JP4371007B2 - 押圧ベルトおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、複数のプーリに巻き掛けられる押圧ベルトおよびその製造方法に関するものである。
一般に、2つの回転部材同士の間で動力の伝達をおこなう場合に用いる伝動装置には、摩擦伝動装置、歯車伝動装置、巻き掛け伝動装置などがあり、2つの回転部材同士の軸間距離が長い場合には、ベルト伝動装置が用いられる。このようなベルト伝動装置は、例えば、車両用の無段変速機に用いられており、その無段変速機に用いるベルトの一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1には、V字状溝の間隔が可変の2つのプーリと、これらのプーリに巻き掛けられるVベルトとを有しており、Vベルトは多数のリングプレートをピンによって無端状に連結したものに、多数の摩擦ブロックを組み付けて構成されている。
また、使用される変速比の範囲が、最大変速比が約1.6であり、最小変速比が約1/1.6であるとき、2つのプーリの軸間距離が、Vベルトのピン間距離のn(nは自然数)倍に設定されていることが記載されている。このような構成により、摩擦ブロックがプーリと接触する場合に、変速比範囲を約1/1.6〜約1.6に設定すると、全範囲に亘って軸方向加振力は比較的小さい値となり、特に、変速比1.0付近では非常に小さい値となり、Vベルト無段変速機の発生する騒音レベルが低下するとされている。なお、エレメント同士の押圧力により動力を伝達する押圧ベルトは、下記の特許文献2および特許文献3にも記載されている。
特開平1−153852号公報 特開2002−48194号公報 特開昭64−55447号公報
ところで、上記の特許文献1に記載されている押圧ベルトにおいて、摩擦ブロックをプーリに接触させるように構成することが考えられる。しかしながら、特許文献1の場合、Vベルトのピン間距離に、プーリの軸間距離を合わせる構成であるため、巻き掛け部材の円周方向において、摩擦ブロックの厚さにバラツキがあると、プーリの軸間距離が、Vベルトのピン間距離のn倍とならない可能性があった。その結果、各プーリの円周方向で、各摩擦ブロックの巻き付き位相が異なり、振動または騒音の低減効果が低下する恐れがあった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、エレメントの厚さにバラツキが生じた場合でも、エレメントの積層長さとプーリの軸間距離とを一致させることの可能な押圧ベルトを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、環状のキャリアと、このキャリヤの円周方向に積層された多数のエレメントとを有し、複数のプーリに巻き掛けられて、多数のエレメント同士の押圧力により、複数のプーリの間で動力伝達をおこなう押圧ベルトにおいて、円周方向で複数の領域に等分割した場合に、前記エレメントの積層長さと、前記プーリの軸間距離とが一致する部分が、複数の領域の全てに含まれており、前記エレメントの積層長さと、前記プーリの軸間距離とが一致する部分を含む領域は、前記円周方向における厚さが異なる複数種類のエレメントを有し、この複数種類のエレメントには、第1のエレメントと、前記円周方向における使用個数が前記第1のエレメントよりも少ない第2のエレメントとが含まれており、前記円周方向で、前記第2のエレメントが所定の間隔で配置されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、環状のキャリアの円周方向に、厚さが異なる複数種類のエレメントを積層して取り付けることにより、積層されたエレメント同士の押圧力により、複数のプーリの間で動力伝達をおこなう押圧ベルトを製造する押圧ベルトの製造方法において、前記押圧ベルトを円周方向で複数の領域に等分割した場合に、前記押圧ベルトの円周方向における第1のエレメントの厚さおよび積層長さに基づいて、第2のエレメントの厚さおよび個数を決定することにより、複数種類のエレメントの積層長さと、複数のプーリの軸間距離とを一致させた部分が、前記複数の領域の全部に含まれるように、前記キャリヤに複数種類のエレメントを取り付け、前記押圧ベルトの円周方向で、前記第2のエレメントが所定の間隔で配置されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載された押圧ベルトによれば、押圧ベルトが複数のプーリに巻き掛けられるとともに、一方のプーリのトルクが、エレメント同士の押圧力に変換されて他方のプーリに伝達される。また、エレメント自体の厚さにバラツキがあった場合でも、厚さの異なるエレメントを積層することにより、エレメントの積層長さを、プーリの軸間距離に一致させることが可能である。このため、各プーリの円周方向におけるエレメントの巻き掛け位相を一致させることが可能である。したがって、一方のプーリが一定回転し、他方のプーリで回転変動が生じることを回避できるとともに、振動または騒音を抑制することができる。さらに、押圧ベルトを円周方向に等分割した複数の領域では、エレメントの積層数が少なくなるため、バラツキの蓄積量が少なくなり、エレメントの積層長さと、プーリの軸間距離とを一致させ易くなる。
