JP4398605B2 - 無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物及び硬化皮膜形成用の塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面硬度に優れ、また、耐薬品性、耐候性及び耐汚染性に優れた硬化皮膜を与える新規な無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物及びこれを用いて得られる硬化皮膜形成用の塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車、スチール家具、建材等においては、そのライン塗装においてアルキッドメラミン、アクリルメラミン等のメラミン系塗装剤組成物が用いられているが、これらメラミン系塗装剤組成物にはその焼付け時に発生する臭気の問題や、耐候性、特に酸性雨に侵され易いという問題が指摘されている。
【0003】
また、建築、土木等の分野で一般的に用いられている二液アクリルウレタン系塗装剤組成物には、溶剤を使用する点で問題があるほか、硬化剤として使用するポリイソシアネートには毒性の問題が指摘されており、また、最高の耐候性を持つといわれる常温乾燥型の二液フッ素樹脂系塗装剤組成物にはその硬化初期に汚れや傷等がつき易いという問題がある。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するために、ポリオール等の水酸基を有する樹脂と、アルコキシシリル基含有共重合体と、硬化触媒とを含む熱硬化性樹脂組成物が提案されている(特開平1−141,952号公報)。しかしながら、この熱硬化性樹脂組成物においては、その耐水性や耐薬品性が十分でなくて水や溶剤に侵され易いほか、硬化の際に55〜350℃の加熱を要するという問題がある。
【0005】
また、アルコキシシリル基含有ビニル単量体と脂環式エポキシ基含有ビニル単量体との共重合体にジルコニウムキレート化合物を配合してなる硬化性組成物(例えば、特開昭63−108,049号公報)が提案されているが、硬化性組成物では耐候性や低温硬化性に乏しいという問題がある。
【0006】
ところで、近年、上記の如き有機系の硬化性樹脂組成物における種々の問題を解決し得るものとして、基本骨格にシロキサン結合を持つオルガノポリシロキサンを用いた無機系の硬化性組成物が提案されており、形成された硬化皮膜の表面硬度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等において優れた性能を有することから、耐熱用途のみならず建築用分野においても用いられ始めている。しかしながら、このオルガノポリシロキサンを用いた硬化性組成物は、有機系の硬化性樹脂組成物とは異なり、その架橋密度に起因して、耐脆性、耐クラック性、耐アルカリ性、耐収縮性等の点でその性能が劣り、また、高温硬化が必要である。
【0007】
また、この種のオルガノポリシロキサンを用いた硬化性組成物を始めとして、ほとんどの硬化性組成物は、一般的には溶剤を50〜70重量%程度含むのが普通であり、硬化皮膜を形成した際にその膜厚が薄くて皮膜欠陥の問題を起こし易い。これに対して、エポキシ樹脂やウレタン樹脂には無溶剤液状型のものが存在するが、このような無溶剤液状型のエポキシ樹脂やウレタン樹脂には、その樹脂骨格に起因して耐候性、変色性、耐薬品性等の性能が劣り、このために使用場所が制限されるという問題がある。
【0008】
そして、更に、液状オルガノポリシロキサン、有機金属化合物からなる架橋剤、及び含金属化合物からなる硬化触媒を必須成分とする無溶剤で一液タイプの常温硬化型オルガノポリシロキサン組成物(特開平5-247347公報)が提案されている。しかしながら、この無溶剤一液タイプの常温硬化型オルガノポリシロキサン組成物においては、架橋剤として揮発性モノマーを使用したり、硬化速度を遅延コントロールするためにアルコールを使用する等、実質的には無溶剤とは言い難く、しかも、この種のオルガノポリシロキサンを用いる硬化性組成物においては、解決が困難と考えられている厚塗り時や高濃度有機酸接触時等における硬化後のクラック発生の問題が依然として残されている。
【0009】
