JP4385736B2 - 紫外線硬化型組成物及びそれを用いた光ディスク - Google Patents

紫外線硬化型組成物及びそれを用いた光ディスク Download PDF

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Description

本発明は、光ディスクを製造する際に用いられる光ディスク用紫外線硬化型組成物に関し、特に、少なくとも1枚が情報記録層を有する、2枚の基板を貼り合わせる際に用いられる光ディスク用紫外線硬化型組成物及びそれを用いた光ディスクに関する。
現在、光ディスクの技術分野においては、従来のコンパクトディスク(CD)よりも記録容量の大きなDVD(デジタルビデオディスクまたはデジタルバーサタイルディスク)に対する市場の要求が高まってきている。そのDVDを製造する工程としては種々のバリエーションがあるが、基本的には、少なくとも1枚が情報記録層を有する、2枚の基板を貼り合わせる方法で作製され、その際には、紫外線硬化型組成物が接着剤として使用されている。
再生専用型DVDの場合、貼り合せる2枚の基板構成の相違により、DVD−5、DVD−10、DVD−9、DVD−18の如く分類されている。これらの構成の詳細については公知の文献(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)により開示されているが、概略は以下の通りである。
貼り合わせる2枚の基板として、共に基板の片面に記録情報に対応するピットと称する凹凸を設け、情報読み取りのためのレーザー光の反射膜として、例えばアルミニウムの層をピットの凹凸を覆うように設けることにより情報記録層(反射層ともいう)を形成し、それをレーザー光の反射膜としたものを用い、これらを対向させて貼り合わせたもの(DVD−10)、または2枚の内の片方には情報記録層を持たない透明な基板を使用したもの(DVD−5)、あるいは一方の基板に記録情報に対応するピットの凹凸を設け、これを覆うように金またはケイ素化合物等からなる半透明反射層(情報記録層)を形成し、他方の基板にはアルミニウムの反射層(情報記録層)を形成したもの(DVD−9)等がある。さらに、片面に反射層と半透明反射層との2層を有する基板を2枚貼り合わせた構造を有するもの(DVD−18)もあり、用途によって使い分けられている。
ところで、DVD−9の一方の基板における半透明反射層には金が主として使用されているが、金は材料の値段が非常に高いため、現在、コストダウンを目的としてケイ素化合物の使用が検討されている。このような用途に用いられるケイ素化合物としては例えば、ケイ素、チッ化ケイ素等が代表的である。しかしながら、ケイ素化合物の薄膜は、金等の金属薄膜と比較すると展性が異なるために、ケイ素化合物の半透明反射層を設けた基板を紫外線硬化型組成物で貼り合わせ、高温高湿条件下で長時間放置すると、水分によって半透明反射層が透明基板から浮き上がってディスク表面が白濁するという問題がある。このため環境試験後においても外観が白濁しない貼り合わせディスクが生産できる紫外線硬化型組成物からなる接着剤が望まれていた。
これまで光ディスクの情報記録層を形成する金属あるいは金属化合物、あるいはケイ素化合物に対する接着力を改善するための種々の技術が提案されている。例えば、シランカップリング剤としてイソシアネート基を有するシランカップリング剤を使用した例が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、エポキシ基を有するシランカップリング剤あるいはメタクリロキシ基を有するシランカップリング剤を使用した例が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、これらの従来技術では、高温高湿条件下で長時間放置した場合における、金属あるいは金属化合物、あるいはケイ素化合物からなる情報記録層の変質を十分に防止することはできなかった。特に、ケイ素化合物の半透明反射層を設けた基板における前記の問題については十分に解決できる技術は未だ見出されていない。
特開平10−3699号公報 特開2001−266419号公報 特開2003−157593号公報 特開2001−311067号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高温高湿等の環境下に長時間晒された場合でも、金属あるいは金属化合物、あるいはケイ素化合物からなる情報記録層の変質を十分に防止することができる光ディスク用の紫外線硬化型組成物を提供することである。特に、本発明の目的は、ケイ素化合物からなる情報記録層が透明基板から浮き上がりディスクが白濁することを防止する紫外線硬化型組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の組成物を使用することで高温高湿条件下に長時間曝される環境試験、さらに高温高湿条件で圧力も加えたプレッシャークッカー試験と呼ばれる超加速試験においても、外観上変化がないディスクが生産できることを見いだした。
すなわち本発明は、光重合性化合物と光重合開始剤とシランカップリング剤を含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物であって、前記光重合性化合物が、式(I)
Figure 0004385736
(式中、XはCH2=CHCOO-、Yは-CH2CH2O-又は-CH2CH2CH2CH2O-、Zは-COCH=CH2を表し、nは2〜10の整数を表す。)で表される化合物、式(II)
Figure 0004385736
(式中、XはCH2=CHCOO-を表す。)で表される化合物、式(III)
Figure 0004385736
(式中、Rはそれぞれ独立的に、HO-又はCH2=CHCOO-を表し、少なくとも2つのRはCH2=CHCOO-である。)で表される化合物、及び式(IV)
