JP2006205155A - 嫌気槽とそれを含んだ排水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】維持管理が容易であるとともに省スペース化、低価格化及び処理水質の高度化を可能とする嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】排水処理システム1は嫌気槽2と、その上流側及び下流側にそれぞれ配される流量調整槽3及び脱窒槽4と、脱窒槽4の下流側に配される膜分離槽5とから構成され、流量調整槽3は嫌気槽2に供給する被処理水の流量を調整し、嫌気槽2は被処理水の嫌気性処理と固液分離を行い、脱窒槽4は膜分離槽5から返送された被処理水の脱窒処理を行い、膜分離槽5は被処理水の膜ろ過及び好気性処理を行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、小規模下水に適した処理システムに係り、特に、維持管理が容易であるとともに省スペース化、低価格化及び処理水質の高度化を可能とする嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムに関する。
微生物を利用した有機性排水の処理においては、従来から、標準活性汚泥法やオキシデーションディッチ法等に代表される浮遊生物法が知られている。この方法は、被処理水中の大型の浮遊物や懸濁物を沈砂池で除去し、反応槽で活性汚泥による有機物の好気性処理を行うものである。活性汚泥は、細菌や原生動物など多種類の微生物からなるフロックを形成しており、汚水を浄化する機能を有している。
活性汚泥は有機物を好気性処理する過程で大きなフロックに成長し、最終沈殿池において沈殿除去される。ここで沈殿除去されなかった細かい浮遊物や懸濁物は次の砂ろ過設備により除去され、被処理水はさらに消毒槽で殺菌された後に河川に放流される。
このような処理方法では、反応槽と最終沈殿池と砂ろ過設備各々に対して設置スペースが必要である。特に、最終沈殿池の処理能力は設置面積により決定される。すなわち、設置面積を小さくすると処理能力が低下してしまう。従って、むやみに最終沈殿池の設置面積を小さくすることはできない。そこで、省スペース化を実現するための手段として、一つの処理槽で複数の処理を行う方法や最終沈殿池を必要としない、生物処理と膜ろ過処理を組み合わせた方法などが考えられている。
例えば特許文献1には、「浄水装置」という名称で、生物処理、膜ろ過処理及び濃縮処理を一工程で連続的に実施することにより、設置スペースの節約と処理時間の短縮を可能とした浄水装置に関する発明が開示されている。
以下、図5を参照しながら、特許文献1に開示された技術について説明する。
図5は従来技術に係る浄水装置の断面図である。
図5に示すように従来技術に係る浄水装置は、微生物を付着させた接触材に原水108を接触させて浄化を行う生物処理装置102と、この生物処理された原水108をろ過膜に透過させて固液分離を行い処理水を系外に取り出す膜ろ過装置103と、仕切板107を隔てて並設された生物処理装置102及び膜ろ過装置103の下方に配され、原水108中に含まれている固形物や沈殿物を分離する濃縮装置104とを備え、生物処理装置102の下部側に配設されたエアー噴出管105から噴出されるエアー105aが処理槽101内に矢印Cで示される循環流を発生させ、膜ろ過装置103の下部側に配設されたエアー噴出管106から噴出されるエアー106aが膜ろ過装置103に付着した濁質を除去するものである。
このような浄水装置においては、生物処理、膜ろ過、濃縮の各装置をそれぞれ別々に設置する場合に比べて省スペース化を図ることができるとともに、処理時間を短縮することが可能である。
また、特許文献2には、「固液分離装置」という名称で、固液分離を効果的に行うことが可能な小型で簡単な構成の固液分離装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、凝集剤を添加した原水の流れ方向に対して垂直に挿入された多孔板と、この多孔板の通孔から噴出する水流の撹拌作用によってフロックの形成と沈殿とを行う噴流撹拌固液分離部と、この噴流撹拌固液分離部の下流側に連設され、分離膜によって固液分離を行う膜分離部と、噴流撹拌固液分離部と膜分離部との間に配される傾斜管等からなる沈降促進部とを備えるものである。
