JP4399215B2 - 電磁弁 - Google Patents

Description

本発明は、鉄心と固定結合されているコイルと、鉄心に対しコイル長手軸線の方向に可動に支持されているアーマチュアプレートとを備え、アーマチュアプレートに少なくとも１つの第１の流動管路と少なくとも１つの第２の流動管路とが通じており、コイルに電流が流れたときに少なくとも１つの第１の流動管路と少なくとも１つの第２の流動管路との連通が分断される電磁弁に関するものである。

この種の電磁弁は特許文献１から知られている。この電磁弁は、鉄心を内設したコイルを有している。鉄心にはアーマチュアプレートが配置され、アーマチュアプレートは密封こぶを担持している。鉄心は軸線方向の穴を有し、穴はコイルに電流が流れたときに密封こぶによって閉鎖される。鉄心に設けた穴は鉄心内の磁束に悪影響を与える。これにより、アーマチュアプレートを引き寄せるために使用される力が小さくなる。したがって、十分大きな力をアーマチュアプレートに生じさせることができるようにするには、比較的大きなコイルを使用せねばならない。これにより装置全体が大型化する。

ドイツ連邦共和国実用新案登録第２０１０４７７０Ｕ１号

本発明の課題は、部品数を少なくして簡単に製造可能である小型の電磁弁を提供することである。

この課題は、冒頭で述べた種類の電磁弁において、本発明によれば、第１の流動管路がアーマチュアプレートの縁領域においてアーマチュアプレートのコイル側の側面に通じていることによって解決される。

アーマチュアプレートの縁領域に通じている流動管路が磁束に与える影響は少ない。したがってコイルと鉄心は、アーマチュアプレートに十分に大きな力を発生させながらも小型に構成することができる。アーマチュアプレートは唯一の可動部材であるので、わずかな力を必要とするにすぎない。

第２の流動管路がアーマチュアプレートのコイルとは逆の側の側面に通じているのが有利である。電流が流れた場合、第１の流動管路は直接アーマチュアプレートにより閉鎖される。このようにして補助的な密封要素を省略できる。磁気的に好ましい構成としては、第１の流動管路と第２の流動管路とがアーマチュアプレートの周囲に形成した環状隙間を介して連通可能であるのがよい。アーマチュアプレートは、管流用の破断部を有している必要がないのでマッシブなプレートとして構成されていてよい。同時に、所定の間隔が設けられているので、アーマチュアプレートの外周が傾斜するのが避けられる。

電磁弁を簡単に製造できるようにするには、コイルと鉄心とが該コイルと鉄心とに共通のプラスチックから成るケーシングに埋設されているのがよい。したがって補助的な固定手段は必要ない。アーマチュアプレートによる良好な密封を達成するため、ケーシングは、第１の流動管路がアーマチュアプレートの前記側面に通じている領域で、アーマチュアプレートのための当接面を形成し、アーマチュアプレートに対し鉄心は後退している。特にプラスチックから成っているケーシングは、アーマチュアプレートのための密封面を形成する。

好ましい磁束を発生させるため、したがって小型の構成で大きな力を発生させるため、電磁弁は鉄心と一体に形成されたヨークを有している。ヨークは鉄心およびコイルとともに完全にケーシング内に埋設されているのが有利である。第１の流動管路はケーシング内に形成されているのが合目的である。ヨークは第１の流動管路がアーマチュアプレートの前記側面に通じている領域に繰り抜き部を有しているので、流動管路はケーシングを形成しているプラスチックによって完全に取り囲まれている。ヨークとケーシングとの間の密封を阻害しないようにするため、ヨークも当接面に対し後退しているのが合目的である。

十分な流動横断面積を確保するため、ケーシングの周囲に設けた環状管路によって互いに連通している複数個の第１の流動管路が設けられる。複数個の第１の流動管路はコイルの長手軸線のまわりに特に対称に配置されている。復帰力を発生させるため、アーマチュアプレートはコイルから離間する方向へ弾性付勢されている。アーマチュアプレートがばねによって案内されているのが有利である。アーマチュアプレートの軸線方向における可動性は、特にケーシングカバーに形成されているストッパーによって制限されているのが合目的である。

次に、本発明の実施形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図１に図示した電磁弁１はコイル２を有し、コイル２内には鉄心３が配置されている。鉄心３は、コイル２の外周を取り囲んでいるヨーク４と一体に形成されている。コイル２とヨーク４と鉄心３とはケーシング６内に配置され、これらの部材はケーシング６を形成しているプラスチックに埋設されている。ヨーク４は深鍋状に構成されており、ヨーク４の底部３５は鉄心３と結合されている。ヨーク４の底部３５とは逆の側には、アーマチュアプレート５がコイル２の長手軸線２２の方向へ可動に支持されている。

ケーシング６は、ヨーク４の底部３５とは逆の側でケーシングカバー７によって閉鎖されている。ケーシングカバー７には中央にストッパー１４が配置され、ストッパー１４はアーマチュアプレート５の移動をコイル長手軸線２２の方向において制限する。