請求項1の発明によれば、押圧ベルトの全周に亘って、各プーリにおけるエレメントの巻き掛け位相を一致させ易くなる。
請求項1の発明によれば、押圧ベルトの円周方向における厚さが異なる複数種類のエレメントを有しているため、エレメントの積層長さを、プーリの軸間距離に一層一致させ易くなる。
請求項1の発明によれば、「押圧ベルトの回転により振動または騒音が生じる期間」を短くすることができる。
請求項2の発明によれば、押圧ベルトが複数のプーリに巻き掛けられるとともに、一方のプーリのトルクが、エレメント同士の押圧力に変換されて他方のプーリに伝達される。また、エレメント自体の厚さにバラツキがあった場合でも、厚さの異なるエレメントを積層することにより、エレメントの積層長さを、プーリの軸間距離に一致させることが可能である。このため、各プーリにおけるエレメントの巻き掛け位相を一致させることが可能である。したがって、一方のプーリが一定回転し、他方のプーリで回転変動が生じることを回避できるとともに、振動または騒音を抑制することができる。また、複数の領域の少なくとも1つには、円周方向における第1のエレメントの厚さおよび積層長さに基づいて、第2のエレメントの厚さおよび個数を決定することにより、全ての種類のエレメントの積層長さと、プーリの軸間距離とを一致させた部分が含まれている。したがって、エレメントの積層長さを、プーリの軸間距離に一層一致させ易くなる。
請求項2の発明によれば、全ての種類のエレメントの積層長さと、プーリの軸間距離とを一致させ易くなる。
請求項2の発明によれば、「押圧ベルトの回転により振動または騒音が生じる期間」を短くすることができる。
つぎに、この発明を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、この発明を車両用のベルト式無段変速機1に用いた例を示す概念図である。ベルト式無段変速機1は、駆動力源(図示せず)側に連結された駆動側回転部材(プライマリプーリ)2と、車輪(図示せず)側に連結された従動側回転部材(セカンダリプーリ)3とを有している。駆動側回転部材2および従動側回転部材3には、V字形状のベルト取付溝がそれぞれ設けられている。そして、駆動側回転部材2および従動側回転部材3のベルト取付溝の幅をそれぞれ調整することができるように構成されている。
上記のように構成された駆動側回転部材2および従動側回転部材3に押圧ベルト(以下、「ベルト」と略記する)4が巻き掛けられている。このベルト4は、無端状、言い換えれば環状に構成されている。ベルト4は、具体的には帯状のフープ5と、このフープ5の円周方向に取り付けられた多数のエレメント6とを有している。各エレメント6は金属材料により構成されており、ベルト4の幅方向におけるエレメント6の両側に凹部7が形成されている。フープ5は凹部7に配置されている。また、エレメント6には、ベルト4の円周方向で相互に逆に向けられた接触面8,9が形成されている。そして、隣り合うエレメント6の接触面8と接触面9とが接触する状態で、多数のエレメント6が円周方向に積層されている。また、一方の接触面8には突出部10が形成され、他方の接触面9には凹11部が形成されている。そして、突出部10が凹部11に進入することにより、エレメント6同士が接触面8,9に沿って相対移動することが規制されている。また、接触面8に連続して、ベルト4の内周側には傾斜面12が形成されており、接触面8と傾斜面12との境界部分に、ベルト4の幅方向に伸びた直線状のロッキングエッジ(角部)13が形成されている。
上記構成において、駆動力源のトルクが駆動側回転部材2に伝達されるとともに、駆動側回転部材2のベルト取付溝の幅を制御することにより、駆動側回転部材2に対するベルト4の巻き掛け半径と、従動側回転部材3に対するベルト4の巻き掛け半径との比が変化し、駆動側回転部材2の回転速度と従動側回転部材3の回転速度との比、すなわち変速比が制御される。さらに、従動側回転部材3のベルト取付溝の幅を制御することにより、ベルト4に対する駆動側回転部材2および従動側回転部材3の挟圧力が調整され、ベルト4の伝達トルクが制御される。