すなわち、これまでに提案されている硬化性組成物についてみると、有機系の硬化性樹脂組成物においては、表面硬度、耐熱性、耐汚染性、耐候性及び耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性、耐酸化剤性)において優れており、しかも、常温硬化性を有して実質的に無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物は実用化されておらず、また、無機系の硬化性組成物においては、厚塗り性や耐高濃度有機酸性等に優れていて硬化後のクラック発生の問題がなく、しかも、常温硬化性を有して実質的に無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物は実用化されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、シロキサン結合を有する無機系硬化性組成物の特長を損なうことなく、この種の無機系硬化性組成物において解決困難な問題とされていた硬化後のクラック発生の問題がなく、しかも、常温硬化性を有して実質的に無溶剤で液状型の硬化性樹脂組成物を開発すべく鋭意検討した結果、側鎖に加水分解性アルコキシシリル基を有するビニル重合の繰返し単位Aとシロキサン結合の繰返し単位Bとを同じ分子内に又は異なる分子内に有する硬化性樹脂組成物が実質的に無溶剤で常温常圧下に液状であり、常温で硬化性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0011】
従って、本発明の目的は、臭気や環境汚染等の問題がなく、硬化初期から比較的高い表面硬度を達成することができ、また、シロキサン結合を骨格とする無機系硬化性組成物が有する表面硬度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れているという特長を損なうことがなく、しかも、厚塗り性や耐高濃度有機酸性等にも優れていて硬化後のクラック発生の問題がないほか、常温硬化性を有して実質的に無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0013】
【化5】
【0014】
〔但し、式中、R1は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基を示し、R2は−CO−O−(CH2)x−(但し、xは1〜6の整数である)、−(CH2)x−(但し、xは1〜6の整数である)、又は炭素原子と珪素原子との間の単結合を示し、R3は炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、3つのR3のうちの少なくとも1つはアルコキシ基である〕及び/又は下記一般式(2)
【0015】
【化6】
【0016】
〔但し、式中、R1は水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基を示し、R2は−CO−O−(CH2)x−(但し、xは1〜6の整数である)、−(CH2)x−(但し、xは1〜6の整数である)、又は炭素原子と珪素原子との間の単結合を示し、R3は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、珪素原子からの単結合はシロキサン結合の酸素原子に結合する〕で表わされるビニル重合の繰返し単位Aと、下記一般式(3)
【0017】
【化7】
【0018】
(但し、式中、R4は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコキシ基、アルケニル基、アリール基、水酸基、及び水素原子からなる群から選ばれた置換基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい)で表わされるシロキサン結合の繰返し単位Bとを同じ分子内に、又は、異なる分子内に有し、実質的に無溶剤で常温常圧下に液状であり、下記一般式(4)
【0019】
【化8】
【0020】
(但し、式中、R 4 は置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、水酸基、水素原子、及び、置換又は非置換のアルコキシ基からなる群から選ばれた置換基であり、互いに同じであっても異なっていてもよく、4つのR 4 のうち少なくとも2つは置換又は非置換のアルコキシ基である)で表わされるアルコキシシラン単量体又はその部分加水分解縮合物を、一般式(1)で表わされる側鎖に加水分解性アルコキシシリル基を有するビニル系(共)重合体の一部の存在下に、加水分解縮合させて得られる樹脂混合物と、上記ビニル系(共)重合体の残部とを混合して得られることを特徴とする無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物である。
【0021】
本発明において、一般式(1)で表される側鎖に加水分解性アルコキシシリル基を有するビニル重合の繰返し単位Aは、分子内に加水分解性アルコキシシリル基を有するビニル系単量体の重合によって形成され、具体的には、このビニル系単量体の単独重合、又はこのビニル系単量体と共重合可能な単量体(以下、「共重合性単量体」という)との共重合によって形成される。以下、この一般式(1)で表されるビニル重合の繰返し単位Aを有する重合体を「ビニル系(共)重合体」という。
【0022】
