JP4398483B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

この発明は、スパークプラグに関する。
自動車用ガソリンエンジンなどの内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグにおいては、近年、エンジンの高性能化に伴いエンジンヘッドの構造も複雑化し、スパークプラグの取付けスペースも減少しているため、小型化への要求が喧しくなっている。スパークプラグの小型化は、すなわちエンジンヘッドへの取付部が形成された主体金具の小径化を意味するが、その内側に挿通される絶縁体は、耐電圧確保のため、むやみに小径化することができない。
ここで、スパークプラグの絶縁体は、先端側が段部により縮径されるとともに、主体金具の内周面に形成された凸条部に該段部を係合させる形にて組み付けられている。従って、このような構造において、主体金具の小径化を図る場合、絶縁体の外径縮小には限界があるので、主体金具側の上記凸条部の内周面と、これに対向する絶縁体外周面との隙間を縮小させる方法が採用される。
ところが、上記の隙間が小さくなると、スパークプラグの耐汚損性が悪化する問題がある。すなわち、スパークプラグは、電極温度が450℃以下の低温環境で使用されると未燃ガスが多く発生する。例えばプレデリバリ時のように、こうした未燃ガス発生状況が長時間続くと、絶縁体がいわゆる「燻り」や「かぶり」の状態となり、表面がカーボンなどの導電性物質で汚損して作動不良が生じやすくなる。特に、未燃ガスの侵入により上記隙間内にて絶縁体表面が汚損すると、該隙間で火花放電が生じ、正常な着火が不能となる。
本発明の課題は、耐汚損性を損ねることなく小型化を図るのに好適な構造を有したスパークプラグを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体と、絶縁体の外側に設けられた筒状の主体金具と、一端側が主体金具に結合され、他端側が中心電極の先端と対向するように配置されて中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備え、
絶縁体の軸線方向において火花放電ギャップの位置する側を前方側、これと反対側を後方側として、絶縁体は、前端部が周方向の段部により縮径されて該段部が絶縁体側係合部とされ、主体金具に対し後方側開口部から挿入されるとともに、絶縁体側係合部が主体金具の内周面から突出する金具側係合部と係合し、かつ、絶縁体の絶縁体側係合部よりも前方側に位置する部分の外周面(隙間形成外周面)が略同軸的な円筒面状とされ、かつ、金具側係合部の内周面(隙間形成内周面)と、所定量の係合位置隙間を形成する形にて対向するとともに、隙間形成外周面の外径をd1、隙間形成内周面の内径をD1として、
β=(D1−d1)/2 ‥‥(1)
にて表される係合位置隙間量βが0.4mm以下に調整されていることを特徴とする。
なお、隙間形成外周面の外径d1と隙間形成内周面の内径D1との径差D1−d1が軸線方向の位置によって異なる場合は、係合位置隙間量βは、該径差が最小となる位置での値により代表させるものとする。また、金具側係合部は例えば環状の凸条部とすることができるが、係合部としての機能を果たすことができれば形態はこれに限定されない。
前述の通り、スパークプラグの耐電圧特性を損ねることなく主体金具の外径を縮小しようとすると、絶縁体の肉厚をそれほど減少させることができないから、上記の係合位置隙間量βを小さくせざるを得ない。しかしながら、従来は、汚損時にこの隙間にて飛火することを極力避けるため、該βの値は可及的に大きく設定することが一つの技術常識として定着していた。従って、スパークプラグ小型化の要請により係合位置隙間量βを縮小することは、汚損時の飛火防止の観点からは一つのジレンマであると考えられていたのである。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、係合位置隙間量βを中途半端に大きく設定するのではなく、むしろある境界を超えて積極的に縮小すると、意外にも耐汚損性が顕著に向上し、汚損時に該係合位置隙間にて飛火する不具合を効果的に防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的には、上記係合位置隙間量βを0.4mm以下に調整することで、係合位置隙間への未燃ガスの侵入を確実にブロックすることができ、該係合位置隙間内において絶縁体表面が汚損することを防止できる。その結果、耐汚損性を損ねることなく、スパークプラグの小型化を有効に図ることができる。
