JP4384300B2 - タッチパネル及びそれを用いた表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネル(感圧式入力装置)及びこのタッチパネルが液晶表示ユニット(特に、反射型、又は反射/透過型液晶表示ユニット)のフロント面(観察者側の面)に配設された液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示ユニット及びこのユニットを用いた液晶表示装置は、パーソナルコンピューター(パソコン)、ワードプロセッサー、液晶テレビ、時計、電卓などの電気製品の表示部に幅広く利用されている。液晶はそれ自体発光しないため、時計、電卓などの低輝度用途を除き、裏面から液晶部を照射するためのバックライトが使用されている。
【0003】
最近、インターネット等の情報通信のインフラストラクチャーの整備、コンピュータとの通信機器の融合による情報のネットワーク化が進んでいる。このようなネットワークを効率的に利用するため、現在、PDA(Personal Digital Assistance)などの携帯情報端末が開発されている。またノート型パソコンに代えて、さらに薄型で軽量のモバイル型パソコンが開発が進められている。
【0004】
これらの機器は可搬性が求められるため、バッテリ駆動時間の長時間化と、通信機器の薄型化・小型化とを両立する必要がある。従って、これら携帯情報通信機器に用いるディスプレイは、薄型・軽量であり、かつ低消費電力性であることが求められている。特に、低消費電力性を達成するため、従来のバックライトを用いる方法に代えて、自然光、外部光、照明などを利用して表示部を明るくする方法が考えられている。このようなディスプレイとして最も有望視されているのは反射型液晶表示ユニットや反射/透過型液晶表示ユニットである。特に、今後のマルチメディアの進歩に伴う情報の多様化に対応するため、カラー表示及び高画質表示(高精細表示)が可能であるとともに、安価な反射型液晶表示ユニットや反射/透過型液晶表示ユニットが求められている。なお、自然光、外部光、フロントライトなどが弱くて十分な明るさが得られない場合には、一時的(暫時的)に使用して明るさを補償するためのフロントライトが設けられた液晶表示装置も開発されている。この一時使用のフロントライトは、液晶表示装置の表示面の横から光を照射可能であり、均一に表示面全体に光を分散できる。
【0005】
液晶表示ユニットのうち、反射型液晶表示装置を構成する反射型液晶表示ユニットとしては、TN型(Twisted Nematic型)やSTN型(Super Twisted Nematic型)などの種々のユニットが知られているが、カラー表示と高精細表示には、偏光板を利用するタイプ(1枚偏光板タイプ)が有利である。
【0006】
例えば、特に液晶層をHAN(Hybrid Aligned Nematic)配向させたR−OCBモードは低電圧、広視野角、高速応答、中間色調表示、高コントラストなどの点で優れた特性を有している。さらに、所定の方位とチルト角を有するよう垂直配向処理された基板を有する1枚偏光板方式の液晶表示ユニット(特開平6−337421号公報)では、斜め方向から観察した場合のコントラストの低下や表示画像の反転などの視野角依存性が改善されている。
【0007】
また、液晶表示ユニットとしては、単純マトリックス方式や、微細な表示を実現するため、全ての画素をひとつひとつ制御するTFT(Thin Film Tranjistar)などのアクティブマトリックスタイプなどの駆動方式を有するユニットが一般的である。なお、TFT方式は基板上に数十万個以上のトランジスターを形成する必要があるため、ガラス基板の液晶表示ユニットを用いる必要がある。これに対して、STN(Super Twisted Nematic)タイプの液晶表示ユニットの場合、棒状電極を用いた単純マトリックスタイプの画像表示を行うので、安価に製造できるとともに、電極の支持基板としてプラスチック基板を使用できる。
【0008】
現在開発されている反射型液晶表示ユニットでは、例えば、背面電極に光反射性を有する反射電極を使用し、鏡面反射を避けるため、反射電極を適度に凹凸処理(凸面化など)などの粗面処理をしている。また、背面電極の支持基板に粗面処理された光反射板を積層する場合もある。すなわち、反射型液晶表示ユニットでは、画面に明るさを付与するため、液晶層に入射する光(自然光、外部光、フロントライトからの光など)を効率的に取り込み、粗面処理された光反射性電極や光反射板で反射板で光を反射し、視認性を妨げない程度に反射光を散乱して、鏡面反射を防止している。
【0009】
特開昭63−228887号公報や日本印刷学会主催のフォトファブリケーションシンポジウム’92において基本技術や表面凹凸形状を有する金属薄膜を下部電極として適用し、全反射を防止し表示面の視野角を拡大させた液晶表示ユニットが紹介されている。しかし、このような装置は高度な凹凸処理を必要とし、製造コストが高い。
【0010】
そこで、反射性電極や反射板で光を散乱する方法に代えて、液晶表示ユニットに光散乱層を形成する方法が提案されている。例えば、電極板の支持基板の内側、すなわち液晶セル内に光散乱層を形成する方法として、液晶層を液晶と高分子とが互いに分散した分散構造にする方法(特開平6−258624号公報)、電極板の液晶側に、分散微粒子を含有する透明樹脂層(光散乱層)を形成する方法(特開平7−98452号公報)、透明性電極を有する支持板と液晶層との間に、液晶性高分子をランダムに配向した光拡散層を形成する方法(特開平7−318926号公報)などが提案されている。一方、電極板の支持基板の外側、すなわち液晶セルの外に光散乱層を形成する方法として、電極板の外側に偏光フィルムを積層し、その偏光フィルムの表面に屈折率が異なる二種以上の樹脂が相分離状態で分散した光散乱層を形成する方法(特開平7−261171号公報)が提案されている。
【0011】
また、反射/透過型液晶表示ユニットとしては、前記反射型液晶表示ユニットの反射電極の一部を透明電極にしたり、反射電極をハーフミラー化したユニットが知られている。この反射/透過型液晶表示ユニットは、フロント面からの入射光を反射可能であるだけでなく、バック面に形成されたバックライトからの光も、フロント面へ透過可能である。このユニットは、屋外、室内兼用装置として有用である。
【0012】
このような液晶表示ユニット(反射型液晶表示ユニット、反射/透過型液晶表示ユニットなど)の画像表示面(フロント面)には、多くの場合、入力装置であるタッチパネルが配設される。すなわち、タッチパネルはキーボードなどの不透明な入力装置とは異なり、表示ユニット上に配置可能である。そして、タッチパネルは、位置検出機能を有しているため、液晶表示部分にアイコンなどを表示してキー設定が可能なようにプログラミング処理することにより、画面自体を入力キーとして使用できる。このため、コンピュータと対話型の作業が可能になり、表示画面に直接指で入力したり、ペンで入力することが可能である。
【0013】
タッチパネルは光方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などに分類されるが、反射型液晶表示装置や反射/透過型液晶表示装置と組み合わせるには、省電力で薄くて軽量なタッチパネルが有利であり、一般に、抵抗膜方式のタッチパネルが採用されている。特に反射型液晶装置は、モバイル用表示装置として屋外での使用に適しているため、特に軽量性、省電力性が要求されている。
【0014】
抵抗膜方式には、主に抵抗膜に電圧を印加して、この抵抗膜に形成される電位勾配を利用して位置座標を検出するアナログ方式と、タッチパネルの観察者側のフロント基板と背面側のバック基板とにそれぞれストライプ状電極を形成し、このフロント側とバック側のストライプ状電極を直交させたデジタルマトリックス方式とが知られている。反射型液晶表示装置には、構造の単純さや光透過率の均一性などの観点からアナログ方式のタッチパネルが採用されている。
【0015】
抵抗膜方式は、フロント基板とバック基板とに用いる材質がガラスであるかフィルム(プラスチック製フィルムなど)であるかにより、フロント基板材質/バック基板材質として、フィルム/フィルム型、フィルム/ガラス型、及びガラス/ガラス型に分類される。一般にフィルム/ガラス型が液晶表示装置に採用されているが、軽量化を優先する場合にはフィルム/フィルム型が、強度や透明性を優先する場合にはガラス/ガラス型が用いられている。
【0016】
しかし、いずれの方式や基板の組み合わせを採用する場合であっても、互いに対向する一対の透明導電性薄膜層を形成する必要があり、これらの透明導電層により光線が吸収されたり、透明導電層と空気との界面で反射が生じるため、タッチパネルの透明性が低下し、黄色味が生じ、タッチパネルからの反射光により液晶表示装置の画像の視認性が不十分である。また反射光の鏡面反射成分を低減できず、反射光が画像形成し、液晶画像と重複して表示されるために、画像のシャープ性が低下(画像ボケ)する。
【0017】
