JP4377102B2 - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体フレームにリンクを介してユニットスイング式動力ユニットを揺動自在に支持させたスクータ型自動二輪車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のスクータ型自動二輪車としては、例えば特公平3−75395号公報に開示されたものがある。この公報に示されたスクータ型自動二輪車は、動力ユニットの前端部と、車体フレームにおける前記動力ユニットの前端部と対向する部位とがリンクによって連結されている。
【0003】
前記動力ユニットは、エンジンと伝動ケースとが一体的に形成され、この伝動ケースの後端部に後輪が設けられている。
前記リンクは、前記エンジンの前端部から前下がりに傾斜して延びるように設けられ、車体前側の下端部が車体フレームにおける前記エンジンの前側下端部と対向する部位に連結されている。また、リンクとエンジンおよび車体フレームとの連結部分には、振動低減用のダンパーゴムがそれぞれ介装されている。すなわち、リンクは、このダンパーゴムの弾性変形分だけ車体フレームおよび動力ユニットに対して揺動する。
【0004】
一方、スクータ型自動二輪車に用いるエンジンは、一般に単気筒型のものが用いられており、運転時の振動を低減させるために、例えばクランク軸の後上方に1軸式のバランサが設けられている。このように1軸式のバランサを備えた単気筒エンジンは、バランサがクランク軸から径方向に離間されていることが起因してこれら両者の間に偶力のモーメントが生じる。このエンジンを装備した動力ユニットは、単体の状態では、側面視において、重心を中心とする仮想円に沿う方向へ回動するような振動が生じることが知られている。
【0005】
また、動力ユニットの振動は、上述したようにクランク軸とバランサとの間に生じる偶力が原因となって生じる他に、後輪から加えられる加速時の反力や減速時の反力などによっても生じることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
スクータ型自動二輪車は、女性でも手軽に乗ることができるものであり、振動が少なくなって乗り心地がより一層向上するように要請されている。しかし、上述したように構成された従来のスクータ型自動二輪車は、走行時に動力ユニットから車体フレーム側に伝達される振動が大きく、乗り心地を改善するにも限界があった。このように動力ユニットから伝達される振動が大きくなるのは、動力ユニットと車体フレームとを連結するリンクが揺動し難いからであると考えられる。
【0007】
すなわち、動力ユニットは、運転時には、前記偶力のモーメントが原因となって生じる振動や、後輪から加えられる加速時の反力や減速時の反力が原因となって生じる振動により、後輪を中心にして揺動するようになる。しかし、前記リンクは、動力ユニットの前端部から前下がりに延びているから、上述したように揺動する動力ユニットの前端部を押さえるようになる。この結果、リンクが揺動し難くなり、このリンクを介して動力ユニットの振動が車体フレームに伝達されてしまう。
【0008】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、動力ユニットからリンクを介して車体フレームに伝達される振動を低減することにより、乗り心地をより一層向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係るスクータ型自動二輪車は、動力ユニットのエンジンに1軸式のバランサを設け、前記バランサは、クランク軸との間に偶力が生じることによって、側面視において重心を中心とする仮想円に沿う方向へ動力ユニット単体が振動するように構成され、リンクと車体フレームとの連結部と、前記リンクと動力ユニットとの連結部とを、側面視において後輪の接地点から動力ユニットの重心を通って延びる仮想線に沿うように配置したものである。
動力ユニットは、クランク軸とバランサとの間に偶力が生じるときには、単体では側面視において重心を中心とする仮想円に沿う方向へ振動する。しかし、車体に搭載して後輪が接地されている状態では、動力ユニットは、主に側面視において後輪の接地点と重心とを結ぶ仮想線に対して略直交する方向に沿って振動する。このため、本発明に係るスクータ型自動二輪車によれば、リンクの長手方向が動力ユニットの振動方向とは略直交する方向になり、リンクが動力ユニットに追従して揺動する。
【0010】