このような構造の固液分離装置においては、一つの処理槽で効果的な固液分離を行うことができるため、撹拌池及び沈殿池を設置するスペースが不要となる。
特許文献3には「廃水処理装置」という名称で、油分を含む廃水や少量の有機性廃水に対しても効率良く浄化処理を行うことができるとともに、敷地の有効利用が可能な廃水処理装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、底部から導入した有機性廃水を上昇流で流してその上端部から排水する縦長の処理槽において、この処理槽の底部と略中段付近に有機性廃水中に空気を吹き込む散気手段と、この散気手段から吹き出された気泡群を捕集してその上昇を食い止める傾斜板とをそれぞれ備えるものである。
このような構造の廃水処理装置によれば、一つの処理槽内において活性汚泥法の曝気槽の上部に沈殿槽が形成されるため、高い処理能力を維持したまま、設置面積を節約することができる。
特開平7−323295号公報 特開2000−334212号公報 特開平11−207381号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、有機物が分解されて発生したガスやこのガスとの混合により軽くなって浮上した沈殿汚泥(以下、スカムという。)が濃縮装置内に混入してその働きを阻害するという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明においては、処理槽内の懸濁成分(以下、SSという。)が急増してろ過膜や分離膜の表面に固着するなどして、ろ過抵抗の急上昇若しくはろ過水量の減少を引き起こし、処理の継続が困難となる可能性がある。特に、都市下水のように一日の水質変動や水量変動が大きい排水の処理においては、設備の維持管理に多大な労力を要するという課題があった。
さらに、特許文献3に開示された発明においては、傾斜板は散気手段から吹き出された気泡群を捕集する効果があるものの、汚泥の沈降を促進する効果そのものは大きくない。さらに、傾斜板は処理槽の底部と略中段に取り付けられているため、付着した汚泥の洗浄などの維持管理が容易ではない。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、維持管理が容易であるとともに省スペース化、低価格化及び処理水質の高度化を可能とする嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である嫌気槽は、有機性排水を嫌気性微生物によって処理する嫌気槽において、嫌気性微生物によって嫌気槽内に導入された被処理水中の有機物が嫌気性処理されて発生するガスを捕集するガス捕集部と、このガス捕集部によって捕集されたガスを嫌気槽外部に排出するガス排出管と、ガス捕集部の上方に配され被処理水中に含まれる汚泥の沈降を促進して被処理水の固液分離を図る沈降促進部と、この沈降促進部で固体成分を分離された被処理水を槽外へ送出する流路とを有するものである。
上記構成の嫌気槽においては、槽内に導入された被処理水が有機物の嫌気性処理により低分子の可溶性の有機化合物に分解されながら、このとき発生するガスはガス捕集部により捕集される。汚泥を含む残りの被処理水は、沈降促進部において汚泥の沈降が促進されて被処理水に対して分離され、固体成分を分離された被処理水が槽外へ送出されるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の嫌気槽において、沈降促進部は、水平方向若しくは鉛直方向に並設された複数の傾斜管であって、これらの傾斜管の下端部は開放されて被処理水を導入し、上端部は流路として集水管が接続されるものである。
