JP2003261855A - 剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物 - Google Patents

剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物

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JP2003261855A
JP2003261855A JP2002061318A JP2002061318A JP2003261855A JP 2003261855 A JP2003261855 A JP 2003261855A JP 2002061318 A JP2002061318 A JP 2002061318A JP 2002061318 A JP2002061318 A JP 2002061318A JP 2003261855 A JP2003261855 A JP 2003261855A
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JP2002061318A
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Yukihiko Asakawa
幸彦 浅川
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Wacker Asahikasei Silicone Co Ltd
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Wacker Asahikasei Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種紙材、ラミネート紙、合成樹脂フィル
ム、金属箔などの各種基材の表面に適用することによ
り、剥離抵抗値が小さく、かつ、移行成分が少ない軟ら
かな硬化皮膜を形成できる剥離性硬化皮膜形成用シリコ
ーン組成物及び該シリコーン組成物の硬化皮膜を形成さ
せた基材を提供する。 【解決手段】 (a)1分子中にケイ素原子と結合する
アルケニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキ
サン、(b)1分子中にケイ素原子と結合する水素原子
を2個以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン、(c)白金系触媒、(d)ケイ素原子に結合する
アリール基を有するオルガノポリシロキサンレジンとか
らなることを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用シリコー
ン組成物及び該シリコーン組成物の硬化皮膜を形成させ
た基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化皮膜を形成す
ることが可能なシリコーン組成物及び該シリコーン組成
物の硬化皮膜を形成させた基材に関するものであり、特
に、各種紙材、ラミネート紙、合成樹脂フィルム、金属
箔などの各種基材の表面に適用することにより、剥離抵
抗値が小さく、かつ、移行成分の少ない軟らかな硬化皮
膜を形成できる剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物
及び該シリコーン組成物の硬化皮膜を形成させた基材に
関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーン組成物を紙、フィルム、合成
樹脂フィルム、金属箔などの各種基材にコーティングし
て硬化させ、剥離性に優れる柔軟なコーティング物を得
ることは従来から行われており、このようなコーティン
グ物は多くの分野において使用され、特に、粘着テープ
や粘着シート等の粘着性表面に対する剥離ライナーに使
用されている。
【0003】このような剥離ライナーに硬化皮膜を形成
させるシリコーン組成物としては、付加型シリコーン組
成物が一般的に用いられている。この付加型シリコーン
組成物は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有する
ジオルガノポリシロキサンを主成分とし、ケイ素原子に
結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンを架橋成分に用い、白金系化合物を触媒とし
て用いるものである。付加型シリコーン組成物は、温度
の制御により迅速な架橋硬化反応を行えることから広く
使用されているものである。
【0004】剥離ライナーが用いられる粘着テープや粘
着シートの製造又は使用において、粘着面と剥離ライナ
ー面との剥離速度は、低速では約0.3m/分、高速で
は50m/分を超える場合もあり、この広い剥離速度範
囲で小さな剥離抵抗値を持つことが要求されている。例
えば、粘着ラベルの製造では、剥離抵抗値が大きいとカ
ス取り工程においてカスが破れてしまい連続生産が難し
くなることや、ラベル使用時の貼り付け工程においては
剥離抵抗値が大きいとラベル自体が破れてしまうといっ
た問題が発生する。
【0005】広い剥離速度範囲で低い剥離抵抗値を有す
る硬化皮膜を得ることが出来る付加型シリコーン組成物
として、いくつかの提案がされている。例えば、付加型
又はその他の硬化型シリコーン組成物にアリール基を有
するジオルガノポリシロキサンを添加した組成物(特開
昭60-133051号公報)が提案されている。この
場合には、剥離抵抗値は低下するものの、非反応性分で
