JP4385296B2 - トラクション制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トラクション制御装置に関する。
車両挙動の安定性を向上させるといった観点から、車輪に駆動トルクが過剰に加わることにより、車輪がスリップすることを抑制すべく、加速時や発進時に駆動トルクを制限するトラクション制御が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、特許文献2には、車輪の摩擦力利用率に基づいて、車両の運動状態を制御する技術が開示されており、この制御技術の一例として、トラクション制御が挙げられている。
特開平10−181564号公報 特許第3132190号公報
ところで、従来の手法では、車輪速度が急上昇した場合、或いは、車輪速度が車両本体の速度から乖離した場合に、車輪がスリップしていると判断される。しかしながら、車輪のスリップは、駆動トルクが過剰に加えられることにより生じるため、車輪速度をベースにトラクション制御を行うよりも、駆動トルクをベースにトラクション制御を行った方が、制御精度といった点からは好ましい。特許文献2には、車輪摩擦利用率を用いてトラクション制御を行う点について言及しているものの、その具体的な内容については、開示されていない。
そこで、本発明の目的は、トラクション制御を精度よく行うことである。
かかる課題を解決するために、本発明は、トラクション制御装置を提供する。このトラクション制御装置は、車両に設けられている車輪を駆動する駆動トルクを制御する制御部と、車輪に作用する前後力を直接的に検出する検出部と、検出された前後力に基づいて、駆動トルクの実値を算出する演算部と、ドライバーから要求される駆動トルクの要求値に基づいて、駆動トルクの指示値を設定する設定部と、設定された指示値と算出された実値とを比較することにより、設定された指示値を更新するとともに、更新された指示値を制御部に対して指示する処理部と、車輪速センサとを有する。検出部は、車輪のそれぞれを検出対象として、前後力を検出し、演算部は、車輪毎に、検出された前後力に基づいて、実値を算出し、設定部は、車輪毎に、指示値を設定しており、処理部は、算出された実値の総和が、設定された指示値の総和より小さい場合、車輪毎に、算出された実値に基づいて、設定された指示値を更新する。車輪速センサは、車輪のそれぞれを検出対象として、車輪速度を検出する。処理部は、車輪のそれぞれを処理対象として、設定された指示値を、検出された車輪速度に基づいて、算出された実値から設定された指示値までの間の可変値に更新する。この更新された指示値は、車輪速度が他の車輪よりも遅い車輪ほど、算出された指示値寄りの傾向となる。
また、本発明において、処理部は、車輪速度が最も速い第1の車輪に設定された指示値を、算出された実値に更新し、第1の車輪と、車輪速度が最も遅い第2の車輪とを除く他の車輪に設定された指示値を、設定された指示値と算出された実値との平均値に更新してもよい。また、処理部は、車輪速度が第1の判定値以上となる車輪に設定された指示値を、算出された実値に更新し、車輪速度が第1の判定値よりも小さく、かつ、第2の判定値よりも大きい車輪に設定された指示値を、設定された指示値と算出された実値との平均値に更新してもよい。
さらに、本発明において、検出部は、車輪に作用する作用力として、横力をさらに検出しており、演算部は、検出された前後力と検出された横力との合力に基づいて、駆動トルクの実値を算出することが好ましい。
本発明によれば、検出部によって直接的に検出された前後力に基づいて、駆動トルクの実値が算出される。これにより、車輪の駆動トルクをモニタリングすることが可能となり、トラクション制御を行うべき状況を精度よく判断することができる。そのため、トラクション制御の精度向上を図ることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかるトラクション制御装置が適用された車両の説明図である。この車両は、4つの車輪1で駆動する四輪駆動タイプの電気自動車であり、駆動源となるモータ2が車輪単位で設けられている。個々のモータ2は、バッテリ3から供給される電力によって動作し、この供給電力をインバータ4を介して制御することにより、モータ2の出力制御が行われる。モータ2において発生した動力は、車軸に相当する自己の出力軸2aを介して、車輪1に伝達される。車輪1に駆動トルクが加わると、車輪1が回転し、駆動トルクに応じた駆動力が車輪1に与えられる。
