JP4373697B2 - 空間光変調器及び表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間光変調器、及びそれを用いた表示装置に関するものであり、より詳しくは、表示画像のコントラスト比の低下を低減することのできる空間光変調器、及びそれを用いたプロジェクタやヘッドマウントディスプレイなどに代表される表示装置、さらには、画素ずらし機能を有する投射表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロレンズアレイを用いて空間光変調素子(ライトバルブ)の画素を見かけ上小さくし、ウォブリング素子等の画素ずらし機能によって、複数のサブフレーム画像をスクリーン上で所定位置ずらして表示する表示装置が提案されている(例えば特許文献1等)。マイクロレンズアレイで画素を見かけ上小さくするのは画素ずらし機能によってサブフレーム画像間で画素の重なりを抑えるためであり、高精細な画像を得ることを目的としている。
【0003】
しかし、マイクロレンズアレイで光を屈折するときに、光の入射面と偏光の振動面が平行(もしくは直交)とならない光線が必ず存在する。この場合、入射光が直線偏光であっても屈折面でp偏光成分とs偏光成分がある。p偏光とs偏光のそれぞれの透過率は異なるために屈折後の偏光面は回転される。このため、マイクロレンズアレイを通過した光は偏光状態が揃わなくなる。したがって、このような光が空間光変調素子に入射されると、暗状態の場合の変調光(本来、投写レンズまで到達しない光)が光漏れを起こし表示面まで到達し、表示画像のコントラスト比を低下させていた。
【0004】
【特許文献1】
特許第3239969号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、空間光変調素子(ライトバルブ)からなる空間光変調器において、光利用効率向上などのためにマイクロレンズアレイを用いる場合に、レンズの屈折で偏光面が回転し、表示画像のコントラスト比が低下するという問題を解消することを目的とし、さらには、少なくとも光源と前記空間光変調器を用いた表示装置において、光利用効率を高くし、かつコントラスト比の低下を抑えることを目的とする。
【0007】
より詳しく述べると、請求項に係る発明は、液晶を用いた空間光変調素子からなる空間光変調器において、コントラスト比の低下を低減し、かつ、マイクロレンズアレイ透過光による隣接画素への光の漏れを低減することを目的とする。
また、コントラスト比の低下を効率良く低減することを目的とする。
【0009】
請求項に係る発明は、少なくとも光源と空間光変調器を用いた表示装置において、光利用効率を高くし、かつコントラスト比の低下を抑えることを目的とする。
請求項に係る発明は、少なくとも光源と空間光変調器を用いた表示装置において、光利用効率を高くし、かつコントラスト比の低下を抑えることを目的とする。
【0010】
請求項に係る発明は、少なくとも光源と照明手段と空間光変調器と投射手段を用いた表示装置において、光利用効率を高くし、かつコントラスト比の低下を抑えることを目的とする。
請求項に係る発明は、少なくとも光源と照明手段と反射型空間光変調器と投射手段を用いた表示装置において、光利用効率を高くし、かつコントラスト比の低下を抑えることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、少なくとも透光性基板と液晶からなり、複数の画素を有し、各画素に入射された光の偏光状態または光強度を変調することによって画像を形成する空間光変調素子からなる空間光変調器において、前記透光性基板が空間光変調素子の画素ピッチと等しいアレイピッチを有するマイクロレンズアレイで構成され、かつ、前記マイクロレンズアレイの屈折力を有する面に、表示画像のコントラスト比の低下を低減するための減反射手段を設け、前記減反射手段は、前記マイクロレンズアレイの各レンズの周辺部に対して減反射効果が高くなるように、該各レンズの周辺部の膜厚を変えた減反射膜であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項に係る発明は、少なくとも、光源と、請求項1に記載の空間光変調器とで構成されたことを特徴とする表示装置である。
