JP4381341B2 - ピストンの冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン用油冷却式ピストン冷却装置に適用され、リング溝の背部に形成された環状の冷却室及び該冷却室への冷却液供給用の冷却液入口穴を有するピストンと、該冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルとをそなえたピストンの冷却装置に関する。
図7〜図9は、ディーゼルエンジン用冷却式ピストンの冷却装置の従来の一例を示し、図7は冷却液噴出ノズルを含むピストンの縦断面図、図8はピストンの底面図、図9(A)はピストンの冷却液入口穴に沿う部分断面図、(B)はピストンのドレン穴に沿う部分断面図である。
図7〜図9において、1は該ディーゼルエンジンのピストン、1aはピストンリングが嵌着されるリング溝、2はピストン内部の前記リング溝1aの背部に環状に形成された冷却室、3は前記冷却室2に開口して該冷却室2に冷却液を導入する冷却液入口穴、4は前記冷却室2に開口して該冷却室2内の冷却液を排出するドレン穴である。
前記冷却液入口穴3は1個設けられ、図8のように、高温になる排気ポート20の下方部位に設けられている。21は吸気ポート、5はピストン1の背面、6はピストンピン穴、7はピストンピンボスである。
10は冷却液噴出ノズルで、前記冷却液入口穴3に対応して1個設けられて、噴出孔11から前記冷却液入口穴3に向けて冷却液を噴出するようになっている。
図5は該冷却液噴出ノズル10の詳細を示し、12はノズル本体、13は球状弁、17は弁座、14は調圧スプリングで、前記球状弁13は前記調圧スプリング14の取付荷重で設定された開弁圧で以って前記弁座17に押付けられている。16は冷却液入口通路で、エンジンの潤滑油通路から分岐された冷却液(潤滑油)が供給されている。
図示しない潤滑油通路から分岐され、該冷却液噴出ノズル10の冷却液入口通路16に導入された冷却液は、調圧スプリング14によって設定された開弁圧を超えると、球状弁13を押し開いて出口通路15に流入し、該出口通路15を通って前記噴出孔11から前記冷却液入口穴3に向けて噴出せしめられ、1個の冷却液噴出ノズル10に対向する冷却液入口穴3にそれぞれ流入する。
そして、この冷却液は、冷却液入口穴3から冷却室2に流入し、該冷却室2内を周方向に流動することによってピストン1を冷却し、ドレン穴4からピストン1の背面5に流出し、下方に落下せしめられる。
また、冷却液噴出ノズルから噴出される冷却液(潤滑油)によりピストンを冷却するようにしたピストンの冷却装置として、特許文献1(特開平9−96248号公報)、特許文献2(特開平10−54236号公報)等が提供されている。
特開平9−96248号公報 特開平10−54236号公報
図7〜9に示される従来のピストンの冷却装置にあっては、環状の冷却室2内に冷却液を供給する冷却液入口穴3を1個設けるとともに、前記冷却液入口穴3に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズル10を前記冷却液入口穴3に対応して設けた構成であるため、殊に低回転域において前記冷却室2内に供給される冷却液量が少なくなって冷却効果が低下するとともに、冷却液が排気ポート20の下方部位に設けられた1個の冷却液入口穴3から冷却室2に流入するので、冷却室内全体に冷却液が万遍なく供給され難く、ピストン1の周方向において冷却むらが生じてピストンの熱応力増大の一因となり、エンジンの高出力化を阻害する。
また、図6はエンジンの回転数と潤滑油圧力の関係を示しており、前記従来技術にあっては、図6の(A)に示すように、前記冷却液噴出ノズル10の開弁圧Psが潤滑油圧力Pよりも低いため、エンジンの低回転域では回転の立ち上がり時に、潤滑油が、球状弁13が開いている冷却液噴出ノズル10側に流れて、ピストン1の冷却液として抜け出すため、潤滑油圧力Pが上昇し難くなって、潤滑油不足を生じ易いという問題が発生する。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、冷却室内に供給される冷却液量を増加してピストン全体の冷却効果を向上し、かつ冷却室全体に冷却液を万遍なく供給してピストンの周方向において冷却むらを生ずることなく均一温度になるように冷却することによりピストンの熱応力を低減してエンジンの高出力化に対応したピストンを得るとともに、エンジンの低回転域において、ピストンに所要の冷却液量の供給を保持しつつエンジン側の潤滑油圧力の低下を回避することによりエンジンの低回転域におけるエンジン潤滑部の潤滑油量不足の発生を防止できるピストンの冷却装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、リング溝の背部に形成された環状の冷却室及び該冷却室に冷却液を導入する冷却液入口穴を有するピストンと、該冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルとをそなえたピストンの冷却装置において、