あるアリール基含有ポリオルガノシロキサンが表面に染
み出す現象が発生し、残留接着性も低下してしまうとい
う問題を有する。更には、付加型シリコーン組成物に水
酸基で末端が封鎖されアリール基を含有するジオルガノ
ポリシロキサンを添加した組成物(特開平3-9385
8号公報)、フェニル基を含有するアルケニル基含有ポ
リオルガノシロキサンを用いる付加型組成物(特開平2
−187466号公報、特開平7−82487号公報)
のように反応性を有するフェニル基含有ポリオルガノシ
ロキサンを添加する組成物も提案されている。しかし、
これらにおいても剥離抵抗値はいまだ要求を十分に満足
できるものではなかった。
【0006】さらに、従来提案されている低剥離抵抗値
の付加型シリコーン組成物では、剥離抵抗値の低下に従
って硬化皮膜表面が硬くなるため、硬化皮膜を形成した
基材を重ねて裁断加工するような場合に硬化皮膜の細か
なカスが発生することがあった。カスの発生は硬化皮膜
を柔軟なものとすることにより抑制されるが、この場合
には硬化皮膜からの成分移行の問題が発生するものであ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するために為されたものであり、即ち、広い剥離速
度範囲で剥離抵抗力の小さい剥離性硬化皮膜を形成し、
かつ、この剥離性硬化皮膜に粘着した粘着性物質の残留
接着率を低下させることがなく、かつ、移行成分の少な
い軟らかな剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、付加型シリコーン組成物に特定のポリオルガノシ
ロキサンレジンを添加することにより、上記課題が解決
されることを見出し本発明を為すにいたった。即ち、本
発明は、(1) (a)一般式R SiO
(4−a−b)/2(式中、Rは脂肪族不飽和基を含
まない同一又は異なる一価の炭化水素基、Rはアルケ
ニル基、aは1〜3、bは0.1〜2で、a+bは1〜
3)で示される1分子中にケイ素原子と結合するアルケ
ニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン:
100重量部、(b)一般式R SiO
(4−c−d)/2(式中、Rは脂肪族不飽和基を含
まない同一又は異なる一価の炭化水素基、cは1〜3、
dは0.01〜2、c+dは1〜3)で示される1分子
中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有する
オルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中のケ
イ素原子結合水素原子のモル数と(a)成分中のアルケニ
ル基のモル数の比率が(0.5:1)〜(20:1)と
なる量、(c)白金系触媒:本発明組成物を硬化させる
に十分な量、(d)ケイ素原子に結合したアリール基を
有するオルガノポリシロキサンレジン(R SiO
1/2単位(M単位)、R SiO2/2単位(D単
位)、R SiO3/2単位(T単位)及びSiO
4/2単位(Q単位)からなり、Rは各々同一又は異
なる1価の炭化水素基で、全R中の0.5〜50モル
%がアリール基であり、M/D/T/Q単位のモル比率
が、M/(M+D+T+Q)=0.1〜0.9、D/
(M+D+T+Q)=0.01〜0.9、T/(M+D
+T+Q)=0.01〜0.9、Q/(M+D+T+
Q)=0〜0.9である):0.1〜150重量部、か
らなる剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物、
【0009】(2) (d)のオルガノポリシロキサン
レジンが、R SiO1/2単位(M単位)、R
SiO2/2単位(D単位)及びRSiO3/2単位
(T単位)からなり、M/D/T単位のモル比率が、M
/(M+D+T)=0.1〜0.9、D/(M+D+
T)=0.05〜0.7、T/(M+D+T)=0.0
1〜0.5からなることを特徴とする(1)の組成物、
(3) (d)のオルガノポリシロキサンレジンのケイ
素原子に結合するアリール基がRSiO3/2単位
(T単位)のケイ素原子のみに結合していることを特徴
とする(1)又は(2)記載の組成物、(4) (d)
オルガノポリシロキサンレジンの25℃における粘度が
5〜100,000mPaである(1)〜(3)のいず
れかに記載の組成物、(5) (1)〜(4)のいず
れかに記載の組成物の硬化皮膜を形成させた剥離用基
材、を提供するものである。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に使用される(a)成分のジオルガノポリシロキサ
ンは、本発明組成物の主剤となるものである。本発明の
組成物が硬化後に剥離特性を有する硬化皮膜となるため
には、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基2
個以上を含有することが必要である。かかるジオルガノ
ポリシロキサンは、平均構造単位が、式(1)R
SiO(4−a−b )/2で示されるものである。
式中、Rは脂肪族不飽和基を含まない同一又は異なる
一価の炭化水素基、Rはアルケニル基、aは1〜3、
bは0.1〜2で、a+bは1〜3である。
【0011】上記式(1)のジオルガノポリシロキサン
において、Rは炭素数1〜18の置換又は非置換の飽
和一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアル
キル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル
基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリー
ル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピ
ル基、メチルベンジル基等のアラルキル基や、これらの
炭化水素基中の水素原子の一部又は全部がハロゲン原
子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、
2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基等のハロ
ゲン置換アルキル基やシアノ置換アルキル基などから選
ばれる。これらの中では、アルキル基が好ましく、特に
メチル基が経済性の点から好適に用いられる。
【0012】Rは、ビニル基、アリル基、プロペニル
基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、
ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基か
ら選択されるものであり、特にビニル基が好ましい。
【0013】(a)のジオルガノポリシロキサンは直鎖
状であっても、分岐状であっても良いが、通常は直鎖状
のジオルガノポリシロキサンが用いられる。式(1)に
おいて、aは好ましくは0.5〜2.2、bは好ましく
は0.1〜2、a+bは1.8〜2.2であることが好
ましい。
【0014】また、(a)のジオルガノポリシロキサン
は、25℃における粘度が5〜100,000mPa・
s以下の低粘度液体であって、25℃における粘度が5
〜20,000mPa・sのものが好ましく使用され、
異なる粘度のものを混合して使用しても良い。これらの
ジオルガノポリシロキサンは当業者に公知の方法で製造
される。
【0015】本発明の(b)成分である1分子中にケイ
素原子と結合する水素原子を2個以上含有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンは、(a)成分に対する
架橋成分であり、平均構造単位が式(2)R
iO(4−c−d)/2で示されるものが用いられる。
式(2)において、Rは脂肪族不飽和基を含まない同
一又は異なる一価の炭化水素基、cは1〜3、dは0.
01〜2、c+dは1〜3である。式(2)のRとし
て、前記のRに例示した炭化水素基が用いられ、好ま
しくはアルキル基、より好ましくはメチル基が用いられ
る。(b)成分のケイ素原子に結合する水素原子は、好
ましくは1分子中に3個以上である。
【0016】(b)のオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンも液状であることが好ましく、25℃における粘
度で1〜3000mPa、より好ましくは5〜500m
Paである。(b)成分の配合量は、(a)成分中のア
ルケニルの量に応じて配合されるものであり、(b)成
分のケイ素原子結合水素原子のモル数と(a)成分中のア
ルケニル基のモル数の比率が(0.5:1)〜(20:
1)となる量に調節される。通常、(a)成分100重
量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは、1〜1
0重量部が用いられる。(b)のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンも当業者に公知の方法で製造される。
【0017】本発明の(c)成分である白金系触媒は、
アルケニル基とケイ素原子に結合する水素原子との付加
反応を促進する触媒であって、当業者には公知の触媒で
ある。白金系触媒の具体例として、白金、ロジウム、パ
ラジウム、ルテニウムなどの白金族金属、又はこれらを
微粒子状の担体材料(例えば、活性炭、酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素)に固定したもの、更に白金化合物とし
ては、白金ハロゲン化物、白金−オレフィン錯体、白金
−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、白金−ビ
ニルシロキサン錯体、ジシクロペンタジエン−白金ジク
ロライド、シクロオクタジエン−白金ジクロライド、シ
クロペンタジエン−白金ジクロライドなどをあげること
ができる。(c)成分の配合量は、本発明の組成物を硬
化するのに十分な量であり、通常、(a)(b)両成分
の100万重量部に対して、1〜2000重量部使用さ
れる。
【0018】本発明の(d)成分は、本発明の課題を達
成するのに必須の成分であり、ケイ素原子に結合したア
リール基を有するオルガノポリシロキサンレジンであ
る。本発明のオルガノポリシロキサンレジンは、R
SiO1/2単位(M単位)、R SiO2/2単位
(D単位)、RSiO3/2単位(T単位)及びSi
4/2単位(Q単位)からなるものであって、以下の
ような式(3)で表わすことができる。 式(3) (R SiO1/2−(R SiO
2/2−(RSiO3/2−(Si
4/2 式(3)において各構造単位は、各単位ことにブロック
で結合している必要はなく、各単位がランダムに結合し
ていてもよく、ランダムな結合とブロック結合とがまじ
り合って結合しているものであってよい。式(3)のR
は、各々同一又は異なる1価の炭化水素基であり、全
中の0.5〜50モル%がアリール基であるように
選択され、M/D/T/Q単位のモル比率は、M/(M
+D+T+Q)=0.1〜0.9、D/(M+D+T+
Q)=0.01〜0.9、T/(M+D+T+Q)=
0.01〜0.9、Q/(M+D+T+Q)=0〜0.