ここで、分子内に加水分解性アルコキシシリル基を有するビニル系単量体としては、分子内に重合性ビニル基と加水分解性アルコキシシリル基とを有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、下記のものを好適なものとして例示することができ、これらのビニル系単量体はその1種を単独で用いることも、また、2種以上を混合して用いることもできる。
【0023】
CH2=CH−Si(OCH3)3、CH2=CH−Si(OC2H5)3、CH2=CH−Si(CH3)(OCH3)2、CH2=CH−Si(CH3)(OC2H5)2、CH2=CH−Si(OC2H4OCH3)3、CH2=CH−Si[OCH(CH3)2]3、CH2=CH−Si(OCOCH3)3、CH2=CHCOO(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=CHCOO(CH2)3−Si(CH3)(OCH3)2、CH2=CHCOO(CH2)3−Si(OC2H5)3、CH2=CHCOO(CH2)3−Si(CH3)(OC2H5)2、CH2=C(CH3)COO(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=C(CH3)COO(CH2)3−Si(CH3)(OCH3)2、CH2=C(CH3)COO(CH2)3−Si(OC2H5)3、CH2=C(CH3)COO(CH2)3−Si(CH3)(OC2H5)2
【0024】
また、上記ビニル系単量体と共重合可能な共重合性単量体としては、このビニル系単量体と共重合可能であれば特に制限されるものではなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等C1〜C18のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類や、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の官能基含有(メタ)アクリレート類や、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の含フッ素(メタ)アクリレート類や、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類や、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミン類や、更には(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びその無水物等や、更にまた、スチレン及びその誘導体、ビニルエステル、ビニルエーテル類等の重合性単量体を挙げることができる。
【0025】
上記ビニル系単量体と共重合性単量体とを共重合させる場合、ビニル系単量体の使用割合は、使用する全体の単量体のモル数に対して、通常0.5〜80mol%、好ましくは5〜40mol%、より好ましくは10〜20mol%の範囲であるのがよい。このビニル系単量体の使用割合が上記範囲より少ないと結果として得られた硬化皮膜に濁りが生じ易く、反対に、上記範囲より多くなりすぎると合成時におけるゲル化の原因や、硬化時における収縮の原因になる。
【0026】
また、上記ビニル系単量体の単独重合、又はビニル系単量体と共重合性単量体との共重合を行う重合方法については、その単独重合又は共重合〔以下、「(共)重合」という〕が可能であれば特に制限はないが、好適には、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤や、t−ブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物系開始剤を用い、常圧又は減圧下で沸点140℃以下の非エステル系溶剤の存在下に行うラジカル溶液重合を挙げることができる。このように(共)重合反応の溶剤として実質的に水を含まない低沸点有機溶剤を用いることにより、(共)重合時のゲル化を防止できると共に、引き続いて行われる加水分解工程や、最終的に行われる脱溶媒工程を有利に行うことができる。
【0027】
また、本発明において、一般式(2)で表されるビニル重合の繰返し単位Aは、上記ビニル系(共)重合体と、アルコキシシラン単量体、このアルコキシシラン単量体の部分加水分解縮合物、及び上記一般式(1)で表される側鎖に加水分解性アルコキシシリル基を有するビニル重合の繰返し単位Aを有するビニル系(共)重合体から選ばれた1種又は2種以上とを縮合させて得られる繰返し単位であり、更に、一般式(3)で表されるシロキサン結合の繰返し単位Bは、アルコキシシラン単量体及び/又はその部分加水分解縮合物を縮合させて得られる繰返し単位である。
【0028】
本発明の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物は、同じ分子内に、又は、異なる分子内に上記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表わされたビニル重合の繰返し単位Aと上記一般式(3)で表わされたシロキサン結合の繰返し単位Bとを有する硬化性樹脂組成物であり、以下に示す方法により製造される。