上記構成の嫌気槽によれば、請求項1記載の発明と同様の作用を有するとともに、並設された数だけ傾斜管がフロックの沈降面積を増大させるという作用を有する。また、傾斜管内に沈降した比較的小さなフロックに対しても滑落又は転落させながら成長させて、嫌気槽底部に向けて沈殿させるという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の嫌気槽において、ガス捕集部が、下部を開口して傾斜させて設けられ、傾斜させた上部には捕集されたガスをガス排出管へ導くガス抜き口を備えるものである。
上記構成の嫌気槽においては、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の作用を有するとともに、有機物の分解により発生したガスを捕集する際に漏れを少なくするという作用を有する。
請求項4記載の発明である排水処理システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の嫌気槽と、この嫌気槽の上流側及び下流側にそれぞれ配される流量調整槽及び脱窒槽と、この脱窒槽の下流側に配される膜分離槽とを備え、流量調整槽は嫌気槽に供給する被処理水の流量を調整し、脱窒槽は無酸素槽であり、膜分離槽は被処理水の膜ろ過及び好気性処理を行うとともにその一部を脱窒槽に返送することを特徴とするものである。
上記構成の排水処理システムにおいては、流量調整槽は膜分離槽の処理能力を超えないように嫌気槽に供給する被処理水の流量を調整し、膜分離槽は好気性処理及び分離膜を用いた活性汚泥の膜ろ過により被処理水中に含まれるSS等の一般的な有機物や病原性微生物(大腸菌、クリプトスプリジウム)を分離・除去するとともに亜硝酸菌と硝酸菌によってアンモニアを酸化して硝酸性窒素を生成し、脱窒槽は膜分離槽から返送された被処理水中に含まれる硝酸性窒素を窒素ガスに変えて除去するという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1記載の嫌気槽においては、嫌気性処理と汚泥の固液分離を一つの槽内で行うため、設備の設置スペースが節約される。また、膜分離装置での膜ろ過処理の前に嫌気槽において汚泥の固液分離を行うため、分離膜表面への汚れ成分の付着や細孔の目詰まりを防いで膜ろ過処理に対する負担を軽減することが可能である。さらに、有機物の分解により発生するガスの混入によって引き起こされる沈降促進部の機能の低下を防止することができる。
本発明の請求項2記載の嫌気槽においては、請求項1記載の発明と同様の効果を奏するとともに、沈降促進部が汚泥の沈降を促進させる。また、特に、沈降促進部が鉛直方向に並設された傾斜管により構成される場合には汚泥の沈降促進効果を低下させることなく、嫌気槽の設置面積を小さくすることができる。さらに、傾斜管毎に必要箇所のみを取り外して汚泥の詰り等の除去作業や破損箇所の修理を行うことができるため、維持管理が容易である。
本発明の請求項3に記載の嫌気槽においては、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、有機物の分解により発生するガスの捕集を確実に行うことができる。
本発明の請求項4に記載の排水処理システムによれば、被処理水の量が変動した場合にも高度な処理水質を安定して維持することができる。また、膜分離槽からのSSの流出が抑えられるため、活性汚泥を高濃度に保つことができる。従って、小型の膜分離槽であっても高い処理能力を発揮することが可能である。さらに、最終沈殿池や砂ろ過器が不要であるため、省スペース化を図ることができる。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムの実施例について図1乃至図4を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムの断面図である。
図1に示すように、排水処理システム1は嫌気槽2と、その上流側及び下流側にそれぞれ配される流量調整槽3及び脱窒槽4と、脱窒槽4の下流側に配される膜分離槽5とから構成されている。
