JP4370239B2 - ゲル固定化コロイド結晶 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲル固定化コロイド結晶に係り、更に詳細には、コロイド結晶をゲル化して固定するのに用いられるモノマー、ゲル固定化コロイド結晶の前駆体として挙動し光照射によってゲル固定化される被ゲル固定化コロイド結晶、及びゲル固定化コロイド結晶に関する。
本発明の被ゲル固定化コロイド結晶、ゲル固定化コロイド結晶は、特に光学素子として好適に使用される。
イオン性高分子ラテックス粒子やシリカ粒子など、イオン性コロイド粒子と総称される粒子はその表面に解離基を持つ。具体的には、イオン性高分子ラテックス粒子は粒子合成時に導入されたスルホン基、硫酸基又はカルボキシル基などを、またシリカ粒子は粒子表面に弱酸性のシラノール基を有する。
これらの粒子を水などの極性溶媒中に分散させると、粒子表面が荷電して粒子間に静電的相互作用が働き、粒子は媒体中で凝集することなく安定に分散する。静電的相互作用が弱いとき、粒子の空間分布は比較的無秩序であるが、静電的相互作用の増加に伴い、この系は粒子が規則正しく配列したコロイド結晶を形成することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
この場合、静電的相互作用の大きさは、主として分散液中における粒子濃度、分散媒中の低分子イオン濃度、粒子表面の電荷密度及び粒径などにより決定される。
上記のパラメータのうち分散媒体中の低分子イオン濃度については、その増加とともに粒子間の静電的相互作用は弱くなる(非特許文献1)。これは、静電的相互作用が低分子イオンの存在により遮蔽されるためである。従って、低分子イオン濃度の増加により結晶化は妨げられる。
結晶化が可能な低分子イオン濃度の上限は、低分子イオン濃度以外の上記パラメータの値に依存するが、多くの場合、数μMという極めて低い低分子イオン濃度である(非特許文献1及び非特許文献2参照。)。
また、コロイド結晶作成に当たって対象となる粒子は、その直径が数10nm〜数μmで粒径分布がおよそ10%以下のものである。これらの粒子を用いれば、粒子濃度、分散媒体中の塩濃度及び粒子表面の電荷数などのパラメータを選ぶことにより、実用上有用なコロイド結晶を作成することが原理的に可能であり、粒子の材質には特に限定されない。
従来より、合成・入手が容易なものは、ポリスチレンやポリメチルメタクリレートなどを主成分とする高分子ラテックス粒子、及びシリカ粒子であるが、その他の金属酸化物粒子、金属粒子も用いることができる。
上述の粒子を用い、粒径と粒子濃度を選定することにより、コロイド結晶の格子定数を100nm程度から数μmの範囲に設定することができ、コロイド結晶の回折波長が可視光領域にあるとき、可視光のBragg回折により紅彩色(iridescence)が観察される。従って、紅彩色の発現はコロイド結晶の生成を確認する手段ともなる。
上述のように、コロイド結晶の格子定数は100nm程度から数μmの範囲に設定できるが、この範囲は近紫外、可視及び赤外光の波長のオーダーであり、従って、対応する光が回折される。
また、コロイド結晶は、自発的且つ容易に形成される空間的な誘電率の周期構造を有し、フォトニック素子(例えば、非特許文献3参照。)などの光学素子への応用について近年注目されている。
ところが、荷電コロイド結晶(イオン性コロイド結晶)は液体の媒体中において形成された構造体であるため、振盪などの微小な外力により容易に破壊される。また仮に、外力や流れなどのない条件で静置しても、ごく僅かの不純物イオンが混入することによって破壊されるという原理的な不安定性を持つ。従って、その応用に当たっては、結晶構造を実用に耐える力学的強度を持つ何らかのマトリックス中に固定することが必要である。
このため、高分子ヒドロゲルによるコロイド結晶の固定化手法(例えば、特許文献1、非特許文献4,5参照。)が開発されている。
ここで、高分子ゲルによる結晶の固定化に関する従来法は、概略次の通りである。
ゲル化反応液としてモノマー、架橋剤及び重合開始剤を含む溶液を用い、この反応液を媒体として、イオン性コロイド粒子を分散させて結晶構造を形成させる。次に、重合を開始させ、媒体をゲル化することでコロイド結晶構造を固定する。
このとき、モノマーとしてアクリルアミド(AAm)などのビニル系モノマー、架橋剤として2つのビニル基を持つメチレンビスアクリルアミド(Bis)等を用い、ラジカル重合法を用いる手法が一般的である。
なお、アクリルアミドゲル電気泳動用のゲル試料などに用いられるラジカル重合開始剤は、通常イオン性であるが、段落[0003]で述べたように、コロイド結晶においては低分子イオンの存在によりその構造形成が阻害されるため、用いることができない。
そこで、従来は、非イオン性の重合開始剤を用い、開始剤の吸収波長に対応する光(紫外又は可視光)照射によりゲル化を行っていた。
米国特許第5330685号明細書 A.K.Sood,Solid State Phys.45,1991,1:K.S.Schmitz,Macroions in Solution and Colloidal Dispersion,VCH Inc.,New York(1993). J.Yamanaka,H.Yoshida,T.Koga,N.Ise and T.Hashimoto,Phys.Rev.Lett.80,1998,5806 "フォトニック結晶",J.D.Joannopoulous他著、コロナ社,藤井・井上訳(2000) E.A.Kamenetzky,L.G.Mangliocco,H.P.Panzer,Science 263,1994,207 Y.Iwayama,J.Yamanaka,Y.Takiguchi, M.Takasaka,K.Ito,T.Shinohara,T.Sawada,M.Yonese,Langmuir,19,2003,977.