前記ピストンの冷却液入口穴を2個設けるとともに、前記冷却液噴出ノズルを前記冷却液入口穴に対応して2個設け、前記2個の冷却液噴出ノズルは、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構をそれぞれそなえ、該2個の開弁圧調整機構の開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との異なる開弁圧に設定し、更に2個の吸気ポートと2個の排気ポートとをそなえたエンジンに装備されて、前記2個の冷却液入口穴を、前記排気ポート下方部位及び吸気ポート下方部位にそれぞれ設けたことを特徴とする。
かかる発明によれば、環状の冷却室内に冷却液を供給する冷却液入口穴を2個設けるとともに、前記冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルを前記冷却液入口穴に対応して2個設けたので、冷却液入口穴及び冷却液噴出ノズルをそれぞれ1個そなえた従来技術に比べて、前記冷却室内に供給される冷却液量が2倍となり、かつ冷却室内の2箇所に開口する冷却液入口穴から冷却液が供給されるので、冷却室内全体に冷却液を万遍なく供給できて、ピストン全体の冷却効果が向上すると共に、ピストンを周方向において冷却むらを生ずることなく均一温度になるように冷却できて、ピストンの熱応力を低減可能となって、エンジンの高出力化に対応したピストンを提供できる。
かかる発明において、2個の吸気ポートと2個の排気ポートとをそなえたエンジンに装備されて、前記2個の冷却液入口穴を、前記排気ポート下方部位及び吸気ポート下方部位にそれぞれ設けることにより、通常、ピストンの排気ポート下方部位1箇所のみから冷却液を冷却室に供給していたのを、該排気ポート下方部位に加えて吸気ポート下方部位からも冷却液を冷却室に供給するように構成したので、排気ポート下方部位への冷却液量と吸気ポート下方部位への冷却液量とを最適量に調整することによって、ピストン全体の冷却効果を向上できる。
また、本発明は、リング溝の背部に形成された環状の冷却室及び該冷却室に冷却液を導入する冷却液入口穴を有するピストンと、該冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルとをそなえたピストンの冷却装置において、
前記ピストンの冷却液入口穴を2個設けるとともに、前記冷却液噴出ノズルを前記冷却液入口穴に対応して2個設け、前記2個の冷却液噴出ノズルは、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構をそれぞれそなえ、該2個の開弁圧調整機構の開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との異なる開弁圧に設定し、更に2個の吸気ポートと2個の排気ポートとをそなえたエンジンに装備されて、前記2個の冷却液入口穴を、前記2個の排気ポート下方部位にそれぞれ設ける。
このように構成すれば、通常、ピストンの排気ポート下方部位1箇所のみから冷却液を冷却室に供給していたのを、2個の排気ポート下方部位のそれぞれから冷却液を冷却室に供給するように構成したので、高温になる排気ポート下方部位近傍の冷却効果を向上できて、高熱負荷時におけるピストンの過熱を防止可能となり、エンジンの高出力化に対応できるピストンが得られる。
また、本発明は、リング溝の背部に形成された環状の冷却室及び該冷却室に冷却液を導入する冷却液入口穴を有するピストンと、該冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルとをそなえたピストンの冷却装置において、
