及び第3外部導体3はいずれも、後述する積層体L5における内部対向方向と平行な側面のうち第1側面L5a、すなわち積層体L5における内部対向方向と直交する側面L5c、L5dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L5a上に位置する。第1外部導体1及び第3外部導体3は、図16の左側から右側に向かって、第1外部導体1、第3外部導体3の順で形成されている。
第2外部導体2及び第4外部導体4はいずれも、後述する積層体L5における内部対向方向と平行な側面のうち第2側面L5b、すなわち積層体L5における内部対向方向と直交する側面L5c、L5dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L5aと対向する第2側面L5b上に位置する。第2外部導体2及び第4外部導体4は、図16の左側から右側に向かって、第2外部導体2、第4外部導体4の順で形成されている。
このように、4つの外部導体(第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4)のうち、2つの外部導体(第1外部導体1及び第3外部導体3)は積層体L5の第1側面L5a上に形成され、残りの2つの外部導体(第2外部導体2及び第4外部導体4)は第1側面L5aに対向する第2側面L5b上に形成される。
また、積層体L5の第1側面L5a上に形成された2つの外部導体(第1及び第3外部導体1、3)と第2側面L5b上に形成された残りの2つの外部導体(第2及び第4外部導体2、4)とは、第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で対向する位置にある。すなわち、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で、第1外部導体1と対向する位置に第2外部導体2が位置する。積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で、第3外部導体3と対向する位置に、第4外部導体4が位置する。
積層体L5は、図17に示されるように、複数(本実施形態では、8層)の誘電体層11〜18が積層されて形成されている。積層体L5には、複数(本実施形態では、各3層)の第1及び第2内部導体31〜33、41〜43が、少なくとも1層の誘電体層13〜17を介して対向する領域をそれぞれ有するように含まれている。
各第1内部導体31〜33は、第1本体部31A〜33A及び引き出し部31B〜33Bを有している。各第1本体部31A〜33Aは、略矩形形状を呈している。複数の第1本体部31A〜33Aはそれぞれ、積層体L5における各第1内部導体31〜33と各第2内部導体41〜44との対向方向(以下、単に「内部対向方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部31B〜33Bはそれぞれ、対応する第1本体部31A〜33Aから積層体L5の第1側面L5aに引き出されるように形成されている。引き出し部31Bは、第1本体部31Aと一体に形成されており、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第1本体部31Aから伸びている。引き出し部32Bは、第1本体部32Aと一体に形成されており、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第1本体部32Aから伸びている。引き出し部33Bは、第1本体部33Aと一体に形成されており、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第1本体部33Aから伸びている。
第1内部導体31の第1本体部31Aは引き出し部31Bを介して、第1内部導体32の第1本体部32Aは引き出し部32Bを介して、第1内部導体33の第1本体部33Aは引き出し部33Bを介してそれぞれ、第3外部導体3に接続される。これにより、複数の第1内部導体31〜33が、第3外部導体3を介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部導体41〜43は、第2本体部41A〜43A及び引き出し部41B〜43Bを有している。第2本体部41A〜43Aは、略矩形形状を呈している。複数の第2本体部41A〜43Aはそれぞれ、積層体L5における内部対向方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部41B〜43Bはそれぞれ、対応する第2本体部41A〜43Aから積層体L5の第2側面L5bに引き出されるように形成されている。引き出し部41Bは、第2本体部41Aと一体に形成されており、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第2本体部41Aから伸びている。引き出し部42Bは、第2本体部42Aと一体に形成されており、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第2本体部42Aから伸びている。引き出し部43Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第2本体部43Aから伸びている。
