JP4378040B2 - 圧力センサ内蔵点火プラグおよびプラグキャップ - Google Patents

圧力センサ内蔵点火プラグおよびプラグキャップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の筒内圧を検出するための圧力センサを内蔵した圧力センサ内蔵点火プラグ、および圧力センサ内蔵点火プラグの上部に装着されて点火プラグに印加する点火用高電圧の通電経路を形成するプラグキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関では、機関の運転を総合的に制御するために、内燃機関各部の運転状態を検出しており、例えば、検出される状態量の一つである燃焼室内の圧力(筒内圧)を用いることで、失火やノッキングの検出や、燃料消費率の向上等を実現することが可能になる。
【0003】
そして、この筒内圧を測定するために、主体金具の取付座部内に圧電素子を備え、プラグ締め付け荷重の変化を検出することにより内燃機関の筒内圧に基づく信号を検出する圧力センサ内蔵点火プラグが知られている(特開平6−290853号公報参照)。この圧力センサ内蔵点火プラグには、検出した筒内圧に基づく電気信号を出力するセンサ出力ケーブルが主体金具から導出されており、このセンサ出力ケーブルを通じて外部機器に検出した筒内圧を通知するよう構成されている。
【0004】
しかし、このようにセンサ出力ケーブルが備えられた圧力センサ内蔵点火プラグは、内燃機関への取り付け時に、センサ出力ケーブルがプラグレンチなどの締め付け工具に巻き付いてしまい、内燃機関への装着作業が困難になるという問題がある。
【0005】
また、締め付け用工具として用いるプラグレンチは、圧力センサ内蔵プラグと嵌合可能にするために、プラグとの嵌合部に主体金具から導出されるセンサ出力ケーブルを挿通するための溝が設けられた特殊なプラグレンチを用いる必要があり、通常のプラグレンチが使用できないという不便が生じる。そして、この特殊なプラグレンチを用いる場合、プラグホールの奥深い部分で、プラグレンチの嵌合部が圧力センサ内蔵プラグの六角部に完全に嵌合されていない状態(浮いた状態)で締め付け作業を行うと、プラグレンチの溝に絡まったセンサ出力ケーブルが引張られて、主体金具から抜け落ちてしまうことがある。
【0006】
さらに、センサ出力ケーブルとしては、ノイズ対策として、例えばステンレス等の金属から成るメッシュ(シールド線)で覆われたものを使用することがあるが、内燃機関への装着作業時に、センサ出力ケーブルがプラグホールに接触して、金属製のメッシュがプラグホールの内壁面を傷つけることがある。こうして、プラグホール内面を削り取ることにより生じる塵が、プラグとシリンダヘッドとの間に挟み込まれると、ネジ溝の破損や燃焼室の気密性低下などが生じる虞がある。これに加えて、センサ出力ケーブルとプラグホールの内壁面との摩擦により、センサ出力ケーブルのシールド線が破断すると、外部からのノイズ(点火ノイズなど)の影響を抑える効果が低減する。
【0007】
こうした問題に対して、特開昭64−54686号公報において、センサ出力ケーブルを省略した圧力センサ内蔵点火プラグが提案されている。そして、この圧力センサ内蔵点火プラグでは、圧力センサにて検出した圧力に応じた電気信号を外部に出力するための第1電極部を、主体金具の肩面あるいは側面に埋設する形態で備えている。また、この圧力センサ内蔵点火プラグに装着されるプラグキャップには、主体金具に備えられた第1電極部に対応する位置に第2電極部が設けられており、第2電極部と第1電極部とが接触することにより電気的に接続される。
【0008】
よって、上記公報(特開昭64−54686号)に記載の圧力センサ内蔵点火プラグによれば、センサ出力ケーブルを備えることなく、圧力センサにて検出した圧力に応じた電気信号を外部に出力することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報(特開昭64−54686号)において提案されている圧力センサ内蔵点火プラグは、構成が複雑であり、製造作業が比較的困難になるという問題がある。つまり、上記公報では、第1電極部を主体金具に埋設するとともに、主体金具の内部で圧力センサと第1電極部とを接続するように構成された圧力センサ内蔵点火プラグが提案されているが、主体金具の内部の狭い領域において、圧力センサと第1電極部とを接続する作業は複雑であり時間を要する。また、このとき、圧力センサおよび第1電極部を、主体金具から電気的に絶縁する必要があるため、絶縁のための加工作業等が必要となり、圧力センサ内蔵点火プラグの製造作業は、さらに複雑になり時間を要することになる。
【0010】
また、内燃機関はその運転に伴い振動が発生するため、圧力センサ内蔵点火プラグの第1電極部とプラグキャップの第2電極部との接触が不良となる虞がある。つまり、第1電極部と第2電極部とを当接させるための付勢力が十分でない場合、内燃機関の振動により、第2電極部が第1電極部から離れてしまい、電気信号が正常に外部に出力されず、筒内圧の検出精度が低下してしまうのである。
【0011】
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、電気信号を出力するための電極を備えるにあたり、製造作業が容易であり、製造に要する時間を短縮することができる圧力センサ内蔵点火プラグを提供し、また、内燃機関の振動による電極の接触不良の発生を抑えることができる圧力センサ内蔵点火プラグおよびプラグキャップを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、中央部に径方向に膨出する鍔部を持つ内燃機関本体に装着するための略円筒形状の主体金具と、この主体金具に保持される略円筒状の碍子部と、この碍子部の中心軸の上端に設けられて点火用高電圧を受電する受電端子と、この受電端子に電気的に接続されると共に碍子部の中心軸の下端に設けられた中心電極と、主体金具の下端に設けられた接地電極と、を備えて、中心電極と接地電極との間に火花放電を発生する点火プラグの、主体金具の鍔部の下端側に圧電素子を備え、この圧電素子により内燃機関の筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号を外部に出力する圧力センサ内蔵点火プラグであって、主体金具の鍔部の上端側に設けられる絶縁体からなる略円筒形状の絶縁円筒部材と、絶縁円筒部材の外周に設けられて、信号線により圧電素子と電気的に接続されると共に外部機器に接続された外部電極と接触することにより、電気信号を外部機器に出力するための出力電極と、主体金具に固定され、自身の内面と出力電極との間に外部電極を配置するための外部電極用空間を形成する略円筒形状の出力電極収容部材と、を備えることを特徴とする。
【0013】
つまり、本発明の圧力センサ内蔵点火プラグにおいては、筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号を出力するための出力電極が、主体金具に埋設されて備えられるのではなく、略円筒形状の絶縁円筒部材の外周に設けられている。そして、この絶縁円筒部材は、主体金具の鍔部の上端側に配置されるものであり、例えば、主体金具に対して上端から挿入することで鍔部の上端側に配置することができるため、主体金具に埋設する構造に比べて、出力電極を圧力センサ内蔵点火プラグに装着する作業が容易である。また、絶縁円筒部材によって、確実に出力電極と主体金具との絶縁を図ることができるため、出力電極と主体金具とが誤って接触することにより電気信号が不正な状態となることを防止できる。さらに、出力電極が絶縁円筒部材の外周に設けられているため、出力電極と信号線との接続作業が容易になり、圧力センサ内蔵点火プラグの製造作業に要する時間を短縮することができる。
【0014】