【0029】
すなわち、本発明においては、先ず始めに、側鎖に加水分解性アルコキシシリル基を有するビニル系(共)重合体の一部の存在下に、上記一般式(4)で表わされるアルコキシシラン単量体又はその部分加水分解縮合物を加水分解縮合させて樹脂混合物を製造し、次いで得られた樹脂混合物に上記ビニル系(共)重合体の残部を混合して調製する。
【0030】
ここで、上記一般式(4)で表されるアルコキシシラン単量体としては、特に制限はなく、その代表的なものを例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン等が挙げられ、反応性、相溶性、耐薬品性等の観点から、好ましくはメチルトリメトキシシラン、又はフェニルトリメトキシシランである。これらアルコキシシラン単量体は単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
上記アルコキシシラン単量体又はその部分加水分解縮合物を、上記ビニル系(共)重合体の一部又は全部の存在下に若しくはこのビニル系(共)重合体の存在無しに、加水分解縮合させてシロキサン結合の繰返し単位Bを形成せしめる加水分解縮合反応において、使用する溶剤としては、非反応性溶剤であれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類や、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコーン類や、トルエン、キシレン、n−ヘキサン等の炭化水素類や、MEK、MIBK等のケトン類等を挙げることができ、好ましくは最終的に行われる脱溶媒工程を考慮して、常圧又は減圧下で沸点140℃以下の非エステル系溶剤である。使用する溶剤の沸点が常圧又は減圧下で140℃を超えると、脱溶媒工程でビニル重合の繰返し単位Aが解重合を引き起こす虞があり、また、エステル系溶剤を用いた場合には、この溶剤のエステル結合が加水分解縮合反応時に加水分解を受け、添加した水が消費されてアルコキシシラン単量体の加水分解が不充分になり、分子量が低下するという問題を引き起こす虞があるからである。なお、この際に、加水分解により生成するアルコールの種類や、後の溶媒回収と再利用等を考慮して使用する溶剤の種類を選択することにより、工業的により効率良く加水分解縮合反応を行うことができる。
【0032】
また、上記加水分解縮合反応のために添加する水の量については、特に制限はないが、アルコキシシラン単量体総モル数の0.3〜5.0倍モル、好ましくは0.6〜3.0倍モル、より好ましくは0.8〜1.5倍モルの範囲で選択するのがよい。水の添加量が理論量の5.0倍モルを超えるとゲル化したり、あるいは、得られた硬化性樹脂組成物が常温常圧で液体の状態にならなくなり、反対に、水の添加量が理論量の0.3倍モルより少ないと比較的多量の単量体が残存し、皮膜形成時の収縮が大きくなり、クラック発生の原因になる。
【0033】
更に、この加水分解縮合反応を促進させるために、反応系に触媒を添加してもよい。この触媒としては、例えば、塩酸、燐酸、燐酸エステル、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、蓚酸等の無機・有機酸、イオン交換樹脂等の固体触媒(オルガノ社製アンバーライト等)、有機金属化合物(Alアルコキサイド、Alキレート化合物、Zrキレート化合物、Tiキレート化合物等)等を挙げることができる。
【0034】
また、シロキサン結合の繰返し単位Bの大きさ(分子量)は、使用する触媒の種類や配合量、添加する水の配合量、反応時間、反応温度等を調整することによって任意に調整することができる。そして、この加水分解縮合反応において使用した反応溶剤や反応副生物のアルコールは、反応生成物を常圧又は減圧下に140℃以下の温度、好ましくは110〜135℃に加熱することにより容易に分離除去することができる。
【0035】
ここで、本発明の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物において、ビニル重合の繰返し単位Aとシロキサン結合の繰返し単位Bの存在割合は、繰返し単位Aが通常0.5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%であって、繰返し単位Bが99.5〜50重量%、好ましくは95〜70重量%、より好ましくは90〜80重量%であるのがよい。上記繰返し単位Aの存在割合が50重量%を超えると、硬化性樹脂組成物の粘度が上昇して液状型を維持し得なくなり、また、結果として得られる硬化皮膜においてポリシロキサンマトリックスが形成され難くなる。反対に、この繰返し単位Aの存在割合が0.5重量%より少ないと、硬化性、耐アルカリ性、可撓性が劣り、収縮クラックの抑制が困難になり、本発明の目的を達成する目的物を得ることができなくなる。
