JP4374289B2 - 加工部耐食性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents
加工部耐食性に優れた表面処理鋼板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4374289B2 JP4374289B2 JP2004200325A JP2004200325A JP4374289B2 JP 4374289 B2 JP4374289 B2 JP 4374289B2 JP 2004200325 A JP2004200325 A JP 2004200325A JP 2004200325 A JP2004200325 A JP 2004200325A JP 4374289 B2 JP4374289 B2 JP 4374289B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- corrosion resistance
- mass
- steel sheet
- aqueous
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
Description
特にAlを添加しためっきは耐食性が高いため近年使用量が増加している.
また、上記及びその他これまで開示されためっき鋼板に更に高度な防錆機能を付与させるために、6価クロム酸塩等を用いたクロメート処理をめっき後に施すことが広く行われ、更に必要に応じて意匠性、耐汚染性、潤滑性等の高付加価値機能を付与すべく有機樹脂による被覆が行われたりしている。
Zn−Al−Mg系めっき層においてAlの含有量を4〜10質量%に限定した理由は、Alの含有量が10質量%を超えるとめっき密着性の低下が見られるため、Siを添加していないめっき層中のAlの含有量は10質量%以下にする必要があるためである。また、4質量%未満では初晶としてAl相が晶出しないため、Al層による加工部耐食性向上効果が見られないためである。
Mgの含有量を1〜5質量%に限定した理由は、1質量%未満では耐食性を向上させる効果が不十分であるためであり、5質量%を超えるとめっき層が脆くなって密着性が低下するためである。前述の〔Mg2 Si相〕はMgの添加量が多いほど晶出しやすいため,さらなる耐食性向上を目的とした場合,Mgの含有量を2〜5質量%とすることが望ましい。
ブラベー格子の格子面を構成する格子方向の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下、他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面を持つ金属間化合物をめっき層に添加することにより加工部耐食性が向上する理由は、以下の2つの理由が考えられる。
1.この金属間化合物の添加によりAl相の結晶が微細で均一な等軸晶となり、軟らかいAl相が三元共晶組織、MgZn2相の間に均等に存在し、MgZn2相を伝播するクラックの終点となるため、クラックの成長が抑制される。
2.この金属間化合物の添加によりAl相の結晶が微細で均一な等軸晶となり、等軸晶となったAl相のデンドライトアームが太くなった結果、デンドライトの表面積が減少することによって、腐食が進行し易いAl相と三元共晶組織の界面の面積が減少し、腐食速度が小さくなる。
金属間化合物は少量の添加で効果を発揮し、添加量が多くなるとめっき後の外観が粗雑になる等の外観不良が発生するため、上限は1質量%が望ましい。
EBSP法によりAl相とTiAl3の結晶方位を決定した結果、図1のAl相の{110}面は,TiAl3の{110}面,{102}面全てと平行であることが明らかになった。これは、TiAl3の{110}面、{102}面をAl相の核生成サイトとしてAl相のデンドライトが成長した結果であると考えられる。
本発明におけるめっき層の製造方法については、特に限定することなく、通常の無酸化炉方式の溶融めっき法が適用できる。下層としてNiプレめっきを施す場合も通常行われているプレめっき方法を適用すれば良い。
下地処理層としては、クロメート皮膜、りん酸塩皮膜、または、水性樹脂を含有する処理液をめっき表面に塗布した後に乾燥して形成する樹脂系皮膜を用いる。下地処理層はめっき面と皮膜の間に位置し加工時の密着性、耐食性向上に寄与する。
ポリフェノール化合物は、ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物又はその縮合物である。上記ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物としては、例えば、没食子酸、ピロガロール、カテコール等を挙げることができる。ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物の縮合物としては特に限定されず、例えば、通常タンニン酸と呼ばれる植物界に広く分布するポリフェノール化合物等を挙げることができる。タンニン酸は、広く植物界に分布する多数のフェノール性水酸基を有する複雑な構造の芳香族化合物の総称である。上記タンニン酸は、加水分解性タンニン酸でも縮合型タンニン酸でもよい。上記タンニン酸としては特に限定されず、例えば、ハマメリタンニン、カキタンニン、チャタンニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバランタンニン、ジビジビタンニン、アルガロビラタンニン、バロニアタンニン、カテキンタンニン等を挙げることができる。上記タンニン酸としては、市販のもの、例えば、「タンニン酸エキスA」、「Bタンニン酸」、「Nタンニン酸」、「工用タンニン酸」、「精製タンニン酸」、「Hiタンニン酸」、「Fタンニン酸」、「局タンニン酸」(いずれも大日本製薬株式会社製)、「タンニン酸:AL」(富士化学工業株式会社製)等を使用することもできる。上記ポリフェノール化合物は1種で使用しても良く、2種以上を併用してもよい。