係合位置隙間量βが0.4mmを超えると未燃ガスの侵入を食い止めることが困難となり、係合位置隙間内における絶縁体表面の汚損を防止できなくなる。なお、係合位置隙間量βが極端に小さくなると、係合位置隙間内への汚損物質の侵入は生じないが、係合位置隙間から前方側に延びる絶縁体表面に汚損物質が付着した場合に、その汚損物質の堆積層が、係合位置隙間を挟んで反対側に位置する主体金具側係合部と接触して短絡を生じやすくなり、着火性が却って損なわれる場合がある。この点を考慮して、係合位置隙間量βは例えば0.05mm以上確保すること、より望ましくは0.2mm以上確保することが望ましい。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100を示す。図1は全体の縦断面図であり、図2はその先端側要部を拡大して示す図である。該スパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端部3eを突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、図2に示すように、接地電極4と中心電極3との間には、間隔αの火花放電ギャップgが形成されている。接地電極4及び中心電極3の本体部3aはNi合金等で構成されている。また、中心電極3の本体部3aの内部には、放熱促進のためにCuあるいはCu合金等で構成された芯材3bが埋設されている。
主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるための取付ねじ部7が形成されている。なお、1eは、主体金具1を取り付ける際に、スパナやレンチ等の工具を係合させる工具係合部であり、六角状の軸断面形状を有している。また、絶縁体2は、全体がアルミナ系セラミック焼結体として構成され、軸線方向Oに沿って貫通孔6が形成されており、その一方の端部側に端子金具13が固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が固定されている。また、該貫通孔6内において端子金具13と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。これら抵抗体15と導電性ガラスシール層16,17とが焼結導電材料部を構成している。なお、抵抗体15は、ガラス粉末と導電材料粉末(及び必要に応じてガラス以外のセラミック粉末)との混合粉末を原料とする抵抗体組成物で構成される。
絶縁体2の軸方向中間には、周方向外向きに突出する突出部2eが例えばフランジ状に形成されている。そして、絶縁体2には、軸線方向Oにおいて、中心電極3の先端部3e(つまり火花放電ギャップg)に向かう側を前方側として、該突出部2eよりも後方側がこれよりも細径に形成された本体部2bとされている。一方、突出部2eの前方側にはこれよりも細径の第一軸部2gと、その第一軸部2gよりもさらに細径の第二軸部2iがこの順序で形成されている。なお、本体部2bの外周面後端部にコルゲーション部を形成してもよい。
他方、中心電極3の軸断面径は抵抗体15の軸断面径よりも小さく設定されている。そして、絶縁体2の貫通孔6は、中心電極3を挿通させる略円筒状の第一部分6aと、その第一部分6aの後方側(図面上方側)においてこれよりも大径に形成される略円筒状の第二部分6bとを有する。端子金具13と抵抗体15とは第二部分6b内に収容され、中心電極3は第一部分6a内に挿通される。中心電極3の後端部には、その外周面から外向きに突出して電極固定用凸部3cが形成されている。そして、上記貫通孔6の第一部分6aと第二部分6bとは、図2の第一軸部2g内において互いに接続しており、その接続位置には、中心電極3の電極固定用凸部3cを受けるための凸部受け面6cがテーパ面あるいはアール面状に形成されている。
