JP4370111B2 - 親水化処理剤組成物及び親水性保護膜形成方法 - Google Patents

親水化処理剤組成物及び親水性保護膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水化処理剤組成物及び該組成物を用いた親水性保護膜形成方法に関する。更に詳しくは、疎水性の樹脂表面又は塗膜表面を親水性にし、樹脂や塗膜の劣化の防止や表面汚れの洗浄除去性を高めるための親水化処理剤組成物及び該組成物を用いた親水性保護膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車ユーザーは、自動車塗膜の外観保護のために撥水ワックスを掛けて艶や美観を出してきたが、汚れを含んだ水滴が付着して乾燥すると汚れがシミとなって残り、更には時間の経過とともにワックスが溶解して汚れが固定化されて見苦しい状態になった。これを改善する目的で、自動車の塗膜表面を親水化する方法がいくつか提案されている。親水性を持つ塗料として、脂肪族スルホン酸化合物、カルボキシル基含有化合物、特定のオルガノシリケート、樹脂成分からなる塗料組成物からなる耐汚染性の塗料組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この塗料組成物による処理方法は、膜厚を数十μmに調整し、140℃で30分間といった加熱処理を行う自動車の製造工程における塗装方法であり、この処理方法を一般ユーザーが手軽に親水化処理として実施することは困難であった。
【0003】
また、親水性又は親水化可能な塗膜表面を有する基材上に、シリケート化合物の加水分解物、ノニオン系界面活性剤、水及び親水性有機溶剤を含む親水化処理剤を塗布し、乾燥する方法が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この処理方法は親水性又は親水化可能な塗膜表面を持った基材、すなわちベース塗料やクリヤー塗料に対してのみ有効な方法であり、これらの塗料は自動車の製造工程で処理される塗料であることから、このような方法も工場設備を持たない一般ユーザーが手軽に親水化処理として実施することは困難であった。また、シリケート化合物の加水分解物として不完全な加水分解物を使用した場合には、接触角が小さくならず、被膜が親水化しないという問題があった。更に、完全な加水分解物を使用しても縮合のために加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたりすると加水分解で生じた親水性の水酸基が縮合反応して減少し、生成した被膜は十分に親水性にならず、また被膜の硬度が硬くなってクラックを生じるといった問題が発生した。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−69374号公報
【特許文献2】
特開2002−273340号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、疎水性を有する樹脂表面や塗装膜表面上に親水性、硬度、密着性及び防汚性に優れる親水性保護膜を形成することができ、長期に渡り樹脂表面や塗装膜表面の汚れを防止することができる親水化処理剤組成物、及び該組成物を用いた親水性保護膜形成方法を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、親水化処理剤の塗布後の特別な高温処理や予め親水性又は親水化可能な塗膜を調整することを必要とせずに、自動車表面の塗膜がいかなるものであっても、一般ユーザーが従来のワックス掛けと同様に手軽な手作業で均一な親水性保護膜を作成することができ、塗膜形成直後から親水性が発現することにより、自己洗浄性を向上させる機能を有する親水化処理剤組成物、及び該組成物を用いた親水性保護膜形成方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する界面活性剤、アルコキシシリケート系化合物、シランカップリング剤、有機溶媒、触媒及び水を含有する親水化処理剤組成物を塗布し、自然乾燥又は比較的低温で乾燥する親水性保護膜形成方法によれば、疎水性を有する樹脂表面や塗装膜表面上に親水性保護膜を容易に形成することができ、しかも得られる被膜が親水性、硬度、密着性及び防汚性に優れているため降雨や拭き取りで汚れを簡単に除去できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明の親水化処理剤組成物は、疎水基として分岐したアルキル基を有する界面活性剤、下記一般式(1):
【0008】
【化4】
Figure 0004370111
(式(1)中、R1は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、mは1〜40の整数を表す。)
で表されるシリケート化合物、下記一般式(2)及び(3):
【0009】
【化5】
Figure 0004370111
【0010】
【化6】
Figure 0004370111
(式(2)及び(3)中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、又は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基及びフェニル基からなる群から選択されるいずれかを有する炭化水素基を表し、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
で表されるシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種、有機溶媒、触媒及び水を含有し、シリケート化合物の含量とシランカップリング剤の含量との質量比率が50〜90:50〜10であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の親水性保護膜の形成方法は、基材上に上記本発明の親水化処理剤組成物を塗布し、0〜100℃で乾燥することを特徴とする方法である。
【0012】
更に、本発明は、上記本発明の形成方法で親水性保護膜が付与されたことを特徴とする基材を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の親水化処理剤組成物について説明する。本発明の親水化処理剤組成物は、分岐鎖を有する界面活性剤、下記一般式(1):
【0014】
【化7】
Figure 0004370111
(式(1)中、R1は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、mは1〜40の整数を表す。)
で表されるシリケート化合物、下記一般式(2)及び(3):
【0015】
【化8】
Figure 0004370111
【0016】
【化9】
Figure 0004370111
