JP4377525B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタの電極構造に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
近年、電波を利用する電子機器のフィルタ,遅延線,発振器等の構成素子として多くの弾性表面波装置が用いられている。特に小型・軽量でかつフィルタとしての急峻遮断性能が高い弾性表面波フィルタは、移動体通信分野において、携帯端末装置のRF段及びIF段のフィルタとして多用されるようになって来ており、低損失かつ通過帯域外の遮断特性が優れた、高い減衰特性と、広い帯域幅を有する弾性表面波フィルタが要求されている。
【0003】
これまでに、弾性表面波フィルタとしては、電極構成の観点から、ラダー型(梯子型),トランスバーサル型,縦モード結合共振器型等種々のものが実用化されているが、中でもラダー型弾性表面波フィルタは低損失でかつ良好な通過帯域近傍の遮断特性を有し、高周波化による電極微細化に伴う耐電力面での信頼性も高く、非常に有望視されている弾性表面波フィルタである。
【0004】
このような、ラダー型フィルタの場合、比帯域幅BW/fo(BW;通過帯域幅、fo;中心周波数)は、フィルタを構成する弾性表面波共振子の共振周波数frと***振周波数faの差であるΔf(=fa−fr)を共振周波数で規格化したものでほぼ決定される。
【0005】
また近年、携帯電話システムの急激な変化に伴って、システム側の要求スペックもより厳しいものになり、従来よりも、広帯域でより矩形に近く、急峻性に優れた通過帯域特性を持つ弾性表面波フィルタが切望されている。
【0006】
弾性表面波フィルタの通過帯域の急峻性は、やはりΔf(=fa−fr)で決定され、Δfの小さい弾性表面波共振子を用いることにより、急峻性に優れた通過帯域特性が得られることが分かっている。上記の比帯域幅および通過帯域の急峻性を決定するΔfは、圧電基板の材料定数である電気機械結合係数と電極パターンの膜厚に大きく依存し、所望の比帯域幅を得るために最適な電気機械結合係数を有する圧電基板と電極膜厚の組み合わせを選択してフィルタを作製する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記の比帯域幅BW/foに最適な電気機械結合係数を有し、フィルタ急峻度に反映される材料Q値(電気機械変換に伴う損失係数の逆数)の高い基板材料を見出すことが難しく問題であった。
【0008】
そこで、従来より圧電基板は、やむを得ず一般的な基板・方位のものを採用し、電極構造で改善する方法が検討されていた。
【0009】
また、圧電基板上に形成するIDT電極とは、Inter Digital Transducerの略であり、相対向する櫛歯状電極を組み合わせた電極構造である。そのIDT電極の接続構造は、前述の通り、ラダー型電極が有望視されている。従来のラダー型接続の弾性表面波装置は図4に示すとおり、直列腕を構成する弾性表面波共振子R1と、並列腕を構成する弾性表面波共振子R2とが、交互に信号線上に接続され、いわゆる梯子状に接続された構造が一般的に用いられている。
【0010】
しかしながら、上記、従来の電極構造による電気特性の改善方法は、一般に各共振子のIDT電極対数、電極周期、交差幅、反射器本数などを変更する程度であり、若干の改善は見られるものの、フィルタの要求仕様を満たすような改善は見られず、品質的に問題のあるSAW装置になってしまうという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、圧電基板・カット方位は従来の一般的な基板を使用した状態で、急峻性に優れた通過帯域特性を有する、品質的に良好なラダー型弾性表面波フィルタの電極構造を提供することとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、42°YカットX伝搬のLiTaO 単結晶からなる圧電基板上にIDT電極の複数をラダー型回路に接続した弾性表面波フィルタであって、少なくとも1つのIDT電極には付加IDT電極並列接続されており、前記付加IDT電極の両側には反射器電極が配置され、前記付加IDT電極及び反射器電極の電極膜厚をH(μm)、弾性表面波の波長をλ(μm)としたときに、H/λ=0.07〜0.11の関係を満たし、前記反射器電極の本数が10本以上であり、前記付加IDT電極を、該付加IDT電極と並列接続しているIDT電極から発生する弾性表面波の伝搬路の延長線上に配置することとした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の弾性表面波装置の構造を表す図である。