前記ピストンの冷却液入口穴を2個設けるとともに、前記冷却液噴出ノズルを前記冷却液入口穴に対応して2個設け、前記2個の冷却液噴出ノズルは、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構をそれぞれそなえ、該2個の開弁圧調整機構の開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との異なる開弁圧に設定し、更に前記2個の冷却液入口穴は、異なる内径で構成される。
このように構成すれば、ピストンの周方向温度分布によって、前記2個の冷却液入口穴の配置を設定するとともに、該2個の冷却液入口穴の内径を設定することによって、ピストンの周方向温度分布を均一にでき、これによってピストンの周方向温度差による熱応力を低減できる。
また、かかる発明において、好ましくは、前記冷却室内の冷却液をピストンの下部空間に排出するドレン穴を、前記冷却室の周方向において、前記2個の冷却液入口穴の間の位置、またはピストン中心に対して前記2個の冷却液入口穴と反対側の位置のいずれか一方に2個以上設ける。
このように構成すれば、2個の冷却液入口穴とドレン穴とを、冷却室の周方向において離れた位置に配置されるので、冷却液入口穴から冷却室内に導入された冷却液が直ぐにドレン穴に抜け出すのを回避できて、冷却室の周方向に沿って十分な量の冷却液を流動させることができる。
また、本発明は、前記2個の冷却液噴出ノズルは、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構をそれぞれそなえ、該2個の開弁圧調整機構の開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との異なる開弁圧に設定したことを特徴とする。
かかる発明によれば、冷却液噴出ノズルの開弁圧を低開弁圧(Ps)と高開弁圧(Ps)とに設定することにより、少ない冷却液量でも十分なエンジンの低回転域では、低開弁圧(Ps)側の冷却液噴出ノズルのみから冷却液がピストンに供給されてピストンを十分に冷却できるとともに、高開弁圧(Ps)側の冷却液噴出ノズルが閉じているので、この高開弁圧(Ps)側の冷却液噴出ノズル10の入口側に連通されているエンジン側の潤滑油圧力の低下が回避され、エンジンの低回転域でも、十分な量の潤滑油をエンジン潤滑部に供給できる。
これにより、冷却液噴出ノズル10の開弁圧を低開弁圧(Ps)と高開弁圧(Ps)との2段階の開弁圧に設定することによって、エンジンの低回転域において、ピストン1に所要の冷却液量の供給を保持しつつエンジン側の潤滑油圧力の低下を回避することが可能となって、エンジンの低回転域におけるエンジン潤滑部の潤滑油量不足の発生を防止できる。

かかる発明において、好ましくは、前記開弁圧調整機構は、冷却液の圧力が調圧スプリングの設定圧を超えたとき球状弁が開弁するように構成されており、前記2個の冷却液噴出ノズルは前記調圧スプリングのみ異なる部材で構成する。
このように構成すれば、2個の冷却液噴出ノズルの開弁圧を調圧スプリングの取付荷重を変えるのみで異なる開弁圧に設定できることとなり、調圧スプリングを変えるのみで同一の冷却液噴出ノズルを用いることができる。
本発明によれば、冷却室内への冷却液供給用の冷却液入口穴を2個設けるとともに、冷却液噴出ノズルを冷却液入口穴に対応して2個設けたので、従来技術に比べて、冷却室内に供給される冷却液量が2倍となり、かつ冷却室内の2箇所に開口する冷却液入口穴から冷却液が供給されるため、冷却室内全体に冷却液を万遍なく供給できて、ピストン全体の冷却効果が向上すると共に、ピストンを周方向において冷却むらを生ずることなく均一温度になるように冷却できる。これにより、ピストンの熱応力を低減可能となって、エンジンの高出力化に対応したピストンを提供できる。
また本発明によれば、冷却液噴出ノズルの開弁圧を低開弁圧と高開弁圧とに設定することにより、エンジンの低回転域では、低開弁圧側の冷却液噴出ノズルのみから冷却液がピストンに供給されてピストンを十分に冷却できるとともに、高開弁圧側の冷却液噴出ノズルが閉じているので、エンジン側の潤滑油圧力の低下が回避され、十分な量の潤滑油をエンジン潤滑部に供給できる。