視認性を改善するため、例えば、透過型液晶表示装置とタッチパネルとを組み合わせる場合、液晶表示装置のフロント面に積層されたタッチパネルに偏光板と位相差板とを積層したシートを配設し、入射光を円偏光に変換してタッチパネルに入射させ、タッチパネルからの反射光をその積層シートで吸収することにより、タッチパネルによる反射光をカットして、透過型液晶表示装置の画質を改良する方法が提案されている。また、特開平11−142836号公報には、この技術を拡張して、液晶層に円偏光を入射するための位相差板と偏光板とを組み合わせることにより、カラー表示性1枚偏光板方式の反射型液晶表示装置の視認性を改善する方法が提案されている。しかし、この方法ではタッチパネルを繰り返して使用するうちに偏光板や位相差板を損傷し、画質が低下する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、表示画像の視認性を向上できるタッチパネル及びそれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、表示画像の明るさ、シャープ性、又は防眩性を向上できるタッチパネル及びそれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、繰り返して使用しても画質が低下しないタッチパネル及びそれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、タッチパネルの透明導電性基板に光散乱性を付与するか、又は透明導電性基板に光散乱層を有するシートを積層すると、鏡面反射を防止して、反射光を適度に散乱でき、タッチパネルの視認性を向上できることを見いだし、本発明を完成した。
【0022】
すなわち、本発明のタッチパネルは、透明導電層と基板とで構成された一対の透明導電性基板が、スペーサーを介して、前記透明導電層を互いに対向して配設されたタッチパネルである。そして、一の態様においては、少なくとも一方の基板が光散乱性を有しており、かつこの光散乱性を有する基板が、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーから選択された屈折率の異なる複数の樹脂成分で構成され、かつ平均相間距離1〜20μmで等方性の共連続相構造を有する厚み1〜30μmの光散乱層を備えている。この基板は、光散乱層単独又は光散乱層と基材シートとの積層体であってもよい。また、他の態様においては、少なくとも一方の透明導電性基板に厚み1〜30μmの光散乱層を有するシートが積層されており、前記光散乱層が、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーから選択された屈折率の異なる複数の樹脂成分で構成され、かつ平均相間距離1〜20μmで等方性の共連続相構造を有する。前記光散乱性を有する透明導電性基板及び光散乱層を有するシートは、拡散角度3〜60゜に拡散光を指向可能であってもよい。光散乱層は、通常、屈折率の差が0.01〜0.2である複数の固体成分で構成されている。タッチパネルの一方の基板のフロント面には、硬化層が形成されていてもよい。
【0023】
本発明には、液晶表示ユニットのフロント面に、前記タッチパネルが配設された液晶表示装置も含まれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[透明導電性基板]
タッチパネルを形成する透明導電性基板は、透明導電層と基板とで構成されている。この透明導電性基板は、光散乱性を有していてもよい。光散乱性を有する透明導電性基板は、通常、基板が光散乱層単独又は光散乱層と基材シートとの積層体で構成されている。
【0025】
(光散乱層)
光散乱層は、通常、屈折率の異なる複数の固体成分(樹脂成分、無機成分など)により形成された相分離構造を有している。相分離構造を形成することにより、入射光が後方(入射光の進入方向と反対の方向)に散乱(後方散乱)するのを防止しながら、入射光を進行方向に散乱(前方散乱)できる。
【0026】
屈折率差は特には制限されないが、例えば、相分離構造を形成する複数の固体成分のうち、少なくとも2種の固体成分の屈折率差が、0.01〜0.2程度、好ましくは0.1〜0.15程度であってもよい。
【0027】
樹脂成分としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ジハロジフェニルスルホンなどのスルホン類の単独重合体(ポリエーテルスルホン)、前記スルホン類とビスフェノールAなどの芳香族ジオールとの共重合体(ポリスルホン)など)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールなどのフェノール類の重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン系樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などが挙げられる。
【0028】
スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレンーα−メチルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体など)、スチレン系単量体と他の重合性単量体((メタ)アクリル系単量体、無水マレイン酸、マレイミド系単量体、ジエン類など)との共重合体などが含まれる。スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレンと(メタ)アクリル系単量体との共重合体[スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体など]、スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。好ましいスチレン系樹脂には、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル系単量体との共重合体[スチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのスチレンとメタクリル酸メチルを主成分とする共重合体]、AS樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが含まれる。
【0029】
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、(メタ)アクリル系単量体と共重合性単量体との共重合体が使用できる。(メタ)アクリル系単量体には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C1-10アルキル;(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリルなどが例示できる。共重合性単量体には、前記スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などが例示できる。これらの単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0030】
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1-5アルキルが挙げられる。
【0031】
ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量体と共重合性単量体との共重合体(酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)又はそれらの誘導体が挙げられる。ビニルエステル系樹脂の誘導体には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタール樹脂などが含まれる。
【0032】
ビニルエーテル系樹脂としては、ビニルC1-10アルキルエーテルの単独又は共重合体、ビニルC1-10アルキルエーテルと共重合性単量体との共重合体(ビニルアルキルエーテル−無水マレイン酸共重合体など)が挙げられる。
【0033】
ハロゲン含有樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
【0034】
オレフィン系樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィンの単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの共重合体が挙げられる。
【0035】
ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれる。
【0036】
ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を用いた芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリC2-4アルキレンテレフタレートやポリC2-4アルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、C2-4アルキレンテレフタレート及び/又はC2-4アルキレンナフタレート単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステルなど)、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステルなどが含まれる。ポリエステル系樹脂には、ε−カプロラクトンなどのラクトンの単独又は共重合体も含まれる。
