JP4385507B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するための静電潜像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、トナーの流動性および帯電性を向上させる試みが活発になされている。トナーの流動性の向上を図るために最もよく知られている手段は、いわゆる流動化剤として10〜30nmの平均1次粒径を有する疎水性シリカや疎水性チタニア等の無機微粒子をトナー粒子に外添して、当該微粒子をトナー粒子表面に付着させることである。しかしながら、流動化剤がトナー粒子から離脱して、キャリアや感光体へ移行(スペント)することによる弊害が生じていた。特に、現像性・画質の観点からモノクロ用トナーよりも大幅に流動性を高める必要があるカラートナーは上述の流動化剤を多量に添加する構成のものが多いため、上記弊害は顕著であった。すなわち、流動化剤がキャリアへ移行すると、キャリアの荷電能力が低下し(キャリア劣化)、トナーを所望レベルまで帯電させることができない。また、流動化剤が感光体へ移行すると、感光体のクリーニング部や転写部において流動化剤が固着・蓄積し、得られる画像に欠損(ブラックスポット;BSなど)が生じる。このように流動化剤は高い流動性付与効果を有する反面、キャリアや感光体へのスペント(トナー粒子からの離脱)の問題が発生しやすく、従来技術の延長ではこの相反項目を同時に解消することは困難であった。
【0003】
そこで、流動化剤がトナー粒子から離脱しないように流動化剤をトナー粒子表面に強く付着させてなる構成のトナーが知られているが、そのようなトナーは流動性が低くなり、現像時の現像性の悪化や転写時において中抜けが発生するという問題があった。
【0004】
また、帯電性の向上については無機微粒子を用いてトナーの帯電性を調整することが知られている。例えば、帯電レベル調整手段として一般的に負帯電レベルアップのためにシリカが用いられ、環境変動による帯電量の変動を抑制するためにチタニアやアルミナなどの金属酸化物が用いられる。さらに帯電レベルを任意に制御する手段としてこれらの併用組成が一般的に用いられている。また、良好な帯電性を長期にわたって安定して得るために、無機微粒子をトナー粒子表面に強く付着させて当該微粒子のキャリアへの移行(スペント)を抑制する技術や、意図的にトナーとは逆極性の帯電性を有する微粒子をトナーに添加して、キャリアに移行してもキャリアの荷電能力が低下しないような構成にする技術が提案されている。しかしながら、フルカラートナーなどのように多量に外添剤を添加したトナーでは、長期使用に対する帯電性(帯電安定性)および環境変動に対する帯電性(帯電環境特性)は十分ではなかった。すなわち、長期使用や環境変動によりトナーの帯電量が変動し、特に高温高湿環境下または低温低湿環境下で使用した場合に所望の画像濃度が得られないという問題があった。
【0005】
トナー粒子表面における無機微粒子の付着状態については、上述のように無機微粒子をトナー粒子表面に単に強く付着させる構成だけでなく、様々な構成が提案されている。例えば、特許公報2956247号では2種類の外添剤の一方を表面に半埋没状態で付着させ、もう一方を非埋没状態で付着させることにより帯電性と耐環境性の両立が達成できることが記載されている。また例えば、特開平11-24301号公報、特開平6-282097号公報、特開平7-199519号公報、特開平8-15899号公報、特開平9-146293号公報ではトナーにある水準の超音波エネルギーを与えたときの外添剤の離脱量および外添剤の添加量の規定により、トナーの流動性と帯電性、外添剤起因によるフィルミングなどの両立を図る提案がなされている。これらの構成を達成するための外添剤付着状態の制御手段としては、従来から公知のヘンシェルミキサーなどの回転羽根を有する混合装置の回転数や羽根に関わるパラメータ条件を最適化することにより達成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、キャリアや感光体への無機微粒子のスペントを抑制し、かつ優れた流動性を長期にわたって維持する静電潜像現像用トナーを提供することを第1の目的とする。
【0007】
本発明はまた、帯電安定性および帯電環境特性に優れた静電潜像現像用トナーを提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に無機微粒子をトナー粒子100重量部に対して1.3重量部以上外添してなり、無機微粒子の付着強度分布において強付着ピークと弱付着ピークの2つのピークを有する静電潜像現像用トナーであって、該付着強度分布において「強付着ピークの山を構成する無機微粒子離脱量の和」に対する「弱付着ピークの山を構成する無機微粒子離脱量の和」の割合(付着強度比率)が10〜100%であることを特徴とする静電潜像現像用トナーに関する。当該トナーによって上記第1の目的が達成される。
【0009】
本発明はまた、少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に無機微粒子を外添してなり、無機微粒子の付着強度分布において強付着ピークと弱付着ピークの2つのピークを有する静電潜像現像用トナーであって、2種類以上の無機微粒子がトナー粒子に強付着している静電潜像現像用トナーに関する。当該トナーによって上記第2の目的が達成される。
【0010】
本発明の発明者等は無機微粒子の付着状態に着目し、無機微粒子のトナー粒子への付着強度を定量化した無機微粒子の付着強度分布において、強付着ピークと弱付着ピークの2つのピークを有する場合に、無機微粒子のキャリアや感光体へのスペントに起因する問題が発生せずに高い流動性付与効果が得られることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、上記第1の目的を達成する第1のトナーについて説明する。
本発明の第1のトナーはトナー粒子に無機微粒子が外添されてなり、無機微粒子の付着強度分布において強付着ピークと弱付着ピークの2つのピークを有する。本明細書中、外添とは、添加される材料がトナー粒子の表面(外部)に付着するように、当該材料をトナー粒子に対して添加処理することをいう。
【0012】
付着強度分布とは、外添されてトナー粒子表面に付着している無機微粒子(以下、単に「外添剤」ともいう)の相対的な付着強度を定量的に表した分布、すなわちトナー粒子表面に付着している無機微粒子の量を付着強度別に表した分布をいう。本明細書中においては、そのような付着強度分布として、トナー4gを界面活性剤40mlに分散させた後、周波数15kHz/出力60wの超音波エネルギーを30秒刻みで付与したときの、トナー粒子から離脱した無機微粒子の量を超音波付与時間別にヒストグラム化することによって作成されたグラフを用いているが(以下、超音波法という)、上記方法によって作成されなければならないというわけではなく、トナー粒子に上記方法の超音波エネルギーに相当するエネルギーによって測定した付着強度分布が得られれば、いかなる方法によって作成されてもよい。
【0013】
また、付着強度分布において強付着ピークと弱付着ピークの2つのピークを有するとは、トナー粒子表面に付着している無機微粒子の量を付着強度別に表した分布において、特定の付着強度の無機微粒子の量がその前後の付着強度の無機微粒子の量より多くなっている部分が2ヶ所存在することをいい、換言すると付着強度の観点から大別して比較的大きな付着強度によってトナー粒子に付着している無機微粒子と、比較的小さな付着強度によってトナー粒子に付着している無機微粒子とが存在していることを意味する。本発明においては、強付着無機微粒子がトナー粒子表面を比較的強固に均一に被覆し、機械的ストレスによっても剥がれにくく(即ち遊離しにくい)、更にその上に弱付着微粒子が存在するため、トナーの無機微粒子スペントを抑制しつつ、優れた流動性を長期にわたって維持できると考えられる。本明細書中、付着強度分布における2つのピークのうち比較的大きな付着強度で存在するピークを強付着ピークと呼び、比較的小さな付着強度で存在するピークを弱付着ピークと呼ぶ。