これにより、冷却液噴出ノズルの開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との2段階の開弁圧に設定することによって、エンジンの低回転域において、ピストンに所要の冷却液量の供給を保持しつつエンジン側の潤滑油圧力の低下を回避することができて、エンジンの低回転域におけるエンジン潤滑部の潤滑油量不足の発生を防止できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の実施例に係るディーゼルエンジン用冷却式ピストンの冷却装置における冷却液噴出ノズルを含むピストンの縦断面図、図2は前記実施例における冷却液入口穴配置の第1例を示すピストンの底面図、図3の(A)は前記実施例におけるピストンの冷却液入口穴に沿う部分断面図、(B)はピストンのドレン穴に沿う部分断面図である。
かかるディーゼルエンジンは、図2のように、2個の吸気ポート21,21と2個の排気ポート20,20とをそなえている。
図1〜図3において、1はディーゼルエンジンのピストン、1aはピストンリング(図示せず)が嵌着されるリング溝、2はピストン内部の前記リング溝1aの背部に環状に形成された冷却室である。
3は前記冷却室2に開口して該冷却室2に冷却液を導入する冷却液入口穴、4は前記冷却室2に開口して該冷却室2内の冷却液を排出するドレン穴である。
また、5はピストン1の背面、6はピストンピン穴、7はピストンピンボスである。
前記冷却液入口穴3は2個設けられ、この第1例では、図2のように、排気ポート20下方部位及び吸気ポート21の下方部位で、シリンダ中心(ピストン中心)1aに関してほぼ対称な位置にそれぞれ設けられている。
このように構成すれば、通常、ピストン1の排気ポート20下方部位1箇所のみから冷却液を冷却室2に供給していたのを、該排気ポート20下方部位に加えて吸気ポート21下方部位からも冷却液を冷却室2に供給するように構成したので、排気ポート20下方部位への冷却液量と吸気ポート21下方部位への冷却液量とを最適量に調整することによって、ピストン1全体の冷却効果を向上できる。
また、この第1例では、前記ドレン穴4は、図2のように、2個の吸気ポート21,21及び2個の排気ポート20,20のうち、前記冷却液入口穴3が設けられていない側の吸気ポート21及び排気ポート20の下方部位であって、シリンダ中心(ピストン中心)1aに関してほぼ対称な位置にそれぞれ設けられている。
尚、該ドレン穴4は、前記冷却室2の周方向において、前記冷却液入口穴3から離れた位置であれば、3個以上設けてもよい。
一方、図4に示される前記冷却液入口穴3の配置の第2例では、前記2個の冷却液入口穴3,3を、前記2個の排気ポート20,20の下方部位にそれぞれ設けている。
このように構成すれば、通常、ピストン1の排気ポート20下方部位1箇所のみから冷却液を冷却室に供給していたのを、2個の排気ポート20下方部位のそれぞれから冷却液を冷却室2に供給するように構成したことにより、高温になる排気ポート20下方部位近傍の冷却効果を向上できて、高熱負荷時におけるピストンの過熱を防止できる。
また、この第2例では、前記2個のドレン穴4は、図4のように、前記2個の吸気ポート21,21の下方部位にそれぞれ設けられている。
尚、この第2例においても、前記ドレン穴4は、前記冷却室2の周方向において、前記排気ポート20,20の下方部位にそれぞれ設けられた冷却液入口穴3から離れた位置であれば、3個以上設けてもよい。
前記第1例及び第2例のように、前記ドレン穴4を、前記冷却室2の周方向において前記2個の冷却液入口穴3の間の位置(第1例)、またはピストン中心1aに対して前記2個の冷却液入口穴3と反対側の位置(第2例)に設けることにより、2個の冷却液入口穴3とドレン穴4とを冷却室2の周方向において離れた位置に配置したので、冷却液入口穴3から冷却室2内に導入された冷却液が直ぐにドレン穴4に抜け出すのを回避できて、冷却室2の周方向に沿って十分な量の冷却液を流動させることができる。
図1において、10は詳細を後述する冷却液噴出ノズルで、前記冷却液入口穴3に対応して2個設けられて、噴出孔11から前記冷却液入口穴3に向けて冷却液を噴出するようになっている。
前記冷却液噴出ノズル10の詳細を示す図5において、12はノズル本体、13は球状弁、17は弁座、14は調圧スプリングで、前記球状弁13は前記調圧スプリング14の取付荷重で設定された開弁圧で以って前記弁座17に押付けられている。
16は冷却液入口通路で、エンジンの潤滑油通路から分岐された冷却液(潤滑油)が供給されている。
該冷却液噴出ノズル10において、前記冷却液入口通路16に導入された冷却液は、調圧スプリング14によって設定された開弁圧を超えると、球状弁13を押し開いて出口通路15に流入し、該出口通路15を通って前記噴出孔11から前記冷却液入口穴3に向けて噴出せしめられ、2個の冷却液噴出ノズル10に対向する冷却液入口穴3にそれぞれ流入する。
