JP4381719B2 - レーザ接合による光学部品固定方法および光学部品固定装置ならびに光学モジュール - Google Patents

レーザ接合による光学部品固定方法および光学部品固定装置ならびに光学モジュール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクなどの光学的情報記憶媒体、例えばDVD(Digital Versatile Disk)に対して情報を読み書きするための光ピックアップヘッドなどに適用され、レーザ接合により光学部品を樹脂製ホルダに接合固定するための光学部品固定方法および光学部品固定装置、ならびに光学モジュールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップヘッドなどの光学モジュールにおいて、光学部品をホルダに固定する方法として、一般的には紫外線硬化性樹脂を接着剤として光学部品とホルダの間に充填し、紫外線を照射して、この紫外線硬化樹脂を硬化させることにより固着させる方法が採用されている。この方法では、紫外線硬化性樹脂の硬化速度が遅く、そのため固定させるのに数秒から数十秒の時間を要する。短時間で固定させることができれば、それだけ時間短縮することができるため、光学モジュールの製造コストを下げることが可能になる。
【0003】
そこで、近年、光学部品のホルダヘの固定方法として、ホルダにレーザを照射して加熱し、その変形を利用して光学部品を固定する方法が検討されている(特許文献1参照)。
【0004】
同時に、近年、光学モジュールの低コスト化のため、ホルダの材料として、従来では亜鉛あるいはアルミなどの金属が使用されていたものを、樹脂に代える取り組みがなされている。
【0005】
この樹脂製のホルダに対して、溶接用レーザ光源から出射したレーザ光により光学部品を接合固定する際、ホルダにおけるレーザ光の照射開始時の部位における変形が、その後におけるレーザ光を照射した部位における変形と異なるという現象が生じる。
【0006】
前記現象について図20を参照して以下に詳細に説明する。
【0007】
図20は樹脂製のホルダ1にレンズ2が固定された光ピックアップヘッド3の外観斜視図、図21は樹脂製のホルダ1にレンズ2をレーザ接合する状態を拡大して示す平面図、図22は樹脂製のホルダ1にレンズ2をレーザ接合する状態を拡大して示す側面一部断面図であり、図21,図22において、4は、ホルダ1の固定段部5とレンズ2の被固定部である突出部(コバ面)6との隙間を示し、Lはレーザ光照射位置を示す。
【0008】
レーザ接合時、レーザ光7を集光レンズ8などで集光して照射しておき、レンズ2とホルダ1とを回転させ、ホルダ1の固定段部5、あるいはレンズ2の突出部6を、図23に示すように変形5a,6aさせる。このようにしてホルダ1とレンズ2間における隙間4の全周を埋めることにより、ホルダ1にレンズ2を固定させる。
【0009】
しかしながら、実際のレーザ接合を行う場合、レーザ光7が照射されたホルダ1における変形部分5aの形状が、照射開始時とその後とにおいて異なる。例えば、図24,図25に示すように、レーザ光照射開始時の変形部分5aが、照射開始後の他のレーザ照射部分と比べて、変形の度合いが大きく、その結果としてレンズ2上面より上方へ、あるいはレンズ2設置側へ飛び出す突出量が大きくなってしまうことが生じる。
【0010】
このようなことは、例えば光ピックアップにおいては、レンズ2の焦点位置に光ディスクが配置されて情報を読み込んだり書き込んだりするため、レンズ2よりも光ディスクに近い側ヘホルダ1の変形5aによる突起が存在すると、光ディスクに傷をつけてしまう危険がある。また、ホルダ1の変形5aがレンズ開口の内側に生じるとレンズ2から出射した光束にケラレが生じ、所望の特性が得られないことになる。
【0011】
前記のようなレーザ光における照射開始時の照射部分と、その後の照射部分とにおける変形の状況が異なる原因としては、以下のようなことが考えられる。
【0012】
図26(a)はレーザ光照射開始時以外のレーザ光照射部位におけるレーザ光が照射された瞬間の温度分布の一例を示したものであって、横軸が照射位置を表し、縦軸が温度を示す。図26(a)において右側ほど、レーザ光が照射されてから経過した時間が長い。図26(a)に示すように、右側の位置はかつてレーザ照射されていたために温度が上昇しており、そのため、現在レーザ照射されている部位からの温度勾配は大きくない。
