JP4357003B2 - 形態形成タンパク質 - Google Patents

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Description

本国際出願は、1997年2月19日に出願された米国仮出願第60/038,279号の優先権を主張する。本明細書中で引用されたすべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願がそれぞれ、参考として援用されると具体的にそして個々に示されているように、本明細書中に参考として援用される。
序論
本発明の分野は、細胞機能を調節し、そして特に、骨形成タンパク質に拮抗するタンパク質である。
細胞増殖、分化、および機能の天然の調節因子は、重要な医薬品、臨床および実験ツール、ならびに治療的介入のための標的を提供してきた。種々のこのような調節因子は、基本的な細胞分化経路および発生経路に対する深い効果を有することが示されている。例えば、最近クローン化されたケルベロス(cerberus)タンパク質は、脊椎動物胚の前方内胚葉においてヘッド構造の形成を誘導する。同様に、ノギン(noggin)タンパク質は脊椎動物胚にヘッド構造を誘導し、そして、中胚葉運命(fate)を腹部運命(例えば、血液および間葉)から背部運命(例えば筋肉および脊索)に向けなおし得、そして表皮運命を前方神経運命に向け直し得る。コーディン(chordin)の活性は、共通の作用機構を反映して、ノギンの活性と類似し、すなわち骨形成タンパク質(BMP)に拮抗し、それによってその機能を防げる。BMPは、異なる生物学的状況において多様な生物学的活性を有する(軟骨組織、骨および結合組織の誘導、ならびに腎臓、歯、腸、皮膚、および髪の発育における役割を含む)。
異なるメンバーのTGFβスーパーファミリーは、細胞に異なる宿命に従うことを指示し得る(例えば、TGFβは、神経冠を、平滑筋を形成するように誘導し、他方BMP2は、同じ細胞を、神経細胞になるように誘導する)。Xenopus実験において、分離した動物キャップ(cap)細胞(将来的に外胚葉)は、BMP4に応答して表皮になるが、アクチビンに応答して中胚葉になる。アクチビンとBMP4との間の配列同一性は低いので、それらが異なる運命を誘導することは驚くべきことではない。より驚くべきことは、配列が極めて密接に関連する、BMPサブファミリーのメンバーが、異なる運命を誘導し得ることである。印象的な例が、筋肉へのBMPを含浸妊娠させたマトリクスの移植から生じる。;効果が組織学的にモニターされる場合、BMP2,BMP4およびBMP7は、軟骨内骨形成を誘導するが、関連分子であるBMP12/GDF7は、腱と類似の結合組織を誘導する。同様に、BMP4は、菱脳神経冠において細胞死を誘導し得るが、関連タンパク質ドルサリン(dorsalin)は、誘導しない。
異なるBMPファミリーメンバーは異なる運命を誘導し得るので、BMPのサブセットをブロックすることにおいて特異性を有するBMPアンタゴニストは、細胞に、対して提示されるBMP中の平衡を変化させ、従って細胞運命を改善し得る。ヒトの健康および疾患における相対的BMP発現の重要性の観点において、特に細胞機能およびBMP機能の調節因子(例えば、ノギンおよびケルベウス)は、臨床的および生物工学的な適用の宿主に価値ある試薬を提供する。本発明は、細胞機能の調節因子の新しいファミリーに関する。
関連文献
Bouwmeesterら(1996)Nature 382: 595-601は、Xenopusのケルベウス遺伝子のクローニングを記載している。1994年3月17日に公開されたPCT国際公開第WO 94/05791(「Dorsal Tissue Affecting Factor and Compositions」と題する);Lamb, T.M.ら(1993)Science 262: 713-718; Smith, W.C.ら(1992)Cell 70: 829-840; Smith, W.C.ら(1993)Nature 361: 547-549; およびZimmerman, L.B.ら(1996)Cell 86: 599-606は、ノギンの核酸およびタンパク質の単離および機能を記載している。Piccolo, S.ら(1996)Cell 86: 589-598; Sasai, Y.ら(1995)Nature 376: 333-336;およびSasai, Y.ら(1994)Cell 79: 779-790は、コーディンタンパク質に関する。Enomotoら(1994)Oncogene 9: 2785-2791およびOzakiら、(1996)Jpn. J. Cancer Res. 87: 58-61は、DAN遺伝子のヒトおよびマウス同族体を記載している。
発明の要旨
本発明は、DAN(Differential-screening-selected gene Aberrative in Neuroblastoma)およびb57タンパク質、ならびに関連する核酸に関する方法および組成物を提供する。異なる種由来の天然のDANおよびb57同族体ならびにDANまたはb57ドメインを含み、そしてDANまたはb57特異的活性(特にBMP2またはBMP4のような骨形成タンパク質に拮抗する能力)を有するタンパク質が含まれる。タンパク質は、本発明の核酸で形質転換された宿主細胞から組換え的に産生され得る。本発明は、開示された遺伝子に特異的にハイブリダイズすることが可能である、単離されたハイブリダイゼーションプローブおよびプライマー、特異的抗体のような特異的な結合因子、ならびに本発明の組成物を作製するための方法および診断(例えば、b57転写物のための遺伝子ハイブリダイゼーションスクリーニング)、治療(例えば、b57遺伝子発現を調整するための遺伝子治療)、および生物薬剤産業(例えば、リード薬理学的製剤について化学ライブラリーをスクリーニングするための試薬)における使用のための方法を提供する。
本発明のDANおよびb57タンパク質の好ましい適用は、付加されたタンパク質が、培地の成分および/または細胞外表面と特異的に相互作用し細胞の生理学における変化を達成する条件下で、外来性DANまたはb57タンパク質を有する細胞または細胞を取り囲む培地を接触させることによって、細胞外表面を含む細胞の生理学を改変することを包含する。生物学的活性薬剤についてスクリーニングするのための方法もまた好ましい。そしてこの方法は、細胞外DANまたはb57タンパク質特異的結合標的および候補薬剤の存在下で、薬剤の存在がなければ、タンパク質が参照親和性で結合標的と特異的に結合する条件下でDANまたはb57タンパク質をインキュベートする工程;結合標的へのタンパク質の結合親和性を検出して、薬剤により偏った親和性を決定する工程を包含し、ここで、試薬の偏った親和性と参照親和性との間の差異は、薬剤がタンパク質の結合標的への結合を調整することを示す。
【図面の簡単な説明】
図1A〜lB ヒトb57がBMP2およびBMP4と結合することの証明。
図2 ヒトb57がBMP2の生物学的活性をブロックすることの証明
図3 Xenopusb57(またグレムリン(Gremlin)とも呼ばれる)がBMP2の活性をブロックする。細胞へ添加する前に、78pM、156pM、313pM、625pM、1.25nM、2.5nMまたは5nMのBMP2を、最終濃度が83nMまたは21nMのグレムリンのグレムリンCOS上清、模擬トランスフェクト培地、または新鮮DMEMとプレインキュベートした。アルカリフォスファターゼ活性を24時間後にアッセイした。約83nMのグレムリンが、BMP2活性を完全にブロックする。約21nMのグレムリンが試験したBMP2用量を部分的にブロックする。
発明の詳細な説明