【0037】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸など)とジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン)とから得られるポリアミドなどが挙げられる。ポリアミド系樹脂には、ε−カプロラクタムなどのラクタムの単独又は共重合体であってもよく、ホモポリアミドに限らずコポリアミドであってもよい。
【0038】
セルロース誘導体のうちセルロースエステル類としては、例えば、脂肪族有機酸エステル(セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどのセルロースアセテート;セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのC1-6有機酸エステルなど)、芳香族有機酸エステル(セルロースフタレート、セルロースベンゾエートなどのC7-12芳香族カルボン酸エステル)、無機酸エステル類(例えば、リン酸セルロース、硫酸セルロースなど)が例示でき、酢酸・硝酸セルロースエステルなどの混合酸エステルであってもよい。セルロース誘導体には、セルロースカーバメート類(例えば、セルロースフェニルカーバメートなど)、セルロースエーテル類(例えば、シアノエチルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシ−C2-4アルキルセルロース;メチルセルロース、エチルセルロースなどのC1-6アルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース又はその塩、ベンジルセルロース、アセチルアルキルセルロースなど)も含まれる。
【0039】
無機成分としては、透明又は半透明な無機成分が使用でき、例えば、酸化ケイ素(ガラスなど、特に、無アルカリガラス)、酸化ジルコニウム、酸化アルミ、酸化亜鉛、マイカ(雲母)などの無機酸化物、チッ化ホウ素などの無機窒素化物、弗化カルシウム、弗化マグネシウムなどの無機ハロゲン化物などが挙げられる。これら無機成分は、2種以上組み合わせて複合材として用いてもよく、例えば、マイカとチッ化ホウ素との複合材などが使用できる。
【0040】
光散乱層は、複数のポリマーで構成された相分離構造を有していればよく、例えば、等方性の共連続相構造や、微粒子分散構造などの相分離構造を有していてもよい。なお、共連続相構造とは、共連続構造や三次元的に連続又は繋がった構造と称される場合があり、通常、複数の樹脂成分で構成されており、この構成ポリマー相が連続している構造を意味する。共連続相構造は、シート面内において異方性が低減されており、実質的に等方性、すなわち、シート面内のどの方向に対しても連続相による相分離構造のサイズ(平均相間距離)が略均一である。なお、本明細書で共連続相構造と称する場合、共連続相構造と液滴相構造(独立又は孤立した相構造)とが混在した中間的構造をも意味する。
【0041】
光散乱層を共連続相構造にすると、高い光散乱性が得られるだけでなく、所定の拡散角度に対して散乱光強度を強めること(例えば、極大化)でき、拡散光に高い指向性を付与できる。このため、この光散乱層を有するタッチパネルを用いて反射型液晶表示装置又は反射/透過型液晶表示装置を形成する場合、要求視野特性と散乱光の指向角度とを合わせることにより、外部光やフロントライトの光源を効率よく利用できる。
【0042】
光散乱層を共連続相構造で構成する場合、好ましい構成樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーなどが含まれる。
【0043】
このような樹脂のうち、共連続相構造を形成するため、それぞれのポリマーのガラス転移温度以上において、相溶性と非相溶性(相分離性)のいずれをも示す複数のポリマーを組み合わせて使用する。例えば、低温で相溶性を示し高温で非相溶性を示す高温相分離型(LCST型,lower critical solution temperature)の共存系、又は低温で非相溶性を示し高温で相溶性を示す低温相分離型(UCST型,upper critical solution temperature )の共存系を示すポリマーが使用できる。UCST型又はLCST型(好ましくはLCST型)の樹脂組成物(シート状の樹脂組成物など)をスピノーダル分解することにより相分離構造を調整でき、共連続相構造を形成できる。
【0044】
複数のポリマーを、第1のポリマーと第2のポリマーとで構成する場合、第1のポリマーと第2のポリマーとの組み合わせは特に制限されない。例えば、第1のポリマーがスチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体など)である場合、第2のポリマーは、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ゴム又はエラストマーなどであってもよい。
【0045】
第1のポリマーと第2のポリマーとの割合は、例えば、前者/後者=10/90〜90/10(重量比)程度、好ましくは20/80〜80/20(重量比)程度、さらに好ましくは30/70〜70/30(重量比)程度、特に40/60〜60/40(重量比)程度である。ポリマーの構成比が一方に偏りすぎると、スピノーダル分解により共連続相を形成する時に、一方のポリマー相が非連続化しやすくなるため、拡散光に指向性を付与できない。
【0046】
共連続相の平均相間距離は、例えば、1〜20μm程度、好ましくは2〜15μm程度、さらに好ましくは2〜10μm程度である。
【0047】
なお、相間距離(又は、同一相間の距離)は、顕微鏡写真(共焦点レーザー顕微鏡など)の画像処理により測定できる。また、後述の拡散光の指向性の評価法と同様の方法により、拡散光強度が極大になる拡散角度θを測定し、下記のブラッグ反射条件の式より相間距離dを算出してもよい。
【0048】
2d・sin(θ/2)=λ
(式中、dは相間距離を、θは拡散角度を、λは光の波長を示す)
共連続相を有する光散乱層の厚みは、例えば、1〜100μm程度、好ましくは1〜50μm程度、さらに好ましくは1〜30μm程度である。
【0049】
一方、微粒子分散構造を有する光散乱層は、透明ベース樹脂に、この透明ベース樹脂と屈折率が異なる微粒子成分(樹脂微粒子、無機微粒子など)が分散することにより形成されている。
【0050】
好ましい透明ベース樹脂及び微粒子を構成する樹脂には、スチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン12、ナイロン612など)、セルロース誘導体(セルロースアセテートなど)などが挙げられる。
【0051】
なお、透明ベース樹脂及び樹脂微粒子(特に、透明ベース樹脂)には、熱可塑性樹脂を用いる場合が多い。
【0052】
無機微粒子は、前記無機成分により形成できる。
【0053】
なお、微粒子分散構造では、高い光散乱性が得られるものの、拡散角が広角なほど光散乱性が小さくなる光散乱特性を示す場合がある。すなわち、拡散光の分布がガウス分布に近いため、拡散角が大きくなると、全体的に散乱光強度が低下し、表示画面の明るさが低下する場合がある。このため、透明ベース樹脂と微粒子成分(樹脂微粒子、無機微粒子など)との屈折率差、微粒子成分の粒子径、割合、粒子密度などを適宜調整して、後方散乱を抑制し、拡散光に指向性を付与してもよい。
【0054】
指向性を付与する場合、微粒子成分と前記透明ベース樹脂との屈折率差は、例えば、0.01〜0.06程度、好ましくは0.01〜0.05程度、さらに好ましくは0.01〜0.04程度である。
【0055】
微粒子成分の平均粒径は、例えば、0.1〜100μm程度、好ましくは1〜20μm程度であってもよい。
【0056】
微粒子成分と透明ベース樹脂との割合は、例えば、前者/後者=10/90〜90/10(重量比)程度、好ましくは15/85〜60/40(重量比)程度、さらに好ましくは15/85〜40/60(重量比)程度であってもよい。
【0057】
微粒子成分の平均粒子密度は、例えば、1〜100(1010個/cm3)程度、好ましくは4〜80(1010個/cm3)程度であってもよい。
【0058】
なお、平均粒子密度は、例えば、平均粒径を測定し、下記式(I)により算出できる。
【0059】
平均粒子密度(個/cm3)=1cm3×Vs/[(4/3)π(Ds×10-4/2)3] (I)
(式中、Vsは光散乱層中の微粒子成分の割合(体積基準)を、πは円周率を、Dsは微粒子成分の粒径(μm)を示す)
微粒子分散構造を有する光散乱層の厚みは、例えば、1〜400μm程度、好ましくは10〜300μm程度、さらに好ましくは50〜200μm程度である。
【0060】
(基材シート)
基材シートを構成する樹脂としては、前記光散乱層を構成する樹脂と同様の樹脂が使用できる。なお、共連続相構造を有する光散乱層と基材シートとを併用する場合、後述するように共連続相構造をスピノーダル分解により形成するため、基材シートもスピノーダル分解温度に対する耐熱性を有しているのが好ましい。
【0061】