これらの車輪1には、ブレーキ装置5がそれぞれ設けられている。本実施形態において、ブレーキ装置5は、キャリパ、ディスクロータ、ブレーキパッドを主体に構成された周知の油圧式ブレーキ装置である。このブレーキ装置5は、キャリパによってブレーキパッドをディスクロータに押し当てることにより、車輪1にブレーキトルクを加え、車輪1に制動力を与える。このブレーキ装置5による制動力は、キャリパ内に設けられたシリンダに供給される油圧を調整することにより、制御可能である。
図2は、トラクション制御装置10の全体構成を示すブロック図である。トラクション制御装置10は、制御ユニット11を主体に構成されている。制御ユニット11としては、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この制御ユニット11は、それぞれの車輪1に実際に加わる駆動トルクの実値Tactに基づいて、モータ2の出力制御を行い、これにより、トラクション制御を実行する。この制御ユニット11には、トラクション制御を行うために各種の検出信号Fx,Fy,V,θaが入力されている。
図3は、作用力の説明図である。検出部12は、車輪1に作用する作用力を検出する。同図では、説明の便宜上、検出部12に該当するブロックを一つのみ示しているが、この検出部12は、4つの車輪1にそれぞれ設けられている。検出部12が検出可能な作用力としては、前後力Fx、横力Fy、上下力FzおよびブレーキトルクTbreが挙げられるが、本実施形態では、前後力Fxと、横力Fyとが重要である。前後力Fxは、車輪1の接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に平行な方向に発生する分力であり、横力Fyは、車輪中心面に直角な方向に発生する分力である。一方、上下力Fzは、鉛直方向に作用する力、いわゆる、垂直荷重である。ブレーキトルクTbreは、車輪1の回転軸周りのトルク(ねじり力)である。個々の検出部12は、ひずみゲージと、このひずみゲージから出力される電気信号を処理し、作用力に応じた検出信号を生成する信号処理回路とを主体に構成されている。出力軸(車軸)2aに生じる応力は作用力に比例するという知得に基づき、ひずみゲージを車軸2aに埋設することにより、作用力が直接的に検出される。なお、検出部12の具体的な構成については、例えば、特開平04−331336号公報および特開平10−318862号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
車輪速センサ13(図1には図示せず)は、車輪の回転状態を検出することにより、車輪速度Vを検出する。検出部12と同様、図3では、車輪速センサ13に該当するブロックを一つのみ示しているが、この車輪速センサ13は、車輪単位で設けられている。車輪速センサ13としては、例えば、車輪1の中心に取付けられた歯車の回転を検出する磁気センサ等を用いることができる。アクセル開度センサ14は、ポテンショメータ等で構成されており、ドライバーによる駆動トルクの要求値に相当するアクセルペダル(図示せず)の踏込量(アクセル開度)θaを検出する。
制御ユニット11であるマイクロコンピュータを機能的に捉えた場合、この制御ユニット11は、演算部11aと、設定部11bと、処理部11cとを有する。演算部11aは、少なくとも前後力Fxに基づいて、車輪1を駆動する駆動トルクの実値Tactを算出する。設定部11bは、アクセル開度θaに基づいて、駆動トルクの指示値Tdirを設定する。処理部11cは、設定された指示値Tdirと、算出された実値Tactとを比較することにより、設定された指示値Tdirを更新する。そして、この更新された指示値Tdirは、それぞれの車輪1の駆動トルクを制御するモータ2(正確には、インバータ4)に対して出力される。