【0014】
詳しくは、付着強度分布は、例えば、図1に示すようなグラフをいう。図1のグラフは上記超音波法によって作成された、第1のトナーの一例の付着強度分布であり、当該トナーは超音波付与時間210秒で強付着ピークを有し、超音波付与時間90秒で弱付着ピークを有していることがわかる。
【0015】
第1のトナーは、流動性のさらなる向上と無機微粒子のより有効なスペント防止の観点から、上記超音波法によって作成された付着強度分布において、弱付着ピークを超音波付与時間30〜150秒に、強付着ピークを超音波付与時間150〜300秒に有することが好ましい。
【0016】
トナーが超音波法による付着強度分布において、1のピークしか有さず、かつ当該ピークが超音波付与時間150秒以上に存在する場合は、流動性付与効果が低く、転写性が悪化し転写効率の低下や中抜けの問題が発生する。なお、この場合であっても上記付着強度分布がブロードの場合は、遊離外添剤が比較的多量となり、スペントによるキャリア劣化や感光体上への固着によるBSの問題が発生する。また、超音波法による付着強度分布において、1のピークしか有さず、かつ当該ピークが超音波付与時間150秒未満に存在する場合は、遊離外添剤が比較的多量となり、スペントによるキャリア劣化や感光体上への固着によるBSの問題が発生する。
【0017】
第1のトナーにおいては、上記のような付着強度分布において「強付着ピークの山を構成する無機微粒子離脱量の和」に対する「弱付着ピークの山を構成する無機微粒子離脱量の和」の割合(付着強度比率)が10〜100%であり、流動性のさらなる向上とそれに伴う中抜け防止、ならびに無機微粒子スペントのより有効な防止の観点からは、好ましくは10〜50%、より好ましくは10〜35%である。上記付着強度比率を算出するに際しては弱付着ピークの山と強付着ピークの山との間の谷に相当するチャンネルの無機微粒子離脱量はいずれの和にも加算されず、例えば、図1に示すような付着強度分布における上記付着強度比率は、超音波付与時間30〜120秒における無機微粒子離脱量の和の、超音波付与時間180〜300秒における無機微粒子離脱量の和に対する割合として算出される。付着強度比率が10%未満であると、流動性の低下や転写性の悪化の問題が顕著となる。一方、付着強度比率が100%を越えると、遊離外添剤の影響が大きくなり、すなわちキャリア汚染やBSの問題が顕著となる。
【0018】
以下、第1のトナーをその製造方法とともに詳しく説明する。
第1のトナーは以下の2段階の処理によって有効に製造され得る。先ず、トナー粒子に無機微粒子を添加し、混合を行った後、熱エネルギーでトナー粒子表面に無機微粒子を固定化させることで、当該無機微粒子のトナー粒子への強付着を達成し、付着強度分布における強付着ピークを得る。そして、得られたトナー粒子に無機微粒子を更に添加し、公知の混合装置で混合することにより、当該無機微粒子のトナー粒子への弱付着を達成し、付着強度分布における弱付着ピークを得る。このとき、付着強度分布において強付着ピークの山は主に熱エネルギーによる固定化(以下、単に熱処理ということがある)の前に添加された無機微粒子によって構成され、一方弱付着ピークの山は主に熱処理後に添加された無機微粒子によて構成される。
【0019】
これに対して、従来のようにトナー粒子に無機微粒子を添加し、ヘンシェルミキサー等の公知の回転羽根式混合装置で単に混合した場合は、弱付着ピークおよび強付着ピークを有する付着強度分布は得られず、弱付着ピークのみを有するブロードな付着強度分布が得られる。また、ヘンシェルミキサー等の公知の回転羽根式混合装置で比較的強い条件下で混合した場合においては、無機微粒子はトナー粒子中に完全に埋没するものや遊離して浮遊している状態のものまで存在し、図2(a)に示すように、強付着ピークのみを有し、かつブロードな付着強度分布が得られる。たとえ、2段階にわけて無機微粒子を添加、混合した場合においても、弱付着ピークおよび強付着ピークを有する付着強度分布は得られず、図2(b)に示すように、強付着ピークのみを有し、かつブロードな付着強度分布が得られる。このようにヘンシェルミキサー等の公知の回転羽根式混合装置を単独で用いた場合においては、ブロードな付着強度分布しか得られず、弱付着ピークおよび強付着ピークを有する付着強度分布は得られない。
【0020】
熱処理の前後に添加される無機微粒子の種類は特に制限されず、静電潜像現像用トナーの分野でトナーの流動性向上のために使用される公知の無機微粒子が使用可能である。流動性の向上効果がより有効に得られる観点からは、平均一次粒径10〜100nmの無機微粒子を用いることが好ましく、より好ましくは平均1次粒径10〜100nmのシリカ、平均1次粒径20〜100nmのチタニアおよび平均1次粒径20〜100nmのアルミナからなる群から選択される1またはそれ以上の無機微粒子を用いる。熱処理前に添加される無機微粒子および熱処理後に添加される無機微粒子はそれぞれ独立して選択されてよい。
【0021】
平均1次粒径10〜100nmのシリカとしては、例えば日本アエロジル社やクラリアントジャパン社から市販されている比表面積のグレードでいう#300、#200、#130、#90、#70、#50相当のシリカやOX50(日本アエロジル社製)が好適に用いられる。
また平均1次粒径20〜100nmのチタニアとしては、例えば、テイカ社のMTシリーズやチタン工業社のSTシリーズ、石原産業社のTTOシリーズなどから市販されている比表面積が30〜150m2/gの酸化チタン粒子が好適に用いられる。
また平均1次粒径20〜100nmのアルミナとしては、例えば、市販のAKP-Gシリーズ(住友化学社製)やオキサイドC(デグサ社製)が好適に用いられる。
【0022】
無機微粒子は、長期使用および環境変動によっても良好な流動性を維持する観点から、疎水化剤によって表面処理されていることが好ましい。疎水化剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等が使用可能である。シランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能であり、シリコーンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。
【0023】
疎水化剤を用いて無機微粒子の表面を処理するには、次のような方法を採用することができる。まず、無機微粒子をブレンダー等で強制的に攪拌しつつ、疎水化剤を単独で、または疎水化剤をテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンあるいはアセトン等の溶剤と混合希釈した希釈液を、滴下したりスプレーしたりして加え、充分混合する。次に得られた混合物をバット等に移してオーブンに入れ加熱し乾燥させる。その後再びブレンダーにて攪拌し充分に解砕する。このような方法において2種以上の疎水化剤を組み合わせて用いてもよい。このような乾式法の他に、無機微粒子を、疎水化剤を有機溶剤に溶かした溶液に浸漬し、乾燥させ解砕する湿式による処理法も採用してもよい。また、チタニアやアルミナのような表面活性の低い無機微粒子に対しては水系中で上記疎水化剤のアルコール溶液による表面処理方法を用いるのが好ましい。
【0024】