9である。好ましくは、M/(M+D+T+Q)=0.
1〜0.7、D/(M+D+T+Q)=0.01〜0.
7、T/(M+D+T+Q)=0.01〜0.7、Q/
(M+D+T+Q)=0〜0.5である。本発明の
(D)成分は、M、D、T成分からなり、M/D/T単
位のモル比率が、M/(M+D+T)=0.1〜0.
9、D/(M+D+T)=0.05〜0.7、T/(M
+D+T)=0.01〜0.5であることがより好まし
い。
【0019】式(3)のRは、炭素数1〜18の置換
又は非置換の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル
基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテ
ニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセ
ニル基等のアルケニル基フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基や、こ
れらの炭化水素基中の水素原子の一部又は全部がハロゲ
ン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル
基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基等の
ハロゲン置換アルキル基やシアノ置換アルキル基などか
ら選ばれる。式(3)のRとして好ましいものは、ア
ルキル基及びアリール基であり、この中でもメチル基及
びフェニル基が好ましい。
【0020】式(3)のRは、全R中の0.5〜5
0モル%がアリール基であることが本発明の目的を達成
するために必須であり、好ましくは1〜30モル%であ
る。このアリール基は、前記のRSiO3/2単位
(T単位)にのみ含有されること、即ち、T単位以外の
一価炭化水素基(R)はアリール基以外の炭化水素基
で、T単位の一価炭化水素基(R)のみがアリール基
になるように選択することがより好ましい。
【0021】(d)のオルガノポリシロキサンレジンは
常温で液状であることが、本発明の剥離ライナーの硬化
皮膜を形成させる上で、又、本発明の目的である広い剥
離速度で剥離抵抗値の小さいものを得る上で好ましい。
具体的には、25℃における粘度が5〜100,000
mPa・sであることが好ましく、25℃における粘度
が5〜1,000mPa・sであることがより好まし
い。このオルガノポリシロキサンレジンは公知の方法に
よって製造することができ、例えば、アルコキシシラン
類及びテトラアルコキシシランの加水分解縮合、アルキ
ルクロロシラン類及びテトラクロロシランの加水分解に
よって製造することができる。これら加水分解縮合反応
によって得られるポリオルガノシロキサンレジンは、微
量のアルコキシ基や水酸基を含む場合があり、微量のこ
れら置換基を含むオルガノポリシロキサンも本発明の範
囲内である。また、異なる粘度のレジンを混合してもよ
い。
【0022】本発明において(d)成分は、(a)成分
100重量部に対して、0.1〜150重量部となるよ
うに配合される。0.1重量部以下では、剥離抵抗値の
改善は十分ではなく、150重量部以上では剥離抵抗値
が不安定となるため好ましくない。好ましい(d)成分
の配合量は、1〜120重量部である。
【0023】本発明組成物は、上記(a)〜(d)成分
よりなるものであるが、これらの成分に加えて、微粉末
シリカ等の無機質充填剤、顔料、耐熱性添加剤、有機樹
脂粉末、染料等の剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成
物の添加剤として公知の添加剤を添加配合することは、
本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0024】本発明組成物は、上記(a)〜(d)成分
及び上記の添加剤を単に均一に混合することにより容易
に調整することができる。この場合、(c)成分以外の
成分を混合した後、塗工前に(c)成分の白金系触媒を
加えて混合することが好ましい。
【0025】本組成物の調整物は塗工しやすいように有
機溶剤を使用してもよい。上記組成物の成分に対して不
活性なものであればよく、例えば、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、ヘプタン、ホワイトスピリットのような
炭化水素や塩素化炭化水素などを用いることができる。
【0026】本発明組成物は、これを各種紙材、ラミネ
ート紙、合成樹脂フィルム等の各種基材の表面に塗工し
て硬化させることにより、これらの基材表面に粘着性物
質に対する剥離性皮膜を形成することができる。本発明
の組成物を塗工、硬化させる方法には特に限定はなく、
通常の方法が適用できる。
【0027】このような本発明組成物は、剥離ライナー
に好適に使用されるが、これ以外でも各種基材に対する
密着性と硬化塗膜の剥離性能を利用して、剥離性塗料と
しても使用することができる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の粘度の値は25℃において測定した値で
ある。剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物の硬化皮
膜の剥離抵抗値、シリコーン移行性、粘着性物質の残留
接着率(%)、硬化皮膜の柔軟性試験は下記の方法に従
って行った。
【0029】(剥離抵抗値)剥離性硬化皮膜形成用シリ
コーン組成物を紙の表面に所定量塗工後に加熱して硬化
皮膜を形成させた。この皮膜上に、アクリル系粘着材
(東洋インキ(株)製、商品名:オリバインBPS11
09)を塗布し、これを130℃×30秒以下で加熱乾
燥させた。次いでこれに貼り合せ紙を貼り合せ、20g
/cmの荷重をかけて、温度25℃、湿度50〜65
%の条件下で24時間放置した。次に剥離試験機(ツク
バリカセイキ(株)高速皮脱試験装置)を用いて、0.