第2内部導体41の本体部41Aは引き出し部41Bを介して、第2内部導体42の本体部42Aは引き出し部42Bを介して、第2内部導体43の本体部43Aは引き出し部43Bを介してそれぞれ、第2外部導体2に接続される。これにより、複数の第2内部導体41〜43が、第2外部導体2を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第3内部導体51と第4内部導体61とが、第1内部導体31と第2内部導体41との対向方向、すなわち内部対向方向で同じ位置に配置されている。すなわち、第3内部導体51と第4内部導体61とが、積層体L5において、複数の誘電体層11〜18のうち同じ2層の誘電体層11、13の間に位置するように積層されている。第3内部導体51と第4内部導体61とは、互いに電気的に絶縁されている。
第3内部導体51は、長方形状を呈する第1導体部51Aと、第1導体部51Aから積層体L5の第1側面L5aに引き出されるように伸びる第2導体部51Bと、第1導体部51Aから積層体L5の第1側面L5aに引き出されるように伸びる第3導体部51Cとを含む。第1導体部51Aは、その長手方向が積層体L5の第1及び第2側面L5a、L5bと平行となるように配置されている。
第3内部導体51の第2導体部51Bは、第1外部導体1に接続される。第3内部導体51の第3導体部51Cは、第3外部導体3に接続される。したがって、第3内部導体51は、第1外部導体1と第3外部導体3とに電気的に接続される。
第4内部導体61は、長方形状を呈する第1導体部61Aと、第1導体部61Aから積層体L5の第2側面L5bに引き出されるように伸びる第2導体部61Bと、第1導体部61Aから積層体L5の第2側面L5bに引き出されるように伸びる第3導体部61Cとを含む。第1導体部61Aは、その長手方向が積層体L5の第1及び第2側面L5a、L5bと平行となるように配置されている。
第4内部導体61の第2導体部61Bは、第2外部導体2に接続される。第4内部導体61の第3導体部61Cは、第4外部導体4に接続される。したがって、第4内部導体61は、第2外部導体2と第4外部導体4とに電気的に接続される。
第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとは、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で互いに隣り合う。すなわち、第3内部導体51及び第4内部導体61は、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で隣り合う領域をそれぞれ有する。
積層コンデンサC5において、第1内部導体31〜33は第3外部導体3及び第3内部導体51を介して第1外部導体1に電気的に接続される。また、第2内部導体41〜43は第2外部導体2及び第4内部導体61を介して第4外部導体4に電気的に接続される。したがって、積層コンデンサC5では、第1及び第2外部導体1、2の組及び第3及び第4外部導体3、4の組のいずれの組を基板等のランドパターンと接続させたとしても、すべての第1及び第2内部導体がランドパターンと接続される外部導体に接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
特に、積層コンデンサC5では、ランドパターンと接続されない外部導体の数を2つとすることができるため、ランドパターンと接続されない外部導体の数が3つ以上のコンデンサに比べ、より一層等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
また、等価直列抵抗が第3内部導体51又は第4内部導体61によって制御されるため、積層コンデンサC5では、容量成分の形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数を多くすることにより、静電容量を大きくしつつ等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
積層コンデンサC5を基板等にどのような方向で実装した場合であっても、容量成分形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうち基板等のランドパターンと接続される外部導体に接続されるのは、いずれか一方の内部導体のみである。そのため、積層コンデンサC5では実装方向に依らず等価直列抵抗を大きくすることが可能となり、実装も容易となる。
積層コンデンサC5では、2つの外部導体をランドパターンに接続させることにより、所望の効果(等価直列抵抗を大きくする等)を得ることが可能となる。このように、積層コンデンサC5では2つの外部導体の基板への接続で十分であるため、実装基板の回路配線を簡略化することが可能となる。
積層コンデンサC5の外部導体(第1〜第4外部導体1〜4)はすべて、積層体L5の互いに対向する第1及び第2側面L5a、L5b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサL5では、その製造を容易に行うことが可能となる。