好ましい基材シートとしては、例えば、セルロース誘導体(セルローストリアセテート(TAC)などのセルロースアセテートなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など)、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン(PES)など)、ポリカーボネート系樹脂(ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂などから得られるシートが挙げられる。これらシートは、1軸又は2軸に延伸されていてもよく、例えば、1軸延伸PETシート、2軸延伸PETシートなどのポリエステル延伸シートであってもよい。
【0062】
基材シートの厚みは、例えば、例えば、1〜400μm程度、好ましくは10〜300μm程度、さらに好ましくは50〜200μm程度である。
【0063】
(透明導電層)
透明導電層としては、導電性無機化合物で形成された層、例えば、金属酸化物層(ITO(インジウム錫酸化物)、InO2、SnO2、ZnOなどの層)、金属層(Au、Ag、Pt、Pdなどの層)などが挙げられる。好ましい透明導電層は、ITO層である。
【0064】
このような透明導電層により、タッチパネルの電極や抵抗膜を構成できる。また、透明導電層が透明導電性基板の両面に形成されている場合、一方の透明導電層は、前記電極や抵抗膜として用いることができ、他方の透明導電層はシートの静電気を除去するための帯電防止層として用いてもよい。
【0065】
電極や抵抗膜を形成可能な透明導電層の厚みは、例えば、100〜2,000オングストローム、好ましくは100〜1,500オングストローム、さらに好ましくは150〜1,000オングストローム程度である。また、この透明導電層の表面抵抗は、例えば、10〜1,000Ω/□、好ましくは50〜800Ω/□、さらに好ましくは100〜500Ω/□である。
【0066】
帯電防止層を形成可能な透明導電層の厚みは、例えば、10〜500オングストローム程度、好ましくは30〜300オングストローム程度である。また、この透明導電層の表面抵抗は、例えば、0.5〜100kΩ/□程度、好ましくは1〜50kΩ/□程度である。
【0067】
なお、表面抵抗は、4探針比抵抗測定装置(国際電機(株)製)により測定できる。
【0068】
光散乱層を有する透明導電性基板は、具体的には、光散乱層単独又は光散乱層と基材シートとで構成された基板の少なくとも一方の面に透明導電層が積層されている。
【0069】
基板が光散乱層と基材シートとの積層体の場合、透明導電層は、基板の光散乱層側に形成してもよく、基材シート側に形成してもよい。耐熱性が良好な基材シート側に透明導電層を形成すると、タッチパネル製造工程の信頼性(安定性)を高めることができる。また、基材シート側に透明導電層を形成する場合、透明導電性基板は、透明導電層−基材シート−光散乱層の順で三層構造を形成するため、この透明導電性基板をタッチパネルのバック基板として用いると、バック基板のフロント側に透明導電層が、バック基板のバック側に光散乱層が位置することとなる。このため、このタッチパネルを液晶表示ユニットのフロント面に配設すると、液晶に光散乱層を近接でき、高画質の表示画面を形成できる。
【0070】
なお、光散乱層が共連続相構造の場合、基板は光散乱層と基材シートとで構成されている場合が多く、光散乱層が微粒子分散構造の場合、基板は、光散乱層単独で形成されている場合が多い。光散乱層が共連続相構造を形成する場合、光散乱層の厚みが薄いものの、光散乱層と基材シートとを積層することで基板に適切な強度を付与できる。
【0071】
透明導電性基板の厚みは、例えば、1〜500μm程度、好ましくは10〜400μm程度、さらに好ましくは50〜200μm程度の範囲から選択できる。基板厚みが500μmを超えると、画像形成時に画像のシャープ性が低下する(画像ボケ)。また、基板厚みが1μm未満の場合、基板の強度や取扱い性が低下する。
【0072】
前記透明導電性基板は、高い前方散乱特性を有している。すなわち、高いヘーズ値を有しているにも拘わらず、高い全光線透過率を示し、かつ低い反射率を示す。透明導電性基板のヘーズ値は、例えば、10〜60%程度、好ましくは15〜50%程度、さらに好ましくは20〜40%程度である。全光線透過率は、例えば、80〜100%程度、好ましくは85〜98%程度、さらに好ましくは90〜95%程度である。また、反射率は、例えば、10%以下(例えば、0〜10%程度)、好ましくは7%以下(例えば、1〜7%程度)、さらに好ましくは1〜5%程度である。
【0073】
なお、ヘーズ値及び全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−300A)を用い、JIS K7105に準拠して測定できる。また、反射率は、可視紫外分光光度計(日立製作所(株)製)に60φ積分球を設置し、入射測定面にサンプルをセットし、550nmの光を照射して、拡散反射率(測定面に垂直方向から入射(0゜入射)した光の鏡面反射成分を除いた反射光の率)を測定することにより求めることができる。
【0074】
また、透明導電性基板は、光散乱層の相分離状態により拡散光に指向性を付与可能であってもよく、例えば、拡散角度3〜60゜程度、好ましくは5〜50゜程度、さらに好ましくは10〜40゜程度(特に10〜30゜程度)に拡散光を指向可能であってもよい。
【0075】
拡散光の指向性は、例えば、図1に示すような、偏光板21、酢酸ビニル系粘着剤29、テストシート22、カラーフィルター28、ガラス板(厚さ1mm)23、及びアルミニウム反射板25を積層した反射型LCDモデル装置を用いて測定できる。この反射型LCDモデル装置に対して、正面方向から垂直にレーザー光(NIHON KAGAKU ENG NEO−20MS)を照射し、シートにより拡散された光の強度(拡散強度)を拡散角度θに対してプロットしたとき、シートが指向性を有している場合には、プロット曲線が、特定の拡散角度θの範囲で極大又はショルダー(特に、極大)を形成する。
【0076】
なお、透明導電性基板のうち、光散乱層や基材シートで構成されている基板部分は、後述の液晶表示ユニットを構成する偏光板や位相差板(特に、偏光板)と同程度の熱膨張率を有していてもよい。透明導電性基板は、液晶表示ユニットの偏光板や位相差板と積層されることが多いため、基板の熱膨張率を偏光板や位相差板と同程度にすることで、透明性基板と偏光板や位相差板との間に、熱膨張や熱収縮などに伴う剥離の応力が発生するのを抑制できる。例えば、偏光板や位相差板がセルロース誘導体で形成されている場合、光散乱層を構成する樹脂(例えば、透明ベース樹脂)や基材シートに、セルロース誘導体(セルロースアセテートなど)を用いるのが好ましい。
【0077】
また、透明導電性基板は、種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、可塑剤、着色剤(染料や顔料)、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤などを含有していてもよい。また、透明導電性基板の表面(特に、透明導電層が形成されていない側の表面)には、必要により、種々のコーティング層、例えば、防曇層、離型層などを形成してもよい。
【0078】
なお、透明導電性基板は、基板が基材シートで構成されている光非散乱性の透明導電性基板であってもよい。このような基板であっても、前記光散乱性を有する透明導電性基板と組み合わせてタッチパネルを形成することにより本発明のタッチパネルを形成できる。また、後述するように、透明導電性基板に光散乱層を有するシート(以下、光散乱シートと称する場合がある)を積層することによっても、本発明のタッチパネルを形成できる。
【0079】
また、光非散乱性の透明導電性基板の場合、基材シートは前記基材シートと同様のシートであってもよく、ガラスで形成されていてもよい。また基材シートの厚みは、前記基材シート厚みと同様であってもよく、薄くてもよい。特に、後述するように、光散乱層を有するシートを透明導電性基板に積層する場合、この透明導電性基板を構成する基材シートの厚みは、1〜300μm程度、好ましくは20〜150μm程度であってもよい。
【0080】
光散乱性を有する透明導電性基板のうち、基板が光散乱層単独で構成されている場合、この基板は、光散乱層を構成する組成物(特に、樹脂組成物)をシート成形することにより得ることができる。また、基材シートと光散乱層とで構成されている基板は、基材シートに前記組成物を塗布などにより積層することにより得ることができる。そして、透明導電性基板は、前記基板の表面に透明導電層を形成することにより得ることができる。
【0081】
より詳細には、光散乱層が共連続相構造を有する場合、複数の屈折率が異なる樹脂からなる樹脂組成物をシート成形し、このシートをスピノーダル分解して、誘起された等方性の相分離構造を固定化することにより基板を形成できる。また、前記樹脂組成物を基材シート表面にコーティング又は溶融ラミネートし、必要に応じて、乾燥し、この積層シートをスピノーダル分解することによっても基板を形成できる。
【0082】
なお、スピノーダル分解は、前記樹脂組成物層(又はシート)を、ポリマーのガラス転移温度以上であり、かつLCST以上の温度又はUCST以下の温度(例えば、80〜380℃程度、好ましくは140〜300℃程度)に加熱して相分離することにより行うことができる。なお、スピノーダル分解において、相分離の進行に伴って、表面張力によりポリマー相が共連続相構造を形成し、さらに熱処理すると、連続相が自らの表面張力により非連続化し、液滴相構造(球状、真球状などの独立相の海島構造)となる。従って、相分離の程度によって、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造、すなわち、上記共連続相から液滴相に移行する状態の相構造も形成できる。
