JP4357360B2 - 表面形状測定方法及び表面形状測定装置 - Google Patents

表面形状測定方法及び表面形状測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、干渉光学系を利用して物体の表面形状を計測する表面形状測定方法及び表面形状測定装置に関し、特に位相シフト干渉法による表面形状測定方法及び表面形状測定装置に関する。
従来より、物体表面の形状を正確に測定する高精度干渉方式として、位相シフト干渉法が知られている(例えば特許文献1参照)。
図1は、その一例としてマイケルソン型干渉計を用いた位相シフト干渉法の原理を表す図である。すなわち、このような位相シフト干渉法では、光源から照射されて共通の光路Aより入射した照射光をハーフミラー1等を用いて2分岐し、一方を光路Aに沿った光路Bを介して測定対象2の物体表面へ、もう一方を光路Aから方向変換した光路Cを介して参照面3へ向かわせる。このとき、分岐された光は、測定対象2及び参照面3のそれぞれの表面で反射し、元の光路を通って戻る。この反射光をCCD(Charge Coupled Device)カメラなどの2次元撮像装置で観測すると、測定対象2の表面からの反射光と参照面3からの反射光との光路差に応じた干渉画像が現れる。このとき観測される干渉画像の干渉縞強度I(x,y)は、測定対象2の表面からの反射光と参照面3からの反射光との干渉の位相をφ(x,y)、照射光の波長をλとして下記式(1)のように表される。
Figure 0004357360
ここで、a(x,y)、b(x,y)はそれぞれ干渉縞の背景強度、明暗強度であり、2次元撮像装置の視野内の各位置における定数である。これらの定数は、光源の分布や、物体表面の反射率などにより変化する。
そして、上記光路差D(x,y)が下記式(2)のようになり、参照面3が平面であれば、測定対象2の物体表面における各点の高さは下記式(3)から求められる。
Figure 0004357360
この位相シフト干渉法では、ピエゾ素子などを用いて参照面3を既知の一定量動かして位相を変化させて得られた複数枚の干渉画像から、上記位相φ(x,y)を求めることができる。例えば、ノイズの抑制も考慮して、位相をπ/2ごとに移動した5枚の画像の干渉縞強度I1〜I5から下記式(4)により位相φ(x,y)を求める方法(5−BUCKET法)が知られている。
Figure 0004357360
以上に述べた位相シフト干渉法は、簡単な構成と操作によって、物体表面の形状を知ることができる優れた測定法である。しかし、光波の干渉がその波長λを基準とする周期関数としてふるまうため、式(4)からも分かるように、その形状測定結果が±π、すなわち±λ/2で折り返されて計測されるという問題がある。
図2は、このような位相シフト干渉法の折り返しの問題とその対策を表す図であり、図3は位相シフト干渉法の更なる問題を表す図である。すなわち、図2上段に示したように測定結果に不連続な折り返し(ラッピング)が生じた場合には、測定対象の表面が連続的に変化するという仮定を用いて同図下段に示す位相接続(アンラッピング)処理を行う。これにより、滑らかな表面であれば、測定対象の形状を再現することができる。しかし、図3上段に示すように物体表面にλ/2を超える段差がある場合には上記連続性の仮定が成り立たないため、同図下段に示すように正しい形状を再現することが困難となる。
そこで、このような問題を解決する方法として、例えば2波長位相シフト干渉法が知られている(例えば特許文献2参照)。
この2波長位相シフト干渉法では、波長の異なる2つの光源を干渉計に用い、位相シフト干渉法を用いてそれぞれの波長に対応する位相を計測し、2つの位相の関係を用いて計測レンジの拡大を行う。以下、この2波長位相シフト干渉法の光路差計算方法について説明する。
まず、2つの波長をλa,λb(λb>λa)として、波長λaに対する干渉の位相をφa、波長λbに対する位相をφbとし、±πで折り返して計測された位相をφa',φb'とすると、それぞれの位相の間には下記式(5),(6)の関係がある。
Figure 0004357360
ここで、ma,mbは、折り返しの回数を表す整数であり、縞次数と呼ばれるものである。上記式(2)に基づき、波長λa,λb、位相φa',φb'を用いて参照面3と測定対象2の物体表面との光路差Dを表すと、それぞれ下記式(7),(8)のようになる。
Figure 0004357360
ここで、便宜的に等価波長λeq,等価位相φeqを下記式(9),(10)のようにおく。
Figure 0004357360
このとき、上記式(7),(8)から光路差Dは下記式(11)のように表される。
Figure 0004357360
この式(11)におけるma−mbの値は、光路差Dが下記式(12)の範囲にあれば、0か±1の値をとる。
Figure 0004357360
すなわち、ma−mbの値は、等価位相φeqの値から下記式(13)の法則で簡単に決めることができる。
Figure 0004357360
このように、2波長の位相を用いることで、計測可能なレンジをλeqまで広げることができる。例えば、λa=650nm、λb=670nmとすると、上記式(9)からλeqは約20μmとなり、計測レンジを30倍以上とすることができる。
一方、式(10)に示したように、等価位相φeqには位相φa'及び位相φb'のそれぞれの誤差が重畳して加わることになる。このため、式(7)又は(8)と式(11)との比較から、レンジが拡大された割合に応じて計測誤差も拡大し、式(11)を単独で用いた場合には計測精度を期待できない。そこで、式(11)で求めたおおよその光路差Dを上記式(7)又は式(8)に適用して高精度な計測値を得る。
すなわち、下記式(14),(15)のようにΔλ,ΔDを定めると、波長λaに対する縞次数maは、上記式(7),(8)から下記式(16)〜(18)のように求められる。
Figure 0004357360
