JP2003526369A - 新規ポリヌクレオチドおよび同一物をコードする核酸 - Google Patents

新規ポリヌクレオチドおよび同一物をコードする核酸

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ムラリダラ パディガル,
コリーヌ エイ. エム. バーネット,
エルマ フェルナンデス,
リチャード エイ. シムケッツ,
スティーブン ケイ. スパデルナ,
クムド マジュンダー,
リ リ,
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キュラジェン コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規の単離されたNOVXポリヌクレオチドおよびNOVXポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを提供する。NOVXポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体、またはNOVXのポリペプチド、ポリヌクレオチドもしくは抗体の、任意の誘導体、改変体、変異体もしくはフラグメントがまた、提供される。本発明はさらに、NOVXのポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび抗体を、広範な病理学的状態の検出および処置に利用する方法、ならびに他の用途を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、一般的に、核酸およびそれによってコードされるポリペプチドに関
する。
【0002】 (発明の背景) 本発明は、一般的に、核酸およびそれによってコードされるポリペプチドに関
する。より詳細には、本発明は、細胞質、核、膜結合、および分泌されたポリペ
プチドをコードする核酸、ならびにこれらの核酸およびポリペプチドを産生する
ためのベクター、宿主細胞、抗体および組換え方法に関する。
【0003】 (発明の要旨) 本発明は、一部は新規なポリペプチドをコードする新規なポリヌクレオチド配
列の発見に基づく。
【0004】 従って、一つの局面において、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11
、13、15、17、19または21の配列、あるいはそれらのフラグメント、
ホモログ、アナログまたは誘導体を含む単離された核酸分子を提供する。この核
酸は、例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20
または22のアミノ酸配列を含むポリペプチドに少なくとも85%同一なポリペ
プチドをコードする核酸配列を含み得る。この核酸は、例えば、ゲノムDNAフ
ラグメント、またはcDNA分子であり得る。
【0005】 本明細書中に記載される核酸の一つ以上を含むベクター、および本明細書中に
記載されるベクターまたは核酸を含む細胞もまた、本発明に含まれる。
【0006】 本発明はまた、上記核酸分子のいずれかを含むベクターを用いて形質転換され
た宿主細胞に関する。
【0007】 別の局面において、本発明は、NOVX核酸および薬学的に受容可能なキャリ
アまたは希釈剤を含む薬学的組成物を含む。
【0008】 さらなる局面において、本発明は、実質的に精製されたNOVXポリペプチド
(例えば、NOVX核酸によってコードされるNOVXポリペプチド、ならびに
そのフラグメント、ホモログ、アナログ、および誘導体のいずれか)を含む。本
発明はまた、NOVXポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアまたは希
釈剤を含む薬学的組成物を含む。
【0009】 なおさらなる局面において、本発明は、NOVXポリペプチドに特異的に結合
する抗体を提供する。この抗体は、例えば、モノクローナル抗体またはポリクロ
ーナル抗体、ならびにそれらのフラグメント、ホモログ、アナログ、および誘導
体であり得る。本発明はまた、NOVX抗体および薬学的に受容可能なキャリア
または希釈剤を含む薬学的組成物を含む。本発明はまた、上記核酸分子のいずれ
かによってコードされるポリペプチドのエピトープに結合する単離された抗体に
関する。
【0010】 本発明はまた、上記薬学的組成物のいずれかを含むキットを含む。
【0011】 本発明はさらに、NOVX核酸(例えば、NOVX核酸を含むベクター)を含
む細胞を提供し、そしてこの核酸によってコードされるNOVXポリペプチドを
発現するのに十分な条件下でこの細胞を培養することによってNOVXポリペプ
チドを産生するための方法を提供する。次いで、発現されたNOVXポリペプチ
ドは、細胞から回収される。好ましくは、この細胞は、ほとんどまたは全く内因
性のNOVXポリペプチドを産生しない。この細胞は、例えば、原核生物細胞ま
たは真核生物細胞であり得る。
【0012】 本発明はまた、サンプルをポリペプチドまたは核酸に特異的に結合する化合物
と接触させ、そして存在する場合、複合体形成を検出することによって、このサ
ンプル中のNOVXポリペプチドまたはNOVX核酸を同定する方法に関する。
【0013】 本発明はさらに、NOVXポリペプチドを化合物と接触させ、そしてNOVX
ポリペプチドの活性が改変されるか否かを決定することによって、NOVXポリ
ペプチドの活性を調節する化合物を同定する方法を提供する。
【0014】 本発明はまた、NOVXポリペプチドを化合物と接触させること、およびその