また、請求項に係る発明は、請求項記載の表示装置において、前記減反射手段は、光源の配向分布で強度が高い光が空間光変調器に入射される角度に対して減反射効果が高くなるような減反射手段であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項に係る発明は、少なくとも、光源と、請求項1に記載の空間光変調器と、前記光源からの光を空間光変調器に照明するための照明手段と、前記空間光変調器の画像を表示面に投射する投射手段からなることを特徴とする表示装置である。
また、請求項に係る発明は、請求項記載の表示装置において、前記空間光変調器は透過型の空間光変調器であることを特徴とするものである。
さらに請求項に係る発明は、請求項記載の表示装置において、前記空間光変調器は反射型の空間光変調器であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項に係る発明は、少なくとも、光源と、請求項1に記載の空間光変調器と、前記光源からの光を空間光変調器に照明するための照明手段と、フレーム画像を複数枚のサブフレーム画像に分解したサブフレーム信号に同期して空間光変調器の画素を光学的に変位させる画素ずらし素子と、空間光変調器の画像を表示面に投射する投射手段からなることを特徴とする表示装置である。
また、請求項に係る発明は、請求項記載の表示装置において、前記空間光変調器は透過型の空間光変調器であることを特徴とするものである。
さらに請求項に係る発明は、請求項記載の表示装置において、前記空間光変調器は反射型の空間光変調器であることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の画素を有し、各画素に入射された光の偏光状態または光強度を変調することによって画像を形成する空間光変調素子からなる空間光変調器において、前記空間光変調素子の画素ピッチと等しいアレイピッチを有するマイクロレンズアレイを空間光変調素子の近傍に配置し、かつ、前記マイクロレンズアレイの屈折力を有する面に、表示画像のコントラスト比の低下を低減するための減反射手段を設けたことを特徴とするものである。以下、マイクロレンズアレイに設ける減反射手段によるコントラスト比向上の効果について説明する。
【0019】
まず、光がレンズに入射・屈折した時に偏光方向が変わることについて説明する。図10(a)はレンズ100に入射した光101と屈折した光の偏光状態を説明するための図である。屈折率1.52のレンズ100はz軸に対して垂直に配置され、入射光はz軸に沿ってx=yの位置に入射される。入射光は直線偏光として、その振動面102はyz平面に平行とする。入射光の入射面は位置Aにおけるレンズ面の法線ベクトルと入射光の進行方向ベクトルとを含む平面で定義されるので、103が入射面となる。入射光は入射面に平行なp偏光成分と垂直なs偏光成分に分解できる(図10(b))。フレネルの式から、レンズ面で屈折されるp偏光の透過率とs偏光の透過率には、図11(減反射手段が無いレンズへp偏光とs偏光の光が入射したときの入射角と透過率の関係)に示すように入射角依存性がある。この場合、p偏光透過率とs偏光透過率が異なるために、図10の(c)のように、屈折後のp偏光性分とs偏光成分を合成した屈折光の偏光面104は角度αだけy軸から傾く。
【0020】
一方,減反射手段を設けたレンズ(図示せず)の場合について説明する。屈折率1.52のレンズの曲面上にSiOからなる単層膜が光学膜厚0.25波長だけ成膜された減反射手段を設ける。このときのp,s偏光の透過率は図12に示すように、両偏光の透過率差は図11の減反射手段無しの場合に比べて小さくなる。このため図10(c)の角αは小さくなる。ただし、減反射手段無しの場合と異なり、屈折後のp,s偏光の位相が異なるため、楕円偏光化する。図13は屈折後のp偏光の位相からs偏光の位相を引いた値(両偏光の位相差)を入射角度に対して計算した結果である。入射角が60°の場合でも、両偏光の位相差は約0.4°(約7ミリラジアン)である。楕円率に換算しても0.01であり、直線偏光に近い楕円偏光といえる。したがって、レンズに減反射手段を具備することによって偏光解消量が小さくなることが分かり、コントラスト比の低下が低減される。
【0021】
次にマイクロレンズアレイ付の空間光変調器を用いた場合のコントラスト比の計算に用いる表示装置のモデルについて説明する。