積層コンデンサでは、第1外部導体1及び第3外部導体3が積層体L5の第1側面L5a上にそれぞれ形成されている。一方、第2外部導体2及び第4外部導体4が積層体L5の第2側面L5b上にそれぞれ形成されている。また、第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとは、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で互いに対向する。そのため、積層コンデンサC5では、第3内部導体51を流れる電流によって発生する磁界と第4内部導体61を流れる電流によって発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC5では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
(第6実施形態)
図18及び図19を参照して、第6実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第6実施形態に係る積層コンデンサは、外部接続導体の配置の点で第5実施形態に係る積層コンデンサC5と相違する。図18は、第6実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図19は、第6実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第6実施形態に係る積層コンデンサC6は、図18に示されるように、略直方体形状である積層体L6と、積層体L6の側面上に形成された4つの外部導体とを備える。4つの外部導体は、第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4である。これらの4つの外部導体は、積層体L6の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1外部導体1及び第3外部導体3はいずれも、後述する積層体L6における内部対向方向と平行な側面のうち第1側面L6a、すなわち積層体L6における内部対向方向と直交する側面L6c、L6dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L6a上に位置する。第1外部導体1及び第3外部導体3は、図18の左側から右側に向かって、第3外部導体3、第1外部導体1の順で形成されている。
第2外部導体2及び第4外部導体4はいずれも、後述する積層体L6における内部対向方向と平行な側面のうち第2側面L6b、すなわち積層体L6における内部対向方向と直交する側面L6c、L6dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L6aと対向する第2側面L6b上に位置する。第2外部導体2及び第4外部導体4は、図18の左側から右側に向かって、第2外部導体2、第4外部導体4の順で形成されている。
このように、4つの外部導体(第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4)のうち、2つの外部導体(第1外部導体1及び第3外部導体3)は積層体L6の第1側面L6a上に形成され、残りの2つの外部導体(第2外部導体2及び第4外部導体4)は第1側面L6aに対向する第2側面L6b上に形成される。
また、積層体L6の第1側面L6a上に形成された2つの外部導体(第1及び第3外部導体1、3)と第2側面L6b上に形成された残りの2つの外部導体(第2及び第4外部導体2、4)とは、第1側面L6aと第2側面L6bとの対向方向で対向する位置にある。すなわち、積層体L6の第1側面L6aと第2側面L6bとの対向方向で、第1外部導体1と対向する位置に第4外部導体4が位置する。積層体L6の第1側面L6aと第2側面L6bとの対向方向で、第2外部導体2と対向する位置に、第3外部導体3が位置する。
積層体L6は、図19に示されるように、複数(本実施形態では、8層)の誘電体層11〜18が積層されて形成されている。積層体L6には、複数(本実施形態では、各3層)の第1及び第2内部導体31〜33、41〜43が、少なくとも1層の誘電体層13〜17を介して対向する領域をそれぞれ有するように含まれている。
各第1内部導体31〜33は、第1本体部31A〜33A及び引き出し部31B〜33Bを有している。各第1本体部31A〜33Aは、略矩形形状を呈している。複数の第1本体部31A〜33Aはそれぞれ、積層体L6における各第1内部導体31〜33と各第2内部導体41〜44との対向方向(以下、単に「内部対向方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部31B〜33Bはそれぞれ、対応する第1本体部31A〜33Aから積層体L6の第1側面L6aに引き出されるように形成されている。引き出し部31Bは、第1本体部31Aと一体に形成されており、積層体L6の第1側面L6aに臨むように第1本体部31Aから伸びている。引き出し部32Bは、第1本体部32Aと一体に形成されており、積層体L6の第1側面L6aに臨むように第1本体部32Aから伸びている。引き出し部33Bは、第1本体部33Aと一体に形成されており、積層体L6の第1側面L6aに臨むように第1本体部33Aから伸びている。
