JP4399581B2 - バイオセンサ - Google Patents

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Description

本発明はバイオセンサに関する。より詳しくは、使用時まで反応検出部内部の気密性を保つことができる構造を有したバイオセンサに関する。また本発明は、バイオセンサの包装体に関する。さらに、本発明は、バイオセンサの使用方法、バイオセンサ装置に関する。
これまでの使い捨て型センサの包装形態には、容器を用いる方式として、複数個のバイオセンサをボトル容器でまとめて収納する方式、バイオセンサを1つの容器に1個ずつ収納し、容器の入り口をフィルムで熱圧着する方式(特許文献1)などがある。これらの方式では容器内に乾燥剤などを入れておくことで乾燥状態を保つことが可能である。
しかし、前者の方式の場合、使用の度に開閉回数が増え、開封時の湿気によって乾燥剤の除湿能が低下する。このような包装形態は日本のように湿気が多い気候条件下では使用に適さない。また、バイオセンサの保存状態を良好に保つには紫外線および酸素の遮断が必要であるが、そのような対策もなされていない。
また、後者の方式の場合、バイオセンサを容器内に一個ずつ収納するため、包装に材料を多く使用せざるを得ず、限られた資源の有効利用や廃棄物の処理などの観点から、環境にやさしい包装形態とはいえない。
その他、表面に紫外線吸収剤もしくは紫外線非透過物質でコーティングしてある2枚のフィルムの間にバイオセンサを乾燥剤と共に挟み込み、フィルムの外側から熱圧着方式で接着して包装する方法が試みられている(特許文献2)。
しかし、この方法では包装時に熱を加えることから、加工時の熱およびそれに伴う熱酸化の影響でバイオセンサ本体の変形および試薬層に展開している化学物質の劣化及び生体材料の変性の恐れの他、ある一定の湿潤状態を保持するには熱による蒸気圧の影響を考慮する必要がある。また、包装形態に酸素除去剤を含まないため、空気中での包装による保存期間中の空気酸化の影響がある。さらに、熱圧着によって形成した包装体では、接着部が2枚のフィルムで強力に接着されているために容易には開封できない。このため、身体に障害がある人や、高齢者および低年齢者などがこのような包装体を開封するときに、場合によっては困難を強いられることが予想される。
特開2000−314711号公報 特開2003−72861号公報
前記の従来の方式では、まず、ボトル容器方式においては開閉の繰り返しにより、内部の乾燥状態が保てなくなるという課題がある。また、単一のバイオセンサを容器に包装する方式においては、バイオセンサの大きさに対し嵩のある容器を用いるため、包装工程が複雑で多くの材料を必要とするという課題がある。さらに、単一のバイオセンサを2枚のフィルムで熱圧着して包装する方式においては、紫外線を遮断し、乾燥剤の使用により乾燥状態は維持できても、熱や酸化の影響を排除できず、また包装体の開封時の操作性に課題があった。
すなわち、本発明は、反応検出部内への試薬層の展開以降の製造工程および簡易な包装を要する場合にも熱を伴わないなど、生体材料の使用に適した温和な製造工程を実現し、また、使用するまで反応検出部内部を外界から確実に遮断することが可能なバイオセンサを提供することを課題とする。
本件発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本件発明者らは、少なくとも1組の電極を含む反応検出部、試料搬送路が密閉されたバイオセンサであって、該バイオセンサの使用時に構造の一部を切断して、試料導入口および空気排出口が試料搬送路の断面として露出される構造を採用することにより、使用前のバイオセンサが、反応検出部内部を完全に内包することができ、密閉性に優れ、かつ必要に応じ乾燥剤などの使用により内部雰囲気を所望の状態で保存が可能であることを見いだし本件発明を完成した。
このようなバイオセンサは、反応検出部等の密閉を、基板とカバーとをスペーサーを介して接合する工程により実施できるので、反応検出部への反応層を形成後、バイオセンサの製造工程および包装工程において熱処理を伴わない。
すなわち、本発明は以下を含む。
〔1〕本発明に係るバイオセンサーは、電気絶縁性の基板と、
スペーサー層を介して基板と結合する電気絶縁性のカバーと、
基板とカバーとに挟まれた領域の該基板上に形成された、少なくとも1組の電極を含む反応検出部および反応検出部に導通する外部端子と、
前記基板とカバーとの間に、スペーサー層により規定された密閉された試料搬送路とを有するバイオセンサーであって、
前記試料搬送路は、電極と交差する部分を有し、
前記基板及び前記カバーの最外側表面には、電極を含むセンサー部と電極を含まない密閉キャップ部とを境界する切断線が設けられ、
該切断線に沿って密閉キャップ部を切断したときに、切断面が電極を横断せず、かつ切断面が前記試料搬送路を横断して該切断面に試料搬送路に由来する試料導入口と空気排出口とが露出する位置に、前記切断線が存在することを特徴とする。
すなわち、本発明のバイオセンサでは、切断面が前記試料搬送路を横断するので、使用前に切断線に沿って密閉キャップ部を切断することにより、センサー部における試料搬送路の2つの断面が切断面に露出し、露出した2つの断面の一方が試料導入口となり、もう一方の断面が空気排出口となる。切断方法に特に限定はなく、切断線に沿って、折る、千切る、または引き千切ることにより、切断することができる。
なお、センサー部とは、前記基板と、スペーサー層を介して基板と結合する前記カバーと、基板とカバーとに挟まれた領域の該基板上に形成された、少なくとも1組の電極を含む反応検出部および反応検出部に導通する外部端子と、前記基板とカバーとの間に、スペーサー層により規定された、試料搬送路と、試料導入口と、空気排出口を有するバイオセンサーの本体部分である。また、密閉キャップ部とは、電極を含まない部位で、切断によって破棄可能な部分である。
前記バイオセンサでは、試料導入口、空気排出口の開口方向は、バイオセンサの使用時にこれらが同一断面上に存在すればよく、特に限定されない。また、前記試料導入口および空気排出口は、試料搬送路に試料液を注入できる位置で、使用時に現れる断面の内側であればどこに形成されていてもよい。
本明細書において「同一断面上」とは、前記試料導入口および前記空気排出口の全部が、使用時におけるバイオセンサの変形により、同一断面上に現れることを意味する。またセンサー部の断面を構成する辺の形状は、対応する密閉キャップ部の形状に依存するが、直線状であっても曲線状であってもよい。切断面の形状において、試料導入口付近の辺が曲線を成していれば、特に体内から血液を採取して使用する血糖測定などの用途において、人体に損傷を加える危険性を軽減することができる。
さらに、前記密閉キャップ部の形状は特に限定はされず、好ましくは長方形、台形、三角形などが挙げられる。
前記試料搬送路は、前記スペーサー層によりパターン形成されている。スペーサー層としては、たとえば、接着剤層、またはスペーサーの両面に接着剤を施した接着層を有するスペーサー層が挙げられる。したがって、スペーサー層は、基板とカバーとを接着させるとともに、試料搬送路を規定する。
前記電極は、+電極と−電極とが対向する、少なくとも1組の電極である。
このような電極は、+と−とからなる2本の電極から構成されていてもよいし、2本以上であってもよい。
本発明において、試料導入口の周辺および試料搬送路表面に界面活性剤、脂質を被覆させることもできる。界面活性剤や脂質を被覆させることにより、試料液の移動を円滑に行うことができる。
このような本発明のバイオセンサは、密閉キャップ部の切断前は、前記反応検出部を含む試料搬送路内の気密性が保たれており、製造時以降、バイオセンサ内部の状態が長期に亘り維持できるとともに、バイオセンサ内部の雰囲気、具体的には気体組成(脱酸素状態)や、気圧、湿度(湿潤状態)などが所望の一定の雰囲気に制御できる。
このため、たとえば、バイオセンサの試料搬送路が乾燥状態である場合に導入を円滑に行えない試料液であっても、試料搬送路の内壁などに界面活性剤等を均一に塗布して一定湿度を保っておくことで、試料液をバイオセンサ内に円滑に導入できる。また、試料液が血液などの場合には、抗血液凝固剤としてヘパリンやプロリキシン−S、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸の金属塩などを単独または界面活性剤とともに被覆してもよい。
さらに、試料搬送路は少なくとも試料導入口と反応検出部の間が直線または穏やかな曲線で結ばれていることが好ましい。このような形状であると、試料液の移動を円滑に行うことができる。したがって、前記間隔に角、特に鋭角を成す部分が存在しないことが望ましい。
前記基板は、電気絶縁性であれば特に限定はないが、このような基板としては、たとえば、プラスチック、生分解性材料、紙のいずれかを好ましく用いることができる。
プラスチックとしては、硬質ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネイト、ポリアミドイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。シート状に用いる場合、ポリカーボネイト、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ABS樹脂などを好ましく用いることができる。
生分解性材料としては、好ましくはポリ乳酸が挙げられる。
また、前記基板は、紫外線非透過物質からなっていてもよい。
基板の厚さは特に限定されないが、たとえば好ましくは10〜1000μm、さらに100〜500μm程度の範囲にあればよい。
前記カバーは、前記基板と同様の材料を用いることができる。また、カバーの厚さは特に限定されないが、たとえば好ましくは10〜1000μm、さらに100〜500μm程度の範囲にあればよい。