また、無機微粒子は、上記疎水化剤による表面処理を施す前に、100℃以上で加熱処理した方が望ましい。疎水化剤の使用量は、無機微粒子の種類等により調整する必要があるが、無機微粒子に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%使用する。0.1重量%より少ないと疎水化の効果がなく、5重量%より多いと無機微粒子同士の凝集物が多く生じて、現像剤の流動性改善等の無機微粒子本来の効果が阻害される。
【0025】
無機微粒子の疎水化度は40〜100%、好ましくは50〜100%であることが望ましい。本明細書中、疎水化度はメタノール滴定法(アエロジル社標準法)によって測定された値を用いている。詳しくは、試料0.2gを100mlビーカーに採取し、純水50mlを加える。電磁撹拌しながら、液面下へメタノールを加え、液面上に試料が認められなくなった点を終点とし、要したメタノール量(X(ml))から疎水化度を算出する。
疎水化度(V/V%)=X/(50+X)×100
【0026】
第1のトナーにおいて熱処理前に添加される無機微粒子および熱処理後に添加される無機微粒子の合計添加量はトナー粒子100重量部に対して1.3重量部以上、好ましくは1.5〜10重量部、より好ましくは1.5〜8重量部である。無機微粒子添加量が少なすぎると、流動性付与効果が小さいため、中抜けが発生して好ましくない。
【0027】
熱処理前に添加される無機微粒子の添加量は、熱処理後に添加される無機微粒子の添加量との合計量が上記範囲内であり、かつ得られるトナーの付着強度比率が前記範囲内であれば、特に制限されないが、得られるトナーにおける流動性のさらなる向上と無機微粒子のより有効なスペント防止の観点から、トナー粒子100重量部に対して0.1〜8重量部、好ましくは0.8〜5重量部、より好ましくは1.0〜3.0重量部であることが望ましい。熱処理前に添加される無機微粒子としては上述のように2種以上の無機微粒子が使用されてもよく、その場合においてはそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0028】
熱処理前の混合は特に制限されないが、無機微粒子がトナー粒子表面に均一で、かつ比較的弱い力で付着するように、ヘンシェルミキサー等の公知の混合装置により比較的弱い条件下で行うことが好ましい。熱エネルギーによる固定化処理において均一な処理を行うことができ、無機微粒子を均一に強付着させることができるためである。
【0029】
熱エネルギーによる固定化(熱処理)について説明する。
本発明における熱エネルギーによる無機微粒子の固定化は瞬間的加熱処理により達成される。好ましい瞬間的加熱処理は、熱風中にトナー粒子と無機微粒子の混合物を圧縮空気により分散噴霧することにより達成され、これによってトナー粒子は熱により表面改質されつつ無機微粒子に強付着され、従来の方法をもっても達成できなかった付着強度分布におけるシャープな強付着ピークを達成することができる。すなわち、無機微粒子は均一に強付着され得る。更にはトナー粒子表面が熱によってならされ、角張った不定形トナーが丸みを帯びた形状となり、流動性の改善、凝集性の改善により転写時の中抜け改善に優れた効果が得られる。
【0030】
好ましい瞬間的加熱処理を行なう装置の概略構成図を図3および図4を用いてさらに詳しく説明する。図3に示す如く、熱風発生装置101にて調製された高温高圧エアー(熱風)は導入管102を経て熱風噴射ノズル106より噴射される。一方、トナー粒子105と当該処理前に混合された無機微粒子の混合物(以下、単にトナー粒子という)は定量供給器104から所定量の加圧エアーによって導入管102’を経て搬送され、前記熱風噴射ノズル106の周囲に設けられた試料噴射室107へ送り込まれる。
【0031】
試料噴射室107は、図4に示す如く、中空のドーナツ形状をしており、その内壁には複数の試料噴射ノズル103が等間隔に配置されている。試料噴射室107へ送り込まれたトナー粒子は、噴射室107で拡散して均等に分散した状態となり、引き続き送り込まれてくるエアーの圧力によって複数の試料噴射ノズル103から熱風気流中へ噴射される。
【0032】
また、試料噴射ノズル103の噴出流が熱風気流を横切ることがないように試料噴射ノズル103に所要の傾きを設けておくことが好ましい。具体的には、トナー噴出流が熱風気流にある程度沿うように噴射することが好ましく、トナー噴出流と熱風気流の中心領域の流れ方向とのなす角度が20〜40°、好ましくは25〜35°が好ましい。40°よりも広いとトナー噴出流が熱風気流を横切るように噴射されることになり、他のノズルから噴射されたトナー粒子と衝突してトナー粒子の凝集が発生し、一方、20°よりも狭いと熱風中に取り込まれないトナー粒子が発生し、瞬間的加熱処理の効果が小さい。
【0033】
また、試料噴射ノズル103は複数本必要であり、少なくとも3本以上、4本以上が好ましい。複数本の試料噴射ノズルを使用することによって熱風気流中へのトナー粒子の均一な分散が可能となり、トナー粒子1つ1つの加熱処理を確実に行うことができる。試料噴射ノズルから噴出された状態としては、噴出時点で広く拡散し、他のトナー粒子と衝突することなく熱風気流全体へ分散されることが望ましい。
【0034】
このようにして噴射されたトナー粒子は高温の熱風と瞬間的に接触して均質に加熱処理される。すなわち、トナー粒子は高温の熱風との瞬間的接触により、トナー粒子表面が瞬間的に溶融され、同時に当該粒子表面に付着していた無機微粒子が当該粒子中に適度に埋没し、その後の冷却によって、無機微粒子が強付着したトナー粒子が得られる。ここで瞬間的とは、処理温度並びにトナー粒子の熱風気流中での濃度により異なるが、必要なトナー粒子の改質(加熱処理)が達成され、かつトナー粒子同士の凝集が発生しない時間であり、通常2秒以下、好ましくは1秒以下がよい。この瞬間的時間は、トナー粒子が試料噴射ノズルから噴射され、導入管102”に導入されるまでのトナー粒子の滞留時間として表わされる。この滞留時間が2秒を越えると合一粒子が発生しやすくなる。
【0035】
次いで、瞬間加熱されたトナー粒子は直ちに冷却風導入部108から導入される冷風によって冷却され、装置器壁へ付着したり粒子同士凝集したりすることなく導入管102”を経てサイクロン109により捕集され、製品タンク111に貯まる。トナー粒子が捕集された後の搬送エアーはさらにバグフィルター112を通過して微粉が除去された後、ブロアー113を経て大気中へ放出される。なお、サイクロン109は冷却水が流れている冷却ジャケットを設け、トナー粒子の凝集を防止することが好ましい。
【0036】
その他、瞬間的加熱処理を行うに重要な条件としては、熱風風量、分散風量、分散濃度、処理温度、冷却風温度、吸引風量、冷却水温度である。
【0037】
熱風風量とは、熱風発生装置101により供給される熱風の風量である。この熱風風量は、多くする方が熱処理の均一性、処理能力を向上させる意味で好ましい。
分散風量とは、加圧エアーによって、導入管102’に送り込まれる風量のことである。その他の条件にもよるが、この分散風量は、押さえて熱処理した方が、トナー粒子の分散状態が向上、安定する為好ましい。
分散濃度とは、熱処理領域、具体的にはノズル吐出領域でのトナー粒子の分散濃度をいう。好適な分散濃度はトナー粒子の比重によって異なり、分散濃度を各トナー粒子の比重で割った値が、50〜300g/m3、好ましくは、50〜200g/m3で処理することが好ましい。
【0038】