そして、この冷却液は、それぞれの各冷却液入口穴3から冷却室2に流入し、該冷却室2内を周方向に流動することによってピストン1を冷却し、2個のドレン穴4,4からピストン1の背面5に流出し、下方に落下せしめられる。
かかる実施例によれば、環状の冷却室2内に冷却液を供給する冷却液入口穴3を2個設けるとともに、前記冷却液入口穴3に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズル10を前記冷却液入口穴3に対応して2個設けたので、冷却液入口穴3及び冷却液噴出ノズル10をそれぞれ1個そなえた従来技術に比べて、前記冷却室2内に供給される冷却液量が2倍となり、かつ冷却室2内の2箇所に開口する冷却液入口穴3から冷却液が供給されるので、冷却室2内全体に冷却液を万遍なく供給できて、ピストン1全体の冷却効果が向上すると共に、ピストン1を周方向において冷却むらを生ずることなく均一温度になるように冷却でき、該ピストン1の熱応力を低減可能となって、エンジンの高出力化に対応したピストンを提供できる。
また、かかる実施例において、前記2個の冷却液入口穴3を異なる内径で構成することもできる。
このように構成すれば、ピストン1の周方向温度分布によって、前記2個の冷却液入口穴3の配置を設定するとともに、該2個の冷却液入口穴3の内径を設定することによって、ピストン1の周方向温度分布を均一にでき、これによってピストン1の周方向温度差による熱応力を低減できる。
また、かかる実施例において、前記2個の冷却液噴出ノズル10は、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構としての球状弁13及び調圧スプリング14による開弁圧を、前記2個の冷却液噴出ノズル10において異なる開弁圧に設定している。
図6は、エンジンの回転数と潤滑油圧力の関係を示す。図6の(A)は、図7に示される従来技術の場合で、前述のように、開弁圧Psが潤滑油圧力Pよりも低いため、エンジンの低回転域では回転の立ち上がり時に、潤滑油が、球状弁13が開いている冷却液噴出ノズル10側に流れて、ピストン1の冷却液として抜け出すため、潤滑油圧力Pが上昇し難くなって、潤滑油不足を生じ易い。
これに対して、かかる実施例においては、図6の(B)のように、冷却液噴出ノズル10の開弁圧を低開弁圧Psと高開弁圧Psとに設定することにより、少ない冷却液量でも十分なエンジンの低回転域では、低開弁圧Ps側の冷却液噴出ノズル10のみから、冷却液が、該冷却液噴出ノズル10に対応するピストン1の冷却液入口穴3に供給されて、ピストン1を十分に冷却できるとともに、高開弁圧Ps側の冷却液噴出ノズル10が閉じているので、この高開弁圧Ps側の冷却液噴出ノズル10の入口側に連通されているエンジン側の潤滑油圧力の低下が回避され、エンジンの低回転域でも、十分な量の潤滑油をエンジン潤滑部に供給できる。
これにより、冷却液噴出ノズル10の開弁圧を低開弁圧Psと高開弁圧Psとの2段階の開弁圧に設定することによって、エンジンの低回転域において、ピストン1に所要の冷却液量の供給を保持しつつ、エンジン側の潤滑油圧力潤滑油圧力の低下を回避することができて、エンジンの低回転域におけるエンジン潤滑部の潤滑油量不足の発生を防止できる。
また、前記2個の冷却液噴出ノズル10は前記調圧スプリング14のみ異なる部材で構成しているので、2個の冷却液噴出ノズル10,10の開弁圧を調圧スプリング14の取付荷重を変えるのみで、異なる設定開弁圧に設定できることとなり、該調圧スプリング14を変えるのみで同一の冷却液噴出ノズル10を用いることができる。
本発明によれば、冷却室内に供給される冷却液量を増加してピストン全体の冷却効果を向上し、かつ冷却室全体に冷却液を万遍なく供給してピストンの周方向において冷却むらを生ずることなく均一温度になるように冷却することによりピストンの熱応力を低減して、エンジンの高出力化に対応したピストンを得ることができるとともに、エンジンの低回転域において、ピストンに所要の冷却液量の供給を保持しつつ、エンジン側の潤滑油圧力の低下を回避することが可能となり、エンジンの低回転域におけるエンジン潤滑部の潤滑油量不足の発生を防止できるピストンの冷却装置を提供できる。
