JP4375637B2 - レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバのような長尺のレーザ光導光体の内部に含まれるレーザ活性物質に励起光を供給することによってレーザ発振もしくは増幅を行わせるレーザ装置とおよびその製造方法、並びにそのレーザ装置を構成するために使用する複合光学媒体に関し、とくに、光通信、光計測、レーザ加工などの分野に適用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、光通信、光計測、レーザ加工の分野では、より高出力またはより高効率で、かつより安価なレーザ装置の開発が望まれている。従来、この要請を満たせる可能性の高いものとして光ファイバレーザ装置が知られている。
【0003】
光ファイバレーザ装置は、レーザ活性物質を含むコア部とこのコア部を同軸状に囲繞するクラッド部からなる光ファイバをレーザ光導光体(いわゆるレーザ媒体)として使用するものであり、コア部の径並びに、コア部とクラッド部間の光屈折率差等を適切に選定することで、比較的簡単にレーザー発振の横モードを単一にすることができる。
【0004】
また、光ファイバ内に光を高密度に閉じこめることでレーザ活性物質と光との相互作用を高められる。さらに、光ファイバの長さを長くすることで相互作用長を大きくとれるので、高い効率で空間的に高品質のレーザ光を発生することができる。したがって、質の良いレーザ光を比較的安価に得ることができる。
【0005】
ここで、レーザ光のさらなる高出力化または高効率化を実現するには、光ファイバのレーザ活性イオンまたは色素、その他の発光中心(以下、レーザ活性物質という)の添加領域(通常はコア部)に効率良く励起光を導入して吸収させる必要がある。
ところが、通常、単一モードの導波条件を満たすようにコア径を設定すると、その径は十数μm以下に限定されるので、この径に効率良く励起光を導入するのは一般的に困難である。
【0006】
上記困難を克服する手段として、たとえば特願平10−350306号公報にて「ファイバレーザ装置及びファイバ加工装置」が提案されている。この提案技術のレーザ装置においては、レーザ活性物質を含むコアを有し、かつその活性物質が励起されることによって端部からレーザ光を出力するレーザファイバが、その活性物質を励起するための励起光を閉じ込める得る導光構造体と直接または光学媒質を介して間接的に接触しており、その接触した部分を通じて入射する励起光により上記活性物質が励起される。
【0007】
つまり、励起光を閉じ込め得る構造の励起光導光体を使用し、この励起光導光体を介してファイバ状のレーザ光導光体の側面から励起光を導入させるようにしたものであり、励起光はレーザ光導光体の長手方向に分布した状態で導入される。このようにしてレーザ光導光体に分布導入された励起光により、そのレーザ光導光体の内部に含まれるレーザ活性物質を励起することができる。
【0008】
この場合、励起光導光体への励起光の導入は、その励起光導光体の任意の個所に設けられた入射プリズム部などを介して行うことができる。励起光導光体に入射された励起光は、その励起光導光体の内部で反射を繰り返しながら、その励起光導光体の内部全体に拡がって、レーザ光導光体の側面と直接または間接的に接触する部分から、そのレーザ光導光体に導入される。
【0009】
励起光導光体は、たとえば中空円筒状あるいは扁平ディスク状の構造体であって、励起光源から導入された励起光を内部反射により閉じ込めながら伝達する。この構造体にファイバ状のレーザ光導光体を巻き付けるなどして、レーザ光導光体が所定長さ範囲にわたって励起光導光体の表面に光学的に接触するようにすると、励起光導光体内部に閉じ込められた励起光が、その接触部分を通してレーザ光導光体に入射する。
【0010】
このような励起構造を有するレーザ装置は、ファイバ状レーザ光導光体への励起光の導入が容易であるとともに、従来はファイバの両端面からの入射に限られていた励起光の導入が、励起光導光体をなす構造体の任意の位置からの導入が可能になり、これにより、複数の励起源による励起も容易になった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のレーザ装置は、励起光導光体をなす構造体を形成し、この構造体にファイバ状のレーザ光導光体を巻き付けるなどの工程を経て製造されるが、このときに次のような問題があった。
【0012】
すなわち、上述した従来のレーザ装置では励起光導光体とレーザ光導光体との光学的結合が弱く、少なくとも十分とは言えず、レーザ光導光体に励起光を十分に吸収させるためには、励起光の分布導入範囲を長くする必要があり、このためには、レーザ光導光体をできるだけ長い距離にわたって励起光導光体に接触させる必要があった。
【0013】
つまり、レーザ光導光体の内部に含まれるレーザ活性物質を効率良く励起させるためには、レーザ光導光体の長さを十分に確保しなければならず、これに伴って、励起光導光体もその十分な長さのレーザ光導光体を巻き付けたりすることができるような表面積を持つ構造としなければならず、このことが、この種のレーザ装置の高効率化と低コスト化を困難にする阻害要因となっていた。
【0014】