前記スペーサーは、前記基板と同様の材料を用いることができ、この場合、スペーサー表面に接着剤を塗布して接着剤層により基板、カバーと接合する。また、スペーサー自体が、接着剤により形成された接着剤層であってもよい。接着剤としては、基板、カバーと反応あるいは溶解しないものであればよく、特に限定されないが、たとえば、アクリル系樹脂などが挙げられる。
前記アクリル系樹脂としては熱硬化型または光硬化型、具体的には紫外線硬化型または可視光線硬化型のものを使用してもよい。スペーサーは、前記の紫外線吸収剤あるいは紫外線非透過物質で表面が被覆されていてもよい。
スペーサーの厚さは特に限定されないが、たとえば好ましくは5〜500μm、更に好ましくは10〜100μm程度の範囲にあればよい。
前記電極は、カーボン、銀、銀/塩化銀、白金、金、ニッケル、銅、パラジウム、チタン、イリジウム、鉛、酸化錫、白金黒のいずれかから構成することができる。また、カーボンはカーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、フラーレン、デンドリマーもしくはそれらの誘導体も用いることができる。
電極の厚さはスペーサーとの接触において大きな妨げとならなければ限定はないが、スクリーン印刷法であれば、通常、1〜100μm程度、好ましくは3〜20μm程度であることが望ましい。また、蒸着法、スパッタリング法、箔貼り付け法、メッキ法であれば、通常、200〜2000オングストローム程度、好ましくは500〜1000オングストローム程度であることが望ましい。このような範囲にあると、基板上に形成される電極のエッジが鋸状にならず、精度の高い電極となる。また、電極の剥離、断線を防止することができる。
こうした電極はスクリーン印刷法、蒸着法、スパッタリング法、箔貼り付け法、メッキ法のいずれかにより基板あるいはカバーに形成することができる。
前記スペーサー層も、スクリーン印刷法により形成することができる。また、該スペーサー層中に、酵素やメディエータ、界面活性剤などの試薬を含有させてもよい。
〔2〕前記切断線は、溝または切れ目により形成され、該溝または切れ目が、基板とカバーの同位置に対向するように配置されていることが好ましい。
切断線に溝、切れ目があると、切断が容易になる。また、切断線が同位置に対向するように配置されていると、切断を容易に実施できる。
ここで、切れ目とは、バイオセンサを形成する基板およびカバーを内側に達しない範囲の深さで外側から切れ目を入れた場合をいう。従って、その切れ目によって基板およびカバーが、切断前に貫通していることはない。
なお本明細書において「Aおよび/またはB」とは、AおよびBの少なくとも1つを意味する。
〔3〕前記基板および前記カバーが少なくともそれぞれ2層以上の多層構造からなり、前記切断線が、該多層構造の少なくとも最内層を残して形成されていてもよい。
基板およびカバーが少なくともそれぞれ2層以上の多層構造を成す場合、切断線、さらには溝、ミシン目等を該多層構造の少なくとも最内層を残して形成する。さらに、それらの溝、ミシン目は基板とカバーとで同位置に対向するように配置されていることが好ましい。多層構造であると、切断線部分を少なくとも最内層を残して形成させることで、内層部は傷などのダメージを与えることなくバイオセンサーを形成できる。そのため、製造工程や保存状態にあるときに、不意にかかる曲げなどの力に耐えることができるというメリットがある。
〔4〕前記試料搬送路と前記電極とが交差する領域に試薬層が設けられていることが好ましい。
本発明に係るバイオセンサでは、試料導入口から試料搬送路を通して、毛細管現象により送り込まれる試料が、反応検出部となる電極上の試薬層と接触することにより、試薬と試料とが反応する。この反応は電極における電気的な変化としてモニタされる。このような試薬層は、試料搬送路が通過する電極上に1個または複数個存在することができる。
試薬層は、+電極上および−電極上のいずれか一方、または両方の表面上に存在することが好ましい。
本発明のバイオセンサは、使用前の密閉性に優れるので、試薬層についても、一定の湿度を保持できるため、バイオセンサ内部の雰囲気中に酸素が存在する場合でも、湿気によって保護された試薬類に対する空気酸化による劣化、あるいは変性を抑制することができる。
本発明では、該試薬層の表面に、界面活性剤、脂質などの試料液の移動を円滑にする化合物を被覆させることもできる。試薬層の表面に界面活性剤などが被覆されていれば、空気酸化による劣化をさらに抑制することができる。試料液が血液などの場合には、抗血液凝固剤としてヘパリンやプロリキシン−S、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸の金属塩などを被覆してもよい。
前記試薬層は、酵素、抗体、リボソーム、核酸、プライマー、ペプチド核酸、核酸プローブ、微生物、オルガネラ、レセプタ、細胞組織、クラウンエーテルなどの分子識別素子、メデイエータ、挿入剤、補酵素、抗体標識物質、基質、無機塩類、界面活性剤、脂質、トレハロースなどの糖、グリセリンなどの保湿剤、システインなどの安定化剤のいずれかまたはその組み合わせを、バイオセンサによる検査対象に応じて、適宜含有させることができる。
試料液が血液などの場合には、抗血液凝固剤を含有させてもよい。抗血液凝固剤としては、たとえば、ヘパリン、プロリキシン−S、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸の金属塩などが挙げられる。
前記酵素としては、オキシダーゼ又はデヒドロゲナーゼなどの酵素、例えばグルコースオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、その他に、コレステロールエステラーゼ、インオルガニックピロホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼ、ヌクレオチド・トリホスファターゼ、ヌクレオチド・ジホスファターゼ、ヌクレオチド・モノホスファターゼ、イノシトール・ホスファターゼ、プロテイン・ホスファターゼ、アデノシン・トリホスファターゼ、グアノシン・トリホスファターゼ、アデノシン-5'-ジホスファターゼ、カゼイン・ホスファターゼ、チロシン・ホスファターゼ、セリン・ホスファターゼ、トレオニン・ホスファターゼ、マルトースホスホリラーゼ、スクロースホスホリラーゼ、プリンヌクレオチドホスホリラーゼ、アデニル・シクラーゼ、グアニレート・シクラーゼ、グルコースイソメラーゼ、ムタロターゼ、カタラーゼ、プロテアーゼ、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、DNAリガーゼ、DNアーゼ、NADHオキシダーゼ、ジアホラーゼ、オスミウム・ペルオキシダーゼ複合体などの核酸連結酵素、制限酵素などが挙げられる。
これらは1種単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
また、試薬層は、酵素単独ではなく、メデイエータの組合わせとして含有させてもよい。このメデイエータとしてはフェリシアン化カリウム、フェロセン、ベンゾキノンから選択される。また、試薬層は塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩類とキンヒドロンとの組合せを含有させてもよい。
試薬層にはプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸の組合せを含有させることもできる。さらに、試薬層にはプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸に、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩類とキンヒドロンを組合せて含有させることもできる。
バイオセンサをDNAチップとして用いる場合には試薬層として核酸プローブを固定化することができる。この場合には電極をアレイ状に配置させることが好適である。
試薬層は、前記各1組の電極の近傍、あるいは電極表面の一部または全部に形成し、電極とともに反応検出部を構成することとなる。
このような試薬層は、デスペンサなどにより滴下して乾燥するデスペンサ法、粘度を調節したスクリーン印刷法などにより形成することができ、これらのうちでは、デスペンサ法が好ましい。この試薬層の電極表面または基板表面への固定化は乾燥を伴う吸着法または共有結合法により行うことができる。
これらの間に凸状の間仕切り部を備えることもできる。試薬層は一箇所に限らず、二箇所以上設置することができ、その際には2種類以上の異種の試薬層を設けてもよい。
また、試薬層は、スペーサの材料として用いる接着剤等に混合させておいてもよい。
このような試薬層は一箇所に限らず、二箇所以上設置することができ、その際には2種類以上の異種の試薬層を設けてもよい。また、2箇所以上の試薬層を設けた場合にはこれらの間に凸状の間仕切り部を備えることもできる。この凸状の間仕切り部はスクリーン印刷法で形成することができる。この凸部の間仕切り部はカーボン、レジストまたは吸水性材料のいずれかから構成することができる。
〔5〕前記基板とカバーとに挟まれた領域の一部に、乾燥剤および/または脱酸素剤を含むことができる。
〔6〕前記乾燥剤および/または脱酸素剤が、前記密閉キャップ部に含まれることが好ましい。
すなわち本発明のバイオセンサは、反応検出部が内包された状態で密閉されているため、このような乾燥剤および/または脱酸素剤をバイオセンサ内に有することで、内部の乾燥状態、あるいは無酸素状態を長期にわたって保持することができる。
また、バイオセンサの組み立て加工時に湿気や酸素を含む雰囲気でバイオセンサの反応検出部が内包されるように製造され密閉されても、バイオセンサの内部を乾燥状態あるいは脱酸素状態にすることができる。