また、出力電極収容部材が、出力電極との間に外部電極用空間を形成しており、出力電極と接触する外部電極の移動範囲をこの外部電極用空間の内部に制限する。これにより、内燃機関の振動による外部電極の移動範囲を制限することができ、外部電極が出力電極から離れるのを防ぐことにより、出力電極と外部電極との接触を良好に維持することができる。
【0015】
よって、本発明(請求項1)の圧力センサ内蔵点火プラグによれば、電気信号を出力するための出力電極を設けるにあたり、主体金具に埋設して主体金具の内部で圧電素子と出力電極とを接続する構造に比べて、圧力センサ内蔵点火プラグの製造作業が容易になり、製造時間を短縮することができる。また、出力電極収容部材により外部電極が移動する範囲を制限することで、出力電極と外部電極との接触を良好に維持することができ、内燃機関の振動により電気信号の伝達経路が断続するのを抑制できる。
【0016】
なお、出力電極を、圧力センサ内蔵点火プラグの縦方向に所定幅を有する形状に形成することにより、内燃機関の運転により縦方向の振動が発生して外部電極に対する出力電極の縦方向(中心軸方向)の相対位置が変化した場合でも、両者の接触を維持することができ、接触不良の発生を良好に防ぐことができる。
【0017】
そして、上述の圧力センサ内蔵型点火プラグについては、請求項2に記載のように、絶縁円筒部材は、主体金具の外周を覆うように配設され、絶縁円筒部材が配置される主体金具の表面および絶縁円筒部材の内面には、中心軸方向の動きを抑制する係合部を備えるとよい。
【0018】
つまり、絶縁円筒部材を主体金具に装着した際に、主体金具の係合部と絶縁円筒部材の係合部とが係合することにより、絶縁円筒部材が主体金具から抜け落ちるのを防ぐことができ、また、内燃機関の振動が発生した場合でも、出力電極の位置が移動するのを防ぐことができる。
【0019】
よって、本発明(請求項2)の圧力センサ内蔵点火プラグによれば、絶縁円筒部材が主体金具から抜け落ちるのを防ぐことで、出力電極の中心軸方向の位置を一定位置に維持することができ、内燃機関の振動により電気信号の伝達経路が断続するのを抑制できる。
【0020】
なお、係合部としては、例えば、主体金具に溝部を形成して絶縁円筒部材に突部を形成しても良く、あるいは、主体金具に突部を形成して絶縁円筒部材に溝部を形成しても良い。そして、溝部については、周方向の全周にわたり設けるようにしてもよい。
【0021】
ところで、出力電極と圧電素子とは、信号線により接続されるが、正常に電気信号を出力するためには、この信号線が主体金具に接触するのを防ぐ必要があり、例えば、絶縁体からなる管の内部に信号線を挿通した上で圧電素子と出力電極とを接続すればよい。しかし、この場合、絶縁体からなる管を、別途製造する必要がある。
【0022】
そこで、上述(請求項1または請求項2)の圧力センサ内蔵点火プラグにおいては、請求項3に記載のように、絶縁円筒部材が、出力電極と圧電素子とを接続する信号線を主体金具から絶縁するための信号線保護部、を備えるとよい。
つまり、絶縁円筒部材を製造する際に信号線保護部を一体に形成することで、別途絶縁体からなる管を製造する必要がなくなるため、圧力センサ内蔵点火プラグを構成する部品点数の増加を抑えることができ、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0023】
また、圧力センサ内蔵点火プラグの組み立て工程において出力電極と圧電素子とを接続するには、別体の管を用いる場合、まず信号線をこの管に挿通し、そのあと絶縁円筒部材の外周に設けられた出力電極と接続するという2段階の作業を行う必要がある。これに対して、絶縁円筒部材に信号線保護部を形成するにあたり、例えば、信号線保護部に挿通される信号線を出力電極に接続可能な位置に導出するように絶縁円筒部材を形成することで、信号線保護部に信号線を挿通すると同時に信号線と出力電極との接続が可能となる。これにより、圧力センサ内蔵点火プラグの組み立て工程において出力電極と圧電素子とを接続する作業が1段階で済むことになり、作業内容を簡略化できる。また、信号線保護部を設けることで、信号線の位置が移動して主体金具に接触するのを確実に防ぐことができ、信号線と主体金具との絶縁性低下を防ぐことができる。
【0024】
よって、本発明(請求項3)の圧力センサ内蔵点火プラグによれば、部品点数の増加を抑えることができ、また、組み立て工程での作業内容を簡略化できるため、圧力センサ内蔵点火プラグの製造コストを抑制することができる。
次に、上述(請求項1から請求項3のいずれか)の圧力センサ内蔵点火プラグに装着されて、火花放電を発生させるための点火用高電圧の通電経路を周囲から絶縁した状態で形成するプラグキャップとしては、請求項4に記載のように 中心軸方向に長く形成された絶縁性材料からなる円筒形状であり、下端部が出力電極収容部材の内面と出力電極との間に形成される外部電極用空間に挿入可能に形成された本体部材と、この本体部材における下端側の内面に設けられ、出力電極と接触することにより、圧力センサ内蔵点火プラグから出力される内燃機関の筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号を受ける受信電極と、本体部材の上端側から下端側にかけて配置されるとともに、一端が受信電極に接続され、他端が外部機器に連結されるコネクタに接続されるシールドケーブルと、を備えたプラグキャップを用いると良い。
【0025】
このように構成されたプラグキャップは、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着の際に、本体部材の下端部が圧力センサ内蔵点火プラグの外部電極用空間に挿入されることで、下端部の内面に設けられた受信電極が圧力センサ内蔵点火プラグの出力電極に接触する。そして、プラグキャップは、出力電極から出力される電気信号を受信電極で受信し、この電気信号をシールドケーブルを通じて外部機器に対して出力することで、電気信号の伝達経路を形成する。
【0026】
また、受信電極を全周方向に設けた場合には、周方向のいずれの方向においても出力電極からの電気信号の伝達が可能となるため、プラグキャップの取付方向の制約を無くすことができる。
よって、本発明(請求項4)のプラグキャップによれば、圧力センサ内蔵点火プラグにて検出した圧力に応じた電気信号の伝達経路を形成し、電気信号を外部機器に伝達することができる。
【0027】
そして、上述(請求項4)のプラグキャップについては、請求項5に記載のように、点火プラグの碍子部と本体部材とが密に接触する密着部と、外部電極用空間に挿入される本体部材の下端部に、外周の全周にわたって設けられており、出力電極収容部材の内面に密に接触する突条部と、を備えるとよい。
【0028】
つまり、プラグキャップを圧力センサ内蔵点火プラグに装着した際に、本体部材と碍子部とが密着部において密に接触すると共に、本体部材の下端部の外周に設けられた突条部が、圧力センサ内蔵点火プラグの出力電極収容部材の内面の全周にわたり密に接触することになる。これにより、電極部分(出力電極および受信電極)と外部とを隔絶することができ、電極部分への水や塵などの異物の侵入を防ぐことができる。
【0029】
よって、本発明(請求項5)のプラグキャップによれば、電極部分への異物の侵入を防ぐことができるため、異物が付着することによる出力電極および受信電極の酸化や腐食を抑えることができる。
そして、上述(請求項4または請求項5)のプラグキャップについては、請求項6に記載のように、シールドケーブルの他端が接続されるコネクタが、本体部材に一体に形成されるとよい。つまり、コネクタが本体部材に一体に形成される構造とすることで、本体部材の成型作業時に同時にコネクタを成型できるため、プラグキャップの製造工程を簡略化することができる。
【0030】
また、プラグキャップの上端から一定長さのシールドケーブルが導出されて、その端部にコネクタが備えられる場合、コネクタが接続される外部機器とプラグキャップが配置されるプラグホールとの距離が短い内燃機関においては、プラグキャップの上端からコネクタまでのシールドケーブルが余剰となる。そこで、コネクタを本体部材と一体に形成し、外部機器との間に連結ケーブルを配置するようにして、内燃機関に応じた適切な長さの連結ケーブルを用いることで、無駄のない確実な配線を実現することができる。