また、励起光導光体は、レーザ光導光体への励起光の分布導入範囲を長くするためには大きな表面積を持つ構造としなければならないが、その反面、励起光の伝達損失を少なくするためにはできるだけ小さな内部容積であることが必要となる。励起光導光体の内部容積が大きいと、その励起光導光体内部での励起光の伝達距離が長くなって伝達損失が増えてしまうからである。
【0015】
このため、励起光導光体は、たとえば中空円筒状あるいは扁平ディスク状に形成されるが、上記伝達損失を少なくするためには、できるだけ薄肉な構造とする必要があった。しかし、このような構造体をたとえばガラス等の光学材料を成形あるいは加工して形成することはコスト的問題があった。
さらに、上述した諸問題は、レーザ装置の形状に関する自由度を損なうという問題も生じさせる。
【0016】
以上のように、光ファイバのような長尺で可撓性のレーザ光導光体に励起光導光体を介して励起光を分布導入させる方式のレーザ装置では、励起光導光体とレーザ光導光体との間の光学的結合が弱く、その光学的結合の弱さを克服して励起効率を高めるためには製造上の問題からコスト高になり、さらに形状の自由度も低くなってしまうという問題があった。
【0017】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、レーザ活性物質を含むレーザ導光体と、励起光を導光する励起光導光体との間に十分な光学的結合を確保して、励起光を効率良くレーザ光導光体に導入させることができ、さらに形状に関する高い自由度を得ることができるレーザ装置およびその製造方法、並びにそのようなレーザ装置を構成するのに適した複合光学媒体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の手段は、レーザ活性物質を含むレーザ光導光部とこのレーザ光導光部に励起光を分布導入させる励起光導光部とが非同軸状に並行する状態で一体化された長尺で可撓性の複合光学媒体が、巻回または折り返されることにより所定形状を形作っていることを特徴とするレーザ装置である。
【0019】
第2の手段は、第1の手段において、複合光学媒体の励起光導光部の少なくとも一部分が、巻回や折り返えしによって隣り合う他の部分での励起光導光部に光学的に接続されていることを特徴とする記載のレーザ装置である。
【0020】
第3の手段は、第1または第2の手段において、複合光学媒体の励起光導光部の少なくとも一部分が、巻回や折り返えしによって隣り合う他の部分での励起光導光部と、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されていることを特徴とするレーザ装置である。
【0021】
第4の手段は、第1から第3のいずれかの手段において、複合光学媒体の励起光導光部の少なくとも一部分が、巻回や折り返しによって隣り合う他の部分での励起光導光部と、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されており、その一体化された部分に光ダクト、プリズム、ファイバ、回折格子、または溝を構成することによって励起光の導入を行わせるようにしたことを特徴とするレーザ装置である。
【0022】
第5の手段は、第1から第4のいずれかの手段において、複合光学媒体が巻回または折り返されることにより形成された励起光導光体の複数個所に励起光導入部を設けたことを特徴とするレーザ装置である。
【0023】
第6の手段は、レーザ活性物質を含むレーザ光導光体とこのレーザ光導光体に励起光を分布導入させる励起光導光体とを有するレーザ装置の製造方法であって、
共に長尺で可撓性を有するレーザ光導光部と励起光導光部とが非同軸状に並行する状態で一体化された長尺で可撓性の複合光学媒体を形成する工程と、
上記複合光学媒体を巻回または折り返すことによって所定形状の構造体を形作る工程と、
を行うことを特徴とするレーザ装置の製造方法である。
【0024】
第7の手段は、第6の手段において、レーザ光導光部と励起光導光部の両母材を密着または一体化させた状態で線引きまたは延伸することにより長尺で可撓性の複合光学媒体を形成することを特徴とするレーザ装置の製造方法である。
【0025】
第8の手段は、第6または第7の手段において、複合光学媒体の励起光導光部同士が層状に重なるように上記複合光学媒体を巻回または折り返すことにより所定形状の励起光導光体を形作ることを特徴とするレーザ装置の製造方法である。
【0026】
第9の手段は、レーザ活性物質を含むコア部とこのコア部を同軸状に囲繞するクラッド部からなるレーザ光導光部と、このレーザ光導光部に非同軸状態で並行しながら上記クラッド部と光学的な分布結合をなす励起光導光部とを有するとともに、全体が断面積に比べて長尺に形成されることにより巻回または折り返し等が可能な可撓性を備えたことを特徴とする複合光学媒体である。
【0027】
第10の手段は、第9の手段において、レーザ光導光部と励起光導光部とが一列配置で並行する状態で一体化されていることを特徴とする複合光学媒体である。
【0028】
上述した手段によれば、レーザ活性物質を含むレーザ導光体と、励起光を導光する励起光導光体との間に十分な光学的結合を確保して、励起光を効率良くレーザ光導光体に導入させることができ、さらに形状に関する自由度の高いレーザ装置を構成することができる。また、そのようなレーザ装置を簡単に構成することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示すものとする。