請求項2に記載した発明に係るスクータ型自動二輪車は、動力ユニットのエンジンに1軸式のバランサを設け、前記バランサは、クランク軸との間に偶力が生じることによって、側面視において重心を中心とする仮想円に沿う方向へ動力ユニット単体が振動するように構成され、リンクと車体フレームとの連結部と、前記リンクと動力ユニットとの連結部と、後輪の接地点とが側面視において略一直線上に並ぶように構成したものである。
走行時に動力ユニットが後輪から加えられる加速時の反力や減速時の反力などによって振動するときには、この振動の方向は、後輪の接地点を中心とする仮想円に沿う方向になる。このため、本発明に係るスクータ型自動二輪車によれば、後輪から加えられる加速時の反力や減速時の反力により動力ユニットが振動するときの振動方向とは略直交する方向にリンクが延びるようになり、リンクが動力ユニットに追従して揺動する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスクータ型自動二輪車の動力ユニット支持装置の一実施の形態を図1ないし図15によって詳細に説明する。
図1は本発明に係るスクータ型自動二輪車の側面図、図2は車体フレームの平面図、図3は上部フレームの前側半部の側面図、図4は同じく平面図である。図5は上部フレームの後側半部の側面図、図6は同じく平面図である。図7は下部フレームの側面図、図8は同じく平面図である。図9は図3における左側ダウンフレームのIX−IX線断面図、図10は図5における車体左側の前後方向延在部のX−X線断面図、図11は図5における車体左側の前後方向延在部のXI−XI線断面図である。図12は車体フレームの斜視図、図13は図5におけるXIII−XIII線断面図、図14は図13におけるXIV−XIV線断面図、図15はリンクを設ける位置を説明するための側面図である。
【0012】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態によるスクータ型自動二輪車(以下、単にスクータという)である。このスクータ1は、後輪2を有するユニットスイング式動力ユニット3が車体フレーム4の後部に本発明に係るリンク5を介して上下方向に揺動自在に支持されている。図1において、6は前輪を示し、7はフロントフォーク、8は操向ハンドル、9はシート、10は車体カバーを示す。
【0013】
前記動力ユニット3は、従来からよく知られているものと同等のもので、エンジン11と伝動ケース12とが一体的に形成され、前記伝動ケース12の後端部に後輪2が支持されている。この後輪2は、伝動ケース12内に設けたVベルト式自動変速機(図示せず)を介してエンジン11から動力が伝達される。
【0014】
図1において、伝動ケース12の上方に設けた符号13で示すものは、エンジン11のエアクリーナである。この動力ユニット3は、クランクケース14の上部が本発明に係るリンク5を介して車体フレーム4に揺動自在に連結され、伝動ケース12の後端部がリヤクッションユニット15を介して車体フレーム4の後端部に接続されている。このリヤクッションユニット15も従来からよく知られているものと同等の構造で、図示してはいないが、クッションスプリングと油圧式ダンパーとを備えている。
【0015】
また、前記エンジン11は、図15に示すように、クランク軸16より車体後側の上方に1軸式のバランサ17が設けられている。このため、この動力ユニット3は、単体では側面視において重心Gを中心とする仮想円に沿う方向へ振動し、車体に搭載されて後輪2が路面18に接地されている状態では、主に、側面視において後輪2の接地点Pと重心Gとを結ぶ仮想線Lに対して略直交する方向へ振動する。この仮想線Lは、図15においては、車体の前後方向に幅をもたせて描いてある。これは、乗員の体重や、燃料や荷物の重量などによって車体フレーム4の高さが変化するからである。なお、図15に示す仮想線Lは、標準体重の成人男性が一名乗車したときの状態で描いてあり、また、この状態に基づいて設計される。
【0016】
前記車体フレーム4は、前記フロントフォーク7および操向ハンドル8を回動自在に支持するヘッドパイプ21から足乗せ部22およびシート9の下方を通って車体の後端部まで延びる上部フレーム23と、この上部フレーム23の途中から下方へ延びる下部フレーム24とによって構成されている。前記上部フレーム23は、アルミニウム合金によって形成され、下部フレーム24は、鉄系合金によって形成されている。すなわち、この車体フレーム4は、一部を相対的に軽量なアルミニウム合金により形成することによって軽量化が図られている。
【0017】
