JP4360323B2 - 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、筒内に燃料を直接に噴射する筒内直接噴射式火花点火内燃機関に関し、特に、その噴射時期および点火時期の制御に関する。
特許文献1には、排気浄化用の触媒コンバータが活性温度よりも低い未暖機状態にあるときに、圧縮行程中に燃料噴射を行い、かつ、点火時期を圧縮上死点よりも遅角させる技術が開示されている。
特開2001−336467号公報
内燃機関冷機時の触媒の早期活性化を図るべく排気ガス温度を昇温させるとともにHCを低減するためには、点火時期をなるべく大きく遅角させることが望ましいが、点火時期を大幅に遅角すると、燃焼安定度が悪化するため、燃焼安定度の観点から定まるある限界よりも遅角することはできない。特許文献1のような従来の技術では、特に冷機時のような条件下において、安定した燃焼の確保が難しく、燃焼安定度から定まる点火時期の遅角限界が比較的進み側にあり、十分な点火時期の遅角を実現することができない。
本発明は、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、所定の運転状態のとき、例えば冷機時のような排気ガス温度の昇温が必要な場合などに、上死点噴射運転モードとして、燃料噴射を、噴射開始時期が圧縮上死点前で噴射終了時期が圧縮上死点後となるように圧縮上死点を跨ぐ期間に行い、かつ、上記噴射開始時期から遅れた圧縮上死点後に点火を行うことを特徴としている。そして、特に、上記の点火時期を、機関温度に応じて設定するようにしている。
図1は、本発明の上死点噴射運転モードにおける燃料噴射期間および点火時期を筒内圧変化とともに例示したものであり、噴射開始時期ITSが圧縮上死点(TDC)前、噴射終了時期ITEが圧縮上死点(TDC)後となる。その間の噴射期間Tの長さは、噴射量に相当する。点火時期ADVは、圧縮上死点(TDC)後であり、噴射開始時期ITSから所定クランク角(例えば10°CA〜25°CA)遅れた時期となる。この遅れ期間Dは、一般に、燃料噴射弁から点火プラグまでの距離に相関する。
なお、圧縮上死点(TDC)を中心として前半の圧縮上死点前の期間と後半の圧縮上死点後の期間とがほぼ等しくなるように、噴射開始時期ITSおよび噴射終了時期ITEを制御するようにしてもよい。
図2は、内燃機関の1サイクル中のピストンストロークによるピストン位置変化量と燃焼室の体積変化量とを示したものである。図示するように、単位クランク角当たりの変化量は、ストロークの中間位置付近で最も大きく、下死点(BDC)付近ならびに上死点(TDC)付近では、非常に小さい。従って、本発明で燃料噴射を行う圧縮上死点付近は、ピストン位置変化や体積変化が非常に小さく、ピストンの動き等に影響されない安定した場が形成され得る。
また、筒内には、吸気行程において、スワール流やタンブル流といった比較的大きな流れのガス流動が発生し、圧縮行程においても残存しているが、このようなスワール流やタンブル流といった大きな流れは、ピストンが圧縮上死点付近に達して燃焼室が狭小なものとなると、急激に崩壊する。図3は、種々の機関回転数の下での燃焼室内の大きな流れの流速変化を示したものであり、図示するように、回転数に応じた強さのスワール流ないしタンブル流が発生するが、圧縮上死点(360°CA)に達する前に、急激に崩壊する。従って、本発明において圧縮上死点付近で噴射された燃料噴霧は、スワール流やタンブル流のような大きな流れにより動かされることがなく、点火プラグに対し、常に安定した形で噴霧を形成することが可能である。
一方、上記のスワール流やタンブル流といった比較的大きな流れのエネルギは、その流れの崩壊に伴って、微小な乱れへと遷移する。従って、燃焼室内の微小な乱れは、圧縮上死点の直前に、急激に増大する。図4は、図3に示した流れの崩壊に伴って生じる微小な乱れの強さを、流速に換算していわゆる乱れ流速として示したものであり、図示するように、圧縮上死点直前に、乱れが大きく増加する。このような微小な乱れは、燃焼場の活性化に寄与し、燃焼改善作用が得られる。