本発明は、DANおよびb57タンパク質を提供する。これらは、天然のDANおよびb57タンパク質、ならびにDANもしくはb57アミノ酸配列、あるいはアッセイ識別可能なDANもしくはb57特異的活性を有するそれらの機能的DANまたはb57タンパク質ドメインを含む組換えタンパク質を含む。従って、タンパク質は、開示された天然のDANおよびb57タンパク質の欠失変異体であり得、そして融合生成物(例えば、非b57ポリペプチドとの)として提供され得る。本発明のDANおよびb57タンパク質ドメインは、DANまたはb57特異的活性または機能を有し、そして互いに機能的に区別され、そしてケルベルスおよびノギン同族体とは機能的に区別される。このようなドメインは、天然のDANまたはb57タンパク質の少なくとも6つ、そして好ましくは少なくとも8つの連続した残基を含む(Enomotoら(1994)Oncogene 9:2785-2791によって報告されたDAN配列および本明細書中に開示されたヒトb57配列を参照のこと)。好ましいb57タンパク質は、種間で保存されたb57配列を含む。
DANは細胞内ジンクフィンガータンパク質であると述べる従来の教示とは反対に、出願人は、天然のDANタンパク質が、構造上および機能上b57に関連し、そして本明細書に記載されるb57タンパク質とDANタンパク質との両方が、BMPのような特定の形態形成タンパク質のアンタゴニストとして細胞外的に活性であるということを開示することに注目すべきである。DANまたはb57特異的活性または機能は、便利なインビトロアッセイ、細胞ベースのアッセイ、またはインビボアッセイ、例えば、インビトロ結合アッセイ、細胞培養アッセイ、動物において(例えば、免疫応答、遺伝子治療、トランスジェニックなど)などによって決定され得る。結合アッセイは、DANまたはb57タンパク質の結合標的との特異的分子相互作用が評価される任意のアッセイを包含する。結合標的は、TGFβタンパク質、形態形成タンパク質、好ましくはBMP2またはBMP4のような骨形成タンパク質、シャペロン、またはDANまたはb57活性またはその位置を直接調整する他の調節因子のような天然の結合標的、または特異的免疫タンパク質のような非天然結合標的(例えば、抗体)、または以下に記載されるアッセイにおいて同定される薬剤のようなDANまたはb57特異的薬剤であり得る。一般に、結合特異性は、バイオアッセイ(例えば、注入された胚性外胚葉から神経組織を誘導するための能力)、TGFβタンパク質結合平衡定数(通常、少なくとも約107M-1、好ましくは、少なくとも約108M-1、より好ましくは、少なくとも約109M-1)、本発明のタンパク質がDANまたはb57発現細胞においてネガティブ変異体として機能する能力、または異種宿主(例えば、げっ歯類またはウサギ)においてDANまたはb57特異的抗体を誘発する能力などによってアッセイされる。
本願発明のタンパク質は、単離され得るかまたは純粋であり得る。「単離された」タンパク質は、その天然の状態で会合されているいくつかの物質をもはや伴なわないタンパク質であって、そして所定のサンプルにおいて、全タンパク質の、好ましくは少なくとも約0.5重量%、そしてより好ましくは少なくとも約5重量%を構成するタンパク質である。「純粋」タンパク質は、所定のサンプルにおいて、全タンパク質の少なくとも約90重量%、そして好ましくは少なくとも約99重量%を構成する。本発明のタンパク質およびタンパク質ドメインは合成され得るか、組換え技術によって産生され、または細胞から精製され得る。多種多様の分子および生化学的方法は、本発明の組成物の生化学的合成、分子発現および精製のために利用可能である(例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual(Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory)、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら編、Greene Publ.Assoc. Wiley−Interscience, NY)を参照のこと)。天然のDANおよびb57タンパク質を単離するための例示的な方法は、cDNAライブラリーを発現すること(例えば、Xenopus卵巣細胞由来のもの)、および胚軸形成について発現産物をアッセイすることを含む。この方法ならびにDANタンパク質およびb57タンパク質を検出することになじみ易い他の適切なバイオアッセイは、Lemaire, P.ら(1995)Cell 81:85−94;Smith, W.C.およびHarland, R.M.(1992)Cell 70:829−40;Smith, W.C.およびHarland, R.M.(1991)Cell 67:753−765; Piccolo, S.ら(1996)Cell 86:589-98;およびZimmerman, L.B.ら(1996)Cell 86:599-606によって記載されている。
本願のタンパク質は、免疫原、スクリーニングアッセイにおける標的、細胞増殖、分化および/または機能を調整するための生物活性試薬などとしての使用を含む多種多様な使用を見い出す。例えば、本発明は、付加されたタンパク質が、培地の成分および/または細胞外表面の成分と特異的に相互作用して細胞の生理学における変化を達成する条件下で、細胞または、細胞を取り囲む培地を、外来性DANまたはb57タンパク質と接触することによって細胞外表面を含む細胞の生理学を改変するための方法を提供する。これらの方法に従って、細胞外表面は形質膜関連レセプターを含む;外来性DANまたはb57は、細胞によって作製されないタンパク質または、細胞にとって作製される場合、非天然レベル、時期または生理学的場所で発現されるタンパク質をいう;そして適切な培地は、インビトロ培養培地、および血液、滑液などのような生理学的液体を含む。本発明のタンパク質の効果的投与は、望ましくない(例えば、異所的な)骨形成を減少させ、形態形成タンパク質を要求する細胞(例えば、BMP依存性神経芽細胞腫およびグリオーマ)の増殖を阻害し、培養においてモルホジェン依存性細胞運命/分化を改変するなどするために、例えば、移植用細胞または注入などを用いて使用され得る。タンパク質は、任意の便利な方法(例えば、マイクロインジェクション、組換え酵素のプロモーター特異的発現、脂質ビヒクルの標的化送達など)によって、細胞の特定集団に導入され得るか、発現され得るか、または抑制され得る。
本発明は天然のおよび非天然のDANおよびb57特異的結合因子、このような因子を同定する方法および作製する方法、ならびに診断、治療、および薬剤開発進展におけるそれらの使用を提供する。DANまたはb57特異的結合因子は、BMPのようなb57特異的リガンド、体細胞性組換えタンパク質レセプター様特異的抗体またはT細胞抗原レセプター(例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratoryを参照のこと)のようなレセプターを含み、そしてまた、ワンハイブリッド、ツーハイブリッドおよびスリーハイブリッドスクリーニングのようなアッセイで同定された他の天然結合因子、および以下に記載するような化学ライブラリーのスクリーニングで同定される非天然結合因子を含む。特定の目的の因子は、DANまたはb57の機能を調整する。
本発明は、翻訳可能な転写物、ハイブリダイゼーションプローブ、PCRプライマー、診断用核酸などとしての使用、ならびにDANおよびb57遺伝子および遺伝子転写物の存在を検出することにおける使用、およびさらなるDANおよびb57同族体および構造アナログをコードする核酸を検出または増幅することにおける使用を含む多種多様な適用を見い出す、b57核酸およびDAN核酸を提供する。例えば、Xenopusおよびニワトリb57配列データはI.M.A.G.E共同体のESTデータベースを検索するために使用され、そしてヒトcDNAクローン272074が、DNA配列決定によって、相同配列ホモログを含むように識別された。挿入物は、合成mRNAの合成のための適切なベクターである、CS105中にクローン化された(Turner,D.L.,およびWeintraub,H.(1994)Genes Dev.8,1434−47;Baker,J.C.,およびHarland,R.M.(1996)Genes & Development 10)。ヒト遺伝子産物のb57特異的機能は、Xenopus胚へのcDNAクローンの精製された合成転写物の注入によって決定された。このアッセイは、異所性体軸または巨大頭の誘導によって例証されるように、BMP活性のアンタゴニストについての生物アッセイを提供する。ヒトb57クローン由来の転写物を注射した胚は、Xenopusb57注入胚と同様の、巨大頭および部分的異所性体軸を有した。これは、ヒト遺伝子産物のためのb57特異的生物学的機能を示す。