第1内部導体31の第1本体部31Aは引き出し部31Bを介して、第1内部導体32の第1本体部32Aは引き出し部32Bを介して、第1内部導体33の第1本体部33Aは引き出し部33Bを介してそれぞれ、第3外部導体3に接続される。これにより、複数の第1内部導体31〜33が、第3外部導体3を介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部導体41〜43は、第2本体部41A〜43A及び引き出し部41B〜43Bを有している。第2本体部41A〜43Aは、略矩形形状を呈している。複数の第2本体部41A〜43Aはそれぞれ、積層体L6における内部対向方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部41B〜43Bはそれぞれ、対応する第2本体部41A〜43Aから積層体L6の第2側面L6bに引き出されるように形成されている。引き出し部41Bは、第2本体部41Aと一体に形成されており、積層体L6の第2側面L6bに臨むように第2本体部41Aから伸びている。引き出し部42Bは、第2本体部42Aと一体に形成されており、積層体L6の第2側面L6bに臨むように第2本体部42Aから伸びている。引き出し部43Bは、積層体L6の第2側面L6bに臨むように第2本体部43Aから伸びている。
第2内部導体41の本体部41Aは引き出し部41Bを介して、第2内部導体42の本体部42Aは引き出し部42Bを介して、第2内部導体43の本体部43Aは引き出し部43Bを介してそれぞれ、第2外部導体2に接続される。これにより、複数の第2内部導体41〜43が、第2外部導体2を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第3内部導体51と第4内部導体61とが、第1内部導体31と第2内部導体41との対向方向、すなわち内部対向方向で同じ位置に配置されている。すなわち、第3内部導体51と第4内部導体61とが、積層体L6において、複数の誘電体層11〜18のうち同じ2層の誘電体層11、12の間に位置するように積層されている。第3内部導体51と第4内部導体61とは、互いに電気的に絶縁されている。
第3内部導体51は、長方形状を呈する第1導体部51Aと、第1導体部51Aから積層体L6の第1側面L6aに引き出されるように伸びる第2導体部51Bと、第1導体部51Aから積層体L6の第1側面L6aに引き出されるように伸びる第3導体部51Cとを含む。第1導体部51Aは、その長手方向が積層体L6の第1及び第2側面L6a、L6bと平行となるように配置されている。
第3内部導体51の第2導体部51Bは、第1外部導体1に接続される。第3内部導体51の第3導体部51Cは、第3外部導体3に接続される。したがって、第3内部導体51は、第1外部導体1と第3外部導体3とに電気的に接続される。
第4内部導体61は、長方形状を呈する第1導体部61Aと、第1導体部61Aから積層体L6の第2側面L6bに引き出されるように伸びる第2導体部61Bと、第1導体部61Aから積層体L6の第2側面L6bに引き出されるように伸びる第3導体部61Cとを含む。第1導体部61Aは、その長手方向が積層体L6の第1及び第2側面L6a、L6bと平行となるように配置されている。
第4内部導体61の第2導体部61Bは、第2外部導体2に接続される。第4内部導体61の第3導体部61Cは、第4外部導体4に接続される。したがって、第4内部導体61は、第2外部導体2と第4外部導体4とに電気的に接続される。
第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとは、積層体L6の第1側面L6aと第2側面L6bとの対向方向で互いに隣り合う。すなわち、第3内部導体51及び第4内部導体61は、積層体L6の第1側面L6aと第2側面L6bとの対向方向で隣り合う領域をそれぞれ有する。
積層コンデンサC6において、第1内部導体31〜33は第3外部導体3及び第3内部導体51を介して第1外部導体1に電気的に接続される。また、第2内部導体41〜43は第2外部導体2及び第4内部導体61を介して第4外部導体4に電気的に接続される。したがって、積層コンデンサC6では、第1及び第2外部導体1、2の組及び第3及び第4外部導体3、4の組のいずれの組を基板等のランドパターンと接続させたとしても、すべての第1及び第2内部導体がランドパターンと接続される外部導体に接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
特に、積層コンデンサC6では、ランドパターンと接続されない外部導体の数を2つとすることができるため、ランドパターンと接続されない外部導体の数が3つ以上のコンデンサに比べ、より一層等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
また、等価直列抵抗が第3内部導体51又は第4内部導体61によって制御されるため、積層コンデンサC6では、容量成分の形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数を多くすることにより、静電容量を大きくしつつ等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