図1において、有機性排水は流量調整槽3に流入する。流量調整槽3は、散気装置6aと、ポンプ7aと、流入配管8aと、返送配管10aとを備え、散気装置6aは流量調整槽3内の有機性排水をエアレーションの作用によって撹拌し、ポンプ7aは流入配管8a,8bを介して被処理水を嫌気槽2に供給する。その際、被処理水の一部は必要に応じて流量調整ボックス9により返送配管10aを介して返送される構造となっている。
上記構造の流量調整槽3においては、膜分離槽5の処理能力を超えないように嫌気槽2に供給する被処理水の流量を調整するという作用を有する。
嫌気槽2は、主としてガス捕集装置11と、その上方に配される沈降促進部12と、ガス排出管13とを備えている。前述のとおり、被処理水である有機性排水は流量調整槽3から流入配管8bを介して供給され、嫌気槽2の略中央部に上部から嫌気槽2の下部まで設けられた導入配管14により嫌気槽2の下部に導入される。下部に導入された被処理水はガス捕集装置11を経て沈降促進部12に向かう流れを形成している。
このような構造の嫌気槽2においては、底部に導入された被処理水に含まれる有機物が嫌気性微生物によって消化処理され、より低分子の可溶性の有機化合物に分解され、ガスを発生しながら実線の矢印で示すように上部に向かって流動する。このとき発生するアンモニア、硫化水素、二酸化炭素、メタン等のガスはガス捕集装置11により捕集され、破線の矢印で示されるようにガス排出管13及び排出配管15を介して槽外に排出される。ガス排出管13は、嫌気槽2の略中央部に設けられた導入配管14に周設されており、ガス捕集装置11によって捕集されたガスを槽外に導出するために、沈降促進部12のスペースを可能な限り広く確保するように構成されている。
そして、汚泥を含む、残りの被処理水は沈降促進部12に到達し、そこで汚泥の沈降分離が促進される。汚泥を分離されて沈降促進部の上部に溜まった上澄み水はポンプ7bにより集水管16を介して吸い上げられ、脱窒槽4に供給される。
沈降促進部12よりも下方にガス捕集装置11を設けることで、予め気相分を除去してガスが沈降促進部12内に流入することを防止して汚泥と上澄み水の固液分離を促進させることができる。また、そのような固液分離を促進するためにはガス捕集装置11で捕集したガスが、万一漏れても残りの被処理水と混合することのないようにガス排出管13の流路を形成する必要もあるが、本実施の形態においては、嫌気槽2の略中央部に設けられた導入配管14に周設しており、このガス排出管13に係る部分で捕集したガスの漏洩を防止することができる。
一方、槽底部17に沈殿した汚泥は図示しない排泥弁から適宜排出される。ここで、槽底部17の汚泥が効率良く排出されるためには、嫌気槽2は下部を狭めたホッパ形状であることが望ましい。
なお、嫌気槽2の構造は本実施例に限定されるものではない。すなわち、導入配管14の位置は嫌気槽2の水平方向の略中央に限定されるものではなく、嫌気槽2の壁面近くに設けることもできる。また、この導入配管14に周設されたガス排出管13も必ずしも周設される必要はなく、沈降促進部12のスペース内に配置されず、もってガスの漏洩に対して汚泥と上澄み水の分離が影響しないような構成であればよい。
さらに、上澄み水の吸い上げはポンプ7bを使用せずに、集水管16をサイフォンとする自然流下によって行っても良い。また、脱窒槽4への上澄み水の供給は、集水管16による方法に限定されるものではなく、流路であれば、例えばオーバーフローした上澄み水を脱窒槽4へ流入させる水路を形成させても良い。
脱窒槽4は無酸素槽であって、ポンプ7cと、流入配管8cとを備えるものである。
このような構造の脱窒槽4においては、膜分離槽5から返送される被処理水に含まれる硝酸性窒素を窒素ガスに変えて除去するという作用を有する。
膜分離槽5はポリオレフィン製の平膜をモジュール化した分離膜モジュール18と、散気装置6bと、撹拌機19と、膜ろ過された被処理水を引抜配管20を介して吸い上げるポンプ7dと、脱窒槽4に被処理水を返送する返送配管10b及びポンプ7eと、オーバーフローする被処理水の固液分離を行う沈降促進部21とを備えるものである。