ポリフェノール化合物は水性樹脂100質量%に対して1〜300質量%含有することが望ましい。1質量%未満ではポリフェノール化合物の量が不十分であるため、加工時に十分な密着性が得られず耐食性が劣る。300質量%を超えると逆に密着性や耐食性が低下したり、処理液の安定性を低下させることがある。
リン酸及びヘキサフルオロ金属酸からなる群より選択される少なくとも1種(g)は水性樹脂(d)の固形分100質量%に対して0.1〜100質量%含有することが望ましい。0.1質量%未満ではこれらの酸の量が不十分であるため、耐食性が低下することがある。100質量%を超えると樹脂系皮膜が脆くなり、皮膜凝集破壊により密着性低下が生じることがある。
リン酸塩化合物は水性樹脂(d)の固形分100質量%に対して0.1〜100質量%含有することが好ましい。0.1質量%未満ではリン酸塩化合物の量が不十分であるため、耐食性が低下することがある。100質量%を超えると樹脂系皮膜が脆くなり、皮膜凝集破壊により密着性低下が生じることがある。
一般的にポリウレタン樹脂の物性の制御は、ハードセグメントとソフトセグメントのバランス及び架橋密度によって行われているため、構成される骨格及びイソシアネートの種類によって広範な特性が制御できる。本発明に使用されるポリウレタン樹脂の伸びと抗張力の調整は、可とう性を示すポリエステル骨格と強靭性を示すポリエーテル骨格及びウレタン結合部の含有量で制御され、後者の含有量が増えれば、伸びは小さいが抗張力の高い強靭な特性が得られる。
ポリエステル骨格はポリエステルポリオール化合物、ポリエーテル骨格はポリエーテルポリオール化合物からそれぞれ得ることができる。
ポリエーテル骨格とポリエステル骨格の質量比率は、10:90〜70:30の範囲がより好ましい。ポリエーテルの比率が上記範囲より多い場合、強靭であるが伸びが小さいため高度の成形加工性に劣る。
微粒シリカ(b)の量は水性樹脂(a)100質量%に対して5〜50質量%を添加する。5%未満の場合、耐食性及び加工性の向上効果が小さく、50%を超える量では樹脂のバインダー効果が小さくなり、耐食性が低下すると共に樹脂の伸びと強度が低下するため加工性が低下する。
上記アミノ樹脂としては特に限定されず、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、グリコールウリル樹脂等を挙げることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等を挙げることができる。また、そのブロック化物は、上記ポリイソシアネート化合物のブロック化物である。
上記エポキシ化合物は、オキシラン環を複数個有する化合物であれば特に限定されず、例えば、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ソルビタンポリグルシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4’−グリシジルオキシフェニル)プロパン、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記カルボジイミド化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアネート末端ポリカルボジイミドを合成した後、更にイソシアネート基との反応性を有する官能基を持つ親水性セグメントを付加した化合物等を挙げることができる。
本発明の水性塗料には、更に、摺動性向上のため、固形潤滑剤(j)を含有することが好ましい。
これらのワックスの粒子径は、0.1〜5μmがより好ましい。5μmを超えるものは固体化したワックスの分布が不均一となったり、樹脂系皮膜からの脱落が生じたりする可能性がある。また、0.1μm未満の場合は、加工性が不十分である場合がある。
また、本発明の水性塗料には、溶接性の向上のために導電性物、意匠性向上のため着色顔料物を添加することもある。また、沈降防止剤、レベリング剤、増粘剤等の各種添加剤を添加しても本発明の効果は損なわない。
Al系金属間化合物の中にはめっき浴中に溶解し、再晶出した際にAlの一部がSiに置換されたと考えられるものも存在したが、結晶方位と面間隔に大きな変化が見られなかったため、実施例ではSiに置換されていないAl系金属間化合物として表記した。
Al相と金属間化合物の結晶方位は、研磨しためっき面からEBSP法を用いて決定し、Al相の{110}面と金属間化合物の各格子面の整合性を調査した。結果を表1に示す。Al相の{110}面と金属間化合物の各格子面が平行であったものを○、Al相の{110}面と金属間化合物の各格子面に関連性が見られなかったものを×とした。
次に、このめっき鋼板を脱脂した後、Cr付着量50mg/m2の塗布型クロメート処理を行い、その上に、製造例1により製造されたポリウレタン樹脂100質量%に微粒シリカ(スノーテックス−N:日産化学工業社製)を30%配合した水性塗料を塗布し、到達板温が150℃になるよう焼き付けて、付着量1.0g/m2の皮膜を有する表面処理鋼板を作製した。
ポリウレタン樹脂製造例1