つまり、燃料が噴射される圧縮上死点付近での燃焼室内の場は、噴霧を動かしてしまうような大きな流れが存在せず、かつ燃焼を活発化させる微小な乱れが多く存在し、しかも、ピストンの動きに対し非常に安定した場となる。従って、圧縮上死点よりも遅角した点火時期でもって、安定した燃焼が可能であり、燃焼安定度の上で制限される点火時期の遅角限界が、より遅角側となる。そのため、点火時期の大幅な遅角により、排気ガス温度を大幅に昇温させることができ、かつHC排出量が低減する。
ここで、上記の燃焼安定度は、機関温度に相関し、基本的に機関温度が低いほど悪化する傾向となる。
また、上記のように点火時期を大幅に遅角させた上死点噴射運転モードにおいては、同じ燃料量や吸気量に対して、発生するトルクは相対的に小さくなり、他方、この上死点噴射運転モードが一般に行われる機関の冷機時は、機関各部のフリクションが暖機後よりも大きなものとなっているため、フリクションに打ち勝って機関を自立運転させ得るだけのトルク(ストール限界トルク)が得られない場合が起こりうる。つまり燃焼不安定化とは別の要因で、内燃機関が停止してしまう虞がある。上記のフリクションは、機関温度に相関する。
そこで、本発明では、上死点噴射運転モードにおける点火時期を、機関温度に応じて設定するようにしている。
本発明では、燃焼安定度が所定の燃焼安定度以上となるように、機関温度に応じて上記点火時期を設定する。すなわち、上死点噴射運転モードの燃焼は、後燃えを促進させるものであるため、通常の燃焼に比べて燃焼安定度が低下しやすく、燃焼不安定化の問題があるが、燃焼安定度は、基本的に、冷間始動直後など機関温度が低いときには悪く、燃焼室壁温等の機関温度が高ければ、相対的に燃焼安定度は向上する。従って、機関温度に応じて点火時期を設定することにより、燃焼安定性を確保しつつ点火時期をより遅角側に設定することが可能となる。
また本発明では、発生トルクが、温度により変化するストール限界トルクを上回るように、機関温度に応じて上記点火時期を設定する。機関温度が低いほどフリクションが大となり、ストールを生じずに自立運転可能なトルクつまりストール限界トルクが高くなるが、同じ燃料量による上死点噴射運転モードであっても点火時期を進角側へ補正すると、発生トルクが高くなる。従って、ストール限界トルクを上回るように機関温度に応じて点火時期を設定することで、フリクションによるストールないしは回転変動が確実に回避される。
すなわち、本発明では、燃焼安定度が所定の燃焼安定度以上となるように、機関温度に応じて求めた第1の点火時期と、発生トルクが、温度により変化するストール限界トルクを上回るように、機関温度に応じて求めた第2の点火時期と、を比較し、進角側の値を点火時期として設定する。従って、上述した燃焼安定性およびストール限界トルクの双方が常に満たされる。
この発明によれば、点火時期を圧縮上死点よりも大幅に遅角させた状態で安定した燃焼を得ることができ、例えば内燃機関の冷機時に、排気ガス温度を昇温させて触媒の早期活性化を図ることができるとともに、HC排出量の低減が可能となる。そして、点火時期を機関温度に応じて設定することで、燃焼安定性やストール限界トルクを上回るトルクの確保を図りつつ点火時期を十分に遅角させることができ、例えば極低温時における燃焼不安定化やフリクションによる機関の停止を回避することができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図5〜図7は、この発明が適用される筒内直接噴射式火花点火内燃機関の一実施例を示しており、特に、図5,図6は、一つの気筒の構成を示し、図7は機関全体のシステム構成を示している。