【0036】
本発明の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物は、この組成物中に存在する加水分解性アルコキシシリル基の加水分解縮合により、それ自体で、有機骨格と無機骨格とが相互貫入構造(Interpenetrating polymer network)をとりながら常温で架橋して硬化し、表面硬度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れていると共に、厚塗り性や耐高濃度有機酸性等にも優れていて硬化後のクラック発生の問題がないガラス状の硬化皮膜を形成する性質を有し、建築、土木、金属、プラスチック等の広範な用途に用いることができる。
【0037】
また、本発明の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物を硬化皮膜形成用の塗料組成物として用いるためには、好ましくはこの硬化性樹脂組成物中の加水分解性アルコキシシリル基の加水分解縮合反応(すなわち、硬化反応)を促進するために、縮合触媒(硬化触媒)を添加する。
【0038】
この目的で用いられる縮合触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート等の有機錫化合物、チタン、ジルコニウム等の有機金属アルコラート類若しくは有機金属キレート類、燐酸又は燐酸エステル類、酸性燐酸エステルとアミンの反応物、エポキシ化合物と燐酸及びモノ酸性燐酸エステルとの付加物、有機アミンのカルボン酸塩、各種アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコラート、各種オニウム塩、ホスフィン類、アミン、アミジン、グアニジン類が挙げられる。これら縮合触媒の使用量は、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲であり、0.01重量%より少ないと硬化性が充分に発揮されない場合があって硬化不良を引き起こす場合があり、反対に、5重量%より多く添加すると著しく使用可能時間を短くしてしまい、現実的でない。
【0039】
本発明の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物は、それ自体で架橋して硬化し、硬化後のクラック発生の問題がないガラス状の硬化皮膜を形成する性質を有するので、用途に応じて、顔料、紫外線吸収剤、撥水剤、沈降防止剤、レベリング剤等の添加剤や、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂や、可塑剤等の第三成分を配合することができる。
【0040】
そして、本発明の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物及びこの硬化性樹脂組成物を用いて調製した硬化皮膜形成用の塗料組成物は、その塗装方法について刷毛塗り、スプレー塗装、ロール塗装等の常用の方法を採用することができ、また、その硬化方法として常温硬化から加熱硬化まで適宜の方法を採用することができ、建築、土木、金属、プラスチック等の分野で広範な用途に用いることができ、表面硬度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れているだけでなく、厚塗り性や耐高濃度有機酸性等にも優れていて硬化後のクラック発生の問題のない硬化皮膜を与える。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、合成例、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0042】
合成例1〜5〔繰返し単位Aを有するビニル系(共)重合体の調製〕
テフロン(登録商標)コートされた攪拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルのガラス製四つ口反応容器に、表1に示す脱水処理したメタノール又はトルエンを仕込み、乾燥窒素ガスを導入しながら表1に示す反応温度まで昇温させ、恒温となった後に反応容器内にメタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸n−ブチル(BMA)、アクリル酸エチル(EA)、スチレン(SM)、アクリル酸n−ブチル(BA)、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製商品名:KBM502)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名:KBM503)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製商品名:V−65)、及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業社製商品名:V−59)から選ばれた表1に示す成分の混合物を3時間かけて等速度で滴下し、滴下終了後、更に2時間表1に示す反応温度に保ってメタノール、トルエン、V−65、及びV−59から選ばれた表1に示す成分の混合物を滴下し、次いで3時間熟成させて冷却し、本発明のビニル系(共)重合体を得た。