しかしながら、本発明者らが、アクリルアミドゲルを用いる従来のコロイド結晶のゲル化固定について検討を加えた結果、次のような問題があることを知見した。
即ち、モノマーであるAAmは酸・塩基条件下で加水分解されてイオン性のアクリル酸とアンモニウムイオンとなる。荷電コロイド結晶の作成に当たって、試料水溶液はイオン交換樹脂を共存させることで十分に脱塩精製するのが常であるが、イオン交換樹脂表面は酸・塩基を多数持つため、AAmを加水分解し、かえってイオン濃度が増加してしまい、イオン交換樹脂による処理は必ずしも有効でない。
例えば、イオン濃度の指標として溶液の電気伝導度(κ)を用いると、1.33M水溶液のκ値はその調製時において約1μS/cmであり、相互作用が強い(即ち、塩濃度が高くても結晶であり得る)条件では、コロイド結晶の固定化が可能であるものの、合成時の僅かの不純物混入により結晶が破壊されることになるので、脱塩精製を行うことが望ましい。
しかし、これに上述のイオン交換樹脂を共存させ、10分程度振盪して精製すると、κ値は約2μS/cmにまで増加することが分かった。
これに対しては、むしろ未精製で使用した方が良いと言い得るが、未精製で使用すれば相当量の不純物イオンが残存してしまう。
なお、上記精製で用いた超純水(Milli−Q:商品名;Millipore社製)のκ値は、装置から清浄な容器に水を取り出し空気中で直ちに測定した場合には、0.3〜0.4μS/cmであるが、通常の条件ではこれより低いκ値を持つ水を得ることは極めて困難である。
更に、段落[0002]で述べたように、コロイド粒子の表面には酸性の基が存在し、粒子自体が酸として作用するので、これによってもアクリルアミドは徐々に加水分解される。実際、本発明者らが調査したところ、アクリルアミドを含むコロイド結晶を数日から数週間以上の期間に亘って保存すると、溶媒中のイオン濃度が上昇してコロイド結晶が破壊されることがあることが分かった。
以上のように、アクリルアミドをコロイド結晶のゲル化固定のためのモノマーとして採用することは、イオン濃度の面で不利である。
コロイド結晶の作成においては、このようなモノマー由来のイオンのような意図しないイオン濃度はできるだけ低いことが望ましいことは、一般的な要請として存在するが、溶液のイオン濃度を低くすることが必須である場合には、特に重大である。
そのような場合として、例えば、体積分率濃度で5%を下回るような非常に粒子濃度の低いコロイド結晶のゲル固定化がある。この場合、コロイド結晶が存在できるイオン濃度の上限が数μMであるので、アクリルアミドを含む溶媒中ではコロイド結晶を形成することができない。
また他の例として、可視光開始剤を用いる場合のコロイド結晶のゲル固定化がある。
最近、可視光開始剤としてカンファーキノンやリボフラビンを用いるコロイド結晶のゲル固定化方法が提案されたが(現時点では未公開であるが、特願2003−18546)、いずれの開始剤も水に溶解した状態である程度の電気伝導度を示し、開始剤由来のイオン濃度の上昇があり、これにモノマー由来のイオン濃度が加わると、あまり粒子濃度の低いコロイド結晶には可視光ゲル化は適用できなくなる。
また、アクリルアミドがコロイド粒子自体に加水分解されて徐々にイオン濃度が上昇してしまう現象は、コロイド結晶のイオン濃度を安定に保つ必要のある場合にとって、非常に不都合である。
かかる具体例として、相境界付近の条件で形成されるコロイド結晶のゲル固定化がある。光学素子への応用の観点からは、数mm以上から数cmサイズのコロイド結晶の構築が望まれるが、上述のように、このように大きな結晶は相境界近傍の条件で形成される(H.Yoshida,J.Yamanaka,Ta.Koga,Tu.Koga,N.Ise and T.Hashimoto,Langmuir,15,1999,4198参照。)。かかる大型の結晶の成形には、しばしば数日や数週間というような長時間を必要とするが、このような過程の制御においてアクリルアミドの加水分解によるイオン濃度の経時的な変化は極めて都合が悪い。
あるいは、このようなデリケートな過程でなくとも、低分子イオン濃度は粒子間相互作用を左右するコロイド系の重要なパラメータであり、時間とともにイオン濃度が変化してしまうことは結晶化条件や粘性などの物性の変化を引き起こし、コロイド結晶の製造においては一般的に不都合である。
なお、架橋剤については、反応液中の濃度がごく微量(モノマーの1/100程度)であり、仮に加水分解によりイオン性不純物を生じた場合にも、その影響は小さいので大きな問題とはならない。
本発明は、上述した本発明者らの知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コロイド結晶の固定化を容易にし、安定性に優れるゲル固定化コロイド結晶を形成し得るモノマーを用いた被ゲル固定化コロイド結晶、ゲル固定化コロイド結晶を提供することにある。