ここで、縞次数は本来整数であるが、式(16)〜(18)の右辺は計測時の誤差の影響により通常非整数(実数)として計算される。このため、実際に縞次数を計算する際は、式(16)〜(18)の右辺の値に最も近い整数値を縞次数maとして求める。なお、波長λbに対する縞次数mbについても、同様の手法で求めることができる。
そして、このようにして得られた縞次数ma又はmbを、対応する式(7)又は(8)に代入し、光路差Dを得る。なお、各位置での光路差Dは、求める対象物体の表面高さの2倍となっている。
特開2003−344025号公報 米国特許第4,832,489号明細書
以上においては、2波長位相シフト干渉法の計算原理を述べたが、これらの方法は、位相計測値の誤差にきわめて敏感で、位相計測値に含まれる誤差が一定量を超えると、縞次数を誤るため、1波長に相当する大きな光路差計測誤差となるという問題点がある。
図4は、縞次数に誤りがある計測例を示す図である。同図の横軸は測定対象2の物体表面の測定区間の位置を表し、縦軸は各位置の高さを表している。従って、この図から、物体表面の特定箇所の相対的な形状を把握することができるが、図示の点線にて示した部分に誤りがある。この位相計測誤差の要因としては、計測時の振動、撮像装置に加わるノイズなど外乱要因のほか、光学系の分散特性による2波長間の実効光路差の違いが挙げられる。この場合、ある点の干渉の位相を基準として、この点の位相を計測された全ての位置の位相から差し引いた位相を、各位置の位相として縞次数の決定に用いる方法が知られており、これを用いることで、実効光路長の問題はある程度解決するが、他の位相計測誤差要因の影響により、期待した効果が得られない場合がある。
そこで、このような位相計測誤差を軽減するため、光学系を堅固にし、振動の影響を受けにくくする、高精度な撮像装置を使うなどして干渉画像に加わるノイズを軽減するなど、従来の位相シフト干渉法による計測と同様の方法がとられたりするが、2波長位相シフト干渉法ではより高度な対策が必要となるため、計測系を高価にしてしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、2波長位相シフト干渉法の計測精度を改善し、従来の位相シフト光学系のわずかな改良で長レンジの計測を可能とする表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、図6に示したように、中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部10と、光源部10からの照射光を分岐させて、測定対象2となる物体表面及び予め設置された参照面3でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系20と、両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構30と、両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部40とを備えた測定装置を用いて物体表面の形状を測定する。
すなわち、図8及び図9に示したように、第1位相画像算出工程(ステップS11,S12)では、光源部10により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する。
第2位相画像算出工程(ステップS13,S14)では、光源部10により第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する。
縞次数相当値算出工程(ステップS15,S21)では、第1の位相画像及び前記第2の位相画像のそれぞれの位相画像内の対応する各位置において、第1の波長及び第2の波長の一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数に相当する値とする。
縞次数演算工程(ステップS15,S22〜S26)では、位相画像内の特定領域の縞次数に相当する値から、縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、誤差分布から各位置の縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、縞次数に相当する値から誤差を差し引いて非整数値を整数化し、一方の波長に対する位相画像内の各位置の縞次数として求める。
形状算出工程(ステップS16)では、各位置の縞次数と対応する波長の位相から、位相画像内の各位置の高さを演算して前記物体表面の形状を算出する。
このような表面形状測定方法によれば、2波長位相シフト干渉法における各位置の縞次数の決定において、縞次数の計算に含まれる誤差分布が推定され、その誤差分布から特定した誤差を差し引いて縞次数が求められる。
また、本発明では、中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部と、前記光源部からの照射光を分岐させて、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系と、前記両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構と、前記両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部と、前記位相シフト機構を駆動制御するとともに、前記撮像部で取得された干渉画像を用いて前記物体表面の形状を演算する演算制御部と、を備え、前記物体表面の形状を測定する表面形状測定装置において、前記演算制御部は、前記光源部により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する第1位相画像算出手段と、前記光源部により前記第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する第2位相画像算出手段と、前記第1の位相画像及び前記第2の位相画像の同一位置の位相を用いて、位相画像の各位置において、前記第1の波長及び前記第2の波長のいずれか一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数相当値とする縞次数相当値算出手段と、位相画像の特定領域の前記縞次数相当値から、前記縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、前記誤差分布から前記縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、位相画像の各位置において、前記縞次数相当値から前記誤差を差し引い値を整数化し、前記縞次数相当値算出手段で選択された波長に対応した縞次数として求める縞次数演算手段と、位相画像の各位置において、前記縞次数相当値算出手段で選択された波長に対応した位相画像の位相と前記縞次数演算手段で求められた縞次数とから、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面で反射された両反射光の光路差を演算し、前記物体表面の形状を算出する形状算出手段と、を備えたことを特徴とする表面形状測定装置が提供される。
このような表面形状測定装置によれば、2波長位相シフト干渉法における各位置の縞次数の決定において、縞次数の計算に含まれる誤差分布が推定され、その誤差分布から特定した誤差を差し引いて縞次数が求められる。
本発明の表面形状測定方法及び表面形状測定装置によれば、2波長位相シフト干渉法における縞次数の計算に含まれる誤差を演算上差し引いて縞次数が求められる。このため、2波長位相シフト干渉法により計測レンジを拡大しつつ、その演算過程における縞次数誤りによる誤差の影響を少なくし、位相シフト干渉法本来の高い精度を維持することができる。その結果、測定対象の表面形状を長レンジで精度よく測定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、実施の形態に適用される発明の概要について説明する。
本実施の形態の表面形状測定方法は、上述した2波長位相シフト干渉法における縞次数の計算アルゴリズムを修正して、縞次数を求める過程で縞次数の計算に含まれる誤差分を抽出し、この誤差分を分析することで縞次数の誤りを抑え、これにより、計測精度を改善するものである。下記にこの計算原理を示す。
まず、上記式(16)〜(18)の縞次数maに含まれる誤差分から、縞次数誤りの原因を考察する。すなわち、上述した従来の原理説明で考慮されなかった要因として、光学系の色分散による光路長の違いが挙げられる。この光路長の違いなどによって、2波長間の初期位相差Δφが生じる。また、実際の位相計測値には、本来の計測波形に重畳するノイズ等のランダムな誤差(以下「ランダム誤差」という)が含まれる。つまり、位相シフト干渉法で計測される位相には、折り返しを持つ位相φa',φb'にランダム誤差φa”,φb”が加わっている。従って、実際に計測される2波長に対する位相φa''',φb'''は、下記式(19),(20)のように表される。
Figure 0004357360
このφa''',φb'''を上記式(15)のφa',φb'に代入して、これらの誤差要因を含んだまま縞次数を計算した非整数値ma',mb'を計算し、上記式(16)〜(18)の真の縞次数ma,mbと比較すると、下記式(21),(22)の関係が得られる。
Figure 0004357360
すなわち、上記式(21),(22)のma',mb'(左辺)は、真の縞次数ma,mbに初期位相差Δφの影響(右辺第2項)とランダム誤差φa”,φb”の影響(右辺第3項)とを加えた形になっている。右辺第2項以降は通常小さな値をとるので、従来法のようにma',mb'に最も近い整数を選べば、正しい縞次数を得ることが期待できる。しかし、その右辺第2項と右辺第3項が同符号を取ると、その右辺第2項以降の絶対値が1/2を超える場合が生じるため、この場合に最も近い整数をとると、縞次数に誤りを生じることになる。これが縞次数誤りの原因である。
ここで、ma'に最も近い整数として選んだ整数を仮の縞次数と呼び、ma'と仮の縞次数との差を縞次数の誤差分Eと呼ぶことにすると、縞次数の誤差分Eがとりうる値の範囲は、−1/2〜+1/2である。
そこで、撮像部の各画素に対応する位置の位相計測結果を基に、仮の縞次数を視野内の各位置について計算し、縞次数の誤差分Eの分布を調べることで縞次数の誤りを検知し、これを修正する。
図5は、縞次数の誤差分の分布の例を示す図である。(A)は、視野内の全ての位置における計算で仮の縞次数が真の縞次数と一致し、正しい計測が行われた場合の誤差分の分布を示し、(B)は、仮の縞次数と真の縞次数が一致しない部分に生じた誤差分の分布を示している。
図5(A)において、上記式(21)の右辺第2項は、視野内のどの画素に対応する位置でもほぼ同一の値を持つので、分布のピークの位置の値mp(以下「ピーク値mp」という)と一致すると考えられる。一方、右辺第3項は、ランダム誤差の影響であるので、ピーク値mp周りに広がりを持って分布する。
一方、図5(B)においては、右辺第2項の影響で分布のピーク値mpが大きく0から移動したため、分布の端で折り返しが生じ、誤差分Eに本来の分布に±1を加えた位置(図示の例では+1)に現れる部分がある。
従って、誤差分Eの分布を調べて、1つのピーク値mpの周りに広がりを持った分布であれば、縞次数に誤りを生じておらず、仮の縞次数の分布をそのまま採用すればよい。一方、誤差分Eの分布が分布範囲の両側に分かれて分布している場合には、一方の分布は折り返しにより生じたものなので、一方の分布に±1のいずれかを加えて折り返しを除いた後、ピーク値mpを求めれば、このピーク値mpが式(21)の右辺第2項に一致する。
そして、このピーク値mpを誤差としてma'から差し引いた値に、最も近い整数を選ぶことで、正しい縞次数を得ることができる。なお、ここでのピーク値mpの位置は、単純には、ヒストグラムの値が最大を示す位置を選ぶこともできるし、誤差分Eの分布の重心を採って求めてもよい。
次に、実施の形態に係る発明の具体的内容について説明する。
図6は、本発明の実施の形態の表面形状測定装置の構成例を示す図である。この表面形状測定装置は、光源部10,干渉光学系20,位相シフト機構30,撮像部40,移動ステージ50,及び演算制御部60を備えており、マイケルソン型干渉計として構成されている。