Figure 0004385736
(式中、Rはそれぞれ独立的に、HO-又はCH2=CHCOO-を表し、少なくとも2つのRはCH2=CHCOO-である。)で表される化合物から選択される1又は2種以上の化合物を含有し、前記シランカップリング剤が分子中にイソシアネート基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供するものである。
また、本発明は、表面に金属薄膜からなる反射層を有する2枚の光ディスク用基板、又は表面に金属薄膜からなる反射層を有する光ディスク用基板と該反射層を有しない光ディスク用基板を、前記反射層を接着面として接着剤により貼り合わせた光ディスクであって、前記接着剤が上記の光ディスク用紫外線硬化型組成物であることを特徴とする貼り合わせ型光ディスクを提供するものである。
また、本発明は、基板上に、ケイ素化合物からなる半透明反射層、上記の光ディスク用紫外線硬化型組成物からなる硬化膜層、及び金属薄膜からなる反射層をこの順に積層した2枚の光ディスク用基板を、前記反射層同士を接着面として接着剤により貼り合わせた貼り合わせ型光ディスクを提供するものである。
前記式(I)〜式(IV)の化合物は、2官能以上のアクリレートであり架橋密度を高くする作用を有する。一般に架橋密度が高い硬化膜は疎水性を示す傾向がある。しかし、これらの化合物のアルコール成分が親水性に富むため、これらの化合物を含有する本発明の紫外線硬化型組成物は、親水性、疎水性のバランスが取れた硬化膜が得られ、特に高温高湿環境下で反射膜と硬化膜との界面に水滴が生じ易いケイ素化合物の薄膜を保護し、これを他の基板と接着するための材料として好適である。
イソシアネート基を有するシランカップリング剤を含有する本発明の紫外線硬化型組成物は、単に接着力を向上させるだけではなく、高温多湿環境下における耐久性にも優れており、特にシリル基の有する撥水性とイソシアネート基の有する親水性のバランスが良いため、上記環境下で反射膜と硬化膜との界面に水滴が生じ易いケイ素化合物の薄膜を保護し、これを他の基板と接着するための材料として好適である。
従って、本発明の紫外線硬化型組成物を用いることで、例えば、片側のディスク基板にケイ素化合物からなる半透明反射層を有するDVD−9、あるいは両側のディスク基板にケイ素化合物からなる半透明反射層を有するDVD−18等の光ディスクを耐久性、信頼性の優れた好ましい特性の製品とすることができる。
以上より、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物中に含まれる、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、及び式(IV)で表される化合物から選択される1又は2種以上の化合物、及び分子中にイソシアネート基を有するシランカップリング剤の組み合わせは、光ディスク用基板上に形成された金属薄膜からなる反射層又はケイ素化合物からなる半透明反射層の表面に塗布して、他の光ディスク用基板と貼り合わせるための接着剤を構成する一成分であり、前記反射層又は前記半透明反射層が水分により劣化することを防止するための劣化防止剤として機能するものである。
本発明の紫外線硬化型組成物は、特定の化合物とシランカップリング剤を含有することによって、情報記録層を形成する金属あるいは金属化合物との間で十分な接着力を示し、高温高湿等の環境下に長時間晒された場合でも、情報記録層が変質したり、情報記録層と紫外線硬化型組成物の硬化膜とが剥がれることを防止し得る耐久性の優れた硬化膜を形成することができる。また、特に、従来の紫外線硬化型組成物では環境試験後にディスク表面が白濁してしまうケイ素化合物の半透明反射層を用いても、白濁することなく十分な耐久性を有する硬化膜を形成することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本明細書においては、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタアクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。
本発明の紫外線硬化型組成物においては、前記式(I)〜式(IV)の化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用するが、これらの中でも下記式(V)で表される化合物、前記式(II)で表される化合物、下記式(VI)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。中でも、下記式(V)で表される化合物であることがより好ましい。更に下記式(V)で表される化合物の中でもnが2〜6であることが特に好ましい。
Figure 0004385736
(式中、nは2〜10の整数を表す。)
Figure 0004385736
前記式(V)で表される化合物はポリエチレングリコールジアクリレートであり、前記式(II)で表される化合物はヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートであり、前記式(VI)で表される化合物はペンタエリスリトールトリアクリレートである。
本発明の紫外線硬化型組成物においては、前記式(I)〜式(IV)の化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を紫外線硬化型組成物100質量部に対して、1〜30質量部使用することが、反射層に対する接着性の面から好ましい。また、紫外線硬化型組成物100質量部中5〜25質量部であることがより好ましく、特に5〜20質量部であることが好ましい。
