JP4367670B2 - 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物に関し、詳しくは、粘着性物質に対してその接着性を低下させることなく非常に優れた剥離性能を有し、かつ、皮膜背面へのシリコーン移行のない硬化皮膜を形成する剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着性物質に対して優れた剥離性能を示す硬化皮膜を形成する剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物としては、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン,オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金系触媒からなり、さらに反応抑制剤を添加してなる付加反応型オルガノポリシロキサン組成物が広く使用されている。またその性能を向上させるために、これらの成分に、ジメチルシロキサンガムやジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体などのアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサンを加えてなる剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物が提案されている(特公昭53−28943号公報,特開平2−145650号公報,特公平3−52498号公報参照)。しかし、これらの組成物は粘着性物質の接着性が低下したり、シリコーンの移行により皮膜背面の印刷適性が低下したりするなどの欠点があり、用途によっては必ずしも満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記欠点を解消するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、粘着性物質に対してその接着性を低下させることなく非常に優れた剥離性能を有し、かつ、皮膜背面へのシリコーン移行のない硬化皮膜を形成する剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】
本発明は、(A)一般式:
【化3】
[式中、R1は水酸基,アルケニル基およびアルキル基からなる群から選択される同一または異種の基である。xおよびyは、0.90≦x/(x+y)≦0.99,0.01≦y/(x+y)≦0.10を満たす正の整数であり、(x+y)は本成分の30重量%トルエン溶液の25℃における粘度が500センチストークス以上となるような値である。nは2〜6の整数である。]で表されるジオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)一般式:
【化4】
[式中、R1は水酸基,アルケニル基およびアルキル基からなる群から選択される同一または異種の基であり、R2は炭素原子数が2または3のアルケニル基である。zおよびwは、0.999≦z/(z+w)≦1.0,0.0≦w/(z+w)≦0.001を満たす正の整数であり、(z+w)は本成分の30重量%トルエン溶液の25℃における粘度が500センチストークス以上となるような値である。]で表される、1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン、
7〜50重量部、
(C)25℃における粘度が1〜1,000センチストークスであり、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
0.5〜30重量部、
(D)白金系触媒 触媒量、
(E)付加反応抑制剤 任意量
および
(F)有機溶剤 適量
からなることを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物に関する。
【0005】
本発明組成物に使用される(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、一般式:
【化5】
で表される共重合体である。式中、R1は水酸基,アルケニル基およびアルキル基からなる群から選択される同一または異種の基である。アルケニル基としてはビニル基,ヘキセニル基が好ましく、アルキル基としてはメチル基が好ましい。xおよびyは、0.90≦x/(x+y)≦0.99,0.01≦y/(x+y)≦0.10を満たす正の整数である。これは、y/(x+y)が0.01未満であると本発明組成物の硬化性が低下したり、粘着性物質の残留接着率が低下したりするためであり、0.10を越えると粘着性物質を低速で剥離した場合に剥離抵抗値が大きくなるためである。また、(x+y)は、本成分の30重量%トルエン溶液の25℃における粘度が500センチストークス以上となるような値であり、好ましくは3,000〜20,000センチストークスの範囲となるような値である。nは2〜6の整数であり、好ましくは4である。
このような本成分のシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位96モル%,メチルヘキセニルシロキサン単位4モル%),分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位97モル%,メチルヘキセニルシロキサン単位3モル%),分子鎖両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位95モル%,メチルヘキセニルシロキサン単位5モル%)が挙げられる。
【0006】
本発明組成物に使用される(B)成分のジオルガノポリシロキサンは、一般式:
【化6】