図1は、本発明によるレーザ装置を構成するために使用する複合光学媒体の断面形状を示す。
【0030】
本発明によるレーザ装置は、図1の(a)〜(d)にそれぞれ例示するような断面形状を有する複合光学媒体3を用いて構成される。
同図に示すように、複合光学媒体3はファイバ状またはリボン状に形成された長尺で可撓性の媒体であって、レーザ活性物質を含むレーザ光導光部1と、このレーザ光導光部1に励起光を分布導入させる励起光導光部2とが、互いに非同軸状に並行する状態で一体化されている。この複合光学媒体3は、全体が断面積に比べて長尺に形成されることにより巻回または折り返し等が可能な可撓性を備えることができる。
【0031】
レーザ光導光部1は、レーザ活性物質を含んだコア部11と、このコア部11を同軸状に囲繞するクラッド部12とにより形成される。このレーザ導光部1は、コア部11の径並びに、コア部11とクラッド部12間の光屈折率差等を適切に選定することにより、単一横モードでレーザ発振可能である。
【0032】
レーザ光導光部1と励起光導光部2は、レーザ光導光部1の導波構造に影響を及ぼさないように、かつクラッド部12との隣接部分にて励起光の行き来が可能なように一体化されている。光屈折率については、コア部11の光屈折率がクラッド部12よりも大きくなるうように選定する。また、クラッド部12と励起光導光部2については、両者の屈折率を同じくするか、あるいはクラッド部12の方が大きな屈折率となるように選定する。
このように各部の屈折率を適切に選定することにより、励起光は、励起光導光部2からクラッド部12に導入され、さらにそのクラッド部12からコア部11に導入されて、最終的にレーザ活性物質に吸収されるようになる。
【0033】
レーザ光導光部1と励起光導光部2の各断面形状とその配置状態は、たとえば図1の(a)〜(d)にそれぞれ示すように、種々の形態をとることができる。
同図の(a)に示す複合光学媒体3は、円形断面形状のレーザ光導光部1と略矩形断面形状の励起光導光部2とが非同軸状態で並行に配置されて一体化されていて、略リボン状を成している。
(b)は、共に円形断面形状のレーザ光導光部1と励起光導光部2が非同軸状態で並行に配置されて一体化されている。
(c)と(d)はそれぞれ、1本のレーザ光導光部1に対して2本の励起光導光部2,2が一列配置で並行する状態で一体化されている。
【0034】
(a)〜(c)に示す複合光学媒体3はレーザ光導光部1と励起光導光部2とが互いに接触する部分にて融着接続されているが、(d)に示すものでは、レーザ光導光部1と励起光導光部2とが接着性の樹脂からなる光学媒体21を介して一体化されている。この場合、その光学媒体21は、励起光導光部2からレーザ光導光部1に励起光を導入させるのに適した光屈折率を有する材質であることが好ましい。
【0035】
本発明によるレーザ装置は、レーザ活性物質を含むレーザ光導光体とこのレーザ光導光体に励起光を分布導入させる励起光導光体とを有するレーザ装置であるが、このレーザ装置は上記複合光学媒体3を用いることによって容易に製造することができる。
【0036】
すなわち、まず、上記複合光学媒体3を形成する。
この複合光学媒体3は、レーザ光導光部1と励起光導光部2の両母材(プリフォーム)を密着または一体化させた状態で線引きまたは延伸することにより、たとえば図1の(a)〜(c)にそれぞれ示したような断面形状のものを高効率かつ再現性良く作製することができる。
【0037】
次に、上記複合光学媒体3を巻回または折り返えすことによって所定形状の構造体を形作る。
このとき、その巻回または折り返しのやり方により、様々な形状の励起光導光体を形作ることができる。
たとえば、複合光学媒体3の励起光導光部2同士が層状に重なるように、その複合光学媒体3を巻回または折り返すことにより、ディスク状あるいは中空円筒状の励起光導光体を形作ることができる。
【0038】
これにより、ガラス等の光学材料を成形あるいは加工することによっては形成が困難であった中空円筒状あるいは扁平ディスク状の励起光導光体を使わなくても、結果的に、その中空円筒状あるいは扁平ディスク状の励起光導光体に長尺で可撓性のレーザ光導光体を巻き付けたのと同等の構造を簡単に得ることができる。
【0039】
また、励起光導光体での励起光の伝達損失を少なくするためには、その励起光導光体をできるだけ薄肉な構造とする必要があるが、このような薄肉構造も、ガラス等の光学材料の成形あるいは加工という従前の方法では加工が高コストであったが、上記複合光学媒体3を使えば簡単に形作ることができる。
【0040】
さらに、上記複合光学媒体3はレーザ光導光部1と励起光導光部2とがあらかじめ非同軸状に並行する状態で一体化されたものであるため、これによって形作られたレーザ光導光体と励起光導光体の間には、比較的短い距離でもって励起光を効率良く導入させるのに十分な光学的結合状態を確保することができる。
【0041】
そして、上記複合光学媒体3は、その巻回または折り返しのやり方により、中空円筒状または扁平ディスク状、あるいはその他の形状を自由に形作ることができる。これにより、レーザ装置の形状に関する自由度も大幅に高めることができる。