本発明では、光重合性化合物として、粘度やその他諸特性を調整するために、前記式(I)〜式(IV)以外の化合物を使用することができる。その他の光重合性化合物としては、下記の単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレート等の比較的低分子量の重合性モノマー(A)や、それよりも高分子量の重合性オリゴマー(B)があり、それらを単独で、あるいは併用して用いることができる。
本発明に使用できる重合性モノマー(A)としては、例えば次のようなものが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、多官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールのポリメタクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ラジカル重合性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等がある。
多官能の(メタ)アクリレートとしては、上記の中でもトリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドを付加して得たトリアクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドを付加して得たジアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート、等を用いるのが好ましい。
さらに、重合性オリゴマー(B)としてポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等がある。本発明においてはウレタンアクリレートオリゴマーを用いるのが好ましい。
本発明で用いるイソシアネート基を有するシランカップリング剤とは、直接あるいは加水分解反応を経て、ガラスや金属等の無機質と水素結合するアルコキシシリル基、シラノール基などの他に、有機材料と化学結合するイソシアネート基を有するシランカップリング剤を言う。
シリル基を有する化合物としては、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物等があるが、本発明においてはアルコキシシラン化合物であることが好ましい。アルコキシシラン化合物とは、アルコキシシリル基を1つ以上含む化合物をいう。アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、トリス(βメトキシエトキシ)シリル基等があるが、これらの中でもトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基を有することが好ましい。トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物を含有する紫外線硬化型組成物は放置安定性が優れている。
本発明に好適なイソシアネート基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。中でも、特にγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。
このようなシランカップリング剤としては、例えば、信越シリコーン社製の商品名KBE9007(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)として市販されている。
本発明の紫外線硬化型組成物においては、上記のイソシアネート基を有するシランカップリング剤を単独で、あるいはその他のシランカップリング剤と併用して用いる。これらのシランカップリング剤の使用量は紫外線硬化型組成物100質量部中0.1〜5質量部であることが、反射層に対する接着性の面から好ましい。また、紫外線硬化型組成物100質量部中0.3〜4質量部であることがより好ましく、特に0.5〜3質量部であることが好ましい。
さらに、本発明の紫外線硬化型組成物の効果を損なわない範囲で、これまで公知の種々のシランカップリング剤を併用して用いることができる。そのような化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等がある。
本発明では、必要に応じ光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤は公知慣用のものを使用できるが、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
本発明に使用できる光重合開始剤としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
光重合開始剤の使用量は、紫外線硬化型組成物100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましい。また、紫外線硬化型組成物100質量部中0.5〜15質量部であることがより好ましく、特に1〜10質量部であることが好ましい。
また上記光重合開始剤と共に、増感剤を用いることもできる。増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、上記の重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化型化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
増感剤の使用量は、紫外線硬化型組成物100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましい。また、紫外線硬化型組成物100質量部中0.5〜15質量部であることがより好ましく、特に1〜10質量部であることが好ましい。