絶縁体2は、主体金具1に対し後方側開口部から挿入されるとともに、第一軸部2gと第二軸部2iとの接続部が周方向の段部とされ、該段部が絶縁体側係合部2hとして、主体金具1の内面に形成された金具側係合部としての周方向の環状の凸条部1cと、リング状の板パッキン63を介して係合することにより、軸方向の抜止めがなされている。他方、主体金具1の後方側開口部内面と、絶縁体2の外面との間には、フランジ状の突出部2eの後方側周縁と係合するリング状の線パッキン62が配置され、そのさらに後方側にはタルク等の充填層61を介してリング状の線パッキン60が配置されている。そして、絶縁体2を主体金具1に向けて前方側に押し込み、その状態で主体金具1の開口縁をパッキン60に向けて内側に加締めることにより加締め部1dが形成され、主体金具1が絶縁体2に対して固定されている。
図2に示すように、絶縁体の絶縁体側係合部2hよりも前方側に位置する部分、ここでは、第二軸部2iの基端部外周面(隙間形成外周面)2kが、金具側係合部たる凸条部1cの内周面(隙間形成内周面)52と、所定量の係合位置隙間Qを形成する形にて対向している。そして、隙間形成外周面2kの外径をd1、隙間形成内周面52の内径をD1として、
β=(D1−d1)/2(前記(1)式)
にて表される係合位置隙間量βが0.4mm以下(望ましくは0.05mm以上)に調整されている。
上記係合位置隙間量βを0.4mm以下に調整することで、例えばプレデリバリ時等の汚損の生じやすい使用環境下においても、係合位置隙間Qへの未燃ガスの侵入を確実にブロックすることができ、該係合位置隙間Q内において絶縁体2の表面(隙間形成外周面2k)が汚損することを防止できる。その結果、耐汚損性を損ねることなく、スパークプラグ100の小型化を有効に図ることができる。例えば、主体金具1の前端側外周面に形成される取付ねじ部7の呼びをM12以下に縮小しても耐汚損性を良好に保持できる。具体的には、取付ねじ部7は、具体的にはM12あるいはM10等の値を採用できる(本明細書において取付ねじ部の呼びは、ISO2705(M12)及びISO2704(M10)に規定された値を意味し、当然に、該規格に定められた寸法公差の範囲内での変動を許容する)。本発明によると、該係合位置隙間Qが0.4mm以下と、従来のスパークプラグよりも小さい値に設定されるから、取付ねじ部7の寸法を縮小した場合も、主体金具側係合部との係合位置における絶縁体2の肉厚をそれほど小さくしなくて済む。従って、係合位置隙間Qの縮小により耐汚損性が向上するとともに、絶縁体2の耐電圧特性も良好に維持できる。
なお、本実施形態では、第一軸部2gの外周面は略円筒状とされ、他方、隙間形成外周面2kをなす第二軸部2iの基端部の外周面は、軸線方向Oにおいて、係合位置隙間Qが略一定(かつ最小値)となるように、隙間形成内周面52と略同軸的な円筒面状とされている。また、第二軸部2iのそれよりも先端側の外周面は、先端に向かうほど縮径する円錐面状とされている。
上記のように取付ねじ部7の呼びを小さくしようとした場合、係合位置隙間量βとともに、係合位置隙間Qよりも前方側に延出する絶縁体前端部、すなわち第二軸部2iの外周面と、主体金具1の内周面との間に形成される隙間、すなわちガスボリューム部GVの幅Jも小さくなりやすい点に留意すべきである。該幅Jが小さくなりすぎると、係合位置隙間Q内が清浄であっても、それよりも前方側にて第二軸部2iが汚損すれば、主体金具1の内周面と第二軸部2iの外周面との間で飛火する、いわゆる横飛火の問題が生じやすくなる。そこで、これを防止するために、主体金具1の前端面側開口部の内径をD2、当該前端面位置における絶縁体2(第二軸部2i)の外径をd2として、
E=(D2−d2)/2 ‥‥(2)
にて表されるガスボリューム部端面幅Eを、火花放電ギャップgの間隔をαとして、
1.1α≦E ‥‥(3)
を満足するように調整することが有効である。