図1は本発明に係るマイクロレンズアレイ付の空間光変調器を用いた場合に、コントラスト比を計算する際に用いる表示装置の一例を示す図である。この表示装置は、偏光板11,12と、偏光ビームスプリッタ13と、マイクロレンズアレイ15と反射型空間光変調素子16からなる空間光変調器と、反射型の画像形成光学系のコントラストを向上するためのλ/4板14で構成される。図示しないが、偏光板11の−z側にはモデル上の光源があり、光源から出射される光は無偏光で、かつ、z軸とのなす角が0°から7°までの放射角を有し、波長は550nmとした。また、偏光板12の+y方向にはモデル上の受光器を配置した。偏光板11の透過軸はx軸方向とし、偏光板12の透過軸はz軸方向とした。空間光変調器を構成するマイクロレンズアレイ15の諸特性を変えてコントラスト比への影響を調べるため、反射型空間光変調素子16は平面ミラーとした。また、明表示と暗表示の光量を調べる際には、λ/4板14の遅相軸(または進相軸でも良い)をxz平面上でz軸とのなす角を0°または45°とした。以下、具体的な実施例を示す。
【0022】
[実施例1]
まず、第1の実施例として、図1に示す表示装置の空間光変調器を構成するマイクロレンズアレイ15に、図2に示す構成のマイクロレンズアレイ20を用いた例を説明する。尚、図2はマイクロレンズアレイの一部の断面のみを示している。各アレイのレンズFナンバーは12で、屈折率は1.52とした。マイクロレンズアレイ20の屈折力を有する曲面21の減反射手段の有無でコントラスト比を計算した。本実施例では、減反射手段として、マイクロレンズアレイ20の屈折力を有する曲面21に、MgF(弗化マグネシウム)を波長の0.25倍の厚さだけ成膜している。また、図示しない光源の波長は550nmとした。下記の表1はコントラスト比の計算結果である。本実施例では、マイクロレンズアレイ20の屈折力を有する面に減反射手段を具備することによって、レンズを屈折した光の偏光解消量が低減されるため、暗状態の光が偏光ビームスプリッタ13を透過する光量が減り、結果としてコントラスト比が向上する。
【0023】
【表1】
Figure 0004373697
【0024】
[実施例2]
次に第2の実施例として、図1に示す表示装置の空間光変調器を構成するマイクロレンズアレイ15に、図3に示す構成のマイクロレンズアレイ30を用いた例を説明する。尚、図3はマイクロレンズアレイの一部の断面のみを示している。マイクロレンズアレイ30はマイクロレンズアレイ基板31と、平行平板32を、透光性樹脂33によって貼り合わせたものである。各アレイのレンズFナンバーは12となるように設計した。マイクロレンズアレイ基板31および平行平板32の屈折率はともに1.52で、透光性樹脂33の屈折率は1.4である。本実施例では、マイクロレンズアレイ基板31の屈折力を有する曲面34に、減反射手段としてSiO(二酸化シリコン、屈折率1.46)の単層膜を成膜した。単層膜の膜厚(物理長)は、94nmの場合と、各レンズの周辺部の膜厚を変えて77nmとした場合の、二例とした。計算結果を以下の表2にまとめて示す。
【0025】
【表2】
Figure 0004373697
【0026】
単層膜の膜厚が94nmの場合には、マイクロレンズアレイ基板31の曲面34でのp偏光とs偏光の透過率がともに高くなり、偏光解消が低減されるためにコントラストが向上する。さらに、各レンズの周辺部の膜厚を変えて77nmとした場合には、減反射手段の膜厚を変えてマイクロレンズアレイ基板31の各レンズの周辺部分の偏光解消を低減したことによって、コントラスト比がさらに向上される。
【0027】
尚、本実施例のように減反射手段として単層膜を成膜する場合、膜材料の屈折率はマイクロレンズアレイ基板31の屈折率と透光性樹脂33の屈折率の間の値を選ぶことで、良好な減反射特性が得られる。すなわち、減反射手段となる単層膜の屈折率Nは、マイクロレンズアレイ基板31の屈折率をn1とし、透光性樹脂33の屈折率をn2とすると、
n1<N<n2
または、
n2<N<n1
となるようにすることにより、良好な減反射特性が得られる。
【0028】
[実施例3]
次に第3の実施例として、実施例2で用いたマイクロレンズアレイ付きの空間光変調器を用い、投射手段でスクリーンに投影した特性について述べる。