【0013】
これに対し、図26(b)は照射開始時のレーザ光照射位置における温度分布を示すものであって、照射開始時におけるレーザ光照射位置以外はレーザ光が照射されていないため温度は低く、そのため温度勾配が大きい。
【0014】
図26(a)では、レーザ光の照射により加熱され溶融した位置が、ある程度で広い領域に拡がっており、そのためレーザ光が照射され最も高温になった部位も周囲へ広がるように変形が起こると考えられる。これに対し、図26(b)では、レーザ光が照射されたごく一部の位置のみが溶融し、周囲へ流動しないため局所的に変形を起こしてしまい、結果として大きな変形になってしまうと考えられる。
【0015】
【特許文献1】
実開昭60−140225号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、樹脂製のホルダにレンズをレーザ接合する際に、レーザ光照射開始時の照射部位が、その後の照射部位よりも大きな変形を生じるという問題があり、光ピックアップヘッドにおけるレンズの作用、およびピックアップ特性に悪影響を与えることになる。
【0017】
このことは、レーザ接合により樹脂製ホルダにレンズ以外の各種光学部品を固定する際にも同様に解決すべき課題である。
【0018】
そこで本発明は、樹脂製ホルダに光学部品をレーザ接合する際に、レーザ光照射開始時のレーザ照射部位における変形を抑えて、規定の許容寸法範囲内に入ることを可能にするレーザ接合による光学部品固定方法および光学部品固定装置ならびにレーザ接合における変形を抑えることができる構造の樹脂製ホルダを有する光モジュールを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、樹脂製ホルダの光学部品固定部に光学部品を載置し、前記光学部品固定部にレーザ光を照射し、前記光学部品の周部の光学部品固定部を溶融させかつ固化させることによって、前記光学部品固定部に前記光学部品を固定する際、前記光学部品の平面視形状が略円形状、あるいは平面視形状における外形形状が略直線形状であり、前記光学部品固定部の載置部分の形状を前記光学部品の形状に略合致させ、かつ前記光学部品固定部の一部に凹部あるいは凸部を形成したものを使用し、前記レーザ光の照射開始時には前記凹部あるいは凸部内に前記レーザ光を集光させ、その後、前記樹脂製ホルダと前記光学部品とが接する他の光学部品固定部部分にレーザ光を照射させ、前記光学部品固定部を順次溶融させるようにしたレーザ接合による光学部品固定方法、および装置の構成にしたこと特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記レーザ接合による光学部品固定方法によって、樹脂製ホルダに光学部品を固定する光学モジュールを、前記樹脂製ホルダの前記光学部品が固定される光学部品固定部と前記光学部品の被固定部とが略同一面内にあるようにし、さらに前記光学部品固定部の一部に凹部あるいは凸部形成された構成にしたことを特徴とする。
【0021】
前記のような構成によって、樹脂製ホルダに対して光学部品をレーザ接合する際、レーザ光照射開始時の照射エネルギ密度を弱めることができ、局所的な温度上昇を抑えることができるため、接合部全体として従来のような局所的な変形の発生を抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明の実施形態1を説明するための光学モジュールにおける樹脂製ホルダの斜視図、図2は図1の光学モジュールに固定される光学部品であるレンズの断面図である。
【0024】
図1において、樹脂製のホルダ1の中央部には、外形が平面視円形のレンズ2が載置されるように、レンズ2の外形に略合致した円形状の通孔10が設けられている。通孔10の内周部に設けられたレンズ固定部11には、垂直壁部11aと水平段部11b、および内周側壁部11cが形成されている。レンズ2は、周辺部にコバ面と呼ばれる突出部12を有し、レンズ2の垂直部12aがレンズ固定部11の垂直壁部11aに、またレンズ2の水平部12bがレンズ固定部11の水平段部11bに接するように、ホルダ1にセットされる。