絶縁体2は火花放電ギャップgに近い先端部付近が電界集中しやすく、また、主体金具1の端面内周縁には電界集中しやすいエッジが形成されることから、ガスボリューム部GVにおける横飛火の問題は、主体金具1の先端面位置にて生じやすい傾向にある。しかしながら、この位置でのガスボリューム部GVの幅、つまりガスボリューム部端面幅Eを、正規の飛火位置である火花放電ギャップgの間隔αよりも大きくしておくことで、絶縁体2(第二軸部2i)の表面が汚損した場合でも横飛火の問題を効果的に抑制できる。なお、本明細書においては、(2)式に示すように、ガスボリューム部端面幅Eを主体金具1と絶縁体2との径差を用いて定義しているが、例えば絶縁体2を主体金具1に組み付ける際に若干の偏心が生じたりすると、主体金具1の内周面と絶縁体2(第二軸部2i)の外周面との実際の距離が局所的に縮小し、該位置での横飛火発生が問題となることも考えられる。そこで、その影響を吸収できるよう、Eの値は(3)式のように、若干の余裕を見込んだ値に設定している。しかし、組み付け時の偏心等を確実に防止できる場合は、α<Eとしても差し支えない。
また、絶縁体2(第二軸部2i)の先端部の汚損に伴う横飛火は、常に主体金具1の端面位置で生ずるとは限らず、ガスボリューム部GVの幅によっては主体金具の多少奥まった位置で発生することもありえる。そこで、このような横飛火を防止するには、絶縁体側係合部2hよりも前方側において、絶縁体側係合部2hよりも前方側において、軸線Oと直交する仮想平面による絶縁体2の断面外形線の直径をd3、これに対応する位置における主体金具1の内径をD3としたときに、主体金具1の前端面位置から少なくとも7mmまでの区間の任意位置において、
α<(D3−d3)/2 ‥‥(4)
を満足していること、つまり、主体金具1の前端面位置から7mm以上確保された区間Lにおいて、α<(D3−d3)/2を満足していることが有効である。
軸線方向Oのある位置におけるガスボリューム部GVの幅J(≡(D3−d3)/2)が、火花放電ギャップgの間隔αよりも大であれば、その位置での横飛火は本質的に生じにくくなる。他方、横飛火発生に影響する絶縁体表面の電界強度は、火花放電ギャップgに近い先端部付近にて高くなるが、軸線方向Oにおいて後方側に離間するにつれ次第に減少する。しかしながら、有限要素法による電界強度分布シミュレーションを用いて本発明者らが検討したところによると、主体金具の前端面位置から軸線方向において7mm程度までの区間では、絶縁体表面の電界強度がある程度高くなると予想され、横飛火発生が懸念された。そこで、少なくともこの区間において、上記のガスボリューム部幅Jを、正規の放電場所である火花放電ギャップgの間隔αよりも大きくなるように調整すると、主体金具1の奥まった位置での横飛火が実際に効果的に抑制できるようになる。
次に、金具側係合部たる凸条部1cにおいて隙間形成内周面52には、絶縁体2の軸線O(ここでは、主体金具1の軸線とも一致している)を含む仮想平面による断面外形線が、隙間形成外周面2kと対向する平坦部52aと、該平坦部52aの前方側端部から主体金具1の内周面に向けて下る傾斜部52bとを有する。そして、それら平坦部52aと傾斜部52bとのなす角度θが、
140゜≦θ≦160゜ ‥‥(5)
を満足するものとなっている。該平坦部52aと傾斜部52bとの交差位置にはエッジ部が形成されるが、それらのなす角度θを(5)のようにやや大きめに設定しておけば、形成されるエッジ部への過度の電界集中が回避でき、耐電圧性能をより向上させることができる。ただし、θが140゜未満では効果が小さく、θが160゜を超えると、傾斜部52bが主体金具1の内周面に向けてだらだらと長く裾を引く形となり、ガスボリューム部GVにおいて電界強度の高い領域が、肉厚の小さい絶縁体2(第二軸部2i)の先端部にまで広がって、耐電圧性能が却って損なわれる場合がある。また、ガスボリューム部GVの幅Jの小さくなる区間が長くなるので、横飛び防止の観点においても不利に作用する場合がある。本実施形態では、平坦部52aが第二軸部2iの基端部外周面2kと同軸的な円筒面をなしており、他方、傾斜部52bは円錐面状に形成されている。
以下、スパークプラグ100に付加可能な種々の変形について説明する(なお、図1及び図2と共通の部分には同一の符号を付与して詳細な説明を省略する)。まず、図3においては、ガスボリューム部GVの幅Jが、火花放電ギャップgの間隔αよりも大となる区間Lの長さをなるべく大きくできるように、第二軸部2iの円筒状の基端部2rに対し、縮径部2jを介して先端本体部分2sを接続した形態としている。本実施形態では電界集中しやすい急角度のエッジを生じにくくするため、縮径部2jを円錐面状(テーパ状)としている。