光源部10は、中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能なものである。光源部10の構成の詳細については後述する。
干渉光学系20は、対物レンズ21と、光路分岐用のハーフミラー22と、参照面3を有する参照ミラー23とを備えている。この干渉光学系20は、光源部10からの照射光を一旦分岐させて、測定対象2の物体表面と参照ミラー23の表面(参照面)とのそれぞれで反射させ、戻ってきた両反射光を干渉させる。
位相シフト機構30は、参照ミラー23の裏面に装着されたピエゾ素子31と、ピエゾ素子31に所定の電圧を印加するためのピエゾドライバ32を備えている。このピエゾ素子31は参照ミラー23の位置を微動し、干渉の位相をシフトするために用いられる。
撮像部40は、CCDカメラ等の2次元撮像装置からなり、上記両反射光の干渉画像を撮像する。
移動ステージ50は、測定対象2を載置しており、ステージドライバ51の駆動により移動して、測定対象2の関心のある位置を撮像部40の視野内に入れる。
演算制御部60は、CPU(Central Processing Unit)を中心に構成されたコンピュータからなり、後述するフローチャートに従った演算処理を実行したり、ピエゾドライバ32やステージドライバ51、その他のアクチュエータに制御指令信号を出力したりする。
図7は、上述した光源部10の構成を示す図である。この光源部10は、白色光源としてのランプ11、コリメートレンズ12、フィルタホイール13及びファイバライトガイド14を備えている。
光源部10のランプ11から発せられた白色光は、コリメートレンズ12で平行化された後、フィルタホイール13に入射する。フィルタホイール13には、干渉用光源として適当なフィルタ15がセットされ、透過する光の中心波長を切り替えることができるようになっている。
図6に戻り、このフィルタ15を透過した光は、ファイバライトガイド14によりハーフミラー71の位置に導かれて反射し、干渉光学系20に投入される。
干渉光学系20に投入された照射光は、対物レンズ21を通ってハーフミラー22で2分岐し、一方を測定対象2に、もう一方を参照ミラー23に向かわせる。それぞれの表面で反射した反射光は、再びハーフミラー22で合流し、対物レンズ21、ハーフミラー71を経て、結像レンズ72で集光されて、撮像部40の撮像面に干渉画像を作る。演算制御部60は、この撮像部40で撮像された干渉画像をデジタル画像として取り込んで解析する。
なお、以上においては、いわゆる位相シフト干渉計の一例としてマイケルソン型干渉計を示したが、ミロー型干渉計その他の位相シフト干渉計でもよく、位相を合理的にシフトできる構成であれば、既知の他の構成を用いてもよい。また、一つの単色光源の波長をフィルタホイール13で切り替えて干渉光学系20に投入する構成としたが、例えば複数の単色光源を分岐ファイバライトガイドやハーフミラー等の光学材料で結合するように構成してもよい。
次に、表面形状測定装置の演算制御部60が実行する制御演算処理の例を、フローチャート及び図面を参照して説明する。
図8は、測定対象の表面形状測定処理の全体の流れを示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]光源部10において光源の波長をλaに設定し、位相シフト動作(例えばπ/2ごと)を行うことで、位相シフト画像Ia1(x,y)〜Iak(x,y)を撮像する。ここで、kは位相シフトの回数である(以下同様)。通常、位相シフト干渉法では3枚以上の干渉画像を必要とするのでkは3以上であるが、上記式(3)を利用する場合はk=5である。
[ステップS12]位相シフト画像Ia1(x,y)〜Iak(x,y)を用いて、視野内の各位置の位相φa(x,y)を計算する。
[ステップS13]光源波長をλaと異なるλbに切り替えて、同様にIb1(x,y)〜Ibk(x,y)を撮像する。
[ステップS14]位相シフト画像Ib1(x,y)〜Ibk(x,y)を用いて、視野内の各位置の位相φb(x,y)を計算する。
[ステップS15]それぞれの波長に対する各位置の位相φa(x,y),φb(x,y)から、波長λaに対する各位置の縞次数ma(x,y)を決定する。なお、この縞次数ma(x,y)の演算処理については後述する。
[ステップS16]波長λa、各位置の位相φa(x,y)及び縞次数ma(x,y)から、上記式(7)の関係を用いて、各位置での光路差D(x,y)を求め、上記式(3)から表面高さh(x,y)を求める。
なお、ここでは波長λa及びλbのそれぞれについてk回の位相シフト動作を2セットずつ順次行い、それぞれの波長に対する位相シフト画像を得たが、1セットの位相動作のうちに、それぞれのシフト位置で波長の切り替えを行い、同様の位相シフト画像を得ることもできる。
図9は、上記縞次数の演算処理(ステップS15)の例を示すフローチャートである。
ここでは、2つの波長λa,λbに対する視野内の各位置のそれぞれの位相φa(x,y),φb(x,y)からλaに対する各位置の縞次数ma(x,y)を決定する。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]各位置で、2つの波長に対する位相φa(x,y),φb(x,y)から、上記式(16)〜(18)に従って、波長λaの各位置における縞次数に相当する値を非整数ma'(x,y)として求める。
[ステップS22]視野内の一定範囲で、ma'(x,y)に最も近い整数を仮の縞次数ma”(x,y)として計算する。
[ステップS23]視野内の一定範囲で、縞次数の誤差分に相当する値E(x,y)を下記式(23)に従って求める。
Figure 0004357360
[ステップS24]視野内の一定範囲で、E(x,y)の分布を求める。分布に図5(B)のような折り返しが生じている場合には,この折り返しの起こっているE(x,y)の値を調整して、折り返しを取り除く。