本発明者らは、上記知見に基づく問題を解決すべく鋭意研究した結果、所定のモノマーを用いることなどにより、上記問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の被ゲル固定化コロイド結晶は、次式A
Figure 0004370239
(式中のRはアクリル酸残基又はメタクリル酸残基、Rは炭素数C1〜C3のアルキロール基、炭素数C2〜C6のアルコキシアルキル基又は炭素数C2〜C6のアルコキシアルキロール基から成るアミノ基保護基を示す。)で表される構造を有するゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーと架橋剤と光重合開始剤を含む溶液を媒体とするコロイド結晶から成り、光照射によってゲル固定化されることを特徴とする。
また、本発明の被ゲル固定化コロイド結晶の好適形態は、上記光重合開始剤が、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]及び/又はアゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミドことを特徴とする。
更に、本発明の被ゲル固定化コロイド結晶の他の好適形態は、上記光重合開始剤が、カンファーキノン及び/又はリボフラビンであることを特徴とする。
更にまた、本発明の被ゲル固定化コロイド結晶の更に他の好適形態は、不活性ガス雰囲気下、イオンが滲出しない容器中で保管又は成長させることにより、上記コロイド結晶の破壊が防止されることを特徴とする。
そして、本発明のゲル固定化コロイド結晶は、モノマーと、架橋剤と、光重合開始剤を含む溶液を媒体とするコロイド結晶を光照射によってゲル固定化して得られるゲル固定化コロイド結晶であって、
上記モノマーが、次式A
Figure 0004370239
(式中のRはアクリル酸残基又はメタクリル酸残基、R炭素数C1〜C3のアルキロール基、炭素数C2〜C6のアルコキシアルキル基又は炭素数C2〜C6のアルコキシアルキロール基から成るアミノ基保護基を示す。)で表される構造を有することを特徴とする。
更に、本発明のゲル固定化コロイド結晶の他の好適形態は、上記モノマーが、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及びN−メトキシメチルアクリルアミドから成る群より選ばれた少なくとも1種のものであることを特徴とする。
また、本発明のゲル固定化コロイド結晶の好適形態は、上記光重合開始剤が、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]及び/又はアゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミドことを特徴とする。
更に、本発明のゲル固定化コロイド結晶の更に他の好適形態は、上記光重合開始剤が、カンファーキノン及び/又はリボフラビンであることを特徴とする。
更にまた、本発明のゲル固定化コロイド結晶の他の好適形態は、上記コロイド結晶が光学的に均一に成長したものであり、その光学特性が部位によらず均質であることを特徴とする。
そして、本発明の多重構造コロイド結晶は、上述の如きゲル固定化コロイド結晶を含む多重構造コロイド結晶であって、
上記ゲル固定化コロイド結晶を、このゲル固定化コロイド結晶を形成しているゲル化材料と同種又は異種のゲル化材料で包囲して成り、
上記同種のゲル化材料が、上述の如きモノマーと、架橋剤と、光重合開始剤を含み、光照射によってゲル固定化するものであり、
上記異種のゲル化材料が、合成高分子ゲル、多糖類ゲル又はタンパク質ゲルである、
ことを特徴とする。
本発明によれば、所定のモノマーを用いることなどとしたため、コロイド結晶の固定化を容易にし、安定性に優れるゲル固定化コロイド結晶を形成し得るモノマーを用いた被ゲル固定化コロイド結晶、ゲル固定化コロイド結晶を提供することができる。
即ち、本発明は、コロイド結晶のゲル化による固定化に当たり、発生するイオン濃度を極めて微小量に抑制することに成功したものである。従来法に比べ、低い粒子濃度のコロイド結晶の固定化、相境界近傍で生成する大型コロイド結晶の固定化、可視光開始剤を用いたコロイド結晶の固定化を、容易に又は広い条件下で可能にしたものであり、その効果は顕著である。
更に、本発明によりコロイド結晶を用いた高機能光学素子を構築する道が拓け、光学産業分野に大きく貢献することが予想される。