また、図4(a)の実施形態においても、金具側係合部たる凸条部1cの隙間形成内周面52は、軸線Oを含む仮想平面による断面外形線が、隙間形成外周面2kと対向する平坦部52aと、該平坦部52aの前方側端部から主体金具1の内周面に向けて下る傾斜部52bとを有する。そして、それら平坦部52aと傾斜部52bとの交差位置に面取り部52cが形成されている(図4(b)に拡大図を示す)。この構成により、平坦部52aと傾斜部52bとの交差位置への電界集中が起こり難くなり、平坦部52aと傾斜部52bとの角度θを大きくするのと同様の効果を達成できる。図4の実施形態においても絶縁体1の第二軸部2iは、図3と同様に、円筒状の基端部2rに対し、縮径部2jを介して先端本体部分2sを接続した形態を有する。なお、図3では先端本体部分2sの外周面が円錐面状となっていたが、図4では、主体金具1のより奥まった位置までガスボリューム部GVの幅Jがなるべく広くなるように、先端本体部分2sの外周面を円筒面状としている。なお、図4(c)に示すように、面取り部52cに代えてアール部52rを設けてもよい。
また、図5においては、中心電極3の前端面に、Ir又はPtを主成分とする直径1mm以下の貴金属発火部31が固着されている。電極先端部を直径1mm以下に縮径すれば、火花放電ギャップgに面する電極先端部に電界を集中できるため、放電電圧を下げることができる。また、該電極先端部を貴金属発火部31となすことで、火花消耗が抑制されスパークプラグの長寿命化を図ることができる。そして、主体金具1の取付ねじ部7の小径化により絶縁体2が多少薄肉化しても、放電電圧が下がるので、その分、耐電圧性能に余裕を持たせることができる。ただし、過度の電界集中による火花消耗の進行を抑制する観点において、貴金属発火部31の直径は0.2mm以上とすることが望ましい。
本実施形態では、中心電極3の先端部にIr合金(合金成分は例えばRh、PtあるいはNi等)からなる貴金属発火部31がレーザー溶接により固着され、接地電極4には上記発火部31に対向する形で、PtあるいはPt合金(合金成分は例えばNi等)からなる発火部32が抵抗溶接により固着されるとともに、それら発火部31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行なった。
(実施例1)
図1及び図2に示すスパークプラグにおいて、取付ねじ部7の呼びをM12、火花放電ギャップgの間隔αを1.1mm、ガスボリューム部端面幅Eとαとの比E/αを1.4、ガスボリューム部幅JについてJ>αとなる区間Lの長さを7mm、凸条部1cの平坦部52aと傾斜部52bとの角度θを150゜とし、係合位置隙間量βの値を0.1〜0.6mmの種々の値に設定したものを試験品として用意した。そして、各スパークプラグの耐汚損性を調べるために、下記の条件でプレデリバリ耐久試験を行った。すなわち、スパークプラグを、接地電極4側を正、中心電極2側を負とする電圧印加極性で試験用自動車(排気量:1500cc、直列4気筒)に取り付け、JIS:D1606に例示されている走行パターン(テスト室温:−10℃)を1サイクルとして、スパークプラグの絶縁抵抗が10MΩ以下に低下するまでこれを繰り返し、そのサイクル数により10サイクル以上を「○」、8〜9サイクルを「△」、6サイクル以下を「×」(○と△は可、×は不可)として判定した。以上の結果を表1に示す。
これによると、係合位置隙間量βの値を0.4mm以下とすることにより、スパークプラグの耐汚損性が顕著に向上していることがわかる。
(実施例2)
図1及び図2に示すスパークプラグにおいて、取付ねじ部7の呼びをM12、火花放電ギャップgの間隔αを1.1mm、ガスボリューム部端面幅Eとαとの比E/αを1.4、凸条部1cの平坦部52aと傾斜部52bとの角度θを150゜、係合位置隙間量βの値を0.4mmとし、ガスボリューム部幅JについてJ>αとなる区間Lの長さを5〜8.3mmの種々の値に設定したものを試験品として用意した。そして、各スパークプラグの低温始動性を調べるために、下記の条件で試験を行った。すなわち、スパークプラグを、接地電極4側を正、中心電極3側を負とする電圧印加極性で試験用自動車(排気量:1500cc、直列4気筒)に取り付け、アイドリング30秒+停止30分のサイクルを繰り返し、始動不能となるまでのサイクル数を求める試験を、室温−30℃と−10℃との二条件にて行なった。いずれも、そのサイクル数により5サイクル以上を「○」、4サイクル以下を「×」(○は可、×は不可)として判定した。以上の結果を表2に示す。