【0031】
よって、本発明(請求項6)のプラグキャップによれば、プラグキャップの製造工程を簡略化することで製造コストを低減することができ、また、内燃機関に応じた無駄のない配線を実現することで、内燃機関における配線領域を最小化することができる。
【0032】
また、上述(請求項4から請求項6のいずれか)のプラグキャップにおいては、請求項7に記載のように、受信電極が、中心軸方向に延びるスリットが設けられた円筒形状に形成され、径方向の弾性を有するとよい。
つまり、円筒形状に形成された受信電極は、プラグキャップを圧力センサ内蔵点火プラグに装着した際に、確実に出力電極に接触することができ、また、径方向の弾性を有することで、振動が発生した場合においても、出力電極との接触をより確実に維持することができる。
【0033】
よって、本発明(請求項7)のプラグキャップによれば、受信電極と出力電極との接触を確実に維持することができ、電気信号の信号経路が断線するのを防ぐことができる。
なお、受信電極については、円筒形状の内面から外面にかけて形成された貫通穴を備えると良い。つまり、この貫通穴を通じて、受信電極の内面から外面にかけて本体部材の下端部が形成されることで、本体部材に対して受信電極を固定する際の強度を向上させることができる。
【0034】
ここで、プラグキャップは、点火用高電圧の通電経路を周囲から絶縁する必要があり、また、点火プラグが高温となることから、本体部材は耐熱性に優れた絶縁性材料で構成されるのが一般的である。そして、上述(請求項4から請求項7のいずれか)のプラグキャップにおいて、電極部分への異物の侵入をより好適に防ぐためには、本体部材あるいは突条部を弾性を有する絶縁性材料(例えば、ゴム)により形成し、本体部材と出力電極収容部材との接触を密にするとよい。
【0035】
しかし、本体部材の全体を弾性を有する絶縁性材料で形成すると、プラグキャップ全体としての剛性が低下するため、プラグホール内での圧力センサ内蔵点火プラグへの装着作業時に、外部電極用空間への挿入時に生じる応力によってプラグキャップが湾曲して、外部電極用空間に下端部を挿入できない虞がある。
【0036】
そこで、上述(請求項4から請求項7のいずれか)のプラグキャップにおいては、請求項8に記載のように、本体部材が、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力に対して一定形状を維持できる強度を有する絶縁性材料からなる芯材と、弾性を有する絶縁性材料からなり 芯材の周囲を被覆すると共に、外部電極用空間に挿入される下端部を形成する弾性部材と、を備えると良い。
【0037】
つまり、本体部材が一定形状を維持できる強度を有する絶縁性材料からなる芯材を備えることで、プラグキャップ全体の剛性を一定以上に維持することができ、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力によって、プラグキャップが湾曲するのを防ぐことができる。
【0038】
さらに、弾性部材が芯材の周囲を被覆することで、プラグキャップが外部と衝突した時の衝撃を弾性部材にて吸収し、プラグキャップの損傷を低減することができる。
よって、本発明(請求項8)のプラグキャップによれば、プラグホール内での圧力センサ内蔵点火プラグへの装着が可能となる。
【0039】
ところで、このような本体部材を形成するには、例えば、まず芯材を成型し、芯材の下端に受信電極を嵌合した後、シールドケーブルの一端をハンダ付けや溶接などにより受信電極に接続し、シールドケーブルを下端から上端に向けて配置する。そして、受信電極およびシールドケーブルが配置された芯材を金型の中に配置して、射出成形により弾性部材を成型する方法が挙げられる。しかし、この方法で本体部材を形成する場合、弾性部材を形成する材料を金型の内部に射出する際に、射出される材料の圧力によってシールドケーブルの位置が移動してしまう虞がある。
【0040】
そこで、このように本体部材が芯材を備えたプラグキャップにおいては、請求項9に記載のように、芯材が、上下に長い形状(長軸状)に形成され、芯材の下端側から上端側にかけてシールドケーブルを配設するための第1ケーブル配設部と、芯材の上端部において、芯材の長手方向を中心軸とする周方向にシールドケーブルを配設するための第2ケーブル配設部と、を備えるとよい。
【0041】
このように、芯材に第1ケーブル配設部および第2ケーブル配設部を備えることで、射出成形により弾性部材を形成する際に、シールドケーブルの位置が移動するのを防ぐことができ、本体部材の内部におけるシールドケーブルの配設位置を一定に維持することができる。
【0042】
また、一定以上の長さのシールドケーブルが上端から導出されるように構成されたプラグキャップにおいては、第2ケーブル配設部にシールドケーブルが配設されていない場合、芯材を被覆している弾性部材がシールドケーブルによって破損される虞がある。つまり、シールドケーブルをプラグキャップから引き離す方向の外力がシールドケーブルに印加されると、シールドケーブルが弾性部材を引き裂いてしまうことがある。
【0043】
これに対して、芯材に第2ケーブル配設部を備えて、シールドケーブルを芯材の周方向に配設することにより、シールドケーブルに対して外力が印加された場合には、弾性部材ではなく芯材に負荷がかかることになり、弾性部材の損傷を防ぐことができる。つまり、芯材に第2ケーブル配設部を備えて、シールドケーブルを芯材の周方向に配設することにより、射出成型時のシールドケーブルの移動を防ぐことに加えて、シールドケーブルが弾性部材を引き裂いてしまうのを防ぐことができる。
【0044】
よって、本発明(請求項9)のプラグキャップによれば、射出成形により形成されるプラグキャップ内におけるシールドケーブルの配設位置を一定に維持することができ、シールドケーブルの導出位置を確実に設定することができる。また、外力の印加によりシールドケーブルが弾性部材を引き裂いてしまうのを防ぎ、プラグキャップの破損を防ぐことができる。
【0045】
ここで、絶縁性材料については、一般に、弾性を有する絶縁性材料が、弾性を有しない絶縁性材料に比べて、材料費が高価である。そのため、本体部材を全て弾性を有する絶縁性材料で形成する場合に比べて、上述の請求項8に記載のプラグキャップは、本体部材の材料費を低減することができる。しかし、芯材を成型した後、芯材の周囲に弾性部材を被覆するという2段階の工程を行う必要があるため、作業工数が増加すると共に、特に弾性部材を被覆する工程は複雑な作業となるため、作業時間が長くなるという問題がある。
【0046】
そこで、上述の請求項4から請求項7のいずれかに記載のプラグキャップにおいては、請求項10に記載のように、本体部材は、弾性を有する絶縁性材料からなり、受信電極が備えられてシールドケーブルが導出される下端側部材と、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力に対して一定形状を維持できる強度を有する絶縁性材料からなり、下端側部材と嵌合可能に形成されると共に下端側から上端側にかけて前記シールドケーブルを配設する上端側部材と、に分割可能に構成されるとよい。
【0047】
つまり、本体部材を異なる種類の絶縁性材料で形成するにあたり、上端側部材と下端側部材とをそれぞれ異なる材料で個別に成型した後、両者を嵌合することでプラグキャップを完成させるのである。これにより、芯材の上に弾性部材を被覆するという複雑な作業を行うことなく、異なる種類の材料から成る本体部材を実現することができる。
【0048】
よって、本発明(請求項10)のプラグキャップによれば、材料費を低く抑えることができると共に、本体部材の成型作業を簡略化することができるため、プラグキャップの製造コストを低く抑えることができる。