【0043】
得られたビニル系(共)重合体の性状、加熱残分(JIS K5407に準拠)、粘度(JIS K5400に準拠)、及び数平均分子量(GPC法)を、原料組成及び反応温度と共に、表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
また、合成例1で得られたビニル系(共)重合体について、その分子量分布、FT−IR、プロトンNMR、及び動的粘弾性を測定した結果を図1〜4に示す。
【0046】
ここで、分子量分布は、高速GPC装置(東ソー社製:HLC−8120GPC)を用い、カラムとしてTSKgel SUPER HM−H×2本+TSKgel SUPER H2000×1本を用い、測定温度:40℃、流速:0.6ml/min.、溶媒:THF、サンプル濃度:1%、Injection:20μl、検量線:標準ポリスチレン検量線、示差屈折テーター(RI)の条件で測定した。
【0047】
また、FT−IRについては、IR測定装置(日本分光社製:FT/IR−300E)を用い、KBr−薄膜透過法により測定した。更に、プロトンNMRについては、NMR測定装置(日本電子社製:JNM−400)を用い、温度:室温、溶媒:CDCl3、サンプル濃度:1.3%、NMRチューブ:5mmの条件で測定した。
【0048】
そして、動的粘弾性については、ソリッドアナライザー(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製:RSA−II)を用い、また、20milアプリケーター塗布した後に室温で7日間乾燥したサンプルを用い、周波数:1Hz、温度範囲:−60〜160℃、昇温速度:5℃/分、及びSTRAIN:0.15%の条件で測定した。
【0049】
合成例6〜11〔繰返し単位A及びBを有する硬化性樹脂組成物の調製〕
テフロンコートされた攪拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルのガラス製四つ口反応容器に、表2に示すように、合成例1〜5で得られたビニル系(共)重合体とメチルトリメトキシシラン(MTMS)及びフェニルトリメトキシシラン(PTMS)とを仕込み、乾燥窒素ガスを導入しながら35℃で均一になるまで攪拌した。
【0050】
その後、反応容器中に、2wt%希塩酸、蒸留水、及びメタノールの混合物を40℃以下の温度に維持しながら1時間かけて滴下し、滴下終了30分後にガスクロマトグラフィーでモノマーが完全に消失しているのを確認した後、反応容器内に固形フェニルアルキル型シリコーン中間体(東レダウコーニングシリコーン社製商品名:SH6018)を添加して完全に溶解せしめ、更に触媒であるアルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)の76wt%イソプロピルアルコール溶液(川研ファインプロダクツ社製商品名:アルミキレ−トD)をメタノールで希釈して添加し、30分かけて昇温させて還流状態で3時間反応させた。この時の沸点は65〜68℃であった。
【0051】
その後、還流冷却器を脱水コンデンサーに交換し、温度が135℃になるまで加熱し、2時間かけて反応系内の溶媒を留去し、次いで冷却して、淡黄色透明粘稠性液体である硬化性樹脂組成物を得た。上記脱溶媒工程では溶媒のほぼ理論量を留去することができ、また、得られた硬化性樹脂組成物のガスクロマトグラフィー分析の結果から、揮発成分は検出されなかった。
【0052】
得られた硬化性樹脂組成物の性状、揮発分(GC法)、粘度(JIS K5400に準拠)、及び数平均分子量(GPC法)を、原料組成と共に、表2に示す。また、合成例6で得られた硬化性樹脂組成物の分子量分布、FT−IR、プロトンNMR、及び動的粘弾性を上記塗同様の条件で測定した結果を図5〜8に示す。
【0053】
合成例12〔繰返し単位Bを有するオルガノポリシロキサンの調製〕
合成例1〜5のビニル系(共)重合体を用いなかった以外は、上記合成例6〜11の場合と同様にして、オルガノポリシロキサンを合成した。得られた硬化性樹脂組成物の性状、揮発分(GC法)、粘度(JIS K5400に準拠)、及び数平均分子量(GPC法)を、原料組成と共に、表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
実施例1〜5及び比較例1〜6