図中の1は圧電基板であり、この表面に薄膜の2〜6で示す金属でできた電極を配置する。2は周波数特性制御用のIDT電極である。3は通常のラダ−型弾性表面波フィルタを構成するIDT電極である。また、4は反射器で、IDT電極の両側に配置する。反射器4は、IDT電極2および3の共振状態を変化させるためであり、無い場合もあり得る。また、5はフィルタの接地端子、6aはフィルタの入力端子、6bはフィルタの出力端子である。本発明の特徴は、図1に示すように、直列共振子R1に並列に周波数特性制御用のIDT電極2を接続した構造を持っていることである。
【0015】
図1は、5個のIDT電極3を接続したフィルタで、3個の直列共振子R1の中央に本発明の弾性表面波共振子2を用いた容量を付加した場合の弾性表面波フィルタの例である。図2は、5個のIDT電極3を接続したフィルタで、3個ある直列共振子R1の1段目と3段目の直列共振子R1に、本発明の弾性表面波共振子2を用いた容量を付加した場合の弾性表面波フィルタの例である。図3は、5個のIDT電極3を接続したフィルタで、並列共振子R2に本発明の弾性表面波共振子2を用いた容量を付加した場合の弾性表面波フィルタの例である。なお、5はパッケージのグランドパッドにワイヤーボンディングによって接続されるグランドの電極である。6a、6bはパッケージの入出力パッドにワイヤーボンディングによって接続される入出力電極である。
【0016】
以下に、周波数特性制御用のIDT電極2を、このように接続する理由について説明する。
【0017】
急峻な肩特性を持ったフィルタ特性を実現するために、本発明の弾性表面波装置では、弾性表面波の伝搬特性を変えずに、並列に付加したIDT電極の持つ静電容量によって、各弾性表面波共振子のΔfを任意に制御することができる。これによりフィルタの通過帯域特性をより急峻にできる。図12は、弾性表面波共振子に並列に弾性表面波共振子で構成された付加容量Cpを接続した場合の電気的等価回路図である。ここで、共振周波数fr=1/√(L1・C1)、***振周波数fa=fr/√(1+C1・(Co+Cp))で表すことができる。付加容量Cpを増加させることによって、faは低下するが、frは変化しない。これを図で示したものが、図8である。Cpによって、共振周波数8は変化しないが、***振周波数7のみ変化していることがわかる。
【0018】
そのため、上記説明したように、付加容量Cpを増加させること、つまり周波数調整用IDT電極2の容量を増加させることにより、インピーダンス特性の共振周波数と***振周波数との差Δfは小さくなる。この構成の弾性表面波共振子2を、直列側もしくは並列側の共振子R1,R2に少なくとも一箇所以上に接続したラダ−型フィルタを形成すれば、Δfが小さく、このため、通過帯域特性の両側もしくは、どちらか片方の急峻性は向上する。
【0019】
本発明による特性の改善例を図5〜図7に示す。図5では直列共振子R1の一部に本発明の弾性表面波共振子を用いた場合を示しており、高周波側の通過帯域と減衰の傾度が改善できることが判る。また、図6では並列共振子の一部に本発明の弾性表面波共振子を用いた場合であり、低周波側の通過帯域と減衰の傾度が改善できることが判る。また、図7は直列共振子と並列共振子の両方に本発明の弾性表面波共振子を用いた場合である。この場合は、高周波側の帯域と減衰の傾度と低周波側の通過帯域と減衰の傾度がともに改善できることが判る。
【0020】
また、本発明の周波数特性制御用IDT電極は、梯子状に接続した共振子すべてに付加しても構わないが、図1、2のように、少なくとも1個の共振子にのみ付加容量をつけることで、弾性表面波共振子によって発生する減衰極の周波数を異なる設定にすることでき、効率良く減衰帯域を大きくとることができる。
【0021】
また、周波数特性制御用IDT電極の両側に反射器電極を設けることで、周波数特性制御用IDT電極で発生した弾性表面波が、ラダ−型フィルタ本来の弾性表面波共振子(直列共振子もしくは並列共振子)に対して悪影響を与えるような不要波をほぼカットすることができる。