3m/分及び50m/分の各速度において角度180度
で貼り合せ紙を引張り、剥離に要した力(gf)を測定
した。なお、試料幅は2.5cmとした。
【0030】(シリコーン移行性)剥離性硬化皮膜形成
用シリコーン組成物を紙の表面に所定量塗工して硬化皮
膜を形成させた。この皮膜上に、清浄なポリエステルフ
ィルムを貼り合せ、プレスで100kg/cmの荷重
をかけて、25℃で30分間放置した。次いで、ポリエ
ステルフィルムをはがし取り、そのポリエステルフィル
ムと硬化皮膜が接触していた面にマジックインキ(登録
商標)で線を書き、インキのはじきの程度を観察した。
インキのはじきがなければシリコーンの移行が無いもの
とし、インキのはじきがあればシリコーン移行性とし
た。
【0031】(残留接着率)剥離性硬化皮膜形成用シリ
コーン組成物を紙の表面に所定量塗工して硬化皮膜を形
成させた。この皮膜表面に粘着テープ(日東電工(株)
製、商品名:ニットーポリエステル粘着テープ31B)
を貼り合せ、20g/cmの荷重をかけて、70℃で
約20時間エージングした。次いで、粘着テープをはが
し、このはがした粘着テープをステンレス板に貼り付
け、20g/cmの荷重をかけて、25℃で30分間
放置した後、角度180度、速度0.3m/分の条件で
粘着テープを引張り、剥離に要した力(gf)を測定し
た。またブランク試験として、テフロン(登録商標)製の
シートに上記の粘着テープを上記と同様に貼り合せて、
この粘着テープの剥離に要した力(gf)を上記と同様
に測定した。これらの値から、次式に従って残留接着率
(%)を算出した。 残留接着率(%)=(シリコーン組成物の硬化皮膜に貼
り合せた粘着テープの剥離に要した力(gf))/(テ
フロン(登録商標)シートに貼り合せた粘着テープの剥離
に要した力(gf))×100
【0032】(硬化皮膜の柔軟性試験)100ccのビ
ーカーに剥離性硬化皮膜形成用シリコーン組成物を20
cc入れて室温で硬化させた。この硬化物の表面を金属
棒で押え、表面の柔らかさの程度を比較例1の処方によ
る硬化物と相対的に比較した。
【0033】実施例1 (a)成分の両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン(粘度約300mPa・s)100
重量部に対し、(d)成分のフェニルメチルポリシロキ
サンレジン(M、D、T単位からなり、M/D/Tのモ
ル比率は、0.3/0.5/0.2であり、ケイ素原子
に結合する炭化水素基は、メチル基又はフェニル基であ
り、全炭化水素基中で9.5モル%がフェニル基である
もの)で粘度約20mPa・sのもの10重量部を加
え、さらに(b)成分の分子鎖両末端トリメチルシロキ
シ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(粘度約
25mPa・s)3重量部及び1−エチニル−1−シク
ロヘキサノール0.2部を加えてこれらを均一に攪拌し
た。さらにこの溶液中の白金金属量が約100ppmと
なるように(c)成分の白金ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン錯体触媒を添加し、剥離性硬化皮膜形成用シリ
コーン組成物を調整した。得られた剥離性硬化皮膜形成
用シリコーン組成物を、ポリエチレンラミネート上質紙
の表面に約1g/mとなるように塗工し、ついでこれ
を130℃で30秒加熱処理して硬化皮膜を形成させ
た。この硬化皮膜の剥離抵抗値、シリコーン移行性、残
留接着率を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0034】実施例2 実施例1の(d)成分フェニルメチルポリシロキサンレ
ジン10重量部を100重量部とした以外は実施例1と
同様に調整し、硬化皮膜を形成させ、特性を測定した。
これらの結果を表1に示した。
【0035】実施例3 実施例1の(d)成分フェニルメチルポリシロキサンレ
ジンで粘度約100mPa・sのもの10重量部を加え
た以外は実施例1と同様に調整し、硬化皮膜を形成さ
せ、特性を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0036】比較例1 実施例1で(d)成分フェニルメチルポリシロキサンレ