図4は、本実施形態にかかるトラクション制御ルーチンを示すフローチャートである。このフローチャートに示すルーチンは、所定間隔毎に呼び出され、制御ユニット11によって実行される。まず、トラクション制御方法にかかる制御ルーチンの概略説明を行う。この制御方法では、第1のステップとして、車輪に作用する前後力が直接的に検出され、第2のステップとして、検出された前後力に基づいて、車輪を駆動する駆動トルクの実値が算出される。つぎに、第3のステップとして、ドライバーから要求される駆動トルクの要求値に基づいて、駆動トルクの指示値が設定され、第4のステップとして、設定された指示値と算出された実値とを比較することにより、設定された指示値が更新される。そして、第5のステップとして、更新された指示値に基づいて、駆動トルクが制御される。
このトラクション制御方法において、第4のステップは、算出された実値が設定された指示値よりも小さい場合、設定された指示値を算出された実値に更新するステップであることが好ましい。また、第1のステップは、車両に設けられている車輪のそれぞれを検出対象として、前後力を検出するステップであってもよい。この場合、第2のステップは、車輪毎に、検出された前後力のそれぞれに基づいて、実値を算出するステップであり、第3のステップは、車輪毎に、指示値を設定するステップであり、第4のステップは、算出された実値の総和が、設定された指示値の総和より小さい場合、車輪毎に、算出された実値に基づいて、設定された指示値を更新するステップであることが望ましい。
以下、トラクション制御方法の具体的な制御ルーチンについて説明する。まず、ステップ1において、各種の検出値が読み込まれる。このステップ1において読み込まれる検出値としては、各車輪1における作用力(具体的には、前後力Fx、横力Fy)と、各車輪1における車輪速度Vと、アクセル開度θaとが挙げられる。
ステップ2において、アクセル開度θaが判定値θth(θth≒0%)よりも大きいか否かが判断される。トラクション制御は、車両の駆動時の制御であり、ドライバーよってアクセルペダルが踏み込まれることが前提となる。そこで、このステップ2における判断により、現在ドライバーによってアクセルペダルが踏み込まれているか否かが判断される。このステップ2において否定判定された場合、すなわち、アクセル開度θaが判定値θth以下の場合には、ステップ3以降の処理をスキップし、本ルーチンを抜ける。一方、ステップ2において肯定判定された場合、すなわち、アクセル開度θaが判定値θthよりも大きい場合には、ステップ3に進む。
ステップ3において、各車輪1における駆動トルクの指示値Tdirが設定される。まず、各車輪1の車輪速度Vの平均値を算出することにより、車両の速度(以下、単に「車速」という)Vbが算出される。つぎに、アクセル開度θaと、車速Vbとに基づいて、車輪全体での駆動トルクの指示値Tdtotが算出される。両変数θa,vと、指示値Tdtotとの間の関係は、シミュレーション或いは実験等を通じて作成された、マップ或いは関数式により予め設定されている。例えば、マップを用いる場合には、マイクロコンピュータ内のROMに、アクセル開度θa、車速vおよび指示値Tdtotの関係を予め格納しておく。マップを用いて算出される指示値Tdtotは、車両全体に要求される駆動トルク、すなわち、四輪における駆動トルクの総和を示している。そのため、各車輪1における駆動トルクの指示値Tdirは、マップベースの指示値Tdtotを基準として、各車輪1に対する駆動トルクの配分比に応じて値に設定される。この配分比は、予め固定的に設定され、或いは、車両の運動状態に応じて可変に設定されている。例えば、四輪のそれぞれに駆動トルクを等配分する場合、個々の車輪1の指示値Tdirは、マップベースの指示値Tdirに「0.25」を積算した値に設定されるといった如くである。
ステップ4において、車輪1のそれぞれを対象として、車輪1に実際に加えられている駆動トルクの実値Tactが算出される。具体的には、まず、前後力Fxと横力Fyとに基づいて、両作用力Fx,Fyの合力(以下「車輪合力」という)Fが算出される。この車輪合力Fは、車輪1に実際に加えられている駆動力に相当する。そして、算出された車輪合力Fと、車輪半径rとの積算することにより、車輪1に実際に加えられている駆動トルクの実値Tactが算出される。