本発明の紫外線硬化型組成物としては、常温〜40℃において、液状であることが好ましい。また、溶媒は用いない方が好ましく、用いたとしても極力少量に留めるのがよい。また、本発明の紫外線硬化型組成物をディスクに塗布する方法としては、ロールコーター法、スピンコート法等があるが、スピンコート法を用いるのが好ましい。本発明の紫外線硬化型組成物をスピンコーター法でディスクに塗布する場合には、粘度を10〜3000mPa・sとなるように調製するのが好ましく、20〜2000mPa・sとなるように調製するのがより好ましく、特にDVDのような貼りあわせ型の光ディスクで、接着層の厚さを40μm以上の厚膜とする場合は30〜1500mPa・sとなるように調製するのが好ましい。
また、本発明の紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、さらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑剤等を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。これらは、紫外線硬化型化合物への溶解性に優れたもの、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いる。
本発明の紫外線硬化型組成物は、前記の各成分を通常の方法により均一に混合して得ることができる。
本発明の紫外線硬化型組成物は、貼り合わせ型の光ディスクの接着剤として有利に用いられる。なお、ディスクの基板としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン等の基板であることが好ましい。
本発明の紫外線硬化型組成物を用いた貼り合わせ型の光ディスク、例えばDVD−9は、以下の方法により製造される。まず、記録情報として基板(1)上に凹凸のピット(P)を形成する。次いで、そのピット(P)の上に40〜60nmのアルミニウム薄膜からなる反射層を積層し、情報記録層(M)を形成する。別に、基板(2)を用意し、この基板(2)上に記録情報として凹凸のピット(P)を形成する。このピット(P)上に10〜30nmのケイ素化合物の半透明反射層を積層し、情報記録層(M)を形成する。なお、半透明膜としては、これまでは主として金が用いられてきたが、金は高価であるため、その代わりとして窒化シリコン、シリコン等のケイ素化合物を用いることが好ましい。
次いで、本発明の紫外線硬化型組成物を前記の基板(1)の情報記録層(M)上に均一に塗布し、その塗布面に基板(2)の情報記録層(P)が接する状態で、情報記録層(1)と対向するように貼り合わせる。その後、この貼り合わせた基板(1)と基板(2)の片面または両面から紫外線を照射して両者を接着させ、DVD−9を製造する。紫外線照射後の本発明の紫外線硬化型組成物は、硬化膜となり基板(1)と基板(2)とを接着する接着層を形成する。なお、光ディスクが熱により変形するのを防ぐため、紫外線を照射する際には閃光照射することが好ましい。
そうすることにより、一方に金属薄膜からなる反射層が設けられている基板と、一方にケイ素化合物からなる半透明反射層を有している基板を、反射層及び透明反射層を接着面として本発明の紫外線硬化型組成物により貼り合わせた光ディスクが製造できる。
なお、現在、DVD−9における接着層の厚さは、規格により、40〜70μmとされており、本発明の紫外線硬化型組成物を基板(1)の情報記録層(M)に塗布する時には、紫外線硬化型組成物が硬化した際の接着層の厚さが上記の範囲になるように均一に塗布する。
また、基板(2)にピットを形成せず、つまり、情報記録層(M)を設けずに、基板(1)と貼り合わせた場合には、DVD−5となる。
そうすることにより、片方に金属薄膜からなる反射層が設けられている基板が、反射層を接着面として、本発明の紫外線硬化型組成物により他の基板に貼り合わされた光ディスクを製造できる。
また、基板(2)上に凹凸のピット(P)を形成して、そのピット(P)の上に40〜60nmのアルミニウム薄膜からなる反射層を積層することにより情報記録層(M)を形成して、前記の基板(1)の情報記録層(M)と基板(2)の情報記録層(M)が接着面になるように、本発明の紫外線硬化型組成物により接着し、その後、この貼り合わせた基板(1)と基板(2)の片面または両面から紫外線を照射するとDVD−10が得られる。
そうすることにより、金属薄膜からなる反射層が設けられている基板2枚が、反射層同士を接着面として、本発明の紫外線硬化型組成物により貼り合わされた光ディスクを製造できる。
さらに、前記のDVD−9を製造した後に、基板(1)上に形成された反射層を基板(2)側に残したまま、基板(1)のみを剥離することにより、基板(2)/情報記録層(M)/本発明の紫外線硬化型組成物の硬化膜/情報記録層(M)が順次積層されたディスク中間体を作製する。そのようなディスク中間体を2枚用意する。次いで、この2枚のディスク中間体の情報記録層(M)を接着面として、それらが対向するように接着し、その後、この貼り合わせた2枚のディスク中間体に紫外線を照射するとDVD−18が得られる。この際、ディスク中間体同士を貼り合わせる材料として、本発明の紫外線硬化型組成物を用いることが好ましい。そうすることにより情報記録層(M)同士の接着がより強固なものになる。
このような方法により、基板上に、ケイ素化合物からなる半透明反射層と本発明の紫外線硬化型組成物の硬化層と金属薄膜からなる反射層とがこの順で積層している2枚の基板を、反射層同士を接着面として貼り合わせた光ディスクを製造することができる。また、前記基板の反射層同士が本発明の紫外線硬化型組成物により貼り合わせた光ディスクを製造することができる。
なお、ディスクの基板としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン等の基板であることが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