前記乾燥剤および/または脱酸素剤は、試料液との直接的な接触を避けるためにも、切断後不要となる密閉キャップ部の内部に存在していることが好ましい。また、密閉キャップ部に存在していても、スペーサーあるいは試薬搬送路を介して密閉キャップ部とセンサー部とは、内部でつながっているため、使用前の保存状態にあるバイオセンサの構造では基板とカバーの間に存在するスペーサーの内部空間全体を乾燥あるいは脱酸素できる。特に、乾燥剤および/または脱酸素剤を、密閉キャップ部内に存在する試料搬送路と交差するように配置することにより、試料搬送路を通して、バイオセンサの内部空間を乾燥状態および/または脱酸素状態に保つことができる。
さらに、使用時にはバイオセンサの内部に乾燥剤および/または脱酸素剤を備えた密閉キャップ部を切断し、離脱するので、バイオセンサの使用時に、試料液が乾燥剤および/または脱酸素剤と接触することがない。
前記乾燥剤としては、たとえば、シリカゲル、活性アルミナ、塩化カルシウム、モレキュラーシーブス、吸湿性ポリマー等の多孔質構造物等が挙げられる。
前記脱酸素剤としては、たとえば、鉄等の金属及びハロゲン化金属からなる粉末状のものや、ハイドロサルファイト、活性化マグネシウム(たとえば、特開2001−37457号公報)、アスコルビン酸(たとえば、特開平05−7772号公報)、カテコール系化合物(たとえば、特開平09−75724号公報)、多価アルコール類(たとえば、特開2003−144113号公報)などの有機系化合物等が挙げられる。これらの脱酸素剤は、たとえば、公知の担体に担持されていてもよい(たとえば、特開2001−37457号公報)。脱酸素剤の市販のものとしては、たとえば「エージレス」(商標、三菱瓦斯化学社製)、「バイタロン」(商標、東亜合成化学社製)等が挙げられる。
〔7〕さらに、本発明のバイオセンサは、前記基板とカバーとに挟まれた領域の一部に、湿度表示剤および/または酸素検知剤を含むことができる。
使用前に、バイオセンサ内部の乾燥状態および/または脱酸素状態が確認できるよう、乾燥剤と湿度表示剤とを併用したり、あるいは、脱酸素剤と酸素検知剤とを併用することもできる。
湿度表示剤としては本発明の包装体に使用が可能であれば特に限定はされない。
酸素検知剤の市販のものとしては、たとえば、「エージレスアイ」(商標、三菱瓦斯化学社製)、「バイタロン-酸素検知材」(商標、東亜合成化学社製)等が挙げられる。
〔8〕前記基板および/またはカバーの一部または全体が可視光線に対して透明の材質であり、湿度表示剤および/または酸素検知剤を可視可能であることが好ましい。
さらに基板および/またはカバーの一部または全体が、紫外線を遮断できる材質であることが好ましい。この場合、基板および/またはカバー全体が紫外線遮断材であっても、あるいは、基板、カバーの表面が紫外線遮断材のフィルムで覆われていてもよい。前記フィルムとして、たとえば、ベンゾトリアゾール系等の有機化合物、紫外線を可視光に変換する蛍光剤などを含有しているフィルムなどが挙げられる。
また、可視光線に対して透明ではない基板およびカバーを使用する場合、前記密閉キャップ部の切断により新たに出現する断面のスペーサー部分に、前記湿度表示剤および/または酸素検知剤が存在するように配置することもできる。この場合、前記湿度表示剤、酸素検知剤は、スペーサー層に含まれていても、スペーサー層の一部として構成されていてもよい。
このようにすることにより、切断後、使用直前に、湿度表示剤および/または酸素検知剤の示す内部の状態を、切断面あるいは切断面の近傍の内部で確認できる。
〔9〕前記基板および前記カバーは、紫外線非透過物質からなることが好ましい。
〔10〕また、前記基板および前記カバーの表面は、紫外線吸収剤または紫外線非透過物質で被覆されていてもよい。
このように基板、カバーが、紫外線非透過物質であるか、あるいは、紫外線吸収剤または紫外線非透過物質で被覆されていると、紫外線の透過を抑制または遮断できる。
紫外線吸収剤としては特に限定されないが、たとえば、アルミニウムなどの金属、塩化銀などのハロゲン化金属、蛍光剤、ベンゾトリアゾール系等の有機化合物などが挙げられる。
紫外線非透過物質としては特に限定されないが、たとえば、アルミニウムなどの金属または塩化銀などのハロゲン化金属などの蒸着膜及び、ベンゾトリアゾール系等の有機化合物系フィルムなどが挙げられる。
〔11〕前記基板および前記カバーは、光触媒作用を有する化合物を含むか、または前記基板の表面および前記カバーの表面が光触媒作用を有する化合物を含有する被膜で被覆されていてもよい。
ここで、光触媒とは、光の吸収により励起して活性化状態となり、該光触媒の表面に接触した有機物等に対し強力な酸化・還元作用を発揮する化合物をいい、光触媒作用とはそのような酸化・還元作用をいう。
光としては、紫外線および/または可視光線が挙げられる。紫外線および/または可視光線の入射によって、バイオセンサ表面で光触媒作用が起こり、それにより、滅菌やタンパク質でできたキャプシドやエンベロープをもつウィルスの分解、表面に付着した汚れの分解などの自浄作用を得ることができ、常に衛生的な状態で保存が可能である。このため、この形態のバイオセンサであれば、たとえば医療の現場などで直接生体試料と接触させる必要がある場合や食品などを扱う現場での使用に特に有効である。
ここで、光触媒作用を有する化合物としては、金属酸化物が挙げられる。金属酸化物としては、具体的には酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、三酸化タングステン、酸化第二鉄、三酸化二ビスマスおよび酸化スズからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができるが、これらに限定されない。
〔12〕前記露出する試料導入口と空気排出口の近傍に存在するスペーサー層に、蛍光剤または発光剤が含まれていてもよい。特に試料導入口の近傍付近に蛍光剤又は発光剤が含まれていることが好ましい。
蛍光剤または発光剤は、視認性を高めるための目印となるため、試料導入における取り扱いの間違いを防止できる。蛍光剤、または発光剤を断面部分に使用する場合には、前記蛍光剤又は発光剤がスペーサー材に含まれていても、スペーサーの一部として構成されていてもよい。また、基板やカバーの試料導入口付近に目印として蛍光剤、または発光剤を使用する場合には、その部分を印刷などによって形成することができる。
ここで、発光剤としては、空気中の酸素との接触によって発光反応が開始する公知のものが使用できる。
〔13〕前記電極がアレイを形成していてもよい。
〔14〕前記アレイを形成しているバイオセンサは、
該切断線に沿って密閉キャップ部を切断したときに、少なくとも1つの試料導入口が露出し、
試料導入口と連通する試料搬送路の先には少なくとも一組の電極を含む反応検出部が存在することが好ましい。
〔15〕前記少なくとも1つの試料導入口は、該試料導入口から分岐する少なくとも2本の試料搬送路に連通し、前記試料搬送路の先には少なくとも一組の電極を含む反応検出部が存在していてもよい。
本明細書において「アレイ」とは、整列配置されていることを意味する。
1つの試料導入口から少なくとも2本の試料液搬送路が分岐する場合、試料液がアレイ状の全ての試薬層に到達できるよう、試料搬送路内に界面活性剤を被覆したり、あるいは、試料液が血液などの場合には、抗血液凝固剤としてヘパリンやプロリキシン−S、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸の金属塩などを被覆してもよい。
〔16〕前記可視光線に対して透明な材質を有する基板および/またはカバーが、保護フィルムで被覆されていてもよい。
この場合、密閉キャップのスペーサー層に配置した酸素検知剤や湿度表示剤などに対して視認性を確保することができる。保護フィルムは、その場合のバイオセンサの試薬層への可視光および紫外線の影響を防ぐのに役立てることができる。
〔17〕また、前記外部端子は、保護フィルムで被覆されていてもよい。
前記保護フィルムは、バイオセンサの同一表面上に露出して存在する、電極端子、測定器の接続部分などを、必要に応じ使用時まで保護フィルムで被覆するものである。さらに、保護フィルムは、1層であっても、あるいは多層構造であってもよい。
このような保護フィルムは、剥離可能な粘着層を有する部分と、非粘着部とを有していてもよい。該非粘着部は、ツマミ部分として、保護フィルムの剥離に用いることができる。
前記剥離可能な粘着層を有する部分は通常ピールシールあるいは弱シール部とも称され、シール部をある程度の引っ張る力によって容易に剥離できる。
前記保護フィルムは、湿気、紫外線、酸素のうち、少なくとも一つを遮断する特徴を有することが好ましい。
このような保護フィルムの材質としては、たとえば、プラスチックフィルムが挙げられ、プラスチックフィルムのうちでは、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、エチレン-ビニルアルコール共重合体、フッ素系樹脂などが好ましい。このようなプラスチックは、柔軟性を有し、湿気の遮断に優れている。
さらに、紫外線の遮断には、前記紫外線吸収剤または紫外線非透過物質を含有する保護フィルムを用いることが好ましい。
酸素の遮断には、前記乾燥剤、脱酸素剤などを含有する保護フィルムを用いることが好ましい。
〔18〕前記外部端子が前記カバーで被覆され、該カバーは、外部端子が露出するように、折返し可能な折り返し線を有していてもよい。
この場合、本発明のバイオセンサの使用前の構造において、端子もカバー内、即ち、バイオセンサ本体内部に格納されるため、本体の包装および保護フィルムによる簡易包装は不要である。
折り返し線としては、ミシン目、溝、切れ目、凹みなどが挙げられる。さらに、折り返すまたは折りたたむ部分のミシン目などを2箇所平行して設けることにより、その操作をさらに容易にすることができる。