なお、上端側部材をさらに上下に分割して、上側部分を弾性を有する絶縁性材料で形成してプラグホールの開口部を閉じるように構成しても良い。
【0049】
そして、上述(請求項1から請求項3のいずれか)の圧力センサ内蔵点火プラグにおいては、請求項11に記載のように、請求項4から請求項10のいずれかに記載のプラグキャップを装着することにより、圧電素子により検出した圧力に応じた電気信号を外部に出力するとよい。
【0050】
このように、上述の圧力センサ内蔵点火プラグと上述のプラグキャップとを組み合わせて使用することで、内燃機関の振動により出力電極と受信電極との間で接触不良が発生するのを抑えることができ、電気信号の伝達経路をより好適に確保することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された第1実施例の圧力センサ内蔵点火プラグおよびプラグキャップの構成を表す構成図である。なお、図1では、内部構造を表すために、圧力センサ内蔵点火プラグの左半分を断面図として表し、また、プラグキャップの全体を断面図として表している。
【0052】
まず、圧力センサ内蔵点火プラグ11について説明する。
図1に示すように、圧力センサ内蔵点火プラグ(以下、単に点火プラグともいう)11は、略円筒状の碍子部15の軸孔に挿設された中心電極19と、碍子部15の外周に設けられた主体金具17と、主体金具17の下端から延設されると共に中心電極19の下端と対向して火花放電ギャップgを形成する接地電極21と、碍子部15の軸孔に挿設されると共に中心電極19と電気的に接続される受電端子13と、を備えている。なお、以下の説明では、点火プラグ11の長手方向端部のうち、受電端子13が備えられる側を上端とよび、接地電極21が備えられる側を下端と呼ぶこととする。
【0053】
また、点火プラグ11は、主体金具17の内燃機関に対する取付座部に備えられる圧力センサ23と、主体金具17の取付座部よりも上端側に設けられた絶縁体から成る略円筒形状の絶縁円筒部材27と、絶縁円筒部材27の外周に設けられる出力電極29と、主体金具17の下端側から圧力センサ23を下端側から覆う略円筒形状のセンサケース31と、を備えている。なお、点火プラグ11をシリンダヘッド91に装着する際には、燃焼室の気密性を保つため、ガスケット83が点火プラグ11とシリンダヘッド91との間に配置される。
【0054】
ここで、図1における点火プラグ11の左半分を拡大した構成図を図2に示す。なお、図2においては、点火プラグ11の内部構造を表すために断面図として表している。
図2に示すように、圧力センサ23は、絶縁板23c、電極板23d、圧電素子23a、板パッキン23bが、この順に積層されて構成されており、圧力センサ23の内部で電極板23dを介して圧電素子23aに接続された信号線25が、絶縁板23cの上部から上方向に突出するように設けられている。
【0055】
また、絶縁円筒部材27は、下端に信号線保護部27aを備えており、信号線保護部27aに挿通される信号線25を、出力電極29に接続可能な位置に導出するように形成されている。これにより、信号線25と出力電極29とが電気的に接続されることになり、圧電素子23aと出力電極29とが信号線25を介して電気的に接続される。なお、このとき、信号線25は、信号線保護部27aに周囲を囲まれるため、主体金具17に接触することがない。
【0056】
そして、センサケース31は、圧力センサ23から出力電極29までを覆う長さに形成されており、センサケース31の内面と出力電極29との間に、外部機器に接続された外部電極(詳細には、後述する受信電極59)を配置するための外部電極用空間33を形成している。
【0057】
ここで、点火プラグ11の分解斜視図を図3に示す。
図3に示すように、点火プラグ11は、主体金具17に対して上方から絶縁円筒部材27が挿入され、主体金具17に対して下方から圧力センサ23およびセンサケース31が挿入されて形成されている。
【0058】
そして、主体金具17は、締め付け工具と嵌合する六角部17aと,点火プラグ11の横方向に突出した鍔部17bと、内燃機関に設けられたネジ溝と螺合するネジ部17cと、を備えている。そして、鍔部17bには、縦方向にスリット17dが設けられており、スリット17dには信号線25および信号線保護部27aが配置される。また、六角部17aと鍔部17bとの間には、主体金具17の側方表面の周方向に溝部17eが設けられている。
【0059】
この主体金具17に対して上方から挿入される絶縁円筒部材27は、内面に溝部17eと係合するように突条部27bが設けられており、絶縁円筒部材27を主体金具17に装着した際には、突条部27bが溝部17eと係合する(図2参照)。
【0060】
ここで、絶縁円筒部材27を拡大した平面図および断面図を図4に示す。図4(a)が絶縁円筒部材27の平面図であり、図4(b)が図4(a)における絶縁円筒部材27のA−A視断面図である。
図4に示すように、絶縁円筒部材27は、略円筒形状であり、円筒内面には全周にわたり突条部27bが設けられ、円筒底部には側方に延設された鍔部27cが設けられ、鍔部27cの下端からは信号線保護部27aが下方に突設され、円筒外面には全周にわたり出力電極配置部27eが設けられている。そして、出力電極配置部27eに、出力電極29(図4では図示省略)が配置される。また、信号線保護部27aの内部には、信号線保護部27aの下端から鍔部27cの上端まで、圧力センサ23(図4では図示省略)の信号線25(図4では図示省略)を挿通するための信号線配置管27dが設けられており、信号線25を出力電極配置部27eに導出する。
【0061】
また、図3に示すように、圧力センサ23は、前述したように、絶縁板23c、電極板23d、圧電素子23a、板パッキン23bが、この順に積層されると共に、環状に形状されており、検出した圧力に応じた電気信号を出力するための信号線25が上面から上方に突設されている。そして、圧力センサ23は、主体金具17に下方から挿入されて、鍔部17bの下端に当接する位置に配置される。このとき、信号線25は、スリット17dに配置されている信号線保護部27aの内部に設けられた信号線配置管27dに挿通され、出力電極配置部27eに設けられた出力電極29に接続される。
【0062】
さらに、図3に示すように、センサケース31は、円筒の上側部分が下側部分よりも大径に形成され、底部の中心部分に貫通穴が設けられた有底円筒状に形成されている。なお、底部の貫通穴は、主体金具17のネジ部17cを挿通可能な大きさに形成されている。そして、センサケース31は、主体金具17の下方から装着されて、圧力センサ23および出力電極29を覆うと共に、出力電極29との間に外部電極用空間33を形成する(図2参照)。
【0063】
次に、図1および図2に基づき、プラグキャップ51について説明する。
図1に示すように、本実施例のプラグキャップ51は、下端部にて圧力センサ内蔵点火プラグ11と嵌合可能に形成された略円筒形状の本体部材53と、本体部材53の下端部55の内面に配置された受信電極59と、本体部材53の上端側から下端側にかけて配置されたシールドケーブル61と、を備えている。
【0064】
そして、本体部材53は、円筒の中心軸方向に長い形状に形成されており、また、点火プラグ11の温度上昇を考慮して、耐熱性に優れた弾性を有する絶縁性材料(例えば、シリコンゴムなど)にて形成されている。また、本体部材53は、中心軸部分に導電性材料から成るスプリング57が配置されて、点火コイルユニット81(図1では二点鎖線で図示)にて発生する点火用高電圧を点火プラグ11の受電端子13に印加するための通電経路を形成する。さらに、本体部材53の上端部には、側方に延設された封止部63が設けられており、内燃機関のシリンダヘッド91にパイプ93が圧入されて形成されたプラグホール95の開口部を、封止部63により閉じることで、プラグホール95の内部に水や塵などの異物が侵入するのを防いでいる。
【0065】