以下、ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーにつき詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーは、次式A
Figure 0004370239
(式中のRはアクリル酸残基又はメタクリル酸残基、Rはアミノ基保護基を示す。)で表される構造を有する。
ここで、Rのアミノ基保護基としては、加水分解、殊に酸性条件下での加水分解からアミノ基を保護する官能基であり、炭素数がC1〜C3のアルキロール基、例えばメチロール基、エチロール基及びプロピロール基、炭素数C2〜C6のアルコキシアルキル基、例えばアルキル部分がメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルでアルコキシ部分がメトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシのアルコキシアルキル基、並びに炭素数C2〜C6のアルコキシアルキロール基、例えば、アルコキシ部分がメトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシでアルキロール部分がメチロール、エチロール及びプロピロールのアルコキシアルキロール基を挙げることができる。
なお、ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーの代表例としては、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−アクリロイルアミノエトキシエタノール、N−アクリロイルアミノプロパノール又はこれらの誘導体を例示できるが、これらを単独で又は任意に混合してもよい。これらモノマーの化学式を下記(1)〜(5)式に示す。
Figure 0004370239
Figure 0004370239
Figure 0004370239
Figure 0004370239
Figure 0004370239
なお、かかるモノマーの誘導体としては、これらのエステル類などの各種化合物が例示でき、例えば、N−メチロールメタアクリルアミド、N−アクリロイルアミノエトキシエタノール及びN−アクリロイルアミノプロパノールなどのように末端に水酸基(−OH基)を有するモノマーについては、これらのメチルエステルやエチルエステルを例示できる。
ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーは、いずれもイオン交換樹脂による精製により、これらの水溶液のイオン濃度を十分低いレベルまで下げることができるモノマーである。
具体的には、上記各モノマーの10%水溶液15mlにイオン交換樹脂10mlを共存させて10分間振盪すると、水溶液の電気伝導度(κ)にして1μS/cm未満、特に0.3〜0.6μS/cm程度まで脱イオン精製が可能である。この電気伝導度はイオン交換水と同程度の値であり、イオン交換樹脂による脱イオンの限界に近い。
このように、上記モノマーがイオン交換樹脂との共存により精製可能であるということは、酸・塩基による加水分解によるイオンの発生をしにくいモノマーであることを意味しており、実際、実施例にて後述するように、これらのモノマーを含んだコロイド結晶を長期間保存しても、アクリルアミドのように結晶が破壊されるということはなかった。
なお、上記モノマーは、従来公知の方法により合成することができ、また市場で入手することができる。
具体的には、上記(1)〜(3)式で表されるモノマーは、笠野興産(株)からそれぞれ商品名MM90、N−MAM60、同Wasmer−EMAとして入手できる。
一方、(4)式で表されるモノマー(N−アクリロイルエトキシエタノール(AAEE))は、アミノエトキシエタノールと水酸化ナトリウムにアクリロイルクロライドを加えて攪拌し、得られた反応液を塩酸で中和し、重合抑制剤を添加する。この溶液を蒸留濃縮して濾過し、無機塩を除去して更に再濃縮した後、カラムで精製することにより、合成することができる(M.Chiari et al Electrophoresis 16 1995,1815:E.Simo−Alfonso et al Electrophoresis 17 1996,723:M.Chiari et al Electrophoresis 15 1994,177:M.Chiari et al Electrophoresis 15 1994,616を参照。)。
また、(5)式で表されるモノマー(N−アクリロイルアミノプロパノール(AAP))も、上記文献に従って、不活性ガス雰囲気下、冷却したアクリロイルクロライドとエタノールを混合し、これに3−アミノ−1−プロパノールのエタノール溶液を滴下して攪拌する。得られた反応液を減圧濃縮し、更にカラムで精製することにより、合成することができる。