アーマチュアプーレート５は円板状に構成され、ばね１３によりコイル長手軸線２２に対し同心になるようにケーシング６で支持されている。ケーシング６とアーマチュアプレート５との間には、アーマチュアプレート５の外周に環状隙間１１が形成されている。ケーシング６はアーマチュアプレート５側で当接面２０を形成している。当接面２０には、アーマチュアプレート５の縁領域３２において第１の流動管路８が通じている。第１の流動管路８はたとえば供給部である。この第１の流動管路８はケーシング６内に形成されている。ヨーク４は第１の流動管路８の領域に繰り抜き部１９を有し、その結果第１の流動管路８はケーシング６を形成しているプラスチックによって完全に取り囲まれている。第１の流動管路８を複数個設けて、コイル長手軸線２２に関し対称に配置するのが合目的である。これらの流動管路８はケーシング外周に形成した環状溝１２により互いに流動結合される。環状溝１２はその外周をリングまたはカバー（図示せず）によって閉鎖されている。この場合カバーは、ケーシング６に周回するように形成した溝１５に固定してよい。

鉄心３と鉄心ヨーク４とは当接面２０まで達していてよい。しかし、当接面２０に対し後方へわずかにずれているのが合目的である。これにより、コイル２に電流が流れたときに、アーマチュアプレート５のコイル２側の側面３３がケーシング６で密閉されるよう保証することができる。したがって、ケーシング６に形成された当接面２０は密封面を形成している。

アーマチュアプレート５は、コイル２とは逆の側の側面３４において、蜘蛛の巣状渦巻きばね１３の中央部に固定されている。蜘蛛の巣状渦巻ばね１３は図２の側面図に図示されている。蜘蛛の巣状渦巻きばね１３は周回する縁１６を有しており、縁１６はケーシング６に固定されている。縁１６は回転対称に配置されたアーム１７を介して中央固定部分１８と結合され、この中央固定部分１８にアーマチュアプレート５が固定される。アーム１７は縁１６からスパイラル状に固定部分１８へ延びている。蜘蛛の巣状渦巻きばね１３はアーマチュアプレート５を調心し、案内するとともに、アーマチュアプレート５に対しケーシングカバー７の方向へ復帰力を作用させる。蜘蛛の巣状渦巻きばね１３はアーム１７の間に破断部３６を有している。

電磁弁１は１個または複数個の第１の流動管路８を第２の流動管路９と連通させるために用いる。第２の流動管路９は、図１の実施形態では排出部である。第２の流動管路９はアーマチュアプレート５のコイル２とは逆の側の側面３４に通じており、ケーシングカバー７に設けた破断部１０を介してケーシング外側と連通している。電流を遮断すると、鉄心３とヨーク４とはアーマチュアプレート５に対し力を発生させないので、アーマチュアプレート５は蜘蛛の巣状渦巻きばね１３を介してストッパー１４に対し押圧され、流動管路８は環状隙間１１を介して第２の流動管路９と連通する。コイル２に電流を流すと、コイル２が鉄心３とヨーク４のなかに磁場を発生させるので、磁気的なアーマチュアプレート５が引き寄せられる。このときアーマチュアプレート５はケーシング６の当接面２０に当接し、第１の流動管路８を密封する。

本発明による電磁弁２１の変形実施形態を図３に示す。図１と同一の符号は同一の部材を表わしている。アーマチュアプレート５はコイル圧縮ばね２３を介してケーシング６に対し荷重されている。コイル圧縮ばね２３は片側をアーマチュアプレート５で支持され、他の側をケーシング６で支持されている。この場合コイル圧縮ばね２３は鉄心３とヨーク４との間に支持されている。コイル圧縮ばね２３はアーマチュアプレート５をコイル長手軸線２２の方向へ軸線方向に付勢している。さらに、アーマチュアプレート５の半径方向の位置変化を阻止する処置をとってもよい。アーマチュアプレート５の可動性は、コイル２とは逆の側の側面３４において、ケーシングカバー２５に設けたストッパー２４によって制限されている。ケーシングカバー２５はケーシング６と当接面２０において結合されている。ケーシングカバー２５は中央の開口部３１と破断部３０とを有している。破断部３０はケーシングカバー２５の縁領域に配置されており、第２の流動管路２９を電磁弁２１の外面と連通させている。第２の流動管路２９はケーシング６内のアーマチュアプレート５に通じている。

図４の断面図が示すように、３つの第１の流動管路２６，２７，２８が設けられ、これらの流動管路はコイル長手軸線２２のまわりに対称にそれぞれ１２０゜の角度間隔で配置されている。ヨーク４は第１の流動管路２６，２７，２８の領域に繰り抜き部１９を有している。したがって、第１の流動管路２６，２７，２８は完全にケーシング６内に形成されている。