【0042】
図2は、上記複合光学媒体3によって形作られる励起光導光構造体の例を一部破断面図で示す。
同図において、(a)は、レーザ光導光部1と励起光導光部2とからなる複合光学媒体3をヘリカル状に密巻きすることによって中空円筒状の励起光導光構造体20が形成される状態を示す。
(b)は、上記複合光学媒体3を同一平面内で密巻きすることによってディススク状の励起光導光構造体20が形成される状態を示す。
【0043】
このように、上述した複合光学媒体3は、その巻回または折り返しのやり方によって、種々の形状の励起光導光構造体20を簡単に形作ることができる。そして、このようにして形成される励起光導光構造体20は、隣接する励起光導光部2同士を密着あるいは適当な光学媒質を介して光学的に結合させることにより、あたかも単一構造の励起光導光体として機能を持つことができる。
【0044】
この励起光導光構造体20への励起光の導入は、図示は省略するが、たとえば中空円筒状あるいはディスク状をなす励起光導光構造体20の任意の個所から行わせることが可能である。つまり、ガラス等の光学材料を成形等により加工して得られる従来の導光構造体と構造的に同等の機能を、上記複合光学媒体3を用いることで簡単に得ることができる。
【0045】
励起光の導入は、上記複合光学媒体3を形成している励起光導光部2の端部からも行うことができる。その励起導光部2の断面形状が縦横どちらか一方に長い長方形あるいはその他の異形形状である場合は、その断面全体に励起光が均等に分布して導入されるようにすることが望ましい。このためには、たとえば励起光源として複数の半導体レーザ素子を使用し、この複数の半導体レーザ素子を励起光導光部2の入光端面形状に合わせて配列すると良い。
【0046】
この場合、複数の半導体レーザ素子の発光面を励起光導光部2の入光端面に直接突き合わせても良いが、レーザ素子ごとに光ファイバを介して励起光導光部2の端部に導入させる方が、光源等の配置に高い自由度が得られるという利点が得られる。
【0047】
複合光学媒体3を巻回または折り返して所定形状の構造体を形作る場合、たとえばヘリカル状に巻回して円筒状の構造体を形作る場合は、目的とする構造体の形状に応じた支持体、たとえば円筒状の構造体を形作る場合には円筒状の支持体を使用し、この支持体に複合光学媒体3を巻き付けたりすることによって、作業を容易にすることができる。この支持体は、上記複合光学媒体3の巻回や折り返しにより形作った構造体形状の保形および補強の機能も併せ持つことができる。また、その支持体を放熱体として利用することもできる。
【0048】
他方、上記支持体は、複合光学媒体3の巻回等によって構造体を形作った後で取り去るようにしてもよい。この場合、構造体の形状保持および補強は、上記複合光学媒体3の励起光導光部2同士を融着あるいは接着等によって固定することにより行うことができる。
【0049】
また、複合光学媒体3の励起光導光部2の少なくとも一部分を、巻回や折り返えしによって隣り合う他の部分での励起光導光部2に光学的に接続することにより、その複合光学媒体3の巻回や折り返しによって形成される励起光導光構造体20での導光効率を一層向上させることができる。
【0050】
この場合の光学的な接続は、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって行うことができる。
【0051】
複合光学媒体3の励起光導光部2の少なくとも一部分を、巻回や折り返しによって隣り合う他の部分での励起光導光部2と、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化させた場合、その一体化させた部分に光ダクト、プリズム、ファイバ、回折格子、または溝を構成することによって励起光の導入を行わせるようにすると良い。
これにより、複合光学媒体の巻回や折り返しによって形成される励起光導光構造体での導光効率を一層向上させることができるとともに、その構造体への励起光の導入も一層効率的に行わせることができる。
【0052】
複合光学媒体が巻回または折り返されることにより形成された励起光導光体には、複数個所に励起光導入部を設けることにより、励起光をレーザ光導光部1の全体にわたって均一かつ高効率に吸収させることができる。
【0053】
上記複合光学媒体3の巻回等によって形作られる励起光導光構造体20の形状は、図示例の円筒状またはディスク状に限定されず、従来の光学材料の成形や加工では成し得ないような複雑な形状も可能である。
たとえば、上記複合光学媒体3をヘリカル状に巻回する際、レーザ導光部1と励起光導光部2とが交互に並ぶように巻回することによって、ヘリカル状の励起光導光構造体を形作ることができる。このような形状の励起光導光構造体は、従来の光学材料の成形や加工では考えられない形状であった。
【0054】
【実施例】
以下、本発明をその代表的な実施例によってさらに具体的に詳述する。
図3は、本発明の第1の実施例を示す模式図である。
同図において、(a)はレーザ光導光部1と励起光導光部2とを一体化させた複合光学媒体3、(b)はその複合光学媒体3を用いて形作られた構造体5をそれぞれ示す。また、同図の(c)は上記構造体3の一部拡大断面図を示す。
【0055】