このベルト4に加えられる挟圧力、より具体的には各エレメント6に加れる挟圧力に応じて、各エレメント6と各回転部材との接触面における摩擦力が変化する。そして、図1に示すように、駆動側回転部材2が反時計方向に回転して、駆動側回転部材2から各エレメント6に動力が伝達されると、ベルト4の円周方向に各エレメント6同士を押圧する力が発生するとともに、その押圧力が各エレメント6を経由して従動側回転部材3に伝達されて、従動側回転部材3が、図1で反時計方向に回転する。このようにして、駆動側回転部材2のトルクがベルト4を経由して従動側回転部材3に伝達され、従動側回転部材3のトルクが車輪に伝達されて、駆動力が発生する。
ところで、ベルト4による動力伝達時において、各エレメント6が各回転部材に巻き掛かっていない領域においては、隣り合うエレメント6の接触面8と接触面9とが接触(密着)した状態で、各エレメント6が円周方向に略直線状に移動(平行移動)する。これに対して、ベルト4が回転部材に巻き掛かる場合は、各エレメント6は略円弧状の軌跡で移動する。より具体的には、移動方向の前方に位置するエレメント6が、移動方向の後方に位置するエレメント6のロッキングエッジ13を支点として所定角度回転する。その結果、接触面8と接触面9とが非接触となる。ついで、回転部材に巻き掛けられているベルト4が、回転部材から離れる場合は、各エレメント6がロッキングエッジ13を支点として再度回転し、各エレメント6の接触面8と接触面9とが接触した状態に戻る。
つぎに、エレメント6の具体的な積層構成を説明する。ベルト4は、フープ5の円周方向に多数のエレメント6が積層して取り付けられている。このベルト4は、図1および図2に示すように、ベルト4を円周方向で複数の領域に等分割(整数n等分)した場合に、複数のエレメント6の積層長さL1と、軸間距離CDとが一致する部分が、複数の領域の少なくとも1つに含まれている。この実施例において、「ベルト4を円周方向で複数の領域に等分割する」とは、製品としてのベルト4を円周方向のある位置で区切って、複数の領域に等分割することを想定する」という意味であり、ベルト4を実際に分解したり、バラバラにしたり、切断したりするという意味ではない。ここで、エレメント6の積層長さL1とは、所定のエレメント6の接触面8から接触面9までの距離を意味する。また、軸間距離CDとは、駆動側回転部材2の回転中心A1と、従動側回転部材3の回転中心B1との距離を意味する。さらに、複数の領域は3以上の領域であればよい。図2は、ベルト4を等分割した例を示す概念図であり、図2においては、ベルト4が4つの領域C1ないし領域C4に等分割されている。
領域C1ないし領域C4の各周長Ldは、ベルト4の全周長の1/4となっている。ここで、各周長Ldおよびベルト4の全周長は、各エレメント6のロッキングエッジ13を接続する仮想円(図示せず)における長さである。また、ベルト4の構成としては、領域C1ないし領域C4の各周長Ldが、軸間距離CDと一致する構成、または、領域C1ないし領域C4の各周長Ldの方が、軸間距離CDよりも長い構成のいずれでもよい。図1では、領域C1ないし領域C4の各周長Ldの方が、軸間距離CDよりも長い構成のベルト4が図示されている。
上記のように構成されたベルト4によれば、エレメント6自体の厚さにバラツキがあった場合でも、エレメント6の積層長さL1を、軸間距離CDに一致させることが可能である。このため、各駆動側回転部材2および従動側回転部材3の円周方向におけるエレメント6の巻き掛け位相を一致させることが可能である。したがって、駆動側回転部材2が一定回転し、従動側回転部材3で回転変動が生じることを回避できるとともに、従動側回転部材3とエレメント6とが衝突して生じる振動および騒音を、抑制することができる。さらに、ベルト4を円周方向に等分割した領域C1ないし領域C4では、エレメント6の積層数が少なくなるため、バラツキの蓄積量が少なくなり、エレメント6の積層長さL1と、軸間距離CDとを一致させ易くなる。さらに、エレメント6の積層長さL1と、軸間距離CDとを一致させた部分が、領域C1ないし領域C4の全てに含まれている場合は、ベルト4の全周に亘って、駆動側回転部材2および従動側回転部材3におけるエレメント6の巻き掛け位相を、一層一致させ易くなる。つまり、各回転部材におけるエレメント6の位相ズレを回避するために、エレメント6の厚さを数ミクロン単位で管理する必要がなくなり、大幅なコスト低減が可能となる。