このような構造の膜分離槽5においては、散気装置6bは好気性微生物に酸素を供給するとともに分離膜モジュール18の外側に付着した濁質を除去するという作用を有する。また、被処理水の生物学的酸素要求成分(BOD成分)は微生物の好気性処理によって除去される。さらに、SSや病原性微生物(大腸菌、クリプトスプリジウム)は分離膜モジュール18によって膜ろ過されて分離・除去される。加えて、撹拌機19は被処理水を流動・撹拌し、分離膜モジュール18の図示しない分離膜の膜面への膜ろ過物の付着を防ぐという作用を有する。さらに、膜分離槽5に存在する亜硝酸菌と硝酸菌によってアンモニアが酸化されて硝酸性窒素が生成される。
なお、上記実施例において、膜分離槽5をオーバーフローした被処理水の固液分離を行うための沈降促進部21は必須ではなく、省略することができる。また、分離膜モジュール18は本実施例に限定されるものではなく、中空糸膜や管状膜のモジュールを使用することもできる。
このように構成された嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムにおいては、被処理水の量が変動した場合でも安定した処理を行うことが可能である。また、ガスの混入による沈降促進部の機能低下が発生しないため、高い処理水質を維持することができる。さらに、膜ろ過処理に対する負担が軽減されるため、処理性能が向上するとともに、分離膜の洗浄等に要する費用を低減することができる。そして、膜分離槽の活性汚泥が高濃度に保たれるため、処理能力を低下させることなく、膜分離槽を小型化することが可能である。加えて、最終沈殿池や砂ろ過器を必要としないため、省スペース化を図ることができる。
つぎに、本発明に係る嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムの構成について説明する。
図2は本発明の実施の形態に係る嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムの構成図である。
図2において、排水処理システム1に供給された被処理水は、流量調整槽3によって流量を調整されて嫌気槽2に供給される。嫌気槽2では被処理水の有機物が嫌気性処理されるとともにSSが沈降分離される。そして、SSが分離された被処理水は脱窒槽4に供給され、底部に沈殿した汚泥は適宜排出されて汚泥処理22に供される。脱窒槽4では、後述する膜分離槽5から返送された被処理水に含まれる窒素化合物を窒素ガスとして除去する。膜分離槽5では好気性処理及びSS等の膜ろ過処理が行われ、被処理水は凝集沈殿槽23さらに消毒槽24に送出されて高度処理25が行われ、最終的に放流水26として河川に放流される。なお、凝集沈殿槽23の底部に沈殿した汚泥は適宜排出され、凝集剤が添加されてリン除去処理27がなされる。
さらに、沈降促進部12の構造について図3を用いて説明する。
図3(a)は傾斜管及び集水管の断面図であり、(b)は沈降促進部の外観図である。
図3(a)に示すように、本実施例の傾斜管28は下端が開放されるとともに鉛直方向に対して略60°の傾斜角度をもち、上端に集水管16が着脱自在に接合された構造を備えるものである。集水管16は枝管を分岐させて多数の傾斜管28を接続している。
このような構造の傾斜管28においては、傾斜させることによって汚泥30の沈降面積が増大するという作用を有する。また、傾斜管内28に沈降したフロックが比較的小さなものであっても管内を滑落又は転落させながら成長させて、嫌気槽底部に向けて沈殿させるという作用を有する。さらに、汚泥30が沈降して分離された上澄み水29が矢印で示される向きに集水管16を介して吸い上げられるという作用を有する。なお、傾斜管28の傾斜角度は60°より小さい場合には分離した汚泥30が滑り落ち難くなり、60°より大きい場合には沈降面積が小さくなって汚泥30の沈降を促進する作用が弱まるため、傾斜角度は60°±10°程度であることが望ましいが、これに限定されるものではない。
なお、傾斜管28の構造は本実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。すなわち、傾斜管28は筒状であれば良く、例えば管の横断面の外郭線が多角形を構成するものであっても良い。また、傾斜管28は両端が開放された円筒に集水管16が接続された孔部を有する蓋が嵌合若しくは螺合された構造とすることもできる。