化合物が、NOVXポリペプチドの活性を改変するか、NOVXポリペプチドに
結合するか、またはNOVXポリペプチドをコードする核酸分子に結合するかを
決定することによって同定される、NOVXポリペプチド活性を調節する化合物
に関する。
【0015】 別の局面において、本発明は、被験体のNOVX関連障害の存在またはこの障
害の素因を決定する方法を提供する。この方法は、被験体からサンプルを提供す
る工程、およびこの被験体サンプル中のNOVXポリペプチドの量を測定する工
程を包含する。次いで、被験体サンプル中のNOVXポリペプチドの量を、コン
トロールサンプル中のNOVXポリペプチドの量と比較する。コントロールタン
パク質サンプル中のNOVXポリペプチドの量と比較した、被験体のタンパク質
サンプル中のNOVXポリペプチドの量における変化は、この被験体が、組織増
殖関連状態を有することを示す。コントロールサンプルは、好ましくは、対等の
個体(すなわち、年齢、性別、または他の一般的状態が類似するが、組織増殖関
連状態を有することが疑われていない個体)から取られる。あるいは、コントロ
ールサンプルは、被験体が組織増殖関連障害を有すると疑われていないときのそ
の被験体から取られ得る。いくつかの実施形態において、NOVXは、NOVX
抗体を使用して検出される。
【0016】 さらなる局面において、本発明は、被験体のNOVX関連障害の存在またはこ
の障害の素因を決定する方法を提供する。この方法は、核酸サンプル(例えば、
RNAまたはDNAまたはその両方)を被験体から提供する工程、および被験体
の核酸サンプル中のNOVX核酸の量を測定する工程を包含する。次いで、被験
体核酸中のNOVX核酸サンプルの量を、コントロールサンプル中のNOVX核
酸の量と比較する。コントロールサンプル中のNOVXの量と比較した、サンプ
ル中のNOVX核酸の量における変化は、この被験体がNOVX関連障害を有す
ることを示す。
【0017】 なおさらなる局面において、本発明は、NOVX関連障害を処置するかまたは
予防するかまたは遅延させる方法を提供する。この方法は、このような処置また
は予防または遅延が所望される被験体に、NOVX核酸、NOVXポリペプチド
、またはNOVX抗体を、被験体のNOVX関連障害を処置、予防、または遅延
するのに十分な量で投与する工程を包含する。
【0018】 他に規定しない限り、本明細書中で使用される全ての技術的用語および科学的
用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって共通して理解されるのと同じ
意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または等価な方法
または材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法お
よび材料は以下に記載される。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許出
願、特許、および他の文献は、その全体が参考として援用される。矛盾する場合
には、定義を含む本明細書が優先される(control)。さらに、材料、方
法、および実施例は、例示のみであって限定することを意図しない。
【0019】 本発明の他の特徴および他の利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲
から明らかとなる。
【0020】 (発明の詳細な説明) 本発明は、新規なヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチド
を提供する。新規な核酸配列およびそれらのポリペプチドが本発明に含まれる。
それらの配列は、集合的に「NOVX核酸」または「NOVXポリヌクレオチド
」と呼ばれ、そして対応するコードされるポリペプチドは、「NOVXポリペプ
チド」または「NOVXタンパク質」と呼ばれる。他に示されない場合、「NO
VX」は、本明細書中に開示された新規な配列のいずれかをいうことを意味する
。表1は、NOVX核酸およびそれらがコードするポリペプチドの一覧を提供す
る。実施例1は、新規な核酸がどのように同定されたかの記載を提供する。
【0021】
【表1】 NOVX核酸およびそれらがコードするポリペプチドは、種々の用途および内
容において有用である。本発明に従う種々のNOVX核酸およびNOVXポリペ
プチドは、先に記載されたタンパク質に対するドメインおよび配列の関連性の存
在に従って、タンパク質ファミリーの新規なメンバーとして有用である。さらに
、NOVX核酸およびNOVXポリペプチドはまた、NOVXポリペプチドが属
するファミリーのメンバーであるタンパク質を同定するために使用され得る。
【0022】 例えば、VOVX1〜3は、細胞形状および細胞移動を決定するのに重要であ
るタンパク質のコラーゲンファミリーのメンバーに対して相同性である。従って
、本発明に従うNOV1〜3核酸およびNOV1〜3ポリペプチド、NOV1〜
3抗体および関連する化合物は、変更された細胞運動性、細胞増殖および細胞移
動によって特徴付けられる障害(例えば、癌、新脈管形成および創傷治癒)にお
ける治療的用途ならびに診断的用途において有用である。
【0023】 NOV4はまた、膜電位を維持し、そしてニューロンにおいて電気的興奮性を
調節する全ての真核生物細胞に存在するタンパク質のカリウムチャンネルファミ
リーのメンバーに対して相同性である。従って、本発明に従うNOV4核酸およ
びNOV4ポリペプチド、NOV4抗体および関連する化合物は、神経学的障害