図5,図6に示すように、シリンダブロック1に形成されたシリンダ2にピストン3が摺動可能に配置されているとともに、シリンダブロック1上面に固定されたシリンダヘッド4と上記ピストン3との間に、燃焼室5が形成されている。上記シリンダヘッド4には、吸気弁6によって開閉される吸気ポート7と、排気弁8によって開閉される排気ポート9と、が形成されている。1つの気筒に対し、一対の吸気弁6と一対の排気弁8とが設けられており、これらの4つの弁に囲まれた燃焼室5天井面中心部に、点火プラグ10が配置されている。また、この実施例では、運転状態によってタンブル流を強化することができるように、吸気ポート7内に、該吸気ポート7内を上下2つの流路に区画する隔壁11が設けられているとともに、その下側の流路を上流端で開閉するタンブル制御弁12が設けられている。当業者には容易に理解できるように、タンブル制御弁12によって下側の流路を閉塞した状態ではタンブル流が強化され、タンブル制御弁12を開いた状態ではタンブル流が弱まる。なお、このタンブル制御弁12は本発明において必ずしも必須のものではなく、省略することも可能であり、また、これに代えて、公知のスワール制御弁を設けるようにしてもよい。
上記シリンダヘッド4の吸気ポート7の下側、より詳しくは一対の吸気ポート7の中間部の位置には、筒内へ燃料を直接噴射する燃料噴射弁15が配置されている。つまり、この燃料噴射弁15は、燃焼室5の吸気弁6側の側部に位置し、平面図上において図示せぬピストンピンと直交する方向に沿って燃料を噴射するように配置されているとともに、図5の断面図上において、斜め下方を指向して配置されている。但し、下方への傾斜角は比較的小さく、つまり水平に近い方向へ燃料を噴射する。
一方、ピストン3の頂部は、ペントルーフ型をなす燃焼室5天井面の傾斜に沿った凸部形状をなしているとともに、その中央部に、平面図上において略矩形をなす凹部16が形成されている。この凹部16の底面は、タンブル流に沿うように、所定の曲率半径の円弧面ないしは円弧に近似した湾曲面をなしている。
図7に示すように、この実施例の内燃機関は、例えば直列4気筒機関であり、各気筒の排気ポート9が接続された排気通路21に、排気浄化用の触媒コンバータ22が設けられており、その上流側に、酸素センサ等の空燃比センサ23が配置されている。また、各気筒の吸気ポート7が接続された吸気通路24は、その入口側に、制御信号により開閉される電子制御スロットル弁25を備えている。上記排気通路21と上記吸気通路24との間には、排気還流通路26が設けられており、その途中に、排気還流制御弁27が介装されている。また、各気筒のタンブル制御弁12は、ソレノイドバルブ28を介して導入される吸入負圧により動作する負圧式タンブル制御アクチュエータ29によって、一斉に開閉される構成となっている。
また、上記燃料噴射弁15には、燃料ポンプ31およびプレッシャレギュレータ32によって所定圧力に調圧された燃料が、燃料ギャラリ33を介して供給されている。従って、各気筒の燃料噴射弁15が制御パルスにより開弁することで、その開弁期間に応じた量の燃料が噴射される。なお、本実施例では、燃圧は常に一定に維持される。また、各気筒の点火プラグ10は、イグニッションコイル34に接続されている。
上記内燃機関の燃料噴射時期や噴射量、噴射率、点火時期等は、コントロールユニット35によって制御される。このコントロールユニット35には、アクセルペダル踏み込み量を検出するアクセル開度センサ30の検出信号や、クランク角センサ36の検出信号、空燃比センサ23の検出信号、冷却水温を検出する水温センサ37の検出信号、等が入力されている。
上記のように構成された内燃機関においては、暖機が完了した後の状態、例えば冷却水温が80℃を越えているときには、通常の成層燃焼運転および均質燃焼運転が行われる。
すなわち、低速低負荷側の所定の領域では、通常の成層燃焼運転モードとして、基本的にタンブル制御弁12を閉じた状態の下で、圧縮行程の適宜な時期に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前の時期に点火が行われる。なお、この運転モードでは、圧縮上死点前に必ず燃料噴射が終了する。圧縮行程中にピストン3へ向けて噴射された燃料は、凹部16に沿って旋回するタンブル流を利用して点火プラグ10近傍へ集められ、ここで点火される。そのため、平均的な空燃比がリーンとなった成層燃焼が実現される。
また、暖機完了後の高速高負荷側の所定の領域では、通常の均質燃焼運転モードとして、基本的にタンブル制御弁12を開いた状態の下で、吸気行程中に燃料噴射が行われ、かつ圧縮上死点前のMBT点において点火が行われる。この場合は、燃料は筒内で均質な混合気となり、基本的に理論空燃比近傍で運転が行われる。