また、シールドケーブル61は、芯線を流れる電気信号への外部ノイズの影響を低減するために、ステンレス等の金属から成るメッシュ(シールド線)が表面に設けられている。そして、シールドケーブル61は、一端が受信電極59に接続され、他端が本体部材53の上端に一体に形成されたコネクタ65に接続されており、本体部材53の内部を下端側から上端側にかけて配置されている。
【0066】
ここで、図1に示すプラグキャップ51において、本体部材53の下端部55の左半分を拡大した構成図を図2に示す。なお、図2においては、プラグキャップ51の内部構造を表すために断面図として表している。
図2に示すように、本体部材53の下端部55は、内面に受信電極59が配置され、外面に突条部67が設けられており、点火プラグ11の外部電極用空間33に配置可能な厚さに形成されている。なお、突条部67は、下端部55の外側全周にわたり、2本形成されている。
【0067】
また、受信電極59は、導電性材料からなる略円筒形状に形成され、円筒の上側半分は本体部材53に挟持されており、円筒の下側半分は外面が本体部材53の下端部55に当接している。そして、受信電極59は、点火プラグ11の出力電極29との距離が短くなるように、下端部分が出力電極29に近付くように湾曲して形成されている。
【0068】
さらに、本体部材53は、その内面が、点火プラグ11の碍子部15のうち主体金具17よりも上端側の外周に密接している。この接触部分が、特許請求の範囲に記載の密着部に相当する。
そして、以上のように構成された圧力センサ内蔵点火プラグ11およびプラグキャップ51を互いに嵌合すると、スプリング57が受電端子13に当接して点火用高電圧の通電経路を形成すると共に、下端部55が外部電極用空間33に配置される。これにより、出力電極29と受信電極59とが接触し、圧力センサ23にて検出された圧力に応じた電気信号が、外部機器に対して出力される。
【0069】
なお、第1実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11およびプラグキャップ51においては、センサケース31が特許請求の範囲における出力電極収容部材に相当し、主体金具17の溝部17eおよび絶縁円筒部材27の突条部27bが請求項2に記載の係合部に相当し、突条部67が請求項5に記載の突条部に相当する。
【0070】
以上、説明したように、本実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11においては、出力電極29が絶縁円筒部材27の外周に設けられているため、出力電極29と主体金具17との絶縁を確実に図ることができる。また、出力電極29は、絶縁円筒部材27とともに主体金具17に上方から挿入することで装着されるため、主体金具17への出力電極29の装着作業が容易である。
【0071】
そして、圧力センサ23と出力電極29とを接続する信号線25が、主体金具17のスリット17dを通ることから、主体金具17の内部を通る場合に比べて、圧力センサ23と出力電極29との接続作業が容易である。
また、信号線25と主体金具17とを絶縁するための信号線保護部27aが、絶縁円筒部材27に一体に形成されており、別途独立した部品として製造する必要がなくなるため、圧力センサ内蔵点火プラグを構成する部品点数の増加を抑えることができ、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0072】
さらに、絶縁円筒部材27は、信号線保護部27aに挿通される信号線25を出力電極29に接続可能な位置に導出するよう形成されており、信号線保護部27aに信号線25を挿通すると同時に信号線25と出力電極29との接続が可能となる。これにより、圧力センサ内蔵点火プラグの組み立て工程において出力電極29と圧力センサ23とを接続する作業を簡略化できる。
【0073】
また、センサケース31が、出力電極29との間に外部電極用空間33を形成しており、プラグキャップ51に備えられる受信電極59の移動範囲をこの外部電極用空間33の内部に制限する。これにより、内燃機関の振動による受信電極59の移動範囲を制限することができ、受信電極59が出力電極29から離れるのを防ぐことにより、出力電極29と受信電極59との接触を良好に維持することができる。
【0074】
さらに、出力電極29は、縦方向に一定幅を有する形状であることから、内燃機関の運転により縦方向(中心軸方向)の振動が発生して受信電極59に対する出力電極29の縦方向の相対位置が変化した場合でも、両者の接触を維持することができ、接触不良の発生を良好に防ぐことができる。
【0075】
そして、絶縁円筒部材27を主体金具17に装着した際には、突条部27bが溝部17eと係合することから、絶縁円筒部材27が主体金具17から抜け落ちるのを防ぐことができると共に、出力電極29の位置を一定位置に維持することができ、内燃機関の振動により電気信号の伝達経路が断線するのを抑制できる。
【0076】
また、本実施例のプラグキャップ51においては、圧力センサ内蔵点火プラグ11への装着の際に、本体部材53の下端部55が外部電極用空間33に挿入されることで、受信電極59が出力電極29に接触する。このとき、出力電極29と受信電極59とが接触すると共に、突条部67がセンサケース31の内面に当接することになり、受信電極59が出力電極29に付勢されることから、内燃機関の振動が発生した場合にも、受信電極59と出力電極29との接触を維持することができる。
【0077】
さらに、プラグキャップ51を圧力センサ内蔵点火プラグ11に装着した際には、本体部材53の下端部55の外周に設けられた突条部67が、センサケースの内面全周にわたり当接し、また、本体部材53の内面が、点火プラグ11の碍子部15の全周にわたり密接する。これにより、突条部67とセンサケース31との間から、あるいは、本体部材53の内面と碍子部15との間から、出力電極29および受信電極59が配置される部分に、外部からの異物が侵入するのを防ぐことができ、異物が付着することによる出力電極29および受信電極59の腐食を抑えることができる。なお、本体部材53の内面と点火プラグ11の碍子部15との接触部分が、特許請求の範囲に記載の密着部に相当する。
【0078】
また、プラグキャップ51においては、シールドケーブル61の端部に備えられるコネクタ65が、本体部材53と一体に形成されている。このため、外部機器との間に連結ケーブルを配置するようにして、内燃機関に応じた適切な長さの連結ケーブルを用いることで、内燃機関に応じた最適な配線を実現できる。これにより、プラグキャップから所定長さのシールドケーブルが導出されてその端部にコネクタが備えられる場合に比べて、無駄のない確実な配線を実現することができる。
【0079】
なお、本体部材53を射出成形により成形する場合、材料が金型の内部に注入される圧力によってシールドケーブル61の位置が移動して、コネクタ65の内部におけるシールドケーブルの芯線を、正常な位置に配置することができない虞がある。そこで、例えば、圧縮成形のように、芯線を正常な位置に配置可能な成形方法を用いて、予めコネクタ65のみをシールドケーブル61の端部に形成しておき、その後、コネクタ65が上端部に位置するようにシールドケーブル61を配置して、本体部材53を成形するとよい。
【0080】
そして、本実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11とプラグキャップ51とを組み合わせて使用することにより、内燃機関の振動により出力電極と受信電極との間で接触不良が発生するのを良好に抑えることができ、電気信号の伝達経路をより好適に確保することができる。
【0081】
以上、本発明の実施例(以下、第1実施例という)の圧力センサ内蔵点火プラグおよびプラグキャップについて説明したが、本発明は、こうした実施例に限定されることなく種々の態様をとることができ、第2実施例として、強度を向上させたプラグキャップについて説明する。