前記上部フレーム23は、ヘッドパイプ21から足乗せ部22まで延びる前側半部25と、この前側半部25の後端部に溶接して車体の後端部まで延びる後側半部26とに分けて形成されている。前記前側半部25は、図3および図4に示すように、ヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から後下がりに延びる左右一対のダウンフレーム27と、これらのダウンフレーム27どうしの間に介装した二つのクロスメンバ28,29とから構成され、いわゆるグラビティ鋳造によって成形されて前記各部が一体に形成されている。このグラビティ鋳造とは、溶湯を重力によって金型内に充填する鋳造法のことである。
【0018】
前記ダウンフレーム27は、図9に示すように、横断面が閉形状となる箱状に形成されている。また、前記二つのクロスメンバ28,29のうちヘッドパイプ21側に位置する前側クロスメンバ28は、図3に示すように、縦断面が閉形状となるように形成され、他方の後側クロスメンバ29は、断面へ字状に形成されている。両ダウンフレーム27における前記後側クロスメンバ29の近傍には、後述する下部フレーム24の前端部を取付けるための取付座30が設けられている。
【0019】
上部フレーム23の後側半部26は、図5および図6に示すように、車幅方向の両端部において車体の前後方向へ延びる左側前後方向延在部31および右側前後方向延在部32と、これらの前後方向延在部31,32どうしを前端部と中央部と後端部とで接続する第1〜第3のクロスメンバ33〜35とから構成されており、真空ダイキャスト法によって成形されて前記各部が一体に形成されている。
【0020】
前記左右の前後方向延在部31,32は、車体の前後方向の中央部にそれぞれ後述する動力ユニット支持用リンク5を介して動力ユニット3の前部が上下方向に揺動自在に連結され、車体左側の前後方向延在部31の後端部には、リヤクッションユニットの上端部を接続するためのクッションユニット用ブラケット36が設けられている。また、左右の前後方向延在部31,32の前端部には、後述する下部フレーム24の中途部分を接続するためのブラケット37が下方に突出するように設けられている。
【0021】
前記後側半部26の左側前後方向延在部31と右側前後方向延在部32とを接続する第1〜第3のクロスメンバ33〜35のうち両前後方向延在部31,32の前端部どうしを接続する第1のクロスメンバ33と、中央部どうしを接続する第2のクロスメンバ34は、これらの間にヘルメットを収納可能な大型の収納ボックス(図示せず)を装着することができるように形成されている。
すなわち、第1のクロスメンバ33の後面は、車幅方向の中央部に向かうにしたがって次第に前方に位置するように形成され、第2のクロスメンバ34の前面は、車幅方向の中央部が両端部より後方に位置するように形成されている。なお、前記収納ボックスは、従来のスクータに搭載されるものと同等の構造を採っており、シート9によって上端の開口が開閉されるものである。
左右の前後方向延在部31,32の後端部どうしを接続する第3のクロスメンバ35は、図12に示すように、上方に向けて開口する箱状に形成されており、図示していないバッテリーが収納されている。
【0022】
前記左右の前後方向延在部31,32と第1〜第3のクロスメンバ33〜35からなる後側半部26は、図5中に符号Aで示す範囲にある前部と、同図中に符号Bで示す範囲にある後部とで異なる金型を使用して成形されている。後側半部26の前部は、車幅方向に分割する金型によって成形され、後部は、上下方向に分割する金型によって成形されている。このため、左右の前後方向延在部31,32の前部は、図10に示すように、側方に向けて開放するコ字状に形成され、後部は、図11に示すように、下方に向けて開放するコ字状に形成されている。
【0023】
このように分割方向の異なる金型によって後側半部26を成形することにより、前後方向延在部31,32の前部における横方向の剛性を向上させることができ、後部における縦方向の剛性を向上させることができる。前後方向延在部31,32の前部の横方向の剛性を向上させているのは、この前部は、前記前側半部25の二つのダウンフレーム27に接続されるとともに、動力ユニット3の前部を接続しており、コーナリング時などでは主に横方向に荷重が加えられるからである。
【0024】
前後方向延在部31,32の前部に接続する前側半部25のダウンフレーム27は後下がりに延びており、このダウンフレーム27に前後方向延在部31,32の前端部が上下方向に強固に支持されるから、前側半部25と後側半部26とを組み合わせることによって、ねじり方向の剛性が高い上部フレーム23を形成することができる。この実施の形態では、前記前後方向延在部31,32のみにおいてもねじり方向の剛性が高くなるように、断面横向きコ字状の前部におけるコの字の内側に、側面視においてX字状の補強用リブ38(図1,3,10,12参照)が一体に形成されている。
【0025】