これに対し、内燃機関の冷却水温が80℃以下のとき、つまり暖機が完了していない状態では、触媒コンバータ22の活性化つまり温度上昇の促進とHC排出量低減のために、上死点噴射運転モードとなる。そして、前述した図1に示したように、噴射開始時期ITSが圧縮上死点(TDC)前、噴射終了時期ITEが圧縮上死点(TDC)後となり、圧縮上死点を跨いで燃料噴射が行われる。点火時期ADVは、圧縮上死点(TDC)後となり、噴射開始時期ITSから10°CA〜25°CA遅れた時期に点火される。この遅れ期間の間に、燃料噴霧がちょうど点火プラグ10付近に到達し、点火プラグ10付近に可燃混合気を形成するので、確実に着火燃焼に至り、成層燃焼が行われる。このとき、燃料噴射量は、平均的な空燃比が理論空燃比となるように制御される。
本実施例では、上記の燃料噴射時期は、噴射開始時期ITSが所定のクランク角となるように制御され、噴射終了時期ITEは、この噴射開始時期ITSと燃料噴射量(噴射時間)とによって定まる。
前述したように、この上死点噴射運転モードにおいて燃料が噴射される圧縮上死点付近での燃焼室内の場は、大きな流れの崩壊により噴霧を動かしてしまうような大きな流れが存在せず、かつ大きな流れの崩壊に伴い、燃焼を活発化させる微小な乱れが多く存在し、しかも、ピストンの動きに対し非常に安定した場となる。従って、圧縮上死点よりも遅角した点火時期でもって、安定した燃焼が可能であり、燃焼安定度の上で制限される点火時期の遅角限界が、より遅角側となる。そのため、点火時期の大幅な遅角により、排気ガス温度を大幅に昇温させることができ、かつHC排出量が低減する。
ここで、上記の上死点噴射運転モードにおける点火時期および燃料噴射時期は、さらに、機関温度、例えば冷却水温に基づいて補正される。
図8は、その制御の概略を示すフローチャートであって、まずステップ1で、排気温度の上昇が必要な条件か否か、つまり上死点噴射運転モードが必要な条件か否か判定し、YESであればステップ2以降へ進んで上死点噴射運転モードを実行する。上述したように、例えば、冷却水温が80℃を越えていれば、このルーチンは終了し、通常の成層燃焼運転ないし均質燃焼運転を行う。ステップ2では、燃焼安定度が所定の燃焼安定度以上となるように決定される第1の点火時期(点火時期A)と、発生トルクがフリクションに打ち勝って自立運転を維持し得るように決定される第2の点火時期(点火時期B)と、をそれぞれ算出する。これらの点火時期A,Bは、基本的に冷却水温に基づいて求められる。そして、ステップ3で両者を対比し、いずれか進角側の方の値を、ステップ4で点火時期として設定する。そして、ステップ5で、この最終的な点火時期あるいは冷却水温に基づいて、燃料噴射時期(燃料噴射開始時期ITS)を算出・決定する。なお、冷却水温は始動後徐々に上昇するので、冷却水温を繰り返し検出し、最適な点火時期および燃料噴射開始時期を逐次求めるようにしてもよいが、制御の簡略化のために、上死点噴射運転モード開始時の冷却水温(一般には機関始動時の冷却水温)に基づいて初期の点火時期および燃料噴射開始時期を設定し、上死点噴射運転モードの継続の間、この初期値を変えずに用いるようにしてもよい。
図9は、燃焼安定度と点火時期との関係を示しており、図中の線L1は、ある冷却水温(機関温度)の下での特性例を示している。図示するように、点火時期を遅角させるほど燃焼安定度は低下し、所定の安定限界よりも遅角させることはできない。従って、線L1と安定限界を示す線との交点によって、ある冷却水温の下での第1の点火時期(点火時期A)が定まる。そして、冷却水温が異なると、線L1に示す特性は変化し、例えば冷却水温が低いと、同じ点火時期に対し燃焼安定度がより低い(図9では上側となる)特性となる。従って、第1の点火時期(点火時期A)は、基本的に、冷却水温に対し、図10に示すような特性となる。なお、前述したステップ2では、基本的に冷却水温に基づいて点火時期Aを求めるのであるが、燃焼安定度に影響する冷却水温以外の他のパラメータ、例えば外気温等をも考慮して点火時期Aを決定することが、より好ましい。