末端にヒドロキシル基を有するアジピン酸と1,4−ブチレングリコールから合成された平均分子量900のポリエステルポリオール80部、平均分子量700のビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物120部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸12部をN−メチル−2−ピロリドン100部に加え、80℃に加温して溶解させる。その後、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を加え、110℃に加温して2時間反応させ、トリエチルアミンを11部加えて中和する。この溶液をエチレンジアミン5部と脱イオン水570部を混合した水溶液に強撹拌下において滴下して水系ウレタン樹脂を得た。この樹脂のTgは85℃、ポリエステル骨格とポリエーテル骨格の重量比は、ポリエステル骨格:ポリエーテル骨格=40:60である。
加工部耐食性は、張り出し試験後のサンプルの耐食性を評価した。張り出し試験は,200×200mmのブランク板を直径120mmφの球頭を使用し,高さ35mm張り出した.スクライブドサークルを使用してサンプルの歪み量を測定した結果,高さ方向に33%,円周方向に9%延びていた.
耐食性は張出し後の加工部についてSST120hr後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
10:白錆発生なし
9:白錆発生1%未満
8:白錆発生1%以上3%未満
7:白錆発生3%以上5%未満
6:白錆発生5%以上7%未満
5:白錆発生7%以上10%未満
4:白錆発生10%以上15%未満
3:白錆発生15%以上20%未満
2:白錆発生20%以上30%未満
1:白錆発生30%以上
評価結果を表1に示す。
番号5、11は金属間化合物のAlの{110}面と近い面を構成する格子面の格子方向の面間隔が、本発明の範囲外であるため加工部耐食性が不合格となった。番号20、26、32、38,44,50,56は耐食性の比較のためにいれた金属間化合物を添加していないめっき鋼板である。これら以外の本発明品は,加工部耐食性が優れた表面処理めっき鋼板であった。
耐食性は張出し後の加工部についてSST120hr後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
10:白錆発生なし
9:白錆発生1%未満
8:白錆発生1%以上3%未満
7:白錆発生3%以上5%未満
6:白錆発生5%以上7%未満
5:白錆発生7%以上10%未満
4:白錆発生10%以上15%未満
3:白錆発生15%以上20%未満
2:白錆発生20%以上30%未満
1:白錆発生30%以上
評価結果を表3に示す。表3は下地処理層として、クロメート皮膜、リン酸亜鉛皮膜を適応した結果を示したものである。番号69,70は下地処理層がないため皮膜密着性,加工部耐食性が不合格となった。これら以外のクロメート皮膜、リン酸亜鉛皮膜を下地としたものはいずれも皮膜密着性,加工部耐食性が良好な結果となった。
耐食性は張出し後の加工部についてSST120hr後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
10:白錆発生なし
9:白錆発生1%未満
8:白錆発生1%以上3%未満
7:白錆発生3%以上5%未満
6:白錆発生5%以上7%未満
5:白錆発生7%以上10%未満
4:白錆発生10%以上15%未満
3:白錆発生15%以上20%未満
2:白錆発生20%以上30%未満
1:白錆発生30%以上
評価結果を表5〜7に示す。表5〜表7は下地処理層として樹脂系皮膜を適応し、樹脂系皮膜組成の影響を調査したものである。番号138は下地処理層がないことが本発明の範囲外であるため皮膜密着性、加工部耐食性が不合格となった。これら以外はいずれも皮膜密着性、加工部耐食性が良好な結果となった。なお、シランカップリング剤(e)の種類としては、番号74〜77の中でエポキシ基を有するe1、アミノ基を有するe2を単独で使用もしくは併用した番号74、75、77が比較的良好な加工部耐食性を示した。
ポリウレタン樹脂製造例2
末端にヒドロキシル基を有するアジピン酸と1,4−ブチレングリコールから合成された平均分子量900のポリエステルポリオール40部、平均分子量700のビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物160部、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸10部をN−メチル−2−ピロリドン100部に加え、80℃に加温して溶解させる。その後、ヘキサメチレンジイソシアネート120部を加え、110℃に加温して2時間反応させ、トリエチルアミンを10部加えて中和する。この溶液をエチレンジアミン5部と脱イオン水570部を混合した水溶液に強撹拌下において滴下して水系ウレタン樹脂を得た。この樹脂のTgは105℃、ポリエステル骨格とポリエーテル骨格の重量比は、ポリエステル骨格:ポリエーテル骨格=20:80である。
ポリウレタン樹脂製造例3
末端にヒドロキシル基を有するアジピン酸と1,4−ブチレングリコールから合成された平均分子量900のポリエステルポリオール230部、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸15部をN−メチル−2−ピロリドン100部に加え、80℃に加温して溶解させる。その後、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を加え、110℃に加温して2時間反応させ、トリエチルアミンを11部加えて中和する。この溶液をエチレンジアミン5部と脱イオン水570部を混合した水溶液に強撹拌下において滴下して水系ウレタン樹脂を得た。この樹脂のTgは30℃、ポリエステル骨格とポリエーテル骨格の重量比は、ポリエステル骨格:ポリエーテル骨格=100:0である。