また、前後方向延在部31,32の後部において、縦方向の剛性を向上させているのは、この後部は、リヤクッションユニット15からクッション反力が加えられるからである。この結果、リヤクッションユニット15から後側半部26に加えられるクッション反力の許容値を増大させることができる。この実施の形態では、図11に示すように、前後方向延在部31,32の後部の上面に溝39を形成するように縦壁40,41が突設されている。この溝39によって縦方向の剛性をさらに向上させることができるとともに、この溝39に、バッテリーやテールランプなどの他の電装品に接続するケーブル42を収納することができる。
【0026】
本発明に係る動力ユニット支持装置を構成する動力ユニット支持用リンク5は、図5,6および図13,14に示すように、前記左右の前後方向延在部31,32の車体内側の近傍にそれぞれ配置され、両前後方向延在部31,32に二つずつ設けた円筒状ボス51,52に後述するダンパーゴム53,54を介してそれぞれ弾性支持されている。
【0027】
この実施の形態においては、このリンク5は、打ち抜き加工によって板状に形成された側板58,59と、これらの側板58,59の長手方向の両端部と中途部との三箇所に溶接された引き抜き材からなるボス55〜57とによって形成されている。
前記円筒状ボス51,52は、車体フレーム4の後側半部26にリンク5の側方で上下方向に延びるように延設された延設部26a(図5参照)に形成され、上下方向に並ぶとともに、上側のボス51が下側のボス52より車体前側に位置するように形成されている。
【0028】
このスクータにおいては、前記二つの円筒状ボス51,52は、図15に示すように、後輪2の接地点Pから動力ユニット3の重心Gを通って延びる仮想線Lに沿う位置に形成されている。また、これらの円筒状ボス51,52に支持されたリンク5の揺動端部も前記仮想線Lに沿う位置に配設されている。すなわち、このスクータ1は、リンク5と車体フレーム4との連結部と、リンク5と動力ユニット3との連結部と、後輪2の接地点Pとが側面視において略一直線上に並ぶように構成されており、リンク5は、この実施の形態では後下がりに延びるように傾斜されている。
【0029】
リンク5の三箇所のボス55〜57のうち、前記揺動基部を構成する上端部のボス55と、中途部のボス56には、図13に示すように、フレーム連結用の支軸61,62が車体外側へ向けて突出するようにそれぞれ立設され、前記揺動端部を構成する下端部のボス57には、動力ユニット連結用の支軸63が挿通されている。前記支軸61,62が本発明に係るリンク5と車体フレーム4との連結部J1(図15参照)を構成し、前記支軸62が本発明に係るリンク5と動力ユニット3との連結部J2(図15参照)を構成している。
【0030】
前記フレーム連結用の前記支軸61,62は、ボルトからなり、リンク5のボス55,56を貫通するとともに、車体フレーム4の前記円筒状ボス51,52をも貫通して頭部が側方に突出しており、前記円筒状ボス51,52の内部に設けたダンパーゴム組立体64,65の中心部をリンク5に締結させている。
これらのダンパーゴム組立体64,65は、図13および図14に示すように、前記支軸61,62が嵌入されてリンク5に締結される内筒66,67と、前記円筒状ボス51,52の内周面に圧入された外筒68,69と、これらの内筒66,67と外筒68,69との間に介装された前記ダンパーゴム53,54とによって構成されている。
【0031】
ダンパーゴム53,54は、前記内筒66,67と外筒68,69の間に充填された状態で凝固され、内筒66,67の外周面と外筒68,69の内周面とに接着されている。すなわち、このダンパーゴム組立体64,65を円筒状ボス51,52に圧入するとともに、支軸61,62でリンク5に締結させることによって、リンク5より車体の外側に位置するダンパーゴム53,54を介してリンク5が車体フレーム4に弾性支持される。
【0032】
また、前記ダンパーゴム53,54には、図14に示すように、軸心部の二箇所に溝71が側面視において点対称になるように形成されている。この溝71は、ダンパーゴム53,54の軸線方向(車体の左右方向)に沿って一方の端面から他方の端面に延びるように形成されている。このように溝71をダンパーゴム53,54に形成することにより、ダンパーゴム53,54の弾発力は、これらの溝71と対応する部位で相対的に小さくなる。
【0033】
上側の円筒状ボス51,52に装着したダンパーゴム53,54の溝71は、リンク5の長手方向に沿って並ぶように形成され、下側の円筒状ボス51,52に装着したダンパーゴム53,54の溝71は、リンク5の長手方向とは略直交する方向に並ぶように形成されている。このため、上側のダンパーゴム53,54は、リンク5の長手方向に対する弾発力が相対的に小さくなり、下側のダンパーゴム53,54は、リンク5の長手方向とは略直交する方向に対して弾発力が相対的に小さくなる。