積層コンデンサC6を基板等にどのような方向で実装した場合であっても、容量成分形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうち基板等のランドパターンと接続される外部導体に接続されるのは、いずれか一方の内部導体のみである。そのため、積層コンデンサC6では実装方向に依らず等価直列抵抗を大きくすることが可能となり、実装も容易となる。
積層コンデンサC6では、2つの外部導体をランドパターンに接続させることにより、所望の効果(等価直列抵抗を大きくする等)を得ることが可能となる。このように、積層コンデンサC6では2つの外部導体の基板への接続で十分であるため、実装基板の回路配線を簡略化することが可能となる。
積層コンデンサC6の外部導体(第1及び第2外部導体1、2、第3及び第4外部導体3、4)はすべて、積層体L6の互いに対向する第1及び第2側面L6a、L6b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサL6では、その製造を容易に行うことが可能となる。
積層コンデンサでは、第1外部導体1及び第3外部導体3が積層体L6の第1側面L6a上にそれぞれ形成されている。一方、第2外部導体2及び第4外部導体4が積層体L6の第2側面L6b上にそれぞれ形成されている。また、第1内部導体31〜33及び第2内部導体41〜43は誘電体層を介して交互に積層されている。そのため、積層コンデンサC6では、第1内部導体31〜33を流れる電流によって発生する磁界と第2内部導体41〜43を流れる電流によって発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC6では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。特に、第1及び第2内部導体を多数積層する場合には、等価直列インダクタンス低減の効果が顕著に現れる。
(第7実施形態)
図20及び図21を参照して、第7実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第7実施形態に係る積層コンデンサは、外部導体の配置の点で第5実施形態に係る積層コンデンサC5と相違する。図20は、第7実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図21は、第7実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第7実施形態に係る積層コンデンサC7は、図20に示されるように、略直方体形状である積層体L7と、積層体L7の側面上に形成された4つの外部導体とを備える。4つの外部導体は、第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4である。これらの4つの外部導体は、積層体L7の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1外部導体1及び第4外部導体4はいずれも、後述する積層体L7における内部対向方向と平行な側面のうち第1側面L7a、すなわち積層体L7における内部対向方向と直交する側面L7c、L7dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L7a上に位置する。第1外部導体1及び第4外部導体4は、図20の左側から右側に向かって、第4外部導体4、第1外部導体1の順で形成されている。
第2外部導体2及び第3外部導体3はいずれも、後述する積層体L7における内部対向方向と平行な側面のうち第2側面L7b、すなわち積層体L7における内部対向方向と直交する側面L7c、L7dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L7aと対向する第2側面L7b上に位置する。第2外部導体2及び第3外部導体3は、図20の左側から右側に向かって、第2外部導体2、第3外部導体3の順で形成されている。
このように、4つの外部導体(第1外部導体1、第2外部導体2、第3外部導体3、及び第4外部導体4)のうち、2つの外部導体(第1外部導体1及び第4外部導体4)は積層体L7の第1側面L7a上に形成され、残りの2つの外部導体(第2外部導体2及び第3外部導体3)は第1側面L7aに対向する第2側面L7b上に形成される。
また、積層体L7の第1側面L7a上に形成された2つの外部導体(第1及び第4外部導体1、4)と第2側面L7b上に形成された残りの2つの外部導体(第2及び第3外部導体2、3)とは、第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向で対向する位置にある。すなわち、積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向で、第1外部導体1と対向する位置に第3外部導体3が位置する。積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向で、第2外部導体2と対向する位置に、第4外部導体4が位置する。