【0025】
図3(a)は前記レンズ固定部の図1におけるA部の拡大図、図3(b)は前記レンズ固定部の図1におけるB部の拡大図であって、前記レンズ固定部における垂直壁部11aは、その大部分は、図3(a)に示すように、垂直壁部11aが同じ高さであるが、一部のみに、図3(b)に示すように、凹部13を形成している。
【0026】
このため、レーザ接合時、後で詳述するようにレーザ光14は、垂直壁部11aの大部分では、その上端部にフォーカスが合うように集光レンズ15により集光されるが、前記凹部13の部位においてのみ、レーザ光14がデフォーカスの状態になる。
【0027】
図4は光学部品固定装置における実施形態1の概略構成図であり、16はホルダ1を保持して回転させるための移動手段である回転ステージ、17は回転ステージ16の回転のゼロ点を検知して出力する信号出力手段であるエンコーダである。18はレーザ光14を出射する光源としてのレーザ本体、19はレーザ本体18からの出射パワーを制御するためのレーザ制御手段であるコントローラ、20は集光レンズ15ヘレーザ光14を導くためのミラーなどの光学素子である。
【0028】
実施形態1では、レーザ光14が、図3(b)で示したレンズ固定部11の凹部13に入射される状態のときにエンコーダ17からパルス状の信号が出力されるようになっている。これは、回転ステージ16上において処理対象のホルダ1が常に同じ位置に固定されるように設定しておくことで、ホルダ1の凹部13にレーザ光14が入射する時と、エンコーダ17から信号が出力される時のタイミングを常に同じにすることができる。
【0029】
図5(a)〜(c)に示すタイミングチャートを参照して、ホルダ1に対するレンズ2のレーザ接合方法について説明する。回転ステージ16の回転中心とホルダ1の通孔10の中心とが略ー致するようセットする。そして、回転ステージ16を等速で回転させておき(図5(c))、エンコーダ17からの出力に同期させて(図5(b))、レーザ本体18からレーザ光の出射を開始(図5(a))させるように、コントローラ19により制御する。
【0030】
これにより、レーザ光照射開始時において、ホルダ1のレンズ固定部11における凹部13ではデフォーカスされた状態でレーザ光14が照射されることになるため、レーザ光におけるエネルギ照射密度が下がって局所的な温度上昇が抑えられ、かつ温度上昇する部位もフォーカスが合った状態よりも拡がるため、局所的な変形を抑えることができる。また、変形したとしても、凹部13では元々の高さが低くなっているので、変形による飛び出し量を抑えることができる。
【0031】
ホルダ1の凹部13のへこみ量dは、ホルダ1の材質の熱容量あるいは溶融時の粘性、またはレーザ光14を集光する対物レンズ15の焦点距離などにより最適化する必要があるが、一般的な樹脂材料を用いて一般的な光学系でレーザ光を照射する場合には(数1)に示す範囲内に設定するとよい。
【0032】
【数1】
0.1mm<d<l0mm
dは、大きすぎるとエネルギ密度が低くなりすぎて樹脂を変形させることができなくなるし、小さすぎるとエネルギ密度が小さくならないので局所的な変形を抑えられない。
【0033】
なお、図6(a)に示すように凹部13’の形状を、図3(b)に示す凹部13よりも浅く形成してもよく、また図示しないが図3(b)に示す凹部13よりも深く形成してもよく、いずれの場合でも前記と同様にデフォーカスさせることができ、同様の効果が得られる。また、図6(b)に示すように、凹部13”の形状を円錐状にしても、同様の作用効果が得られる。
【0034】
さらに、図6(c)に示すように、レンズ固定部11の一部に前記凹部13と同じ位置に凸部20を突設させるようにすることによっても、前記と同様にデフォーカスを与えることができ、同じ効果が得られる。
【0035】
また、実施形態1では、レーザ光14の出射をコントローラ19の制御により調整したが、レーザ本体18の光路中に、レーザ光14の出射を遮断するシャッタ(図示せず)を設けておき、このシャッタの開閉によってレーザ光の出射を制御することも考えられる。
【0036】