【0022】
また、ラティス型フィルタ(いわゆる、共振子を格子状に接続した構造のフィルタ)についても、上記同様に適応可能である。すなわち、ラダー型フィルタおよびラティス型フィルタのように、弾性表面波共振子の電気インピーダンスの周波数特性を任意の特性にすることで、フィルタ特性を得ることができる構造であれば、本発明のように通過帯域や帯域外減衰量の改善が図れる。
【0023】
ここで、好適な反射器本数は、LiTaO3単結晶36°及び42°YカットX伝搬の圧電基板上においては、H/λ=0.07〜0.11(H;電極膜厚、λ;弾性表面波の波長)の範囲では、図13に示すように、0〜10本の間で90%近く弾性表面波が反射されるので10本以上が好ましい。このような反射器を使用すれば、請求項3で示したように、ラダ−型フィルタ本来の弾性表面波共振子の弾性表面波伝搬路の延長線上に、10本以上の反射器電極を持った周波数特性制御用IDT電極を近接して配置することができ、余分なスペースを必要としないため、圧電基板の小型化ができる。
【0024】
また、本発明によれば、IDT電極に並列に弾性表面波共振子が付加されていることで、印加電力が分散され、付加容量を接続しない場合のIDT電極に比べて、1本当たりにかかる電力は低減される。結果として耐電力特性に優れた弾性表面波フィルタを作製することができる。
【0025】
さらに本発明によれば、電極のパターニング時に焦電効果等によって発生する静電気による電極破壊も、電力が分散されるため発生しにくくなる。
また、SAW装置用の圧電基板として、36°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結晶、42°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結晶、64°±3°YカットX伝搬ニオブ酸リチウム単結晶、41°±3°YカットX伝搬リチウム単結晶、45°±3°XカットZ伝搬四ホウ酸リチウム単結晶は電気機械結合係数が大きく、かつ、周波数温度係数が小さいため圧電基板として好ましい。圧電基板の厚みは0.1mm〜0.5mm程度がよく、0.1mm未満では圧電基板がもろくなり、0.5mm超では材料コストと部品寸法が大きくなり、使用できない。
【0026】
また、IDT電極3および反射器は、AlもしくはAl合金(Al−Cu系、Al−Ti系)からなり、蒸着法、スパッタ法、またはCVD法などの薄膜形成法により形成する。電極厚みは0.1μm〜0.5μm程度とすることがSAW装置としての特性を得るうえで好適である。
【0027】
また、本発明に係るSAW装置の電極および圧電基板上のSAW伝搬部にSi、SiO2、SiN、Al2O3を保護膜として150μm以上の膜厚を形成し、導電性異物による通電防止や耐電力向上を行ってもかまわない。
【0028】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更は何ら差し支えない。
【0029】
【実施例】
次に、本発明に係るラダー型弾性表面波フィルタを試作した実施例を説明する。
42°YカットLiTaO3単結晶基板上にAl(98wt%)−Cu(2wt%)による微細電極パターンを形成した。パターン作製には、縮小投影露光機(ステッパー)、およびRIE(Reactive Ion Etching)装置によりフォトリソグラフィを行なった。まず、基板材料をアセトン・IPA等によって超音波洗浄し、有機成分を落とした。
【0030】
次にクリーンオーブンによって充分に基板乾燥を行なった後、電極の成膜を行なった。電極成膜には、スパッタリング装置を使用し、Al−Cuの材料を成膜した。電極膜厚は約0.2μmとした。
【0031】
次にレジストを約0.5μm厚みにスピンコートし、縮小投影露光装置(ステッパー)により、所望のパターニングを行なった。ステッパーには、パターニングの原版となるレチクルが必要であるが、これは、ステッパー自身の光学系にて像を1/5に縮小投影するため、実際のパターンの5倍のサイズでかまわない。このため、逆に従来のコンタクトアライナーに比べると、5倍の解像度が得られる。
【0032】
次に、現像装置にて不要部分のレジストをアルカリ現像液で溶解させ、所望パターンを表出した後、RIE装置により、Al−Cu電極のエッチングを行ない、パターンニングを終了した。
【0033】