次に、本発明の被ゲル固定化コロイド結晶につき説明する。
上述の如く、本発明の被ゲル固定化コロイド結晶は、上記ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーと、架橋剤と、光重合開始剤を含む溶液を媒体とするコロイド結晶から成るものである。この被ゲル固定化コロイド結晶は、光照射によってゲル固定化されるもので、後述する本発明のゲル固定化コロイド結晶の前駆体として機能するものである。
ここで、光重合開始剤については、上記モノマーの光重合反応を開始できる機能を有すれば特に限定されるものではないが、上述したゲル安定性の観点から、発生するイオン濃度が小さいものが好ましく、多数の候補物質について実験的検討を行ったところ、下記の(6)及び(7)式に示すアゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド、及びアゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]が最も発生イオン濃度の少ない化学種のひとつであることが明らかになった。
よって、これらの光重合開始剤は、上記モノマーと組合わせて使用するのに適しており、この組み合わせ使用により、ゲル化剤由来のイオン濃度を極限まで低めた、極めてコロイド結晶の固定に適したゲル化が実現できる。
なお、(6)及び(7)式に示した光重合開始剤は、単独で又は組み合わせて用いることができ、それぞれ和光純薬社製の商品名「VA−085」及び「VA−086」として入手できる。
Figure 0004370239
Figure 0004370239
なお、(6)及び(7)式に示した光重合開始剤のようなアゾ基を含む開始剤は、重合開始に伴い窒素ガスが遊離する性質を有するため、開始剤濃度が高いときには気泡の発生を伴うことが知られている。
ゲル固定化コロイド結晶のフォトニック素子としての応用に際して、気泡の存在は光学的な欠陥の原因となるためにこれを避けるべきである。
本発明者らは、光重合開始剤濃度を極めて低くすることにより、発生する窒素ガス量を理論的には水への溶解度以下とすることでき、気泡発生の問題を回避し得ることを確認している。
一方、カンファーキノンは、光重合開始波長を可視光領域に持ち、また重合開始時に窒素ガスの発生がないなどの利点を持つが、光重合時に発生するイオン性不純物濃度がVA−086の場合よりも高く、コロイド粒子濃度が高い条件などでその特徴を発揮する開始剤である。
しかし、モノマーに由来する不純物イオン発生が少なければ、より広い条件で使用が可能なため、本発明のモノマーを用いれば、カンファーキノンを開始剤として有効に使用することが可能である。本発明の被ゲル固定化コロイド結晶においては、カンファーキノンを構成成分として適切に使用することができる。
同様に光重合開始波長を可視光領域に持つが、やはりVA−086の場合よりも発生する不純物イオン濃度が大きいリボフラビンについても、本発明によれば有効に使用することができる。
また、架橋剤としては、使用するモノマーや光重合開始剤の種類や量に応じて適宜変更することができるが、代表的には、下記の(8)式に示すN,N’−メチレンビスアクリルアミドを用いることができる。
Figure 0004370239
なお、本発明の被ゲル固定化コロイド結晶は、上記のモノマーと架橋剤と光重合開始剤を含む溶液を媒体(分散媒)とし、この媒体中に、コロイド粒子が結晶の如く規則的に配列(分散)した形態を有する。
本発明において、上記溶液は代表的に水溶液であるが、非水溶液であってもよく、例えば、エチレングリコール、アルコール類、ジメチルホルムアミド及びこれらと水との混合溶液を適用可能である。
また、本発明の被ゲル固定化コロイド結晶には、上述した成分以外にも各種添加剤を加えることが可能である。
また、この被ゲル固定化コロイド結晶は、上述の如く本発明のゲル固定化コロイド結晶の前駆体として機能するものであるが、その保管や成長については、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下でイオンを滲出しない容器中で行うことが好ましい。
次に、本発明のゲル固定化コロイド結晶について説明する。
上述の如く、本発明のゲル固定化コロイド結晶は、上記ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーと、架橋剤と、光重合開始剤を含む溶液を媒体とするコロイド結晶を光照射によってゲル固定化したものである。
また、本発明のゲル固定化コロイド結晶は、上述した本発明の被ゲル固定化コロイド結晶に光照射を行って得られるものでもある。