また、折り返し、または折りたたみを容易にするために、その部分にはスペーサーの形成に使用する接着剤層は、該折り返す部分または折りたたむ部分には存在しないことが望ましい。
上記カバーの折り返し、または折りたたみ部分の内面の少なくとも1箇所に基板との脱着が可能な粘着剤を有することができる。脱着可能な粘着剤を有することにより、保存状態にあるバイオセンサの端子部分が、カバーの折り返し、または折りたたみ部分に自然に加えられる力によって露出しない程度にカバーを粘着固定させることができる。これにより、保存状態にあるバイオセンサの形状を安定に保つことができる。
この場合、端子が脱着性粘着剤と接触して基板から剥離するなど、端子の導電材としての機能に影響を与えないよう、端子と接触しないように脱着性粘着剤を配置することが好ましい。
さらに、カバーの折り返し、または折りたたみ部分に、ミシン目などを2箇所平行して設けることで、2枚のカバー断片を向かい合わせに重ねて畳むことができる。その場合には、2枚のカバー断片のうち、端子の端の部分をカバーするカバー断片の内側に前記脱着性粘着剤を配置させることが望ましい。それにより、保存状態にあるバイオセンサの形状を安定に保つことができるほか、2枚のカバー断片を向かい合わせに畳むときにも、脱着性粘着剤が両者を接着固定するのに使用できる。
〔19〕本発明に係るバイオセンサ包装体は、前記バイオセンサを複数個収納している。
より具体的には、本発明の簡易包装されたバイオセンサは、ボトル容器方式または箱型容器方式などにより複数個まとめて包装することができる。
さらに、本発明の複数個のバイオセンサは箱型容器方式などで容器内に整列した状態で収まり、バイオセンサが容器から順番に取り出されるような形態であるときに、本体もしくは保護フィルムに個々のバイオセンサの通し番号または容器内のバイオセンサの残存数を印刷することができる。
〔20〕前記バイオセンサは、複数個、所定の間隔で規則的に配設され、連接したバイオセンサの基板に、切り離し用のミシン目が設けられていてもよい。
この構成であると、多数のバイオセンサを一度に効率よく製造できる。また、連接したバイオセンサの個々のバイオセンサのそれぞれを計測部に接続することにより、多数の検体を同時に測定できる測定装置とすることができる。更に、この構成では、複数のバイオセンサが所定の間隔で規則的に配設されているので、個々のバイオセンサを回転などをして順次移動させて計測器に接続することもでき、このような形態の測定装置であると、多数の検体を連続的かつ自動的に測定処理することが可能となる。また、連接した基板にミシン目などを施すことにより、収納空間を小さくしたり、連接されたバイオセンサ間の折り曲げおよび個々の電極の分離などが可能となる。
〔21〕本発明に係るバイオセンサの使用方法は、前記バイオセンサにおいて、密閉キャップを切断して、試料導入口および空気排出口を形成させることを特徴とする。
〔22〕より好ましくは、本発明に係るバイオセンサの使用方法は、前記バイオセンサを用いる以下の工程を含む方法である;
(1)バイオセンサの密閉キャップを切断して、試料導入口および空気排出口を開口させる工程、
(2)開口した試料導入口を、測定対象を含有する溶液に接触させる工程、
(3)測定対象を含有する溶液を試料搬送路へ導入する工程、および
(4)測定対象をそれぞれのバイオセンサで測定する工程。
製造時には該試料導入口および該空気排出口がバイオセンサの内部に試料搬送路として内包されるため、前記バイオセンサ内部は気密性を保った状態で出荷され、使用時にバイオセンサの電極を含まない一部を離脱することで、前記試料導入口および前記空気排出口が試料搬送路の断面としてはじめて形成され露出することで使用が可能となる。
〔23〕本発明に係るバイオセンサ装置は、前記バイオセンサと、
前記バイオセンサの反応検出部における電気的な値を計測する計測部と、
前記計測部における計測値を表示する表示部と、
前記計測値を保存するメモリー部とを備えたことを特徴としている。
通常、前記計測部は、前記バイオセンサの電極における電気的な信号を捉えるコネクター部を介してバイオセンサと接続され、該コネクター部を介して電気的な値を計測部で計測することとなる。
前記コネクターは、前記バイオセンサを固定して電気的な信号を捉えるコネクターで、バイオセンサを挿入して固定するセンサ固定部(フォルダー)、バイオセンサの電極における電気的な信号を捉える電気接続部、および配線を有する。該コネクターは計測部に内蔵されたものであっても、単体で電気化学測定器に接続して使用するタイプの何れであってもよい。
〔24〕前記計測部における計測方法としてポテンシャルステップクロノアンペロメトリー法、クーロメトリー法およびサイクリックボルタンメトリー法のいずれかを用いることが好ましい。
〔25〕さらに、前記バイオセンサが、計測部に計測データを送付する無線手段を備え、該無線手段が非接触型ICカードまたはブルートゥースであることが好ましい。
本発明に係る前記バイオセンサは、試薬層の種類を変えることにより以下のように使用できる。
例えば、酵素センサでは、検体の測定対象によって分子識別素子としての酵素の種類を変える。例えば測定対象が血糖(グルコース)、尿糖の場合はグルコースオキシターゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼ、測定対象が糖化ヘモグロビンである場合は、フルクトシルアミンオキシダーゼとプロテアーゼの混合物、測定対象が乳酸の場合は乳酸オキシターゼ、測定対象が総コレステロールなどの場合はコレステロールエステラーゼとコレステロールオキシダーゼの混合物、測定対象が尿酸の場合は尿酸オキシダーゼ、測定対象がエタノールの場合はアルコールオキシターゼ、測定対象がグルタミン酸の場合はグルタミン酸オキシダーゼ、測定対象がピルビン酸またはリン酸の場合はピルビン酸オキシダーゼ、測定対象がマルトースまたはリン酸の場合はマルトースホスホリラーゼ、アルカリ性または酸性ホスファターゼ、および/またはムタロターゼ、グルコースオキシダーゼの組み合わせ、測定対象がスクロースまたはリン酸の場合はスクロースホスホリラーゼ、アルカリ性または酸性ホスファターゼ、ムタロターゼ、グルコースオキシダーゼの組み合わせなどを用いる。
上記酵素センサでは、酵素とともに電子伝達体(メディエータ)が使用される。メディエータにはフェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ニコチンアミド誘導体、フラビン誘導体、ベンゾキノンおよびキノン誘導体などを用いる。
pHセンサの場合は、銀/塩化銀電極と他の電極を設けた基板上に塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩とキンヒドロンの試薬層を用いる。この場合、電極間電位の変化を測定することになる。
一塩基多型(SNPs)センサ(A.Ahmadian et al.,Biotechniques,32,748,2002)の場合は、上記pHセンサ上に、更にプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸などの混合物を試薬として用い、試料中の被検体DNAとプライマーが相補する場合のpHの変化を測定する。
免疫センサでは、抗原抗体反応を利用し、例えばヒト血清アルブミンを測定する場合は、分子識別素子として抗アルブミンを用いる。なお、免疫センサにおいては、抗原抗体複合体の形成によって変動する電極間電位を測定することになる。
微生物センサでは、分子識別素子として、例えばPseudomonas fluorescence(測定対象:グルコースまたはBOD;生物化学的酸素要求量、土壌)、Trichosporon cutaneum, Pseudomonas putida(測定対象:BOD)、Trichosporon brassicae(測定対象:エタノール)などの微生物または土壌微生物Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici, Fusarium oxysporum f. sp. lactucum, Fusarium oxysporum f. sp. spinaciae, Plasmodiophorabrassicae, Bacillus cereus, Bacillus subtillis, Pseudomonas putida,Trichoderma harzianum, Pythium oligandrum, Streptomyces sp. (測定対象:土壌)を用いる。これらの微生物は、酸素呼吸(好気性)し、あるいは酸素のない環境で代謝物を生成するので、酸素呼吸量または代謝産物を電気的にとらえることになる。
オルガネラセンサでは、分子識別素子として細胞小器官を用いる。例えばミトコンドリアの電子伝達粒子を用いると、NADHが測定できる。この原理としては、ミトコンドリアの電子伝達粒子によりNADHが酸化され、この際酸素が消費されるので、この酸素を指標としてNADHやNADPHを測定することができる。
レセプタセンサでは、分子識別素子として受容体である例えば細胞膜などを用いる。検体としては、ホルモンとか神経トランスミックが対象となる。測定原理としては、受容の変化を電位に変換し、電極を通じて測定することになる。
組織センサでは、分子識別素子として動植物の組織を用いる。動植物の組織としては、例えばカエルの皮膚、動物の肝切片、キウリ、あるいはバナナの皮などが使用できる。測定原理としては、例えばカエルの皮膚組織を用いたナトリウムセンサでは、カエルの皮膚組織がナトリウムイオンを選択的に透過し、その際皮膚組織の電位が変化するので、この電位変化を測定しナトリウムイオン量を求める。