耐食性は張出し後の加工部についてSST120hr後の白錆発生状況を以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
10:白錆発生なし
9:白錆発生1%未満
8:白錆発生1%以上3%未満
7:白錆発生3%以上5%未満
6:白錆発生5%以上7%未満
5:白錆発生7%以上10%未満
4:白錆発生10%以上15%未満
3:白錆発生15%以上20%未満
2:白錆発生20%以上30%未満
1:白錆発生30%以上
溶接性の評価は、下記のスポット溶接条件で行った。
加圧力:200kgf
電極:Cu−Cr系合金,CF型,先端径6mmφ
通電時間:10サイクル
連続溶接条件:ナゲット形成電流I0(板厚をtとした時、ナゲット径が4√t
以上になる最小電流値)の1.4倍の電流値(Ia)、1打点/3
秒の速度、20打点毎に30秒休止の条件で連続溶接
連続溶接終了:100打点毎にナゲット径測定用のサンプルを0.85×Iaの
電流値で溶接し、ナゲット径が4√tより小さくなった時点を終
了と判定
評価は、溶接点数500点以上を合格とした。
10:白錆発生なし
9:白錆発生1%未満
8:白錆発生1%以上3%未満
7:白錆発生3%以上5%未満
6:白錆発生5%以上7%未満
5:白錆発生7%以上10%未満
4:白錆発生10%以上15%未満
3:白錆発生15%以上20%未満
2:白錆発生20%以上30%未満
1:白錆発生30%以上
評価結果を表13に示す。表13は固形潤滑剤の影響を調査したものである。固形潤滑剤の添加量が適量のものは,摩擦係数が低いため,絞り加工部の加工部耐食性が優れていた。
Claims (24)
- 鋼板の片面または両面に、Al:4〜10質量%、Mg:1〜5質量%及びブラベー格子の格子面を構成する格子方向の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下で他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面を持つ金属間化合物を含有し、残部がZn及び不可避的不純物より構成されるZn合金めっき層を有するめっき鋼板のめっき層が、〔Al/Zn/MgZn2の三元共晶組織〕の素地中に〔Al相〕及び〔MgZn2相〕が混在した金属組織を有し、且つ、〔Al相〕の中にブラベー格子の格子面を構成する格子方向の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下で他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面を持つ金属間化合物を、この金属間化合物の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下、他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面とAl相の{110}面が平行となるよう含有するめっき層を有し、その上に中間層として下地処理層を有し、その上に上層として水性樹脂(a)の固形分100質量%に対して、シリカ粒子(b)を5〜50質量%含有する水性塗料を塗布、乾燥することにより得られる樹脂系皮膜が0.2〜5g/m2の付着量で形成されていることを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 鋼板の片面または両面に、Al:4〜22質量%、Mg:1〜5質量%、Si:0.5質量%以下及びブラベー格子の格子面を構成する格子方向の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下で他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面を持つ金属間化合物を含有し、残部がZn及び不可避的不純物より構成されるZn合金めっき層を有するめっき鋼板のめっき層が、〔Al/Zn/MgZn2の三元共晶組織〕の素地中に〔Mg2 Si相〕と〔Al相〕及び〔MgZn2相〕が混在した金属組織を有し、且つ、〔Al相〕の中にブラベー格子の格子面を構成する格子方向の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下で他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面を持つ金属間化合物を、この金属間化合物の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下、他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面とAl相の{110}面が平行となるよう含有するめっき層を有し、その上に中間層として下地処理層を有し、その上に上層として水性樹脂(a)の固形分100質量%に対して、シリカ粒子(b)を5〜50質量%含有する水性塗料を塗布、乾燥することにより得られる樹脂系皮膜が0.2〜5g/m2の付着量で形成されていることを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項1乃至2のいずれかに記載の金属間化合物の結晶系が、立方晶、正方晶、斜方晶、単斜晶、六方晶のいずれかであることを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の金属間化合物の含有量が、1質量%以下であることを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- ブラベー格子の格子面を構成する格子方向の一方の面間隔が2.57Å以上3.15Å以下、他方の面間隔が3.64Å以上4.46Å以下である格子面を持つ金属間化合物を結晶核とし、Al相のデンドライトの一次アームが[110]方向に成長していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 