(実施例1)
紫外線硬化型化合物としてポリテトラメチレングリコール(数平均分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(ウレタンA)33部、ポリエチレングリコールジアクリレート13部(数平均分子量200)、エチレンオキサイド変性ビスA型ジアクリレート10部(BPE4−A:数平均分子量512)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート23部、テトラヒドロフルフリルアクリレート12部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA:数平均分子量600)1.5部、エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート(日本化薬(株)製 商品名PM−2)0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチル0.3部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン6部、シランカップリング剤としてγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1部を60℃で1時間加熱混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
(実施例2)
紫外線硬化型化合物としてポリテトラメチレングリコール(数平均分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(ウレタンA)33部、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート5部、ポリエチレングリコールジアクリレート(数平均分子量200)13部、エチレンオキサイド変性ビスA型ジアクリレート(BPE4−A:数平均分子量512)10部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート18部、テトラヒドロフルフリルアクリレート12部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA:数平均分子量600)1.5部、エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート(日本化薬(株)製 商品名PM−2)0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチル0.3部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン6部、シランカップリング剤としてγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1部を60℃で1時間加熱混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
(実施例3)
紫外線硬化型化合物としてポリテトラメチレングリコール(数平均分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(ウレタンA)33部、ペンタエリスリトールトリアクリレート5部、ポリエチレングリコールジアクリレート13部(数平均分子量200)、エチレンオキサイド変性ビスA型ジアクリレート10部(BPE4−A:数平均分子量512)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート18部、テトラヒドロフルフリルアクリレート12部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA:数平均分子量600)1.5部、エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート(日本化薬(株)製 商品名PM−2)0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチル0.3部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン6部、シランカップリング剤としてγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1部を60℃で1時間加熱混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
更に、表1の配合にて、実施例4及び実施例5の紫外線硬化型組成物を調製した。
(比較例1)
シランカップリング剤を添加しない以外は実施例1と同様にして、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
(比較例2)
実施例1において、(メタ)アクリレート化合物としてポリエチレングリコールジアクリレート13部の換わりに、トリプロピレングリコールジアクリレートを用いた以外は実施例1と同様にして淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
(比較例3)