また、実施形態1では、エンコーダ17からの出力信号のタイミングと、レーザ光14の光軸がレンズ固定部11の凹部13にくるタイミングとを一致させたが、必ずしも一致させる必要はなく、常に所定量だけずらせるタイミングに設定することによっても同じ効果が得られる。
【0037】
図7は本発明の実施形態2である光学部品固定装置の概略構成図である。なお、以下の説明において、図1〜図6にて説明した部材と対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。実施形態2と実施形態1とが異なる点は、ホルダ1には凹部13あるいは凸部20を形成しないものを用い、対物レンズ15を光軸方向に移動させるためのレンズ移動ステージ21を設け、かつエンコーダ17を設けていない構成である。
【0038】
実施形態2では、コントローラ22によってレンズ移動ステージ21を駆動させることにより、レーザ光照射開始時、レーザ光14を、図8(a)に示すように、レンズ固定部11に対してデフォーカスの状態で入射させ、その後、図8(b)に示すように、レンズ固定部11に対してフォーカスが合う状態で入射させるようにしている。
【0039】
図9(a)〜(c)に示すタイミングチャートを参照して実施形態2におけるレーザ接合方法について説明する。まず、ホルダ1を回転ステージ16に、回転ステージ16の回転中心とホルダ1の通孔10の中心とが略一致するようにセットする。そして、回転ステージ16を等速で動作させておき(図9(c))、レーザ光14がデフォーカスしてホルダ1に入射されるようにレンズ移動ステージ21を駆動し(図9(b))、レーザ本体18からレーザ光14が出射(図9(a))されたと同時に、レーザ光14がレンズ固定部11に対してフォーカスが合うように、レンズ移動ステージ21を駆動して対物レンズ15を光軸方向に徐々に移動させる。
【0040】
このように、レーザ光照射開始時では、レーザ光はレンズ固定部11に対してデフォーカス状態にし、その後、徐々にフォーカスを合わせていくように制御することにより、照射開始時の照射部位では、デフォーカスしているので局所的な温度上昇が抑制され、局所的な変形が抑えられることになる。この方法であれば、照射開始部位はレンズ固定部11のどこであってもよく、照射開始部位は必ずデフォーカスして照射され、変形を抑えることができる。
【0041】
なお、対物レンズ15の移動量Dは、ホルダ1の材質の熱容量あるいは溶融時の粘性、またはレーザ光14を集光する対物レンズ15の焦点距離などにより最適化する必要があるが、一般的な樹脂材料を用いて一般的な光学系でレーザ光を照射する場合には(数2)に示す範囲内に設定するとよい。
【0042】
【数2】
0.1mm<D<l0mm
Dは、大きすぎるとエネルギ密度が低くなりすぎて樹脂を変形させることができなくなるし、小さすぎるとエネルギ密度が小さくならないので局所的な変形を抑えることができない。
【0043】
また、実施形態2では、レーザ光14の出射をコントローラ22の制御により調整するが、レーザ本体18の光路中に、レーザ光14の出射を遮断するシャッタ(図示せず)を設けておき、このシャッタの開閉によってレーザ光の出射を制御するようにしてもよい。
【0044】
図10は本発明の実施形態3である光学部品固定装置の概略構成図であり、実施形態3において、コントローラ23により、レーザ本体18から出射するレーザ光14のレーザ強度を制御し、かつ回転ステージ16の駆動制御を行う。
【0045】
図11(a),(b)に示すタイミングチャートを参照して実施形態3におけるレーザ接合方法について説明する。まず、ホルダ1を回転ステージ16に、回転ステージ16の回転中心とホルダ1の通孔10の中心とが略一致するようにセットする。そして、コントローラ23の制御により、回転ステージ16を高速に回転させておき、レーザ本体18においてレーザ光14を出射開始(図11(b))したのと同期させて、回転ステージ16の回転速度を徐々に遅くして一定にする(図11(a))。
【0046】
このように回転ステージ16の速度を調整することにより、レーザ光照射開始時は、回転速度が大きいためにレーザ光の照射密度を下げることができ、そのため局所的な温度上昇を抑えられ、局所的な変形を小さくすることができる。
【0047】
なお、実施形態3では、レーザ光14の出射をコントローラ23の制御により調整するが、レーザ本体18の光路中に、レーザ光14の出射を遮断するシャッタ(図示せず)を設けておき、このシャッタの開閉によってレーザ光の出射を制御するようにしてもよい。