この結果によると、−10℃の試験ではどの試験品も問題は生じなかったが、より低温で過酷な条件となる−30℃の試験では、Lを7mm以上確保した試験品において良好な結果が得られた。なお、Lが7mm未満の試験品にて始動不能サイクルが小さくなった理由は、絶縁体汚損の進行により横飛火が発生しやすくなったことが原因と考えられる。
(実施例3)
図1及び図2に示すスパークプラグにおいて、取付ねじ部7の呼びをM12、火花放電ギャップgの間隔αを1.1mm、凸条部1cの平坦部52aと傾斜部52bとの角度θを150゜、係合位置隙間量βの値を0.4mm、第二軸部2iの外周面傾斜角度を種々に変更することによりガスボリューム部端面幅Eとαとの比E/αを0.9〜1.7の種々の値に調整した試験品として用意した。これらのスパークプラグは、発火部を予め燻らせた後、可視チャンバーに取り付け、チャンバー内の空気圧を0.4MPaに設定して火花放電させるとともに、放電1000回中、金具への横飛火が何回発生したかを目視確認することにより、横飛火発生頻度を調べた。結果を図6に示す。これによると、E/αを1.1以上とすることにより、横飛火発生頻度が顕著に減少していることがわかる。
(実施例4)
図1及び図2に示すスパークプラグにおいて、取付ねじ部7の呼びをM12、火花放電ギャップgの間隔αを1.1mm、ガスボリューム部端面幅Eとαとの比E/αを1.4、ガスボリューム部幅JについてJ>αとなる区間Lの長さを7mmとし、凸条部1cの平坦部52aと傾斜部52bとの角度θを135〜170゜としたものを試験品として用意した。また、角度θを120゜とする代わりに、図4のような面取部52c(面取り幅0.5mm)を設けた試験品も用意した。
これら試験品の寸法・形状を初期条件として用い、中心電極3への印加電圧レベルを10kVとしたときのガスボリューム部GV内の電界強度分布を、市販のソフトウェアにより有限要素法によりシミュレーションするとともに、平坦部52aと傾斜部52bとの交差部直近位置での電界強度を読み取った。結果を表3に示す。
これによると、角度θを140゜以上としたもの、あるいは面取りを施したものは、電界強度が顕著に小さくなっていることがわかる。図7(a)はθ=135゜、同図(b)はθ=150゜のもののシミュレーション結果を示すものであり、図中明るく表れている領域ほど電界強度が高いことを示す。これによると、角度θの小さい前者においては、交差部直近位置に電界集中部が顕著に現われているのに対し、θの大きい後者においては電界集中の度合いが和らげられている様子がよくわかる。
次に、上記各試験品から接地電極を取り除き、その状態で主体金具の開口側をシリコンオイル等の液状絶縁媒体中に浸漬することにより、絶縁体の外面と主体金具の内面との間を該液状絶縁媒体で満たして絶縁した。この状態で、主体金具と中心電極3との間に、高圧電源により交流高電圧又はパルス状高電圧を印加するとともに、その電圧波形をオシロスコープ等により記録し、その電圧波形から、絶縁体に貫通破壊が生じたときの電圧値を、貫通破壊耐電圧として読み取った。なお、各試験品ともn=40にて試験を行い、耐電圧の平均値と最小値とを求めた。以上の結果を表4に示す。
これによると、角度θを140゜〜160゜としたもの、あるいは面取りを施したものは、耐電圧の平均値及び最小値がいずれも高く、安定した耐電圧性能を有していることがわかる。他方、角度θが140゜未満では、耐電圧の平均値及び最小値がともに低下し、耐電圧性能が相対的に低下する傾向が認められる。また、角度θが160゜を超えると、耐電圧の平均値は比較的良好であるが、最小値が低下し、耐電圧性能にばらつきが生じやすくなる傾向を示している。
本発明の一実施形態たるスパークプラグの全体構成を示す縦断面図。 図1の先端側要部を拡大して示す縦断面図。 図1のスパークプラグの第一変形例を示す要部縦断面図。 同じく第二変形例を示す要部縦断面図。 同じく第三変形例を示す全体縦断面図。 実施例3の実験結果を示すグラフ。 実施例4のいくつかのシミュレーション結果を示す図。