図3(b)に示すように、沈降促進部12は上記構造の傾斜管28が水平方向に並設されたものである。なお、集水管16は円筒状の配管がそれぞれ着脱自在に接合された構造をしている。
このような構造の沈降促進部12においては、傾斜管28の本数分だけ汚泥30の沈降面積が増大するという作用を有する。
上記構造の沈降促進部12においては、傾斜管28の上端部が密閉されているため、上澄み水29への新たな汚れの混入を防ぐことができる。また、傾斜管28や集水管16の必要箇所のみを取り外して汚泥の詰り等の除去作業や破損箇所の修理を行うことができるため、維持管理が容易である。
なお、沈降促進部12の構造は本実施例に限定されるものではない。すなわち、図3(b)に示されるように水平方向へ集水管16を配して傾斜管28を並設する場合の他に、垂直方向へ集水管16を配して傾斜管28も縦方向へ並設した状態で、沈降促進部12を嫌気槽2に設置することもできる。この場合、垂直方向へ設備が高くなるものの、汚泥30の沈降促進効果を低下させることなく嫌気槽の設置面積を小さくすることが可能である。
ガス捕集装置11について、図4を用いて説明する。
図4(a)はガス捕集装置とガス排出管の位置関係を示す模式図であり、(b)乃至(d)はガス捕集装置の変形例の外観図である。
図4(a)に示すように、ガス捕集装置11は長手方向に対して横断面が三角形を形成しながら傾斜して設けられ、下側は有機物の分解によって発生したガスやスカムが捕集されるように開口しており、上側の側端面はガス抜き口33として開口されている。
このガス捕集装置11は、鉛直方向に千鳥格子状に配置され、ガスやスカムの捕集を万遍なく実施できるように工夫されている。また、ガス捕集装置11によって捕集されたガスがガス排出管13に導かれやすいように、ガス排出管13にガス受け部31を設けている。これは、嫌気槽2内において発生するガスを万遍なく捕集するために千鳥格子状など密に配設されるガス捕集装置11のガス抜き口33が多数存在するため、このガス抜き口33を直接ガス排出管13に接続するように設けることが困難であることから、ガス受け部31をガス捕集装置11に付属して設けるものである。
また、ガス捕集装置11の一方の側端面35は閉塞された構造をしており、一旦捕集されたガスが漏洩するのを防止している。
ガス受け部31には下端が開口した筒状部分34が接続され、捕集されたガスはガス排出管13の筒状部分34から、筒状部分34の上端に接続される排出配管15を介して嫌気槽2の外部に排出される。ガス受け部31もガス捕集装置11と同様に、ガス排出管13の筒状部分34に接続される側の側端面は開口しているものの、逆側の側端面は閉塞された構造となっており、一旦ガス受け部31に導かれたガスが漏洩することを防止している。
そして、図1に示すようにガス捕集装置11は閉塞された側端面35側が嫌気槽2の内壁面側となるように、例えば金属製のアングルなどを組んだ架台(図示せず)にL字型の金属部品とボルトによって嫌気槽2内に固定されるか、嫌気槽2の内壁面に固定してもよい。さらに、ガス捕集装置11からガスが導かれるガス受け部31の閉塞された側端面を嫌気槽2の内壁面側となるように固定するようにしてもよい。
ガス排出管13の筒状部分34の略中央部を導入配管14が貫通するように設けられている。なお、ガス捕集装置11からガス受け部31、筒状部分34及び排出配管15を経て上方に向かう破線の矢印はガスの代表的な流れを示しており、導入配管14内の破線の矢印は嫌気槽2の下部に導入される被処理水の流れを示している。
ガス捕集装置11の形状は図4(a)に示す場合に限定されるものではない。すなわち、図4(b)又は(c)に示すように横断面形状の外角線が円周の一部若しくは多角形の連続する3辺を構成する形状としても良い。ガス抜き口33a,33bや側端面35a,35bも図4(a)に示されるガス捕集装置11同様に備えられている。