水性樹脂(a)が水性エポキシ樹脂、水性フェノール樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性ポリオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 水性樹脂(a)がポリエステル骨格部分及びポリエーテル骨格を有するポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- ポリエステル骨格部分及びポリエーテル骨格を有するポリウレタン樹脂のポリエステル骨格に対するポリエーテル骨格の質量比率が10:90〜70:30であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 水性樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)が70℃以上200℃以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 水性塗料が、更に、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、そのブロック体、エポキシ化合物及びカルボジイミド化合物からなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤(c)を水性樹脂(a)の固形分100質量%に対して1〜40質量%含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 下地処理層としてCr付着量5〜100mg/m2のクロメート皮膜を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 下地処理層として付着量0.2〜5.0g/m2のりん酸塩皮膜の化成皮膜を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 下地処理層として水性樹脂(d)を含有する下地処理液を塗布、乾燥することにより形成される樹脂系皮膜層を有し、その皮膜層の乾燥後の付着量が10〜3000mg/m2であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 水性樹脂(d)が水性エポキシ樹脂、水性フェノール樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性ポリオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項13に記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項13または14のいずれかに記載の下地処理液に、更にシランカップリング剤(e)を水性樹脂(d)100質量%に対して1〜300質量%含有することを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- シランカップリング剤(e)が反応性官能基として、エポキシ基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項15に記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項13乃至16のいずれかに記載の下地処理液に、更にポリフェノール化合物(f)を水性樹脂(d)の固形分100質量%に対して1〜300質量%含有することを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項13乃至17のいずれかに記載の下地処理液に、更にリン酸及びヘキサフルオロ金属酸からなる群より選択される少なくとも1種(g)を水性樹脂(d)の固形分100質量%に対して0.1〜100質量%含有することを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- ヘキサフルオロ金属酸がTi、Si、Zr、Nbの中からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項18に記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項13乃至19のいずれかに記載の下地処理液に、更にリン酸塩化合物(h)を水性樹脂(d)の固形分100質量%に対して0.1〜100質量%含有することを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- リン酸塩化合物(h)がカチオン成分としてMg、Mn、Al、Ca、Niの中からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項20に記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 