処理温度とは、熱処理領域での温度をいう。熱処理領域では中心から外側に向け温度勾配が実状存在するが、この温度分布を低減して処理することが好ましい。装置面からは、スタビライザー等により風を安定化層流状態で供給することが好ましい。分子量分布のシャープな結着樹脂、例えば重量平均分子量/数平均分子量が2〜20を有する結着樹脂を使用してなる非磁性トナー粒子においては、結着樹脂のガラス転移点+100℃以上〜ガラス転移点+300℃のピーク温度範囲で処理することが好ましい。より好ましくは結着樹脂のガラス転移点+120℃以上〜ガラス転移点+250℃のピーク温度範囲で処理する。なお、ピーク温度範囲とはトナーが熱風と接触する領域での最高温度をいう。
【0039】
分子量分布の比較的広いタイプの結着樹脂、例えば重量平均分子量/数平均分子量が30〜100を有する結着樹脂を使用してなる非磁性トナー粒子においては、結着樹脂のガラス転移温度+100℃以上〜ガラス転移温度+300℃のピーク温度範囲で処理することが好ましい。さらに好ましくは結着樹脂のガラス転移温度+150℃以上〜ガラス転移温度+280℃のピーク温度範囲で処理する。これは、トナー粒子への無機微粒子の均一な強付着(トナー粒子表面の均一性)ならびに所望によりトナー粒子の均一な球形化を達成する為には、結着樹脂の高分子量領域の改質をも達成できるよう高めの処理温度に設定する必要が生じる為である。しかしながら、処理温度を高めに設定すると逆に合一粒子が発生しやすくなる為、当該処理前に添加される無機微粒子(トナー粒子に強付着される無機微粒子)の添加量を上記範囲内で多めに設定する、処理時の分散濃度を低めに設定する等のチューニングが必要となる。
【0040】
冷却風温度とは、冷却風導入部108から導入される冷風の温度である。トナー粒子は瞬間的加熱処理後、トナー粒子の凝集あるいは合一が発生しすぎない温度領域まで瞬時に冷却すべく、冷却風によりガラス転移温度以下の雰囲気下に戻すことが好ましい。この為、冷却風の温度は、25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは、10℃以下で冷却する。しかしながら、必要以上に温度を下げると条件によっては結露が発生する可能性があり、逆に副作用が生じるので注意が必要である。かかる瞬間的加熱処理では、後述する装置内の冷却水による冷却と併せて、トナー粒子表面が溶融状態にある時間が非常に短い為、粒子相互および熱処理装置の器壁への粒子付着がなくなる。この結果、連続生産時の安定性に優れ、製造装置の清掃頻度も極端に少なくでき、また、収率を高く安定的に制御できる。
【0041】
吸引風量はブロアー113により処理されたトナー粒子を搬送する為のエアーをいう。この吸引風量は、多くする方が、トナー粒子の凝集性を低減させる意味で好ましい。
冷却水温度とは、サイクロン109、114ならびに導入管102”に設けられている冷却ジャケット内の冷却水の温度をいう。冷却水温度は、25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは、10℃以下である。
【0042】
無機微粒子の固定化度を高め、均一な強付着、すなわち付着強度分布におけるシャープな強付着ピークを達成するためには、さらに以下の工夫を施すことが好ましい。
▲1▼熱風気流中に供給するトナー粒子量を一定に制御し、脈動等を発生させないこと。このためには;(i)図3中115で使用されるテーブルフィーダーおよび振動フィーダー等を複数種組み合わせて使用し、定量供給性を高める。テーブルフィーダーおよび振動フィーダーを使用して、精度の高い定量供給を行うことができれば、微粉砕あるいは分級工程を連結し、そのままオンラインで熱処理工程にトナー粒子を供給することも可能となる;(ii)トナー粒子を圧縮空気で供給後、熱風中に供給する前に、トナー粒子を試料供給室107内で再分散させ、均一性を高める。例えば、二次エアーにより再分散させる、バッファ部を設けてトナー粒子の分散状態を均一化する、または同軸二重管ノズル等で再分散させる等の手段を採用する。
【0043】
▲2▼熱風気流中に噴霧供給した際のトナー粒子の分散濃度を最適化かつ均一に制御すること。このためには;(i)熱風気流中への供給は、全周方向から均一に、かつ、高分散状態で投入する。より具体的には分散ノズルから供給する場合には、スタビライザ等を有するノズルを使用し、個々のノズルから分散されるトナー粒子の分散均一性を向上させる;(ii)熱風気流中のトナー粒子の分散濃度を均一化する為、ノズル本数は、前記したように少なくとも3本以上、好ましくは、4本以上とできる限り多くし、かつ、全周方向に対して、対称形で配置する。360度全周領域に設けられたスリット部から均一にトナー粒子を供給してもよい。
【0044】
▲3▼すべての粒子に対して、均一な熱エネルギーがかかる様、トナー粒子が処理される領域での熱風の温度分布がなき様制御され、かつ、熱風が層流状態に制御されていること。このためには;(i)熱風を供給する熱源の温度バラツキを低減すること;(ii)熱風供給前の直管部分をできる限り長くしたりする。または、熱風供給口付近に熱風を安定化させる為のスタビライザを設けることも好ましい。さらに、図3に例示した装置構成は、開放系であり、そのため外気と接する方向に熱風が拡散する傾向にある為、熱風の供給口を必要に応じて絞っても良い。
【0045】
▲4▼熱処理品の捕収は、熱を発生させないよう制御されてなること。このためには;(i)熱処理ならびに冷却されてなる粒子は、配管系(特にアール部分)ならびに通常トナー粒子の捕収で使用されているサイクロンで発生する熱を押さえる為、チラーでの冷却をすることが好ましい。
【0046】
以上のようにして熱エネルギーによって無機微粒子が強付着されたトナー粒子に、無機微粒子をさらに添加し、公知の混合装置によって混合することによって、本発明の第1のトナーを得ることができる。熱処理後の無機微粒子の添加量は、熱処理前の無機微粒子の添加量との合計量が上記範囲内であり、かつ得られるトナーの付着強度比率が前記範囲内であれば、特に制限されないが、通常、上記熱処理前のトナー粒子100重量部に対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.3〜3.0重量部、より好ましくは0.3〜2.0である。熱処理後に添加される無機微粒子として2種以上の無機微粒子が使用されてもよく、その場合においてはそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0047】
混合は公知の混合装置、例えば、ヘンシェルミキサー等のような回転羽根式混合装置により行ってよい。混合条件は熱処理後に添加される無機微粒子が熱処理を施されたトナー粒子表面に弱付着される程度の条件であればよく、例えば、標準の羽根(ST/A0)を装備した9Lのヘンシェルミキサーを用いて仕込み重量約1〜2kgの被処理物(上記固定化処理後のトナー粒子+無機微粒子)を処理する場合、周速10〜50m/s、好ましくは20〜40m/sで0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間処理される。なお、当該工程においてシリカが添加される場合において、シリカは凝集粒子が比較的多いため、混合条件を上記範囲内でやや強めに設定することが好ましい。
【0048】
このような混合に際しては、研磨剤、潤滑剤、キャリア劣化抑制機能粒子等の公知の添加剤を添加してもよい。研磨剤としては、例えば、平均1次粒径が100nmを越える、好ましくは100〜800nmの公知の無機微粒子および有機微粒子が使用可能である。無機微粒子材料として、例えば、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、大粒径シリカ、大粒径アルミナ等が挙げられる。有機微粒子材料として、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0049】