ジンを配合しないこと以外は実施例1と同様の調整、硬
化皮膜形成、測定を行い、表1に結果を示した。
【0037】比較例2 実施例1の(d)成分フェニルメチルポリシロキサンレ
ジン10重量部の代わりに、フェニルメチルシリコーン
オイル(粘度約100mPa・s)10重量部を加えた
以外は実施例1と同様の調整、硬化皮膜形成、測定を行
い、表1に結果を示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の組成物は、前記(a)〜(d)
成分からなり、特に(d)成分を含むことにより、硬化
後、低速度で剥離した場合においても高速度で剥離した
場合においても剥離抵抗力の小さい剥離性硬化皮膜を形
成し、この剥離性硬化皮膜に粘着した粘着性物質の残留
接着率を低下させることがなく、かつ、移行成分が少な
い軟らかな剥離性硬化皮膜を形成できるという特徴を有
する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式R SiO
    (4−a−b)/2(式中、Rは脂肪族不飽和基を含
    まない同一又は異なる一価の炭化水素基、Rはアルケ
    ニル基、aは1〜3、bは0.1〜2で、a+bは1〜
    3)で示される1分子中にケイ素原子と結合するアルケ
    ニル基を2個以上含有するジオルガノポリシロキサン:
    100重量部、(b)一般式R SiO
    (4−c−d)/2(式中、Rは脂肪族不飽和基を含
    まない同一又は異なる一価の炭化水素基、cは1〜3、
    dは0.01〜2、c+dは1〜3)で示される1分子
    中にケイ素原子と結合する水素原子を2個以上含有する
    オルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分中のケ
    イ素原子結合水素原子のモル数と(a)成分中のアルケニ
    ル基のモル数の比率が(0.5:1)〜(20:1)と
    なる量、(c)白金系触媒:本発明組成物を硬化させる
    に十分な量、(d)ケイ素原子に結合するアリール基を
    有するオルガノポリシロキサンレジン(R SiO
    1/2単位(M単位)、R SiO2/2単位(D単
    位)、R SiO3/2単位(T単位)及びSiO
    4/2単位(Q単位)からなり、Rは各々同一又は異
    なる1価の炭化水素基で、全R中の0.5〜50モル
    %がアリール基であり、M/D/T/Q単位のモル比率
    が、M/(M+D+T+Q)=0.1〜0.9、D/
    (M+D+T+Q)=0.01〜0.9、T/(M+D
    +T+Q)=0.01〜0.9、Q/(M+D+T+
    Q)=0〜0.9である):0.1〜150重量部、か
    らなることを特徴とする剥離性硬化皮膜形成用シリコー
    ン組成物。
  2. 【請求項2】 (d)のオルガノポリシロキサンレジン
    が、R SiO /2単位(M単位)、R SiO
    2/2単位(D単位)及びRSiO3/2単位(T単
    位)からなり、M/D/T単位のモル比率が、M/(M
    +D+T)=0.1〜0.9、D/(M+D+T)=
    0.05〜0.7、T/(M+D+T)=0.01〜
    0.5からなることを特徴とする請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 (d)のオルガノポリシロキサンレジン
    のケイ素原子に結合するアリール基がRSiO3/2
    単位(T単位)のケイ素原子のみに結合していることを
    特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (d)のオルガノポリシロキサンレジン
    の25℃における粘度が5〜100,000mPa・s
    である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物
    の硬化皮膜を形成させた剥離用基材。
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