積層体L7は、図21に示されるように、複数(本実施形態では、8層)の誘電体層11〜18が積層されて形成されている。積層体L7には、複数(本実施形態では、各3層)の第1及び第2内部導体31〜33、41〜43が、少なくとも1層の誘電体層13〜17を介して対向する領域をそれぞれ有するように含まれている。
各第1内部導体31〜33は、第1本体部31A〜33A及び引き出し部31B〜33Bを有している。各第1本体部31A〜33Aは、略矩形形状を呈している。複数の第1本体部31A〜33Aはそれぞれ、積層体L7における各第1内部導体31〜33と各第2内部導体41〜44との対向方向(以下、単に「内部対向方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部31B〜33Bはそれぞれ、対応する第1本体部31A〜33Aから積層体L7の第2側面L7bに引き出されるように形成されている。引き出し部31Bは、第1本体部31Aと一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第1本体部31Aから伸びている。引き出し部32Bは、第1本体部32Aと一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第1本体部32Aから伸びている。引き出し部33Bは、第1本体部33Aと一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第1本体部33Aから伸びている。
第1内部導体31の第1本体部31Aは引き出し部31Bを介して、第1内部導体32の第1本体部32Aは引き出し部32Bを介して、第1内部導体33の第1本体部33Aは引き出し部33Bを介してそれぞれ、第3外部導体3に接続される。これにより、複数の第1内部導体31〜33が、第3外部導体3を介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部導体41〜43は、第2本体部41A〜43A及び引き出し部41B〜43Bを有している。第2本体部41A〜43Aは、略矩形形状を呈している。複数の第2本体部41A〜43Aはそれぞれ、積層体L7における内部対向方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し部41B〜43Bはそれぞれ、対応する第2本体部41A〜43Aから積層体L7の第2側面L7bに引き出されるように形成されている。引き出し部41Bは、第2本体部41Aと一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第2本体部41Aから伸びている。引き出し部42Bは、第2本体部42Aと一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第2本体部42Aから伸びている。引き出し部43Bは、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第2本体部43Aから伸びている。
第2内部導体41の本体部41Aは引き出し部41Bを介して、第2内部導体42の本体部42Aは引き出し部42Bを介して、第2内部導体43の本体部43Aは引き出し部43Bを介してそれぞれ、第2外部導体2に接続される。これにより、複数の第2内部導体41〜43が、第2外部導体2を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第3内部導体51と第4内部導体61とが、第1内部導体31と第2内部導体41との対向方向、すなわち内部対向方向で同じ位置に配置されている。すなわち、第3内部導体51と第4内部導体61とが、積層体L7において、複数の誘電体層11〜18のうち同じ2層の誘電体層11、13の間に位置するように積層されている。第3内部導体51と第4内部導体61とは、互いに電気的に絶縁されている。
第3内部導体51は、長方形状を呈する第1導体部51Aと、第1導体部51Aから積層体L7の第1側面L7aに引き出されるように伸びる第2導体部51Bと、第1導体部51Aから積層体L7の第2側面L7bに引き出されるように伸びる第3導体部51Cとを含む。第1導体部51Aは、長方形の互いに対向する2辺が積層体L7の第1及び第2側面L7a、L7bと平行となるように配置されている。
第3内部導体51の第2導体部51Bは、第1外部導体1に接続される。第3内部導体51の第3導体部51Cは、第3外部導体3に接続される。したがって、第3内部導体51は、第1外部導体1と第3外部導体3とに電気的に接続される。
第4内部導体61は、長方形状を呈する第1導体部61Aと、第1導体部61Aから積層体L7の第2側面L7bに引き出されるように伸びる第2導体部61Bと、第1導体部61Aから積層体L7の第1側面L7aに引き出されるように伸びる第3導体部61Cとを含む。第1導体部61Aは、長方形の互いに対向する2辺が積層体L7の第1及び第2側面L7a、L7bと平行となるように配置されている。
第4内部導体61の第2導体部61Bは、第2外部導体2に接続される。第4内部導体61の第3導体部61Cは、第4外部導体4に接続される。したがって、第4内部導体61は、第2外部導体2と第4外部導体4とに電気的に接続される。