この実施例では、1本のレーザ光導光部1と2本の励起光導光部2,2を横一列配置状態で一体化した略リボン状の複合光学媒体3を使用した。
【0056】
まず、複合光学媒体3を以下のように作製した。
石英ガラスを母材とし、かつレーザ活性物質を含有(ドーピング)させたコアを中に有するプリフォーム(予備成型品)と、石英ガラスのみからなるプリフォームを用意する。前者のコア有りプリフォームの両側に、後者のコア無しプリフォームをそれぞれ密着させ、コア有りプリフォームがコア無しプリフォームによって両側から挟み込まれるような一列配置状態にする。この状態で上記3つのプリフォームを一緒に線引きすることにより、図3の(a)に示すような複合光学媒体3を作製した。
【0057】
この場合、各プリフォームの外径はそれぞれ10mmとし、中央のプリフォームの中にあるコア部の径は4mmとした。そのコア部にはNd3+イオンが0.5at%の濃度でドープされている。
【0058】
作製された複合光学媒体3は、2本のコア無しファイバをなす励起光導光部2,2の間にコア有りファイバをなすレーザ光導光部1が挟み込まれた状態で互いに融着・一体化されている。各導光部2,1,2の直径はそれぞれ約125μm、コア部の直径は50μmである。
【0059】
次に、構造体5を以下のように形成した。
上記複合光学媒体3を、外径10cm、内径9cm、長さ6cmのアルミニウム製円筒(支持体)41に約120周、長さで約40m巻いて、ヘリカル状の巻き付け構造体5を形成した。巻き付けは密巻きではなく、若干のピッチ間隔を置きながら巻く疎巻きとした。
【0060】
円筒1は、その表面に金コート(メッキ)42による鏡面反射面が形成され、その上に屈折率約1.38の樹脂43が均一にコート(被覆)されたものを使用した。
【0061】
複合光学媒体3の一端面は平面研磨された後に、レーザ発振波長1.06μmにおいて反射率が98%以上となるような多層膜コートが施されている。また、その他端面は、垂直破断しただけの面であって、反射率はレーザ発振波長1.06μmに対して4%程度である。
【0062】
上記構造体5によって以下のようなレーザ装置を構成した。
図示を省略するが、レーザ装置の励起光源として、発振波長0.8μmのLD(半導体レーザ)素子が19個一列に並べられたLD集合素子(LDバーまたはLDアレイ)を用いた。このLD集光素子からの出力光は、各素子ごとに直径250μmの励起光導入用光ファイバの一端を突き合わせることによって取り出す。この励起光導入用光ファイバは石英製で、コア無しファイバ(空気クラッド・タイプ)を使用し、その使用本数は19個のLD素子に対応して19本である。
【0063】
各光ファイバと各LD素子との突き合わせには、図示を省略するが、90度のV字形断面を有する案内溝を500μmピッチで19条並べて形成した保持具を使用した。この19条の案内溝に位置決めされた19本の光ファイバの各一端面を19個のLD素子の発光面に直接対向させた。これにより、LD素子と光ファイバ間の光学的接続を約80%の効率で行うことができた。各LD素子の光出力はそれぞれ約2Wであり、これを効率約80%で取り出すことにより、全体として約30Wの光出力を励起光として取り出せるようにした。
【0064】
励起光導入用光ファイバは、図3の(c)にて、その他端側部分だけを符号61にて示してある。この光ファイバ61の他端は、1本ごとに、上記構造体5をなす複合光学媒体3の励起光導光部2に融着接続した。このとき、その融着接続は隣り合う2本の励起光導光部2,2に跨るように行った。この融着接続は複合光学媒体3の6周回ごとに行い、全体としては19本の光ファイバ61に対応する計19個所にて行った。
【0065】
以上のようにして、19個のLD素子からの出力光をそれぞれ励起光として上記構造体5の19個所に分散導入させるレーザ装置を構成した。
【0066】
この実施例では、各LD素子から2Wずつの光出力を効率80%で取り出すことにより上記構造体5に約30Wの励起光を導入させ、これにより、波長1.06μmでレーザ出力13Wという高出力を得ることができた。
【0067】
また、この実施例では、図3の(c)に示すように、励起光導入用光ファイバ61の他端を、隣り合う2本のコア無しファイバすなわち励起光導光部2,2に跨って融着接続したことにより、レーザファイバすなわちレーザ光導光部1の導波構造に悪影響を及ぼすことなく、励起光の効率的な導入を可能にしている。これにより、レーザの発振特性が変化することなく、安定かつ良好なレーザ発振が可能になった。
【0068】
さらに、この実施例では、複合光学媒体3の6周回ごとに励起光導入用のガラス製光ファイバ61を融着接続しているが、このようにして励起光の導入を複数個所に分散して行わせるようにしたことにより、励起光をレーザ光導光部1の全体にわたって均一かつ高効率に吸収させることができるようになった。しかも、この実施例では、各接続個所から励起光が外部に放射されるということもほとんどなかった。
【0069】
上述した実施例では、図3の(c)に示すように、隣り合う2本の励起光導光部2,2間を接続していない構造としていたが、たとえばCO2レーザなどを用いて融着接続した構造としてもよい。
【0070】