ここで述べたバイオセンサの応用途のひとつとして他にDNAチップ(特開平5−199898)が挙げられる。図20、22、25に示すような電極のアレイ上(US 4225410)に検出すべき多種類の目的遺伝子に対して相補性を持つ一本鎖の核酸プローブが多種類固定化されている。1電極に1種の核酸プローブが固定化されている。多数の目的遺伝子の存在の有無を確認するには、一本鎖に変性された遺伝子サンプルと核酸プローブのハイブリダイズ処理を行い、その後、二本鎖核酸に特異的に結合し、かつ電気化学的に活性な二本鎖認識体を添加する。洗浄後、基板を緩衝液存在下で折りたたみ、アレイ電極を作用極、上部の大きな電極を対極として電圧を電極ごとに順次印加していくと、二本鎖が形成されている場合、二本鎖の挿入剤が酸化され、酸化電流が流れる。二本鎖の形成されていない電極では挿入剤に起因する電流は流れない。電流の発生した電極の位置で核酸プローブの種類がわかるので目的遺伝子の存在の有無、定性が可能となる。なお、上記二本鎖認識体としてはアクリジンオレンジなどのインターカレーター(挿入剤)、トリス(フェナントロリン)コバルト錯体などのメタロインターカレーターなどを用いることができる。
本発明のバイオセンサは、たとえば、電極を基板上に、スペーサーを基板又はカバーの表面にあらかじめパターン形成し、さらに、試薬層を配置し、基板とカバーとを、接着剤により貼り付けることにより製造することができる。
たとえば、具体的には、予め切断線を外側面に形成させた前記基板の内側にスクリーン印刷などにより電極パターンを形成する。一方、同様に予め切断線を外側面に形成させた前記カバーにもその内側にスクリーン印刷などによりスペーサーとしての粘着剤層のパターンを形成する。このとき、前記カバー上の粘着剤層が存在しない部分は試料搬送路および密閉キャップ内部における調整剤および指示薬を置くスペースとなる。
前記基板の試料搬送路上で、密閉キャップの切り離しによって形成する試料導入口と空気排気口の少なくとも1部分には酵素を含む試薬液をデスペンサ法で滴下して試薬層を形成することができる。また、後記調整剤および指示薬を置くスペースは、カバー内側に形成した粘着剤層の形成パターンの一部として前記カバー上に同時に形成することができる。この様にして形成したカバーおよび基板の貼り合せによって、密閉キャップとの境界線を有したバイオセンサーを構築できる。
このように試薬層の展開以降のバイオセンサ組み立て工程においては、熱圧着などの熱を伴う包装方式を用いず、基板をスペーサーを介して、カバーと張り合わせ加工するだけで製造することができる。
このようにして製造したバイオセンサは、試料導入口および空気排出口となる試料搬送路を該バイオセンサ内部に内包し、内部を気密性が高い状態に保持できる。
本発明のバイオセンサは、熱圧着などの方法で製造する必要がなく、製造が容易で、歩留りの向上を図ることができるので、試薬層の酸化の影響を排除可能であり長期保存安定性に優れている。また、試料導入口、試料搬送路、反応検出部といったバイオセンサの主要部分が、製造段階以降完全な形で密閉され、前記バイオセンサ内部の雰囲気は高い密閉性が確保される。そのため、製造時の制御によって所望の内部雰囲気をつくることができ、その状態を長期に亘り維持できる。さらに、必要に応じ、乾燥剤などの内部雰囲気を調整する調整剤を同時に内包することによって、より良好な状態で長期に亘る内部雰囲気の維持が可能となるだけではなく、本発明のバイオセンサ構造であれば、その内包した内部雰囲気の調整剤は、使用時にはバイオセンサ本体から分離されるため、試料液との接触を完全に排除できる。
また、構成、材料、一連の製造方法などを評価すると、本発明のバイオセンサは、従来の使い捨て型バイオセンサに比べ、製造時、使用後における環境への負荷を大幅に低減させることが可能である。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は本実施例に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明のバイオセンサの代表例を示す。図1は、電極を含まない部分である密閉キャップ部を切断することで、センサー部10の断面が現れ、このとき同時に試料搬送路の断面が試料導入口および空気排出口として形成され、外界にはじめて露出する本発明のバイオセンサの一例である。
図1aは、代表的なバイオセンサの長方形の基板1の外側を示す。基板1の上部には水平に形成された切断線となるV字の溝7が設けられている。この溝7は、バイオセンサを使用する際に、折り曲げるなどして、破線14に沿ってバイオセンサの密閉キャップ部10を切断させるためのものである。
図1bは基板1の内側を示す。基板1の内側上面には、基板の中心線に沿って1組の電極を含むパターン4および試薬層6が形成されている。電極を含むパターン4は、2本の電極部材が平行して下端側から上部の破線14付近まで配置されている。
図1cは、カバー2の外側部分を示す。カバー2の上部には基板1と同様に水平に形成された溝7が破線14に沿って存在する。図1dはカバー2の内側を示す。カバー2の内側上面にはスペーサー層としての接着剤層が形成されている。カバー2上にはスペーサー層が存在しない円形の部分5が設けられ、基板との貼り合わせにより試薬搬送路を形成する。
図1eは基板1とカバー2の内側を、それぞれ上端にあわせて重ね合わせたときの構成図を示す。基板1とカバー2の貼り合せによって、カバー2上に形成されていたスペーサーのない部分がバイオセンサ内に内包された空間となり、それが試料搬送路5となる。また、カバー2の長さを基板1よりも短くすることで、両者の上端にあわせて重ね合わせたときに、電極を含むパターン4の下端部を露出させることができる。これが図1eに示す端子8となる。また、溝7を境界にして、センサー部9と密閉キャップ部10が存在する。
図8aは図1eのバイオセンサの展開図のうち、カバー2の部分のみを除いた内部構造を示す。円形をなす試料搬送路5の上には、それを2分するようにバイオセンサの切断部分を示す破線14が示されている。すなわち、この図で示された破線14は、基板1とカバー2の溝7(図1e参照)と重なる。したがって、図1hに示すように、溝7(破線14)に沿って、バイオセンサの密閉キャップ部10を切断することにより、試料搬送路5として設けた空間の2箇所で、開口部が露出する。すなわちセンサー部9の断面に2つの開口部が試料導入口11および空気排出口12として露出する。試料液13が試料導入口11より導入されると、試料液13は試料搬送路内を毛細管現象により搬送され、2本の電極を含むパターン4と試薬層6とからなる反応検出部に到達し、このとき空気排出口12からは試料搬送路に搬送された試料液の体積分の空気が排出される。
図1fは図1eに示したバイオセンサのセンサー部9における、溝7の少し下方部分のA−A'断面図を示す。基板1上に電極を含むパターン4が2本配置されており、基板とカバーの間には接着剤層がスペーサー3として存在し、電極の周囲を覆っている。その電極のスペーサー層を挟んだ両側には試料搬送路5が設けられている。図1gは図1eに示したバイオセンサの電極のパターン上のB−B'断面図を示す。基板1とカバー2の外側部分にはV字の溝7が、お互いが対向して重なるように設けられている。基板1上には電極を含むパターン4がV字溝7の手前まで伸びており、基板1とカバー2の間にはスペーサー3および試料搬送路5が2つある。下方の試料搬送路5は電極上にあり、上方の試料搬送路5はV字溝7の上、つまり、バイオセンサの使用時には切断される部分に存在する。
図1のバイオセンサ構造の場合、試料搬送路5を成す空間および、2本の電極を含むパターン4を含む反応検出部がバイオセンサの内部に完全に内包され、内部の気密性を保つことができることが分かる。
また、本発明のバイオセンサを使用時、試料搬送路5が上から見て半円形を成しているため(図8a)、試料液が2本の電極上にある試薬層、すなわち反応検出部に至るまでの搬送を円滑にすることができる。
さらに、このような構造のバイオセンサであれば、試料液が微量であってもよく、構造が簡単であり、製造が容易であること、反応検出部がバイオセンサの内部に内包され、気密性が高いため、製造時に加工した状態のまま使用時まで維持できること、などが特徴として挙げられる。
以上の本発明に共通したバイオセンサの特徴のほかに、本発明で提案するバイオセンサの形状ごとの特徴について、以下に説明する。
図2は図1のバイオセンサ構造と外側についてはほぼ同様であるが、内部構造が異なる。
図2aは電極を含むパターン4の端子を含む配線部分が基板上の中心からやや右側になるように設けられ、反応を検出するための電極部分は、左側斜め上に向かって配置され、試薬層6は図1aに示す位置と同じで、基板の中心線上で、破線14のすぐ下方に形成されている。
図2bはカバー2の内側を示す。カバー2の内側上面にはスペーサー層とその内側にスペーサーが存在しない部分5が、台形状に、鋭角を下方に向けて備えられている。図2cは基板1とカバー2の内側を、それぞれ上端にあわせて重ね合わせたときの構成図で、下端には基板1上の端子が露出している例である。図8bに、図2cのカバー2の部分のみを除いた内部構造を示す。図8bでは、台形の鋭角から斜め上に向かって試料搬送路5が伸び、その間に電極と直行する部分が、そのさらに上部には、破線14と重なる。つまり、この破線14と斜めに伸びた試料搬送路5が交差する部分(試料導入口となる部分26)が、図2fの使用例で示すように、試料液13の試料導入口11となる。
したがって、試料導入口11から試料搬送路5を通り、空気排出口12に至るまでに、試料搬送路5が90度未満の鋭角(試料導入口11、折れ曲がり部分25よび空気排出口12を結ぶ内角)で折れ曲がる。また、試料導入口から折れ曲がり部25までの試薬搬送路は、直線状となっている(密閉状態の試料搬送路が三角形または台形)。
ちなみに、この構造では、図2dおよびeに示す断面図は図1fおよび図1gと同じである。
このバイオセンサは、試料液13が試料搬送路と交差する電極部分を過ぎた後、鋭角に曲がる部分で毛細管現象に必要な壁面が一部途絶えるために、試料液の搬送はこの鋭角付近でほぼ停止させることができる。このため、より少量の試料液での測定ができる。