【0083】
このようにしてスピノーダル分解により等方性の共連続相構造(又は共連続相構造と液滴相構造との中間的構造)を形成したシート(基板)は、構成ポリマーのガラス転移温度以下(例えば、主たるポリマーのガラス転移温度以下)に冷却することにより、共連続相構造を固定化できる。
【0084】
また、光散乱層が微粒子分散構造を有する場合、基板は、前記透明ベース樹脂と微粒子成分を含む混合物を慣用の方法、例えば、キャスティング法、溶融押出法などの溶融した透明ベース樹脂に微粒子を分散して製膜する溶融製膜法より製造できる。また、透明ベース樹脂と微粒子成分との混合物を、基材シート表面にコーティングすることによっても基板を形成できる。
【0085】
透明導電層は、基板の表面に、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、コーティング法などの慣用の方法により透明導電層を形成することにより得ることができる。なお、真空蒸着法により透明導電層を形成する場合(ITOを蒸着する場合など)、基板表面に予めSiO2などの非導電性無機化合物を蒸着したり、熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂などを予めコーティングしてアンカーコート層を形成した後で、透明導電層を蒸着することが多い。これら前処理により、透明導電層の強度や耐久性を向上できる。
【0086】
[タッチパネル]
タッチパネルは、スペーサーを介して、透明導電層を互いに対向して一対の透明導電性基板を配設することにより形成されている。そして、本発明では、一対の透明導電性基板のうち、少なくとも一方の透明導電性基板に、光散乱性を有する透明導電性基板を用いるか、又は光散乱層を有するシート(光散乱シート)(例えば、前記光散乱層単独のシート、前記光散乱層と基材シートとの積層シートなど)を積層している。なお、光散乱シートを積層する場合、透明導電性基板のうち、電極や抵抗膜として用いる透明導電層が形成されていない側の面に積層してもよい。
【0087】
フロント面から入射した光(外部光など)は、バック面側の透明導電層基板に至る前に、透明導電層と空気層との界面で鏡面反射することがあるため、フロント側(入力側)の透明導電性基板に、光散乱性を有する透明導電性基板を用いるか、又は光散乱シートを積層すると、効果的に反射光を散乱できる。また、バック側(非入力側)の透明導電性基板に、光散乱性を有する透明導電性基板を用いるか、又は光散乱シートを積層する場合であっても、タッチパネルを後述の液晶表示ユニットに配設した場合、液晶表示ユニットからの反射光を散乱できる。
【0088】
スペーサーは、互いに対向する透明導電層を絶縁するために使用され、例えば、粒子状のスぺーサー(ドットスペーサー)などが使用できる。ドットスペーサーは、透明導電層間に分散して配設されている。ドットスペーサーを用いると、タッチパネルへの入力操作を行うときに、入力操作に対応する圧力に応じて、入力部分の絶縁状態が解除されて、入力位置の検出が可能となる。なお、ドットスペーサーなどのスペーサーは、印刷法や微粒子分散法などの慣用の方法により透明導電層間に形成できる。
【0089】
ドットスペーサーの平均粒径は、0.2mm程度(例えば、0.1〜0.3mm程度)であってもよいが、タッチパネルの手書き入力性を向上するため、例えば、0.1mm以下(例えば、0.01〜0.1mm程度)、好ましくは0.03mm程度(例えば、0.01〜0.05mm程度)であってもよい。
【0090】
このようなタッチパネルは、例えば、抵抗膜方式(デジタルマトリックス方式、アナログ方式など)のタッチパネルとして使用できる。
【0091】
デジタルマトリックス方式のタッチパネルを形成する場合、透明導電層は、ストライプ状(棒状)にパターン処理されたパターン電極(棒状電極など)としてもよい。そして、一方の透明導電性基板の棒状電極と、他方の透明導電性基板の棒状電極とは、互いに交叉(特に、略直交)するように配向されている。このようなタッチパネルを用いると、棒状の各電極に銀ペーストなどによりリード線を接続することで、パネルのタッチ(入力)時に、タッチ位置(入力位置)に対応する電極にのみ電気が導通するため、入力位置の検出が可能となる。なお、透明導電層のパターン処理は、フォトリソグラフ加工などのレジスト形成法により、又は透明導電層にエッチングを施すことにより行うことができる。
【0092】
アナログ方式のタッチパネルを形成する場合、透明導電層の両端部はパターン処理などにより除去されている。この除去部には、一対のバスバー(銀製のバスバーなど)が形成され、透明導電層と接続されている。そして、一方の透明導電性基板のバスバーの配列と、他方の透明導電性基板のバスバーの配列とは、互いに交叉するように配向(特に、略直交するように配向、例えば、一方のバスバーがX軸方向に、他方のバスバーをY軸方向に配向)されている。一方の基板の一対のバスバーに電圧を印加して透明導電層に電位勾配(例えば、X軸方向の電位勾配)を形成すると、パネルへのタッチ(入力)により、他方の透明導電層に電気が導通してタッチ位置(入力位置)の電位を検出でき、入力位置(X軸座標)の検出が可能となる。そして、一方のバスバー(X軸方向に配向されたバスバーなど)と、他方のバスバー(Y軸方向に配向されたバスバーなど)とで、交互に電圧印加(電位勾配の形成)と、電位検出をおこなうことにより、押圧部位(入力部位)の二次元的座標(X軸座標とY軸座標など)を検出できる。なお、バスバーは、例えば、透明導電性基板に銀ペーストを印刷し、焼成することにより形成される。
【0093】
図13は、このようなバスバーが形成された透明導電性基板の一例を示す図である。基板30には、略四角形状の透明導電層4が積層されており、この透明導電層の周辺部はパターニングにより除去されている。この除去部には、銀ペーストを印刷して焼成することにより、互いに対向する一対のバスバー31が形成されている。このバスバー31は、透明導電層4と端部が重なるように形成されている。
【0094】
なお、前記透明導電性基板には、バスバーに電気を導通するためのリード線が形成されていてもよい。図14は、このような透明導電性基板を示す図である。基板30には、パターニングにより周辺部が除去された略長方形状の透明導電層4が積層され、図13と同様に、透明導電層4aの両端部には、一対のバスバー31が印刷により形成されている。そして、この透明導電性基板では、透明導電層4の周辺部(除去部)のうち、バスバーが形成されていない部分(縁部)には、銀ペーストを印刷して焼成することにより、各バスバーとそれぞれ接続する一対のリード線32が形成されている。
【0095】
タッチパネルのうち、フロント側(入力側)の透明導電性基板の表面(入力面)(又は透明導電性基板と、光散乱シートとの積層体の表面)には、硬化層を形成してもよい。硬化層により、指やペンなどによる入力操作時の透明導電性基板や光散乱層の損傷を防止し、耐久性を向上できる。
【0096】
硬化層としては、例えば、硬化性単量体又は樹脂を硬化した樹脂層(例えば、シリコーンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリル酸エステル、ウレタンアクリレートなどの(メタ)アクリレート系単量体を光硬化した樹脂層、光又は熱硬化性樹脂を光又は熱硬化した樹脂層など)などが挙げられる。なお、この樹脂層に光散乱成分(サイロイドなどのSiO2系微粒子など)を分散して、光散乱性硬化層を形成することにより、反射光を散乱して鏡面反射を防止し、タッチパネルに防眩性を付与してもよいが、この光散乱性硬化層は、後方散乱が大きいため、透過率が減少し、液晶表示の画像の鮮明度を低下させる。本発明のタッチパネルでは、既に、後方散乱性の少ない前方散乱性の光散乱層が形成されているため、硬化層として、硬化性単量体又は樹脂を硬化した樹脂層を形成することが多い。これにより、光透過性、光散乱性、及び耐久性に優れたタッチパネルを得ることができる。
【0097】
本発明のタッチパネルでは、光散乱性を有する透明導電性基板を用いるか、又は透明導電性基板に光散乱シートを積層するため、反射光に光散乱性を付与して鏡面反射成分を低減できる。そのため、入射光の鏡面反射によるパネル面の眩しさ(ギラツキ)を防止でき、また反射光成分を広い拡散角度に亘って分散できるため、パネル面全体の明るさを向上できる。
【0098】
なお、光散乱層として、共連続相構造を有する光散乱層又は特定の微粒子分散構造を有する光散乱層を形成すると、反射光に指向性を付与できるため、広い視野角に亘って、パネル面の明るさを向上できる。
【0099】
本発明のタッチパネルのうち、透明導電性基板に光散乱シートが積層されたタッチパネルは、例えば、透明導電性基板に光散乱シートを貼付けることにより、又は透明導電性基板に光散乱層を構成する樹脂組成物をコーティングや押出ラミネートしてシート化することにより行うことができる。樹脂組成物を用い溶融製膜により光散乱シートを積層すると、貼付けにより光散乱層を積層する場合に比べ、光散乱層を透明導電性基板に隙間無く積層できるため、タッチパネルを液晶表示ユニットと組み合わせたとき、画質の低下を防止できる。