同様に、Xenopusのケルベロス(cerberus)の配列データは、I.M.A.G.Eコンソーシアム(consortium)ESTデータベースの検索のために使用され、そしてヒトcDNAクローン272074が、相同配列を含むと識別された。このクローンは、Genome System,Inc.(St.Louis,MO)から得られ、そしてABI 373A DNAシーケンサーおよびTaq Dideoxy Terminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystem,Inc.,Foster City,CA)を用いて配列決定された。ヒトb57をコードするヌクレオチド配列は、本明細書中に配列番号1として示され、そしてヒトb57の推定アミノ酸配列は、本明細書中に配列番号2として示される。
本発明の核酸は、合成配列/非天然配列の核酸であり、および/または単離された核酸(すなわち、所定の画分中に存在する全核酸の、少なくとも約0.5%重量、より好ましくは少なくとも約5%重量を好ましくは構成する核酸、その天然状態に関連するいくつかの物質を全く伴わない)であり、通常は組換え体でありこれは本発明の核酸が、天然の染色体上に結合するヌクレオチド以外のヌクレオチドに結合した非天然配列または天然配列を含むことを意味する。配列番号1のヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含む核酸は、天然の染色体に結合される配列以外の配列に直接に隣接するか、または天然の染色体に結合される配列以外の配列に直接隣接する10kb未満(好ましくは2kb未満)の天然隣接領域に隣接するような、配列またはフラグメントを末端に含む。核酸は通常RNAまたはDNAであるが、改変された安定性などを提供するために他の塩基またはヌクレオチドアナログを含む核酸の使用がしばしば有利である。
開示されたDANおよびb57のタンパク質のアミノ酸配列は、選択発現系のために最適化されたDANまたはb57タンパク質コード核酸の逆翻訳のために使用されるか(Hoolerら、(1993), Gene 136:323-328:Martinら、(1995),Gene 154:150-166)、または天然のb57コード核酸配列の単離における使用のための変性オリグヌクレオチドプライマーおよびプローブを生成するために使用される(「GCG」ソフトウェア、Genetics Computer Group Inc.,Madison,WI)。DANコード核酸およびb57コード核酸は、発現ベクターの一部であり得、例えば、b57媒介シグナル伝達関連疾患の候補薬の有効性などのような機能上の研究のためのトランスジェニック動物についての発現およびスクリーニングのために組換え宿主細胞に取り込まれ得る。発現系は、代替的な翻訳後のプロセスを介して、b57タンパク質の構造的改変および機能的改変をもたらすために選択および/または変更される。
本発明はまた、核酸ハイブリダイゼーションプローブ、およびDNAまたはb57のcDNA特異的配列を有し、そして配列番号1を用いる特異的ハイブリダイゼーションをもたらすのに充分な複製プライマー/増幅プライマーを提供する。特異的ハイブリダイゼーションは、一般的にストリンジェントな条件を必要とし、例えば、5×SSPE(0.18M NaCl、0.01M NaPO4、pH 7.7、0.001M EDTA)緩衝液中に30%のホルムアミドを含む緩衝液中で、42℃の温度でハイブリダイズし、そして0.2×SPPEを用いて42℃での洗浄に供したときに結合を維持し;好ましくは、5×SPPE緩衝液中に50%のホルムアミドを含む緩衝液中で、42℃の温度でハイブリダイズし、そして42℃の0.2×SPPEを用いて、42℃での洗浄に供したときに結合を維持する。DANおよびb57のcDNAホモログはまた、BLASTX(Altschulら、(1990)Basic Local Alignment Search Tool,J.Mol Biol.215:403-410)のような配列アルゴリズムを用いて他のタンパク質と区別され得る。
DANおよびb57のハイブリダイゼーションプローブは、臨床および研究サンプルにおける野生型および変異対立遺伝子の同定における使用を見出す。変異対立遺伝子は高処理能力臨床診断のための対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)プローブの生成に使用される。DANおよびb57の核酸はまた、細胞性発現、または活性なDANもしくはb57の細胞内濃縮もしくは生存性の調節のために使用される。DANおよびb57の阻害性核酸は、代表的には、開示された天然b57コード配列の相補体を含むアンチセンス-1本鎖配列である。所定のDANまたはb57のタンパク質発現のアンチセンス調節は、調節配列遺伝子に作動可能に連結されたアンチセンス核酸を使用し得る。細胞は、遺伝子の転写が、内在性のDANコードmRNAまたはb57コードmRNAに結合可能なアンチセンス転写物を産生するように方向付けられたプロモーター配列を有するDANまたはb57の配列を含むベクターを用いトランスフェクトされる。アンチセンス核酸の転写は、構成的または誘導的であり、そしてベクターは安定な染色体外維持または組み込みを提供する。あるいは、所定のDNAまたはb57のタンパク質をコードするゲノムDNAまたはRNAに結合する一本鎖アンチセンス核酸は、宿主においてまたは宿主から一時的に単離された標的細胞に、標的化されたタンパク質の発現を実質的に減少させる濃度で、投与され得る。DANまたはb57の発現の増強は、対応する遺伝子産物の機能的発現を増加させるDANまたはb57の核酸を標的化された細胞型に導入することによりもたらされる。このような核酸は、DANまたはb57の発現ベクター、内在性対立遺伝子の機能的発現をアップレギュレートするベクター、または変異対立遺伝子の標的化された補正のための置換ベクターであり得る。核酸を生細胞に導入するための技術は当該分野で公知であり、そしてレトロウイルスに基づくトランスフェクション、ウイルスコートタンパク質-リポソーム媒介トランスフェクションなどを含む。
本発明は、細胞内の機能を調節可能なDANまたはb57のレベルで、活性な因子について、薬剤、化合物またはリード化合物の効果的な同定方法を提供する。一般的にこれらのスクリーニング方法は、DANまたはb57と天然のDANまたはb57結合標的との相互作用を調節する化合物についてのアッセイを含む。結合因子についての種々の広範なアッセイが提供され、これにはタンパク質-タンパク質結合アッセイ、イムノアッセイ、細胞に基づくアッセイなどが挙げられる。好ましい方法は、自動化された費用効果的な、リード化合物についての化学的ライブラリーの高処理能力スクリーニングに従う。