(式(2)及び(3)中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、又は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基及びフェニル基からなる群から選択されるいずれかを有する炭化水素基を表し、R2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
で表されるシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種、有機溶媒、触媒及び水を含有する。
【0017】
本発明に用いる分岐鎖を有する界面活性剤としては、分岐鎖のある疎水基と親水基とを有する界面活性剤で有れば、その他の構造に特に制限は無いが、これらのうちアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が好ましく、特にアニオン界面活性剤が好ましい。分岐鎖のある疎水基としては、側鎖を有する脂肪族炭化水素基、側鎖を有するアシル基、側鎖を有するアラルキル基、ポリオキシプロピレン基及びポリオキシ(エチルエチレン)基からなる群から選択される少なくとも一種が好ましいものとして挙げられ、親水基としては、スルホン酸、硫酸エステル、カルボン酸、リン酸エステル及びそれらの塩、並びにポリオキシエチレン基からなる群から選択される少なくとも一種が好ましいものとして挙げられる。これらの疎水基と親水基がどのように組み合わされた界面活性剤であってもよい。
【0018】
本発明に用いる分岐鎖を有する界面活性剤を更に具体的に示すと、アニオン界面活性剤としては、
下記一般式(4)で表されるスルホコハク酸ジアルキルエステル塩型又はスルホコハク酸ジ(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)エステル塩型のアニオン界面活性剤、
【0019】
【化10】
Figure 0004370111
(式中、R4はそれぞれ炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aはそれぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aはそれぞれ0〜20の整数を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(5)で表されるスルホコハク酸アルキルエステル二塩型又はスルホコハク酸(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)エステル二塩型のアニオン界面活性剤、
【0020】
【化11】
Figure 0004370111
(式中、R5は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは0〜20の整数を表し、Mはそれぞれ水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(6)で表されるスルホフタル酸ジアルキルエステル塩型又はスルホフタル酸ジ(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)エステル塩型のアニオン界面活性剤、
【0021】
【化12】
Figure 0004370111
(式中、R6はそれぞれ炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aはそれぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aはそれぞれ0〜20の整数を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(7)で表されるアルキル硫酸エステル塩型又はポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤、
7O(AO)aSO3M (7)
(式中、R7は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは0〜20の整数を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(8)で表される第2級アルコール硫酸エステル塩型又はポリオキシアルキレン第2級アルコールエーテル硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤、
【0022】
【化13】
Figure 0004370111
(式中、R8、R9はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルケニル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは0〜20の整数を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(9)で表されるモノ脂肪酸グリセリル硫酸塩型のアニオン界面活性剤、
【0023】
【化14】
Figure 0004370111
(式中、R10は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(10)で表される脂肪酸アルキロールアマイド硫酸エステル塩型のアニオン界面活性剤、
11CONH(CH2bOSO3M (10)
(式中、R11は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、bは1又は2を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(11)で表されるモノカルボン酸塩型のアニオン界面活性剤、
12COOM (11)
(式中、R12は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(12)で表されるジカルボン酸モノアルキルエステル塩型又はジカルボン酸モノ(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)エステル塩型のアニオン界面活性剤、
13(OA)aOOC−R14−COOM (12)
(式中、R13は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、R14は炭素数3〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のアルケニレン基、炭素数7〜18のアルキルアリーレン基又はフェニレン基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは0〜20の整数を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(13)で表されるアルキルエーテルカルボン酸型又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸型のアニオン界面活性剤、