なお、本発明のゲル固定化コロイド結晶としては、光学的に均一に成長したものが好ましく、このようなコロイド結晶は光学的用途への適用性に優れている。また、「光学的に均一に成長した」とは、光透過率などの光学特性が部位によらず均質であるように成長したことを意味する。
ここで、ゲル化による固定を促す光照射については、用いるモノマーや重合開始剤の種類などに応じて適宜変更できるが、代表的には、重合開始剤としてアゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]を用いる場合、紫外線を5〜30分間照射すればよい。
更に当初予期しなかったこととして、本発明における主要なモノマーであるメチロールアクリルアミドを用いれば、アクリルアミド(AAm)を用いた場合に比べて力学的強度が大きいゲル化コロイド結晶を得られることが明らかとなった。
具体的には、0.67Mメチロールアクリルアミドにより得たゲル固定化コロイド結晶は、従来法において1.33MAAmにより得たものと同等の力学的強度を有した。
即ち、本発明の好適例によれば、使用するモノマー濃度をAAmの1/2に軽減でき、これによりイオン性不純物濃度をいっそう低いレベルとすることが実現できた。
なお、本発明のゲル固定化コロイド結晶の実使用においては、その表面を環境要因から保護した状態で使用することが好ましく、このゲル固定化コロイド結晶を形成しているゲル化材料、即ち上記モノマーが3次元重合したポリマーや、異種のゲル化材料で当該コロイド結晶を包囲して得られる多重構造コロイド結晶の形態で使用することが望ましい。
かかる多重構造コロイド結晶とすることにより、当該コロイド結晶を適当に切断して得られる各種用途向きの素子を簡易に保護できるようになる。
なお、使用可能な異種のゲル化材料としては、ポリアクリルアミドやポリアクリル酸をはじめとする各種の合成高分子ゲル、寒天をはじめとする多糖類ゲル、ゼラチンをはじめとするタンパク質ゲルなどを例示できる。
本発明のゲル固定化コロイド結晶は、各種の光学素子に適用することが可能であり、本発明のゲル固定化コロイド結晶を用いて各種の光学素子を製造することが可能である。
この場合、上記ゲル固定化コロイド結晶内に、該コロイド結晶のBragg回折波長の変化を誘発するようなトリガー材料を含有させれば、このトリガー材料が感応する対象物のセンサーを作成することができる。
かかるトリガー材料として酵素を使用することが可能であり、酵素はこのゲル固定化コロイド結晶のゲル網目に固定化して用いることができる。
次に、イオン放出性抑制ゲル材料について説明する。
上述の如く、このゲル材料は、上述したモノマーと架橋剤と光重合開始剤を含む溶液に光照射を行って得られるゲルである。
本ゲルは、AAmゲルに比べて合成直後に内部に含まれるイオン性不純物濃度が小さく、よって経時的にみてもイオン放出性が抑制されているという特徴を有し、従って、イオン性不純物の外部への溶出の影響を軽減できるという特徴を有する。
ゲル中のイオン性不純物を数μM以下に除去するためには、水により極めて入念に洗浄する必要があるが、本ゲルを用いればこの操作が軽減できる。
従って、本発明は、コロイド結晶を固定する場合だけでなく、コロイド結晶を含まないゲル素材としても、(1)ゲルが溶液に接して(又は溶液の内部に)設置され、(2)溶液への数μMのイオンの溶出を避けることが望ましい場合に有用である。
例えば、特開2004−089996号公報に記載されているように、ゲル膜を介して塩基を拡散させ、コロイド結晶を一方向に成長させる場合においても本ゲル材料は有用である。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
超純水「Milli−Q水」(Millipore社製:商品名「Milli−Qシステム」で調製される水)を用いてメチロールアクリルアミド(6M)、Bis(0.5mM)及びVA−086(8mg/ml)水溶液を調製し、イオン交換樹脂を共存させて脱イオン精製した。シリカ粒子(KE−W10)分散液は透析法及びイオン交換法により十分精製して用いた。
これらを用いて、メチロールアクリルアミド(0.67M)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(Bis)(10mM)、VA−086(0.05mg/ml)KE−W10(粒子濃度3.2vol%)から成る分散液を調製した。試料調製にはMilli−Q水で十分洗浄したポリスチレン又はポリテトラフルオロエチレン製容器を用い、イオン性不純物による汚染を防いだ。
上記分散液にNaOHを加え、その濃度を20μMとした。注射針を介してアルゴンガスで10分間バブリングした後、分散液4mlを1×1×4.5cmのポリメチルメタクリレート製セルに入れ、静置したところ、反応液中で大きさ3〜5mmのコロイド結晶が生成した。