インビトロ、結合アッセイは、DANまたはb57のタンパク質を含む成分の混合物を使用し、これは別のペプチド、または検出もしくは固着などのためのタグのようなポリペプチドを有する融合生成物の一部であり得る。アッセイ混合物は、天然DANまたはb57結合標的(例えば、BMPのようなTGFβタンパク質)を含む。天然の結合標的が使用される一方で、一部分が、アッセイにおいて従来測定可能な被験体のDANまたはb57に対する結合親和性および結合活性を提供する限り、そのタンパク質の部分の使用が頻繁に好まれる。アッセイ混合物はまた、薬学的な候補因子を含む。候補因子は、代表的にはそれらは有機化合物であり、好ましくは小有機化合物であるが、多数の化学的分類を包含し、そして候補因子は合成化合物または天然化合物のライブラリーを含む広範な種々の供給源から得られる。塩、緩衝液、中性タンパク質のような種々の他の試薬(例えば、アルブミン、界面活性剤、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤など)がまた含まれる。混合成分は、不可欠な結合を提供する任意のオーダーで添加され得、そしてインキュベートは、最適な結合を容易にする任意の温度で行われ得る。混合物は、薬学的候補因子の存在を除いて、DANまたはb57は、細胞結合標的、参考結合親和性を有する一部分またはアナログに特異的に結合する条件下でインキュベートされる。インキュベーション時間は最適な結合について選択されるが、また、迅速な高処理能力スクリーニングを容易にするために最小化されている。
インキュベーション後、DANまたはb57と1つ以上の結合標的との間の偏因子(agent-biased)結合は、任意の従来法により検出される。細胞を含まない結合型アッセイのために、分離工程は非結合成分から結合成分を分離するためによく用いられる。分離は、膜濾過またはゲルクロマトグラフィーなどによる洗浄に続く沈澱、固定化などによりもたらされ得る。細胞を含まない結合アッセイのために、成分の1つは、通常、標識物を含むか、または標識物に結合される。標識物は放射能、発光、光学密度もしくは電子密度などのような直接的検出またはエピトープタグ、酵素のような間接的検出を提供し得る。種々の方法は、標識物の性質および他のアッセイ成分(光学密度、電子密度、放射性発光、非放射性エネルギー転移を介する)に依存するか、または抗体結合物などを用いて間接的に検出される標識物の検出のために使用され得る。因子の非存在下におけるDANまたはb57タンパク質の標的で因子に対する結合親和性と因子の存在下における結合親和性と比較された場合の差異は、因子がDANまたはb57のタンパク質の対応する結合標的への結合を調節することを示す。本明細書中で使用される差異は統計学的に有意であり、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%の差異を示す。
本発明は、培地と接触する細胞外表面を含む細胞の生理機能を改変するための方法を提供し、前記方法は、前記培地成分の少なくとも1つおよび前記細胞外表面と特異的に相互作用し、前記タンパク質が、前記細胞の生理機能において変化をもたらす条件下で、前記培地を外因性DANまたはb57タンパク質と接触させる工程を包含する。
本発明はさらに生物学的に活性な因子をスクリーニングするための方法を提供し、前記方法は、以下の工程を包含する:a)DANまたはb57タンパク質を、細胞外DANまたはb57のタンパク質に特異的に結合する標的物および候補因子の存在条件下でインキュベートする工程であって、それによって、しかし前記因子の存在について、前記タンパク質が参照親和性で前記結合標的と特異的に結合する;b)偏因子(agent-biased)親和性を決定するために前記結合標的に対する前記タンパク質の結合親和性を検出する工程。ここで偏因子親和性と参照親和性との間の差異は、前記因子が、前記結合標的に対する前記タンパク質の結合を調節することを示す。
本発明の1つの実施態様は、配列番号2で示されるアミノ酸配列またはb57特異的活性を有するそのフラグメントを含む、単離されたb57タンパク質である。
本発明の別の実施態様は、配列番号2で示されるアミノ酸配列またはb57特異的活性を有するそのフラグメントを含む、b57タンパク質をコードする組換え核酸である。
なお別の実施態様は、配列番号1で示されるヌクレオチド配列または配列番号1の少なくとも18連続塩基を有するそのフラグメントを含む単離された核酸、および天然DANおよびケルベロス(cerberus)のcDNAの存在下で配列番号1の配列を有する核酸に特異的にハイブリダイズするのに充分である核酸である。
本発明はまた、例えば診断適用におけるタンパク質の検出に有用である、本明細書中に記載されるb57タンパク質に対する抗体を提供する。このb57タンパク質に対するモノクローナル抗体の調製のために、連続的な細胞株の培養による抗体分子の産生を提供する任意の技術が用いられ得る。例えば、ハイブリドーマ技術は、本来、KohlerおよびMilstein(1975,Nature 256:495-497)により開発され、そしてトリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、1983,Immunology Today 4:72)、およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら、1985、「Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy」、Alan R.Liss,Inc.77〜96頁)などが、本発明の範囲内にある。
診断または処置的な利用のためのモノクローナル抗体はヒトモノクローナル抗体またはキメラヒト-マウス(または、他の種)モノクローナル抗体であり得る。ヒトモノクローナル抗体は、当該分野で公知の多数の技術のいずれか(例えば、Tengら、1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 80:7308-7312;Kozborら、1983,Immunology Today 4:72-79;Olssonら、1982,Meth.Enzymol.92:3-16)により作製され得る。キメラ抗体分子は調製され得、これはヒト定常域を有するマウス抗原結合ドメインを含む(Morrisonら、1984,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 81:6851、Takedaら、1985,Nature 314:452)。
当該分野で公知の種々の手順は、本明細書中に記載されるb57タンパク質のエピトープに対するポリクローナル抗体の産生のために使用され得る。抗体産生のために、種々の宿主動物は、b57タンパク質またはそのフラグメントもしくは誘導体の注射により免疫され得、ウサギ、マウスおよびラットを含むがこれらには限られない。種々のアジュバントは、宿主種に依存して免疫学的応答の増強のために使用され得、フロイント(完全および不完全)アジュバンド、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、リゾレシチン)、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、およびBCG(カルメット-ゲラン桿菌)およびCorynebacterium parvumのような潜在的に有用なヒトアジュバントを含むがこれらには限定されない。
選択されたb57タンパク質エピトープに対する抗体の分子クローンは、公知の技術により調製され得る。組換えDNA方法論(例えば、Maniatisら、1982,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Habor,New Yorkを参照のこと)は、モノクローナル抗体分子、またはその抗原結合領域をコードする核酸配列を構築するために使用され得る。
本発明は、抗体分子およびその抗体分子のフラグメントを提供する。分子のイディオタイプを含む抗体フラグメントは、公知の技術により産生され得る。例えば、このようなフラグメントには、抗体分子のペプシン消化により生成され得るF(ab’)2フラグメント、F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋の還元により生成され得るFab’フラグメント、ならびにパパインおよび還元剤を用いて抗体分子を処理することにより生成され得るFabフラグメントが挙げられる。抗体分子は、公知の技術(例えば、免疫吸着クロマトグラフィーもしくは免疫アフィニティクロマトグラフィー、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)のようなクロマトグラフィー法、またはこれらを組み合わせた方法)により精製され得る。