【0100】
貼付けにより光散乱シートを積層する場合、例えば、透明導電性基板又は基板に、部分的(周辺部など)又は全体的に粘着剤を塗布して貼り合わせてもよい。なお、粘着剤を全体的に塗布する方が、部分的に塗布する場合に比べて、積層体の全光線透過率を高く維持できる。また、粘着剤を部分的に塗布して貼り合わせる場合には、慣用の方法、例えば、微粒子を基板の表面に分散する方法などにより干渉縞を抑制してもよい。
【0101】
粘着剤は、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、合成ゴムなどから選択できる。好ましい粘着剤としては、屈折率が、後述の液晶表示装置を構成する偏光板を形成する樹脂(トリアセチルセルロースなど)及び透明導電性基板を構成する樹脂(透明ベース樹脂など)それぞれの屈折率の間の値を有する粘着剤が挙げられる。
【0102】
アクリル系粘着剤としては、具体的には、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステルなど)の単独又は共重合体が挙げられる。
【0103】
[液晶表示装置]
前記タッチパネルは、液晶表示ユニットと組み合わせることにより、タッチパネル式液晶表示装置を構成できる。図2は、このような液晶表示装置を説明するための概略断面図である。図2の液晶表示装置は、液晶表示ユニット2のフロント側(液晶画面表示側)に、本発明のタッチパネル1が配設されている。
【0104】
図2のタッチパネル1では、光散乱層3A、3Bで形成された基板の一方の面に透明導電層4A、4Bが形成された一対の透明導電性基板5A、5Bが、互いに透明導電層4A、4Bを対向して配設されている。この両透明性基板の間には、微粒子スペーサー6が介在しており、透明導電層4A、4B間を絶縁している。また、タッチパネル1のうち、フロント側の透明導電性基板5Aのフロント面には、硬化層7が形成されている。
【0105】
このタッチパネル1と組み合わせる液晶表示ユニット2は、透明導電層(透明導電性電極)4cが形成された透明性のフロント基板8と、光反射性導電層(光反射性電極)9が形成されたバック基板10とが、互いに導電層(電極)4c、9を対向して配設され、この両基板8、10の間に液晶11が封入された液晶セル12を有している。フロント基板8の導電層非形成面には、位相差板14を介して偏光板13が積層されている。すなわち、この液晶表示ユニットは、バック基板に光反射性の層が積層された反射型液晶表示ユニットであり、液晶層11に形成される画像は、フロント基板8及び位相差板14を介して、偏光板13側から観察できる。この液晶表示ユニットは、フロント面からの入射光(自然光、外部光、フロントライトによる光など)を有効利用でき、バックライトなどによりバック面から光を照射する必要はない。
【0106】
液晶表示ユニットのフロント面(画像表示面)に本発明のタッチパネルを配設すると、タッチパネルが高い光線透過率を備えているため、液晶表示画面の黄色化を防止できる。また、タッチパネル表面での鏡面反射を防止して、反射光に高い散乱性を付与できるため、高輝度性と防眩性とを併せ持つ視認性の高い液晶表示装置を得ることができる。さらに、タッチパネルが光散乱性を有しているため、光散乱板が形成されていない鏡面反射性の液晶表示ユニットであっても使用でき、高い視認性を維持しながら液晶表示装置を薄型化できる。
【0107】
なお、液晶表示ユニットと組み合わせるタッチパネルとしては、種々のタッチパネルが使用できる。例えば、フロント側とバック側の両方の基板が、光散乱性を有する基板であるか又は光散乱シートが積層された基板である必要はなく、フロント側のみの基板、又はバック側のみの基板が、光散乱性を有する基板であるか又は光散乱シートが積層された基板であってもよい。なお、光散乱層が液晶表示ユニットに近接する場合、例えば、タッチパネルのバック側の基板に光散乱層が形成されている場合や、バック側の基板の表面(特に、液晶表示ユニット側の面)に光散乱シートが積層されている場合、より高品質な表示画像が得られる。
【0108】
反射型液晶表示ユニットにおいて、バック基板に積層される電極は光反射性である必要はなく、透明性電極であってもよい。透明性電極を用いても、バック基板に光反射板(アルミニウム箔などの金属板など)を積層することによりバック基板に光反射性を付与できる。なお、液晶表示ユニットの光反射層(光反射性基板、光反射板など)は、粗面処理されて光散乱性を有していてもよいが、本発明では、タッチパネルが光散乱性を有しているため、光散乱層は、通常、粗面処理されることなく鏡面反射性を有している。本発明では、液晶表示ユニットの光反射層を粗面処理することなく、液晶表示装置に光散乱性を付与できるため、低コストであっても高品質な画像を得ることができる。
【0109】
液晶表示ユニットとしては、反射型液晶表示ユニット以外のユニット(例えば、反射/透過型液晶表示ユニット、透過型液晶表示ユニットなど)を用いてもよいが、反射/透過型液晶表示ユニットは、反射型液晶表示ユニットと同様に可搬性に優れているため、本発明のタッチパネルと組み合わせるのに適している。反射/透過型液晶表示ユニットは、例えば、反射型液晶表示ユニットの光反射性電極の一部を透明電極にしたり、光反射性電極をハーフミラー化することにより形成できる。このような反射/透過型液晶表示ユニットでは、フロント面からの入射光(外部光など)は、光反射性電極又はハーフミラー電極で反射する。一方、バック面からの光(バックライトによる光など)は、透明電極又はハーフミラー電極を通じて、フロント面へ透過する。
【0110】
液晶表示ユニットの駆動方式は、単純マトリックス(パッシブ)方式(例えば、STN型)であってもよく、アクティブマトリクス方式(例えば、TN−TFT型)であってもよい。
【0111】
液晶表示ユニットは、異なる偏光性を有する2つの偏光板を用いた偏光板2枚方式の液晶表示ユニット、1つの偏光板を用いた偏光板1枚方式の液晶表示ユニットなどであってもよい。偏光板1枚方式の液晶表示ユニットは、例えば、1枚の偏光板と、種々のモード(ツイストネマチック液晶を用いたモード、R−OCB(Optically Compensated Bend)モード、平行配向モードなど)を組み合わせた液晶表示ユニットであってもよい。
【0112】
液晶としては、負の誘電異方性(n型)を示すネマティック液晶が使用できる。このような液晶は、例えば、メルクジャパン(株)社から、商品名「ZLI−2857」、「ZLI−4750」、「ZLI−4788」「ZLI−478−000」などとして入手できる。なお、液晶層の厚みは、例えば、1〜20μm程度、好ましくは3〜12μm程度であってもよい。
【0113】
配向モードを形成する場合、液晶表示ユニットの両電極には、液晶を配向するための(例えば、基板に対して垂直方向に配向するための)配向膜を塗布などにより形成してもよい。配向膜としては、ポリイミド系配向膜(垂直配向膜など)が用いられることが多い。
【0114】
液晶表示ユニットの導電層のうち透明導電層は、前記タッチパネルの透明導電層(ITO(インジウム錫酸化物)など)であってもよい。
【0115】
液晶表示ユニットの基板の材質は、特に制限されず、例えば、ガラス基板やプラスチック基板が挙げられる。好ましい基板はプラスチック基板である。プラスチック基板を用いると、液晶表示装置を軽量化及び薄型化できる。
【0116】
なお、基板の厚みは、ガラス基板の場合、例えば、0.1〜3mm程度、好ましくは0.1〜1mm程度である。また、プラスチック基板の場合、例えば、1〜1000μm程度、好ましくは100〜800μm程度である。
【0117】
液晶表示ユニットのうち、偏光板、位相差板は必ずしも必要ではなく、また用いる場合であっても、その数は特に限定されない。また、偏光板や位相差板は、液晶層よりもフロント側に形成されている限り、その形成場所も特に限定されない。
【0118】
また、必要に応じて、液晶表示ユニットには、光散乱性を付与するための光散乱板(例えば、前記光散乱シートで形成された光散乱板など)、カラー表示のためのカラー化手段(3原色カラーフィルターなどのカラーフィルターなど)などを積層してもよい。
【0119】
また、液晶表示ユニットとタッチパネルとの間又はタッチパネルのフロント面(好ましくは、液晶表示ユニットとタッチパネルとの間)には、光を照射するためのフロントライトを設けてもよい。このフロントライトは、外部光が弱くて、画面の視認性が低い場合に使用されることが多い。特に、液晶表示ユニットとタッチパネルとの間を照射可能なフロントライトを用いる場合、照射光は、タッチパネルを通過することなく、直接液晶表示ユニットに入射するため、液晶画面をより明るくできる。
【0120】
また、液晶表示ユニットが透過型又は反射/透過型(特に、反射/透過型)の液晶表示ユニットの場合、液晶表示ユニットのバック面側から光を照射するためのバックライトを設けてもよい。
【0121】
好ましい液晶表示ユニットには、1枚偏光板方式のTFT駆動のカラー液晶表示ユニット(反射型液晶表示ユニット、バックライトが配設された反射/透過型液晶表示ユニットなど)、フロントライトが配設されていてもよいSTN駆動の反射型カラー液晶表示ユニットなどが含まれる。
【0122】
