JP4376074B2 - 硬貨取扱装置およびそれを用いた釣銭管理システム - Google Patents
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このため、店舗での締めの際にレジスタの現金を一旦全て入金して売上金を管理すると共に、改めて釣銭のための紙幣や硬貨を金種別に出金する釣銭管理システムの開発が期待されている。
また、硬貨受部に出金される硬貨が金種を混合して集積されるため、オペレータがレジスタに硬貨を投入する際には改めて硬貨を仕分けることが必要になるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、設備投資の抑制を図ると共に、レジスタでの硬貨の仕分けが容易で、出金処理における防犯性を高めることができる釣銭管理システムを提供することを目的とする。
また、自動ロック機構を設けたことにより、出金処理中に誤って出金箱が引き抜かれ硬貨がこぼれることによる硬貨の紛失や硬貨がこぼれて硬貨取扱装置内に入り込むことで発生する故障を防ぐことができるという効果が得られる。
図1において、1は釣銭管理システムであり、硬貨取扱装置2と上位装置としての現金自動取引装置3とを接続して構成されている。
現金自動取引装置3は、顧客のキャッシュカード等の取引カードの読み取りを行うためのカードリーダ部3a、タッチパネル等の入力手段と取引操作等を案内する文言や硬貨の入出金処理結果等を表示する表示画面とを有する操作表示部3b、明細票を印刷する図示しない印刷部等を備えて顧客との現金の取引を行う他、硬貨取扱装置2への硬貨の入出金処理の指示およびその硬貨の入出金処理結果等の表示等を行う。
入金ホッパ5は上部から下部へ向けて縮小する円錐状や角錐状に形成された斜面を有する受皿であって、硬貨投入口4aから投入された硬貨を受け取る。
硬貨繰出部6は入金ホッパ5の下方に配置されており、硬貨を一枚ずつ分離して繰出す機能を有している。
8は硬貨識別部であり、硬貨繰出部6から硬貨搬送部7により搬送された硬貨の金種等を識別する。
9はリジェクト箱であり、リジェクト扉9aを開けることにより取り出しが可能なように硬貨取扱装置2に着脱可能に装着されており、硬貨識別部8で変形硬貨、偽造硬貨、異物等と識別されたリジェクト貨が硬貨搬送部6から分岐するリジェクトシュート10により導かれて集積される。
12は返却箱であり、返却扉12aを開けることにより取り出しが可能なように硬貨取扱装置2に着脱可能に装着されており、一時保管部11の硬貨をオペレータ等に返却する際にその硬貨を集積する。
14は出金ホッパ部であり、一時保管部11に保管されている硬貨を金種別に収納すると共に、収納した硬貨を一枚ずつ繰出す機能を有している。
一時保管部11から出金ホッパ部14への硬貨を集積する場合は、一時保管部11のシャッタ11aを返却箱12の側へ開作動させて開放し、一時保管している金種別の硬貨を金種別シュート部15bを通じて出金ホッパ部14へ落下させる。
出金箱17は、硬貨を金種別に集積するために金種別に内部が仕切られた筐体であり、硬貨取扱装置2に着脱可能に装着されており、出金ホッパ部14より繰出され、それぞれの出金シュート部16により導かれた硬貨を金種別に集積する。また出金箱17には光の遮断や電気接点等により出金箱17の着脱状態を検知する図示しない着脱検知センサが設けられている。
18は出金扉であり、出金箱17を引き出すときにオペレータが矢印のAの方向に開放して開く扉であって、鍵により開錠と施錠を行う手動ロック機構19および図3に示す自動ロック機構20が設けられている。また出金扉18には光の遮断や電気接点等により出金扉18の開閉状態を検知する図示しない開閉検知センサが設けられている。
20cはレバーであり、一方の端部が出金扉18に設けられた掛止部18aに形成された溝部に掛合わされると共に他方の端部が回転支点20dに回転自在に支持されている。またレバー20cの略中央部には、ソレノイド20aのプランジャ20bの先端が連結している。
自動ロック機構20を開錠する場合は、ソレノイド20aを非通電としてプランジャ20bを突出させ、レバー20cを回転中心20dを中心として図3に示す矢印B方向に回転させて掛止部18aとの掛合わせを解除する。
なお、自動ロック機構20は常時は、ソレノイド20aを非通電として開錠状態となっており、硬貨取扱装置2の出金処理中のみソレノイド20aに通電して出金扉18を施錠するように作動する。
本実施例において出金処理を行う場合は、出金処理を行うオペレータが業務用カードを現金自動取引装置3のカードリーダ3aに挿入する。