Claims (6)

  1. 中心電極(3)と、その中心電極(3)の外側に設けられた絶縁体(2)と、前記絶縁体(2)の外側に設けられた筒状の主体金具(1)と、一端側が前記主体金具(1)に結合され、他端側が前記中心電極(3)の先端と対向するように配置されて前記中心電極(3)との間に火花放電ギャップ(g)を形成する接地電極(4)とを備え、
    前記絶縁体(2)の軸線方向(O)において前記火花放電ギャップ(g)の位置する側を前方側、これと反対側を後方側として、前記絶縁体(2)は、前端部(2i)が周方向の段部により縮径されて該段部が絶縁体側係合部(2h)とされ、前記主体金具(1)に対し後方側開口部から挿入されるとともに、前記絶縁体側係合部(2h)が前記主体金具(1)の内周面から突出する金具側係合部(1c)と係合し、かつ、前記絶縁体(2)の前記絶縁体側係合部(2h)よりも前方側に位置する部分(2i)の外周面(以下、隙間形成外周面という)(2k)が、前記金具側係合部(1c)の内周面(以下、隙間形成内周面という)(52)と略同軸的な円筒面状とされ、かつ、所定量の係合位置隙間(Q)を形成する形にて対向するとともに、前記隙間形成外周面(2k)の外径をd1、前記隙間形成内周面(52)の内径をD1として、
    β=(D1−d1)/2
    にて表される係合位置隙間量βが0.4mm以下に調整されており、
    前記金具側係合部(1c)の前記隙間形成内周面(52)は、前記軸線(O)を含む仮想平面による断面外形線が、前記隙間形成外周面(2k)と対向する平坦部(52a)と、該平坦部(52a)の前方側端部から前記主体金具(1)の内周面に向けて下る傾斜部(52b)とを有し、かつそれら平坦部(52a)と傾斜部(52b)との交差位置は前記隙間形成外周面(2K)と対向し、さらにそれら平坦部(52a)と傾斜部(52b)とのなす角度θが、
    140゜≦θ≦160゜
    を満足していることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記主体金具(1)の前端面側開口部の内径をD2、当該前端面位置における前記絶縁体(2)の外径をd2として、
    E=(D2−d2)/2
    にて表されるガスボリューム部端面幅Eが、前記火花放電ギャップ(g)の間隔をαとして、
    1.1α≦E
    を満足している請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 前記絶縁体側係合部(2h)よりも前方側において、前記軸線(O)と直交する仮想平面による前記絶縁体(2)の断面外形線の直径をd3、これに対応する位置における前記主体金具(1)の内径をD3としたときに、
    前記主体金具(1)の前端面位置から少なくとも7mmまでの区間の任意位置において、
    α<(D3−d3)/2
    を満足している請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記金具側係合部(1c)の前記隙間形成内周面(52)は、前記軸線(O)を含む仮想平面による断面外形線が、前記隙間形成外周面(2k)と対向する平坦部(52a)と、該平坦部(52a)の前方側端部から前記主体金具(1)の内周面に向けて下る傾斜部(52b)とを有し、かつ、それら平坦部(52a)と傾斜部(52b)との交差位置に面取り部(52c)又はアール部(52r)が形成されてなる請求項1ないしのいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 前記中心電極(3)の前端面に、Ir又はPtを主成分とする直径1mm以下の貴金属発火部(31)が固着されてなる請求項1ないしのいずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 前記主体金具(1)の前端側外周面に、呼びがM12以下の取付ねじ部(7)が形成されてなる請求項1ないしのいずれかに記載のスパークプラグ。
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