15O(AO)aCH2COOM (13)
(式中、R15は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは0〜20の整数を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(14)のN−アシル−N−メチルグリシン塩型又はN−アシル−N−メチル−β−アラニン塩型のアニオン界面活性剤、
【0024】
【化15】
Figure 0004370111
(式中、R16は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、bは1又は2を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(15)のN−アシルグルタミン酸塩型のアニオン界面活性剤、
【0025】
【化16】
Figure 0004370111
(式中、R17は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Mはそれぞれ水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(16)のリン酸モノアルキルエステル二塩型、リン酸モノ(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)エステル二塩型のアニオン界面活性剤、
【0026】
【化17】
Figure 0004370111
(式中、R18は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは0〜20の整数を表し、Mはそれぞれ水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
下記一般式(17)のリン酸ジアルキルエステル塩型、リン酸ジ(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)エステル塩型のアニオン界面活性剤、
【0027】
【化18】
Figure 0004370111
(式中、R19はそれぞれ炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aはそれぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aはそれぞれ0〜20の整数を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、−NH4又は有機アミンを表す。)
などが挙げられる。
【0028】
また、ノニオン界面活性剤としては、下記一般式(18)のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型又はポリオキシアルキレンアルキルエステル型のノニオン界面活性剤、
20O(AO)aH (18)
(式中、R20は炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルケニル基、炭素数3〜18のアシル基又は炭素数7〜18のアラルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは2〜20の整数を表す。)
下記一般式(19)のポリオキシアルキレン第2級アルコールエーテル型のノニオン界面活性剤、
【0029】
【化19】
Figure 0004370111
(式中、R21、R22はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、aは2〜20の整数を表す。)
などが挙げられる。
【0030】
本発明に用いる分岐鎖を有する界面活性剤は、上記一般式(4)〜(19)のアニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤が、側鎖を有するアルキル基、側鎖を有するアルケニル基、側鎖を有するアラルキル基、側鎖を有するアシル基の少なくとも1種を有する界面活性剤、ポリオキシアルキレン基がポリオキシプロピレン基及び/又はポリオキシ(エチルエチレン)基を含有する界面活性剤、並びに両者を有する界面活性剤のいずれの化合物であってもよい。また、一般式(8)又は(19)のような第2級アルコールを原料とする界面活性剤の場合には、ポリオキシアルキレン基がポリオキシエチレン基であっても、一般式におけるそれぞれのアルキル基又はアルケニル基は、直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基であってもよい。これらの分岐鎖を有する界面活性剤は1種を単独で用いることができ、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0031】
本発明に用いる上記一般式(4)〜(19)のアニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤は、従来より行われている方法により製造することができ、その製造方法に制限はない。
【0032】
例えば、側鎖を有するアルコール類又は側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物と無水マレイン酸とをエステル化反応させてマレイン酸ジエステルとし、これに酸性亜硫酸ナトリウムを付加反応させることにより一般式(4)の化合物が得られ、
側鎖を有するアルコール類又は側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物と無水マレイン酸とをエステル化反応させてマレイン酸モノエステルとし、これに亜硫酸ナトリウムでスルホン化反応ことにより一般式(5)の化合物が得られ、
側鎖を有するアルコール類又は側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物とジメチル−5−スルホイソフタル酸ナトリウムとのエステル交換反応で一般式(6)の化合物が得られ、
側鎖を有するアルコール類又は側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物を濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸などで硫酸化し中和することにより一般式(7)の化合物が得られ、
第2級アルコール又は第2級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸などで硫酸化し中和することにより一般式(8)の化合物が得られ、
側鎖を有する脂肪酸モノグリセリドを硫酸化することにより一般式(9)の化合物が得られ、