潤滑剤としては、例えば、平均粒径がトナーサイズ以下、好ましくは1〜10μmのステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩が挙げられる。
【0050】
以上のようにして得られる本発明の第1のトナーは平均円形度0.955以上を有していることが好ましい。そのような平均円形度を有することにより、トナーの転写性がさらに向上し、転写効率の低下や中抜けの問題をより有効に防止できるためである。本明細書中、平均円形度とは次式;
【数1】
Figure 0004385507
により算出される値の平均値であり、「粒子の投影面積に等しい円の周囲長」および「粒子投影像の周囲長」はフロー式粒子像分析装置(FPIA-1000またはFPIA-2000;東亜医用電子株式会社製)を用いて水分散系で測定を行って得られる値をもって示している。1に近いほど、真円に近いことを示している。このように平均円形度は、「粒子の投影面積に等しい円の周囲長」および「粒子投影像の周囲長」から求められるため、当該値はトナー粒子の形状、すなわち粒子表面の凹凸状態を正確に反映する指標となる。また、平均円形度はトナー粒子3000個の平均値として得られる値であるため、本発明における平均円形度の信頼性は極めて高い。なお、本明細書中において、平均円形度は上記装置によって測定されなければならないというわけでなく、原理的に上式に基づいて求めることができる装置であればいかなる装置によって測定されてもよい。
【0051】
本発明の第1のトナーにおいてトナー粒子は公知のいかなるトナー粒子であってよく、通常、少なくとも結着樹脂および着色剤を含んでなり、所望により荷電制御剤、離型剤(オフセット防止剤)、磁性粉等をさらに含む。
【0052】
トナー粒子は公知の方法、例えば、粉砕法等の乾式法、または乳化分散法、乳化重合法または懸濁重合法等の湿式法等によって製造されてよく、製造容易性の観点から、粉砕法を用いて製造されることが好ましい。例えば、トナー粒子が粉砕法によって製造される場合、例えば、結着樹脂および着色剤、所望により荷電制御剤、離型剤(オフセット防止剤)、磁性粉を混合し、溶融混練し、冷却した後、粗粉砕および微粉砕し、分級してトナー粒子を得る。トナー粒子の体積平均粒径は3〜8.5μm、好ましくは4〜7μmであることが望ましい。それより大きい場合、ハーフトーン画像のキメ感や細線再現性が悪化するため好ましくなく、またそれより小さい場合はトナーの粉体ハンドリング性が著しく悪化し、また、トナーが粉体のまま機外に放出された場合の人体への影響が懸念されるため好ましくない。
【0053】
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、静電潜像現像用トナーの分野で使用される熱可塑性の公知の合成樹脂および天然樹脂を用いることができる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂および天然樹脂が挙げられる。本発明においては、ガラス転移温度が50〜75℃、軟化点が80〜160℃、数平均分子量が1000〜30000および重量平均分子量/数平均分子量が2〜100である樹脂を用いることが好ましい。
【0054】
特に、フルカラートナー(黒トナーを含む)を目的とするときは、ガラス転移点50〜75℃、軟化点80〜120℃、数平均分子量2000〜30000および重量平均分子量/数平均分子量が2〜20である樹脂を使用するのがよい。また、モノクロ用トナーまたは磁性トナーを目的とするときは、ガラス転移点50〜75℃および軟化点80〜125℃の第1樹脂と、ガラス転移点50〜75℃および軟化点125〜160℃の第2樹脂とからなる結着樹脂を使用するのがよい。
【0055】
トナー結着樹脂としては、より好ましくは、上記特性を有し、酸価が2〜50KOHmg/g、好ましくは3〜30KOHmg/gのポリエステル系樹脂を使用する。このような酸価を有するポリエステル系樹脂を用いることによって、カーボンブラックを含む各種顔料や荷電制御剤の分散性を向上させるとともに、十分な帯電量を有するトナーとすることができる。
【0056】
着色剤としては、公知の顔料及び染料が使用される。例えば、各種カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。また、黒トナー粒子には、各種カーボンブラック、活性炭、チタンブラックに加えて、着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えることができる。このような磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等、公知の磁性体微粒子が使用可能である。磁性粒子の平均粒径は製造時における分散性を得る意味において、好ましくは1μm以下、特に0.5μm以下が好ましい。
【0057】
黒トナー粒子において着色剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して3〜15重量部が好適である。カラートナー粒子(黒トナー粒子以外のフルカラートナー粒子)において着色剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して2〜6重量部が好適である。カラートナー粒子において着色剤は、トナー粒子中での分散性向上の観点から、使用される結着樹脂と相溶性のよい樹脂、好ましくは使用される結着樹脂と予め溶融混練し、粉砕して得られるマスターバッチとして使用されることが好ましい。この場合においてマスターバッチの使用量は、当該マスターバッチ中の着色剤の含有量が上記範囲内であればよい。
【0058】
磁性トナーとして用いる場合は、上記着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えてもよい。このような磁性体としては、黒トナー粒子の説明で例示した公知の磁性体微粒子が使用可能である。磁性体は結着樹脂100重量部に対して20〜60重量部添加するとよい。
【0059】
帯電制御剤としては、特に制限されず、例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き高分子酸、第4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料、カーボンブラック等を添加することができる。
【0060】
さらに、耐オフセット性等の特性を向上させるために離型剤としてワックスを含有させてもよい。このようなワックスとしてはポリオレフィン系ワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス等を挙げることができ、好ましくはポリオレフィン系ワックスを用いる。このようにトナーにワックスを含有させる場合、その含有量は特に制限されないが、結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問題を生じることなく添加による効果を得る上で好ましい。離型剤は2種以上組み合わせて用いてもよく、その場合においてはそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0061】
ポリオレフィン系ワックスとしては、例えば、酸化型ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられる。結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合においては、酸化型ポリプロピレンワックスを使用することが、ワックスの分散性の観点から特に好ましい。