また、励起光導入用光ファイバ61と励起光導光部2,2間の接続は、上述した実施例では融着により行っていたが、これは、たとえば接着剤と光学材料を兼ねる樹脂などの中間媒体を介して行うこともできる。
【0071】
図4は本発明の第2の実施例を示す模式図である。
同図において、(a)はレーザ光導光部1と励起光導光部2とを一体化させた複合光学媒体3、(b)はその複合光学媒体3を用いて形作られた構造体5をそれぞれ示す。
る。
【0072】
この実施例では、レーザ光導光部1と励起光導光部2を1本ずつ計2本を対にして一体化した複合光学媒体3を使用する。
【0073】
まず、複合光学媒体3を以下のように作製した。
石英ガラスを母材とし、かつレーザ活性物質を含有(ドーピング)させたコア部を中に有するプリフォーム(予備成型品)と、石英ガラスのみからなるプリフォームとを互いに密着させた状態で並べる。この状態で両プリフォームを一緒に線引きすることにより、図4の(a)に示すような複合光学媒体3を作製した。
【0074】
レーザ光導光部1のプリフォームはコア有りで、クラッド部とコア部の断面形状は共に円形である。クラッド部の外径は10mm、コア部の径(直径)は4mmとした。コア部にはNd3+イオンが0.5at%の濃度でドープされている。
【0075】
励起光導光部2のプリフォームはコア無しで、断面形状は10mm×20mmのほぼ矩形(長方形)状である。この矩形の短辺側に上記レーザ導光部1のプリフォームを配置して線引きを行った。
【0076】
作製された複合光学媒体3は、直径が約125μmのレーザ光導光部1と、断面が約125μm×250μmの扁平な矩形で略リボン状をなす励起光導光部2とが、互いに融着された構造を成している。レーザ光導光部1のコア部の径(直径)は約50μmである。
【0077】
次に、構造体5を以下のように形成した。
上記複合光学媒体3を、図4の(b)に示すように、励起光導光部2の長辺側面が重なり合うようにスパイラル状に巻回することにより、内径約60mm、外径約100mm、厚さ約375μmのディスク状構造体5を作製した。
【0078】
このときの巻回は、CO2レーザを励起光導光部2の部分に選択的に照射しながら行った。これにより、図5に示すように、ディスク状に巻回された励起光導光部2の部分が互いに融着接続して、厚さ250μmのほぼ均一なガラス円盤が形成されるようにした。このガラス円盤は一体の構造体と見ることができる。
図5は、ディスク状に巻回された励起光導光部2の部分が互いに融着接続された状態を示す。
【0079】
レーザ光導光部1は上記ガラス円盤の面に沿って巻回されている形となるが、このレーザ光導光部1の端面はあらかじめ光学研磨された上に、レーザ発振波長1.06μmにおいて反射率98%以上となるような多層膜コートが施されている。また、その他端面は、垂直破断しただけの面であって、反射率はレーザ発振波長1.06μmに対して4%程度である。
【0080】
上述のように構成された構造体5を用いてレーザ発振を行わせるために、図示を省略するが、第1の実施例の場合と同様、励起光源として、発振波長0.8μmのLD(半導体レーザ)素子が複数個に配列されたLD集合素子を使用し、各LD素子の出力光を複数本の励起光導入用光ファイバを介して、ディスク状の構造体を成している励起光導光部2に導入させるようにした。
【0081】
この場合、励起光導入用光ファイバと励起光導光部2間の接続は、第1の実施例の場合と同様、融着により行い、その融着接続個所は、励起光の導入が均一に行われるように分散させた。これにより、レーザ光導光部1の出力端から、波長1.06μmでレーザ出力7Wを得ることができた。
【0082】
この実施例では、複合光学媒体3によってディスク状の構造体型ファイバレーザを容易に作成することができるとともに、円筒などの構造体を用いた構成に比べて小型なレーザ装置を構成することができる。また、複合光学媒体3の巻回によって形作られるディスクは非常に薄い構造とすることができるため、励起光の伝達損失を少なくできることに加えて、放熱効率が非常に良いという利点も得ることができる。
【0083】
上述した2つの実施例では、レーザ光導光部1と励起光導光部2とを1対1のペアで一体化した複合光学媒体3を使用したが、たとえば図2の(b)に示すように、レーザ光導光部1の両側に励起光導光部2,2を配置した1対2配置の複合光学媒体3を使用すれば、両面に薄板構造の励起光導光体を配置した構造体型レーザファイバを作製することができる。このような構造とすることにより、より多くの励起光を効率良く導入させることが可能になって、レーザ出力をさらに高めることができる。
【0084】
上述した2つの実施例では、励起光導光体への励起光の導入を励起光導入用のガラス製光ファイバの融着接続個所から行うようにしていたが、励起光導光部2が巻回および融着によって一体構造のディスク形状をなす場合には、そのディスク形状の一部に励起光導入用のプリズム部を設けて、このプリズム部から励起光導入を行わせるようにしてもよい。
【0085】
または、上記プリズム部の代わりに、その一体構造のディスク面(表裏面)に直接、半導体レーザ光を導入させる励起構造も可能である。
【0086】
以上説明したように、本発明の第1の発明は、レーザ活性物質を含むレーザ光導光部とこのレーザ光導光部に励起光を分布導入させる励起光導光部とが非同軸状に並行する状態で一体化された長尺で可撓性の複合光学媒体が、巻回または折り返されることにより所定形状を形作っていることを特徴とするレーザ装置である。