側鎖を有する脂肪酸とアルキロールアミンを縮合してアミドを作り、残ったOH基を硫酸化することにより一般式(10)の化合物が得られ、
側鎖を有する脂肪酸をアルカリで中和することにより一般式(11)の化合物が得られ、
側鎖を有するアルコール類又は側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物とジカルボン酸類とをエステル化反応してモノエステルとし、アルカリで中和することにより一般式(12)の化合物が得られ、
側鎖を有するアルコール類又は側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物のアルコラートとモノクロル酢酸ナトリウムとを反応させることにより一般式(13)の化合物が得られ、
側鎖を有する脂肪酸とN−メチルグリシン又はN−メチル−β−アラニンとの縮合反応により一般式(14)の化合物が得られ、
側鎖を有する脂肪酸とL−グルタミン酸との縮合反応により一般式(15)の化合物が得られ、
側鎖を有するアルコール類又は側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物と五酸化リン、オキシ塩化リンなどのリン酸化剤とを用いてエステル化することにより一般式(16)、(17)の化合物が得られ、
側鎖を有するアルコール類にアルカリ触媒等を用いてアルキレンオキサイド付加することにより一般式(18)の化合物が得られ、
第2級アルコールに酸触媒やアルカリ触媒等を用いてアルキレンオキサイド付加することにより一般式(19)の化合物が得られる。
【0033】
上記の反応に用いられる側鎖を有するアルコール類としては、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、炭素数8〜18のオキソアルコール(例えば、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコールなど)、イソステアリルアルコール、ブタン−2−オール、ヘキサン−2−オール、ヘプタン−2−オール、炭素数8〜18の第2級アルコール(例えば、商品名:タージトール、商品名:ソフタノール)、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどが挙げられ、側鎖を有するアルコール類のアルキレンオキサイド付加物としては、上記の側鎖を有するアルコール類にアルキレンオキサイド(具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)を1〜20モル付加した化合物、好ましくは1〜10モル付加した化合物が挙げられる。また、アルキレンオキサイドとしてプロピレンオキサイドやブチレンオキサイドを反応に用いる場合には、アルコール類として直鎖状の炭素数3〜18のアルコール類を用いてもよく、この時のアルキレンオキサイドの付加モル数は1〜20モルが好ましく、特に1〜10モルが好ましい。
【0034】
また、反応に用いられる側鎖を有する脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸などが挙げられ、ジカルボン酸類としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
【0035】
上記の側鎖を有するアルコール類、直鎖のアルコール類、側鎖を有する脂肪酸類、ジカルボン酸類、アルキレンオキサイド類は1種を単独で用いることができ、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明はこれらの原料を用いて合成されるアニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤を親水性成分として用いることによりその目的をより効率良く達成できる傾向にあるが、これら分岐鎖を有する界面活性剤のうちで、一般式(4)、(5)、(6)、(7)、(16)、(17)で表されるアニオン界面活性剤が好ましく、特に好ましい化合物としてスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル塩、スルホコハク酸(ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル)エステル二塩、5−スルホイソフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル塩、イソステアリル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル硫酸エステル塩、リン酸モノ(2−エチルヘキシル)エステル二塩、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル塩を挙げることができる。
【0036】
上記の分岐鎖を有する界面活性剤は、親水化処理剤組成物中に0.1〜10質量%配合することが好ましい。上記界面活性剤の配合量が上記下限未満では親水性の低下と防汚性の低下が大きくなる傾向にあり、他方、上記上限を超えると親水性保護膜の強度の低下が大きくなる傾向にある。
【0037】
本発明に用いるシリケート化合物は、下記一般式(1):
【0038】
【化20】
Figure 0004370111
(式(1)中、R1は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、mは1〜40の整数を表す。)
で表されるシリケート化合物である。
【0039】
このようなシリケート化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、これらテトラアルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物、及びこれらテトラアルコキシシラン化合物や部分加水分解縮合物の加水分解物が挙げられ、これらのうちでテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物が好ましい。
【0040】
前記一般式(1)中のmは1〜40の整数であり、特に1〜20の整数であることが好ましい。mが40を超えると被膜強度が不十分となる。また、前記一般式(1)中のR1が炭素数4以上のアルキル基の場合、加水分解が不十分となり、被膜強度が不十分となる。また、保存性(ポットライフ)の観点から、前記一般式(1)中の全てのR1が水素原子ではないことが好ましい。
【0041】
本発明に用いるシランカップリング剤は、下記一般式(2)及び(3):
【0042】
【化21】
Figure 0004370111
【0043】
【化22】
Figure 0004370111