第3内部導体51の第1導体部51Aと第4内部導体61の第1導体部61Aとは、積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向で互いに隣り合う。すなわち、第3内部導体51及び第4内部導体61は、積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向で隣り合う領域をそれぞれ有する。
積層コンデンサC7において、第1内部導体31〜33は第3外部導体3及び第3内部導体51を介して第1外部導体1に電気的に接続される。また、第2内部導体41〜43は第2外部導体2及び第4内部導体61を介して第4外部導体4に電気的に接続される。したがって、積層コンデンサC7では、第1及び第2外部導体1、2の組及び第3及び第4外部導体3、4の組のいずれの組を基板等のランドパターンと接続させたとしても、すべての第1及び第2内部導体がランドパターンと接続される外部導体に接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
特に、積層コンデンサC7では、ランドパターンと接続されない外部導体の数を2つとすることができるため、ランドパターンと接続されない外部導体の数が3つ以上のコンデンサに比べ、より一層等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
また、等価直列抵抗が第3内部導体51又は第4内部導体61によって制御されるため、積層コンデンサC7では、容量成分の形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数を多くすることにより、静電容量を大きくしつつ等価直列抵抗を大きくすることが可能である。
積層コンデンサC7を基板等にどのような方向で実装した場合であっても、容量成分形成を担う第1及び第2内部導体31〜33、41〜43のうち基板等のランドパターンと接続される外部導体に接続されるのは、いずれか一方の内部導体のみである。そのため、積層コンデンサC7では実装方向に依らず等価直列抵抗を大きくすることが可能となり、実装も容易となる。
積層コンデンサC7では、2つの外部導体をランドパターンに接続させることにより、所望の効果(等価直列抵抗を大きくする等)を得ることが可能となる。このように、積層コンデンサC7では2つの外部導体の基板への接続で十分であるため、実装基板の回路配線を簡略化することが可能となる。
積層コンデンサC7の外部導体(第1及び第2外部導体1、2、第3及び第4外部導体3、4)はすべて、積層体L7の互いに対向する第1及び第2側面L7a、L7b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサL7では、その製造を容易に行うことが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、誘電体層の積層数11〜19、及び第1及び第2内部導体31〜33、41〜43の積層数は、上述した実施形態に記載された数に限られない。したがって、例えば、積層体に対しさらに、誘電体層が積層されていてもよい。あるいは、第1及び第2内部導体が積層体にさらに含まれていてもよい。
また、第1内部導体31〜33の形状は、上記実施形態に記載された形状に限らず、第3外部導体3に電気的に接続されていればよい。第2内部導体41〜43の形状は、上記実施形態に記載された形状に限らず、第2外部導体2に電気的に接続されていればよい。また、第1内部導体31〜33及び第2内部導体41〜43は、1層以上の誘電体層を介して対向していてもよい。また、誘電体層を介して対向する第1内部導体31〜33及び第2内部導体41〜43の対は少なくとも一対あればよい。
また、第3内部導体51の数及び積層方向での位置は、上述した実施形態に記載された数及び位置に限られない。第4内部導体61の数及び積層方向での位置は、上述した実施形態に記載された数及び位置に限られない。
第3内部導体51の形状は、上記実施形態に記載された形状に限らず、第1外部導体及び第3外部導体3に電気的に接続されていればよい。第4内部導体61の形状は、上記実施形態に記載された形状に限らず、第2外部導体2及び第4外部導体4に電気的に接続されていればよい。また、第3内部導体51と第4内部導体61とが、積層体の積層方向において互いに対向する領域を有していなくてもよい。
また、外部導体の位置も、上述した実施形態に記載された位置に限られず、第1側面上に2つ、第2側面上に2つ形成され、且つ第1側面上に形成された2つの外部導体と第2側面上に形成された残りの2つの外部導体とが、第1側面と第2側面との対向方向で対向する位置にあればよい。あるいは、第1外部導体と第2外部導体とがそれぞれ積層体の互いに対向する2側面に位置し、第3外部導体と第4外部導体とがそれぞれ積層体の互いに対向する2側面に位置していればよく、この場合、第1〜第4外部導体が位置する側面はすべて異なる側面であってもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明は様々な変形が可能である。このような変形は、本発明の範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、当業者に明らかなこうした変形はすべて、特許請求の範囲の何れかの請求項の範囲内に含まれるものと考えられる。