これにより、レーザ活性物質を含むレーザ導光体と、励起光を導光する励起光導光体との間に十分な光学的結合を確保して、励起光を効率良くレーザ光導光体に導入させることができるとともに、形状に関する高い自由度を得ることができる。
【0087】
第2の発明は、第1の発明において、複合光学媒体の励起光導光部の少なくとも一部分が、巻回や折り返えしによって隣り合う他の部分での励起光導光部に光学的に接続されていることを特徴とする記載のレーザ装置である。
これにより、複合光学媒体の巻回や折り返しによって形成される励起光導光構造体での導光効率を一層向上させることができる。
【0088】
第3の発明は、第1または第2の発明において、複合光学媒体の励起光導光部の少なくとも一部分が、巻回や折り返えしによって隣り合う他の部分での励起光導光部と、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されていることを特徴とするレーザ装置である。
これにより、複合光学媒体の巻回や折り返しによって形成される励起光導光構造体での導光効率を一層向上させることができる。
【0089】
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、複合光学媒体の励起光導光部の少なくとも一部分が、巻回や折り返しによって隣り合う他の部分での励起光導光部と、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されており、その一体化された部分に光ダクト、プリズム、ファイバ、回折格子、または溝を構成することによって励起光の導入を行わせるようにしたことを特徴とするレーザ装置である。
これにより、複合光学媒体の巻回や折り返しによって形成される励起光導光構造体での導光効率を一層向上させることができるとともに、その構造体への励起光の導入も一層効率的に行わせることができる。
【0090】
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明において、複合光学媒体が巻回または折り返されることにより形成された励起光導光体の複数個所に励起光導入部を設けたことを特徴とするレーザ装置である。
これにより、励起光をレーザ光導光部1の全体にわたって均一かつ高効率に吸収させることができるようになる。
【0091】
第6の発明は、レーザ活性物質を含むレーザ光導光体とこのレーザ光導光体に励起光を分布導入させる励起光導光体とを有するレーザ装置の製造方法であって、
共に長尺で可撓性を有するレーザ光導光部と励起光導光部とが非同軸状に並行する状態で一体化された長尺で可撓性の複合光学媒体を形成する工程と、
上記複合光学媒体を巻回または折り返すことによって所定形状の構造体を形作る工程と、
を行うことを特徴とするレーザ装置の製造方法である。
これにより、ガラス等の光学材料を成形または加工する困難を伴うことなく、励起光の導光効率の高い導光構造体を簡単に形成して高効率のレーザ装置を構成することができるとともに、形状に関する高い自由度を得ることができる。
【0092】
第7の発明は、第6の発明において、レーザ光導光部と励起光導光部の両母材を密着または一体化させた状態で線引きまたは延伸することにより長尺で可撓性の複合光学媒体を形成することを特徴とするレーザ装置の製造方法である。
これにより、共に長尺で可撓性を有するレーザ光導光部と励起光導光部とが非同軸状に並行する状態で一体化された長尺で可撓性の複合光学媒体を効率良く作製することができる。
【0093】
第8の発明は、第6または第7の発明において、複合光学媒体の励起光導光部同士が層状に重なるように上記複合光学媒体を巻回または折り返すことにより所定形状の励起光導光体を形作ることを特徴とするレーザ装置の製造方法である。これにより、一体構造の励起光導光体を形成して励起光の導入を、より効率良く行わせることが可能になる。
【0094】
第9の発明は、レーザ活性物質を含むコア部とこのコア部を同軸状に囲繞するクラッド部からなるレーザ光導光部と、このレーザ光導光部に非同軸状態で並行しながら上記クラッド部と光学的な分布結合をなす励起光導光部とを有するとともに、全体が断面積に比べて長尺に形成されることにより巻回または折り返し等が可能な可撓性を備えたことを特徴とする複合光学媒体である。
これにより、ガラス等の光学材料を成形または加工する困難を伴うことなく、高い形状自由度でもって、励起光の導光効率の高い導光構造体を簡単に形成することができる。
【0095】
第10の発明は、第9の発明において、レーザ光導光部と励起光導光部とが一列配置で並行する状態で一体化されていることを特徴とする複合光学媒体である。
これにより、励起光導光部同士を重ね合わせて所定形状に一体構造化することが容易に行えるようになる。