(式(2)及び(3)中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、又は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基及びフェニル基からなる群から選択されるいずれかを有する炭化水素基を表し、R2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
で表されるシランカップリング剤である。
【0044】
本発明に用いる一般式(2)で表されるシランカップリング剤であるアルキルトリアルコキシシリケート化合物としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシランなどのアルキルトリアルコキシシリケート化合物やポリエーテル変性シランカップリング剤、上記アルキルトリアルコキシシリケート化合物の部分加水分解縮合物、及びこれらアルキルトリアルコキシシリケート化合物や部分加水分解縮合物の加水分解物が挙げられる。
【0045】
前記一般式(2)中のnは1〜10の整数であり、nが10を超えると被膜形成性が不十分となる。また、前記一般式(2)中のR2が炭素数5以上のアルキル基の場合、被膜形成性の低下、親水性の低下、並びに防汚性の低下が顕著となる。更に、前記一般式(2)中のRが炭素数9以上のアルキル基の場合、親水性の低下及び防汚性の低下が顕著となる。また、前記一般式(2)中のRが前述の炭化水素基の場合、その炭素数(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基及びフェニル基の炭素数は除く)は1〜3であることが好ましく、この炭素数が上記上限を超えると被膜形成性が不十分となり、被膜硬度が低下する傾向にある。
【0046】
また、本発明に用いる前記一般式(3)で表されるシランカップリング剤であるジアルキルジアルコキシシリケート化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アミノプロピル)メチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシランなどのジアルキルジアルコキシシリケート化合物、上記ジアルキルジアルコキシシリケート化合物の部分加水分解縮合物、及びこれらジアルキルジアルコキシシリケート化合物や部分加水分解縮合物の加水分解物が挙げられる。
【0047】
前記一般式(3)中のnは1〜10の整数であり、nが10を超えると被膜形成性が不十分となる。また、前記一般式(3)中のR2が炭素数5以上のアルキル基の場合、架橋速度の低下、親水性の低下、並びに防汚性の低下が顕著となる。更に、前記一般式(3)中のRが炭素数9以上のアルキル基の場合、親水性の低下及び防汚性の低下が顕著となる。また、前記一般式(3)中のRが前述の炭化水素基の場合、その炭素数(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基及びフェニル基の炭素数は除く)は1〜3であることが好ましく、この炭素数が上記上限を超えると被膜形成性が不十分となり、被膜硬度が低下する傾向にある。
【0048】
これら前記一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤のうち、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0049】
また、前記一般式(1)で表されるシリケート化合物や前記一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤は、完全に加水分解したものを使用することが好ましい。不完全な加水分解物を用いると架橋速度が遅くなり、架橋被膜の硬度が低下するばかりでなく、残存するアルコキシル基の影響で被膜の親水性が弱くなる傾向にある。これらのシリケート化合物とシランカップリング剤の組み合わせとして、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物とビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物とフェニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物とn−オクチルメトキシシラン、及びテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを組み合わせて使用することが好ましい。
【0050】
そして前記一般式(1)で表されるシリケート化合物と前記一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤の混合比率は、シリケート化合物50〜90質量%に対して、シランカップリング剤10〜50質量%であることが好ましく、特にシリケート化合物60〜90質量%に対して、シランカップリング剤10〜40質量%であることが好ましい。シリケート化合物が90質量%を超えて、シランカップリング剤が10質量%未満となるように混合すると、被膜が硬くて脆くなる傾向にあり、また樹脂表面や塗装膜表面に密着しにくくなる傾向にある。他方、シリケート化合物が50質量%未満で、シランカップリング剤が50質量%を超えるように混合すると、被膜形成性が悪くなり、界面活性剤を保持できない傾向にある。両者を上記の範囲で混合して使用することにより、樹脂表面や塗膜表面での被膜形成性、密着性、被膜硬度に優れたものとなり、また分岐鎖を有する界面活性剤を効率よく固定化することができ、より耐久性のある親水性保護膜が形成される傾向にある。
【0051】
本発明の親水化処理剤組成物において、前記分岐鎖を有する界面活性剤に対する、前記一般式(1)で表されるシリケート化合物と前記一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤とを合わせた(以下、「シリケート化合物類」と記す)量の混合比率は、分岐鎖を有する界面活性剤5〜85質量%に対してシリケート化合物類95〜15質量%であることが好ましい。分岐鎖を有する界面活性剤が85質量%を超えて、シリケート化合物類が15質量%未満の場合には、界面活性剤の量が多過ぎて、良好な被膜を形成できずに被膜自体が白化する傾向にある。また、シリケート化合物類が充分に界面活性剤を保持できないため、長期間の親水性を保持できずに被膜が汚れてしまう傾向にある。他方、界面活性剤が5質量%未満で、シリケート化合物類が95質量%を超える場合には、実用的な親水性を発現することができずに汚れてしまう傾向にある。
【0052】
そしてこれらシリケート化合物類は、親水化処理剤組成物中に0.1〜10質量%配合することが好ましい。上記シリケート化合物類の配合量が上記下限未満では架橋密度が低下し、十分な親水性が得られなくなる傾向にあり、他方、上記上限を超えると被膜の厚さが大きくなり、干渉膜が出現し、更に塗りムラによる被膜外観不良が発生する傾向にある。
【0053】