コイル２の電流を遮断した場合、アーマチュアプレート５は図３に図示した位置にある。第１の流動管路２６，２７，２８は環状隙間１１を介して第２の流動管路２９と連通している。コイル圧縮ばね２３はアーマチュアプレート５をストッパー２４に対して押圧させる。コイル２に電流が流れると、鉄心３とヨーク４とに磁場が発生して、磁気的なアーマチュアプレート５はケーシング６に引き寄せられる。アーマチュアプレート５はコイル圧縮ばね２３の力に抗してケーシング６の当接面２０に押圧される。鉄心３とヨーク４は当接面２０に対してわずかに後方へずれているので、第１の流動管路２６，２７，２８の好適な密封を達成できる。ストッパー２４は、中央の開口部３１を第２の流動管路２９に対しアーマチュアプレート５で密封させるような、周回する縁として形成されていてよい。この場合中央の開口部３１は、第１の流動管路２６，２７，２８が閉じている場合にだけ第２の流動管路２９と連通する。他方ストッパー２４を複数個の個別の***部として構成してもよく、このように構成すると、アーマチュアプレート５がどの位置にあっても第２の流動管路２９は中央の開口部３１と連通する。

本発明による電磁弁の縦断面図である。 図１の線ＩＩ−ＩＩによる断面図である。 本発明による電磁弁の変形実施形態の縦断面図である。 図３の線ＩＶ−ＩＶによる断面図である。

１ 電磁弁
２ コイル
３ 鉄心
４ ヨーク
５ アーマチュアプーレート
６ ケーシング
８ 第１の流動管路
９ 第２の流動管路
１１ 環状隙間
１３ ばね
１４ ストッパー
１９ 繰り抜き部
２０ 当接面
２１ 電磁弁
２２ コイル２の長手軸線
２４ ストッパー
２６，２７，２８ 第１の流動管路
２９ 第２の流動管路
３３ アーマチュアプレートのコイル側側面
３４ アーマチュアプレートのコイルとは逆の側の側面

Claims (14)

1. 鉄心（３）と固定結合されているコイル（２）と、鉄心（３）に対しコイル長手軸線（２２）の方向に可動に支持されているアーマチュアプレート（５）とを備え、アーマチュアプレート（５）に少なくとも１つの第１の流動管路（８；２６，２７，２８）と少なくとも１つの第２の流動管路（９；２９）とが通じており、コイル（２）に電流が流れたときに少なくとも１つの第１の流動管路（８；２６，２７，２８）と少なくとも１つの第２の流動管路（９；２９）との連通が分断される電磁弁において、
   第１の流動管路（８；２６，２７，２８）がアーマチュアプレート（５）の縁領域（３２）においてアーマチュアプレート（５）のコイル（２）側の側面（３３）に通じていることを特徴とする電磁弁。
2. 第２の流動管路（９；２９）がアーマチュアプレート（５）のコイル（２）とは逆の側の側面（３４）に通じていることを特徴とする、請求項１に記載の電磁弁。
3. コイル（２）に電流が流れたときに第１の流動管路（８；２６，２７，２８）がアーマチュアプレート（５）によって閉鎖されていることを特徴とする、請求項１または２に記載の電磁弁。
4. 第１の流動管路（８；２６，２７，２８）と第２の流動管路（９；２９）とがアーマチュアプレート（５）の周囲に形成した環状隙間（１１）を介して連通可能であることを特徴とする、請求項２または３に記載の電磁弁。
5. コイル（２）と鉄心（３）とが、該コイル（２）と鉄心（３）とに共通のプラスチックから成るケーシング（６）内に埋設されていることを特徴とする、請求項１から４でのいずれか一つに記載の電磁弁。
6. ケーシング（６）は、第１の流動管路（８；２６，２７，２８）がアーマチュアプレート（５）の前記側面（３３）に通じている領域で、アーマチュアプレート（５）のための当接面（２０）を形成し、アーマチュアプレート（５）に対し鉄心（３）が後退していることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか一つに記載の電磁弁。
7. 電磁弁（１；２１）が鉄心（３）と一体に形成されたヨーク（４）を有していることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか一つに記載の電磁弁。
8. 第１の流動管路（８；２６，２７，２８）がケーシング（６）内に形成され、ヨーク（４）は、第１の流動管路（８；２６，２７，２８）がアーマチュアプレート（５）の前記側面（３３）に通じている領域に繰り抜き部（１９）を有していることを特徴とする、請求項７に記載の電磁弁。
9. ケーシング（６）の周囲に設けた環状管路（１２）によって互いに連通している複数個の第１の流動管路（８；２６，２７，２８）が設けられていることを特徴とする、請求項５から８でのいずれか一つに記載の電磁弁。
10. 複数個の第１の流動管路（８；２６，２７，２８）がコイル（２）の長手軸線（２２）のまわりに対称に配置されていることを特徴とする、請求項９に記載の電磁弁。
11. アーマチュアプレート（５）がコイル（２）から離間する方向へ弾性付勢されていることを特徴とする、請求項１から１０でのいずれか一つに記載の電磁弁。
12. アーマチュアプレート（５）がばね（１３）によって案内されていることを特徴とする、請求項１１に記載の電磁弁。
13. アーマチュアプレート（５）の軸線方向における可動性がストッパー（１４；２４）によって制限されていることを特徴とする、請求項１から１２でのいずれか一つに記載の電磁弁。
14. ストッパー（１４；２４）がケーシングカバー（７；２５）に形成されていることを特徴とする、請求項１３に記載の電磁弁。

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