この調整は、次の手順で行うことができる。すなわち、−1/2<th<1/2の範囲の変数thに対して、E(x,y)を求めた範囲内の全ての位置(x,y)で、下記式(24)〜(26)の基準でE'(x,y)を求める。このとき、分散が最小となるE'(x,y)が、折り返しを除いたE(x,y)である。
Figure 0004357360
[ステップS25]折り返しを取り除いたE(x,y)の分布のピーク位置を求め、ピーク値mpとする。
[ステップS26]このピーク値mpを各位置でma'(x,y)から差し引いた値にもっとも近い整数、つまり下記式(27)により得られる整数を各位置での縞次数ma(x,y)とする。
Figure 0004357360
ここで、(int)()は、引数の非整数値に最も近い整数を求める演算を意味する。
なお、E(x,y)の分布を求める範囲は、誤差傾向が反映されるデータ数が確保できる範囲が望ましい。ただし、視野内の全ての位置で光路差が上記式(12)の範囲内に収まることを保証できれば、視野全体を範囲としもよい。
以上に説明した縞次数の演算処理の手順では、上記式(12)で示した光路差の範囲が視野内全体で保証されている場合に適用可能である。すなわち、基本的に計測可能な段差の範囲は式(12)を満たす必要があるが、対象が視野内で一定の傾きを持っている場合や、測定対象が段差部分以外が滑らかに連続している場合は、上記式(16)〜(18)による縞次数の算出に変更を加え、次に説明する操作を行うことで、式(12)の制限を緩和することができる。
この操作は、単波長の位相シフト干渉法におけるアンラッピングの手順に類似している。等価波長のオーダで滑らかに変化する表面の縞次数は、通常連続的に変化する。上記式(16)〜(18)の計算では、縞次数maの変化範囲は±λb/2Δλである。隣接する画素の縞次数の変化がλb/2Δλ以上あった場合は、光路差が式(12)の範囲を超えるため、縞次数が折り返したものとみなすことができる。
図10は、この場合の縞次数の演算処理を示し、上記縞次数の演算処理(ステップS15)の別の例を示すフローチャートである。
[ステップS31]視野内の各位置で、2つの波長に対する位相φa(x,y),φb(x,y)から、式(16)〜(18)に従って、波長λaの各位置における縞次数に相当する値を非整数ma'(x,y)として求める。
[ステップS32]視野内の各位置をma'(x,y)の変化に従って領域わけ(ラベリング)する。このとき、隣接する位置でma'(x,y)の変化がλb/2Δλ以下である範囲を同じ領域Riと定める。ここで、折り返し数Mmを0とする基準領域の選び方としては、面積が最大となる領域、一方の波長の干渉画像のコントラスト、あるいは両方の干渉画像を合成した干渉画像のコントラストが最大となる領域など、各画素における演算結果がより信頼できる領域を選ぶとよい。
[ステップS33]各領域のうち、基準となる領域をRmと定め、この領域の折り返し数Mmを0とする。
[ステップS34]すでに折り返し数の定まった領域Riに隣接する領域Rjの折り返し数を定める。RiからRjの隣接位置において、ma'(x,y)が正から負へ変化した場合、Rjの折り返し数は、Riの折り返し数に1を加え、ma'(x,y)が負から正へ変化した場合、Rjの折り返し数は、Riの折り返し数に−1を加える。
[ステップS35]ステップS34の手順を繰り返し、視野内の全ての領域に折り返し数を定める。全ての領域で折返し数が決まったら、処理がステップS36に進められる。
[ステップS36]領域Rmにおいて、図9で説明した手順と同様な方法で、誤差分布のピーク値mpを計算する。
[ステップS37]各位置で下記式(28)に従って縞次数を定める。
Figure 0004357360
ここで、M(x,y)は位置(x,y)の属する領域の折り返し数であり、(int)()は、引数の非整数値に最も近い整数を求める演算を意味する。
なお、M(x,y)が0以外の場合、式(16)〜(18)によって算出される値は、折り返しによって、M(x,y)・λb/Δλだけ小さく求められているので、式(27)に相当する整数化の前にこの値を加えておく必要がある。
図11は、上記計算手順により縞次数の修正を行った場合の効果の例を示す図である。(A)は、図9のステップS22で求めた仮の縞次数ma”(x,y)を縞次数として計算した物体表面のプロファイルを示す図であり、同図の横軸は測定対象2の物体表面の測定区間の位置を表し、縦軸は各位置の相対的な高さを表している。(B)は、図9のステップS23,S24の手順により得た縞次数の誤差分の分布を示す図であり、同図の横軸は誤差分を表し、縦軸はその度数分布を表している。さらに、(C)は、図9のステップS25の手順でピーク値mpを求め、ステップS26の手順で縞次数を修正してえた物体表面のプロファイルを示す図であり、同図の横軸は測定対象2の物体表面の測定区間の位置を表し、縦軸は各位置の相対的な高さを表している。
図11(A)に示すように、縞次数の修正を行う前は、縞次数の誤りにより物体表面にはない不連続な段差が多数見られる。また、図11(B)に示すように、縞次数の誤差分に折り返しが現れ、縞次数の誤りが起こっていることが確認できる。しかし、ステップS25及びステップS26の手順を経ることで縞次数の誤りが修正され、正しい物体表面の形状が得られていることが分かる。
なお、上述した演算制御部60が実行する各処理機能はコンピュータによって実現されるが、その場合、各機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
(付記1) 中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部と、前記光源部からの照射光を分岐させて、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系と、前記両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構と、前記両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部とを備えた測定装置を用いて、前記物体表面の形状を測定する表面形状測定方法において、