本発明に用いる有機溶剤としては、親水性溶剤が好ましく、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類が挙げられ、これらのうちアルコール類、グリコールエーテル類が好ましい。そしてこれら有機溶剤は、親水化処理剤組成物中に70〜99質量%配合することが好ましい。上記有機溶剤の配合量が上記下限未満では塗布時の膜厚のバラツキが大きくなり、被膜外観不良が発生する傾向にあり、他方、上記上限を超えると乾燥速度のバラツキにより被膜強度が低下する傾向にある。
【0054】
また、本発明に用いる触媒としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などのアルミ系触媒、ジンクビス(アセチルアセトネート)などの亜鉛系触媒、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)などのチタン系触媒、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテートなどのスズ系触媒、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げられ、これらのうちアルミ系触媒が好ましい。そしてこれらの触媒は、親水化処理剤組成物中に0.01〜1質量%配合することが好ましい。上記触媒の配合量が上記下限未満ではシリケート化合物とシランカップリング剤の加水分解が十分に起こらず、架橋密度が不十分となり、十分な親水性が得られない傾向にあり、他方、上記上限を超えると、触媒の量が多くなり、被膜形成が阻害され、十分な被膜が得られない傾向にある。
【0055】
更に、本発明の親水化処理剤組成物中における水の配合量は0.1〜10質量%であることが好ましい。上記水の配合量が上記下限未満ではシリケート化合物類の加水分解不足による架橋密度の低下と親水性が不足する傾向にあり、他方、上記上限を超えると塗膜上でハジキが発生し、被膜が外観不良となる傾向にある。また、乾燥速度が遅くなり、作業性が悪くなる傾向もある。
【0056】
本発明の親水化処理剤組成物においては、前述の界面活性剤、シリケート化合物、シランカップリング剤、有機溶媒、触媒及び水からなる必須成分に加えて、更にアクリル−ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、シリコン樹脂などの樹脂成分;シリカ、有機顔料、無機顔料、セラミック、金属酸化物などの充填剤;分散剤、増粘剤、有機系紫外線吸収剤、有機系酸化防止剤、レベリング剤などが添加されていてもよい。このような添加成分の含有量は親水化処理剤組成物中に、前述の界面活性剤、シリケート化合物、シランカップリング剤、触媒及び水の合計量100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。
【0057】
本発明に用いる前記一般式(1)で表されるシリケート化合物と前記一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤とは脱水縮合して三次元構造を形成するが、その一平面はケイ素と酸素の結合からなる8員環構造を形成することが知られている。この8員環構造を形成する際に、分岐鎖を有する界面活性剤の分岐鎖を有する疎水基がこの8員環内にドーナツ状に取り込まれてインターロックされ、更に架橋剤の一成分である前記一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤の有するアルキル基が樹脂表面や塗装表面に化学的に架橋するか、若しくはファンデルワールス力による接着力が働くことにより、シリケート化合物類の三次元構造被膜と親水化成分である分岐鎖を有する界面活性剤が強固に固定化されて、耐久性のある親水性の保護膜が形成されるものと本発明者らは推定する。よって、このような親水性の機構を実現させるためには、ドーナツ状の穴から界面活性剤が抜け落ちないことが重要であり、そのためには界面活性剤の疎水基部分又はそれに準ずる部分が枝分かれをし、この部分がドーナツ状の穴の直径より大きいものを選定することが特に重要である。
【0058】
次に、本発明の親水性保護膜の形成方法について説明する。すなわち、本発明の親水性保護膜の形成方法は、基材上に前記本発明の親水化処理剤組成物を塗布し、0〜100℃で乾燥することを特徴とするものである。
【0059】
本発明の親水化処理剤組成物を親水性の保護被膜を形成させる樹脂表面や塗装表面に施工するに際して、該親水化処理剤組成物を樹脂表面や塗装表面に塗布し、乾燥する場合には、その乾燥温度は0〜100℃であり、好ましくは10〜50℃であり、特に好ましくは15〜40℃である。乾燥温度が0℃未満、又は100℃を超えると架橋斑や乾燥斑が発生し、被塗布物の親水性に親水性斑が生じる。また、形成させる親水性保護膜の膜厚は、乾燥膜厚で3μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以下である。乾燥膜厚が3μmを超えると塗膜の乾燥時に乾燥斑が多くなり、光沢の低下、塗膜の強度の低下、外観が悪くなるため、一般消費者が手軽に行える塗布方法としては適さなくなる傾向にある。他方、乾燥膜厚が3μm以下であれば、乾燥斑が減少し、乾燥後の膜の光沢に影響はなくなり、更に膜厚が2μm以下であれば、被膜強度が熱膨張収縮に追随性を示すようになる。
【0060】
また、本発明の親水化処理剤組成物の塗布により得られる親水性保護膜の鉛筆硬度が2B〜4Hであることが好ましく、より好ましくはB〜2Hである。親水性保護膜の鉛筆硬度が2B〜4Hの範囲を逸脱すると、樹脂表面や塗膜表面に形成した親水性保護膜に悪影響を与える傾向にある。更に、鉛筆硬度が2Bより柔らかい場合、親水性保護膜は傷つきやすく、剥がれやすいだけでなく、更に耐水性が悪くなる傾向にある。他方、鉛筆硬度が4Hより堅くなると、樹脂層又は塗装膜層と親水性被膜との熱膨張率の違いから、温度変化による追随性がなくなり層剥離やクラックを生じ易くなる傾向にある。
【0061】
上記本発明の形成方法で親水性保護膜を付与する基材には特に制限されないが、樹脂加工又は塗装された自動車車体、鉄道車両、航空機、壁、非金属材料などが挙げられる。
【0062】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0063】
実施例1
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製:商品名「MKCシリケートMS−51」、重量平均分子量:600)1.5g、ビニルトリメトキシシラン0.5g、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.1g、イオン交換水0.75g、界面活性剤スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルナトリウム塩(有効成分70%)2g、メタノール4g、イソプロピルアルコール91.15gを混合し、室温で1日熟成を行い、親水化処理剤組成物を得た。