【0096】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、レーザ活性物質を含むレーザ光導光部とこのレーザ光導光部に励起光を分布導入させる励起光導光部とが非同軸状に並行する状態で一体化された長尺で可撓性の複合光学媒体を使用し、この複合光学媒体の巻回または折り返し等によって所定形状のレーザ構造体を形作ることにより、レーザ導光体と励起光導光体との間に十分な光学的結合を確保して、励起光を効率良くレーザ光導光体に導入させることができ、さらに形状に関する自由度の高いレーザ装置を簡単に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ装置を構成するために使用する複合光学媒体の断面形状を示す図である。
【図2】本発明の複合光学媒体によって形作られる励起光導光構造体の例を示す一部破断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す模式図である。
【図5】ディスク状に巻回された励起光導光部の部分が互いに融着接続された状態を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ光導光部
11 コア部
12 クラッド部
2 励起光導光部
20 励起光導光構造体
3 複合光学媒体
41 円筒
42金コート(メッキ)
43 被覆樹脂
5 複合光学媒体3で形作った構造体
61 励起光導入用光ファイバ

Claims (8)

  1. レーザ活性物質を含むレーザ光導光部とこのレーザ光導光部に励起光を分布導入させる励起光導光部とを有する複合光学媒体であって、前記レーザ光導光部はレーザ活性物質を含むコア部とこのコア部を覆うクラッド部とを備えたレーザ発振可能なファイバであり、前記励起光導光部は少なくとも1本のコア無しファイバであって、前記レーザ光導光部と前記励起光導光部とが並行に配置された状態で互いに一体化されて略リボン状に形成された長尺で可撓性の複合光学媒体を、巻回や折り返しすることによって、前記励起光導光部の少なくとも一部分が、前記巻回や折り返しによって隣り合うようになった他の部分での励起光導光部と、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されるように形成するとともに、
    前記一体化された部分に光ダクト、プリズム、ファイバ、回折格子、または溝を形成することによって励起光の導入部を設けたことを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記励起光導光部は矩形状の断面形状を備えた少なくとも1本のコア無しファイバであり、前記励起光導光部の矩形断面の長辺側の面どうしが融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されるものであることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記励起光導光部は2本のコア無しファイバで構成され、前記レーザ光導光部を前記2本のコア無しファイバの間に挟み込まれた状態で互いに融着・一体化されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ装置。
  4. 前記複合光学媒体が巻回または折り返されることにより形成された励起光導光体の複数個所に励起光導入部を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザ装置。
  5. レーザ活性物質を含むレーザ光導光体とこのレーザ光導光体に励起光を分布導入させる励起光導光体とを有するレーザ装置の製造方法であって、
    長尺で可撓性を有するレーザ光導光部と、長尺で可撓性を有する少なくとも1本のコア無しファイバで構成される励起光導光部とが並行に配置された状態で互いに一体化されて略リボン状に形成された長尺で可撓性の複合光学媒体を形成する工程と、
    前記複合光学媒体を巻回や折り返しすることによって、前記励起光導光部の少なくとも一部分が、前記巻回や折り返しによって隣り合うようになった他の部分での励起光導光部と、融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されるように形成する工程と、
    前記一体化された部分に光ダクト、プリズム、ファイバ、回折格子、または溝を形成することによって励起光の導入部を設ける工程と、
    を有することを特徴とするレーザ装置の製造方法。
  6. 前記励起光導光部は矩形状の断面形状を備えた少なくとも1本のコア無しファイバであり、前記励起光導光部の矩形断面の長辺側の面どうしが融着、オプチカルコンタクト、または樹脂を用いることによって一体化されるものであることを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置の製造方法。
  7. 前記励起光導光部は2本のコア無しファイバで構成され、前記レーザ光導光部を前記2本のコア無しファイバの間に挟み込まれた状態で互いに融着・一体化されることを特徴とする請求項5又は6に記載のレーザ装置の製造方法。
  8. 前記レーザ光導光部と励起光導光部の両母材を密着または一体化させた状態で線引きまたは延伸することにより長尺で可撓性の複合光学媒体を形成することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のレーザ装置の製造方法。
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