【0034】
このように溝71をダンパーゴム53,54に形成することにより、リンク5の揺動端部にその長手方向とは略直交する方向(図14中に矢印Rで示す)に荷重が加えられたときに、上側のダンパーゴム53においては同方向へは弾発力が相対的に大きくなり、下側のダンパーゴム54においては弾発力が相対的に小さくなることから、リンク5が揺動基部を中心として車体の前後方向に揺動し易くなる。
【0035】
リンク5の揺動端部に設けられた動力ユニット連結用の支軸63は、ボルトからなり、図13に示すように、両リンク5,5どうしの間に介装した二つの筒状スペーサ72,73を貫通して車体左側のリンク5から車体右側のリンク5に延びており、両リンク5と前記スペーサ72,73とを締結させている。このため、車体左側のリンク5と車体右側のリンク5とが動力ユニット連結用の支軸63によって互いに接続され、車体の前後方向からみて上方に向けて開放するコ字状のリンク組立体74が形成されている。
【0036】
前記スペーサ72,73は、動力ユニット3の連結用ブラケット75(図1参照)に接続されるスリーブ76がすべり軸受77を介して回動自在に設けられている。すなわち、動力ユニット3は、前記スリーブ76がスペーサ72,73に対して回動することにより、リンク5および車体フレーム4に対して上下方向に揺動する。
【0037】
車体フレーム4の前記下部フレーム24は、図7および図8に示すように、前記上部フレーム23の下方で前後方向に延びる左右一対のパイプ81,82と、これらのパイプ81,82どうしの間に横架させた第1〜第4のクロスメンバ83〜86とから構成されている。
【0038】
前記両パイプ81,82は、図7に示すように、下方に向けて凸になる山形状に形成され、前端部が上部フレーム23の前側半部25に固定用ボルト87によって固定され、後端部が上部フレーム23の後側半部26に連結用ブラケット88を介して固定されている。この連結用ブラケット88は、パイプ81,82と同等の鉄系合金によって箱状に形成され、下端部がパイプ81,82に溶接されるとともに上端部が前記後側半部26に固定用ボルト89(図1参照)によって固定されている。
【0039】
また、両パイプ81,82における下側で前後方向に延びる部分の前端部は、連結板90が上方へ延びるように設けられており、この連結板90と、前記後側半部26の前端部に下方へ延びるように設けたブラケット37とを図1に示すように固定用ボルト91で締結させることによって、上部フレーム23に支持されている。
これらの左右のパイプ81,82には、車体カバー10の下部を支持するためのステー92〜94と、サイドスタンド支持用ステー95などを溶接するとともに、図示していないブラケットを介してラジエータ96を支持させている。
【0040】
前記ラジエータ96は、従来からよく知られているものと同等の横向き水流型のもので、図1および図7に示すように、前記両パイプ81,82の後下がりに延びる前端部の下方に前上方を指向するように傾斜させて配置されている。この実施の形態では、ラジエータ96とエンジン11との間の冷却水通路の一部を前記両パイプ81,82によって形成している。ラジエータとパイプ81,82とを接続する冷却水ホースを符号97で示し、パイプ81,82とエンジン11とを接続する冷却水ホースを符号98(図1,8参照)で示す。
【0041】
下部フレーム24の前記両パイプ81,82どうしを接続する第1〜第4のクロスメンバ83〜86のうち第1〜第3のクロスメンバ83〜85は、鋼板によって形成され、第4のクロスメンバ86は、パイプによって形成されている。また、第3のクロスメンバ85は、図8に示すように、平面視においてX字状に形成され、前後、左右の四箇所が両パイプ81,82に溶接されている。この第3のクロスメンバ85には、図1に示すように、燃料タンク99を支持させている。この燃料タンク99は、第3のクロスメンバ85の上方であって前記収納ボックスとの間に形成される空間に収納されている。
第4のクロスメンバ86は、車体の後方から見て下方に向けて凸になる山形状に形成され、車幅方向の中央部にメインスタンド用ブラケット100が溶接されている。
【0042】
上述したように構成されたスクータ1においては、エンジン運転時にはクランク軸16とバランサ17との間に偶力が生じることから、動力ユニット3に振動が生じる。この振動は、側面視において後輪2の接地点Pから動力ユニット3の重心Gを通って延びる仮想線Lとは略直交する方向に発生する。