【0064】
この親水化処理剤組成物中の分岐鎖を有する界面活性剤とシリケート化合物類との質量比率は41:59であり、一般式(1)で表されるシリケート化合物と一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤との質量比率は75:25であった。
【0065】
実施例2
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製:商品名「MKCシリケートMS−56」、重量平均分子量:1,200)0.8g、ビニルトリメトキシシラン0.2g、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.05g、イオン交換水0.25g、界面活性剤スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルナトリウム塩(有効成分70%)1g、メタノール2g、イソプロピルアルコール95.7gを混合し、室温で1日熟成を行い、親水化処理剤組成物を得た。
【0066】
この親水化処理剤組成物中の分岐鎖を有する界面活性剤とシリケート化合物類との質量比率は41:59であり、一般式(1)で表されるシリケート化合物と一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤との質量比率は80:20であった。
【0067】
実施例3
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製:商品名「MKCシリケートMS−51」、重量平均分子量:600)0.7g、フェニルトリメトキシシラン0.3g、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.05g、イオン交換水0.35g、界面活性剤スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルナトリウム塩(有効成分70%)1.4g、メタノール2g、イソプロピルアルコール95.2gを混合し、室温で1日熟成を行い、親水化処理剤組成物を得た。
【0068】
この親水化処理剤組成物中の分岐鎖を有する界面活性剤とシリケート化合物類との質量比率は50:50であり、一般式(1)で表されるシリケート化合物と一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤との質量比率は70:30であった。
【0069】
実施例4
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製:商品名「MKCシリケートMS−51」、重量平均分子量:600)0.45g、n−オクチルトリメトキシシラン0.05g、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.03g、イオン交換水0.2g、界面活性剤スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルナトリウム塩(有効成分70%)2g、メタノール1g、イソプロピルアルコール96.27gを混合し、室温で1日熟成を行い、親水化処理剤組成物を得た。
【0070】
この親水化処理剤組成物中の分岐鎖を有する界面活性剤とシリケート化合物類との質量比率は74:26であり、一般式(1)で表されるシリケート化合物と一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤との質量比率は90:10であった。
【0071】
実施例5
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製:商品名「MKCシリケートMS−51」、重量平均分子量:600)1.5g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5g、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.1g、イオン交換水0.7g、界面活性剤スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステルナトリウム塩(有効成分70%)2g、メタノール4g、イソプロピルアルコール91.2gを混合し、室温で1日熟成を行い、親水化処理剤組成物を得た。
【0072】
この親水化処理剤組成物中の分岐鎖を有する界面活性剤とシリケート化合物類との質量比率は41:59であり、一般式(1)で表されるシリケート化合物と一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤との質量比率は75:25であった。
【0073】
実施例6
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製:商品名「MKCシリケートMS−51」、重量平均分子量:600)1.5g、ビニルトリメトキシシラン0.5g、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.1g、イオン交換水0.75g、界面活性剤ポリオキシエチレン(10EO)2−エチルヘキシルエーテル2g、メタノール4g、イソプロピルアルコール91.15gを混合し、室温で1日熟成を行い、親水化処理剤組成物を得た。
【0074】
この親水化処理剤組成物中の分岐鎖を有する界面活性剤とシリケート化合物類との質量比率は50:50であり、一般式(1)で表されるシリケート化合物と一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤との質量比率は75:25であった。
【0075】
比較例1
市販のカルナバワックス(シュアラスター社製:商品名「インパクト・マスター・フィニシュ」)を使用した。
【0076】
比較例2
テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学(株)製:商品名「MKCシリケートMS−51」、重量平均分子量:600)1.5g、ビニルトリメトキシシラン0.5g、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.1g、イオン交換水14g、界面活性剤n−ドデシル硫酸ナトリウム塩(有効成分100%)1.4g、メタノール4g、イソプロピルアルコール78.5gを混合し、室温で1日熟成を行い、親水化処理剤組成物を得た。
【0077】
この親水化処理剤組成物中の界面活性剤とシリケート化合物類との質量比率は41:59であり、一般式(1)で表されるシリケート化合物と一般式(2)又は(3)で表されるシランカップリング剤との質量比率は75:25であった。
【0078】
(試験方法)