本発明はさらに、DANまたはb57タンパク質もしくはそのフラグメントを骨形成タンパク質(BMP)活性のアンタゴニストとして使用する方法を提供する。好ましくは、本発明は、前記BMPをb57と接触させる工程を包含する骨形成タンパク質(BMP)の機能に拮抗する方法を提供する。本発明の方法は、b57がBMPに結合する条件下で行われる。本発明の好ましい実施態様において、b57は哺乳動物b57であり、そしてさらに好ましくはヒトb57またはBMPに結合し得るそれらのフラグメントである。さらに好ましい、本発明の実施態様において、ヒトb57は、BMP2またはBMP4の機能に拮抗するために使用される。
BMPに対するアンタゴニストは、動物(特に、ヒト)のBMP関連障害の予防および処置に有用であり得る。従って、本発明の目的は、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトにおける疾患状態でのBMP機能に効果的に拮抗する物質を同定することである。本発明の別の目的は、BMPを阻害する新たな化合物を調製することである。本発明のさらなる別の目的は、哺乳動物における疾患状態でのBMP機能に拮抗する方法を開発することである。BMP機能に関連する障害を予防または処置する方法の開発がまた、本発明の目的である。
正常な骨形成におけるこれらの役割に加えて、BMPは、異常な骨成長を促進する疾患に関与すると考えられる。例えば、BMPは、患者にいかなる動作も妨げる異常な「第2骨格」を生じる、進行性骨化性線維形成異常(FOP)として公知の疾患において原因的役割を担うと報告されている。
従って、本発明の目的は、進行性骨化性線維形成異常(FOP)を含むがこれに限定されない疾患または障害の処置のための新たな分子を提供することである。b57は、BMPのブロッカーであるので、この疾患のための治療薬剤としての望みを提供する。さらに、異常な骨成長は、股関節置換手術(hip replacement surgery)後に生じ得、従って外科手術の結果を台無しにする。これは、病理学的骨成長でのより一般的な例であり、そしてb57のようなBMPブロッカーが、治療的に有用であり得る状況である。b57は、外傷、熱傷、または脊髄傷害後の骨の病理学的形成のような他の形態の異常な骨形成を処置するためにもまた有用である。さらにb57は、転移性前立腺ガンまたは骨肉腫に関連して見られる異常な骨成長に関連するBMPの望ましくない作用を処置または予防するために有用であり得る。
さらなる実施態様において、本発明のb57の核酸、タンパク質およびペプチドは哺乳動物におけるBMP活性をブロックするために使用され得る。
本発明はまた、本明細書中に記載されるようなb57分子および適切なキャリアを含む組成物を提供する。b57を含み得る活性成分は、注射(例えば、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、神経内膜注射、神経周囲注射、脊髄内注射、脳室内注射、硝子体内注射、くも膜下腔内注射など)を含むがこれらには限られない適切な任意の経路により、上皮内層または粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜、腸管粘膜など)を介した吸収により;または細胞性移植物もしくは組織性移植物を含む持続性放出移植物により、インビボで、全身的または局所的に投与されるために適切なキャリア中に処方されるべきである。
投与様式に依存して、活性成分は、生理食塩水のような液体キャリア中に処方され得るか、リポソーム、マイクロカプセル、ポリマーまたはワックスベースの調製物および制御された放出調製物に組み込まれ得るか、または錠剤、丸剤、もしくはカプセルの形態に処方され得る。
処方物に用いられる活性成分の濃度は、必要とされる有効用量および使用される投与様式に依存する。使用される用量は、有効である活性成分の循環血漿濃度を達成するために充分であるべきである。有効用量は、インビトロまたは動物モデルの試験系由来の用量−応答曲線から外挿され得る。
その上、本発明はさらに、BMP活性を調節または調整するためのフォン・ビルブラント因子の使用を提供する。ニワトリb57(chB57)、ヒトb57(hB57)およびXenopus b57(xB57)、ヒトDANおよびマウスDAN、マウスのケルベロス(cerberus)およびXenopusのケルベロスならにびヒトフォン・ビルブラント因子(VWF)のカルボキシ末端ドメインを整列させることにより(表1を参照)、出願人らは、これらの種々のタンパク質の間に著しい相同性(9つの別々のシステイン残基の保存を含む)を発見した。この著しい相同性を考えれば、フォン・ビルブラント因子はまた、BMP活性を調節または調整するために有用であり得ると期待される。
以下のプロトコルは、高処理能力ヒトb57-BMP結合アッセイのために使用され得る:
A.試薬:
−中性アビジン:PBS中に20μg/ml
−ブロッキング緩衝液:PBS中に5% BSA、0.5% Tween 20;室温にて1時間
−アッセイ緩衝液:100mM KCl、20mM HEPES pH 7.6、1mM MgCl2、1% グリセロール、0.5% NP-40、50mM β-メルカプトエタノール、1mg/ml BSA、プロテアーゼインヒビターのカクテル。
33Pヒトb57タンパク質の10×ストック:200,000〜250,000cpmの標識ヒトb57(Beckmanカウンター)を補充した10-8〜10-6Mの「コールド」ヒトb57。スクリーニングの間、4℃の小型冷蔵庫(microfridge)に置く。
−プロテアーゼインヒビターカクテル(1000×):10mlのPBS中に、10mgのトリプシンインヒビター(BMB番号109894)、10mgのアプロチニン(BMB番号236624)、25mgのベンズアミジン(Benzamidine)(Sigma番号B-6506)、25mgのロイペプチン(BMB番号1017128)、10mgのAPMSF(BMB番号917575)および2mMのNaVO3(Sigma番号S-6508)
−BMP:PBS中に、10-7〜10-4Mのビオチン化BMP
B.アッセイプレートの調製
−1ウェルあたり120μlのストックN-アビジンを用いて、一晩4℃でコートする。
−200μlのPBSを用いて2回洗浄する。
−150μlのブロッキング緩衝液を用いてブロックする。
−200μlのPBSを用いて2回洗浄する。
C.アッセイ
−1ウェルあたり40μlのアッセイ緩衝液を添加する。
−10μlの化合物または抽出物を添加する。
−10μlの33P-b57タンパク質(20〜25,000cpm/0.1〜10pmol/ウェル=10-9〜10-7Mの最終濃度)
−25℃で15分間振とうする。
−さらに45分間25℃でインキュベートする。
−40μlのビオチン化BMP(アッセイ緩衝液中に、0.1〜10pmole/40μl)
−1時間室温でインキュベートする。
−200μlのPBSで4回洗浄することにより反応を停止する。
−150μlのシンチレーションカクテルを添加する。
−トップカウントにおいて計数する。
D.全てのアッセイについてのコントロール(各プレートに配置される)
i.非特異的結合
ii.80%阻害で可溶(非ビオチン化b57)。
以下の実施例は、例示のために提供され、制限のために提供されるのではない。
実施例
1.ヒトb57クローンの配列決定