前記光源部により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する第1位相画像算出工程と、
前記光源部により前記第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する第2位相画像算出工程と、
前記第1の位相画像及び前記第2の位相画像のそれぞれの位相画像内の対応する各位置において、前記第1の波長及び前記第2の波長の一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数に相当する値とする縞次数相当値算出工程と、
前記位相画像内の特定領域の前記縞次数に相当する値から、縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、前記誤差分布から前記各位置の縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、前記縞次数に相当する値から前記誤差を差し引いて前記非整数値を整数化し、前記一方の波長に対する前記位相画像内の各位置の縞次数として求める縞次数演算工程と、
前記各位置の縞次数と対応する波長の位相から、前記位相画像内の各位置の高さを演算して前記物体表面の形状を算出する形状算出工程と、
を備えたことを特徴とする表面形状測定方法。
(付記2) 前記縞次数演算工程は、
前記非整数値の小数部を算出する工程と、
前記位相画像の特定領域の前記各小数部のヒストグラムを算出する工程と、
算出された前記ヒストグラムのピーク位置を求める工程と、
前記ピーク位置の値を前記誤差として特定し、前記位相画像の各位置の前記非整数値から前記誤差を減じた値で前記非整数値を置き換える工程と、
前記位相画像の各位置の前記置き換えられた非整数値に最も近い整数を、対応する位置の縞次数として算出する工程と、
を備えたことを特徴とする付記1記載の表面形状測定方法。
(付記3) 前記縞次数演算工程は、前記位相画像の特定領域を決定する方法として、
前記位相画像内に設定された各画素において、隣接した画素間における前記非整数の変化量を算出する工程と、
前記変化量が一定の値を超えない領域ごとにラベリングする工程と、
前記ラベリングされた各領域のうち、面積が最大となる領域を前記特定領域とする工程と、
を備えたことを特徴とする付記1記載の表面形状測定方法。
(付記4) 前記縞次数演算工程は、前記位相画像の特定領域を決定する方法として、
前記位相画像内に設定された各画素において、隣接した画素間における前記非整数の変化量を算出する工程と、
前記変化量が一定の値を超えない領域ごとにラベリングする工程と、
前記ラベリングされた各領域のうち、平均のコントラストが最大となる領域を前記特定領域とする工程と、
を備えたことを特徴とする付記1記載の表面形状測定方法。
(付記5) 中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部と、
前記光源部からの照射光を分岐させて、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系と、
前記両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構と、
前記両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部と、
前記位相シフト機構を駆動制御するとともに、前記撮像部で取得された干渉画像を用いて前記物体表面の形状を演算する演算制御部と、
を備え、前記物体表面の形状を測定する表面形状測定装置において、
前記演算制御部は、
前記光源部により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する第1位相画像算出手段と、
前記光源部により前記第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する第2位相画像算出手段と、
前記第1の位相画像及び前記第2の位相画像のそれぞれの位相画像内の対応する各位置において、前記第1の波長及び前記第2の波長の一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数に相当する値とする縞次数相当値算出手段と、
前記位相画像内の特定領域の前記縞次数に相当する値から、縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、前記誤差分布から前記各位置の縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、前記縞次数に相当する値から前記誤差を差し引いて前記非整数値を整数化し、前記一方の波長に対する前記位相画像内の各位置の縞次数として求める縞次数演算手段と、
前記各位置の縞次数と対応する波長の位相から、前記位相画像内の各位置の高さを演算して前記物体表面の形状を算出する形状算出手段と、
を備えたことを特徴とする表面形状測定装置。
(付記6) 前記縞次数演算手段は、前記非整数値の小数部を算出し、前記位相画像の特定領域の前記各小数部のヒストグラムを算出し、算出された前記ヒストグラムのピーク位置を求め、前記ピーク位置の値を前記誤差として特定し、前記位相画像の各位置の前記非整数値から前記誤差を減じた値で前記非整数値を置き換え、前記位相画像の各位置の置き換えられた前記非整数値に最も近い整数を、対応する位置の縞次数として算出することを特徴とする付記5記載の表面形状測定装置。
(付記7) 前記縞次数演算手段は、前記位相画像の特定領域を決定するために、前記位相画像内に設定された各画素において、隣接した画素間における前記非整数値の変化量を算出し、前記変化量が一定の値を超えない領域ごとにラベリングし、前記ラベリングされた各領域のうち、面積が最大となる領域を前記特定領域とすることを特徴とする付記5記載の表面形状測定装置。