また、図4(d)に示すように、両側端面35c,35cが閉塞された中空円筒の側面に一方の端面近くにガス吸込口32を設け、他方の端面近くにガス抜き口33cを設けた構造とすることもできる。この場合、ガス捕集装置11a〜11cはいずれもガス捕集装置11と同様の作用を有する。さらに、これらのガス捕集装置11a〜11cにおいても捕集されたガスの移送を効率良く行うために、開口端面側が閉塞端面側よりも高くなるようにガス捕集装置11を傾斜させて嫌気槽内に取り付けることが望ましいが、ガスの移送効率を考慮しない場合には角度をつけずに水平に設置しても良い。
また、ガス排出管13の形状も本実施例の場合に限らない。ガス受け部31はガス捕集装置11から送出されるガスを漏らさずに受け易い構造であれば良く、筒状部分34も両端が開放された中空形状であれば円筒以外の形状でも良い。
上記構造のガス捕集装置11とガス排出管13においては、有機物の分解により発生するガスの捕集を確実に行うことが可能である。
本発明に係る請求項1乃至請求項4に記載された発明は、下水処理だけではなく、し尿処理、あるいは有機系の一般産業廃棄物の処理に用いることができる。
本発明の実施の形態に係る嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムの断面図である。 本発明の実施の形態に係る嫌気槽とそれを含んだ排水処理システムの構成図である。 (a)は傾斜管及び集水管の断面図であり、(b)は沈降促進部の外観図である。 (a)はガス捕集装置とガス排出管の位置関係を示す模式図であり、(b)乃至(d)はガス捕集装置の変形例の外観図である。 従来技術に係る浄水装置の断面図である。
符号の説明
1…排水処理システム 2…嫌気槽 3…流量調整槽 4…脱窒槽 5…膜分離槽 6a,6b…散気装置 7a〜7e…ポンプ 8a〜8c…流入配管 9…流量調整ボックス 10a,10b…返送配管 11,11a〜11c…ガス捕集装置 12…沈降促進部 13…ガス排出管 14…導入配管 15…排出配管 16…集水管 17…槽底部 18…分離膜モジュール 19…撹拌機 20…引抜配管 21…沈降促進部 22…汚泥処理 23…凝集沈殿槽 24…消毒槽 25…高度処理 26…放流水 27…リン除去処理 28…傾斜管 29…上澄み水 30…汚泥 31…ガス受け部 32…ガス吸込口 33,33a〜33c…ガス抜き口 34…筒状部分 35…側端面 101…処理槽 102…生物処理装置 103…膜ろ過装置 104…濃縮装置 105,106…エアー噴出管 105a,106a…エアー 107…仕切板 108…原水 C…矢印

Claims (4)

  1. 有機性排水を嫌気性微生物によって処理する嫌気槽において、前記嫌気性微生物によって嫌気槽内に導入された被処理水中の有機物が嫌気性処理されて発生するガスを捕集するガス捕集部と、このガス捕集部によって捕集されたガスを嫌気槽外部に排出するガス排出管と、前記ガス捕集部の上方に配され前記被処理水中に含まれる汚泥の沈降を促進して被処理水の固液分離を図る沈降促進部と、この沈降促進部で固体成分を分離された被処理水を槽外へ送出する流路とを有することを特徴とする嫌気槽。
  2. 前記沈降促進部は、水平方向若しくは鉛直方向に並設された複数の傾斜管であって、これらの傾斜管の下端部は開放されて前記被処理水を導入し、上端部は前記流路として集水管が接続されることを特徴とする請求項1記載の嫌気槽。
  3. 前記ガス捕集部は、下部を開口して傾斜させて設けられ、傾斜させた上部には捕集されたガスを前記ガス排出管へ導くガス抜き口を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の嫌気槽。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の嫌気槽と、この嫌気槽の上流側に配される流量調整槽と、前記嫌気槽の下流側に配される脱窒槽と、この脱窒槽の下流側に配される膜分離槽とを備え、前記流量調整槽は前記嫌気槽に供給する被処理水の流量を調整し、前記脱窒槽は無酸素槽であり、前記膜分離槽は前記被処理水の膜ろ過及び好気性処理を行うとともにその一部を脱窒槽に返送することを特徴とする排水処理システム。
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