【0062】
ポリオレフィン系ワックス、特に低分子量ポリプロピレンワックスを用いる場合は、トナーの流動性のさらなる向上の観点から、カルボン酸または酸無水物で変性したものを用いることが好ましい。特に、低分子量ポリプロピレンをアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸および無水マレイン酸からなる群から選択される1種以上の酸モノマーで変性した変性ポリプロピレンが好適に使用される。変性ポリプロピレンは、例えば、ポリプロピレンに、上記1種以上の酸モノマーを過酸化物触媒存在下もしくは無触媒下でグラフトあるいは付加反応させることにより得ることができる。変性ポリプロピレンは酸価が0.5〜30KOHmg/g、好ましくは1〜20KOHmg/gであることが好ましい。
【0063】
変性ポリプロピレンワックスとして市販されているものでは、例えば、三洋化成工業社製のビスコール100TS(軟化点140℃,酸価3.5)、ビスコール110TS(軟化点140℃,酸価3.5)等が使用できる。
【0064】
以上のようにして得られる本発明の第1のトナーは、フルカラー画像形成方法、好ましくは像担持体上に形成されたトナー像の中間転写体上への押圧転写を各色毎に重ねて行った後、中間転写体上に転写されたトナー像を記録部材上に押圧転写することを含むフルカラー画像形成方法において有効に使用され得る。すなわち、本発明の上記第1のトナーを用いたフルカラー画像形成方法においては1次および2次転写時におけるトナー画像の中抜けやキャリアおよび感光体への無機微粒子のスペントが長期にわたって抑制されるため、BSやカブリ等のノイズがない転写性に優れた高画質フルカラー画像を長期にわたって得ることができる。特に、1成分現像方式を適用した場合にはトナー担持体上でのトナー選別(特定の形状または粒径のトナーが消費される現象)が発生せず、長期的に渡って安定した画像が得られる。さらに瞬間的加熱処理をほどこして得られた第1のトナーはトナー形状がそろっており、表面平滑性が高いため、ストレスに対して強く、無機微粒子の埋没およびトナーの割れによる微粉発生が低減され得る。
【0065】
本発明はまた、少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に無機微粒子を外添してなり、無機微粒子の付着強度分布において強付着ピークと弱付着ピークの2つのピークを有する静電潜像現像用トナーであって、2種類以上の無機微粒子がトナー粒子に強付着している第2のトナーにも関する。
【0066】
第2のトナーは、無機微粒子の添加量および付着強度比率が制限されることなく、2種類以上の無機微粒子がトナー粒子に強付着していること以外、第1のトナーと同様である。第2のトナーにおいて弱付着している無機微粒子は、2種類以上の無機微粒子がトナー粒子に強付着している限り特に制限されず、強付着している上記2種類以上の無機微粒子の一部または全部と同一であってもよいし、異なっていてもよい。2種類以上の無機微粒子とは材料の種類が異なる2種類以上の無機微粒子を意味する。
【0067】
このような構成とすることによって、優れたトナーの帯電安定性および帯電環境特性が得られる。すなわち、長期使用や環境変動によるトナー帯電量の変動を抑制し、特に高温高湿環境下または低温低湿環境下で使用した場合の画像濃度の低下を防止することができる。1種類の無機微粒子を単独でトナー粒子に強付着させても、帯電安定性および帯電環境特性の向上効果は得られない。
【0068】
詳しくは、強付着される無機微粒子として、公知の無機微粒子から選択される2種類以上の無機微粒子を用い、好ましくは少なくともシリカを含む2種類以上の無機微粒子を用いる。さらに好ましくは、シリカ、チタニアおよびアルミナからなる群から選択され、少なくともシリカを含む2種類以上の無機微粒子を用いる。一般に、強付着される無機微粒子の組み合わせとしては、シリカとチタニア、またはシリカとアルミナの組み合わせが好ましい。
弱付着される無機微粒子は、強付着される無機微粒子から独立して選択され、詳しくは、公知の無機微粒子から選択される1種類以上の無機微粒子を用い、好ましくはシリカ、チタニアおよびアルミナからなる群から選択される1種類以上の無機微粒子を用いる。
強付着される無機微粒子および弱付着される無機微粒子は、第1のトナーにおける無機微粒子と同様に、疎水化剤によって表面処理されていることが好ましい。
【0069】
第2のトナーの製造方法としては、強付着されるべき無機微粒子を2種類以上用いること以外、上記の第1のトナーの製造方法とほぼ同様である。
【0070】
第2のトナーにおける強付着されるべき無機微粒子および弱付着されるべき無機微粒子の添加量および平均1次粒径、ならびに付着強度比率は特に制限されないが、それぞれ第1のトナーにおいてと同様であることが好ましい。
【0071】
本発明においては、上記第2の発明(第2のトナー)を第1のトナーに適用することによって、第1のトナーにおける効果と第2のトナーにおける効果を同時に得ることができる。すなわち、第1のトナーにおいて、強付着される無機微粒子として、公知の無機微粒子から選択される2種類以上の無機微粒子を用い、好ましくは少なくともシリカを含む2種類以上の無機微粒子を用いる。さらに好ましくは、シリカ、チタニアおよびアルミナからなる群から選択され、少なくともシリカを含む2種類以上の無機微粒子を用いる。一般に、強付着される無機微粒子の組み合わせとしては、シリカとチタニア、またはシリカとアルミナの組み合わせが好ましい。第1のトナーにおいて強付着される無機微粒子を上記のように選択することによって、キャリアや感光体への無機微粒子のスペントを抑制し、優れた流動性を長期にわたって維持する、帯電安定性および帯電環境特性に優れたトナーを得ることができる。
【0072】
このとき、弱付着される無機微粒子は、強付着される無機微粒子から独立して選択され、詳しくは、公知の無機微粒子から選択される1種類以上の無機微粒子を用い、好ましくはシリカ、チタニアおよびアルミナからなる群から選択される1種類以上の無機微粒子を用いる。強付着される無機微粒子および弱付着される無機微粒子は、第1のトナーにおける無機微粒子と同様に、疎水化剤によって表面処理されていることが好ましい。
【0073】
このようなトナーは、強付着される無機微粒子および弱付着される無機微粒子として上記のような材料を用いること以外、第1のトナーと同様である。製造方法としては、強付着されるべき無機微粒子を2種類以上用いること以外、上記の第1のトナーの製造方法と同様である。
【0074】
【実施例】
(ポリエステル樹脂Aの製造)
2リットルの4つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を取り付け、マントルヒーター中に設置し、ビスフェノールA-エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA-プロピレンオキサイド付加物、テレフタル酸およびフマル酸を、モル比(ビスフェノールA-エチレンオキサイド付加物:ビスフェノールA-プロピレンオキサイド付加物:テレフタル酸:フマル酸)が5:5:4:5となるように仕込み、フラスコ内に窒素を導入しながら加熱・攪拌して反応させた。酸価を測定しながら反応の進行を追跡し、所定の酸価に達した時点で反応を終了し、数平均分子量Mnが4800、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが3.9、ガラス転移温度が61℃、軟化温度が102℃のポリエステル樹脂Aを得た。
【0075】
(使用する外添剤)