紫外線硬化型化合物としてビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5500(大日本インキ化学工業(株)製)15部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000)1モルとイソホロンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(ウレタンB)14部、トリプロピレングリコールジアクリレート22部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート22部、エチルカルビトールアクリレート18部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA:数平均分子量600)1.5部、エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート(日本化薬(株)製 商品名PM−2)0.2部、ジメチルアミノ安息香酸エチル0.3部、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド2部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4部、シランカップリング剤としてγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1部を60℃で1時間加熱混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
(比較例4)
比較例3において、シランカップリング剤としてγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン1部の換わりに、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランを用いた以外は実施例と同様にして淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
以上の実施例及び比較例で得られた紫外線硬化型組成物を用いてDVD−9貼り合わせディスクを製造し、下記試験方法により耐久性を評価した。その結果は表1及び表2に示した。表中の略号は次の通りである。
ウレタンA : ウレタンアクリレート
ウレタンB : ウレタンアクリレート
V−5500:ビスA型エポキシアクリレート(大日本インキ化学工業(株)製)
PETA : ペンタエリスリトールトリアクリレート
MANDA : ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(日本化薬(株)製)
TPGDA : トリプロピレングリコールジアクリレート
PEGDA : ポリエチレングリコールジアクリレート
BPE4−A:エチレンオキサイド変性ビスA型ジアクリレート(数平均分子量512)
M−5700:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亞合成(株)製)
THFA : テトラヒドロフルフリールアクリレート
CBA : カルビトールアクリレート
PM−2 : エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート(日本化薬(株)製 商品名PM−2)
EOTMPTA : エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(数平均分子量600)
DBE : ジメチルアミノ安息香酸エチル
Irg−184 : 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
TPO : 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
イソシアネートSi: γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
アクリルSi : γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
〈試験方法:DVD−9貼り合わせディスクの耐久性〉
記録情報のピットが形成され、そのピットを覆うように50nmの厚みのアルミニウム薄膜が積層されたポリカーボネート製ディスク基板を用意し、アルミニウム薄膜面上に、各実施例及び比較例の紫外線硬化型組成物をディスペンサで塗布し、半透明反射膜としてケイ素化合物が積層されたポリカーボネート製ディスク基板を半透明反射膜が紫外線硬化型組成物に接するように重ね合わせた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が約50〜60μmになるよう1500回転で6.0秒間回転させた。次いで、ウシオ電気株式会社製「クセノンフラッシュ照射装置 SBC−04型」を用い、設定電圧1800Vで、ケイ素化合物半透明膜付基板側から空気中で10ショット紫外線を照射しDVD−9を作製した。
上記の方法で製造した貼り合わせディスクを用いて、タバイエスペック株式会社製高度加速寿命試験装置「TPC−221」内で105℃100%RH1〜2気圧の環境下に5時間放置するプレッシャークッカー試験(PCT試験)、楠本化成株式会社製「エタックSD01」を使用して80℃85%RHの環境下に96時間放置する試験(耐久試験)を実施した。
加速試験後におけるディスクの表面は、オリンパス製微分干渉顕微鏡BX60にて外観観察した。
環境試験前後における信号特性の評価(エラーレートの測定)は、ソニープレシジョンテクノロジー製「DQL−300D」を用いて行い、試験前後でのPI(Parity of Inner)エラーレートの上昇率(環境試験後の値/環境試験前の値)を求めた。なお、エラーレートは最大値を測定値とした。このエラーレートの上昇率が小さいほど高温高湿環境下で保存した際の影響を受けていないことを意味する。逆に、この上昇率が大きいほど高温高湿下での保存耐久性に劣るものであることを意味する。
Figure 0004385736
Figure 0004385736