図4は透過型の空間光変調器を3個用いた表示装置の一例を示す概略構成図である。この表示装置は、白色光を放射するランプ光源41と、ランプ光源41からの光を各空間光変調器に均一照明するための照明光学系42と、照明光を3色に分光するための分光手段43b、43gと、折返しミラー44と、マイクロレンズアレイ付きの透過型空間光変調器50a(または50b)と、色合成素子としてのダイクロイックプリズム46と、投射レンズ47で構成されている。また、符号48は表示面(スクリーン)を表す。
【0029】
ランプ光源41としては超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを用いることができる。
照明光学系42にはフライアイインテグレータを用いることができる。分光手段として、本実施例では、ダイクロイックミラー43b,43gを用いた。ダイクロイックミラー43bでは青色光のみを反射し、ダイクロイックミラー43gでは少なくとも緑色の光を反射する。
【0030】
空間光変調器50a(または50b)は図5(a)または(b)に示すような構成のマイクロレンズアレイ付き空間光変調器を用いる。図5(a)に示す空間光変調器50aは、透過型空間光変調素子50にマイクロレンズアレイ20を近接して配置したものである。空間光変調素子50は2枚の透光性基板51,52の間に液晶53が挟まれており、透光性基板51,52の液晶側に透明電極が配置され(図示せず)、一方の透光性基板には薄膜トランジスタ(TFT)54が配置される。液晶53としてはツイストネマチック型の液晶を用いることができる。画素電極(図示せず)に印加する電圧で、液晶層でλ/2の位相差を発生させたり、位相差を0にして偏光状態をスイッチングすることができる。また、この空間光変調器50aの前後に偏光板を配置すれば画素の光強度を変調することができる。この画像を3色分色合成素子としてのダイクロイックプリズム46で合成し、投射レンズ47を介してスクリーン48に拡大投射することができる。
【0031】
本実施例は一例であり、照明光学系42にはロッドインテグレータを用いても良いし、分光手段としてはダイクロイックミラー以外に回折格子などを用いても良い。さらに、色合成素子はダイクロイックプリズム以外にダイクロイックミラーの組合せでも良い。
【0032】
マイクロレンズアレイ20はTFTなどによる一画素の開口率の低下を向上させるために従来から使われているが、このマイクロレンズアレイが配置されたことによる偏光解消発生に起因したコントラスト低下については言及されてこなかった。実施例1,2(上述の説明では反射型空間光変調器との組み合わせによるコントラスト比向上)で述べたように、減反射手段をマイクロレンズアレイの屈折力を有する曲面に施すことによって、単純に透過率向上のみならず、偏光解消によるコントラスト比の低下を抑制することが可能になる。
【0033】
また、別の例として、図5(b)のマイクロレンズアレイ付き透過型空間光変調器50bは、空間光変調素子50’の片側の透光性基板をマイクロレンズアレイ基板20で置き換えたものである。この例では、マイクロレンズアレイ20の屈折面と液晶53の開口部(P)を近接して配置することができるため、空間光変調器50bを照らす照明光の光線角度が大きくなってもレンズからの集束光が隣接画素に回り込みにくくなる構造である。偏光解消低減効果については、前述のマイクロレンズアレイ基板付き空間光変調器50aと同様であるため説明を省略する。
【0034】
[実施例4]
次に第4の実施例として、マイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器を用いた表示装置について説明する。図6はマイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器を用いた表示装置の一例を示す概略構成図である。この表示装置は、ランプ光源41と、均一照明光学系61と、偏光ビームスプリッタ62と、マイクロレンズアレイ付き空間光変調器70a(または70b)と、画素ずらし素子65と、投射レンズ63で構成されている。本実施例は単板のマイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器70a(または70b)を用いた表示装置の例であり、カラー表示のためにはランプ光源41から空間光変調器70a(70b)までの間に回転フィルタを用いてフィールドシーケンシャル表示する。また、色分離素子と色合成素子と3枚の空間光変調器を用いた構成でカラー表示することもできる。偏光ビームスプリッタ62とマイクロレンズアレイ基板付き反射型空間光変調器70a(70b)との間にはλ/4板66が配置される。空間光変調器70a(または70b)で変調された画像光は偏光ビームスプリッタ62で反射され、画素すらし素子65と投射レンズ63を経てスクリーン64に投射される。