・シリカA;シリカ#130(粒径15nm)をヘキサメチレンジシラザン(HMDS)で表面処理したもの(疎水化度65%)
・シリカB;シリカ#90(粒径30nm)をHMDSで表面処理したもの(疎水化度70%)
・シリカC;OX50(粒径30〜100nm、アエロジル社製)をHMDSで表面処理したもの(疎水化度70%)
・チタニアA;粒径30nmのアナターゼ型チタニア粒子をイソブチルトリメトキシシランで表面処理したもの(疎水化度65%)
・チタニアB;粒径50nmのアナターゼ型チタニア粒子をイソブチルトリメトキシシランで表面処理したもの(疎水化度65%)
・チタニアC;粒径70nmのアナターゼ型チタニア粒子をイソブチルトリメトキシシランで表面処理したもの(疎水化度60%)
・アルミナA;粒径20nmのアルミナをイソブチルトリメトキシシランで表面処理したもの(疎水化度55%)
・アルミナB;粒径60nmのアルミナをイソブチルトリメトキシシランで表面処理したもの(疎水化度60%)
・アルミナC;粒径100nmのアルミナをイソブチルトリメトキシシランで表面処理したもの(疎水化度60%)
【0076】
(熱処理および混合処理の条件)
・条件1(熱処理);最高温度;200℃、滞留時間;0.5秒、粉体分散濃度;100g/m3、冷却風温度;18℃、冷却水温度10℃。
・条件2(混合処理);周速40m/s、混合時間3分、ST/Ao羽根。
・条件3(混合処理);周速20m/s、混合時間1分、ST/Ao羽根。
・条件4(混合処理);周速40m/s、混合時間6分、ST/Ao羽根。
【0077】
(トナー母粒子の製造)
ポリエステル樹脂A(Tg:61℃、Tm:102℃)70重量部およびマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド184)30重量部を加圧ニーダーに仕込み混練した。得られた混練物を冷却後、フェザーミルにより粉砕し顔料マスターバッチを得た。
ポリエステル樹脂A93重量部、上記顔料マスターバッチ10重量部、サリチル酸亜鉛金属錯体(E84;オリエント化学工業社製)2重量部、酸化型低分子ポリプロピレン(ビスコール100TS;三洋化成工業社製)2重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、混合物を2軸押出混練機(PCM-30;池貝鉄工社製)の排出部ノズルの口径を大きくしたもので溶融混練し、得られた混練物を迅速に冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その粗砕物をジェット粉砕機(IDS;日本ニューマチック工業社製)で粉砕粗粉分級したのち、DS分級機(日本ニューマチック工業社製)で微粉分級することにより体積平均粒径6.5μmのトナー母粒子を得た。
【0078】
実験例1)
熱処理工程
トナー母粒子100重量部にシリカB0.8重量部およびチタニアB0.8重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで周速30m/sにて1分間混合した。混合物を図3に示す表面改質装置(サーフュージングシステム;日本ニューマチック工業社製)により条件1にて熱処理した。
混合処理工程
得られた混合物にシリカB0.4重量部およびチタニアB0.4重量部を添加し、仕込量約1kg、9Lヘンシェルミキサーにより条件2にて混合処理した。
篩工程
得られた混合物を円形振動篩器(目開き77μm)にてふるってトナーを得た。
【0079】
(実施例1〜4、実験例1〜16および参考例1〜9)
熱処理工程および混合処理工程で添加される外添剤の種類および添加量ならびに処理条件を表1〜3に示すように変更したこと以外、実験例1と同様にしてトナーを得た。
なお、参考例4においては混合処理工程を行わず、熱処理工程で得られた混合物をそのまま篩工程に供した。
また、参考例5においては熱処理工程の代わりに混合処理工程を行った。すなわち熱処理工程を行わず、トナー母粒子100重量部をそのまま混合処理工程に供し、得られた混合物をさらに混合処理工程に供した。
また、参考例6においては熱処理工程を行わず、トナー母粒子100重量部をそのまま混合処理工程に供した。
【0080】
(評価項目)
・付着強度分布
トナー4gを、容量100mlのビーカ中で、ポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2%水溶液に濡れさせたものを10セット用意した。各容器の溶媒中に沈降しているトナーを攪拌棒による手攪拌で10〜20回程度かき上げたのち、ただちに超音波式ホモジナイザーUS-1200T(日本精機社製;仕様周波数15kHz)にて、超音波エネルギーを本体装置に付属の振動指示値を示す電流計の値が60μA(50w)を示すように調整しながら各容器ごとに30秒、60秒、90秒、・・・、270秒、300秒の水準で付与し、トナーから溶媒中に外添剤を離脱させた。その後、デカンテーションによりトナー粒子を沈降させ、離脱外添剤が含まれる上澄み溶液を除去し、純水を60ml加えてトナーを手攪拌して洗浄し、目開き1μmのメンブランフィルターをセットした吸引ろ過器により、洗浄液を除去した。この洗浄を再度繰り返した後得られたトナーを真空乾燥器にて乾燥させて超音波付与により離脱した外添剤を除去した乾燥トナーを得た。
【0081】
これらのトナーと超音波を付与していないトナーを蛍光X線分析に供し、超音波付与後のトナーに残留する外添剤の量(X)および超音波付与前のトナーに付着していた外添剤の量(Y)を定量することによって、外添剤の離脱量を下式に基づいて求めた。なお、上記XおよびYは、トナーを焙焼することによって得られる残渣の量を測定することによっても得ることができる。
外添剤離脱量(重量%)=(Y−X)/Y
【0082】
超音波時間と外添剤離脱量の関係をヒストグラム化して付着強度分布グラフを得た。例えば、実験例1のトナーについての付着強度分布グラフを図1に示した。上記グラフから、ピークを示す超音波時間を読み取り、超音波時間150秒以下で現れるピークを弱付着ピーク、超音波時間が150秒を越えて現れるピークを強付着ピークとした。
【0083】
また、上記グラフから付着強度比率(%)を求めた。詳しくは、「強付着ピークの山を構成する外添剤離脱量の和」に対する「弱付着ピークの山を構成する外添剤離脱量の和」の割合を求めた。なお、弱付着ピークの山と強付着ピークの山との間の谷に相当するチャンネルの外添剤離脱量はいずれの和にも加算されていない。
【0084】
・円形度
フロー式粒子像分析装置(FPIA-1000またはFPIA-2000;東亜医用電子株式会社製)を用いて水分散系で測定を行って得られる値をもって示している。
・流動性
パウダーテスターで測定されるAD値により評価した。
×;AD値は0.30未満であった;
△;AD値は0.30以上0.35未満であった;
○;AD値は0.35以上0.40未満であった;
◎;AD値は0.40以上0.45未満であった。
【0085】
各トナーと後述のキャリアをトナー濃度6%で混合して現像剤、フルカラーコピー機(CF910;ミノルタ社製)およびCFペーパを用いて以下の評価を行った。
・キャリア劣化
上記マシンにて3万枚耐久試験後の現像剤からトナーを電解分離し、キャリアのみを得る。そのキャリアをトナー種を固定して帯電量測定し、Newキャリアが有する帯電レベル(Q/M)と耐久後キャリアが有する帯電レベル(Q/M)を測定して、耐久後キャリアの荷電能力を下式に基づいて算出した。
荷電能力=(耐久後キャリアのQ/M)/(NewキャリアのQ/M)×100
◎;荷電能力が90%以上であった;
○;荷電能力が80%以上であった;
△;荷電能力が70%以上であった;
×;荷電能力が70%未満であった。
【0086】
・BS(ブラックスポット)