ケイ素化合物の半透明膜を用いたDVD−9タイプの貼り合わせディスクを試験した結果、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートの何れかを必須成分として用い、イソシアネート基を有するシランカップリング剤を加えた紫外線硬化型組成物で貼り合わせた光ディスクは、耐久試験とPCT試験後においても、ディスク表面は白濁することなく良好であり信号特性の変化が非常に少なかった。一方、比較例に示すように、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート以外の(メタ)アクリレート化合物のみから構成される紫外線硬化型組成物や、イソシアネート基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤を用いた紫外線硬化型組成物で貼り合わせた光ディスクにおいては、信号特性が良好な場合においても、ディスク表面が白濁してしまい実施例の紫外線硬化型組成物で貼り合わせた光ディスクと比較して劣るものであった。
また、半透明膜としてケイ素化合物の換わりに金の薄膜を使用した以外は、前記の試験例と全く同様にしてDVD−9型の光ディスクを作成し、前記の試験を行ったところ、各実施例の組成物を使用した場合は、耐久試験とPCT試験後においても、ディスクの信号特性の変化が非常に少なかった。一方、比較例の組成物を使用した場合は、情報記録層に使用した金属薄膜が腐食し、ディスクの信号特性の変化が非常に大きかった。

Claims (7)

  1. 光重合性化合物と光重合開始剤とシランカップリング剤を含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物であって、前記光重合性化合物が、式(I)
    Figure 0004385736
    (式中、XはCH2=CHCOO-、Yは-CH2CH2O-又は-CH2CH2CH2CH2O-、Zは-COCH=CH2を表し、nは2〜10の整数を表す。)で表される化合物、式(II)
    Figure 0004385736
    (式中、XはCH2=CHCOO-を表す。)で表される化合物、式(III)
    Figure 0004385736
    (式中、Rはそれぞれ独立的に、HO-又はCH2=CHCOO-を表し、少なくとも2つのRはCH2=CHCOO-である。)で表される化合物、及び式(IV)
    Figure 0004385736
    (式中、Rはそれぞれ独立的に、HO-又はCH2=CHCOO-を表し、少なくとも2つのRはCH2=CHCOO-である。)で表される化合物から選択される1又は2種以上の化合物を含有し、前記シランカップリング剤が分子中にイソシアネート基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  2. 前記式(I)、前記式(II)、前記式(III)、及び前記式(IV)で表される化合物から選択される1又は2種以上の化合物の含有量が、前記紫外線硬化型組成物100質量部あたり、1〜30質量部である請求項1記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  3. 前記式(I)で表される化合物が、下記式(V)で表される化合物である請求項1又は2に記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
    Figure 0004385736
    (式中、nは2〜10の整数を表す。)
  4. 前記式(III)で表される化合物が、下記式(VI)で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
    Figure 0004385736
  5. 前記シランカップリング剤が、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン又はγ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  6. 光ディスク用基板上に形成された金属薄膜からなる反射層又はケイ素化合物からなる半透明反射層の表面に塗布して、他の光ディスク用基板と貼り合わせるための接着剤の一成分として使用され、前記反射層又は前記半透明反射層が水分により劣化することを防止するための劣化防止剤であって、
    式(I)
    Figure 0004385736
    (式中、XはCH2=CHCOO-、Yは-CH2CH2O-又は-CH2CH2CH2CH2O-、Zは-COCH=CH2を表し、nは2〜10の整数を表す。)で表される化合物、式(II)
    Figure 0004385736
    (式中、XはCH2=CHCOO-を表す。)で表される化合物、式(III)
    Figure 0004385736
    (式中、Rはそれぞれ独立的に、HO-又はCH2=CHCOO-を表し、少なくとも2つのRはCH2=CHCOO-である。)で表される化合物、及び式(IV)
    Figure 0004385736
    (式中、Rはそれぞれ独立的に、HO-又はCH2=CHCOO-を表し、少なくとも2つのRはCH2=CHCOO-である。)で表される化合物から選択される1又は2種以上の化合物、及び分子中にイソシアネート基を有するシランカップリング剤を有効成分として含有することを特徴とする貼り合わせ型光ディスクの反射層又は半透明反射層の劣化防止剤。
  7. 表面にケイ素化合物からなる反射層を有する2枚の光ディスク用基板、又は表面にケイ素化合物からなる反射層を有する光ディスク用基板と該反射層を有しない光ディスク用基板を、前記反射層を接着面として接着剤により貼り合わせた光ディスクであって、前記接着剤が請求項1又は2のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物であることを特徴とする貼り合わせ型光ディスク。
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