【0048】
図12は本発明の実施形態4である光学部品固定装置の概略構成図であり、実施形態4において、コントローラ24により、レーザ本体18から出射するレーザ光14の強度が徐々に大きくなるような制御を行う。
【0049】
図13(a),(b)に示すタイミングチャートを参照して実施形態4におけるレーザ接合方法について説明する。まず、ホルダ1を回転ステージ16に、回転ステージ16の回転中心とホルダ1の通孔10の中心とが略一致するようにセットする。そして、コントローラ24の制御により回転ステージ16を等速で回転させておき(図13(b))、コントローラ24により、レーザ強度が徐々に大きくするようにレーザ本体18を制御(図13(a))することによって、レーザ光照射開始時、レーザ光を照射された部位における照射エネルギを抑えることができ、局所的な変形を抑えることができる。
【0050】
図14は本発明の実施形態5である光学部品固定装置の概略構成図、図15は実施形態5の要部の拡大図であり、実施形態5では、コントローラ25の制御により、レーザ光14の光路に対して出入りするように減光フィルタ26を配設している。
【0051】
図16(a),(b)に示すタイミングチャートを参照して実施形態5におけるレーザ接合方法について説明する。まず、ホルダ1を回転ステージ16に、回転ステージ16の回転中心とホルダ1の通孔10の中心とが略一致するようにセットする。そして、エンコーダ17から原点出力信号が出力(図16(a))されるタイミングで、コントローラ25により、減光フィルタ13をレーザ光7の光軸上に移動させ、かつレーザ本体18からレーザ光を出力(図16(b))させる。
【0052】
このため、レーザ光照射開始時は減光フィルタ26を通して減光されたレーザ光がレンズ固定部11に対して照射されることになるため、照射開始時の局所的な温度上昇が抑制され、局所的な変形も抑えることができる。
【0053】
なお、実施形態5では、レーザ光14の出射をコントローラ25の制御により調整するが、レーザ本体18の光路中に、レーザ光14の出射を遮断するシャッタ(図示せず)を設けておき、このシャッタの開閉によってレーザ光の出射を制御するようにしてもよい。
【0054】
また、エンコーダ17からの出力信号のタイミングと、レーザ光14の光軸が減光フィルタ26に移動するタイミングとを一致させたが、必ずしも一致させる必要はなく、常に所定量だけずらせるタイミングに設定することによっても同じ効果が得られる。
【0055】
図17は本発明の実施形態6である光学部品固定装置の概略構成図、図18は実施形態6の要部における平面状態の拡大図であり、実施形態6では、後述するように回転ステージ16の回転中心Soと、ホルダ1の通孔10における中心Hoとが一致しないように、ホルダ1を回転ステージ16にセットする。
【0056】
図18において、前記回転中心Soと前記中心Ho間のズレ量をΔとして示している。レーザ光照射位置Lと、回転ステージ16の回転中心Soと、ホルダ1の通孔10における中心Hoとが一直線上にあり、かつレーザ光照射位置Lと回転ステージ16の回転中心Soとの間に、ホルダ1の通孔10の中心Hoが存在し、さらにレーザ光照射位置Lがホルダ1(レンズ固定部11)とレンズ2間の隙間4よりも通孔10における中心Ho寄りに存在するように各部が設定されている。そして、回転ステージ16がこの状態になると、エンコーダ17からゼロ点検出信号が出力されるようになっている。
【0057】
図19(a),(b)の説明図を参照して実施形態6におけるレーザ接合方法について説明する。まず、回転ステージ16が回転し、エンコーダ17からゼロ点信号が出力されるタイミングに同期して、コントローラ27ではレーザ本体18からレーザ光14を出射させる。レーザ光照射開始時点では、レーザ光照射位置Lは隙間4よりもレンズ2寄りの部位を照射しているため、レンズ固定部11ヘの照射光量が少なくなり温度上昇が抑えられ、局所的な変形を抑えることができる。その後、回転ステージ16の回転によりホルダ1が回転して、レーザ光照射位置Lは隙間4上に位置することになる(図18(a))。回転ステージ16の1回転したときの前記隙間4に対するレーザ光照射位置Lの軌跡は、図18(b)に点線にて示すようになる。