合成例6〜11で得られた繰返し単位A及びBを有する硬化性樹脂組成物、合成例12で得られたオルガノポリシロキサン、アクリルポリオール(大日本インキ化学工業社製商品名:アクリディクA801)、無溶剤液状ストレートシリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン社製商品名:SR2402)、無溶剤液状ストレートシリコーン樹脂(信越化学工業社製商品名:X40−9225)、ジブチルスズジアセテート(日東化成社製商品名:ネオスタンU200)、及びポリイソシアネート(旭化成工業社製商品名:デュラネートTHA100)を表3に示す配合割合で配合し、均一になるまで混合して実施例1〜5及び比較例1〜6の硬化皮膜形成用の塗料組成物を調製した。
【0056】
実施例6
合成例1で得られた繰返し単位Aを有するビニル系共重合体を温度60℃及び圧力70cmHgの条件でエバポレーターにかけ、このビニル系共重合体中の溶剤(メタノール)を留去し、次いで得られた合成例1の脱溶剤物、合成例6及び12の硬化性樹脂組成物、及びジブチルスズジアセテート(ネオスタンU200)を表3に示す配合割合で配合し、均一になるまで混合して実施例6の硬化皮膜形成用の塗料組成物を調製した。
【0057】
得られた実施例1〜6及び比較例1〜6の塗料組成物を、アプリケーターを用いてボンデライト鋼鈑上に塗布し、次いで常温で7日間乾燥・硬化させ、硬化皮膜の外観、表面硬度(1日後及び7日後)、耐薬品性、長期耐水性、耐高濃度有機酸性、厚塗り性、動的粘弾性E’保持率、耐候性、及び耐焼付けクラック性を調べると共に、MIBKラビング試験、及び煮沸試験を行った。なお、厚塗り性の評価の際には10milアプリケーターを使用し、動的粘弾性E’の評価の際には20milアプリケーターを使用し、また、その他の物性の評価の際には5milアプリケーターを使用した。各性能試験の試験方法は下記の通りであり、また、その結果を塗料組成と共に表3に示す。
【0058】
〔外観〕
硬化皮膜の外観を目視で観察し、○:良好、△:普通、及び×:不良の3段階で評価した。
〔表面硬度〕
JIS K5400に準拠して、1日後及び7日後の硬化皮膜の表面硬度を測定した。
【0059】
〔耐薬品性〕
NaOH、H2SO4、及びHNO3の10wt%水溶液、並びに主成分がトリクロルイソシアヌール酸の殺菌剤 (日産化学工業社製商品名:ハイライト90)の飽和水溶液を用意し、これらの薬液の数滴を硬化皮膜上にスポットし、蓋を被せて48時間放置し、その後に薬液を拭き取ってこの拭き取り後の痕跡を調べ、○:異常なし、△:スポット跡がやや艶引けし、少々白化を起こしている、及び×:完全に艶引けし、白化あるいはブリスター、膨れ、又はクラックが発生している、の3段階で評価した。
【0060】
〔長期耐水性〕
室温で7日乾燥・硬化させた硬化皮膜を7日間蒸留水に浸漬し、次いで水を拭き取った後の痕跡を調べ、○:異常なし、△:浸水部がやや艶引けし、少々白化を起こしている、及び×:完全に艶引けし、白化あるいはブリスター、膨れ、又はクラックが発生している、の3段階で評価した。
【0061】
〔耐高濃度有機酸性〕
50wt%酢酸水溶液を脱脂綿に十分染みこませ、この脱脂綿を硬化皮膜上に載置し、その上を蓋で覆って24時間放置し、その後に酢酸水溶液を拭き取ってその痕跡を調べ、○:異常なし、△:スポット跡がやや艶引けし、少々白化を起こしている、及び×:完全に艶引けし、白化あるいはブリスター、膨れ、又はクラックが発生している、の3段階で評価した。
【0062】
〔MIBKラビング試験〕
新しいティッシュペーパーにMIBKを染み込ませ、このティシュペーパーで硬化皮膜の表面を往復100回擦り、その後の表面状態を観察し、○:異常なし、△:擦り傷が残る、及び×:軟化あるいはリフティングを起し、場合により溶解する、の3段階で評価した。
【0063】
〔厚塗り性〕
10milアプリケーターで塗布した硬化皮膜を7日間45℃に保って硬化させ、その後の硬化皮膜の表面状態を観察し、○:異常なし、△:一部に皺、クラック、割れ、及び/又は剥れが生じている、×:硬化皮膜の全面に皺、クラック、割れ、及び/又は剥れが生じている、の3段階で評価した。
【0064】
〔動的粘弾性E’保持率〕
ソリッドアナライザー(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製RSA−II)を用い、周波数1Hz、温度範囲−50〜150℃(Tgをカバーできる温度領域)、昇温速度5℃/分、STRAIN:0.15%の測定条件でガラス転移点(Tg)前後の物性変化を調べ、下記の計算式
E’保持率(%)={(150℃での貯蔵弾性率)/(-50℃での貯蔵弾性率)}×100
によりE’保持率(%)を求めた。
【0065】
〔耐候性〕