次いで、400W水銀ランプ(HP−400型、東芝製)を用い、試料からの距離を30cmとして20分間UV光を照射したところ、結晶は破壊されることなく、ゲル化により固定された。
図1に示した結晶化相図により、本実施例におけるNaOH濃度(20μM)においては、約2μMの塩(イオン濃度は4μM)の存在により結晶が破壊されることが分かる。本例において結晶が破壊されることなく固定できたことは、ゲル化過程を通してイオン性不純物濃度が4μM以下であったことを示すものである。
なお、モノマーとしてアクリルアミドを用いた場合は、NaOH濃度20μMの条件では、ゲル化反応液中でコロイド結晶を形成させることも不可能であった。
(実施例2)
実施例1と同様にメチロールアクリルアミド(0.67M)、Bis(10mM)、VA−086(0.05mg/ml)、KE−W10(粒子濃度3.2vol%)から成る分散液を調製した。試料調製にはMilli−Q水で十分洗浄したポリスチレン又はポリテトラフルオロエチレン製容器を用い、イオン性不純物による汚染を防いだ。
注射針を介してアルゴンガスで10分間バブリングした後、分散液4mlを1×1×4.5cmのポリメチルメタクリレート製セルに入れた後、資料に弱塩基である0.1Mピリジン10μLを滴下したところ、5mm角の大きなコロイド結晶が生成した。
400W水銀ランプ(HP−400型、東芝製)を用い、試料からの距離を30cmとして20分間UV光を照射したところ、結晶は破壊されることなく、ゲルにより固定された。
(実施例3)
1×1×4.5cmのポリメチルメタクリレート製セルの底に直径6mmの穴を設け、これをフィルムで一旦塞いだ後、セル内部に脱イオン精製したゲル化反応溶液(メチロールアクリルアミド(0.67M)、Bis(10mM)及びVA−086(0.4mg/ml))0.4mlを注ぎ、UV光を照射してゲル化させた後、フィルムを除去し、底部にゲル膜(膜厚=4mm)を持つセルを作成した。
次いで、KE−W10(粒子濃度3.2vol%)、メチロールアクリルアミド(0.67M)、Bis(10mM)及びVA−086(0.1mg/ml)から成る混合液を脱イオン精製した。その後、注射針を介してアルゴンガスを10分間バブリングし、上記セルに採取し、セル上部をフィルムで封止した。
次いで、メチロールアクリルアミド(0.67M)、Bis(10mM)、VA−086(0.1mg/ml)及びNaHCO(60μM)から成る溶液50ml(脱イオン後、10分間バブリングを行ったもの)を入れたリザーバーに、セルのゲル膜を介して接触させ、そのまま保持した。時間の経過とともに、NaHCOがリザーバーからセル内に拡散し、NaOH添加の場合と同様にシリカの表面電荷を増加させたところ、7日間で高さ数cmのコロイド結晶が生成した。
400Wの水銀ランプ(HP−400型、東芝社製)を用い、得られたコロイド結晶の試料から30cm隔てて30分間UV光を照射したところ、コロイド結晶は破壊されることなく、ゲル化により柱状結晶が固定化できた。
(実施例4)
メチロールアクリルアミド(6M)、Bis(0.1M)、リボフラビン(0.29mM)水溶液を調製し、それぞれにイオン交換樹脂を共存させて脱イオン精製した。また、コロイド試料として、ポリスチレン粒子(粒径約200nm、Duke Scientific社製)の水分散液を透析法及びイオン交換法により十分精製して用いた。
これらを混合して、メチロールアクリルアミド(1.18M)、Bis(10mM)、リボフラビン(0.058mM)、ポリスチレン粒子(粒子濃度10vol%)から成る分散液を調製した。なお、試料調製には、Milli−Qで十分に洗浄したポリスチレン又はポリテトラフルオロエチレン製容器を用い、イオン性不純物による汚染を防止した。注射針を介してアルゴンガスにより10分間バブリングした後、反応溶液約0.5mlを、厚さ0.1mm(内のり)×1×5cmの薄い石英製セルに注入したところ、コロイド結晶が生成した。
光源として青色LED(光源:MBARB−5015型、電源ユニット:MLED−A12010L型、双方ともモリテックス社製)を用い、セル面からの距離を2cmとし、2台の光源に両面から20分間光照射したところ、結晶は破壊されることなくゲル固定された。
なお、光重合開始剤としてカンファーキノンを用いた場合も、上記同様の手法でゲル固定が可能であった。但し、この際、15mMのカンファーキノン水溶液を脱イオン精製することなく用い、反応液中のカンファーキノン濃度は0.4mMとした。
シリカコロイドの結晶化相図(日本触媒社KE−W10、粒径110nm、粒子濃度3.2vol%)である。