すでに述べたように、Xenopus cerberus配列データをI.M.A.G.E consortiumのESTデータベースを検索するためのプローブとして使用し、そしてヒトcDNAクローン272074を相同配列を含むと認めた。このクローンはGenome Systems, Inc.(St. Louis, MO)から入手し、そしてABI 373A DNAシークエンサーおよびTaqジデオキシターミネーターサイクルシークエンシングキット(Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA)を用いて配列決定した。ヒトb57をコードするヌクレオチド配列を配列番号1として示し、そしてヒトb57の推定アミノ酸配列を配列番号2として示す。
配列番号1.ヒトb57をコードするヌクレオチド配列
Figure 0004357003
配列番号2.ヒトb57の推定アミノ酸配列
Figure 0004357003
Figure 0004357003
ヒトb57はcerberus(Bouwmeesterら、1996)およびDAN(Enomotoら、1994)を含むタンパク質のファミリーに属する(表1を参照のこと)。これらのb57関連物は、骨形成タンパク質(BMP)ファミリーの異なるメンバーのアンタゴニストとして機能すると仮定されてきた。BMPファミリーは、お互いに種々の程度の相同性を示す多くの異なるメンバーを有し、そしてBMPファミリーは、BMPだけではなく、増殖分化因子(GDF)、トランスフォーミング増殖因子βおよびそのホモログ(TGFβs)、アクチビン、インヒビン、dorsalin、ならびにnodal、vegetal、vegetal関連物、および数種の新しいメンバー(Furutaら、1997)もまた含む。BMPは、多くの異なる生物学的プロセスにおいて重要な役割を演ずることが示され、従ってそれらの活性の天然に存在するアンタゴニストの存在には、大きな興味があり、かつ薬理学的な可能性がある。
BMPアンタゴニストの、cerberus/b57/DANファミリー以外のものとして、BMPに対する数種の他のアンタゴニスト、すなわち、noggin(SmithおよびHarland、1992;Zimmermanら、1996)、chordin(Piccoloら、1996)およびfollistatin(Hemmati-Brivanlouら、1994)が知られている。これらはcerberus/b57/DANファミリーには属さず、そしてこれらはまた、お互いに全く相同性を共有しない。にもかかわらず、nogginおよびchordinはBMP2およびBMP4に結合し、そしてBMPレセプターとの相互作用を遮断することにより、それらの生物学的作用を阻害することが示されている。
本発明者らは、哺乳動物発現系を用いたヒトb57の発現を本明細書中に記載し、そして標準的な実験室の技術(例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual(Sambrookら、Cold Spring Harbor Labobatory)を参照のこと)を用いて、いくつかのタグ化した形態のhb57、例えばhb57-FcΔC1、hb57-FLAG、およびhb57myc3を生成した。hb57をまた、E. coliで発現および再フォールディングさせ、そしてウサギ抗b57ポリクローナル抗血清をそれに対し惹起させた(Quality Controlled Biochemicals, Inc., Hopkinton, Massachusetts, 01748 USAによる契約の下で調製された抗血清#Q-1523-1およびQ-1523-2)。組換えhb57タンパク質を用いて、本発明者らは、hBMP2およびhBMP4に対するhb57の結合、およびnogginがこの相互作用を拮抗する能力を試験した。本発明者らはまた、細胞を基盤にしたアッセイにおいて、hb57がhBMP2の生物学的活性を遮断する能力を試験した。
2.hb57発現プラスミドpRG622の構築
ヒトb57(hb57)の遺伝子をコードするDNAフラグメントを、プライマー、
Figure 0004357003
を用いて、ESTクローンからPCR増幅した。得られた509 bpのフラグメントをBspHIおよびNotIで消化し、次いでpRG536のNcoI-Not I部位に連結した。クローンを同定し、pRG622と名付け、次いでE. coli RFJ143株に形質転換した。構築物は、DNA配列分析により確認した。
3.hb57の精製
pRG622を含むE. coli RFJ143株をLB培地中で増殖させ、そして1 mM IPTGの添加によりhb57の発現を誘導した。誘導された細胞を遠心分離によって収集し、10容量の100 mM Tris-HCl, pH 8.5、20 mM EDTA中で再懸濁し、そしてNiro-Soave Panda細胞破壊器を通過させることにより溶解した。細胞溶解物を遠心分離し、そしてペレットを10容量の9 M尿素、50 mM Tris-HCl, pH 8.5、1 mM EDTA、100 mM Na2SO3、10 mM Na2S4O6中で再懸濁、そして室温で16時間撹拌した。可溶化された封入体を、8 M尿素、20 mM MES, pH 6.0、200 mM NaCl、1 mM EDTAで平衡化したSephacryl S-300カラムで分画した。hb57を含む画分を集め、1 M尿素、50 mM Tris-HCl, pH 8.0、2 M NaCl、0.1 mM EDTA、0.5 mMシステインで10倍希釈した。4℃にて1〜2日インキュベーションの後、再フォールディングしたhb57を、JupiterC5カラムを用いる逆相クロマトグラフィーにより精製した。0.1% TFA中1.3%/分の、30%〜50%のアセトニトリル勾配により、正しく再フォールディングしたタンパク質をカラムから溶出した。hb57を含む画分を集め、減圧下で乾燥させ、そして20 mM Tris-HCl, pH 8.0、150 mM NaCl、0.1 mM EDTA中で再懸濁した。
4.hb57がBMP2およびBMP4に結合することの証明
一つの実施例において、hb57myc3(1 mlのCOS7由来無血清調整培地)をhBMP2(1μg/ml)またはhBMP4(1μg/ml)と共に、ヒトnogginタンパク質(hNGΔB2、10μg/ml)の非存在下または存在下で、同時インキュベーションを行った。hb57とBMPとの間の安定な複合体の形成を、プロテインG-Sepharoseビーズ(Pharmacia)に結合した抗mycモノクローナル抗体(9E10;1μg/ml)を用いて、hb57および会合タンパク質を免疫沈降させることによって決定した。無血清調整培地を20 mM Tris pH 7.6、150 mM NaCl、0.1% Tween 20(TBST)、1 mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)をこれらの試薬の10×濃縮物の添加により作製した後、結合反応をこの培地中で実行した。結合は、反応容量1.1mlで、プロテインG-Sepharoseの懸濁状態を保つように連続的に混合させて、25℃で1時間進行させ、ビーズが遠心沈澱した時点以降に、1回TBSTで洗浄し、新しいエッペンドルフチューブに移し、そしてTBSTで3回洗浄した。ビーズに結合したタンパク質を、25μlのLaemli SDS-PAGE試料緩衝液の添加によって可溶化し、そして4〜12%NuPAGE/MES勾配ゲル(Novex)にロードし、これを還元条件下で泳動した。タンパク質を続いてImmobilon Pに転移させ、そしてそれぞれのタンパク質に対して惹起されたポリクローナル抗血清を用いて、BMP2またはBMP4の存在についてウェスタンブロットした。