もし、停止されなければ、停止したい部分に撥水性の高い材料をストッパーとして、印刷などにより設けるか、同じく撥水性の高い材料を鋭角から先の試料搬送路の壁面に施すこともできる。
図3は図2のバイオセンサ構造のうち、試料搬送路の試料導入口となる部分26から折れ曲がり部25までの試薬搬送路が曲線状(密閉状態の試料搬送路が扇状)となった例を示す。
曲線状であるため、試料搬送路と交差する電極部分を過ぎたところまで試料液が円滑に導入され、その先の試料搬送路の折れ曲がり部分で止まるため、試料液の量を少なくできる。
この構造の場合も図2と同様に、図3bに示す扇形の試料搬送路5となる部分が、下端に一方の扇の角を配置して、垂直方向と弧を描いて上方に伸びる2方向で形成されている(図8cも参照)。そのうち、弧の中心あたりで電極のある反応検出部と交わる構造をなしている。したがって、図3fの使用例および図8cに示すように、試料液13が試料搬送路5と交わる電極部分4を過ぎた後、ほぼ直角に曲がる、折れ曲がり部25で毛細管現象に必要な壁面が一部途絶えるために、試料液の搬送はこの鋭角付近でほぼ停止する。
図4に示すバイオセンサは、図4bに示すように、スペーサーの空白部分が毛細管を形成するためのパターンではなく、図8dに示すように、破線14でバイオセンサの上部を離脱して、断面として中心部に試料導入口11(図4f)が広く現れる構造の例である。試料導入口の両側には図8dで示すようにスペーサー3が周囲のスペーサーと接触しないように形成されている。これにより、試料導入口の両側にスペーサーを挟んで形成されている開口部分を空気排出口12とすることができる。
図4に示すバイオセンサでは、試料液13は、密閉キャップ部が切断されて現れた断面の中心部分から取り込まれ、電極4にある反応検出部に展開される。このとき、試料導入口11の両側に設けた空気排出口12によって、試料導入口11から導入した試料液13は試料搬送路5の反応検出部分に満遍なく展開されることができる。この様な構造をとることにより、試料液を確実に反応検出部に導入できる。
図5は図5aまたは図5cに示すように、切断線となるV字溝7が反応検出部の電極を含むパターン4の方向と垂直ではなく、斜めに入っている例であり、切断線の方向を除き、図1の構造と同じである。この場合、図1との違いは、図5hおよび図8eに示すように、試料導入口11から電極4が交差する試料搬送路5部分に到達するまでの距離が短いことにある。これにより、たとえば血液など粘度に個人差のある試料液を測定に使う場合など、毛細管現象による試料液の搬送に時間的な変動が生じる可能性がある。このような場合の再現性を向上させるための対応として有効な手段である。
図6は、切断線が曲線状であるバイオセンサの例を示す。図6も切断線の形状を除き図1と同じ構造である。この場合、図6hに示すように、試料導入口11が曲線状の断面に存在するために、たとえば血液など、人体と直接接触して使用する場合などには、利用者に配慮した構造となる。さらに、図8fからわかるように、試料導入口11から電極4を含む反応検出部までの距離が図1(図8a)と比べて短いため、図5と同様の効果が期待できる。
図7は密閉キャップ部10内に乾燥剤15を内蔵させた例である。図7dに示すように、試料搬送路5となる円形の流路を横断する破線14よりも上部であって、流路と交差するように前記乾燥剤15を配置することが好ましい。このように配置することにより、図7hで示すように、密閉キャップ部10に乾燥剤を内蔵し、さらに、その乾燥剤は、使用まで試料搬送路を介して試薬層周囲の雰囲気を乾燥状態に保つことができる。使用時には、密閉キャップ部10とともに乾燥剤15は脱離されるため、試料液13と乾燥剤15とが接触することがない。
ここでは、乾燥剤15を内蔵する例を示したが、乾燥剤の他或いは乾燥剤の代わりに、他の薬剤を含めることもできる。したがって、脱酸素剤であっても、脱酸素剤との併用であっても、さらには、湿度表示剤や酸素検知剤の単独使用または前記薬剤との併用であってもよい。
図8aからfは、前記の通り、図1から図6に示したバイオセンサのカバー2のみを取り除いた展開図を示す。また、図8gからlは、図1から図6に示したバイオセンサのカバー2を取り除いた展開図に、乾燥剤15を設けた場合を示す。乾燥剤を内蔵したバイオセンサを含め、図8aからlに示すバイオセンサは使用前においては試料搬送路内が外界から完全に遮断され、内部の気密性が保たれている。さらに、試料搬送路の一部は電極と交わり、また、破線14部分からの電極を含むパターン4を含まない密閉キャップ部10の切断によって、試料搬送路は少なくとも2箇所で切断され、新たに試料導入口および空気排気口がセンサー部10の断面に露出する。
図9は試料搬送路5のパターンが直線状に変わった場合を示す。この形状では、試料液13が試料導入口11から導入され、試料搬送路5が直線状となる。
図9では、試料搬送路5のパターンが直線状であるが、試料搬送路5のパターンを四角状にし、四角の試料搬送路5の対向する2つの流路を横断するように切断線を備えることもできる(図示せず)。
図10はアレイ型のバイオセンサの例を示す。図10aは基板1の外側を示し、長方形の基板1と、その外側上面に水平に形成されたV字の切断線となる溝7、その溝7を境にバイオセンサの切断箇所を示す破線14が示されている。図10bは基板1の内側を示す。基板1の内側上面には、基板の縦方向に沿って、2本1組の電極16がアレイ状に配置され、各電極からの配線17が基板1の下端部まで配線されている。各組の少なくとも一方の電極上には試薬層6(図示せず)が形成されている。
図10cは、カバー2の外側部分を示す。カバー2の上部には基板1と同様に水平に形成された溝7が破線14に沿って存在する。図10dはカバー2の内側を示す。カバー2の内側上面にはスペーサー3としての接着剤層が形成されている。カバー2上にはスペーサーが存在しない台形の部分5が存在する。図10eは基板1とカバー2の内側を、それぞれ上端にあわせて重ね合わせたときの構成図を示し、溝7を境に、センサー部9と密閉キャップ部10とに分かれる。基板1とカバー2の貼り合せによって、カバー2上に形成されていたスペーサーのない部分がバイオセンサ内に内包された空間となり、それが試料搬送路5となる。また、カバー2の長さを基板1よりも短くすることで、両者の上端にあわせて重ね合わせたときに、電極パターン4の下端部を露出させることができる。これが図10eに示す端子8となる。
図10fはバイオセンサの使用例を示し、図10gはカバー2を除いたときの展開図を示す。
アレイ状のバイオセンサでは、各組の電極上に異なる試薬、特に、塩基配列の異なるDNAなどをプローブとして固定化することで、同一試料液中における複数種類のDNA配列の検出が同時に可能となる。たとえば、一塩基多型(SNPs)センサ(たとえば、A.Ahmadian et al.,Biotechniques,32,748,2002)の場合は、プライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸などの混合物を試薬として用い、試料中の被検体DNAとプライマーが相補する場合の電極近傍のpHの変化を電極で測定する。
同様に複数種類の抗体を各組の電極上にそれぞれ固定化しておくことで、免疫センサとして同一試料液中における複数種類の測定対象物を同時に測定することができる。例えばヒト血清アルブミンを測定する場合は、分子識別素子として抗アルブミンを用いる。なお、免疫センサにおいては、抗原抗体複合体の形成によって変動する電極間電位を測定することになる。
上記に示すアレイ状のバイオセンサの構造のほかに、少なくとも2つの試料導入口があり、各試料導入口と連通する試料搬送路の先には少なくとも一組の電極による反応検出部が存在し、前記バイオセンサと同様に、密閉キャップ部の切断によって前記試料導入口が現れる構造、または、少なくとも1つの試料導入口から分岐した少なくとも2本の試料液搬送路が存在し、前記試料液搬送路の先には少なくとも一組の電極による反応検出部が存在する構造であってもよい。
図11は本発明のバイオセンサ構造において、端子8が表に露出する構造の場合に、前記端子8を保護するための保護フィルム18を装着させた場合を示す。図11aは、バイオセンサのカバー2の一部と端子8の上に保護フィルム18で包装した例を示す。図11aの保護フィルム18は脱着可能な粘着剤層19と粘着剤層が形成されていない摘み部20からなり、カバー2の一部には脱着可能な粘着剤層19が、端子8は粘着剤層が形成されていない摘み部20で覆われている。図11bは図11aの使用例で、使用時に保護フィルム18をセンサー部9から剥離した状態を示している。
図11cはバイオセンサのカバー2の上面に、保護フィルムの上端部分が強力接着剤により固定(保護フィルム固着部21)され、その他の部分は脱着可能な粘着剤層を持たない保護フィルムでセンサー部9の端子8が簡易に包装されている例を示している。図11dは図11cの使用例で、保護フィルム固着部21まで剥離された状態の保護フィルムを示す。
図12は、保護フィルムを使用せず、カバー部分2を使用することにより端子8を保護するバイオセンサの構造を示す。図12aはスペーサーを有しない端子保護カバー22で端子8を覆い、接着剤層部分で固定されているカバー2との境には、ミシン目23が設けられている。図12bは図12aに示すバイオセンサの使用例で、端子保護カバー22を捲ると端子8が現れる構造となっている。
図12cは端子保護カバー22の部分の間にもミシン目23を設けたバイオセンサの例、図12dおよび図12eは図12cのバイオセンサの使用例を示す。図12dでは新たなミシン目23を設けることにより、端子保護カバー22の捲りを容易にしている。また、図12eでは端子保護カバー22がミシン目23を設けることにより、そのミシン目23を境に折り畳むことも可能としている。この場合、端子保護カバー22の内側に脱着可能な粘着剤層を部分的に設けることで、一度折り畳んだカバーが元に戻りにくくすることができる。