耐候性試験機(アトラス社製UVCON UC−1型)を用い、1200時間暴露した後、硬化皮膜の表面を目視で観察し、○:異常なし、△:艶引け、水垢等による汚れが認められる、×:著しいチョーキング及び/又はクラックが発生している、の3段階で評価した。
【0066】
〔煮沸試験〕
実施例1、2及び6並びに比較例1、2、5及び6の各塗料組成物について、表面に硬化皮膜を有するボンデライト鋼板をホーロー製容器内に立設し、更にこの容器内に蒸留水をボンデライト鋼板の半分の高さまで満たし、アルミホイルで蓋をして2時間沸騰させ、次いでボンデライト鋼板を取り出して室温まで急冷させ、その表面の硬化皮膜を観察し、○:異常なし、△:部分的に白化、艶引け等が残る、×:浸漬部全面が白化、艶引け、及び/又はクラックが発生している、の3段階で評価した。
【0067】
〔耐焼付けクラック性〕
実施例1、2及び6と比較例1、2、5及び6の塗料組成物を、5milアプリケーターを用いてボンデライト鋼鈑上に塗布し、室温で24時間乾燥した後、150℃で30分間焼付け処理し、次いで室温まで急冷し、得られた硬化皮膜の状態を○:異常なし、△:一部にクラックや剥れが認められる、×:全面にクラックや剥れが認められる、の3段階で評価した。
【0068】
【表3】
【0069】
実施例7〜10及び比較例7〜9
合成例6又は8で得られた繰返し単位A及びBを有する硬化性樹脂組成物、SR2402、溶剤型フェニルメチルシリコーン樹脂(トルエン40wt%含有)(東レダウコーニングシリコーン社製商品名:SH804)、ネオスタンU200、及びエポキシトナー(赤錆色)(大日精化工業社製商品名:ベースカラーブラウン3C701)を表4に示す割合で配合し、均一になるまで混合して実施例7〜10及び比較例7〜9の硬化皮膜形成用の塗料組成物を調製した。
【0070】
得られた実施例7〜10及び比較例7〜9の塗料組成物を、5milアプリケーターを用いてボンデライト鋼鈑上に塗布し、次いで150℃で30分間焼付け処理して硬化させ、得られた硬化皮膜の表面硬度、動的粘弾性E’保持率、耐候性、及び耐焼付けクラック性を調べると共に、MIBKラビング試験及び煮沸試験を行った。なお、上記煮沸試験においては、試験直後の硬化皮膜の表面硬度を測定した。表面硬度、MIBKラビング試験、動的粘弾性E’保持率、耐候性、及び煮沸試験の各性能試験の試験方法は上記実施例1〜6の場合と同様であり、また、その結果を塗料組成と共に表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
【発明の効果】
本発明の硬化被膜を形成する無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物は、臭気や環境汚染等の問題がなく、硬化初期から比較的高い表面硬度を達成することができ、しかも、表面硬度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れているほか、厚塗り性や耐高濃度有機酸性等にも優れていて硬化後のクラック発生の問題がなく、種々のコーティング材、とりわけ耐酸性、耐熱用途、ハードコーティング用途等の硬化皮膜を形成する塗料組成物として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、合成例1で得られたビニル系(共)重合体の分子量分布の測定結果を示すグラフ図である。
【図2】 図2は、合成例1で得られたビニル系(共)重合体のFT−IRの測定結果を示すグラフ図である。
【図3】 図3は、合成例1で得られたビニル系(共)重合体のプロトンNMRの測定結果を示すグラフ図である。
【図4】 図4は、合成例1で得られたビニル系(共)重合体の動的粘弾性の測定結果を示すグラフ図である。
【図5】 図5は、合成例6で得られた硬化性樹脂組成物の分子量分布の測定結果を示すグラフ図である。
【図6】 図6は、合成例6で得られた硬化性樹脂組成物のFT−IRの測定結果を示すグラフ図である。
【図7】 図7は、合成例6で得られた硬化性樹脂組成物のプロトンNMRの測定結果を示すグラフ図である。
【図8】 図8は、合成例6で得られた硬化性樹脂組成物の動的粘弾性の測定結果を示すグラフ図である。
Claims (4)
- 下記一般式(1)
- ビニル重合の繰返し単位Aとシロキサン結合の繰返し単位Bとの存在割合は、繰返し単位Aが0.5〜50重量%であって繰返し単位Bが50〜99.5重量%である請求項1に記載の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の無溶剤液状型の硬化性樹脂組成物と、シロキサン結合の形成のための触媒作用を有する縮合触媒とを必須成分として含み、実質的に無溶剤で常温常圧下に液状であることを特徴とする硬化皮膜形成用の塗料組成物。
- 形成される硬化皮膜が実質的に透明である請求項3に記載の硬化皮膜形成用の塗料組成物。
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