で表され、1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する。式中、R1は水酸基,アルケニル基およびアルキル基からなる群から選択される同一または異種の基である。アルケニル基としてはビニル基,ヘキセニル基が好ましく、アルキル基としてはメチル基が好ましい。R2は、炭素原子数が2または3のアルケニル基であり、ビニル基が好ましい。zおよびwは、0.999≦z/(z+w)≦1.0,0.0≦w/(z+w)≦0.001を満たす正の整数である。これは、w/(z+w)が0.001を越えると、粘着性物質を低速で剥離した場合に剥離抵抗値が大きくなるためである。w/(z+w)が0の場合には、R1はアルケニル基であることが必要である。また、(z+w)は、本成分の30重量%トルエン溶液の25℃における粘度が500センチストークス以上となるような値であり、好ましくは3,000〜20,000センチストークスの範囲となるような値である。本成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して7〜50重量部の範囲である。これは、本成分の配合量が7重量部未満であると粘着性物質を低速で剥離した場合に剥離抵抗値が大きくなるためであり、50重量部を越えると粘着性物質の残留接着率が低下するためである。このような本成分のシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位99.95モル%,メチルビニルシロキサン単位0.05モル%),分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0007】
本発明組成物に使用される(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用する成分である。本成分は1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有し、その結合位置は特に限定されない。水素原子以外のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基のような脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基が挙げられる。本成分の25℃における粘度は1〜1,000センチストークスである。本成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.5〜30重量部の範囲である。これは、0.5重量部未満であると本発明組成物の硬化が不十分になるためであり、30重量部を越えると粘着性物質に対する硬化皮膜の剥離抵抗値が経時的に変化するためである。
このような本成分のシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン,分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,環状メチルハイドロジェンポリシロキサン,メチルハイドロジェンシロキサン単位とSiO2単位とからなる重合体が挙げられる。
【0008】
本発明組成物に使用される(D)成分の白金系触媒は硬化を促進する成分である。本成分としては、塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,塩化白金酸とオレフィンとの錯体,塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体等の白金系化合物,白金黒,白金担持シリカ,白金担持活性炭が例示される。本成分の配合量は触媒量であればよく、好ましくは(A)成分,(B)成分および(C)成分の合計量に対して、白金金属量が1〜1,000ppmとなるような量である。
【0009】
本発明組成物に使用される(E)成分の付加反応抑制剤は室温での保存安定性を付与する成分である。本成分としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール,3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール,フェニルブチノールなどのアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン,3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インなどのエンイン化合物,テトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサン,ベンゾトリアゾールが例示される。本成分の配合量は実用上のポットライフ(可使時間)が得られる量であればよく、使用する化合物の分子構造により反応抑制効果が異なるために任意量とされるが、通常、(A)成分100重量部に対して0.001〜5重量部である。
【0010】
本発明組成物に使用される(F)成分の有機溶剤は、上記(A)成分〜(E)成分に対して不活性なものであればよく、例えば、トルエン,キシレン,ヘキサン,ヘプタンのような炭化水素系溶剤や塩素化炭化水素系溶剤が挙げられる。本成分の配合量は適量であり、好ましくは(A)成分,(B)成分,(C)成分および(E)成分の合計量が5〜20重量%の範囲となるような量である。
【0011】
本発明組成物は上記(A)成分〜(F)成分からなるものであるが、これらの成分に加えて、微粉末シリカ等の無機質充填剤,顔料,耐熱性添加剤,有機樹脂粉末,染料等の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物の添加剤として公知とされる成分を添加配合することは、本発明の目的を損わない限り差し支えない。なお、本発明組成物は、ケイ素原子結合アルケニル基とケイ素原子結合水素原子を含有しない非反応性のオルガノポリシロキサンや、R 3 SiO 1/2 単位、 R 2 SiO 2/2 単位もしくはRSiO 3/2 単位、およびSiO 4/2 単位からなり(式中、Rは1価炭化水素基である)、1分子中に少なくとも2個の一般式 H 2 C=CH−(CH 2 ) a −(式中、aは2〜8である)で示されるアルケニル基含有有機溶剤可溶性オルガノポリシロキサンレジンのような本発明の目的を損なう成分を含有するものでない。
【0012】