【0058】
なお、前記ズレ量Δは、あまり大きいと前記隙間4を埋めるような変形を起こさせることができず、また、あまり小さいとレーザ光照射開始時の照射量を小さくすることができず、局所的な変形を抑えることができない。そのため、ズレ量Δとしては、レーザ光14のレンズ固定部11を照射するスポット直径Φを基準すると、(数3)に示す関係を満たすようにすることが望ましい。
【0059】
【数3】
Φ×0.1<Δ<Φ×2
なお、実施形態6において、レーザ光14の出射をコントローラ27の制御により調整するが、レーザ本体18の前の光路中に、レーザ光14の出射を遮断するシャッタ(図示せず)を設けておき、このシャッタの開閉によってレーザ光の出射を制御するようにしてもよい。
【0060】
なお、実施形態1において、平面視略円形状をなすレンズ2を光学部品の例として、その円形外周をレーザ接合する場合について説明したが、平面視略矩形状あるいは直線を主体とする外形形状の光学部品における外形部分においてレーザ接合する場合には、前記回転ステージ16に換えて直進ステージを使えばよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るレーザ接合による光学部品固定方法および光学部品固定装置ならびに光学モジュールによれば、樹脂製ホルダに対して光学部品をレーザ接合する際、レーザ光照射開始時の照射エネルギ密度を弱めることができ、局所的な温度上昇を抑えることができるため、接合部全体として従来のような局所的な変形の発生を抑制することができ、レーザ接合によっても製造精度の高い樹脂製ホルダを用いた光学モジュールの製造が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を説明するための光学モジュールにおける樹脂製ホルダの斜視図
【図2】図1の光学モジュールに固定される光学部品であるレンズの断面図
【図3】(a)は前記レンズ固定部の図1におけるA部の拡大図、(b)は前記レンズ固定部の図1におけるB部の拡大図
【図4】本発明の実施形態1である光学部品固定装置の概略構成図
【図5】実施形態1における動作説明のためのタイミングチャート
【図6】実施形態1における凹部あるいは凸部の説明図
【図7】本発明の実施形態2である光学部品固定装置の概略構成図
【図8】実施形態2におけるレーザ光におけるフォーカス状態の説明図
【図9】実施形態2における動作説明のためのタイミングチャート
【図10】本発明の実施形態3である光学部品固定装置の概略構成図
【図11】実施形態3における動作説明のためのタイミングチャート
【図12】本発明の実施形態4である光学部品固定装置の概略構成図
【図13】実施形態4における動作説明のためのタイミングチャート
【図14】本発明の実施形態5である光学部品固定装置の概略構成図
【図15】実施形態5における要部の拡大図
【図16】実施形態5における動作説明のためのタイミングチャート
【図17】本発明の実施形態6である光学部品固定装置の概略構成図
【図18】実施形態6の要部における平面状態の拡大図
【図19】実施形態6におけるレーザ接合処理の説明図
【図20】従来の樹脂製のホルダにレンズが固定された光ピックアップヘッドの外観斜視図
【図21】図20において樹脂製のホルダにレンズをレーザ接合する状態を拡大して示す平面図
【図22】図21における樹脂製のホルダにレンズをレーザ接合する状態を説明する断面図
【図23】従来のホルダとレンズ間におけるレーザ接合状態の説明図
【図24】従来のホルダとレンズ間におけるレーザ異常接合の説明図
【図25】従来のホルダとレンズ間におけるレーザ異常接合の説明図
【図26】レーザ光照射位置における温度状態の説明図
【符号の説明】
1 樹脂製のホルダ
2 レンズ
10 通孔
11 レンズ固定部
13,13’,13” 凹部
14 レーザ光
15 対物レンズ
16 回転ステージ
17 エンコーダ
18 レーザ本体
19,22,23,24,25,27 コントローラ
20 凸部
21 レンズ移動ステージ
26 減光フィルタ

Claims (9)