なお、図2の例では、ベルト4が4等分されているが、ベルト4を5等分し、等分された各領域の少なくとも1つに、エレメントの積層長さと、軸間距離とが一致する部分を含ませたベルトを製造することも可能である。また、ベルトの分割数を選択する場合に、ベルト周長Lを軸間距離CDで除した値を算出するとともに、その算出値が整数であれば、その算出値を分割数として用いることも可能である。これに対して、算出値が整数でない場合は、この算出値よりも大きい整数、または小さい整数のいずれか一方を分割数として用いるか、または、この算出値に最も近い整数を分割数として用いることが可能である。このように構成されたベルトにおいても、上記と同様の効果を得られる。
つぎに、エレメント6の積層長さL1と軸間距離CDとを一致させる方法を具体的に説明する。エレメント6の積層長さL1と、軸間距離CDとを一致させたベルトを構成する場合、厚さの同じ1種類のエレメントだけを積層したベルトと、厚さの異なる複数種類のエレメントを積層したベルトとが挙げられる。厚さの異なる複数種類のエレメントを用いることより、エレメントの積層長さと軸間距離とを、一層一致させ易くなる。図1および図2には、厚さの異なる複数種類のエレメントを積層したベルト4が示されている。すなわち、エレメント6は、メインエレメント6Aと、このメインエレメント6Aとは厚さが異なる調整用エレメント6Bとを積層して、ベルト4が構成されている。調整用エレメント6Bは、メインエレメント6Aよりも厚くても薄くてもよい。
より具体的に説明すると、図2においては、エレメントの積層長さと、軸間距離とが一致する部分が、領域C1ないし領域C4の全部に含まれており、各領域におけるエレメントの積層長さと軸間距離とが一致する部分に、調整用エレメント6Bの積層部分14が含まれている。ここで、メインエレメント6Aと調整用エレメント6Bとを用いて、1つの領域におけるエレメント6の積層長さL1を調整する構成(方法)には、以下のような方法が含まれる。第1の方法は、メインエレメント6Aの厚さを測定し、その平均厚さに基づいて、同じ成形型で多数個成形される調整用エレメント6Bの枚数および厚さを決定する方法である。
ところで、各エレメント6A,6Bは、異なる成形型により個々に多数個製造される。そこで、第2の方法は、各成形型で成形されるエレメントの平均厚さを測定するとともに、メインエレメント6Aと調整用エレメント6Bとを混合して用いた場合におけるエレメント6の積層長さL1が、軸間距離CDと等しくなるように、使用する成形型およびその成形型で成形したエレメントの使用枚数を決定する方法である。
さらに第3の方法は、メインエレメント6Aとして、複数の成型型で成形したものを用い、これらのメインエレメント6Aの平均厚さを測定し、その測定結果に基づいて、調整用エレメント6Bの枚数および厚さを決定する方法である。
このように、第1の方法ないし第3の方法によれば、成形型を基準として、その成形型で製造される多数のエレメントを1ロットとし、そのロット単位でエレメントの積層長さL1を調整することが可能であり、全てのベルト4毎に、エレメントの積層長さL1を調整する必要がなくなり、上記構成のベルト4を低コストで得ることができる。
さらに第4の方法は、分割された領域をメインエレメント6Aのみで構成し、その積層長さL1を実際に測定し、その測定結果に基づいて、調整用エレメント6Bの厚さおよび枚数を決定する方法である。
つぎに、各領域内における調整用エレメント6Bの配置例、およびベルト4の全周における調整用エレメント6Bの配置例について説明する。まず、第1の配置例は、調整用エレメント6Bの積層部分14を、ベルト4の円周方向で各領域の中央に配置する例である。この第1の配置例によれば、駆動側回転部材2と従動側回転部材3との間におけるエレメント6の位相ズレによるノイズ増大時間を、最短にすることが可能である。したがって、ノイズレベルを下げることが可能となる。
第2の配置例は、調整用エレメント6Bの積層部分14を、ベルト4の円周方向で領域内にランダムに配置する例である。第3の配置例は、メインエレメント6Aの積層部分の長さが、円周方向で交互に長、短、長、短となるように、調整用エレメント6Bの積層部分14の配置位置を決定する配置例である。第4の配置例は、メインエレメント6Aの積層部分同士の長さの比が30%以上異なるように、調整用エレメント6Bの積層部分14の配置位置を決定する配置例である。第5の配置例は、メインエレメント6Aの積層部分同士の長さの比がランダムとなるように、調整用エレメント6Bの積層部分14の配置位置を決定する配置例である。これらの第2の配置例ないし第5の配置例によれば、ベルト4の円周方向における位相において、ノイズが生じる周期をランダム化することで、そのノイズが目立たなくなり、ノイズを一層低減可能である。さらに、第6の配置例は、領域LDの方が、積層長さL1よりも長いベルト4を対象とするものであり、領域Ld内であって、軸間距離CDに相当する部分以外の部分に、調整用エレメント6Bを配置する配置例である。なお、各配置例では、各領域単位、またはベルト4の全体のいずれにおいても、メインエレメント6Aの数の方が、調整用エレメント6Bの数よりも多い。