【0082】
そして、第2実施例のプラグキャップ51の断面図を、図5に示す。
図5に示すように、第2実施例のプラグキャップ51は、第1実施例と同様に、本体部材53の下端部55の内面に受信電極59が配置され、下端部55の外面に突条部67が2本設けられており、下端部55が点火プラグ11の外部電極用空間33に配置可能な厚さに形成されている。
【0083】
なお、図5では、圧力センサ内蔵点火プラグの図示を省略しているが、第2実施例のプラグキャップ51は、図1に示す第1実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11に装着可能に構成されており、以下の説明においては、圧力センサ内蔵点火プラグに関する符号は、図1と同様の符号を用いて表すこととする。
【0084】
そして、第2実施例のプラグキャップ51は、本体部材53が、芯材71と弾性部材73とから形成されている点に特徴がある。なお、芯材71は、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力に対して一定形状を維持できる強度を有する絶縁性材料(例えば、PPSまたはポリエステルなど)で形成されており、弾性部材73は、弾性を有する絶縁性材料で形成されている。
【0085】
ここで、芯材71の斜視図を、受信電極59と共に、図6に示す。
図6に示すように、芯材71は、中心軸部分にスプリングが配置可能な上下方向に長い略円筒形状に形成されており、芯材71の下端側から上端側にかけてシールドケーブルを配設するための第1ケーブル配設部71aと、芯材71の上端部において、芯材71の長手方向を中心軸とする周方向にシールドケーブルを配設するための第2ケーブル配設部71bと、を備えている。また、芯材71の下端は、受信電極59が嵌合可能な形状に形成されると共に、突起部71cが設けられている。
【0086】
他方、受信電極59は、導電性金属材料により略円筒形状に形成されており、円筒の中心軸方向に延びるスリット59aが設けられて、径方向の弾性を有するよう形成されている。また、受信電極59は、芯材71への嵌合時に突起部71cと係合する位置に、内面から外面にかけて形成された第1貫通穴59bが設けられている。
【0087】
そして、受信電極59を芯材71に嵌合する際に、突起部71cと第1貫通穴59bとが係合することで、受信電極59が芯材71から抜け落ちるのを防止し、また、芯材71に対する受信電極59の位置を特定する。さらに、受信電極59は、第1貫通穴59bよりも下側に第2貫通穴59cが設けられている。
【0088】
続いて、第2実施例のプラグキャップ51の製造手順について説明する。
まず、受信電極59を芯材71に嵌合した後、ハンダ付けあるいは溶接によりシールドケーブル61の端部を受信電極59に接続する。そして、シールドケーブル61を、第1ケーブル配設部71aに配置するとともに、第2ケーブル配設部71bに配設する。
【0089】
その後、受信電極59が嵌合され、かつシールドケーブル61が配設された芯材71を、射出成形の金型に配置し、シリコンゴムなどの弾性を有する絶縁性材料を射出成形することにより弾性部材73を成形する。このとき、受信電極59においては、第2貫通穴59cを通じて外面から内面にかけて弾性部材73が形成される。
【0090】
なお、第2実施例のプラグキャップは、コネクタが本体部材53と一体に形成される構造ではなく、本体部材53から所定長さのシールドケーブル61が導出されてその端部にコネクタ(図5では図示省略)が備えられている。また、図5に示すプラグキャップの断面は、第1ケーブル配設部71aを含まない位置での断面であるため、図5においては、上端から下端にかけて配置されるシールドケーブル61は表されない。
【0091】
このようにして、芯材71を被覆するように弾性部材73が形成され、また、本体部材53の下端部55が弾性部材73にて形成されることで、第2実施例のプラグキャップ51が完成する。
以上説明したように、第2実施例のプラグキャップ51は、本体部材53が、芯材71および弾性部材73により構成されている。
【0092】
そして、このプラグキャップ51は、本体部材53に芯材71を備えることで、プラグキャップ全体の強度(剛性)を一定以上に維持することができ、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力によってプラグキャップが湾曲するのを防止できるため、プラグホール内での圧力センサ内蔵点火プラグへの装着が可能となる。
【0093】
また、弾性部材73により本体部材53の下端部55が形成されるため、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に、弾性部材73の弾性により突条部67と圧力センサ内蔵点火プラグのセンサケース31との接触が密になり、電極部分(出力電極29および受信電極59)への異物の侵入をより好適に防止できる。そして、弾性部材73の弾性により、弾性部材73と圧力センサ内蔵点火プラグの碍子部15との接触が密になり、異物の侵入をより好適に防ぐことができる。なお、弾性部材73の内面と圧力センサ内蔵点火プラグの碍子部15との接触部分が、特許請求の範囲に記載の密着部に相当する。
【0094】
さらに、弾性部材73が芯材71の周囲を被覆することで、プラグキャップが外部と衝突した時の衝撃を弾性部材にて吸収し、プラグキャップの損傷を低減することができる。
そして、受信電極59は、略円筒形状に形成されているため、確実に出力電極29に接触することができ、また、径方向の弾性を有することから、振動が発生した場合においても出力電極29との接触をより確実に維持することができる。よって、第2実施例のプラグキャップによれば、受信電極と圧力センサ内蔵点火プラグの出力電極との接触を確実に維持することができ、電気信号の信号経路が断線することを防ぐことができる。
【0095】
また、受信電極59は、第2貫通穴59cを通じて外面から内面にかけて弾性部材73が形成されることから、弾性部材73(換言すれば、本体部材53)に対して受信電極59を固定する際の強度を向上させることができる。
そして、シールドケーブル61が第1ケーブル配設部71aおよび第2ケーブル配設部71bに配設されることにより、射出成型時に材料が金型の内部に注入される圧力によってシールドケーブル61の位置が移動するのを防ぐことができ、本体部材53の内部におけるシールドケーブル61の配設位置を一定に維持することができる。
【0096】
また、第2ケーブル配設部71bを備えてシールドケーブル61を芯材71の周方向に配設することにより、射出成型時のシールドケーブル61の移動を防ぐことに加えて、シールドケーブル61が弾性部材73を引き裂いてしまうことを防止できる。つまり、芯材71に第2ケーブル配設部71bを備えて、シールドケーブルを芯材の周方向に配設することにより、シールドケーブル61に対して芯材71から引き離す方向の外力が印加された場合には、弾性部材73ではなく芯材71に負荷がかかることになり、弾性部材73の損傷を防ぐことができる。
【0097】
さらに、第2ケーブル配設部71bを備えた場合、プラグキャップ51の周方向におけるシールドケーブル61の導出方向を任意に設定できるため、導出方向を適切な方向に設定した上で射出成形することで、用途に応じてシールドケーブル61の導出方向が異なるプラグキャップを容易に成形することができる。なお、第2実施例のプラグキャップについては、シールドケーブルの端部に備えられるコネクタがプラグキャップに一体に形成されている構成ではなく、一定以上の長さのシールドケーブルが上端から導出されるように構成されている。
【0098】
次に、第3実施例として、本体部材が分割可能に構成されたプラグキャップについて説明する。そして、図7に、圧力センサ内蔵点火プラグに装着されると共に内燃機関のプラグホールに配置された第3実施例のプラグキャップの構成および断面を表す構成図を示す。
【0099】