請求項13乃至21のいずれかに記載の下地処理液に、更にSi、Ti、Al、Zrからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素からなる金属酸化物粒子(i)を水性樹脂(d)の固形分100質量%に対して1〜300質量%含有することを特徴とする加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 上層として塗布する水性塗料に、更に、固形潤滑剤(j)を水性樹脂(a)の固形分100質量%に対して1〜40質量%含有することを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
- 固形潤滑剤(j)が粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワックスであることを特徴とする請求項23に記載の加工部耐食性に優れた表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004200325A JP4374289B2 (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 加工部耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004200325A JP4374289B2 (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 加工部耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006022363A JP2006022363A (ja) | 2006-01-26 |
JP4374289B2 true JP4374289B2 (ja) | 2009-12-02 |
Family
ID=35795851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004200325A Active JP4374289B2 (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 加工部耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4374289B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4546884B2 (ja) * | 2004-07-07 | 2010-09-22 | 新日本製鐵株式会社 | 加工部耐食性に優れる表面処理めっき鋼板 |
JP4920625B2 (ja) * | 2008-04-07 | 2012-04-18 | 新日本製鐵株式会社 | 表面処理金属板 |
EP2279287A2 (en) * | 2008-04-16 | 2011-02-02 | C-3 Int'l, Llc | Methods for enhancing lubricity of surfaces |
JP4980470B2 (ja) * | 2009-05-11 | 2012-07-18 | 新日本製鐵株式会社 | 表面処理金属材及びその製造方法 |
CN101891998B (zh) * | 2009-05-18 | 2012-11-21 | 攀钢集团钢铁钒钛股份有限公司 | 一种涂料组合物和镀锌钝化材料 |
JP5808609B2 (ja) * | 2010-09-15 | 2015-11-10 | 日新製鋼株式会社 | 黒色めっき鋼板 |
WO2013160567A1 (fr) | 2012-04-25 | 2013-10-31 | Arcelormittal Investigacion Y Desarrollo, S.L. | Procédé de réalisation d'une tôle prélaquée à revêtements znalmg et tôle correspondante. |
BR112018003781A2 (ja) | 2015-10-26 | 2018-09-25 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Plating steel plate |
JP2021066932A (ja) * | 2019-10-24 | 2021-04-30 | 株式会社放電精密加工研究所 | 表面被覆金属部材、それに用いる水性防錆表面処理組成物、およびその製造方法 |
JP2023099905A (ja) * | 2022-01-04 | 2023-07-14 | Jfeスチール株式会社 | 潤滑皮膜被覆亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06228771A (ja) * | 1993-01-29 | 1994-08-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 有機複合めっき鋼板の製造方法および製造設備 |
JP3702193B2 (ja) * | 2001-04-06 | 2005-10-05 | 新日本製鐵株式会社 | 加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板 |