【0035】
図7(a),(b)はマイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器の構成例を示す図である。図7(a)のマイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器70aは、マイクロレンズアレイ20を反射型空間光変調素子70に近接して配置した例である。反射型空間光変調素子70は透光性基板71とシリコンバックプレーン72の間に液晶73が挟まれており、透光性基板71の液晶層側には透明電極(図示せず)が配置され、シリコンバックプレーン72の液晶層側には画素電極74が配置されている。また、図7(b)のマイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器70bは、空間光変調素子70’の片側の透光性基板をマイクロレンズアレイ基板20で置き換えたものであり、その他の構成は図7(a)と同様である。この例では、マイクロレンズアレイ20の屈折面と液晶73の開口部(P)を近接して配置することができるため、空間光変調器70bを照らす照明光の光線角度が大きくなってもレンズからの集束光が隣接画素に回り込みにくくなる構造である。
【0036】
図6に説明を戻し、画素ずらし素子65は、フレーム画像を複数枚のサブフレーム画像に分解したサブフレーム信号に同期して空間光変調器70a(または70b)の画素を光学的に変位させる素子であり、スクリーン64上に投射された画素位置を画素ピッチの半分だけ鉛直方向と水平方向に光学的に変位させる働きを有する。反射型空間光変調素子70近傍のマイクロレンズアレイ20は、画素ずらし素子65によってスクリーン64上の隣接画素との重なりを低減させるために用いる。この効果について、図8を用いて説明する。
【0037】
図8はマイクロレンズアレイの有無による投射画素形状の差をグラフ化したものである。横軸はスクリーン上の位置を表し、図中、「投射2画素」とは画素ずらし素子65によって見かけ上、高解像度化されたスクリーン上の2画素の長さを表している。マイクロレンズアレイ20が無い場合には空間光変調素子70の1画素が投射2画素分の大きさに投射されてしまい、隣接画素の重なりが大きくなる。一方、マイクロレンズアレイ20がある場合、レンズ効果によって見かけ上、空間光変調素子70の画素が縮小された分小さい画素で投射される。このため、隣接画素の重なりが減り高精細な画像が得られる。
【0038】
しかし、単にマイクロレンズアレイ20を空間光変調素子70近傍に配置しただけでは、前述のように画像のコントラスト比を低下させてしまう。そこで、マイクロレンズアレイ20の屈折力を有する曲面に減反射膜を成膜して減反射処理を施すことによって偏光解消量が低減され、実施例1、実施例2に記載のようにコントラスト比を向上することができる。従って本構成によれば、画素ずらし機能とマイクロレンズアレイの機能によって空間光変調素子の解像度の整数倍の表示を隣接画素の重なりを少なくして行なうことができ、かつ、画像のコントラスト比の低減を抑制した表示を行うことが可能になる。
尚、画素ずらし素子65の方式としては、平行平板の傾きを変化させる方式でも、液晶素子と複屈折材料を組合せた方式でも良い。すなわち画素ずらし素子の方式によって本発明の効果に影響を与えない。
【0039】
[実施例5]
次に第5の実施例として、マイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器を用いた表示装置の別の例について説明する。図9はマイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器を用いた表示装置の別の例を示す概略構成図である。この表示装置は、ランプ光源91と、分離素子(偏光フィルタとしての機能を含む)としての偏光ビームスプリッタ92と、斜め入射光のコントラストを向上させるためのλ/4板93と、マイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器94とで構成される。ランプ光源91から放射された光のうち、偏光ビームスプリッタ92によってs偏光成分(主に、紙面に垂直な偏光)が反射され、λ/4板93を経てマイクロレンズアレイ付き反射型空間光変調器94に入射される。変調された画素からの光は偏光方向が90°回転されて、偏光ビームスプリッタ92を透過して表示される。