なお、第3実施例のプラグキャップについては、本体部材が分割可能に構成されていること以外については、第1実施例のプラグキャップと同様の構成であるため、第1実施例と異なる構成である本体部材を中心に説明する。
図7に示すように、第3実施例のプラグキャップ51の本体部材53は、最上端に配置される第1本体部材53aと、中間位置に配置される第2本体部材53bと、最下端に配置される第3本体部材53cと、がこの順に積層されると共に嵌合されて形成される。なお、第1本体部材53a、第2本体部材53b、第3本体部材53cを積層して形成される本体部材53の外形は、第1実施例の本体部材53と同様の形状である。
【0100】
そして、第1本体部材53aおよび第3本体部材53cは、弾性を有する絶縁性材料で形成されており、第2本体部材53bは、圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力に対して一定形状を維持できる強度を有する絶縁性材料で形成されている。また、第3本体部材53cは、受信電極59が備えられてシールドケーブル61が上端から導出されるよう形成されており、第2本体部材53bは、第3本体部材53cから導出されたシールドケーブル61を縦方向に配設する溝部が形成されている。さらに、第1本体部材53aは、第2本体部材53bから導出されたシールドケーブル61を縦方向に配設すると共に、上端部で横方向に導出する溝部が形成されている。
【0101】
なお、第3実施例のプラグキャップにおいては、コネクタ65が第1本体部材53aに一体に形成されているが、第2実施例のプラグキャップのように、第1本体部材53aから所定長さのシールドケーブル61が導出されてその端部にコネクタが備えられる構造としても良い。
【0102】
このように、第3実施例の本体部材53は、異なる種類の絶縁性材料からなる部材をそれぞれ別個に成型した後、各部材ををれぞれを嵌合することで形成されている。このため、第2実施例のように、芯材の上に弾性部材を被覆するという複雑な作業を行うことなく、異なる種類の材料から成る強度の高い本体部材53を実現することができる。
【0103】
また、第2本体部材53bを形成する絶縁性材料は、第1本体部材53aおよび第3本体部材53cを形成する絶縁性材料よりも、材料費が安いため、第1実施例の本体部材に比べて、第3実施例の本体部材は低コストとなる。
よって、第3実施例のプラグキャップによれば、材料費を低く抑えることができると共に、本体部材の成型作業を簡略化することができるため、プラグキャップの製造コストを低く抑えることができる。
【0104】
なお、第3実施例のプラグキャップにおいては、第3本体部材53cが特許請求の範囲に記載の下端側部材に相当するものであり、第1本体部材53aおよび第2本体部材53bが上端側部材に相当するものである。
次に、第4実施例として、圧電素子が主体金具の内部に備えられ、主体金具の外部で信号線と出力電極とが接続されるよう構成された圧力センサ内蔵点火プラグについて説明する。
【0105】
そして、図8に、第4実施例の圧力センサ内蔵点火プラグの左半分の断面図を示す。なお、図8に示すプラグキャップは、第1実施例のプラグキャップ51と同一のプラグキャップであり、第1実施例と同じ構成要素については、同一符号を用いて表す。また、第4実施例の圧力センサ内蔵点火プラグについては、第1実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11と比べて、圧力センサが配置される部分の構成のみが異なることから、第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0106】
図8に示すように、第4実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11は、主体金具17の鍔部17bが、第1実施例に比べて径方向への膨出部分が大きく形成されている。そして、鍔部17bの下端面に溝状に形成された圧力センサ配置部17gが設けられており、この圧力センサ配置部17gに圧力センサ23が設置される。また、鍔部17bの内部には、鍔部17bの上端面から圧力センサ配置部17gにかけて貫通する信号線挿通孔17hが設けられている。
【0107】
また、圧力センサ23は、板パッキン23b、圧電素子23a、電極板23d、絶縁板23cが、この順に積層されて構成されており、圧力センサ23の内部で電極板23dを介して圧電素子23aに接続された信号線25が、板パッキン23bの上部から上方向に突出するように設けられている。
【0108】
そして、圧力センサ23を圧力センサ配置部17gに配置する際には、圧力センサ23の側面と鍔部17bとの間に絶縁チューブ24を配して、圧電素子23aと主体金具17との絶縁を図っている。なお、圧力センサ23を圧力センサ配置部17gに配置する際、信号線25は、信号線挿通孔17hを挿通される。
【0109】
このように圧力センサ23が配置された後、圧力センサ配置部17gの開口部は、ダイヤフラム22により覆われる。そして、主体金具17のネジ部17cには、下端から鍔部17bにかけてスリット18が設けられており、筒内圧がスリット18を通じてダイヤフラム22に印加され、ダイヤフラム22を介して圧電素子23aに筒内圧が印加されるように構成されている。
【0110】
なお、第4実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11を内燃機関に装着する際には、燃焼室の気密性を保つため、ガスケット83が圧力センサ内蔵点火プラグ11とシリンダヘッドとの間に配置される。このとき、ガスケット83は、圧力センサ内蔵点火プラグ11に対し、鍔部17bの下端面のうち、圧力センサ配置部17gよりも径方向外側の部分に当接している。
【0111】
また、絶縁円筒部材27は、第1実施例と比べて、信号線保護部27aの形状が異なっており、信号線保護部27aは、信号線挿通孔17hに挿入可能な大きさに形成されている。そして、絶縁円筒部材27が主体金具17に装着される際に、信号線保護部27aは、信号線挿通孔17hに挿入されると共に、内部に信号線25が挿入される。なお、信号線保護部27aは、第1実施例と同様に、信号線保護部27aに挿通される信号線25を、出力電極29に接続可能な位置に導出するように形成されている。これにより、信号線25と出力電極29とが電気的に接続されることになり、圧電素子23aと出力電極29とが信号線25を介して電気的に接続される。なお、このとき、信号線25は、信号線保護部27aに周囲を囲まれるため、主体金具17に接触することがない。
【0112】
また、第4実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11には、第1実施例のようなセンサケースは備えられておらず、出力電極収容部材75が備えられることで、プラグキャップ51の受信電極59を配置するための外部電極用空間33を形成している。そして、出力電極収容部材75は、円筒形状であり、円筒の下端部分が鍔部17bの側面に溶接などにより固定され、円筒の上端部分が、出力電極29を覆うと共に、出力電極29との間に外部電極用空間33を形成する。
【0113】
以上、説明したように、第4実施例の圧力センサ内蔵点火プラグ11は、圧電素子23aが主体金具17の内部に備えられるが、出力電極29と信号線25とが主体金具17の外部で接続される構成であることから、出力電極と信号線との接続作業が容易となり、圧力センサ内蔵点火プラグ11の製造作業に要する時間を短縮することができる。
【0114】
また、出力電極収容部材75が、出力電極29との間に外部電極用空間33を形成しており、出力電極29と接触する受信電極59の移動範囲をこの外部電極用空間33の内部に制限する。これにより、内燃機関の振動による受信電極59の移動範囲を制限することができ、受信電極59が出力電極29から離れるのを防ぐことにより、出力電極29と受信電極59との接触を良好に維持することができる。