つぎに、駆動側回転部材2と従動側回転部材3との間におけるエレメント6の位相差と、ベルトノイズとの関係を図3の線図により説明する。位相差「零」は、位相差が全くないことを意味し、位相差1/2は、エレメント6の厚さの1/2の位相差があることを意味する。この図3の線図のように、位相差が大きくなるほど、ベルトノイズが増加することが分かる。
図4は、位相差とエレメントの厚さとの関係を示す線図である。ここでは、軸間距離が180mmであり、目標厚さ1.80mmのエレメントを100枚積層する場合が例示されている。これに対して、実厚さが1.79mmのエレメントを100枚積層した場合は、位相差が0.5(1/2)となる。つまり、エレメント1枚につき、10μmの誤差により、位相差が0.5となる。図5は、位相差とベルト4の周長との関係を示す線図である。この図5は、図2のように、各領域C1ないし領域C4において、円周方向の中央に調整用エレメント6Bの積層部分14を配置した場合に対応している。この図5に示すように、周長の1/4内において略中央で、位相差を調整しきれない部分が生じる場合がある。ただし、位相差の発生する周長は短く、かつ、位相差が発生する出現時間も短時間であるため、ノイズレベルの上昇は少ない。
ここで、この実施例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、駆動側回転部材2および従動側回転部材3が、この発明の複数のプーリに相当し、ベルト4がこの発明の押圧ベルトに相当し、メインエレメント6Aおよび調整用エレメント6Bが、この発明の「厚さが異なる複数種類のエレメント」に相当し、メインエレメント6Aが、この発明における第1のエレメントに相当し、調整用エレメント6Bが、この発明における第2のエレメントに相当する。
この発明の押圧ベルトを有するベルト式無段変速機を示す概念図である。 この発明の押圧ベルトの構成を示す概念図である。 各回転部材同士の間におけるエレメントの位相差と、ノイズレベルとの関係の一例を示す線図である。 各回転部材同士の間におけるエレメントの位相差と、エレメントの厚さとの関係の一例を示す線図である。 押圧ベルトの周長に対する位相差およびノイズの変化例の示す線図である。
符号の説明
2…駆動側回転部材、 3…従動側回転部材、 4…ベルト(押圧ベルト)、 5…キャリア、 6…エレメント、 6A…メインエレメント、 6B…調整用エレメント、 C1,〜C4…領域、 L1…積層長さ、 CD…軸間距離。

Claims (2)

  1. 環状のキャリアと、このキャリヤの円周方向に積層された多数のエレメントとを有し、複数のプーリに巻き掛けられて、多数のエレメント同士の押圧力により、複数のプーリの間で動力伝達をおこなう押圧ベルトにおいて、
    円周方向で複数の領域に等分割した場合に、前記エレメントの積層長さと、前記プーリの軸間距離とが一致する部分が、複数の領域の全てに含まれており、
    前記エレメントの積層長さと、前記プーリの軸間距離とが一致する部分を含む領域は、前記円周方向における厚さが異なる複数種類のエレメントを有し、
    この複数種類のエレメントには、第1のエレメントと、前記円周方向における使用個数が前記第1のエレメントよりも少ない第2のエレメントとが含まれており、前記円周方向で、前記第2のエレメントが所定の間隔で配置されていることを特徴とする押圧ベルト。
  2. 環状のキャリアの円周方向に、厚さが異なる複数種類のエレメントを積層して取り付けることにより、積層されたエレメント同士の押圧力により、複数のプーリの間で動力伝達をおこなう押圧ベルトを製造する押圧ベルトの製造方法において、
    前記押圧ベルトを円周方向で複数の領域に等分割した場合に、前記押圧ベルトの円周方向における第1のエレメントの厚さおよび積層長さに基づいて、第2のエレメントの厚さおよび個数を決定することにより、複数種類のエレメントの積層長さと、複数のプーリの軸間距離とを一致させた部分が、前記複数の領域の全部に含まれるように、前記キャリヤに複数種類のエレメントを取り付け、前記押圧ベルトの円周方向で、前記第2のエレメントが所定の間隔で配置されていることを特徴とする押圧ベルトの製造方法。
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