本発明組成物は上記(A)成分〜(F)成分を単に均一に混合することにより容易に調製することができる。この場合に、(A)成分,(B)成分,(C)成分,(E)成分および(F)成分を混合した後、(D)成分の白金系触媒を加えて混合するのが好ましい。
【0013】
本発明組成物は、これを各種紙材,ラミネート紙,合成樹脂フィルム等の各種基材の表面に塗工して硬化させることにより、これらの基材表面に皮膜を形成する。硬化皮膜を速やかに形成させるには、本発明組成物を基材表面に塗工した後、50〜200℃の温度条件下、好ましくは100〜150℃の温度条件下で加熱すればよい。またその塗工量は0.1〜2.0g/m2の範囲が好ましい。
【0014】
本発明組成物を硬化させて得られる皮膜は、粘着性物質に対する剥離抵抗値が小さく、かつ、粘着性物質の残留接着率の低下が非常に小さいという利点を有する。さらに皮膜背面へのシリコーン移行がないため、本発明組成物の硬化皮膜と接触していた皮膜背面にインクなどを用いて塗装したり印刷したりすることができる。このような本発明組成物は剥離ライナ−や剥離性塗料として好適に使用される。
【0015】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度の値は25℃において測定した値である。また、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物の硬化皮膜の剥離抵抗値,粘着性物質の残留接着率(%)およびシリコーン移行性の測定は下記の方法に従って行った。
【0016】
○剥離抵抗値
剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を紙の表面に所定量塗工して硬化皮膜を形成させた。この皮膜上に、アクリル系粘着剤[東洋インキ(株)製,商品名:オリバインBPS5127]を塗布し、これを温度70℃、2分間の条件で加熱乾燥した。次いでこれに貼合わせ紙を貼り合わせ、20g/cm2の荷重をかけて、温度25℃、湿度60%の条件下で24時間放置した。次にテンシロンを用いて、0.3m/分の速度において角度180度で貼合わせ紙を引張り、剥離に要した力(gf)を測定した。尚、試料幅はすべて5cmとした。
【0017】
○残留接着率(%)
剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を紙の表面に所定量塗工して硬化皮膜を形成させた。この皮膜表面に、粘着テープ[日東電工(株)製,商品名:ニットーポリエステル粘着テープ31B]を貼り合わせ、20g/cm2の荷重をかけて70℃で20時間エージングした。次いで粘着テープをはがし、このはがした粘着テープをステンレス板に貼り付け、20g/cm2の荷重をかけて25℃で30分間放置した後、角度180度,速度0.3m/分の条件で粘着テープを引っ張り、剥離に要した力(gf1)を測定した。また、ブランク試験として、テフロンシートに上記のテープを上記と同様に貼り合わせて、この粘着テープの剥離に要した力(gf2)を上記と同様に測定した。これらの値から、次式に従って残留接着率(%)を算出した。
残留接着率(%)= (gf1 / gf2)×100
【0018】
○シリコーン移行性
剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を紙の表面に所定量塗工して硬化皮膜を形成させて剥離紙を作成した。この剥離紙面上に、清浄なポリエステルフィルムを貼合わせ、プレスで100kg/cm2の荷重をかけて、25℃で30分間放置した。次いでポリエステルフィルムをはがし取り、そのポリエステルフィルムの剥離紙と接触していた面にマジックインキ(登録商標)で線を書き、インキのはじきの程度を測定した。インキのはじきがなければシリコーン移行がないものとし、インキのはじきがあればシリコーン移行があるものとした。
【0019】
【実施例1】
ジメチルシロキサン単位96モル%およびメチルヘキセニルシロキサン単位4モル%からなる分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(この共重合体の30重量%のトルエン溶液の粘度は4,000センチストークスであった。)100重量部と、ジメチルシロキサン単位99.95モル%およびメチルビニルシロキサン単位0.05モル%からなる分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(この共重合体の30重量%のトルエン溶液の粘度は15,000センチストークスであった。)10重量部を、トルエン1460重量部に溶解させた。次いでこの溶液に25センチストークスの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン4重量部および3−メチル−1−ブチン−3−オール1重量部を加えて、均一に溶解させた。さらに塩化白金酸の3重量%イソプロピルアルコール溶液を白金金属量が200ppmとなるような量添加配合して、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物をポリエチレンラミネート上質紙の表面に約0.6g/m2となるような量塗布し、次いでこれを130℃で20秒間加熱処理して硬化皮膜を形成させた。この硬化皮膜の剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0020】
【比較例1】
実施例1において、メチルビニルシロキサン単位0.05モル%を含有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物を用いて実施例1と同様にして硬化皮膜を形成して、その剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0021】
【比較例2】
実施例1において、メチルビニルシロキサン単位0.05モル%を含有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体の代わりに、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(このポリシロキサンの30重量%のトルエン溶液の粘度は15,000センチストークスであった。)を配合した以外は実施例1と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物を用いて実施例1と同様にして硬化皮膜を形成して、その剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0022】