【0040】
ランプ光源91としては超高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどが利用できる。このような光源は放射された光の軸方向が光線強度が最も高いわけではなく、図9で示したように矢印の方向(実際は軸対象で半角θの方位)の光線強度が最も高い。この光線はマイクロレンズアレイ基板の中心位置では入射角θとなる。マイクロレンズアレイの屈折力を有する曲面に設けた減反射手段は、この入射角で減反射効果が高くなるように設計すると、例えば、実施例1,2のように画像のコントラスト比の低下を低減することができる。
また、ランプ光源91と偏光ビームスプリッタ92の間に光学系が配置される場合(図示せず)には、この光学系によって放射角θの光線がマイクロレンズアレイへ入射される入射角に合わせて減反射効果を高くすれば良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る空間光変調器では、透光性基板が空間光変調素子の画素ピッチと等しいアレイピッチを有するマイクロレンズアレイで構成され、かつ、前記マイクロレンズアレイの屈折力を有する面に、表示画像のコントラスト比の低下を低減するための減反射手段を設けたことにより、光利用効率が向上するとともに、レンズによる屈折光の偏光面の回転が小さくなり表示画像のコントラスト比の低下が低減される。
【0042】
また、マイクロレンズアレイが空間光変調器の透光性基板を兼ねるため、レンズと空間光変調器の画素との距離を短くでき、隣接画素への光の漏れを低減できる。
【0043】
さらに、請求項に係る空間光変調器では、上述の構成及び効果に加え、前記減反射手段は、前記マイクロレンズアレイの各レンズ周辺部に対して減反射効果が高くなるように、該各レンズの周辺部の膜厚を変えた減反射膜であることにより、マイクロレンズアレイの周辺部に対して減反射効果を高めるために偏光回転量の大きくなるレンズ領域を集中的に改善することができる。
【0045】
請求項に係る表示装置では、少なくとも光源と、請求項1に記載の空間光変調器とで構成されたことにより、請求項1の効果が得られ、光利用効率の向上とともにコントラストの低下を抑えることができる。
また、請求項に係る表示装置では、請求項の構成に加えて、前記減反射手段は、光源の配向分布で強度が高い光が空間光変調器に入射される角度に対して減反射効果が高くなるような減反射手段であることにより、光利用効率の向上とともにコントラストの低下を抑えることができる表示装置が実現される。
【0046】
請求項に係る表示装置では、少なくとも光源と、請求項1に記載の透過型または反射型の空間光変調器と、前記光源からの光を空間光変調器に照明するための照明手段と、前記空間光変調器の画像を表示面に投射する投射手段からなることにより、光利用効率の向上とともにコントラストの低下を抑えることができる表示装置を実現することができる。
【0047】
請求項7〜9に係る表示装置では、少なくとも光源と、請求項1に記載の透過型または反射型の空間光変調器と、前記光源からの光を空間光変調器に照明するための照明手段と、フレーム画像を複数枚のサブフレーム画像に分解したサブフレーム信号に同期して空間光変調器の画素を光学的に変位させる画素ずらし素子と、空間光変調器の画像を表示面に投射する投射手段からなることにより、画素ずらし素子とマイクロレンズアレイによる画素を見かけ上小さくすることによって高解像で高精細な表示ができ、かつ光利用効率の向上とともにコントラストの低下を抑えることができる表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空間光変調器を用いた場合に、コントラスト比を計算する際に用いる表示装置の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る空間光変調器に用いるマイクロレンズアレイの一例を示す部分断面図である。