(付記8) 前記縞次数演算手段は、前記位相画像の特定領域を決定するために、前記位相画像内に設定された各画素において、隣接した画素間における前記非整数値の変化量を算出し、前記変化量が一定の値を超えない領域ごとにラベリングし、前記ラベリングされた各領域のうち、平均のコントラストが最大となる領域を前記特定領域とすることを特徴とする付記5記載の表面形状測定装置。
(付記9) 中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部と、前記光源部からの照射光を分岐させて、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系と、前記両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構と、前記両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部とを備えた測定装置に搭載され、前記物体表面の形状を測定するための表面形状測定プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記光源部により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する第1位相画像算出手段、
前記光源部により前記第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する第2位相画像算出手段、
前記第1の位相画像及び前記第2の位相画像のそれぞれの位相画像内の対応する各位置において、前記第1の波長及び前記第2の波長の一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数に相当する値とする縞次数相当値算出手段、
前記位相画像内の特定領域の前記縞次数に相当する値から、前記縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、前記誤差分布から前記各位置の縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、前記縞次数に相当する値から前記誤差を差し引いて前記非整数値を整数化し、前記一方の波長に対する前記位相画像内の各位置の縞次数として求める縞次数演算手段、
前記各位置の縞次数と対応する波長の位相から、前記位相画像内の各位置の高さを演算して前記物体表面の形状を算出する形状算出手段、
として機能させることを特徴とする表面形状測定プログラム。
(付記10) 中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部と、前記光源部からの照射光を分岐させて、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系と、前記両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構と、前記両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部とを備えた測定装置に搭載され、前記物体表面の形状を測定するための表面形状測定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
コンピュータを、
前記光源部により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する第1位相画像算出手段、
前記光源部により前記第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する第2位相画像算出手段、
前記第1の位相画像及び前記第2の位相画像のそれぞれの位相画像内の対応する各位置において、前記第1の波長及び前記第2の波長の一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数に相当する値とする縞次数相当値算出手段、
前記位相画像内の特定領域の前記縞次数に相当する値から、前記縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、前記誤差分布から前記各位置の縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、前記縞次数に相当する値から前記誤差を差し引いて前記非整数値を整数化し、前記一方の波長に対する前記位相画像内の各位置の縞次数として求める縞次数演算手段、
前記各位置の縞次数と対応する波長の位相から、前記位相画像内の各位置の高さを演算して前記物体表面の形状を算出する形状算出手段、
として機能させることを特徴とする表面形状測定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
マイケルソン型干渉計を用いた位相シフト干渉法の原理を表す図である。 位相シフト干渉法の折り返しの問題とその対策を表す図である。 位相シフト干渉法の更なる問題を表す図である。 縞次数に誤りがある計測例を示す図である。 縞次数の誤差分の分布の例を示す図である。 本発明の実施の形態の表面形状測定装置の構成例を示す図である。 光源部の構成を示す図である。 測定対象の表面形状測定処理の全体の流れを示すフローチャートである。 縞次数の演算処理の例を示すフローチャートである。 縞次数の演算処理の別の例を示すフローチャートである。 縞次数の修正を行った場合の効果の例を示す図である。
符号の説明
2 測定対象
3 参照面
10 光源部
20 干渉光学系
30 位相シフト機構
40 撮像部
50 移動ステージ
60 演算制御部

Claims (5)

  1. 中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部と、前記光源部からの照射光を分岐させて、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系と、前記両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構と、前記両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部とを備えた測定装置を用いて、前記物体表面の形状を測定する表面形状測定方法において、