ステップ5において、駆動トルクの実値Tactと、駆動トルクの要求値Tdirとが比較される。このステップ5では、駆動輪である全ての車輪1を処理対象として、比較処理を行う関係上、各車輪における実値Tactの総和Tatotが、各車輪における要求値Tdirの総和Tdtotよりも小さいか否かが判断される。このステップ5において肯定判定された場合、すなわち、要求値Tdirの総和Tdtotが実値Tactの総和Tatotよりも大きい場合には(Tatot<Tdtot)、ステップ6に進む。一方、ステップ5において否定判定された場合、すなわち、要求値Tdirの総和Tdtotが実値Tactの総和Tatot以下である場合には(Tatot≧Tdtot)、ステップ6をスキップして、ステップ7に進む。
ステップ6において、車輪1のそれぞれを処理対象として、指示値Tdirの更新処理が行われる。この更新処理では、各車輪1の車輪速度Vに基づいて、駆動トルクの指示値Tdirが更新される。具体的には、車輪速度Vが最も速い車輪1は、その指示値Tdirが、駆動トルクの実値Tactに変更される(Tdir ← Tact)。つぎに、車輪速度Vが最も遅い車輪1は、その指示値Tdirが、先に算出された駆動トルクの指示値Tdirに更新される(すなわち、そのままの値が維持される(Tdir ← Tdir))。一方、上述した車輪1を除く他の車輪1は、その指示値Tdirが、駆動トルクの実値Tactと指示値Tdirとの平均値に変更される(Tdir ← (Tdir+Tact)/2)。
ステップ7では、設定された指示値Tdirに応じた制御信号を、対応するモータ2のインバータ4に対してそれぞれ出力した上で、本ルーチンを抜ける。これにより、個々のモータ2は、更新された指示値Tdirに応じた駆動トルクが車輪1に加わるように、自己の出力が調整される。
このように本実施形態によれば、検出部12によって検出された前後力Fxに基づいて、車輪1に加えられている駆動トルクの実値Tactが算出される。通常の走行状態で車輪1が駆動する場合、この実値Tactは、ドライバーの要求に応じた駆動トルクの指示値Tdirに対応する。ところが、摩擦係数が低い路面などでは、発進または加速といった状況において、車輪1にスリップが生じる。すなわち、駆動力の飽和が発生し、この車輪1では、指示値Tdirが実値Tactよりも大きくなる傾向となる。
そこで、本実施形態では、指示値Tdirが設定された場合には、実値Tactと指示値Tdirとが比較され、この比較結果に基づいて、指示値Tdirを更新した上でモータ2の出力制御が行われる。これにより、指示値Tdirにより駆動力が過剰に与えられるといったケースでは、その駆動トルク制限することにより、スリップの発生を抑制することができる。そのため、車輪の横力が確保され、車両の安定性の向上を図ることができる。また、本実施形態では、車輪1に作用する力を直接的に検出しているため、駆動トルクを精度よく算出することができる。これにより、トラクション制御が必要なる状況を精度よく判断することができるので、トラクション制御の精度向上を図ることができる。なお、本実施形態において、指示値Tdirの更新とは、上述したステップ6に示すケースのように、積極的にその値を変更することばかりでなく、このステップ6をスキップするケース等のように、その値を変更しない(すなわち、同一の値で更新する)ことをも含む。
四輪駆動車では、例えば、前輪出力と後輪出力との差を大きくした場合に、出力の小さい車輪1が、他方の車輪1に引張られて、車輪1に前後力Fxが作用し難くなるといった事態が生じる。しかしながら、本実施形態では、検出された車輪速度Vに基づいて、指示値Tdirが、実値Tactから指示値Tdirまでの間の可変値に更新される。この場合、更新された指示値Tdirは、車輪速度Vが他の車輪1よりも遅い車輪1ほど、算出された指示値Tdir寄りの傾向となる。すなわち、車輪速度Vが他の車輪1よりも遅い車輪1ほど、初期設定された指示値Tdirに対する回転トルクの制限が緩和される。これにより、車輪間において出力差が生じるといった事態の発生を低減することができるので、各車輪1に有効に前後力Fxが作用し、四輪駆動特性を有効に発揮することが可能となる。