JP3547414B2 (ja) * | 2001-08-17 | 2004-07-28 | 新日本製鐵株式会社 | 加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい非脱膜型潤滑めっき鋼板 |
JP4224256B2 (ja) * | 2002-05-02 | 2009-02-12 | 新日本製鐵株式会社 | 表面平滑性に優れる高耐食性溶融Zn系めっき鋼材 |
JP4171232B2 (ja) * | 2002-03-08 | 2008-10-22 | 新日本製鐵株式会社 | 表面平滑性に優れる溶融めっき鋼材 |
JP3760901B2 (ja) * | 2002-08-06 | 2006-03-29 | Jfeスチール株式会社 | 加工性および耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板およびその製造方法 |
JP4050978B2 (ja) * | 2002-11-27 | 2008-02-20 | 新日本製鐵株式会社 | 鮮映性の優れた高耐食性塗装鋼板 |
-
2004
- 2004-07-07 JP JP2004200325A patent/JP4374289B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006022363A (ja) | 2006-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4546884B2 (ja) | 加工部耐食性に優れる表面処理めっき鋼板 | |
KR101070966B1 (ko) | 표면 처리 금속재 및 금속 표면 처리제 | |
KR100509626B1 (ko) | 내식성이 우수한 도금 강재, 도금 강판과 도장 강판 및 그제조방법 | |
JP4901116B2 (ja) | 表面処理金属板 | |
JP4528149B2 (ja) | 加工部耐食性に優れる溶融めっき鋼材と塗装鋼板 | |
KR20130114275A (ko) | 표면 처리 강판 및 그 제조 방법 | |
JP4157491B2 (ja) | 加工性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板 | |
JP3547414B2 (ja) | 加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい非脱膜型潤滑めっき鋼板 | |
KR101819381B1 (ko) | 굽힘가공성이 우수한 아연합금도금강판 및 그 제조방법 | |
KR20080086469A (ko) | 연료 탱크용 크롬프리 표면처리강판, 그 제조방법 및 이에사용되는 처리액 | |
JP4374289B2 (ja) | 加工部耐食性に優れた表面処理鋼板 | |
US4970126A (en) | Highly corrosion-resistant, multi-layer coated steel sheets | |
TW201720960A (zh) | 燃料槽用表面處理鋼板 | |
CN114929819B (zh) | 表面处理组合物、利用其进行表面处理的三元系热浸镀锌合金钢板及制造该钢板的方法 | |
JP5130484B2 (ja) | 表面処理金属板及びその製造方法 | |
JP3702193B2 (ja) | 加工後の加工部の耐食性に優れた非脱膜型潤滑めっき鋼板 | |
JP2005015834A (ja) | 耐食性に優れ溶接可能な高耐食性塗装鋼板 | |
JP2003138385A (ja) | 塗膜密着性と加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい非脱膜型潤滑めっき鋼板 | |
JP5338195B2 (ja) | 表面処理亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 | |
JP4002534B2 (ja) | 塗膜密着性と鮮映性に優れ環境負荷の小さい高耐食性塗装鋼板 | |
JP4050978B2 (ja) | 鮮映性の優れた高耐食性塗装鋼板 | |
JP3793522B2 (ja) | 鮮映性の優れた高耐食性塗装鋼板 | |
JP3924261B2 (ja) | 鮮映性に優れ環境負荷の小さい高耐食性塗装鋼板 | |
JP2004277839A (ja) | 亜鉛系金属被覆鋼材 | |
JP3936657B2 (ja) | 非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061113 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070702 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090901 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090907 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4374289 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911 Year of fee payment: 4 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |