JP4365816B2 - 印刷機及び印刷機のインキ供給方法 - Google Patents

印刷機及び印刷機のインキ供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、インキ供給量を調整することによって印刷シートの色調等の調整を行う印刷機、及び、インキの横流れに対応してインキ供給量を補正する印刷機のインキ供給方法に関する。
枚葉印刷機あるいは輪転印刷機等の印刷機では、インキ供給装置に備えられたインキキーとインキ元ローラとの隙間量(インキキー開度という)を調整することによってインキ壷から印刷胴に供給するインキ供給量を調整している。インキキーは印刷幅方向に複数並列配置されており、それぞれのインキキーを独立して揺動させることによってインキキー開度を調整することで、インキキーの幅単位(インキ供給ゾーンあるいはキーゾーンという)毎にインキ供給量を調整することができる。
このインキ供給量は印刷絵柄の画線率が大きい程大きく、また、印刷絵柄の画線率が小さいほど小さく、印刷絵柄の各線率に応じて設定する必要がある。
従来、印刷機においてインキキー開度の調整は、オペレータがマニュアルで印刷した印刷シートの濃度を参照しながら行う場合もあるが、インキキー開度を自動で設定するインキ供給量自動設定装置も提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の技術では、印刷シートの走行ライン上に設けられたラインセンサ型IRGB濃度計によって、印刷シートのキーゾーン毎の実混色網濃度を計測し、そして、実混色網濃度の計測結果に基づいて各インキ色の実単色網濃度を検出し、実単色網濃度が目標単色網濃度となるようにそれぞれのキーゾーンに対応するインキキーの開度を調整するようにフィードバック制御を行っている。
特開2004−106523公報
しかしながら、上述のような特許文献1の技術等、従来の印刷機の色調制御において、フィードバック制御により、特に低画線率のキーゾーンにおいて、インキキー開度を限界まで小さく(つまり、インキが供給されなくなるインキキー開度0)しても、インキの過剰供給に起因して、実単色網濃度が目標単色網濃度よりも大きくなる場合がある。
図13は従来の印刷機においてインキ供給装置から版胴へのインキ供給に係る構成を示す模式的な斜視図である。図13に示すように、従来の印刷機のインキ供給装置では、インキキー107、インキ元ローラ106及び側壁によって形成されるインキ壷から版胴4へインキが供給される際に、インキ壷から供給されたインキは、インキ元ローラ106の周面からインキ練りローラ群110の各周面を通る間に適度に練られ、インキ揺動ローラ111を介してインキ着けローラによって版胴103に供給されている。
インキ揺動ローラ111は、回転軸を中心に回転するが、同時に軸方向(印刷幅方向)に揺動するようになっている。このようなインキ揺動ローラ111の揺動により、インキがさらに練られる上、キーゾーン毎にインキ供給量が異なることにより、隣接するキーゾーンの境界線において、インキ膜厚が急激に減少あるいは増大することによってこの境界線において印刷シート8の色調が極端に変わってしまう等の不都合を防止している。
しかしながら、低画線率のキーゾーン付近に高画線率のキーゾーンが存在する場合、このインキ揺動ローラ111の印刷幅方向の揺動によって高画線率のキーゾーンに多量に供給されたインキが低画線率のキーゾーンに横流れして、低画線率のキーゾーンに本来供給されるべきインキ量よりも大量のインキが供給されてしまうことになり、このことが上述のような不都合が生じる原因となっている(これをインキ横流れという)。
このように、低画線率のキーゾーンに過剰にインキが供給されると、絵柄の濃度が濃くなりすぎるだけでなく、低画線率のキーゾーンにインキが余ることにより、非画線部にインキが付着する地汚れの原因となりいずれの場合にも印刷シートは損紙となってしまう。
また、このような場合に、オペレータが目視且つ手動で高画線率のキーゾーンのインキ供給量を少なくして低画線率のキーゾーンに供給されるインキ量を低減させているが、手動による操作のためオペレータの熟練度によって精度にばらつきがあり、例えば高画線部のインキ供給量が少なくなり過ぎると、高画線率部分の色が薄くなったり、また、各色インキをバランス良く調整しないと色調バランスが乱れることとなり、これによっても損紙が生じることになる。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、高画線率のキーゾーンが存在することによってインキの横流れが生じる場合に、インキ横流れ補正を行って各キーゾーンに適正量のインキを供給することが出来るようにした、印刷機及び印刷機のインキ供給方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の本発明の印刷機は、印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置と、印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定する目標値設定手段を備え、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御手段とを備え、前記インキ供給量制御手段は、前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得手段と、前記の何れか1つのインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値が下限値に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っている場合に、前記画線率取得手段により取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンを選択し、該高画線率ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正手段とをそなえたことを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の印刷機は、請求項1のものにおいて、前記画線率閾値は一つだけ設定され、前記の画線率閾値よりも画線率が高いインキ供給ゾーンの全てが、前記高画線率ゾーンとして選択されることを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の印刷機は、請求項1のものにおいて、前記画線率閾値は一つだけ設定され、前記の画線率閾値よりも画線率が高いインキ供給ゾーンが複数ある場合には、そのうち最も画線率が高いインキ供給ゾーンが、前記高画線率ゾーンとして選択されることを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の印刷機は、請求項1のものにおいて、前記画線率閾値は、前記目標値が下限値以下に達したインキ供給ゾーンに対して近いインキ供給ゾーンほど小さい値に設定され、前記インキ供給ゾーンのうち、対応する前記画線率閾値よりも画線率が高い場合のもの全てが、前記高画線率ゾーンとして選択されることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の印刷機は、印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置と、印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定する目標値設定手段を備え、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御手段とを備え、前記インキ供給量制御手段は、前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得手段と、前記の何れか1つのインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値が下限値に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っている場合に、前記1つのインキ供給ゾーンに隣接するインキ供給ゾーンについて、前記画線率取得手段により取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンであるか否かを判定し、前記隣接インキ供給ゾーンが前記高画線率ゾーンであれば、前記隣接インキ供給ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正手段とをそなえたことを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の印刷機は、請求項1〜5の何れか1項のものにおいて、前記印刷機は、多色刷りオフセット印刷機であって、前記インキ供給装置及び前記インキ供給量制御手段は各インキ色の印刷装置毎に設けられ、前記の何れかのインキ色のインキ供給量制御手段の前記補正手段が、前記高画線率ゾーンの前記目標値を前記補正量だけ減少補正する場合には、他の各インキ色の前記補正手段も、前記高画線率ゾーンに対応するインキ供給ゾーンの目標値を前記補正量に応じて補正することを特徴としている。
また、請求項7記載の本発明の印刷機は、請求項1〜6の何れか1項のものにおいて、前記の所定の補正量は、前記目標値を許容下限値とする値であることを特徴としている。
また、請求項8記載の本発明の印刷機は、請求項1〜7の何れか1項のものにおいて、前記インキ供給装置は、前記印刷幅方向に並列に設置された複数のインキキーを備え、印刷時には前記インキキー毎に区分される前記インキ供給ゾーン毎にインキを供給し、前記インキ供給量制御手段は、前記各インキ供給ゾーン毎における印刷絵柄の目標混色網濃度を設定する目標混色網濃度設定手段と、印刷で得られる前記印刷シートの走行ライン上に配置されたIRGB濃度計と、前記IRGB濃度計を操作して前記印刷シートの前記各インキ供給ゾーン毎の実混色網濃度を計測する実混色網濃度計測手段と、予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、前記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める目標網点面積率演算手段と、前記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、前記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める実網点面積率演算手段と、予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、前記目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める目標単色網濃度演算手段と、前記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、前記実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める実単色網濃度演算手段と、予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係に基づき、前記目標網点面積率のもとでの前記目標単色網濃度と前記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるベタ濃度偏差演算手段と、をそなえ、前記目標値設定手段は、上記ベタ濃度偏差に基づいて前記インキ供給量の目標値を設定することを特徴としている。
また、請求項9記載の本発明の印刷機は、請求項8のものにおいて、前記ベタ濃度偏差演算手段により求められた前記ベタ濃度偏差を予め設定された判定基準値と比較することにより、前記のインキ濃度が予め設定された許容範囲に入っているか否かを判定する印刷濃度判定手段を備え、前記のインキ濃度が許容範囲を上回っているか否かの判定は、前記印刷濃度判定手段の判定結果に基づいて行なうことを特徴としている。
また、請求項10記載の本発明の印刷機は、請求項1〜7の何れか1項ものにおいて、前記印刷シートのインキ濃度が予め設定された許容範囲に入っているか否かを前記インキ供給ゾーン毎に判定する印刷濃度判定手段を備え、前記のインキ濃度が許容範囲を上回っているか否かの判定は、前記印刷濃度判定手段の判定結果に基づいて行なうことを特徴としている。
また、請求項11記載の本発明の印刷機のインキ供給方法は、印刷機に装備され、印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置において、印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定し、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御方法であって、前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得ステップと、前記の何れか1つのインキ供給ゾーンが、前記インキ供給量の目標値が下限値(0)に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っているという補正条件が成立しているか否かを判定する補正条件判定ステップと、前記補正条件判定ステップにより補正条件が成立していると判定された場合に、前記画線率取得ステップにより取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンを選択し、該高画線率ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正ステップと、をそなえたことを特徴としている。
また、請求項12記載の本発明の印刷機のインキ供給方法は、印刷機に装備され、印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置において、印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定し、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御方法であって、前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得ステップと、前記の何れか1つのインキ供給ゾーンが、前記インキ供給量の目標値が下限値(0)に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っているという補正条件が成立しているか否かを判定する補正条件判定ステップと、前記補正条件判定ステップにより補正条件が成立していると判定された場合に、前記1つのインキ供給ゾーンに隣接するインキ供給ゾーンについて、前記画線率取得手段により取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンであるか否かを判定し、前記隣接インキ供給ゾーンが前記高画線率ゾーンであれば、前記隣接インキ供給ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正ステップと、をそなえたことを特徴としている。
また、請求項13記載の本発明の印刷機は、印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置と、前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定する目標値設定手段と、前記目標値にしたがい前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御手段と、を備え、前記インキ供給量制御手段は、前記インキ供給ゾーンのうちの1のインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値が所定の下限値以下となった場合に、前記1のインキ供給ゾーンの他のインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値を減少させることを特徴としている。
したがって、請求項1記載の本発明の印刷機及び請求項11記載の印刷機のインキ供給方法によれば、インキ供給量の目標値が下限値であるにもかかわらず、インキ横流れにより印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回るインキ供給ゾーンが存在する場合であっても、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンを選択し、該高画線率ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正するので、高画線率ゾーンからインキ横流れによって過剰に供給されるインキを低減することができ、インキ濃度が許容範囲よりも大きくなることを防止することができる。
また、請求項2記載の本発明の印刷機によれば、請求項1の効果に加え、画線率閾値が一つだけ設定され、画線率閾値よりも画線率が高いインキ供給ゾーン全てを高画線率ゾーンとして選択するので、高画線率ゾーン選択にかかる制御が単純で、且つ、インキ横流れの原因と考えられる高画線率ゾーン全てインキ供給量を減少補正して高画線率ゾーンからインキ横流れによって過剰に供給されるインキを低減することができ、インキ濃度が許容範囲よりも大きくなることを防止することができる。
また、請求項3記載の本発明の印刷機によれば、請求項1の効果に加え、画線率閾値は一つだけ設定され、画線率閾値よりも画線率が高いインキ供給ゾーンが複数ある場合に、そのうち最も画線率が高いインキ供給ゾーンを高画線率ゾーンとして選択するので、特にインキ横流れの原因と考えられるインキ供給ゾーンのインキ供給量を減少補正して高画線率ゾーンからインキ横流れによって過剰に供給されるインキを低減することができ、インキ濃度が許容範囲よりも大きくなることを防止することができる。また、インキ供給量を低減するインキ供給ゾーンは一つのみなのでインキ供給量を低減することによって生じる色調の乱れを最小範囲に抑えることができる。
また、請求項4記載の本発明の印刷機によれば、請求項1の効果に加え、画線率閾値が、インキ供給量の目標値が下限値以下に達したインキ供給ゾーンに対して、近いインキ供給ゾーンほど小さい値に設定されるので、インキ横流れの影響が大きい近隣のインキ供給ゾーンに対して確実にインキ横流れ補正を行うことができる。
また、請求項5記載の本発明の印刷機及び請求項12記載の印刷機のインキ供給方法によれば、インキ供給量の目標値が下限値であるにもかかわらず、インキ横流れにより印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回る1つのインキ供給ゾーンが存在する場合であっても、この1つのインキ供給ゾーンに隣接するインキ供給ゾーンについて予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンを選択し、該高画線率ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正するので、高画線率ゾーンからインキ横流れによって過剰に供給されるインキを低減することができ、インキ濃度が許容範囲よりも濃くなることを防止することができる。
また、請求項6記載の本発明の印刷機によれば、請求項1〜5の効果に加え、多色刷りのオフセット印刷機において、特定のインキに対してインキ横流れ補正を行う際に、印刷シート上の色調の乱れを抑制することができる。
また、請求項7記載の本発明の印刷機によれば、請求項1〜6の効果に加え、高画線率ゾーンのインキ供給量に対する補正量がインキ供給量の目標値を許容下限値とする値に設定されるので、インキ横流れ補正を行う際に、高画線率ゾーンにおけるインキ濃度の低下を許容範囲内に抑えることができる。
また、請求項8記載の本発明の印刷機によれば、請求項1〜7の効果に加え、各インキ色の画線率と混色網濃度との対応関係に基づき、印刷絵柄における各インキ色のインキ供給ゾーン毎の画線率に対応する混色網濃度を求め、画線率に対応する混色網濃度を目標混色網濃度として設定することにより、印刷立ち上がり直後から色調制御を行うことができ、印刷シート上において所望の色調が得られるまでの時間を短縮して損紙を低減することができる。
また、請求項9記載の本発明の印刷機によれば、請求項8の効果に加え、インキ濃度判定手段が、ベタ濃度偏差と予め設定された判定基準値と比較することにより、印刷シート上のインキ濃度が予め設定された許容範囲に入っているか否かを確実に判定することができる。
また、請求項10記載の本発明の印刷機によれば、請求項1〜7の効果に加え、印刷シートのインキ濃度が予め設定された許容範囲に入っているか否かを印刷濃度判定手段によってインキ供給ゾーン毎に確実に判定することができる。
また、請求項13記載の本発明の印刷機によれば、1のインキ供給ゾーンのインキ供給量の目標値が所定の下限値以下の場合には、高画線率ゾーンからインキ横流れによってインキが過剰に供給されていることが考えられるが、このとき、他のインキ供給ゾーンの目標値を減少させるので、高画線率ゾーンからインキ横流れによって過剰に供給されているインキを低減することができ、インキ濃度が許容範囲よりも大きくなることを防止することができる。
以下、図1〜図12を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1はインキ供給量制御におけるインキ横流れ補正を説明するフローチャート、図2は、本発明の印刷機の概略構成を示す模式的な側面図、図3はインキ供給装置から版胴までのインキ供給にかかる構成を示す模式的な側面図、図4、図5はいずれも印刷機のインキ供給装置の構成を示す模式図、図6はインキ供給量制御に係る制御系の機能構成を示すブロック図、図7はインキ供給量制御におけるインキ横流れ補正にかかる制御系の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態にかかるインキ供給装置を備えた印刷機の概略構成について説明する。図2は本発明の一実施形態としてのインキ供給装置を備えた印刷機としてのオフセット輪転機の概略構成を示す図である。本実施形態におけるオフセット輪転機は多色刷りの両面印刷機であり、印刷シート8の搬送経路に沿って、インキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dが設置されている。印刷ユニット2a,2b,2c,2dにはそれぞれ、インキキー7とインキ元ローラ8からなるインキ供給装置5が備えられている。そして、それぞれのインキ供給装置5にはコンピュータ等の制御装置20が接続されており、制御装置20によってインキキー7のインキ元ローラ8に対する隙間量(即ち、インキキー開度)を調整することによりインキ供給装置5におけるインキ供給量を調整できるようになっている。制御装置20のインキキー供給量制御としての機能構成の詳細については後述する。
図3に示すように、インキキー7の下部には各インキキー7を揺動させて、インキキー7とインキ元ローラ6との隙間を調整するインキキー開度調整装置50が備えられており、制御装置20はインキキー開度調整装置50と電気的に接続され、インキキー開度調整装置50の作動を制御することによってインキキー開度を制御できるようになっている。
そして、制御手段20によって供給量を制御され、インキ元ローラ6の周面より供給されたインキは、インキローラ群11の周面を通過する間に適度に練られ、インキ揺動ローラ12により、各キーゾーンの境界線におけるインキ膜厚についての極端なインキ膜厚変化が緩和された後にインキ着けローラ13を介して版胴4の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴3を介して絵柄として印刷シート8に転写される。なお、図示省略しているが、本実施形態のオフセット輪転機は両面刷りなので、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dには、印刷シート8の搬送経路を挟むようにして一対のブランケット胴3が備えられ、各ブランケット胴3に対して版胴4やインキ供給装置5が設けられている。
また、最下流の印刷ユニット2dのさらに下流にラインセンサ型のIRGB濃度計(インキセンサ)1を備えている。IRGB濃度計1は印刷シート8上に転写されたインキの反射光をI(赤外光)、R(赤)、G(緑)、B(青)の反射濃度として計測する計測器であり、印刷シート8全幅の混色網濃度を計測したり、任意の位置の混色網濃度を計測したりすることも可能である。なお、オフセット輪転機は両面刷りなので、IRGB濃度計1は印刷シートの搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置され、表裏両面の反射濃度を計測できるようになっている。
次に、図4、図5を参照して、インキ供給装置5の構成について説明すると、図4に示すように、インキ供給装置5には、インキ元ローラ6,インキキー7及びインキ移しローラ9が備えられ、インキ元ローラ6の周面とインキキー7及び側板10a,10bとから形成されるインキ壺に溜められたインキをインキキー7とインキ元ローラ6の周面との隙間からインキ元ローラ6の周面、インキ移しローラ9を介してインキ練りローラ群に供給するようになっている。
インキキー7a〜7hは図5に示すように印刷幅方向に複数並設されており、隣合うインキキー7a〜7h及び端部のインキキー7a,7hと側板10a,10bとは互いに摺接している。また、図3にも示すようにインキキー7a〜7hは支点軸51を中心にしてそれぞれ独立して揺動できるようになっており、各インキキー7a〜7hとインキ元ローラ6の周面との隙間(インキキー開度)を調整できるようになっている。各インキキー7a〜7hの下方にはインキキー開度調整装置50が設けられている。
インキキー開度調整装置50は各インキキー7a〜7hの先端下面に当接する押上金具55と、押上金具55に先端を当接し、前後方向に伸縮することにより押上金具55を揺動昇降させるプッシャー56と、回転駆動することによってプッシャ56を前進または後退させるように接続された、アクチュエータとしてのモータ53とを備えている。モータ53は制御装置20によって駆動制御されるように制御装置20に電気的に接続されている。また、モータ53の回転軸はギアを介して駆動伝達可能に回転軸の回転角位置を検知するポテンショメータ54に接続されている。ポテンショメータ54によって検知されたモータ53の回転角はプッシャ56の前進後退位置すなわちインキキー7の揺動角度に対応しており、これによってインキキー開度を検知することができる。ポテンショメータ54は検知結果が制御装置20に入力されるように制御装置20に電気的に接続されている。
このように、インキキー開度調整装置50は、モータ53を回転させて、プッシャ56及び押上金具55を介してインキキー7を揺動させることによって、インキキー開度を調整できる構成となっている。これによって、インキキーの幅単位(インキ供給ゾーンあるいはキーゾーン)毎にインキ供給量を調整することができるようになっている。
[制御系の機能構成]
次に、図6,図7を参照して本発明の印刷機の制御系の機能構成について説明する。
図6に示すように、制御装置20は、ROM及びRAM等のメモリ及びCPU等の演算装置によって構成されており、インキ供給量制御手段(インキ供給量制御部)として、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ。注目画素設定手段,画線率演算手段,実混色網濃度計測手段に相当する機能を有する)31、色変換部(目標混色網濃度設定手段,目標画線率演算手段,目標単色網濃度演算手段,実画線率演算手段,実単色網濃度演算手段,ベタ濃度偏差演算手段に相当する機能を有する)34,補正手段(補正部)40を含むインキ供給量演算部35,オンライン制御部36,キー開度リミッタ演算部37,インキキー制御手段(インキキー制御部)38の機能要素を備えている。
また、図7に示すように、補正手段40は機能要素として補正判定部41,高画線率ゾーン選択部42,目標インキ供給量補正部43を備えている。
なお、DSP31,色変換部34,インキ供給量演算部35,オンライン制御部36,キー開度リミッタ演算部37,インキキー制御手段38の各機能要素は、各インキ色毎(各インキ供給装置5)且つ各インキキー毎に個別に制御を行うようになっている。
制御装置20の入力側には、IRGB濃度計1,ポテンショメータ54及び入力手段25が接続され、出力側にはインキキー開度調整装置50が接続されている。インキキー開度調整装置50はインキキー制御手段38によって制御され、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dの各インキキー7a〜7jのインキキー開度をそれぞれ独立して調整する。また、入力手段25からは印刷絵柄の各キーゾーンにおける画線率データが入力され、制御装置20のメモリに記憶されるようになっている。即ち、制御装置20は画線率取得手段としての機能を有している。
図8は、本実施形態におけるインキ供給量制御を説明するためのものであって、各インキ色において印刷幅方向位置が同位置であるインキキー開度制御の制御フローを示すフローチャートである。以下、図8を中心に色調制御の処理態様について説明する。なお、この色調制御については同一印刷面(ここでは表面)の印刷について説明するが、裏面の印刷についても同様の制御を行う。また、図8は一つのキーゾーンに関する各インキ色のシステムの対応するインキキーへの処理を示すが、それぞれのキーゾーンについて図8に示す処理が行われる。
色調制御を行うためにはフィードバック制御のための何らかの目標値を定める必要がある。本実施形態では、ラインセンサ型IRGB濃度計1を用いて反射濃度、すなわち混色網濃度を計測しているので、ステップS0において、目標値として以下の手順により目標混色網濃度を設定する。
まず、印刷絵柄における各インキ色のキーゾーン毎の画線率Ak,Ac,Am,Ayデータを入力手段25から制御装置20に入力する。画線率Ak,Ac,Am,Ayデータは、製版用のフィルムをフィルムスキャナで測定するか、若しくは、刷版をプレートスキャナで測定することによって得ることもできるが、CTPによって製版する際の製版データを用いることで容易に得ることができる。色変換部34は、各インキ色の画線率と混色網濃度とを関連付けるデータベース39を備えている。データベース39は、ISO/TC130国内委員会が制定した新聞印刷JapanColor基準の印刷物を印刷し、IRGB濃度計で実測したデータ〔標準色の画線率(k,c,m,y)と混色網濃度(I,R,G,B)と色座標値(L,a,b)の対応関係を規定した変換テーブル〕を基準にして作成されている。色変換部34は、このデータベース39を用いて、入力された画線率Ak,Ac,Am,Ayに対応する混色網濃度をキーゾーン毎に求め、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定する。
なお、同じ画線率Ak,Ac,Am,Ayの印刷絵柄であっても、ドットゲインを考慮すると印刷絵柄を構成する網の密度(50%平網,80%平網,ベタ等)により発色する濃度値は異なってくる。そこで、色変換部44は、網の密度毎にドットゲインを可変可能するとともに、ドットゲインを関数とするパラメータを画線率Ak,Ac,Am,Ayを混色網濃度Io,Ro,Go,Boに変換する際のパラメータとしており、ドットゲインを考慮した目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boの設定も可能になっている。
以上のように目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boが設定されたら、印刷を開始してステップS10以降の処理を繰り返し実行する。まず、ステップS10として、ラインセンサ型IRGB濃度計1が印刷シート8全面の一画素毎の反射光量i’,r’,g’,b’を計測する。IRGB濃度計1で計測された各画素の反射光量i’,r’,g’,b’はDSP31に入力される。
DSP31は、ステップS20として、各画素の反射光量i’,r’,g’,b’について所定の印刷枚数単位で移動平均を行うことで、ノイズ成分を除去した各画素の反射光量i,r,g,bを算出する。そして、ステップS30として、反射光量i,r,g,bをキーゾーン毎に平均処理し、白紙部分の反射光量を基準とする混色網濃度(実混色網濃度)I,R,G,Bを演算する。例えば、白紙部分の赤外光の反射光量をipとし、キーゾーン内の赤外光の平均反射光量をikとすると、赤外光の実混色網濃度IはI=log10(ip/ik)として求められる。DSP11で演算されたキーゾーン毎の実混色網濃度I,R,G,Bは、色変換部34に入力される。
色変換部34は、ステップS40,S50及びS60の処理を行う。まず、ステップS40として、ステップS0で設定された目標混色網濃度Io,Ro,Go,Bo、及びステップS30で演算された実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の画線率をそれぞれ演算する。この演算にはデータベース39を用い、データベース39に記憶された対応関係に基づき、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boに対応する各インキ色の画線率を目標画線率ko,co,mo,yoとして演算し、実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の画線率を実画線率k,c,m,yとして演算する。
次に、色変換部34は、ステップS50として、目標画線率ko,co,mo,yo、及び実画線率k,c,m,yに対応する各インキ色の単色網濃度をそれぞれ演算する。この演算は、図9に示すようなマップを用いて行うことができる。図9は画線率を変化させた場合に実測される単色網濃度を特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。図9に示す例では、墨色の目標画線率ko、実画線率kをマップに照らし合わせることで、マップ中の特性曲線からそれぞれ目標単色網濃度Dakoと実単色網濃度Dakとが求められている。このようにして、色変換部34は、各インキ色の目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを求める。
次に、色変換部34は、ステップS60として、目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとの偏差に対応する各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを演算する。なお、ベタ濃度は画線率にも依存しており、同単色網濃度に対しては、画線率が高いほどベタ濃度は低くなる。そこで、色変換部34は、図10に示すようなマップを用いて演算を行う。図10は単色ベタ濃度を変化させた場合に実測される単色網濃度を画線率毎に特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。色変換部34は、各インキ色について目標画線率ko,co,mo,yoに対応する特性曲線を図10に示すマップから選択し、選択した特性曲線に目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを対応させることにより、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを求める。図14に示す例では、墨色の目標画線率koが75%の場合に、目標単色網濃度Dako、実単色網濃度Dakをマップに照らし合わせることで、マップ中の75%特性曲線から墨色のベタ濃度偏差ΔDskが求められている。
色変換部34で演算された各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyは、インキ供給量演算部35に入力される。
インキ供給量演算部35は、ステップS70として、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyに対応するキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを演算する。キー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyは、前回のステップT110の処理で印刷制御手段31に出力した各インキキー7のキー開度Kk,Kc,Km,Kyに対する増減量である。画線率Aは、ステップS0で用いたものを用いることができる。具体的には、基準濃度Ds(Dsk,Dsc,Dsm,Dsy)に対するベタ濃度偏差ΔDs(ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsy)の比率kd(kd=ΔDs/Ds)を求めるとともに、画線率Aに対する基準濃度にするためのキー開度KをAPI関数を使って求め、これらの積としてベタ濃度偏差ΔDsをゼロにするためのキー開度偏差量ΔK(ΔK=kd×K)を求める。このキー開度偏差量ΔKに基づいてインキ供給量の目標値が決められる。
次に、ステップS80として、インキ供給量演算部35に含まれる補正手段40では、キー開度目標値補正ルーチンにおいて、インキ横流れに関する補正が必要か否かを判定し、補正が必要と判定した場合には、インキ供給量の目標値に対して補正を行う。このキー開度目標値補正ルーチンについては後で詳述する。
オンライン制御部36は、ステップS90として、色変換部34で演算されたキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dからラインセンサ型IRGB濃度計1までの無駄時間、時間あたりのインキキー7の反応時間、及び印刷速度を考慮して補正する。この補正は、キー開度信号が入力されてからインキキー7が動き、キー開度が変更されて印刷シート8に供給されるインキ量が変化し、IRGB濃度計1に反射光量の変化として検出されるまでの時間遅れを考慮したものである。このようなむだ時間の大きいオンラインフィードバック制御系としては、例えばむだ時間補償付PI制御、ファジー制御、ロバスト制御等が最適である。オンライン制御部36は、補正後のキー開度偏差量(オンライン制御用キー開度偏差量)ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyに現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0を加算したオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1をキー開度リミッタ演算部47に入力する。
キー開度リミッタ演算部47は、ステップS100として、オンライン制御部46で演算されたオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1に対して上限値を規制する補正を行う。これは、特に低画線部における色変換アルゴリズム(ステップSS40,S50,S60の処理)の推定誤差によりキー開度が異常に増大することを規制するための処理である。そして、キー開度リミッタ演算部47は、ステップS110として、上限値を規制したキー開度Kk,Kc,Km,Kyをキー開度信号としてインキキー制御部38に送信する。
インキキー制御部38は、ステップS120として、送信されたキー開度信号Kk,Kc,Km,Kyに基づいてインキキー開度調整装置50を制御し、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dの各インキキー7の開度を調節する。これにより、各インキ色のインキ供給量は、キーゾーン毎に目標とする色調に見あったものにコントロールされることとなる。
そして、ステップS130として、オペレータの操作等により印刷終了信号が入力されない場合(印刷継続時)には上述の処理(ステップS10〜ステップS120)を繰り返し行い、印刷終了信号が入力されると制御を終了する。
ここで、補正手段40による補正について説明する。
インキ供給量演算部35の補正手段40は、各印刷ユニット毎に、全てのキーゾーンに対して、いずれかの色について、インキ横流れによりインキ濃度制御が限界となったキーゾーン(限界キーゾーン)が発生していないか否かを判定し、発生している場合には、インキ横流れ補正が必要と判定し、補正すべきキーゾーンに対して、上記のステップS70で算出したキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyに対して補正を行う。それによって、上記のステップS110において送信されるキー開度目標値としてのキー開度信号Kk,Kc,Km,Ky(即ち、インキ供給量の目標値に相当する)に対する補正が行われることになる。ただし、キー開度目標値補正ルーチンは、印刷幅方向が同位置である各インキ色のインキ供給ゾーン毎に行われる制御である。
そこで図1を参照して上記のステップS80としての補正手段40におけるインキ横流れ補正にかかる制御フロー(キー開度目標値補正ルーチン)について説明する。
なお、図1は、図8と同様にいずれか1つのキーゾーンを対象に説明するもので、以下、特定のキーゾーンに対する符号は、対応するインキキー7の符号を用いて説明する。
まず、ステップT10として、補正手段40の補正判定部41は、制御対象としている各キーゾーン(印刷幅方向位置が同位置である全インキ色のキーゾーン)の中からそれぞれ、前回のステップT110の処理でインキキー制御部38に出力した各インキキー7のキー開度Kk,Kc,Km,Kyが下限値(ここではキー開度0)であり、且つ、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyが0よりも小さい(つまり、実単色網濃度が目標単色網濃度よりも大きい)キーゾーン(以下、限界キーゾーンという)の有無を判定する。なお、ベタ濃度偏差Dsの代わりにキー開度偏差ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを用いてもよく、補正判定部41が、各インキキー7のキー開度Kk,Kc,Km,Kyが下限値、且つ、キー開度偏差ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyが0よりも小さいキーゾーン(限界キーゾーン)の有無(即ち、補正条件の可否)を判定するようにしてもよい。
これは、インキ供給量の目標値が下限値でありながら、キーゾーンのインキ濃度が目標となるインキ濃度よりも大きい状態である。つまり、ベタ濃度偏差がが許容範囲(ここではベタ濃度偏差0)を上回っている場合であり、ここでは、補正判定部41が印刷濃度判定手段として機能する。このような限界キーゾーンにおいては、限界キーゾーン単体でのインキ供給量制御では、印刷シート8上のインキ濃度を目標濃度に制御することが困難な状態にある。
ステップT10において限界キーゾーンが有ると判定されると、ステップT20として、補正要求フラグ信号をオンとして、キー開度目標値補正ルーチンを抜けステップS90へ進む。この補正要求フラグ信号は、補正を要求するキーゾーン(つまり、限界キーゾーン)を特定できる情報も含むものであり、他のキーゾーン(印刷幅方向位置の異なるキーゾーン)における制御の際に用いられる。つまり、限界キーゾーンが有る場合には、他のキーゾーンからのインキ横流れの影響が大きいと判断することができ、後段のステップにおいて、インキ横流れの原因となる高画線率ゾーンに対するインキ供給量を減少補正するためである。
図1の処理は、各キーゾーンについて行うので限界キーゾーンが複数発生することもありうる。自身以外のいずれかのキーゾーンが限界キーゾーンであれば補正要求フラグ信号がオンとされているので(ステップT10)、ステップT30における補正判定フラグ信号についての判定はYesとなるが、他のキーゾーンに限界キーゾーンがなければこの補正要求フラグ信号はオンされておらず、Noルートを経てキー開度目標値補正ルーチンを抜けステップS90へ進む。
ステップT30において、補正要求フラグ信号がオンされていると判定された場合には、ステップT40として、補正手段40の高画線率ゾーン選択部42は、制御装置20のメモリに記憶された自身のキーゾーンの各色の画線率データから、いずれかのインキ色に画線率が予め設定した閾値M1よりも大きいキーゾーンがあるか否かを判定し、画線率が予め設定した閾値M1よりも大きい場合には高画線率ゾーンとして補正対象に選択する。
また、いずれのインキ色も画線率が予め設定した閾値M1よりも大きくない場合には、インキ横流れ補正を行う対象となる高画線率ゾーンではないと判断して、キー開度目標値補正ルーチンを抜け、ステップS90へと進む。
このステップT40にかかる制御について図11を参照して具体的に説明する。図11は、印刷ユニット2aに備えられたインキキー7の画線率を示すグラフである。図11に示すように、制御装置20のメモリには、各印刷ユニット毎に、各インキキー7a〜7jに対応する各キーゾーンの画線率Aka〜Akjが記憶されている。また、他の印刷ユニットも同様に各キーゾーンの画線率Aca〜Acj(印刷ユニット2b),Ama〜Amj(印刷ユニット2c),Aya〜Ayj(印刷ユニット2d)が記憶されている。そして、高画線率ゾーン選択部42は予め設定された閾値M1と比較して高画線率ゾーンを選択する。このとき、閾値M1よりも画線率の大きいキーゾーン全てを高画線率ゾーンとして選択しても良いが、最も画線率の大きいキーゾーンのみを高画線率ゾーンとして選択するようにしてもよい。何れの場合もここでは、キーゾーン7iのみが高画線率ゾーンとして選択される。この閾値M1は、インキ供給量が大きいキーゾーンが、インキ揺動ローラ12の揺動によるインキが横流れによって限界キーゾーンに大きな影響を与えているか否かを判定するための閾値である。
なお、高画線率ゾーン選択に係る閾値は閾値M1のように一律に定めても良いが、図12に示すように、限界キーゾーン7dに隣接するキーゾーン7c,7eに対する閾値を最も低く設定し、段階的に限界キーゾーン7dから遠ざかるほど閾値を高く設定するようにしても良い(閾値M2)。これは、高い画線率のキーゾーンが限界キーゾーンに近いほどインキ横流れの影響が最も大きいためである。なお、図12においては、一定の増加量ΔMで段階的に閾値を大きくするようにしているが、この増加量ΔMを可変に設定してもよい。
そして、ステップT40において、いずれかのキーゾーンが高画線率ゾーンであると判定された場合には、ステップT50として、目標インキ供給量補正部43は、高画線率ゾーンのインキ供給量の目標値(即ち、キー開度偏差量ΔK)に対する補正量として、キー開度を減少させる方向にキー開度偏差量ΔKに対する所定の補正量P1を設定し、高画線率ゾーンにおける目標インキ供給量を減少補正する。ここでは、高画線率ゾーンであるインキキー7iに対して、キー開度偏差量ΔKiをそれぞれ補正量P1だけ、インキキー開度が減少する方向に補正する。
この所定の補正量P1について説明すると、所定の補正量P1は、例えば高画線率ゾーンの画線率に対応する補正量P1が記憶されたマップデータに基づいて設定する。このマップデータは、高画線率ゾーンにおけるインキ供給量の目標値(ここでは、インキキー開度偏差)が予め設定される許容範囲内になるように補正量P1の値を設定したものである。
つまり、この補正量P1にかかる補正は、かかるゾーンに対しては、本来は最適値と考えられるインキキー開度目標値をあえて変更するものであり、この補正により、インキキー開度は最適値よりもずれることになる。しかし、インキキー開度(即ち、インキ供給量)は最適値でなくても最適値近傍の一定の幅(許容範囲)の中に収まればよく、ここでは、補正量P1を、インキキー開度目標値がこの許容範囲から外れない程度の値に設定している。
インキキー開度目標値の許容範囲は、一般に、インキの濃度が高いほど、即ち、画線率が高いほど広くなる傾向があり、予め、実際の印刷結果等から画線率に応じた許容範囲を調べ、これに基づいて、画線率に対応した補正量P1を設定し、これをマップデータとして記憶しておき、画線率に対応して補正量P1を設定するようにしているのである。
また、画線率に応じた許容範囲は、インキ色によっても微妙に異なることが考えられるので、上記のマップデータは、各インキ色単位で作成することが好ましい。
また、ここで目標インキ供給量補正部43は、高画線率ゾーンに対する補正と同時に、他の全てのインキ色のキーゾーンに対しても、所定の補正量P2だけ、キー開度を減少させる方向にキー開度偏差量ΔKを減少補正する。これは、1つのインキ色のみのインキ供給量を減少させると、印刷シート8上における色調(混色度合い)に乱れが生じてしまうため、これを防止するための処理である。したがって、各インキ色毎の補正量P2は、各インキ色毎に補正量P1に対応するマップデータに基づいて設定され、補正量P1,P2に対応して、印刷シート8上に色調の乱れが生じないような値になるように設定される。
なお、この他のインキ色についての補正量P2は、本来の補正対象のインキ色についての補正量P1と色調バランスさせるためのもので、補正量P1と略同様にすることも考えられるが、インキ色に応じて上記の許容範囲も微妙に異なる点を考慮すると、補正量P1とは別に補正量P2のためのマップデータを用意して用いるようにしてもよい。よりシンプルに、他のインキ色が許容範囲から外れることのないようにする対策として、補正量P2を、補正量P1に対して所定量だけ或いは所定の割合で小さく設定するようにしてもよい。
本発明の一実施形態としての印刷機及びインキ供給方法は上述のように構成されているので、インキ供給量の目標値が下限値でありながら、印刷シート上のインキ濃度が目標となるインキ濃度よりも大きい状態のキーゾーン(限界キーゾーン)を検出し、高画線率ゾーンのインキ供給量の目標値を減少補正するので高画線率ゾーンから限界キーゾーンへのインキ横流れによるインキ供給を抑制することができる。これによって、限界キーゾーンにおいてインキの過剰供給に起因する印刷シート8上のインキ濃度の上昇を抑制することができ、印刷シート8上に生じる非画線部におけるインキ汚れを防止することができる。
また、インキ供給量の目標値の減少補正は、この減少補正により、高画線率ゾーンのインキ濃度が許容範囲から外れないような補正量に設定されるので、高画線率ゾーンのインキ濃度が薄くなりすぎることがない。また、全てのインキ色に対して、インキ供給量の目標値を減少させるので印刷シート8上における色調バランスを良好に保つことが可能である。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態のものにおいて、限界キーゾーンから離れたキーゾーンからのインキ横流れの影響が少ない印刷機等では、高画線率ゾーン選択部42が、限界キーゾーンと隣接するキーゾーンのみを対象として高画線率ゾーンの選択を行うようにしてもよい。この場合には、上述の実施形態における閾値M1またはM2よりも小さい閾値M3を用いるのが好ましく、この閾値M3と限界キーゾーンの両隣の画線率とを比較して、高画線率ゾーンの選択を行うようにすればよい。そして、隣接するキーゾーンの画線率がいずれも閾値M3よりも大きい場合には、両隣のキーゾーンを高画線率ゾーンとして選択してもよいし、画線率が高い方のキーゾーンのみを高画線率ゾーンとして選択するようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、高画線率ゾーンの選択を省略して、限界キーゾーンを検出した場合には、高画線率ゾーンであるか否かに関わらず、限界キーゾーン以外の全てのキーゾーンに対してインキ供給量の目標値を減少補正するようにしてもよい。少なくとも、あるキーゾーンにおいてインキ供給量の目標値が所定の下限値以下となった場合に、その他のキーゾーンの目標値を減少させるようにすればよい。このようにすることによって、インキ横流れ補正にかかる制御を簡素にすることができる。
本発明の一実施形態としてのインキ供給量制御におけるインキ横流れ補正を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態としてのインキ供給装置を備えた印刷機の概略構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態としての印刷機のインキ供給装置から版胴までのインキ供給にかかる構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態としての印刷機のインキ供給装置の構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態としての印刷機のインキ供給装置の構成を示す模式的な側面図である。 本発明の一実施形態としてのインキ供給量制御にかかる制御系の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態としてのインキ供給量制御におけるインキ横流れ補正にかかる制御系の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態としてのインキ供給量制御の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態としての単色網濃度を画線率に対応づけるマップである。 本発明の一実施形態としてのベタ濃度を画線率と単色網濃度とに対応づけるマップである。 本発明の一実施形態としての各インキキー7の画線率を示すグラフである。 本発明の一実施形態の変形例としての各インキキー7の画線率を示すグラフである。 従来の印刷機においてインキ供給装置から版胴までのインキ供給にかかる構成を示す模式的な斜視図である。
符号の説明
1 IRGB濃度計(インキセンサ)
2a,2b,2c,2d 印刷ユニット
3 ブランケット胴
4,104 版胴
5 インキ供給装置
6,106 インキ元ローラ
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h,7i,7j インキキー
8 印刷シート
9,109 インキ移しローラ
10a,10b 側板
11,111 インキ練りローラ群
12,112 インキ揺動ローラ
13,113 インキ着けローラ
20 制御装置
31 DSP
34 色変換部
35 インキ供給量演算部
46 オンライン制御部
37 キー開度リミッタ演算部
38 インキキー制御部
39 データベース
40 補正手段
41 補正判定部
42 高画線率ゾーン選択部
43 目標インキ供給量補正部
50 インキキー開度調整装置
51 支点軸
53 モータ
54 ポテンショメータ(インキキー開度取得手段)
55 押上金具
56 プッシャ

Claims (13)

  1. 印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置と、
    印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定する目標値設定手段を備え、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御手段とを備え、
    前記インキ供給量制御手段は、
    前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得手段と、
    前記の何れか1つのインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値が下限値に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っている場合に、前記画線率取得手段により取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンを選択し、該高画線率ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正手段とをそなえた
    ことを特徴とする、印刷機。
  2. 前記画線率閾値は一つだけ設定され、
    前記の画線率閾値よりも画線率が高いインキ供給ゾーンの全てが、前記高画線率ゾーンとして選択される
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機。
  3. 前記画線率閾値は一つだけ設定され、
    前記の画線率閾値よりも画線率が高いインキ供給ゾーンが複数ある場合には、そのうち最も画線率が高いインキ供給ゾーンが、前記高画線率ゾーンとして選択される
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機。
  4. 前記画線率閾値は、前記目標値が下限値以下に達したインキ供給ゾーンに対して近いインキ供給ゾーンほど小さい値に設定され、
    前記インキ供給ゾーンのうち、対応する前記画線率閾値よりも画線率が高い場合のもの全てが、前記高画線率ゾーンとして選択される
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機。
  5. 印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置と、
    印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定する目標値設定手段を備え、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御手段とを備え、
    前記インキ供給量制御手段は、
    前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得手段と、
    前記の何れか1つのインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値が下限値に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っている場合に、前記1つのインキ供給ゾーンに隣接するインキ供給ゾーンについて、前記画線率取得手段により取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンであるか否かを判定し、前記隣接インキ供給ゾーンが前記高画線率ゾーンであれば、前記隣接インキ供給ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正手段とをそなえた
    ことを特徴とする、印刷機。
  6. 前記印刷機は、多色刷りオフセット印刷機であって、
    前記インキ供給装置及び前記インキ供給量制御手段は各インキ色の印刷装置毎に設けられ、
    前記の何れかのインキ色のインキ供給量制御手段の前記補正手段が、前記高画線率ゾーンの前記目標値を前記補正量だけ減少補正する場合には、他の各インキ色の前記補正手段も、前記高画線率ゾーンに対応するインキ供給ゾーンの目標値を前記補正量に応じて補正する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の印刷機。
  7. 前記の所定の補正量は、前記目標値を許容下限値とする値である
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の印刷機。
  8. 前記インキ供給装置は、前記印刷幅方向に並列に設置された複数のインキキーを備え、印刷時には前記インキキー毎に区分される前記インキ供給ゾーン毎にインキを供給し、
    前記インキ供給量制御手段は、
    前記各インキ供給ゾーン毎における印刷絵柄の目標混色網濃度を設定する目標混色網濃度設定手段と、
    印刷で得られる前記印刷シートの走行ライン上に配置されたIRGB濃度計と、
    前記IRGB濃度計を操作して前記印刷シートの前記各インキ供給ゾーン毎の実混色網濃度を計測する実混色網濃度計測手段と、
    予め設定した網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、前記目標混色網濃度に対応する各インキ色の目標網点面積率を求める目標網点面積率演算手段と、
    前記の網点面積率と混色網濃度との対応関係に基づき、前記実混色網濃度に対応する各インキ色の実網点面積率を求める実網点面積率演算手段と、
    予め設定した網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、前記目標網点面積率に対応する目標単色網濃度を求める目標単色網濃度演算手段と、
    前記の網点面積率と単色網濃度との対応関係に基づき、前記実網点面積率に対応する実単色網濃度を求める実単色網濃度演算手段と、
    予め設定した網点面積率と単色網濃度とベタ濃度との対応関係に基づき、前記目標網点面積率のもとでの前記目標単色網濃度と前記実単色網濃度との偏差に対応するベタ濃度偏差を求めるベタ濃度偏差演算手段と、をそなえ、
    前記目標値設定手段は、上記ベタ濃度偏差に基づいて前記インキ供給量の目標値を設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の印刷機。
  9. 前記ベタ濃度偏差演算手段により求められた前記ベタ濃度偏差を予め設定された判定基準値と比較することにより、前記のインキ濃度が予め設定された許容範囲に入っているか否かを判定する印刷濃度判定手段を備え、
    前記のインキ濃度が許容範囲を上回っているか否かの判定は、前記印刷濃度判定手段の判定結果に基づいて行なう
    ことを特徴とする、請求項8記載の印刷機。
  10. 前記印刷シートのインキ濃度が予め設定された許容範囲に入っているか否かを前記インキ供給ゾーン毎に判定する印刷濃度判定手段を備え、
    前記のインキ濃度が許容範囲を上回っているか否かの判定は、前記印刷濃度判定手段の判定結果に基づいて行なう
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の印刷機。
  11. 印刷機に装備され、印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置において、印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定し、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御方法であって、
    前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得ステップと、
    前記の何れか1つのインキ供給ゾーンが、前記インキ供給量の目標値が下限値(0)に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っているという補正条件が成立しているか否かを判定する補正条件判定ステップと、
    前記補正条件判定ステップにより補正条件が成立していると判定された場合に、前記画線率取得ステップにより取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンを選択し、該高画線率ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正ステップと、をそなえた
    ことを特徴とする、印刷機のインキ供給方法。
  12. 印刷機に装備され、印刷時に印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置において、印刷結果に基づいて前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定し、前記各インキ供給ゾーンの前記インキ供給量が前記目標値となるように前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御方法であって、
    前記各インキ供給ゾーンの印刷絵柄の画線率を取得する画線率取得ステップと、
    前記の何れか1つのインキ供給ゾーンが、前記インキ供給量の目標値が下限値(0)に達して、且つ、印刷された印刷シートのインキ濃度が許容範囲を上回っているという補正条件が成立しているか否かを判定する補正条件判定ステップと、
    前記補正条件判定ステップにより補正条件が成立していると判定された場合に、前記1つのインキ供給ゾーンに隣接するインキ供給ゾーンについて、前記画線率取得手段により取得された前記各インキ供給ゾーンの画線率から、予め設定された画線率閾値よりも画線率が高い高画線率ゾーンであるか否かを判定し、前記隣接インキ供給ゾーンが前記高画線率ゾーンであれば、前記隣接インキ供給ゾーンの前記目標値を所定の補正量だけ減少補正する補正ステップと、をそなえた
    ことを特徴とする、印刷機のインキ供給方法。
  13. 印刷幅方向に分割されたインキ供給ゾーン毎にインキを供給するインキ供給装置と、
    前記インキ供給ゾーン毎にインキ供給量の目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記目標値にしたがい前記インキ供給装置を制御するインキ供給量制御手段と、を備え、
    前記インキ供給量制御手段は、
    前記インキ供給ゾーンのうちの1のインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値が所定の下限値以下となった場合に、前記1のインキ供給ゾーンの他のインキ供給ゾーンの前記インキ供給量の目標値を減少させる
    ことを特徴とする、印刷機。
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