なお、車輪間における出力差を抑制するためには、例えば、予め設定した最低制限トルク以下ではトラクション制御を行わなかったり、前後輪1のトルク配分が一定範囲内となるように指示値Tdirの更新に制限を設けてもよい。また、横力Fyが前後力Fxに対して十分に大きい場合、すなわち、横力Fyがある程度確保されている場合には、トルク制限を緩和してもよい。ただし、本発明は、このような四輪全体を考慮した制御に限定されず、個々の車輪1に着目し、指示値Tdirと実値Tactとの比較において、駆動トルクを制限すれば足りる。具体的には、実値Tactが指示値Tdirよりも小さい場合には、指示値Tdirを実値Tactに変更し(更新処理)、この値に基づいてモータ2の出力制御を行えばよい。
なお、本実施形態では、駆動トルクの実値Tactを算出する際に、駆動力(車輪合力F)を前後力Fxと横力Fyとの合力として算出した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、前後力Fxのみを駆動力として扱ってもよい。かかる手法であっても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上述した実施形態では、指示値Tdirの更新を、各車輪1における車輪速度Vの相対的な比較に基づいて、個々の車輪1に関する指示値Tdirを更新したが、本発明はこれに限定されない。例えば、値の異なる二つの判定値Vth1,Vth2を用い(Vth1>Vth2)、これらの判定値Vth1,Vth2との比較により、個々の車輪1の指示値Tdirを更新してもよい。具体的には、車輪速度Vが判定値Vth1以上の車輪1は、その指示値Tdirが、駆動トルクの実値Tactに更新され(Tdir ← Tact)、車輪速度Vが判定値Vth2以下の車輪1は、その指示値Tdirが、設定された指示値Tdirに更新される(Tdir ← Tdir)。一方、車輪速度Vが判定値Vth2よりも大きく、かつ、判定値Vth1よりも小さい車輪1は、その指示値Tdirが、駆動トルクの実値Tactと、指示値Tdirとの平均値に変更される(Tdir ← (Tdir+Tact)/2)。
なお、モータ2の出力制御を行うことにより、車輪1に加わる回転トルクを制御し、これにより、駆動トルクの制限を行ったが、ブレーキトルクTbreを加えることにより、回転トルクの制限を行ってもよい。具体的には、検出部12によってブレーキトルクTbreが検出可能であるとの知得に基づいて、実値TactからブレーキトルクTbreを減じた値が、指示値Tdirと一致するように、各車輪のブレーキ装置5を制御するといった如くである。また、本実施形態では、モータ2を車輪単位で設けた電気自動車を用いてトラクション制御を説明した。しかしながら、本発明は、各車輪1に動力を配分する動力配分装置を用い、単一のモータ2によって複数の車輪1を駆動する電気自動車に適用することもできる。この場合、駆動源は、モータ2に限定されず、エンジンを用いることもできる。なお、動力配分装置により、各車輪1に対する動力を配分する場合、車輪単体で駆動トルクを調整することは困難であるため、上述したようにブレーキ装置5により駆動トルクを制限することが好ましい。また、このような自動車では、実値Tactと指示値Tdirとの比較により、駆動力の飽和を判断した場合には、モータ2またはエンジンの出力を低下させることにより、車輪全体として駆動トルクを制限する手法も有効である。すなわち、本発明は、モータ2、ブレーキ装置5およびエンジンといった種々の部材を、駆動トルクを制御する手段として用いることができる。
なお、本実施形態において、検出部12は、作用力として、三方向に作用する分力およびブレーキトルクTbreを検出する構成であるが、本発明は、これに限定されるのもではなく、必要となる分力方向に作用する作用力(本実施形態では、前後力Fxと横力Fy)を検出可能であれば足りる。また、検出部12としては、この三分力方向周りのモーメントをも含む六分力を検出する六分力計であってもよい。かかる構成であっても、必要となる作用力は少なくも検出することができるので、当然ながら問題はない。なお、車輪1に作用する六分力を検出する手法については、例えば、特開2002−039744号公報、特開2002−022579号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