【0115】
以上、本発明の圧力センサ内蔵点火プラグおよびプラグキャップの実施例について説明したが、本発明は、こうした実施例に限定されることなく種々の態様をとることができる。
例えば、出力電極の縦方向の長さが短い場合には、受信電極における出力電極との接触部分を縦方向に一定長さを有する形状に形成することで、縦方向の振動に対する接触不良の発生を良好に防ぐことができる。つまり、出力電極あるいは受信電極の少なくとも一方を、圧力センサ内蔵点火プラグの上端から下端へ向かう方向に一定幅を有する形状とすることで、縦方向の振動に対する接触不良の発生を良好に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の圧力センサ内蔵点火プラグおよびプラグキャップの構成を表す構成図である。
【図2】 図1における圧力センサ内蔵点火プラグの左半分およびプラグキャップの下端部の左半分を拡大した構成図である。
【図3】 圧力センサ内蔵点火プラグの分解斜視図である。
【図4】 図4(a)は絶縁円筒部材の平面図であり、図4(b)は(a)における絶縁円筒部材のA−A視断面図である。
【図5】 第2実施例のプラグキャップの断面図である。
【図6】 第2実施例の芯材71および受信電極の斜視図である。
【図7】 第3実施例のプラグキャップの構成を表す構成図である。
【図8】 第4実施例の圧力センサ内蔵点火プラグの左半分および第1実施例のプラグキャップの下端部の左半分を拡大した構成図である。
【符号の説明】
11…圧力センサ内蔵点火プラグ、13…受電端子、15…碍子部、17…主体金具、17a…六角部、17b…鍔部、17c…ネジ部、17d…スリット、17e…溝部、23…圧力センサ、25…信号線、27…絶縁円筒部材、27a…信号線保護部、27b…突条部、29…出力電極、31…センサケース、33…外部電極用空間、51…プラグキャップ、53…本体部材、55…下端部、59…受信電極、61…シールドケーブル、65…コネクタ、67…突条部、71…芯材、71a…第1ケーブル配設部、71b…第2ケーブル配設部、73…弾性部材。

Claims (11)

  1. 中央部に径方向に膨出する鍔部を持つ内燃機関本体に装着するための略円筒形状の主体金具と、該主体金具に保持される略円筒状の碍子部と、該碍子部の中心軸の上端に設けられて点火用高電圧を受電する受電端子と、該受電端子に電気的に接続されると共に前記碍子部の中心軸の下端に設けられた中心電極と、前記主体金具の下端に設けられた接地電極と、を備えて、前記中心電極と前記接地電極との間に火花放電を発生する点火プラグの、
    前記主体金具の前記鍔部の下端側に圧電素子を備え、該圧電素子により内燃機関の筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号を外部に出力する圧力センサ内蔵点火プラグであって、
    前記主体金具の前記鍔部の上端側に設けられる絶縁体からなる略円筒形状の絶縁円筒部材と、
    前記絶縁円筒部材の外周に設けられて、信号線により前記圧電素子と電気的に接続されると共に外部機器に接続された外部電極と接触することにより、前記電気信号を外部機器に出力するための出力電極と、
    前記主体金具に固定され、自身の内面と該出力電極との間に前記外部電極を配置するための外部電極用空間を形成する略円筒形状の出力電極収容部材と、
    を備えることを特徴とする圧力センサ内蔵点火プラグ。
  2. 前記絶縁円筒部材は、前記主体金具の外周を覆うように配設され、前記絶縁円筒部材が配置される該主体金具の表面および該絶縁円筒部材の内面には、中心軸方向の動きを抑制する係合部を備えたこと、
    を特徴とする請求項1に記載の圧力センサ内蔵点火プラグ。
  3. 前記絶縁円筒部材は、前記出力電極と前記圧電素子とを接続する信号線を前記主体金具から絶縁するための信号線保護部、を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧力センサ内蔵点火プラグ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧力センサ内蔵点火プラグに装着され、火花放電を発生させるための点火用高電圧の通電経路を周囲から絶縁した状態で形成するプラグキャップであって、
    中心軸方向に長く形成された絶縁性材料からなる円筒形状であり、下端部が前記出力電極収容部材の内面と前記出力電極との間に形成される前記外部電極用空間に挿入可能に形成された本体部材と、
    該本体部材における下端側の内面に設けられ、前記出力電極と接触することにより、前記圧力センサ内蔵点火プラグから出力される内燃機関の筒内圧に基づく圧力に応じた前記電気信号を受ける受信電極と、
    前記本体部材の上端側から下端側にかけて配置されるとともに、一端が前記受信電極に接続され、他端が外部機器に連結されるコネクタに接続されるシールドケーブルと、
    を備えたことを特徴とするプラグキャップ。
  5. 前記点火プラグの碍子部と前記本体部材とが密に接触する密着部と、
    前記外部電極用空間に挿入される前記本体部材の下端部に、外周の全周にわたって設けられており、前記出力電極収容部材の内面に密に接触する突条部と、
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載のプラグキャップ。
  6. 前記シールドケーブルの他端が接続されるコネクタが、前記本体部材に一体に形成されたこと、
    と特徴とする請求項4または請求項5に記載のプラグキャップ。
  7. 前記受信電極は、中心軸方向に延びるスリットが設けられた円筒形状に形成され、径方向の弾性を有すること、
    を特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のプラグキャップ。
  8. 前記本体部材は、
    圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力に対して一定形状を維持できる強度を有する絶縁性材料からなる芯材と、
    弾性を有する絶縁性材料からなり 該芯材の周囲を被覆すると共に、前記外部電極用空間に挿入される下端部を形成する弾性部材と、
    を備えたことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載のプラグキャップ。
  9. 前記芯材は、上下方向に長い形状に形成され、
    該芯材の下端側から上端側にかけて前記シールドケーブルを配設するための第1ケーブル配設部と、
    該芯材の上端部において、該芯材の長手方向を中心軸とする周方向に前記シールドケーブルを配設するための第2ケーブル配設部と、を備えたこと、
    を特徴とする請求項8に記載のプラグキャップ。
  10. 前記本体部材は、
    弾性を有する絶縁性材料からなり、前記受信電極が備えられて前記シールドケーブルが導出される下端側部材と、
    圧力センサ内蔵点火プラグへの装着時に発生する応力に対して一定形状を維持できる強度を有する絶縁性材料からなり、前記下端側部材と嵌合可能に形成されると共に、下端側から上端側にかけて前記シールドケーブルを配設する上端側部材と、に分割可能に構成されたこと、
    を特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載のプラグキャップ。
  11. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧力センサ内蔵点火プラグであって、
    請求項4から請求項10のいずれかに記載のプラグキャップを装着することにより、前記圧電素子により検出した圧力に応じた電気信号を外部に出力すること、
    を特徴とする圧力センサ内蔵点火プラグ。
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