【比較例3】
実施例1において、メチルビニルシロキサン単位0.05モル%を含有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体の代わりに、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン(このポリシロキサンの30重量%のトルエン溶液の粘度は15,000センチストークスであった。)を配合した以外は実施例1と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物を用いて実施例1と同様にして硬化皮膜を形成して、その剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0023】
【比較例4】
実施例1において、メチルビニルシロキサン単位0.05モル%を含有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体の代わりに、ジメチルシロキサン単位99.8モル%およびメチルビニルシロキサン単位0.2モル%からなる分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(この共重合体の30重量%のトルエン溶液の粘度は15,000センチストークスであった。)を配合した以外は実施例1と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物を用いて実施例1と同様にして硬化皮膜を形成して、その剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0024】
【比較例5】
実施例1において、メチルヘキセニルシロキサン単位4モル%を含有するジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体の代わりに、ジメチルシロキサン単位95モル%およびメチルビニルシロキサン単位5モル%からなる分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(この共重合体の30重量%のトルエン溶液の粘度は15,000センチストークスであった。)を配合した以外は実施例1と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物を用いて実施例1と同様にして硬化皮膜を形成して、その剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0025】
【比較例6】
実施例1において、メチルビニルシロキサン単位0.05モル%を含有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体の配合量を2重量部とした以外は実施例1と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物を用いて実施例1と同様にして硬化皮膜を形成して、その剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0026】
【実施例2】
ジメチルシロキサン単位97モル%およびメチルヘキセニルシロキサン単位3モル%からなる分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(この共重合体の30重量%のトルエン溶液の粘度は7,000センチストークスであった。)100重量部と、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(このポリシロキサンの30重量%のトルエン溶液の粘度は5,000センチストークスであった。)25重量部を、トルエン1460重量部に溶解させた。次いでこの溶液に、40センチストークスの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン3.5重量部および3−メチル−1−ブチン−3−オール1重量部を加えて、均一に溶解させた。さらに塩化白金酸の3重量%イソプロピルアルコール溶液を白金金属量が250ppmとなるような量添加配合して、剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を調製した。得られたシリコーン組成物をポリエチレンラミネート上質紙の表面に約0.6g/m2となるような量塗布し、次いでこれを130℃で20秒間加熱処理して硬化皮膜を形成させた。この硬化皮膜の剥離抵抗値、残留接着率(%)およびシリコーン移行性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物は上記(A)成分〜(F)成分からなり、粘着性物質に対してその接着性を低下させることなく非常に優れた剥離性能を有し、かつ、皮膜背面へのシリコーン移行のない硬化皮膜を形成するという特徴を有する。
Claims (2)
- (A)一般式:
(B)一般式:
7〜50重量部、
(C)25℃における粘度が1〜1,000センチストークスであり、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
0.5〜30重量部、
(D)白金系触媒 触媒量、
(E)付加反応抑制剤 任意量
および
(F)有機溶剤 適量
からなることを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物。 - (A)成分中のnが4である請求項1記載の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物。
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