現金自動取引装置3は挿入された業務用カードに記録されているカード情報を読み取り、業務用カードが挿入されたことを認識して操作表示部3bを通常の一般顧客用の取引選択画面からオペレータが行う資金の出金やレジスタへの釣銭の補充等の出金処理、売上金の途中入金や出金ホッパ部14への釣銭準備金の補充等の入金処理等の業務選択ボタンを表示した業務選択画面に切り替える。
現金自動取引装置3は入力された硬貨の金種別枚数を出金指令として硬貨取扱装置2に送信する。出金指令を受信した硬貨取扱装置2は硬貨の残金を確認し、出金指令の硬貨の出金が可能であるとき、出金箱17が出金処理の途中で引き出されないように自動ロック機構20を施錠し、出金指令の金種別枚数を出金ホッパ部14から出金シュート部16に繰出して出金箱17に金種別に集積する。
図示しない集積検知センサが最後の硬貨を検知してから一定時間経過したとき、硬貨取扱装置2は出金指令による出金すべきすべての硬貨を出金箱17に集積したことを認識して、現金自動取引装置3へ出金終了通知を送信すると共に自動ロック機構20を開錠する。
その後オペレータは所持している鍵により手動ロック機構19を開錠して出金扉18を開けて出金箱17を引き出し、レジスタ等へ硬貨を移す。そしてオペレータは空の出金箱17を硬貨取扱装置2に戻し、出金扉18を閉じて手動ロック機構19を鍵により施錠する。
また、自動ロック機構を設けて出金処理中に施錠を行うことで、出金処理中に誤って出金箱が引き抜かれ、硬貨がこぼれることによる硬貨の紛失や硬貨取扱装置内に入り込むことで発生する故障を防止することができる。
さらに、スーパーマーケット等で釣銭用硬貨をレジに補充する場合に顧客サービスによりすぐに出金箱の硬貨をレジスタ等へ運べないときは、出金箱内に硬貨を入れたままにしておき、都合のよいときに手動ロック機構を開錠して取り出すことができるので防犯性を維持して、オペレータの負担を軽減すると共に顧客サービスを充実させることができる。
さらに、現金自動取引装置は業務用カードと明細票を排出した後、操作表示部の画面を一般顧客用の取引選択画面に戻すので、出金の指示を行ったオペレータが出金箱から硬貨を取り出したり出金箱を硬貨管理装置内に入れたままにしても、現金自動取引装置は通常通りの取引が行えるので現金自動取引装置を利用する顧客の取引を妨げることなく業務用の出金処理等を行うことができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4、図5において、40は制御キー差込部であり、硬貨取扱装置2の硬貨投入口の近傍に設けられ、オペレータが所持する制御キーを差して規定の方向に回すことで、出金扉18に設けられた自動ロック機構41a、リジェクト扉9aに設けられた自動ロック機構41b、返却扉12aに設けられた自動ロック機構41cを開錠する。
自動ロック機構41a、41b、41cを開錠する場合は、ソレノイド42に通電して嵌合穴44に嵌合していたプランジャ43を吸引し、嵌合を解除して自動ロック機構41a、41b、41cを開錠する。
自動ロック機構41a、41b、41cは常時は施錠されており、開錠する条件は制御キーを回動することおよび開錠する扉と硬貨取扱装置2が硬貨処理を行っている処理中は関係する扉を開かないことである。
そして、オペレータが特定の扉を選択して硬貨取扱装置2の制御キー差込部40に制御キーを差し込んで回すと硬貨取扱装置2は選択された扉を開錠する。
出金処理の場合は出金処理が終了していないときに出金扉18を開け、出金箱17を取り出してしまうと硬貨の紛失や硬貨取扱装置2の故障の原因となることから出金扉18の自動ロック機構41aの開錠条件は「制御キーの回動」と「出金処理中でない」と設定する。
出金終了通知を受信した現金自動取引装置3は業務用カードと明細票を排出し、オペレータがこれらを受け取ったことを確認して操作表示部3bの画面を一般顧客用の取引選択画面に戻して通常の取引が行えるようにする。
その後オペレータは出金扉18を開けて、出金箱17を引き出し、レジスタ等へ硬貨を移す。そしてオペレータが空の出金箱17を硬貨取扱装置2に戻して出金扉18を閉めると、硬貨取扱装置2はこれを検知して自動ロック機構41を施錠する。
リジェクト扉9aの自動ロック機構41bの開錠条件は入金処理で入金した硬貨の内のリジェクト貨をリジェクト箱9に集積するときに、入金処理中にリジェクト扉9aを開くとリジェクト貨がこぼれて硬貨取扱装置2の内部に落ちることがあり、リジェクト貨の紛失や硬貨取扱装置2の故障の原因になることから「制御キーの回動」と「入金処理中でない」と設定する。
入金処理を行うオペレータが業務用カードを現金自動取引装置3のカードリーダ3aに挿入すると、現金自動取引装置3は挿入された業務用カードの記録されているカード情報を読み取り、業務用カードの挿入を認識して操作表示部3bを通常の一般顧客用の取引選択画面から業務選択画面に切り替える。