    前記光源部により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する第1位相画像算出工程と、
    前記光源部により前記第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する第2位相画像算出工程と、
    前記第1の位相画像及び前記第2の位相画像の同一位置の位相を用いて、位相画像の各位置において、前記第1の波長及び前記第2の波長のいずれか一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数相当値とする縞次数相当値算出工程と、
    相画像の特定領域の前記縞次数相当値から、前記縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、前記誤差分布から前記縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、位相画像の各位置において、前記縞次数相当値から前記誤差を差し引い値を整数化し、前記縞次数相当値算出工程で選択された波長に対応した縞次数として求める縞次数演算工程と、
    相画像の各位置において、前記縞次数相当値算出工程で選択された波長に対応した位相画像の位相と前記縞次数演算工程で求められた縞次数とから、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面で反射された両反射光の光路差を演算し、前記物体表面の形状を算出する形状算出工程と、
    を備えたことを特徴とする表面形状測定方法。
  2. 前記縞次数演算工程は、
    前記非整数値の小数部を算出する工程と、
    相画像の特定領域について、記小数部のヒストグラムを算出する工程と、
    算出された前記ヒストグラムのピーク位置を求める工程と、
    前記ピーク位置の値を前記誤差として特定し、位相画像の各位置において求められた前記非整数値から前記誤差を減じて、前記非整数値を置き換える工程と、
    記置き換えられた非整数値に最も近い整数を、前記各位置の縞次数として算出する工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の表面形状測定方法。
  3. 前記縞次数演算工程は、位相画像の特定領域を決定する方法として、
    相画像の各位置において、前記各位置に隣接した位置で求められた前記非整数値に対する前記各位置で求められた前記非整数の変化量を算出する工程と、
    前記変化量が一定の値を超えない領域ごとにラベリングする工程と、
    前記ラベリングされた各領域のうち、面積が最大となる領域を前記特定領域とする工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の表面形状測定方法。
  4. 前記縞次数演算工程は、位相画像の特定領域を決定する方法として、
    相画像の各位置において、前記各位置に隣接した位置で求められた前記非整数値に対する前記各位置で求められた前記非整数の変化量を算出する工程と、
    前記変化量が一定の値を超えない領域ごとにラベリングする工程と、
    前記ラベリングされた領毎にコントラストの平均値を求め前記コントラストの平均値が最大となる領域を前記特定領域とする工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の表面形状測定方法。
  5. 中心波長が異なる複数の光波を切り替えて照射可能な光源部と、
    前記光源部からの照射光を分岐させて、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面でそれぞれ反射させ、両反射光を干渉させる干渉光学系と、
    前記両反射光の光路差を所定の位相差分シフトさせて調整可能な位相シフト機構と、
    前記両反射光の干渉画像を撮像して取得する撮像部と、
    前記位相シフト機構を駆動制御するとともに、前記撮像部で取得された干渉画像を用いて前記物体表面の形状を演算する演算制御部と、
    を備え、前記物体表面の形状を測定する表面形状測定装置において、
    前記演算制御部は、
    前記光源部により第1の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第1の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第1の位相画像として算出する第1位相画像算出手段と、
    前記光源部により前記第1の波長と異なる第2の波長を有する光波を照射することにより得られた複数の干渉画像から、前記第2の波長に対する干渉画像中の各位置に対応する位相を第2の位相画像として算出する第2位相画像算出手段と、
    前記第1の位相画像及び前記第2の位相画像の同一位置の位相を用いて、位相画像の各位置において、前記第1の波長及び前記第2の波長のいずれか一方に対応した縞次数を計算し、その結果得られた非整数値を縞次数相当値とする縞次数相当値算出手段と、
    相画像の特定領域の前記縞次数相当値から、前記縞次数の計算に含まれる誤差分布を推定し、前記誤差分布から前記縞次数の計算に含まれる誤差を特定し、位相画像の各位置において、前記縞次数相当値から前記誤差を差し引い値を整数化し、前記縞次数相当値算出手段で選択された波長に対応した縞次数として求める縞次数演算手段と、
    相画像の各位置において、前記縞次数相当値算出手段で選択された波長に対応した位相画像の位相と前記縞次数演算手段で求められた縞次数とから、測定対象となる物体表面及び予め設置された参照面で反射された両反射光の光路差を演算し、前記物体表面の形状を算出する形状算出手段と、
    を備えたことを特徴とする表面形状測定装置。
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