この実施の形態によるスクータ1は、図15に示すように、車体フレーム4とリンク5との連結部(支軸61,62により連結される二箇所)と、前記リンク5と動力ユニット3との連結部(支軸63により連結される部分)とが、前記仮想線Lに沿うように配設されており、リンク5の長手方向が前記振動の方向に対して略直交するから、リンク5が動力ユニット3に追従して確実に揺動するようになる。
したがって、動力ユニット3からリンク5を介して車体フレーム4に伝達される振動は、リンク5が揺動することによって低減される。
【0043】
また、このスクータ1は、リンク5と車体フレーム4との連結部と、リンク5と動力ユニット3との連結部と、後輪2の接地点Pとが側面視において略一直線上に並ぶように構成されているから、後輪2から加えられる加速時の反力や減速時の反力などによって動力ユニット3が振動するときにも、リンク5が確実に揺動し、動力ユニット3からリンク5を介して車体フレーム4に伝達される振動が低減される。これは、後輪2から加えられる加速時の反力や減速時の反力などによって動力ユニット3が振動する場合にも、動力ユニット3は、後輪2の接地点Pを中心とする仮想円に沿う方向へ振動するからである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、クランク軸とバランサとの間に偶力が生じることに起因して動力ユニットが振動するときの振動方向に対して、リンクの長手方向が略直交する方向になるから、リンクは、動力ユニットに追従して確実に揺動する。このため、動力ユニットの振動をリンクが揺動することによって減衰させることができ、振動が少ない乗り心地をより一層向上させることができる。
【0045】
請求項2記載の発明によれば、後輪から加えられる加速時の反力や減速時の反力により動力ユニットが振動するときの振動方向とは略直交する方向にリンクが延び、リンクは、動力ユニットに追従して揺動するようになる。このため、動力ユニットの振動をリンクが揺動することによって減衰させることができ、振動が少ない乗り心地をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクータ型自動二輪車の側面図である。
【図2】 車体フレームの平面図である。
【図3】 上部フレームの前側半部の側面図である。
【図4】 上部フレームの前側半部の平面図である。
【図5】 上部フレームの後側半部の側面図である。
【図6】 上部フレームの後側半部の平面図である。
【図7】 下部フレームの側面図である。
【図8】 下部フレームの平面図である。
【図9】 図3における左側ダウンフレームのIX−IX線断面図である。
【図10】 図5における車体左側の前後方向延在部のX−X線断面図である。
【図11】 図5における車体左側の前後方向延在部のXI−XI線断面図である。
【図12】 車体フレームの斜視図である。
【図13】 図5におけるXIII−XIII線断面図である。
【図14】 図13におけるXIV−XIV線断面図である。
【図15】 リンクを設ける位置を説明するための側面図である。
【符号の説明】
2…後輪、3…動力ユニット、4…車体フレーム、5…リンク、16…クランク軸、17…バランサ、23…上部フレーム、26…後側半部、51,52…円筒状ボス、55〜57…ボス、61〜63…支軸、G…重心、L…仮想線、P…接地点、J1,J2…連結部。

Claims (2)

  1. 車体フレームに揺動可能に支持されたリンクの揺動端部に後輪を有するユニットスイング式動力ユニットを揺動自在に支持させたスクータ型自動二輪車において、前記動力ユニットのエンジンに1軸式のバランサを設け、前記バランサは、クランク軸との間に偶力が生じることによって、側面視において重心を中心とする仮想円に沿う方向へ動力ユニット単体が振動するように構成され、前記リンクと車体フレームとの連結部と、前記リンクと動力ユニットとの連結部とを、側面視において後輪の接地点から動力ユニットの重心を通って延びる仮想線に沿うように配置してなるスクータ型自動二輪車。
  2. 車体フレームに揺動可能に支持されたリンクの揺動端部に後輪を有するユニットスイング式動力ユニットを揺動自在に支持させたスクータ型自動二輪車において、前記動力ユニットのエンジンに1軸式のバランサを設け、前記バランサは、クランク軸との間に偶力が生じることによって、側面視において重心を中心とする仮想円に沿う方向へ動力ユニット単体が振動するように構成され、前記リンクと車体フレームとの連結部と、前記リンクと動力ユニットとの連結部と、後輪の接地点とが側面視において略一直線上に並ぶように構成してなるスクータ型自動二輪車。
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