Claims (12)

  1. 次式A
    Figure 0004370239
    (式中のRはアクリル酸残基又はメタクリル酸残基、Rは炭素数C1〜C3のアルキロール基、炭素数C2〜C6のアルコキシアルキル基又は炭素数C2〜C6のアルコキシアルキロール基から成るアミノ基保護基を示す。)で表される構造を有するゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーと架橋剤と光重合開始剤を含む溶液を媒体とするコロイド結晶から成り、光照射によってゲル固定化されることを特徴とする被ゲル固定化コロイド結晶。
  2. 上記ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーが、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及びN−メトキシメチルアクリルアミドから成る群より選ばれた少なくとも1種のものから成ることを特徴とする請求項1に記載の被ゲル固定化コロイド結晶。
  3. 上記ゲル固定化コロイド結晶形成用モノマーは、イオン交換法による精製後の水溶液の電気伝導度が、1μS/cm未満であり、酸・塩基による加水分解によるイオンの発生をしにくい、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の被ゲル固定化コロイド結晶。
  4. 上記光重合開始剤が、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]及び/又はアゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の被ゲル固定化コロイド結晶。
  5. 上記光重合開始剤が、カンファーキノン及び/又はリボフラビンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の被ゲル化固定化コロイド結晶。
  6. 不活性ガス雰囲気下、イオンが滲出しない容器中で保管又は成長させることにより、上記コロイド結晶の破壊が防止されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の被ゲル固定化コロイド結晶。
  7. モノマーと、架橋剤と、光重合開始剤を含む溶液を媒体とするコロイド結晶を光照射によってゲル固定化して得られるゲル固定化コロイド結晶であって、
    上記モノマーが、次式A
    Figure 0004370239
    (式中のRはアクリル酸残基又はメタクリル酸残基、Rは炭素数C1〜C3のアルキロール基、炭素数C2〜C6のアルコキシアルキル基又は炭素数C2〜C6のアルコキシアルキロール基から成るアミノ基保護基を示す。)で表される構造を有することを特徴とするゲル固定化コロイド結晶。
  8. 上記モノマーが、N−メチロールメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及びN−メトキシメチルアクリルアミドから成る群より選ばれた少なくとも1種のものであることを特徴とする請求項7に記載のゲル固定化コロイド結晶。
  9. 上記光重合開始剤が、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]及び/又はアゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミドことを特徴とする請求項7又は8に記載のゲル固定化コロイド結晶。
  10. 上記光重合開始剤が、カンファーキノン及び/又はリボフラビンであることを特徴とする請求項7又は8に記載のゲル固定化コロイド結晶。
  11. 上記コロイド結晶が光学的に均一に成長したものであり、その光学特性が部位によらず均質であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つの項に記載のゲル固定化コロイド結晶。
  12. 請求項7〜11のいずれか1つの項に記載のゲル固定化コロイド結晶を含む多重構造コロイド結晶であって、
    上記ゲル固定化コロイド結晶を、このゲル固定化コロイド結晶を形成しているゲル化材料と同種又は異種のゲル化材料で包囲して成り、
    上記同種のゲル化材料が、請求項7〜11のいずれか1つの項に記載のモノマーと、架橋剤と、光重合開始剤を含み、光照射によってゲル固定化するものであり、
    上記異種のゲル化材料が、合成高分子ゲル、多糖類ゲル又はタンパク質ゲルである、
    ことを特徴とする多重構造コロイド結晶。
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