また、本実施形態では、検出部12を車軸2aに埋設するケースを説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のバリエーションも考えられる。作用力を検出するという観点でいえば、例えば、車輪1を保持する部材、例えば、ハブやハブキャリア等に検出部12を設けてもよい。なお、検出部12をハブに設ける手法については、特開2003−104139号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
本実施形態にかかるトラクション制御装置が適用された車両の説明図 トラクション制御装置のブロック構成図 作用力の説明図 本実施形態にかかるトラクション制御ルーチンを示すフローチャート
符号の説明
1 車輪
2 モータ
2a 出力軸
3 バッテリ
4 インバータ
5 ブレーキ装置
10 トラクション制御装置
11 制御ユニット
11a 演算部
11b 設定部
11c 処理部
12 検出部
13 車輪速センサ
14 アクセル開度センサ

Claims (4)

  1. トラクション制御装置において、
    車両に設けられている車輪を駆動する駆動トルクを制御する制御部と、
    前記車輪に作用する前後力を直接的に検出する検出部と、
    前記検出された前後力に基づいて、前記駆動トルクの実値を算出する演算部と、
    ドライバーから要求される前記駆動トルクの要求値に基づいて、前記駆動トルクの指示値を設定する設定部と、
    前記設定された指示値と前記算出された実値とを比較することにより、前記設定された指示値を更新するとともに、当該更新された指示値を前記制御部に対して指示する処理部と
    前記車輪のそれぞれを検出対象として、車輪速度を検出する車輪速センサとを有し、
    前記検出部は、前記車輪のそれぞれを検出対象として、前記前後力を検出し、
    前記演算部は、前記車輪毎に、前記検出された前後力に基づいて、前記実値を算出し、
    前記設定部は、前記車輪毎に、前記指示値を設定しており、
    前記処理部は、前記算出された実値の総和が、前記設定された指示値の総和より小さい場合、前記車輪毎に、前記算出された実値に基づいて、前記設定された指示値を更新するとともに、前記車輪のそれぞれを処理対象として、前記設定された指示値を、前記検出された車輪速度に基づいて、前記算出された実値から前記設定された指示値までの間の可変値に更新し、当該更新された指示値は、前記車輪速度が他の車輪よりも遅い車輪ほど、前記算出された指示値寄りの傾向となることを特徴とするトラクション制御装置。
  2. 前記処理部は、前記車輪速度が最も速い第1の車輪に設定された前記指示値を、前記算出された実値に更新し、前記第1の車輪と、前記車輪速度が最も遅い第2の車輪とを除く他の車輪に設定された前記指示値を、前記設定された指示値と前記算出された実値との平均値に更新することを特徴とする請求項に記載されたトラクション制御装置。
  3. 前記処理部は、前記車輪速度が第1の判定値以上となる前記車輪に設定された前記指示値を、前記算出された実値に更新し、前記車輪速度が前記第1の判定値よりも小さく、かつ、前記第1の判定値よりも値が小さな第2の判定値以上となる前記車輪に設定された前記指示値を、当該設定された指示値と前記算出された実値との平均値に更新することを特徴とする請求項に記載されたトラクション制御装置。
  4. 前記検出部は、前記車輪に作用する作用力として、横力をさらに検出しており、
    前記演算部は、前記検出された前後力と前記検出された横力との合力に基づいて、前記駆動トルクの実値を算出することを特徴とする請求項に記載されたトラクション制御装置。
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