  1. 樹脂製ホルダの光学部品固定部に光学部品を載置し、前記光学部品固定部にレーザ光を照射し、前記光学部品の周部の光学部品固定部を溶融させかつ固化させることによって、前記光学部品固定部に前記光学部品を固定する光学部品固定方法において、
    前記光学部品固定部の載置部分の形状を前記光学部品の形状に略合致させ、かつ前記光学部品固定部の一部に凹部あるいは凸部を形成したものを使用
    前記レーザ光の照射開始時には前記凹部あるいは前記凸部内に前記レーザ光を集光させ、その後、前記樹脂製ホルダと前記光学部品とが接する他の光学部品固定部部分にレーザ光を照射、前記光学部品固定部を順次溶融させることを特徴とするレーザ接合による光学部品固定方法。
  2. 前記凹部あるいは前記凸部の存在位置で出力信号が出力された時と、前記レーザ光を前記樹脂製ホルダとの前記凹部あるいは前記凸部に照射する時の時間差を、ゼロか、または所定量だけずらせたことを特徴とする請求項1記載のレーザ接合による光学部品固定方法
  3. 前記光学部品固定部を順次溶融させる際に、前記光学部品と前記樹脂製ホルダの動作速度を一定にし、レーザ出力を出力開始後から一定にしたことを特徴とする請求項1記載のレーザ接合による光学部品固定方法
  4. 樹脂製ホルダの光学部品固定部に光学部品を載置し、前記光学部品固定部にレーザ光を照射し、前記光学部品の周部の光学部品固定部を溶融させかつ固化させることによって、前記光学部品固定部に前記光学部品を固定する光学部品固定装置において、
    前記光学部品の平面視形状が略円形状であり、前記光学部品固定部の載置部分の形状を前記光学部品の形状に略合致させ、かつ前記光学部品固定部の一部に凹部あるいは凸部を形成したものを使用し、
    前記樹脂製ホルダを保持し、前記光学部品固定部の中心を回転中心として前記樹脂製ホルダを回転させる移動手段と、
    前記移動手段の1回転中における前記凹部あるいは前記凸部の存在位置で信号出力する信号出力手段と、
    前記レーザ光を前記樹脂製ホルダと前記光学部品とが接する光学部品固定部部分にレーザ光を照射する光学系手段と、
    前記信号出力手段からの前記信号出力に同期して前記レーザ光の出力を制御するレーザ制御手段と、
    を備えたことを特徴とするレーザ接合による光学部品固定装置。
  5. 樹脂製ホルダの光学部品固定部に光学部品を載置し、前記光学部品固定部にレーザ光を照射し、前記光学部品の周部の光学部品固定部を溶融させかつ固化させることによって、前記光学部品固定部に前記光学部品を固定する光学部品固定装置において、
    前記光学部品の平面視形状の外形形状が略直線形状からなり、前記光学部品固定部の載置部分の形状を前記光学部品の外形形状に略合致させ、かつ前記光学部品固定部の一部に凹部あるいは凸部を形成したものを使用し、
    前記樹脂製ホルダを保持し、前記樹脂製ホルダを直線状に移動させる移動手段と、
    前記移動手段の移動中における前記凹部あるいは前記凸部の存在位置で出力信号を出力する信号出力手段と、
    前記レーザ光を前記樹脂製ホルダと前記光学部品とが接する光学部品固定部部分にレーザ光を照射する光学系手段と、
    前記信号出力手段からの出力信号に同期して前記レーザ光の出力を制御するレーザ制御手段と、
    を備えたことを特徴とするレーザ接合による光学部品固定装置。
  6. 前記レーザ制御手段により光路中に設けたシャッタの開閉を行って、前記レーザ光の出力制御を行うことを特徴とする請求項4または5記載のレーザ接合による光学部品固定装置。
  7. 請求項1記載のレーザ接合による光学部品固定方法を用いて樹脂製ホルダに光学部品を固定する光学モジュールにおいて
    前記樹脂製ホルダにおける前記光学部品が固定される光学部品固定部と前記光学部品の被固定部とが略同一面内にあり、さらに前記光学部品固定部の一部に凹部あるいは凸部が形成されていることを特徴とする光学モジュール。
  8. 前記凹部の深さ、あるいは前記凸部の高さを、0.1mm〜10mmの範囲に設定したことを特徴とする請求項7記載の光学モジュール。
  9. 前記光学部品が、外形形状が平面視略円形、あるいは外形形状が略直線からなるものであることを特徴とする請求項7記載の光学モジュール。
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