塗装板の作成方法
試験用のカチオン電着塗装板(テストピース(株)製、JIS G−3141(SPCC SD))に、中塗り塗料(HS60、関西ペイント(株)製)を乾燥膜厚30μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で20分焼き付けた。次いで、ブルーパール上塗りベースコート塗料(マジクロンHM32−1、塗色記号B−96P、関西ペイント(株)製)を乾燥膜厚20μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で20分焼き付けた。更に、ブルーパール上塗りトップコート塗料(ルーガーベークHK−4クリヤー、関西ペイント(株)製)を乾燥膜厚30μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で20分焼き付け試験用の塗装板を作成した。得られた塗装板は、均一で艶のある塗膜を形成していた。
【0079】
親水化処理剤の塗装方法
上記の試験用の塗装板に、実施例1〜6及び比較例1、2で調製した親水化処理剤組成物の一定量(10g/m2)をバーコーターで塗布した。次いで、20℃で自然乾燥し、乾燥後20℃で30分放置した。
【0080】
また、乗用車については1台あたり親水化処理剤組成物100mLを塗布した。塗布及び乾燥温度18〜25℃で行い、乾燥後はこの範囲の温度で30分熟成した。
【0081】
(評価方法)
(1)乗用車ランニング試験による防汚性及び親水性の評価
市販の乗用車に、実施例1〜6及び比較例1、2の親水化処理剤組成物を塗装し、3ヶ月間のランニング試験を行い、防汚性を目視で判定した。また、実際に水をかけ流し、親水性を目視で判定した。
【0082】
防汚性(目視判定基準)
○:車体の汚れが、ほとんど認められない;
△:車体の汚れが、少し目立つ;
×:車体の汚れが、顕著である。
【0083】
親水性(目視判定基準)
○:車体全体が、濡れる;
△:車体が、部分的に水をはじく;
×:車体全体が、水をはじく。
【0084】
(2)初期の外観及び親水性評価
上記試験用の塗装板に、実施例1〜6及び比較例1、2の親水化処理剤組成物を塗装し、(2)〜(5)の試験を行った。親水化処理剤組成物を塗装した後の状態を、仕上がり外観及び親水性で評価した。外観に関しては、目視判定を行い、親水性に関しては、FACE(協和界面科学機器(株))を用い、イオン交換水で水接触角を測定した。
【0085】
外観(目視判定基準)
○:未処理塗装板と比較して、外観の変化がない;
△:未処理塗装板と比較して、若干の外観変化がある;
×:未処理塗装板と比較して、外観変化が顕著である。
【0086】
(3)塗膜の硬度
硬度に関しては、JIS K−5400に準じ、評価を行った。
【0087】
(4)塗膜の密着性
密着性に関しては、JIS K−5400に準じ、評価を行った。
【0088】
(5)耐候処理後の外観及び親水性評価
耐候性に関しては、サンシャインウェザー促進耐候試験器(サンシャインウェザーメーターWEL−300−DC(スガ試験機(株))を用い、JIS K−5400に準じ耐候処理を行い、500時間後の外観変化及び親水性を評価した。外観に関しては、目視判定を行い、親水性に関しては、FACE(協和界面科学機器(株))を用い、イオン交換水で水接触角を測定した。
【0089】
耐候処理後の外観変化
○:耐候処理前後で、外観の変化がない;
△:耐候処理前後で、若干の外観変化がある;
×:耐候処理前後で、外観変化が顕著である。
【0090】
前記の試験により得られた結果を以下の表1及び表2に示す。
【0091】
【表1】
Figure 0004370111
【0092】
【表2】
Figure 0004370111
表1及び表2に記載の結果から明らかなように、本発明の親水化処理剤組成物を用いれば、疎水性を有する樹脂表面や塗装膜表面上に親水性保護膜を形成することができ、得られた本発明の親水性保護膜は、親水性、硬度、密着性及び防汚性に優れていることが確認された。
【0093】
【発明の効果】
本発明の親水化処理剤組成物によれば、疎水性を有する樹脂表面や塗装膜表面上に親水性保護膜を形成することができ、この被膜は、親水性、硬度、密着性及び防汚性に優れるため、長期に渡り樹脂表面や塗装膜表面の汚れを防止することができる。

Claims (8)

  1. 疎水基として分岐したアルキル基を有する界面活性剤、下記一般式(1)で表されるシリケート化合物、下記一般式(2)及び(3)で表されるシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種、有機溶媒、触媒及び水を含有し、シリケート化合物の含量とシランカップリング剤の含量との質量比率が50〜90:50〜10である、親水化処理剤組成物。
    Figure 0004370111
    (式(1)中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、mは1〜40の整数を表す。)
    Figure 0004370111
    Figure 0004370111
    (式(2)及び(3)中、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、又は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基及びフェニル基からなる群から選択されるいずれかを有する炭化水素基を表し、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
  2. 疎水基として分岐したアルキル基を有する界面活性剤が、親水基としてスルホン酸、硫酸エステル、カルボン酸、リン酸エステル及びそれらの塩、並びにポリオキシエチレン基からなる群から選択される少なくとも一種を有する界面活性剤である、請求項1に記載の親水化処理剤組成物。
  3. 疎水基として分岐したアルキル基を有する界面活性剤の含量と、シリケート化合物及びシランカップリング剤の合計含量との質量比率が5〜85:95〜15である、請求項1又は2に記載の親水化処理剤組成物。
  4. 基材上に請求項1〜のいずれかに記載の親水化処理剤組成物を塗布し、0〜100℃で乾燥することを特徴とする親水性保護膜の形成方法。
  5. 乾燥後の膜厚が3μm以下である、請求項に記載の親水性保護膜の形成方法。
  6. 親水性保護膜の鉛筆硬度が2B〜4Hである、請求項4又は5に記載の親水性保護膜の形成方法。
  7. 基材が樹脂加工又は塗装加工された基材である、請求項4〜6のいずれかに記載の親水性保護膜の形成方法。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載の形成方法で親水性保護膜が付与された基材。
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