図1A〜1Bに見られるように、hb57myc3はhBMP2(図1A、レーン1)およびhBMP4(図1B、レーン1)の両方に結合する。これらの条件下ではある程度の結合の減少が見られたが、この相互作用は1 M NaCl中で安定であるらしい(図1A、レーン2;および図1B、レーン2)。10μgのhNGの添加は完全にこの相互作用を遮断し(図1A、レーン3;および図1B、レーン3)、これはおそらく、hBMP2またはhBMP4に結合すること、およびそれらがhb57myc3に結合する能力を遮断することによる。さらに、hb57myc3が反応から除外された場合には、hBMP2またはhBMP4のビーズへの結合は見られなかった(図1A、レーン6;および図1B、レーン6)。このことは、hBMP2またはhBMP4のビーズへの非特異的な結合はなく、そして観察された結合はhb57依存的であることを示す。異なるタグ化形態のhb57を使用して、そしてまた、20 mM Tris-HCl, pH 7.6、200 mM KCl、0.1% Nonidet P=40、1 mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)を含む異なる緩衝液系を使用して、同一の結果が得られていることに留意すべきである。比較のために、また、ポジティブコントロールとして、hBMP2およびhBMP4をまた、hNGΔB2Fc(hNGムテインhNGΔB2のFcタグ化形態)に結合するそれらの能力について試験した。hBMP2およびhBMP4の両方が、以前に得られた結果(Zimmermanら、1996)と一致して、hNGΔB2Fcに結合し(図1A、レーン4;および図1B、レーン4)、そして相互作用は、タグ化されていないhNGの添加により遮断された(図1A、レーン5;および図1B、レーン5)。まとめると、これらの結果は、hb57によって認識されるhBMP2およびhBMP4上のエピトープが同じか、またはnogginによって認識されるエピトープとオーバーラップしているか、または、あるいはnogginのhBMP2およびhBMP4への結合が、hb57の結合を立体的に遮断していることを示す。
5.hb57がBMP生物学的活性を遮断することの証明
別の実施例において、E. coliにおいて発現され、再フォールディングされたhb57を、C2C12マウス多能性間葉前駆細胞株中でhBMP2の生物学的活性を遮断する能力について試験した。C2C12細胞は、BMP2およびBMP4に応答することが示されている(Katagiriら、1994)。この応答の一つの特徴は、アルカリ性ホスファターゼの発現のアップレギュレーションであり、その活性は、細胞または細胞溶解物中で、比色定量基質を使用して容易に測定され得る。図2に示すように、C2C12細胞は、約200 ng/ml hBMP2で最大応答が、そして最小の応答が約10 ng/ml hBMP2で得られるように、hBMP2と応答する(見かけのEC50は70 ng/mlである)。この応答を遮断するhb57の能力を、1μg/mlで開始するhBMP2の用量反応を行う間に、異なった量(3μg/ml、または1μg/ml、または0.3μg/ml)のhb57の同時インキュベーションによって試験した。図2に見られ得るように、3μg/mlのhb57の包含は、0.5μg/mlで使用した場合、hBMP2応答の完全な遮断を導く。1μg/mlのhb57を使用すると、hBMPが約0.3μg/mlの場合にhBMP2応答の約50%阻害、およびhBMPが約0.12μg/mlの場合に完全な阻害が見られる。BMP2刺激されたC2C12におけるアルカリ性ホスファターゼの誘導の遮断は、b57による増殖の阻害に起因したのではなかったことを確認するために、同一に処理したプレートを、細胞の増殖を測定するMMTアッセイ(Mosmann, 1983)に供した。hb57処理による細胞増殖への影響は見られなかった。このことにより、このアッセイにおいて、アルカリ性ホスファターゼ発現の阻害は、hBMP2活性の遮断に起因することが示される。従って、hb57はBMP2活性の強力なアンタゴニストであり、そしてこれは、BMP2に直接結合すること、およびその生物学的作用を遮断することによって、この効果を仲介するようである。結合の結果と総合すると、hb57はまたhBMP4の活性をも遮断することが仮定される。
Xenopus b57(Gremlin)をまた、サイトカインアッセイにおいて、精製BMP-2の活性を拮抗するその能力について試験した。マウス骨髄間質細胞株W-20-17は、BMP処理に応じたアルカリ性ホスファターゼの誘導によるBMP活性についての直接的、定量的なバイオアッセイを提供する(Thiesら、Endocrinology 130: 1318-24(1992))。精製したBMP-2を最終濃度約83nM GremlinのGremlin COS上清とプレインキュベーションすると、用量78pM〜5nMでBMP-2活性を完全に遮断した。約21nM グレムリンにおいて、BMP-2活性は減少し、しかし除去はされなかった(図3を参照のこと)。偽のトランスフェクトされたCOS上清には効果がなかった。同様の結果がBMP-4で得られた。
6.hb57の組織発現
本発明者らは、異なる成人組織から調製したRNAの分析によってヒトb57の発現を試験した。表2は、試験された組織およびこれらの組織で検出されたhb57の発現のレベルを列挙する。これほどの多くの異なる組織におけるhb57の発現は、それが生物的に重要な役割を演じていることを示す。この仮説を支持する証拠の一端は、ラットのhb57ホモログであるdrm(Topolら1997)の発現が形質転換細胞においてダウンレギュレートされることである。同様の観察は、b57に対する相同性により関連されるDAN(Ozakiら、1995;Ozakiら、1996;Enomotoら、1994)に対してなされた。
Figure 0004357003
7.実施例2〜6の材料および方法
a.結合アッセイ:
結合は、20 mM Tris pH7.6、150 mM NaCl、0.1% Tween 20(TBST)、1 mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)中で、25℃で連続的な混合により行った。抗myc9E10モノクローナル抗体またはFcタグ化hNGΔB2Fcのいずれかを捕捉するために、プロテインG-Sepharose(G-Se)を使用した。非特異的に結合したタンパク質をTBSTを用いて1回洗浄し、次いでG-Seビーズを新しいチューブに移し、そしてもう3回TBSTで洗浄することにより、ビーズから除去した。結合したhBMP2およびhBMP4を、抗hBMP2または抗hBMP4ポリクローナル抗血清を用いるウェスタンブロッティングによって可視化した。
b.抗hBMP2および抗hBMP4ウェスタン:
抗体は、組換えhBMP2またはhBMP4で免疫したウサギに由来した。抗体調製物は放血したウサギからの全血清であった。
1.5%脱脂粉乳(NFDM)を含む20 mM Tris pH7.6、150 mM NaCl、0.1% Tween 20(TBST)中で、1時間以上フィルターをブロックする。
2.2.5% NFDM/TBST中で1時間、1:20,000希釈で抗hBMP2または1:10,000希釈で抗hBMP4を用いてプローブ(probe)する。
3.TBSTで各回10分間、3回洗浄する。
4.2.5% NFDM/TBST中で1時間、抗ウサギIgG・HRPO結合体化2 o (Rockland, Inc.)50 ng/ml(1:20,000希釈)を用いてプローブする。
5.TBSTで各回10分間、3回洗浄する。
6.TBS(Tween-20なし)で各回5〜10分間、3回洗浄する。
7.ECLを行う(Pierce)。
c.C2C12バイオアッセイプロトコール((Katagiriら、1994)を改変)
1.DMEM+15%FBS+Pen/Str+グルタミン中で、96ウェルプレートにC2C12を500細胞/ウェルで播種する。重要:トリプシン処理の間およびプレーティングに先だって、細胞は単一分散しなければならない。細胞の塊は、誤った結果および応答における可変性を与える。
2.翌日BMPおよび他の因子を各々のウェルに加える。
重要点:
a.C2C12はBMP2およびBMP4に応答する。細胞をこれらの因子と共に3日間インキュベートする場合、1〜2μg/mlで最大の応答が得られ得る。バックグラウンド以上の応答は、10 ng/mlで見られる。細胞をBMPと共に4日間インキュベートする場合、1 ng/ml程度の少ない濃度で応答が見られ、そして最大応答は300 ng/mlで得られる。4日間のインキュベーション期間の間、培地の交換は必要ない。