本発明の実施例に係るディーゼルエンジン用冷却式ピストンの冷却装置における冷却液噴出ノズルを含むピストンの縦断面図である。 前記実施例における冷却液入口穴配置の第1例を示すピストンの底面図である。 (A)は前記実施例におけるピストンの冷却液入口穴に沿う部分断面図、(B)はピストンのドレン穴に沿う部分断面図である。 前記実施例における冷却液入口穴配置の第2例を示すピストンの底面図である。 前記実施例における冷却液噴出ノズルの縦断面図である。 冷却液噴出ノズルの開弁圧線図で、(A)は従来技術の場合、(B)は前記実施例の場合を示す。 ディーゼルエンジン用冷却式ピストンの冷却装置の従来の一例を示す、冷却液噴出ノズルを含むピストンの縦断面図である。 前記従来技術におけるピストンの底面図である。 (A)は前記従来技術におけるピストンの冷却液入口穴に沿う部分断面図、(B)はピストンのドレン穴に沿う部分断面図である。
符号の説明
1 ピストン
1a リング溝
2 冷却室
3 冷却液入口穴
4 ドレン穴
10 冷却液噴出ノズル
11 噴出孔
13 球状弁
14 調圧スプリング
16 冷却液入口通路
20 排気ポート
21 吸気ポート

Claims (5)

  1. リング溝の背部に形成された環状の冷却室及び該冷却室に冷却液を導入する冷却液入口穴を有するピストンと、該冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルとをそなえたピストンの冷却装置において、
    前記ピストンの冷却液入口穴を2個設けるとともに、前記冷却液噴出ノズルを前記冷却液入口穴に対応して2個設け、前記2個の冷却液噴出ノズルは、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構をそれぞれそなえ、該2個の開弁圧調整機構の開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との異なる開弁圧に設定し、更に2個の吸気ポートと2個の排気ポートとをそなえたエンジンに装備されて、前記2個の冷却液入口穴を、前記排気ポート下方部位及び吸気ポート下方部位にそれぞれ設けたことを特徴とするピストンの冷却装置。
  2. リング溝の背部に形成された環状の冷却室及び該冷却室に冷却液を導入する冷却液入口穴を有するピストンと、該冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルとをそなえたピストンの冷却装置において、
    前記ピストンの冷却液入口穴を2個設けるとともに、前記冷却液噴出ノズルを前記冷却液入口穴に対応して2個設け、前記2個の冷却液噴出ノズルは、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構をそれぞれそなえ、該2個の開弁圧調整機構の開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との異なる開弁圧に設定し、更に2個の吸気ポートと2個の排気ポートとをそなえたエンジンに装備されて、前記2個の冷却液入口穴を、前記2個の排気ポート下方部位にそれぞれ設けたことを特徴とするピストンの冷却装置。
  3. リング溝の背部に形成された環状の冷却室及び該冷却室に冷却液を導入する冷却液入口穴を有するピストンと、該冷却液入口穴に向けて冷却液を噴出する冷却液噴出ノズルとをそなえたピストンの冷却装置において、
    前記ピストンの冷却液入口穴を2個設けるとともに、前記冷却液噴出ノズルを前記冷却液入口穴に対応して2個設け、前記2個の冷却液噴出ノズルは、冷却液の噴出始め圧力を調整する開弁圧調整機構をそれぞれそなえ、該2個の開弁圧調整機構の開弁圧を低開弁圧と高開弁圧との異なる開弁圧に設定し、更に前記2個の冷却液入口穴は、異なる内径で構成されたことを特徴とするピストンの冷却装置。
  4. 前記冷却室内の冷却液をピストンの下部空間に排出するドレン穴を、前記冷却室の周方向において前記2個の冷却液入口穴の間の位置、またはピストン中心に対して前記2個の冷却液入口穴と反対側の位置のいずれか一方に2個以上設けたことを特徴とする請求項1記載のピストンの冷却装置。
  5. 前記開弁圧調整機構は、冷却液の圧力が調圧スプリングの設定圧を超えたとき球状弁が
    開弁するように構成されており、前記2個の冷却液噴出ノズルは前記調圧スプリングのみ異なる部材で構成されたことを特徴とする請求項1記載のピストンの冷却装置。
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