液晶表示装置は、慣用の方法により、液晶表示ユニットのフロント面(画像形成面)にタッチパネルを積層することにより得ることができる。例えば、液晶表示ユニット又はタッチパネルの貼り合わせ面に粘着層(粘着剤の層など)を形成して貼り合わせる方法、液晶表示ユニット又はタッチパネルの外周部に粘着層(粘着テープなど)を形成して貼り合わせる方法、液晶表示装置とタッチパネルとを積層し、治具などを用いて押え込む方法などが挙げられる。なお、周辺部で接着する場合や、治具などで押さえ込む場合、液晶表示ユニットとタッチパネルとの間の空気層の形成を防止して、干渉縞の発生を抑制する。
【0123】
なお、液晶表示装置は、必ずしも、予め液晶表示ユニットとタッチパネルとを形成して、これらを貼り合わせることにより形成する必要はなく、それぞれの構成部材を適宜貼り合わせることにより形成してもよい。例えば、両面に粘着剤層がコーティングなどにより形成された位相差板に対して、一方の面にタッチパネルを、他方の面に液晶表示ユニットを貼り合わせることにより、液晶表示装置を形成してもよい。
【0124】
【発明の効果】
本発明では、光散乱層を有するタッチパネルを用いるか、又はタッチパネルの表面に光散乱層を積層しているため、入射光の鏡面反射を低減でき、画像表示面の防眩性を向上できるため、視認性が良好なタッチパネルを得ることができる。このようなタッチパネルは、反射光を光散乱して高輝度表示も可能であり、液晶表示ユニットと組み合わせて液晶表示装置を形成すると、液晶画像の視認性も向上できる。
【0125】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本発明における試験方法を以下に示す。
【0126】
なお、実施例及び比較例のシート特性は、下記の方法に従って測定した。
(1)全光線透過率測定:
ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−300A)を用い、JISK7105に準拠して測定した。
(2)ヘーズ値:
ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−300A)を用い、JISK7105に準拠して測定した。
(3)反射率
可視紫外分光光度計(日立製作所(株)製)に60φ積分球を設置し、入射測定面にサンプルをセットし、550nmの光を照射することにより、拡散反射率(測定面に垂直方向から入射(0゜入射)した光の鏡面反射成分を除いた反射光の率)を測定した。
(4)表面抵抗
4探針比抵抗測定装置(国際電機(株)製)を用いて測定した。
(5)耐擦傷性(硬度)
打鍵寿命試験を利用して評価した。即ち、機械式打鍵装置で速度3回/秒で打鍵した。先端部には、20mm直径ウレタン球(硬度7)を用い、打鍵荷重は約150gとした。なお、この試験では、打鍵時のスイッチング挙動も測定可能である。100万回打鍵した後の傷の発生の有無を目視で確認した。
【0127】
実施例1
以下のようにして図3に示すタッチパネルを形成した。
【0128】
セルローストリアセテート(ダイセル化学工業(株)製、LT−105)のフレーク80重量部を塩化メチレン/メタノール混合溶媒(9/1(重量比))900重量部に溶解し、この溶液にポリメタクリル酸メチル(PMMA)系微粒子(積水化成品工業(株)製、MBX−2)20重量部を混合し、流延後、乾燥することにより、光散乱性(光散乱層3a)を有する基板を成形した(シートの厚み;150μm、全光線透過率;92%、ヘイズ値;30%、反射率;3%)。
【0129】
基板の片面にスパッタリングによりITOの透明導電層4a(厚み450オングストローム)を形成することにより透明導電性基板5aを得た。なお、透明導電層4aの表面抵抗は100Ω/□であり、透明導電性基板5aの全光線透過率は92%、ヘイズ値は30%であった。
【0130】
レジスト形成法及びエッチング法により、透明導電層の周辺部を除去して略長方形にパターニングし、除去部のうち、この長方形状の透明導電層の対向する2辺に隣接する部分に、透明導電層と重なるように銀ペーストを印刷、焼成することによりバスバーを形成した。また、除去部のうち、前記バスバーの非形成部にも、銀ペーストを印刷、焼成することによりリード線を形成した(図14)。パターン処理された透明導電性基板2枚(5a、5b)を、ドット状のスペーサー6を介して、透明導電層(4a、4b)を互いに対向して配設することにより、抵抗膜方式のアナログ型タッチパネル1aを形成した。なお、透明導電性基板5aの一対のバスバーと、透明導電性基板5bの一対のバスバーとが互いに直交するように透明導電性基板を配設した。
【0131】
2枚の抵抗膜(4a、4b)に、バスバーを通じて時間分割で交互に直流5Vの電圧を印加し、0〜5Vの電位勾配を形成した。指やペンでタッチパネルを押圧し、押圧部位の電圧印加側の抵抗膜の電位勾配を、電圧を印加していない側の抵抗膜を介してA/D変換により検出することにより、押圧部位(入力部位)の位置座標を測定した。正確に押圧部位の位置座標を測定できた。
【0132】
蛍光燈の照明下でこのタッチパネル1aを観察したところ、反射光の鏡面反射成分は低減されていた。また、画像形成面の上に、このタッチパネル1aを乗せ、タッチパネル1aを介して画像形成面の画像を確認したところ、画像のシャープ性(表示ボケの少なさ)、コントラスト性及び鮮明性は低減されることなく、維持されていた。
【0133】
比較例1
以下のようにして図4に示すタッチパネル1bを形成した。
【0134】
基材シート16aとしての透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート(厚さ175μm)の一方の面に、実施例1と同様にしてITOの透明導電層4a(厚み450オングストローム)を形成することにより透明導電性基板5c(全光線透過率;92%、ヘーズ値;0.5%、反射率;5%)を形成した。
【0135】
この透明導電性基板を用いて、実施例1と同様にして抵抗膜方式のアナログ型タッチパネル1bを作成した。
【0136】
このタッチパネル1bを画像形成面の上に乗せ、蛍光燈の照射下でタッチパネル1cを介して画像形成面の画像を確認したところ、蛍光燈光の鏡面反射によりタッチパネル面が眩しく(ギラツキを伴い)、画像の視認性が不十分であった。
【0137】
実施例2
タッチパネルを構成する一対の透明導電性基板を、実施例1の透明導電性基板5bと比較例1の透明導電性基板5cで形成する以外は、実施例1と同様にして図5に示すタッチパネル1cを形成した。
【0138】
比較例1の透明導電性基板5cをフロント側(フロント基板)に、実施例1の透明導電性基板5bをバック側(バック基板)にして、このタッチパネルの視認性を確認した。すなわち、タッチパネル1cのうち、フロント基板5c側から蛍光燈の照明を照らし、実施例1と同様にして、このフロント基板面の視認性を確認したところ、このタッチパネル1cは、実施例1のタッチパネルと同様に鏡面反射を低減でき、高い画像視認性(画像シャープ性、画像コントラスト性、画像鮮明性)を有していた。
【0139】
実施例3
以下のようにして図6に示すタッチパネル1dを形成した。
【0140】
ポリメタクリル酸メチル(屈折率1.49、三菱レイヨン(株)製、BR88)50重量部とスチレン−アクリロニトリル共重合体(屈折率1.55、ダイセル化学工業(株)製、080SF)50重量部とを塩化メチレン/メタノール混合溶媒に溶解した。この溶液を基材シート16cとしてのポリエーテルスルホン(PES)シート(シート厚み100μm、住友化学(株)製)上に流延し、乾燥した。この塗布シートを、230℃で10分間熱処理し、冷水中に浸漬して冷却し、十分に乾燥した。得られた基板を透過型顕微鏡により観察したところ、ポリメタクリル酸メチルとスチレン−アクリロニトリル共重合体とからなる層3cは、共連続相構造を有しており、連続相の平均相間距離は約6μmであった。この基板は、シート厚み115μm、全光線透過率93%、ヘーズ値25%、反射率4%であり、拡散角度約7゜に拡散光を指向可能であった。
【0141】
実施例1と同様にして、この基板の基材シート16c側に透明導電層を積層することにより、透明導電性基板5eを得た。得られた透明導電性基板5eの全光線透過率は92%であり、ヘーズ値は25%であった。
【0142】
この透明導電性基板を2枚用いて、実施例1と同様にして抵抗膜方式のアナログ型タッチパネル1dを得た。
【0143】
このタッチパネル1dは、実施例1のタッチパネルと同様に鏡面反射を低減でき、高い画像視認性(画像シャープ性、画像コントラスト性、画像鮮明性)を有していた。
【0144】
実施例4
以下のようにして図7に示すタッチパネル1eを形成した。
【0145】
透明ベース樹脂としてのポリエステル系樹脂(非晶性コポリエステルPET−G、EASTMAN CHEMICAL社製、Eastar PETG6763、屈折率1.567)90重量部と、樹脂微粒子としての汎用ポリスチレン系樹脂(GPPS、ダイセル化学工業(株)製、GPPS#30、屈折率1.589)10重量部とを、それぞれ70℃で約4時間乾燥した後、バンバリーミキサーで混練した。混練した樹脂組成物を約240℃で溶融し、Tダイよりシート状に押出成形し、表面温度約25℃の冷却ドラムで冷却固化することにより溶融製膜した。得られた微粒子分散構造を有する光散乱シート18aは、シート厚み120μm、全光線透過率91%、ヘーズ値26%、反射率5%であった。
【0146】