この後、保護膜を作製する。SiO2をスパッタリング装置にて成膜し、その後、フォトリソグラフィによってレジストのパターニングを行ない、RIE装置等でワイヤーボンディング用窓開け部のエッチングを行ない、保護膜パターンを完成した。
【0034】
次に基板をダイシング線に沿ってダイシングし、チップごとに分割した。そして、各チップをダイボンド装置にてピックアップし、Si樹脂を主成分とする樹脂でSMDパッケージ内に接着した。この後約160℃の温度をかけ、乾燥・硬化した。SMDパッケージは3mm角の積層構造のものを用いた。
【0035】
次に、30μmφAuワイヤーをSMDパッケージのパッド部とチップ上のAlパッド上にボールボンディングした後、リッドをパッケージにかぶせ、封止機にて溶接封止して完成した。なお、チップ上の接地用電極パターンは各々分離して配線し、Auボールボンディングにてパッケージ上のグランドパッドにボンディングした。
【0036】
ラダー型弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波共振子は、くし状電極の対数(本数の1/2)が40〜120対、交差幅が10〜30λ(λは弾性表面波の波長)で、弾性表面波の波長λは直列と並列で違えてあるが、概略2μmとした。ここで、反射電極本数は直列共振子、並列共振子とも20本である。
【0037】
フィルタ構成の例は図1,2,3に示す通りである。図1は直列共振子が3個、並列共振子が2個で構成される2.5段T型で、3段の中央の直列共振子に本発明の容量を付加したIDTを用いた例である。図2は2.5段T型で、3段の直列共振子の1段目と3段目に本発明の容量を付加したIDT電極を用いた例である。また、図3は並列共振子に容量を付加したくし状電極を用いた例である。
【0038】
図5,6,7は、本発明を用いてフィルタを作製した場合の、周波数特性の例である。図5は直列共振子の一部に本発明の弾性表面波共振子を用いた場合で、図6は並列共振子の一部に本発明の弾性表面波共振子を用いた場合である。図7は直列共振子と並列共振子の一部に本発明の弾性表面波共振子を用いた場合である。図10,11は実際の測定結果であり、図10は1680MHz〜2080MHzの周波数特性測定範囲のグラフであり、図11は0MHz〜6GHzの周波数特性測定範囲のグラフである。測定はネットワークアナライザを用いて、通過特性であるS21パラメータの測定を行った。
【0039】
本発明の弾性表面波フィルタでは、弾性表面波共振子に並列に弾性表面波共振子で構成される付加容量を追加することで、比較的容易に共振子特性のΔfを変えることができる。
【0040】
図8は本発明の弾性表面波共振子において、付加容量を変えた場合の共振子特性をプロットしたグラフである。また、横軸は周波数、縦軸はインピーダンスの絶対値を示している。付加容量の大きさを増やすと、***振周波数7は低下し、共振周波数8と***振周波数7との差Δfは小さく、急峻になっている。図9は付加容量のくし状電極対数による変化を示したグラフである。
【0041】
この場合、電極線幅Ltは0.7μmとし、通過帯域内に付加した弾性表面波共振子の共振周波数による不要スプリアスが現れないようにした。この場合は通過帯域内に影響を及ぼさない1600MHz付近にスプリアスが出ている。なお、ラダー型弾性表面波フィルタを構成するIDT電極の線幅は、概略0.5μmとした。
【0042】
また、付加容量のIDT電極の交差幅はW=10λ(λは弾性表面波の波長:概略2μm)とした。図9のグラフのように、付加した弾性表面波共振子のIDT電極対数Ntによって付加容量Cpの値はほぼ直線的に増加している。
【0043】
このため、例えば計算によって0.3pFの付加容量が必要であれば、Nt=25対、W=10λ、反射器本数10本以上の周波数特性制御用IDTを、本来のラダ−型弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波共振子に並列に配設すればよい。
【0044】
図10、11に本発明の付加容量付き弾性表面波フィルタを用いて作製したフィルタ特性を示す。この場合、図1に示すように、2段目の直列共振子に付加容量を並列に入れ、配線どうしが交差しないように配慮して設計すると、図10、11の周波数特性のように通過域の高域側の肩部が急峻になる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の弾性表面波フィルタによれば、圧電基板・カット方位及び電極膜厚を変えずに、急峻性に優れた通過帯域特性を有するラダ−型またはラティス型の弾性表面波フィルタを提供することができる。