b.BMP2およびBMP4の両方に対するインキュベーションは、各々の因子単独の等価量として予想される、上記の付加的な応答を導かない。
c.BMP2またはBMP4の希釈は、どちらも直接的にアッセイ培地中で行われなければならない(濃度が10μg/ml以下に保たれる限りにおいて)。
d.BMP2およびBMP4に対する応答は、等モル量のヒトnogginの添加によって遮断され得る。
3.使用するBMPのレベルに依存して、3〜4日間インキュベートする。
4.培地を吸引し、PBSで1回洗浄し、ウェルあたり0.05 mlのddH2Oを加える。翌日まで-20℃にて凍結するか、またはステップ5に進む。
5.3回凍結-融解を行って細胞を溶解させる。このためにドライアイストレーが使用され得る。
6.0.05 mlの2×Alk-Phos基質/緩衝液混合物(Sigma N2720)を加える。
7.展開を続ける-通常約40分を要する。50% w/v NaOH溶液を使用することにより各々のウェル中のpHを14に移すことにより、展開を停止する。
8.A405を測定する。
d.ノーザン分析
I.プローブ調製
1.NgoMIおよびBglIIを用いて、20μgのプラスミドpCAE304(pMT21.hb57)を制限処理する。
2.486 bpフラグメント(約2μg)をゲル精製し、そして100μlのddH2Oに溶出する。
3.Prime-It II Random Primer Labeling Kit(Stratagene)を用いて、次のプロトコールに従ってプローブを標識する:
a.4μlの精製したhb57フラグメント+20μl H2O+10μl ランダムオリゴヌクレオチドプライマーを、チューブ内で混合する。
b.反応チューブを、沸騰湯浴中で5分間熱処理し、次いで室温に放置する。
c.10μlの5×dCTPプライマー緩衝液+5μlの[α-32P]dCTP+1μl Exo(-)クレノウ酵素(5u/μl)をチューブ内に添加する。
d.チューブを37〜40℃で30分間インキュベートする。
4.標識したプローブをMicroSpinカラム(Pharmacia Biotech)を用いて精製する。
II.ヒト多組織ノーザン(MTN)ブロット(CLONTECH)のノーザンブロッティング:
1.20 mlのPreHyb溶液+ssDNA(10μl/ml)中で、65℃において2時間以上、ハイブリダイゼーションオーブンを使用して、ブロットをプレハイブリダイズする。
2.標識したプローブを95℃で5分間変性させ、すぐにチューブを氷上に置く。
3.プローブをPreHyb溶液に直接添加し、65℃で一晩、ブロットにハイブリダイズさせる。
4.ブロットを100 mlの2×SSC+0.1%SDSで、65℃において2回、それそれ1時間ずつ洗浄する。
5.ブロットをフィルムに曝露する。
e.文献
Figure 0004357003
Figure 0004357003
Figure 0004357003
前述の本発明は幾分詳細に例示の目的で記載され、および理解の明確化のために実施例を記載したが、ある変更および改変が、添付の請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくそこになされ得ることは、本発明の教示を考慮して当業者に容易に明らかである。

Claims (25)

  1. 以下:
    (a)配列番号1に示されるヒトb57のコード領域を含む、ヌクレオチド配列;
    (b)(a)のヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、そして、骨形成タンパク質BMP2およびBMP4に結合して該骨形成タンパク質BMP2およびBMP4の活性をブロックするための生物学的活性を有する分子をコードする、ヌクレオチド配列;および、
    (c)配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列、
    からなる群から選択される配列を有し、該BMP2およびBMP4の活性は、アルカリ性ホスファターゼの発現をアップレギュレートすることである、哺乳動物b57をコードする単離された核酸分子。
  2. 請求項1に記載の核酸分子を含むベクター。
  3. 請求項2に記載のベクターであって、前記核酸分子が宿主細胞中の発現を指向し得る発現制御配列に作動可能に連結される、ベクター。
  4. プラスミドである、請求項2または3に記載のベクター。
  5. 請求項1に記載の核酸によってコードされる、単離されたタンパク質。
  6. 単離されたヒトb57タンパク質であって、
    (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するか、または
    (b)骨形成タンパク質BMP2およびBMP4に結合して、該BMP2およびBMP4の活性をブロックするための生物学的活性を有し、該BMP2およびBMP4の活性は、アルカリ性ホスファターゼの発現をアップレギュレートすることであり、そして(a)に記載のアミノ酸配列に1または数個のアミノ酸欠失を有するアミノ酸配列を有する、タンパク質。
  7. 宿主細胞中に請求項2または3に記載のベクターを含む、宿主ベクター系。
  8. 請求項7に記載の宿主ベクター系であって、前記宿主細胞が細菌、酵母、昆虫または哺乳動物細胞である、宿主ベクター系。
  9. 請求項5または6に記載のタンパク質を産生するための方法であって、タンパク質の産生を許容する条件下で請求項7または8の宿主ベクター系の細胞を増殖させる工程、およびそのように産生されたタンパク質を回収する工程を包含する、方法。
  10. 請求項5または6に記載のタンパク質に特異的に結合する抗体。
  11. モノクローナル抗体である請求項10に記載の抗体。
  12. ポリクローナル抗体である請求項10に記載の抗体。
  13. 請求項5または6に記載のタンパク質およびキャリアを含む、組成物。
  14. 請求項10、11または12に記載の抗体およびキャリアを含む、組成物。
  15. 請求項9に記載の方法によって産生されるタンパク質。
  16. 免疫グロブリン定常領域へ融合する請求項5または6に記載のタンパク質を含む、融合タンパク質。
  17. 請求項16に記載の融合タンパク質であって、免疫グロブリン定常領域がヒトIgG1のFc部分である、融合タンパク質。
  18. ヒトまたは動物身体の処置方法における、または診断方法における使用のための、請求項5もしくは6に記載のタンパク質、請求項10、11もしくは12に記載の抗体、請求項13もしくは14に記載の組成物、または請求項16もしくは17に記載の融合タンパク質。
  19. 骨形成タンパク質(BMP)の機能を拮抗するための使用のための医薬の製造における、請求項5または6に記載のタンパク質の使用であって、該BMPはBMP2またはBMP4である、使用。
  20. 前記タンパク質がヒトb57である、請求項19に記載の使用。
  21. 動物のBMP関連障害を予防または処置するための医薬の製造における、請求項19に記載の使用であって、該BMP関連障害が、異常な骨成長または進行性骨化性線維形成異常(FOP)である、使用。
  22. ヒトの処置のための請求項21に記載の使用。
  23. 前記異常な骨成長が股関節置換手術後に生じる、請求項22に記載の使用。
  24. 前記異常な骨成長が外傷、熱傷もしくは脊髄傷害後、または転移性前立腺ガンまたは骨肉種とともに生じる、請求項22に記載の使用。
  25. 骨形成タンパク質(BMP)の機能を拮抗するための組成物であって、請求項5または6に記載のタンパク質を含有し、該BMPはBMP2またはBPM4である、組成物。
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