オペレータが暗証番号を入力すると、現金自動取引装置3は硬貨取扱装置2の硬貨投入部4への硬貨の投入を促す文言を表示すると共に硬貨取扱装置2へ硬貨の計数指令を送信する。
そして硬貨取扱装置2は硬貨識別部8により正常な硬貨と識別した硬貨を、金種別シュート部15aを介して一時保管部11へ搬送して金種別に保管すると共に一時保管部11に保管した硬貨の金種別枚数を計数する。
投入された全ての硬貨の識別が終了すると、硬貨取扱装置2は一時保管部11に保管した全ての硬貨の金種別枚数等を記した計数終了通知を現金自動取引装置3に送信する。これを受信した現金自動取引装置3は一時保管部11に保管された硬貨の金種別枚数と合計額を操作表示部3bに表示すると共に、一時保管部11に保管された硬貨の入金を確定するための「確認」キーと投入した硬貨の返却を要求するための「返却」キーを表示する。
入金指令を受信した硬貨取扱装置2は一時保管部11に保管されている硬貨を金種別シュート部15bを介して出金ホッパ部14へ搬送して金種別に収納する。
「返却」キーが押下された場合は、現金自動取引装置3は硬貨取扱装置2に一時保管部11内の硬貨の返却指令を送信する。
硬貨取扱装置2は返却する硬貨をすべて返却箱12に集積すると、現金自動取引装置3へ返却終了通知を送信する。
そして、オペレータが制御キーを制御キー差込部40に差し込んで回すと、返却扉12aの自動ロック機構の開錠条件つまり「制御キーの回動」と「返却処理中でない」が満たされるので硬貨取扱装置2は自動ロック機構41を開錠する。
以上説明したように、本実施例では一つの制御キー差込部により各部の自動ロック機構の開錠を行えるようにしたため、操作を容易に行うことができ、またコストの低減を図ることができる。
なお、実施例2において自動ロック機構の開錠条件を制御キーを回動することおよび開錠する扉と硬貨取扱装置2が行っている処理の内容とが無関係であることとして説明したが、本実施例では一時保管部から出金ホッパ部へ硬貨を搬送しているとき、返却箱内に硬貨は搬送されないため返却箱および返却扉は無関係な部位となるが、一時保管部の下部のシャッタは返却箱の側へ閉作動するためオペレータが返却箱を取り出そうとするとシャッタに触れてしまい危険であるので出金ホッパ部へ硬貨を搬送しているとき返却扉は施錠することが望ましい。このようにオペレータにとって危険が伴うときは、安全性に問題のないことを開錠の条件に設定するとよい。
2 硬貨取扱装置
3 現金自動取引装置
3a カードリーダ部
3b 操作表示部
4 硬貨投入部
4a 硬貨投入口
5 入金ホッパ
6 硬貨繰出部
7 硬貨搬送部
8 硬貨識別部
9 リジェクト箱
9a リジェクト扉
10 リジェクトシュート
11 一時保管部
11a シャッタ
12 返却箱
12a 返却扉
14 出金ホッパ部
15a、15b 金種別シュート部
16 出金シュート部
17 出金箱
18 出金扉
18a 掛止部
19 手動ロック機構
20,41a、41b、41c 自動ロック機構
20a、42 ソレノイド
20b、43 プランジャ
20c レバー
20d 回転支点
40 制御キー差込部
44 嵌合穴
Claims (2)
- 装置上部に設けられた硬貨投入口と、硬貨を金種別に収納する出金ホッパと、装置下部に設けられていて出金する硬貨を集積する出金箱と、該出金箱の着脱の際に開閉する出金扉と、通電により該出金扉の施錠および開錠を行うロック機構と、前記硬貨投入口の近傍で装置上面に設けられたキー差込部とを備え、
前記出金ホッパから硬貨を繰出し、前記出金箱へ硬貨を集積している出金処理後に、制御キーが前記キー差込部に差し込まれて回動したときに、前記ロック機構に通電が行われることで開錠動作させて前記出金扉を開放可能としたことを特徴とする硬貨取扱装置。 - 請求項1において、リジェクト貨を集積するリジェクト箱と、装置側面に設けられて該リジェクト箱の着脱の際に開閉するリジェクト扉と、返却される硬貨を集積する返却箱と、装置側面に設けられて該返却箱の着脱の際に開閉する返却扉を設けると共に、前記リジェクト扉と前記返却扉とに前記ロック機構を設け、
入金処理中ではなく、制御キーが前記キー差込部に差し込まれて回動したときに、前記リジェクト扉の前記ロック機構に通電が行われることで開錠動作させ、前記リジェクト扉を開放可能とし、
返却処理中ではなく、制御キーが前記キー差込部に差し込まれて回動したときに、前記返却扉の前記ロック機構に通電が行われることで開錠動作させ、前記返却扉を開放可能としたことを特徴とする硬貨取扱装置。
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