【0046】
また、周波数制御用のIDT電極を並列に付加したことで、印加電力が分散され、結果として耐電力特性に優れ、その上、電極のパターニング時に焦電効果等によって発生する静電気による電極破壊も、印加電力が分散されるため、極力防止することが可能な信頼性に優れた弾性表面波フィルタを提供できる。
【0047】
また、周波数特性制御用のIDT電極の共振周波数が通過帯域外にあることで帯域外減衰量の改善ができる。
【0048】
さらに、周波数特性制御用のIDT電極を、主回路を構成する弾性表面波共振子の弾性表面波伝搬路の延長線上に配置することにより、基板上の電極面積を小さく抑えることが可能であり、大量生産に好適な弾性表面波フィルタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の付加容量を有する弾性表面波フィルタの電極構造の実施形態を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明の付加容量を有する弾性表面波フィルタの電極構造の実施形態を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の付加容量を有する弾性表面波フィルタの電極構造の実施形態を模式的に示す平面図である。
【図4】従来の弾性表面波フィルタの電極構造を模式的に示す平面図である。
【図5】本発明の付加容量を有する弾性表面波共振子を直列共振子側に用いた場合の特性を説明する線図である。
【図6】本発明の付加容量を持った弾性表面波共振子を並列共振子側に用いた場合の特性を説明する線図である。
【図7】本発明の付加容量を持った弾性表面波共振子を直列共振子側と並列共振子側の両方に用いた場合の特性を説明する線図である。
【図8】本発明の付加容量を弾性表面波共振子に並列に付加した場合のインピーダンスの周波数特性図である。
【図9】本発明の付加容量を弾性表面波共振子に並列に付加した場合の、IDT対数による付加容量値の変化を示したグラフである。
【図10】本発明の付加容量を弾性表面波共振子に並列に付加した場合の、弾性表面波フィルタの周波数特性を示す線図である(1680MHz〜2080MHz)。
【図11】本発明の付加容量を弾性表面波共振子に並列に付加した場合の、弾性表面波フィルタの周波数特性を示す線図である(0MHz〜6000MHz)。
【図12】本発明の付加容量を弾性表面波共振子に並列に付加した場合の電気的等価回路図である。
【図13】本発明の弾性表面波共振子の両端に配設する反射器本数と弾性表面波の漏れ量を説明するグラフである。
【符号の説明】
1:圧電基板
2:周波数特性制御用のIDT電極
3:IDT電極
4:反射用電極
5:弾性表面波フィルタのグランド電極
6a:弾性表面波フィルタの入力電極
6b:弾性表面波フィルタの出力電極
7:***振点
8:共振点
C1、Co、Cp:コンデンサ
L1:インダクタ
R1:直列共振子
R2:並列共振子

Claims (2)

  1. 42°YカットX伝搬のLiTaO 単結晶からなる圧電基板上にIDT電極の複数をラダー型回路に接続した弾性表面波フィルタであって、
    少なくとも1つのIDT電極には付加IDT電極並列接続されており、前記付加IDT電極の両側には反射器電極が配置され、
    前記付加IDT電極及び反射器電極の電極膜厚をH(μm)、弾性表面波の波長をλ(μm)としたときに、H/λ=0.07〜0.11の関係を満たし、
    前記反射器電極の本数が10本以上であり、
    前記付加IDT電極を、該付加IDT電極と並列接続しているIDT電極から発生する弾性表面波の伝搬路の延長線上に配置したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 前記付加IDT電極の共振周波数は通過帯域外にあることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
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