【図3】本発明に係る空間光変調器に用いるマイクロレンズアレイの別の例を示す部分断面図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す図であって、透過型の空間光変調器を3個用いた表示装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】図4に示す表示装置に用いられる空間光変調器の構成例を示す図である。
【図6】本発明のさらに別の実施例を示す図であって、反射型の空間光変調器を用いた表示装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】図6に示す表示装置に用いられる反射型空間光変調器の構成例を示す図である。
【図8】図6に示す表示装置において、マイクロレンズアレイの有無による投射画素形状の差をグラフ化した図である。
【図9】本発明のさらに別の実施例を示す図であって、反射型の空間光変調器を用いた表示装置の別の例を示す概略構成図である。
【図10】光がレンズに入射し屈折した時の、レンズに入射した光と屈折した光の偏光状態を説明するための図である。
【図11】減反射手段が無いレンズへp偏光とs偏光の光が入射したときの入射角と透過率の関係を示す図である。
【図12】減反射手段が有るレンズへp偏光とs偏光の光が入射したときの入射角と透過率の関係を示す図である。
【図13】レンズで屈折後のp偏光の位相からs偏光の位相を引いた値(両偏光の位相差)を入射角度に対して計算した結果を示す図である。
【符号の説明】
11,12:偏光板
13,62,92:偏光ビームスプリッタ
14,66,93:λ/4板
15,20,30:マイクロレンズアレイ
16:反射型空間光変調素子
31:マイクロレンズアレイ基板
32:平行平板
33:透光性樹脂
41,91:ランプ光源
42,61:照明光学系
43b,43g:分光手段(ダイクロイックミラー)
44:折返しミラー
46:色合成素子(ダイクロイックプリズム)
47,63:投射レンズ
48,64:スクリーン(表示面)
50,50’:透過型空間光変調素子
50a,50b:透過型空間光変調器
65:画素ずらし素子
70.70’:反射型空間光変調素子
70a,70b,94:反射型空間光変調器

Claims (9)

  1. 少なくとも透光性基板と液晶からなり、複数の画素を有し、各画素に入射された光の偏光状態または光強度を変調することによって画像を形成する空間光変調素子からなる空間光変調器において、
    前記透光性基板が空間光変調素子の画素ピッチと等しいアレイピッチを有するマイクロレンズアレイで構成され、かつ、前記マイクロレンズアレイの屈折力を有する面に、表示画像のコントラスト比の低下を低減するための減反射手段を設け、前記減反射手段は、前記マイクロレンズアレイの各レンズの周辺部に対して減反射効果が高くなるように、該各レンズの周辺部の膜厚を変えた減反射膜であることを特徴とする空間光変調器。
  2. 少なくとも、光源と、請求項1に記載の空間光変調器とで構成されたことを特徴とする表示装置
  3. 請求項2記載の表示装置において、
    前記減反射手段は、光源の配向分布で強度が高い光が空間光変調器に入射される角度に対して減反射効果が高くなるような減反射手段であることを特徴とする表示装置
  4. 少なくとも、光源と、請求項1に記載の空間光変調器と、前記光源からの光を空間光変調器に照明するための照明手段と、前記空間光変調器の画像を表示面に投射する投射手段からなることを特徴とする表示装置
  5. 請求項記載の表示装置において、
    前記空間光変調器は透過型の空間光変調器であることを特徴とする表示装置
  6. 請求項記載の表示装置において、
    前記空間光変調器は反射型の空間光変調器であることを特徴とする表示装置
  7. 少なくとも、光源と、請求項1に記載の空間光変調器と、前記光源からの光を空間光変調器に照明するための照明手段と、フレーム画像を複数枚のサブフレーム画像に分解したサブフレーム信号に同期して空間光変調器の画素を光学的に変位させる画素ずらし素子と、空間光変調器の画像を表示面に投射する投射手段からなることを特徴とする表示装置
  8. 請求項7記載の表示装置において、
    前記空間光変調器は透過型の空間光変調器であることを特徴とする表示装置。
  9. 請求項記載の表示装置において、
    前記空間光変調器は反射型の空間光変調器であることを特徴とする表示装置。
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