一方、図11は、機関の発生トルクと点火時期との関係を示しており、図中の線Tfは、ある冷却水温(機関温度)の下で、機関各部のフリクションに打ち勝って自立運転し得る最低限のトルク(ストール限界トルク)を示している。機関発生トルクは、線L2で示すように、点火時期が遅角するほど低下する。従って、この線L2と線Tfとの交点によって、ある冷却水温の下での第2の点火時期(点火時期B)が定まり、これよりも遅角させると、フリクションによりストールが発生する可能性がある。そして、機関各部のフリクション(機械損失)は、図12の上段に示すように冷却水温が低いほど増加するので、上記のストール限界トルクTfは、低温時ほど高くなり、それに伴って、第2の点火時期(点火時期B)の値は、進角側となる。従って、第2の点火時期(点火時期B)は、基本的に、冷却水温に対し、図12の下段に示すような特性となる。なお、前述したステップ2では、基本的に冷却水温に基づいて点火時期Bを求めるのであるが、機関全体のフリクションに関与する補機のON・OFF状態等をも考慮して点火時期Bを決定することが、より好ましい。
前述したステップ3,4では、点火時期A,Bの中で進角側の方が選択されるため、図9,図11から明らかなように、常に、燃焼安定度の観点からの要求と発生トルクの観点からの要求を同時に満たすことになり、極低温時などにあっても、燃焼の不安定化やストールを生じることがない。
また、燃料噴射開始時期は、冷却水温に対し図13に示すような特性で設定される。つまり、冷却水温が低いほど、燃料噴射開始時期は進角側へ補正される。従って、冷却水温に応じて点火時期が遅進しても、燃料噴射開始時期から点火時期までに適度な遅れ期間が確保され、燃料噴霧がちょうど点火プラグ10付近に到達し、点火プラグ10付近に可燃混合気を形成したころに、点火が行われることになり、確実な着火を確保できる。なお、ステップ4で決定された点火時期に基づいて燃料噴射開始時期を決定するようにしてもよい。
以上、この発明の一実施例を説明したが、この発明は、上記実施例に限定されず、種々の変更が可能である
本発明の燃料噴射期間および点火時期の一例を示した特性図。 サイクル中のピストン位置変化量と体積変化量の特性図。 大きな流れのサイクル中の変化を示す特性図。 微小な乱れのサイクル中の変化を示す特性図。 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の一実施例を示す断面図。 同じく平面図。 この内燃機関全体のシステム構成を示す構成説明図。 制御の概略を示すフローチャート。 燃焼安定度と点火時期との関係を示す特性図。 冷却水温に対する点火時期Aの特性を示す特性図。 発生トルクと点火時期との関係を示す特性図。 冷却水温に対する機械損失および点火時期Bの特性を示す特性図。 冷却水温に対する燃料噴射時期の特性を示す特性図。
符号の説明
3…ピストン
5…燃焼室
10…点火プラグ
15…燃料噴射弁

Claims (2)

  1. 筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるとともに、点火プラグを備えてなる筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置において、所定の運転状態のときに、上死点噴射運転モードとして、燃料噴射を、噴射開始時期が圧縮上死点前で噴射終了時期が圧縮上死点後となるように圧縮上死点を跨ぐ期間に行い、かつ、上記噴射開始時期から遅れた圧縮上死点後に点火を行うとともに、燃焼安定度が所定の燃焼安定度以上となるように、機関温度に応じて求めた第1の点火時期と、発生トルクが、温度により変化するストール限界トルクを上回るように、機関温度に応じて求めた第2の点火時期と、を比較し、進角側の値を点火時期として設定することを特徴とする筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
  2. 所定の運転状態として、排気ガス温度の昇温が要求されたときに、上記上死点噴射運転モードを実行することを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置。
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