上記マシンにて3万枚耐久試験後の感光体を観察し、外添剤の固着物(BS)の状態を評価した。
◎;全く固着がなかった;
○;わずかに固着が認められたが印字画像には認められなかった;
△;固着はあるが実用上問題とはならなかった;
×;固着により実用上問題となる画像ノイズ(BS)が発生した。
【0087】
・中抜け
上記マシンにて3万枚耐久試験後、電子写真学会チャートをコピーし、文字画像の中抜け状態を観察した。
◎;中抜けが全く発生しなかった;
○;肉眼では判別不能の中抜けが一部の文字で認められたが、実用上全く問題なかった;
△;中抜けがわずかに発生しているのが肉眼で確認できるが、実用上問題なかった;
×;明らかに文字品位に影響するレベルの中抜けが発生している。
【0088】
・トナー付着量
LL環境(10℃、20%)下およびHH環境(40℃、80%)下で上記マシンにて3万枚耐久試験後、ベタ画像をコピーし、任意の5点のトナー付着量を測定した。極端に帯電が高すぎたり、低すぎたりした場合、LL環境やHH環境において付着量が低くなる。各環境下で評価を行い、悪い方の結果を表に示した。
○;付着量平均値が5g/m2以上であった;
△;付着量平均値が3.5g/m2以上5g/m2未満であり、実用上問題なかった;
×;付着量平均値が3.5g/m2未満であり、実用上問題があった。
【0089】
・帯電環境特性
LL環境(10℃、20%)下およびHH環境(40℃、80%)下で1日間以上保存した現像剤の帯電量を測定した。測定値を以下のランク付けに従って評価した。LL環境で保存された現像剤の帯電量およびHH環境で保存された現像剤の帯電量の評価結果のうち悪い方の結果を当該トナーの結果とする。
○;45μC/g≦帯電量≦55μC/g;
△;35μC/g<帯電量<45μC/gまたは55μC/g<帯電量<65μC/g;
×;帯電量≦35μC/gまたは65μC/g≦帯電量。
【0090】
【表1】
Figure 0004385507
【0091】
【表2】
Figure 0004385507
【0092】
【表3】
Figure 0004385507
【0093】
(キャリアの製造)
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えた容量500mlのフラスコにメチルエチルケトンを100重量部仕込んだ。窒素雰囲気下80℃で、メチルメタクリレート36.7重量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート5.1重量部、3-メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン58.2重量部および1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)1重量部をメチルエチルケトン100重量部に溶解させて得られた溶液を2時間にわたり反応器中に滴下し、5時間熟成させた。
得られた樹脂に対して、架橋剤としてイソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト(IPDI/TMP系:NCO%=6.1%)をOH/NCOモル比率が1/1となるように調整した後、メチルエチルケトンで希釈して固形比3重量%であるコート樹脂溶液を調製した。
コア材として焼成フェライト粉F-300(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製)を用い、上記コート樹脂溶液をコア材に対する被覆樹脂量が1.5重量%になるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布・乾燥した。
得られたキャリアを熱風循環式オーブン中にて160℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmと75μmのスクリーンメッシュを取り付けたフルイ振とう器を用いて解砕し、樹脂被覆キャリアを得た。
【0094】
【発明の効果】
本発明のトナーは、キャリアや感光体への無機微粒子のスペントが抑制され、かつ優れた流動性を長期にわたって維持することができる。また、強付着させる無機微粒子を選択することによって、優れた帯電安定性および帯電環境特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナーについての無機微粒子の付着強度分布を示す。
【図2】 (a)および(b)はともに、従来のトナーについての無機微粒子の付着強度分布を示す。
【図3】 瞬間的加熱処理を行うための装置の概略構成図を示す。
【図4】 図3の装置における試料粉砕室を水平方向に切ったときの概略断面図を示す。
【符号の説明】
101;熱風発生装置、102;導入管、103;試料噴射ノズル。

Claims (9)

  1. 少なくとも結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子に無機微粒子をトナー粒子100重量部に対して1.5〜8重量部外添してなり、無機微粒子の付着強度分布において強付着ピークと弱付着ピークの2つのピークを有する静電潜像現像用トナーであって、該付着強度分布において「強付着ピークの山を構成する無機微粒子離脱量の和」に対する「弱付着ピークの山を構成する無機微粒子離脱量の和」の割合(付着強度比率)が10〜100%であり、シリカおよびアルミナを含む2種類以上の無機微粒子がトナー粒子に強付着していることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 付着強度比率が10〜50%である請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 体積平均粒径が3〜8.5μmであり、平均円形度が0.955以上である請求項1または2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 無機微粒子の平均一次粒径が10〜100nmである請求項1〜3いずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 無機微粒子が平均1次粒径10〜100nmの疎水性シリカ、平均1次粒径20〜100nmの疎水性チタニアおよび平均1次粒径20〜100nmの疎水性アルミナからなる群から選択される1またはそれ以上の無機微粒子である請求項1〜4いずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  6. 少なくとも疎水性シリカを含む2種類以上の無機微粒子がトナー粒子に強付着している請求項1〜いずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
  7. 前記トナーは、熱エネルギーでトナー粒子表面に無機微粒子を強付着させた後、トナー粒子と無機微粒子とを混合することでトナー粒子表面に無機微粒子を弱付着させたことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  8. 前記強付着させた無機微粒子の添加量がトナー粒子100重量部に対して1.0〜3.0重量部であり、前記弱付着させた無機微粒子の添加量がトナー粒子100重量部に対して0.3〜2.0重量部であることを特徴とする請求項7に記載の静電潜像現像用トナー。
  9. 付着強度比率が10〜35%である請求項1〜8いずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
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