図13は、包装が不要なバイオセンサ24を、所定の間隔で複数個、規則的に配設した、バイオセンサ集合シートの例を示す。個々のバイオセンサ24の境目としてミシン目23が設けられている。このように配列した連接型のバイオセンサであると、検液を各々の試料導入口から導入することにより、同時または連続的な測定が可能になる。連接型バイオセンサのセンサ部の配設数は特に限定されるものではないが、20〜30であることが好ましい。図13に示すようにセンサ部を横に配列することもできるし、または、図では示してはいないが、センサ部を縦に配列することもできる。
また、ミシン目23により、個々のバイオセンサ24を折り畳みできるので、収納空間を節約し、連接された電極間の折り曲げおよび個々の電極の分離などが容易となる。
図14は本発明の実施の形態による単一項目測定用の密閉型バイオセンサをグルコースの測定に応用する操作工程を示す図である。また、本センサは図1に示すセンサに図12cに示す端子保護カバーを設けた一例である。
図14aは測定に使用する前のバイオセンサであり、試料搬送路内5に試薬層6を展開してある例、bはaにおける溝7を境界にして、センサー部9と密閉キャップ部10を切断することで試料搬送路11および空気排出口12が開口したバイオセンサを、図12dに示すように、端子保護カバー22を折り畳んでからコネクター27に接続した後、センサに試料13として全血を導入する例、cは試料導入後のセンサの例、dは測定後のセンサの例を示す。
本センサでは、試薬層としてはグルコースオキシダーゼとフェリシアン化カリウムを用いた。この図14aに示すグルコースセンサの測定原理は以下のとおりである。
本センサは、毛細血管現象により試料を試料導入口から内部に導入する。導入されたグルコース溶液は,試薬層のGODの触媒作用により下記の式1に示すように、グルコースの酸化に伴いフェリシアンイオンがフェロシアンイオンに変換される。
〔式1〕
GOD
グルコース+フェリシアンイオン → グルコノラクトン+フェロシアンイオン
生成したフェロシアンイオンはカーボン電極で、次の式2の電極反応に従って酸化され、電気化学的に検出される。
〔式2〕
電極
フェロシアンイオン → フェリシアンイオン+e-
本発明のグルコースセンサを用いた検出法では,生成したフェロシアンイオンはアノード電極により酸化され、アノード電流が発生し、フェロシアンイオンは再びフェリシアンイオンになる。以上により酵素反応より生成したフェロシアンイオン濃度の電流値変化を観測することでグルコースの定量が可能となる。
次にバイオセンサの製造方法および測定方法を説明する。
センサ基板およびカバーとして長さ40mm,幅6mm、厚さ188μmのPETを使用した。センサ基板上には幅1.3mmのカーボン電極が0.5mmの間隔を置いて2本,スクリーン印刷装置により形成された。レジストおよび接着剤もスクリーン印刷によりスペーサー層として形成した。センサー部と密閉キャップ部を切断する溝はセンサ基板上部から10mmのところで、深さが基板およびカバーの厚さの半分以上になるように形成した。端子保護カバーの折り曲げ部にはセンサ基板下部から5mmおよび10mmのところに2箇所ミシン目をいれた。
試料量は設計上では約0.28μlであったが、実際に要する試料量を全血(比重:1.05)で計測したところ0.34±0.023mg(n=10、変動係数CV=6.7%)であった。両者の試料量の違いはスペーサー層の厚みが実際には厚かったこと、試料導入口付近に試料液が付着したことなどが考えられる。
酵素およびメディエータの試薬層は5.5単位グルコースオキシダーゼ(GOD)および0.1mgフェリシアン化カリウム(メディエータ)となるよう蒸留水に溶解して電極表面に塗布し、真空乾燥して両電極上に形成した。
このグルコースセンサを用いた血糖(血中グルコース)の測定を行った結果について説明する。本グルコースセンサを用いた血糖の測定は検体試料液として、グルコース濃度が0、100、300、500 mg/dlとなるように調製したヘマトクリット値40%の全血を使用した。測定には電気化学測定器(ALS/CHI−1202, BAS社)を使用し、測定法はポテンシャルステップクロアンペロメトリー法を用いた。毛細管現象で約0.3μl血液を試料導入口に導入してから20秒後、センサ内の2つの電極間に900mVの電位を印加し、印加後10秒後の電流値を測定値とした。
図15は本発明のセンサの血中グルコース濃度による電流値変化を示している。図15を参照すると、血中グルコース0、100、300、500 mg/dl(n=3)の範囲において0.5〜9μAの電流値変化が観測された。
続いて、同様の条件にて、図14aの状態にある本センサの保存安定性試験を0日目、2週間目、1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目で行った。尚、センサの保存は試験室内にある実験台の引き出し内(室温)に収めて行った。その結果を図16に示す。この図から、3ヶ月間室内で保存している間も血中グルコース濃度と出力電流値との間には相関係数(r = 0.976±0.0230)および傾き(0.0107±0.00134)という関係が保たれ、それほど大きな変化は見られなかった。
図1は、本発明に係るバイオセンサの一例を示す。aは基板の外側の例、bは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、cはカバーの外側の例、dはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、eは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、fはeのA−A'断面拡大図の例、gはeのB−B'断面拡大図の例を示す。hはバイオセンサの使用例を示す。 図2は、本発明に係るバイオセンサの別の一例を示す。aは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、bはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、cは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、dはcのA−A'断面拡大図の例、eはcのB−B'断面拡大図の例、fはバイオセンサの使用例を示す。 図3は、本発明に係るバイオセンサの別の一例を示す。aは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、bはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、cは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、dは図3cのA−A'断面拡大図の例、eはcのB−B'断面拡大図の例を示す。fはバイオセンサの使用例を示す。 図4は、本発明に係るバイオセンサの別の一例を示す。aは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、bはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、cは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、dは図3cのA−A'断面拡大図の例、eはcのB−B'断面拡大図の例を示し、fはバイオセンサの使用例を示す。 図5は、本発明に係るバイオセンサの別の一例を示す。aは基板の外側の例、bは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、cはカバーの外側の例、dはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、eは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、fはeのA−A'断面拡大図の例、gはeのB−B'断面拡大図の例を示し、hはバイオセンサの使用例を示す。 図6は、本発明に係るバイオセンサの別の一例を示す。aは基板の外側の例、bは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、cはカバーの外側の例、dはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、eは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、fはeのA−A'断面拡大図の例、gはeのB−B'断面拡大図の例を示し、hはバイオセンサの使用例を示す。 図7は、本発明に係るバイオセンサの別の一例を示す。aは基板の外側の例、bは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、cはカバーの外側の例、dはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、eは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、fはeのA−A'断面拡大図の例、gはeのB−B'断面拡大図の例を示し、hはバイオセンサの使用例を示す。 図8は、本実施の形態のバイオセンサのカバーのみを除いた場合の構成図の例を示す。ただし、図示したバイオセンサ構成図の視認性を上げるため、図8に示す構成図は全て、スペーサー層の上部に電極が配置されているように示されているが、実際にはスペーサー層が電極の上面を覆っている。そのほか、図9iや図10gに示した構成図も図8のものと同じである。