この光散乱シートに酢酸ビニル系粘着剤17aを塗布し、乾燥した。比較例1のタッチパネルのフロント基板及びバック基板それぞれに、粘着剤層を介して前記光散乱シートを貼りつけることによりタッチパネル1eを形成した。
【0147】
このタッチパネル1eは、実施例1のタッチパネルと同様に鏡面反射を低減でき、高い画像視認性(画像シャープ性、画像コントラスト性、画像鮮明性)を有していた。
【0148】
実施例5
以下のようにして図6に示すタッチパネル1fを形成した。
【0149】
実施例4と同様にして、光散乱シート(シート状の光散乱層3e)を形成し、一方の面に硬化層7bを積層した。この積層シートは、シート厚み130μm、全光線透過率91%、ヘーズ値26%、反射率6%であった。この積層シートの硬化層非形成面に実施例1と同様にしてITOの透明導電層4aを積層することにより、透明導電性基板5iを形成した。
【0150】
また、硬化層7bを設けない以外は前記と同様にして、透明導電性基板5fを形成した。
【0151】
フロント側の基板として、硬化層が積層されている透明導電性基板5eを、バック側の基板として硬化層がない透明導電性基板5fを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネル1fを形成した。
【0152】
タッチパネルのフロント面(入力面)に、ペンで入力(押圧)してもフロント面は傷つかなかった。また打鍵寿命試験により、フロント面の耐擦傷性をテストしたところ、殆ど傷は発生しなかった。
【0153】
このタッチパネル1fは、実施例1のタッチパネルと同様に鏡面反射を低減でき、高い画像視認性(画像シャープ性、画像コントラスト性、画像鮮明性)を有していた。
【0154】
比較例2
以下のようにして図9に示すタッチパネル1gを形成した。
【0155】
比較例1の基材シート16aの一方の面に、サイロイド系微粒子を含有する硬化層7cを積層し、ノングレアハードコートシートを形成した。この積層シートは、全光線透過率77%、ヘーズ値88%、反射率15%であった。この積層シートの硬化層非形成面に実施例1と同様にしてITOの透明導電層4aを積層することにより、透明導電性基板5kを形成した。
【0156】
フロント側の基板として、硬化層が積層されている透明導電性基板5kを、バック側の基板として硬化層が形成されていない比較例1の透明導電性基板5dを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネル1gを形成した。
【0157】
蛍光燈の照明下でこのタッチパネル1gを観察したところ、反射光の鏡面反射成分は低減されていた。しかし、画像形成面の上に、このタッチパネル1gを乗せ、タッチパネル1aを介して画像形成面の画像を確認したところ、視認性が大きく低下し、画像を確認するのが困難であった。
【0158】
実施例6
反射型液晶表示ユニット(STN型)2aの偏光板の外面に、実施例1のタッチパネルを貼り付け、タッチパネルのフロント面に硬化層を形成することにより、図10の液晶表示装置を得た。
【0159】
より詳細には、反射型液晶表示ユニット2aは、透明導電層(透明導電性電極)4cが形成された透明性のフロント基板8と、光反射性導電層(光反射性電極)9が形成されたバック基板10とが、互いに導電層(電極)4c、9を対向して配設され、この両基板8、10の間に液晶11が封入された液晶セル12を有している。フロント基板8の導電層非形成面には、光散乱板15が積層されており、この光散乱板15には、位相差板14を介して偏光板13が積層されている。
【0160】
なお、反射型液晶表示装置の構成部材としては、下記のものを用いた。
【0161】
偏光板13:液晶表示用偏光フィルム(NPF)(日東電工(株)製)
位相差板14:液晶表示用位相差フィルム(NRF)(日東電工(株)製)
フロント基板8:ガラス基板(厚さ0.7mm)
バック基板10:ガラス基板(厚さ0.7mm)
透明性導電層4c:ITOの透明導電層。なお、フォトリソグラフ加工によりパターン処理されている
反射性導電層9:アルミニウム層(ガラス基板に蒸着により形成)。なお、フォトリソグラフ加工によりパターン処理されている
配向膜:ポリイミド系配向膜
液晶12:負の誘電異方性(n型)を有するネマティック液晶ZLI−4750(液晶層の厚さ7μm)
液晶表示ユニット2aへのタッチパネルの貼り付けは、タッチパネルと偏光板の外周部を両面粘着テープにより貼り合わせることにより行った。
【0162】
蛍光燈の照明下でこのタッチパネル付きの反射型液晶表示装置を用いて画像表示したところ、タッチパネルを配設しない場合に比べ、反射光の鏡面反射成分が低減されており、タッチパネルを配設しない場合と同程度の画質及び明るさが維持でき、鮮明な表示画面が観察された。
【0163】
比較例3
比較例2のタッチパネルを用いる以外は、実施例6と同様にして図11の反射型液晶表示装置を形成した。
【0164】
蛍光燈の照明下でこのタッチパネル付きの反射型液晶表示装置を用いて画像表示したところ、蛍光灯の光が鏡面反射して眩しく(ギラツキ)、画像を確認するのが困難であった。
【0165】
実施例7
液晶表示ユニットの光散乱板を用いない以外は、実施例6と同様にして、図12に示す液晶表示装置を形成した。
【0166】
蛍光燈の照明下でこのタッチパネル付きの反射型液晶表示装置を用いて画像表示したところ、実施例6のタッチパネルと同様に、高い視認性を有していた。なお、液晶表示装置のフロント面に硬化層を形成しているため、実施例6のタッチパネル同様、耐擦傷性が高く、長期間使用しても画質は低下しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はシートの指向性を説明するための概略図である。
【図2】図2は本発明の液晶表示装置を説明するための装置断面図である。
【図3】図3は実施例1のタッチパネルの断面図である。
【図4】図4は比較例1のタッチパネルの断面図である。
【図5】図5は実施例2のタッチパネルの断面図である。
【図6】図6は実施例3のタッチパネルの断面図である。
【図7】図7は実施例4のタッチパネルの断面図である。
【図8】図8は実施例5のタッチパネルの断面図である。
【図9】図9は比較例2のタッチパネルの断面図である。
【図10】図10は実施例6の液晶表示装置の断面図である。
【図11】図11は比較例3の液晶表示装置の断面図である。
【図12】図12は実施例7の液晶表示装置の断面図である。
【図13】図13は透明導電性基板の一例を示す概略斜視図である。
【図14】図14は透明導電性基板の他の例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1、1a〜1h…タッチパネル
2、2a、2b…液晶表示ユニット
3A、3B、3a〜3e…光散乱層
4A、4B、4a、4b…透明導電層
5A、5B、5a〜5m…透明導電性基板
6…スペーサー
18a、18b…光散乱層を有するシート
Claims (11)
- 透明導電層と基板とで構成された一対の透明導電性基板が、スペーサーを介して、前記透明導電層を互いに対向して配設されたタッチパネルであって、少なくとも一方の基板が光散乱性を有しており、かつこの光散乱性を有する基板が、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーから選択された屈折率の異なる複数の樹脂成分で構成され、かつ平均相間距離1〜20μmで等方性の共連続相構造を有する厚み1〜30μmの光散乱層を備えているタッチパネル。
- 光散乱性を有する基板が、光散乱層単独又は光散乱層と基材シートとの積層体である請求項1記載のタッチパネル。
- 光散乱性を有する透明導電性基板が、拡散角度3〜60゜に拡散光を指向可能である請求項1記載のタッチパネル。
- 透明導電層を有する一対の透明導電性基板が、スペーサーを介して、前記透明導電層を互いに対向して配設されたタッチパネルにおいて、少なくとも一方の透明導電性基板に厚み1〜30μmの光散乱層を有するシートが積層されており、前記光散乱層が、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマーから選択された屈折率の異なる複数の樹脂成分で構成され、かつ平均相間距離1〜20μmで等方性の共連続相構造を有するタッチパネル。
- 光散乱層を有するシートが、拡散角度3〜60゜に拡散光を指向可能である請求項4記載のタッチパネル。
- 光散乱層が、屈折率の差が0.01〜0.2である複数の樹脂成分で構成されている請求項1又は4記載のタッチパネル。
- 一方の基板のフロント面に硬化層が形成されている請求項1〜6のいずれかの項に記載のタッチパネル。
- 各透明導電性基板に、透明導電層と接続するバスバーが形成され、一方の透明導電性基板のバスバーの配列方向と、他方の透明導電性基板のバスバーの配列方向とが略直交している請求項1〜7のいずれかの項に記載のタッチパネル。
- 液晶表示ユニットのフロント面に、請求項1〜8のいずれかの項に記載のタッチパネルが配設された液晶表示装置。
- 液晶表示ユニットが反射型液晶表示ユニット又は反射/透過型液晶表示ユニットである請求項9記載の液晶表示装置。
- 液晶表示ユニットが、鏡面反射性を有している請求項9記載の液晶表示装置。
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