a〜fは順に図1〜図6の場合を示し、また、g〜iは図1〜図6の構造のうち、密閉キャップ部に乾燥剤を内包した構造の場合を順に示す。 図9は、本発明に係るバイオセンサの別の一例を示す。aは基板の外側の例、bは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、cはカバーの外側の例、dはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、eは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、fはeのA−A'断面拡大図の例、gはeのB−B'断面拡大図の例を示し、hはバイオセンサの使用例を示す。iはバイオセンサのカバーのみを除いた場合の構成図の例を示す。 図10は、本発明に係るバイオセンサの別の一例でアレイ状バイオセンサの例を示す。aは基板の外側の例、bは配線パターンを有する基板の貼り合わせ面側の例、cはカバーの外側の例、dはスペーサーを有するカバーの貼り合わせ面側の例、eは基板とカバーとを貼り合わせたバイオセンサの平面図の例、fはバイオセンサの使用例を示す。gはバイオセンサのカバーのみを除いた場合の構成図の例を示す。 図11は、本発明に係るバイオセンサにおいて、保護フィルムによる包装の例を示す。aは脱着可能な粘着剤層と粘着剤層が形成されていない摘み部分からなる保護フィルムによる包装実施例、bはaの使用例、cは一部が強力接着剤などで固定されているaの保護フィルムによる包装実施例、dはcの使用例を示す。 図12は、本発明のバイオセンサにおいて、包装を有しないバイオセンサの例を示す。aおよびcは端子保護カバーを設けたバイオセンサの実施例で、bはカバーと端子保護カバーの間にミシン目が1本ある場合の使用例、dおよびeは端子保護カバーにもミシン目が1本ある場合の使用例で、dは端子保護カバーを捲る例、eは折り畳む例を示す。 図13は、本発明に係るバイオセンサ集合シートであって、包装を有しない連接型バイオセンサの例を示す。 図14は、本発明に係る密閉型の単一項目測定型バイオセンサの操作の一例を示す。aは測定に使用する前のバイオセンサの例、bはバイオセンサをコネクターに接続後、バイオセンサに試料液を導入する例、cは試料液導入後のバイオセンサの例、dは測定後のバイオセンサの例を示す。 図15は、本発明に係る密閉型の単一項目測定型バイオセンサにより全血中のグルコース濃度を測定した結果を示すグラフである。 図16は、本発明に係る密閉型の単一項目測定型バイオセンサの保存安定性を調べた結果を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 カバー
3 スペーサー
4 電極を含むパターン
5 スペーサーの空き部分(試料搬送路)
6 試薬層(反応層)
7 溝
8 端子
9 センサー部
10 密閉キャップ部
11 試料導入口
12 空気排出口
13 試料液
14 離脱部分を示す破線
15 乾燥剤
16 電極
17 配線
18 保護フィルム
19 ピールシール部(粘着剤層)
20 摘み部(非粘着剤層)
21 保護フィルム固着部
22 端子保護カバー
23 ミシン目
24 完全包装型バイオセンサ
25 折れ曲がり部
26 試料導入口となる部分
27 コネクター

Claims (25)

  1. 電気絶縁性の基板と、
    スペーサー層を介して基板と結合する電気絶縁性のカバーと、
    基板とカバーとに挟まれた領域の該基板上に形成された、少なくとも1組の電極を含む反応検出部および反応検出部に導通する外部端子と、
    前記基板とカバーとの間に、スペーサー層により規定された密閉された試料搬送路とを有するバイオセンサであって、
    前記試料搬送路は、電極と交差する部分を有し、
    前記基板及び前記カバーの最外側表面には、電極を含むセンサー部と電極を含まない密閉キャップ部とを境界する切断線が設けられ、
    該切断線に沿って密閉キャップ部を切断したときに、切断面が電極を横断せず、かつ切断面が前記試料搬送路を横断して該切断面に試料搬送路に由来する試料導入口と空気排出口とが露出する位置に、前記切断線が存在することを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記切断線が、溝または切れ目により形成され、該溝または切れ目が、基板とカバーの同位置に対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記基板および前記カバーが少なくともそれぞれ2層以上の多層構造からなり、前記切断線が、該多層構造の少なくとも最内層を残して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記試料搬送路と前記電極とが交差する領域に試薬層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバイオセンサ。
  5. 前記基板とカバーとに挟まれた領域の一部に、乾燥剤および/または脱酸素剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバイオセンサ。
  6. 前記乾燥剤および/または脱酸素剤が、前記密閉キャップ部に含まれることを特徴とする請求項5に記載のバイオセンサ。
  7. 前記基板とカバーとに挟まれた領域の一部に、湿度表示剤および/または酸素検知剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバイオセンサ。
  8. 前記基板および/またはカバーの一部または全体が可視光線に対して透明の材質であり、湿度表示剤および/または酸素検知剤を可視可能であることを特徴とする請求項7に記載のバイオセンサ。
  9. 前記基板および前記カバーが、紫外線非透過物質からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のバイオセンサ。
  10. 前記基板および前記カバーの表面が、紫外線吸収剤または紫外線非透過物質で被覆されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のバイオセンサ。
  11. 前記基板および前記カバーが光触媒作用を有する化合物を含む、または前記基板の表面および前記カバーの表面が光触媒作用を有する化合物を含む被膜で被覆されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバイオセンサ。
  12. 前記露出する試料導入口と空気排出口の近傍のスペーサー層に、蛍光剤または発光剤が含まれる請求項1〜11のいずれかに記載のバイオセンサ。
  13. 前記電極がアレイを形成していることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のバイオセンサ。
  14. 前記アレイを形成しているバイオセンサは、
    該切断線に沿って密閉キャップ部を切断したときに、少なくとも1つの試料導入口が露出し、
    試料導入口と連通する試料搬送路の先には少なくとも一組の電極を含む反応検出部が存在することを特徴とする請求項13に記載のバイオセンサ。
  15. 前記少なくとも1つの試料導入口は、該試料導入口から分岐する少なくとも2本の試料搬送路に連通し、前記試料搬送路の先には少なくとも一組の電極を含む反応検出部が存在する請求項14に記載のバイオセンサ。
  16. 可視光線に対して透明な材質を有する基板および/またはカバーが、保護フィルムで被覆されている、請求項8に記載のバイオセンサ。
  17. 前記外部端子が保護フィルムで被覆されている、請求項1〜16のいずれかに記載のバイオセンサ。
  18. 前記外部端子が前記カバーで被覆され、該カバーは、外部端子が露出するように、折返し可能な折り返し線を有することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のバイオセンサ。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のバイオセンサを複数個収納した、バイオセンサ包装体。
  20. 請求項1〜18に記載のバイオセンサが、複数個、所定の間隔で規則的に配設され、連接したバイオセンサの基板に、切り離し用のミシン目が設けられていることを特徴とするバイオセンサ集合シート。
  21. 請求項1〜18に記載のバイオセンサにおいて、密閉キャップを切断して、試料導入口および空気排出口を形成させることを特徴とするバイオセンサの使用方法。
  22. 以下の工程を含む、請求項1〜18のいずれかに記載のバイオセンサの使用方法;
    (1)バイオセンサの密閉キャップを切断して、試料導入口および空気排出口を開口させる工程、
    (2)開口した試料導入口を、測定対象を含有する溶液に接触させる工程、
    (3)測定対象を含有する溶液を試料搬送路へ導入する工程、および
    (4)測定対象をバイオセンサで測定する工程。
  23. 請求項1〜18のいずれかに記載のバイオセンサと、
    バイオセンサの反応検出部における電気的な値を計測する計測部と、
    前記計測部における計測値を表示する表示部と、
    前記計測値を保存するメモリー部とを備えたバイオセンサ装置。
  24. 前記計測部における計測方法としてポテンシャルステップクロノアンペロメトリー法、クーロメトリー法およびサイクリックボルタンメトリー法のいずれかが用いられる、請求項23に記載のバイオセンサ装置。
  25. さらに、前記バイオセンサが、計測部に計測データを送付する無線手段を備え、該無線手段が非接触型ICカードまたはブルートゥース(登録商標)である、請求項23または24に記載のバイオセンサ装置。
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