(例えば、挿間運動失調(episodic ataxia)、常染色体優性筋
波動症(autosomal dominant myokymia)、発作、
パーキンソン病、およびアルツハイマー病)における治療的用途ならびに診断的
用途において有用である。
【0024】 さらに、NOVX5〜7は、エナメル質鉱化作用(enamel miner
alization)に重要なタンパク質のチュフテリン(tuftelin)
ファミリーのメンバーに対して相同性である。従って、本発明に従うNOV5〜
7核酸およびNOV5〜7ポリペプチド、NOV5〜7抗体および関連する化合
物は、エナメル質欠損によって特徴付けられる障害(例えば、エナメル質形成不
全症)およびエナメル質欠損に関する他の障害(発育不全および欠損鉱化作用(
hypomineralization)を含む)における治療的用途ならびに
診断的用途において有用である。
【0025】 またさらに、NOV8は、腫瘍随伴性の神経学的障害に重要であるニューロン
抗原様タンパク質のファミリーに対して相同性である。従って、本発明に従うN
OV8核酸およびNOV8ポリペプチド、NOV8抗体および関連する化合物は
、腫瘍随伴性の神経学的障害(例えば、精巣癌の間に生じる腫瘍随伴性の脳幹の
辺縁系脳炎)によって特徴付けられる障害における治療的用途ならびに診断的用
途において有用である。
【0026】 また、NOV9〜10は、ケラチノサイト分化に重要である脂肪酸結合タンパ
ク質のファミリーに対して相同性である。従って、本発明に従うNOV9〜10
核酸およびNOV9〜10ポリペプチド、NOV9〜10抗体および関連する化
合物は、異常なケラチノサイト分化によって特徴付けられる障害(例えば、損傷
性の乾癬皮膚(lesional psoriatic skin))における
治療的用途ならびに診断的用途において有用である。
【0027】 最後に、NOV11は、真核生物細胞を不適切なタンパク質分解から保護する
のに重要であるシスタチン(cystatin)様タンパク質のファミリーに対
して相同性である。従って、本発明に従うNOV11核酸およびNOV11ポリ
ペプチド、NOV11抗体および関連する化合物は、不適切なタンパク質分解に
よって特徴付けられる障害(例えば、アテローム硬化症および腹大動脈瘤)にお
ける治療的用途ならびに診断的用途において有用である。
【0028】 NOVX核酸およびNOVXポリペプチドはまた、NOVX活性または機能を
阻害するかまたは高める分子をスクリーニングするために使用され得る。詳細に
は、本発明に従う核酸およびポリペプチドは、例えば、神経発生、細胞分化、細
胞運動性、細胞増殖、造血、創傷治癒および新脈管形成を調節するかまたは阻害
する低分子の同定のための標的として使用され得る。
【0029】 本発明に従うNOVX核酸およびNOVXポリペプチドについてのさらなる有
用性は、本明細書中に開示される。
【0030】 (VOV1) 本発明に従うNOV1配列は、タンパク質のコラーゲンファミリーに関連する
ポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV1核酸は、膵臓、唾液腺、肺
および肺腫瘍において発現される。NOV1核酸およびそれにコードされるポリ
ペプチドは、表2に示される配列を含む。開示された核酸(配列番号1)は、1
,949ヌクレオチド長であり、そしてオープンリーディングフレーム(ORF
)(ヌクレオチド750〜752のATG開始コドンで始まり、かつヌクレオチ
ド1644〜1646のTAG停止コドンで終わる)を含む。代表的なOPFは
、30,657.2ダルトン(Da)の推定分子量を有する298アミノ酸ポリ
ペプチド(配列番号2)をコードする。NOV1ポリペプチドのPSORT分析
は、0.4500の確実性で細胞質タンパク質を予測する。N末端シグナル配列
は明らかに存在しない。コード配列の上流および下流の推定未翻訳領域は、配列
番号1において下線を付している。
【0031】
【表2】 NOV1ポリペプチドは、ヒトコラーゲンIα型(EMBL登録番号:CAA
67261)と相同性(33%同一)を有し、そしてStrongylocen
trotus purpuratus(ムラサキウニ)α−1コラーゲン(EM
BL登録番号:Q26634)と相同性(31%同一)を有する。NOV1ポリ
ペプチドの領域はまた、表38に示されるようなヒトポリペプチド配列ORF6
52(OPFX;PAtP登録番号:B40888)と高度な相同性(100%
同一)を有する。
【0032】
【表3】 (NOV2) 本発明に従うNOV2配列は、タンパク質のコラーゲンファミリーに関連する
ポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV2核酸は、膵臓、唾液腺、肺
および肺腫瘍において発現される。NOV2核酸およびそれにコードされるポリ
ペプチドは、表3に示される配列を含む。開示された核酸(配列番号3)は、2
,092ヌクレオチド長であり、そしてオープンリーディングフレーム(ORF
)(ヌクレオチド767〜769のATG開始コドンで始まり、かつヌクレオチ
ド1616〜1618のTAG停止コドンで終わる)を含む。代表的なOPFは
、29,009.5ダルトン(Da)の推定分子量を有する283アミノ酸ポリ
ペプチド(配列番号4)をコードする。NOV2ポリペプチドのPSORT分析
は、0.4500の確実性で細胞質タンパク質を予測する。N末端シグナル配列
は明らかに存在しない。コード配列の上流および下流の推定未翻訳領域は、配列
番号3において下線を付している。
【0033】
【表4】 NOV2ポリペプチドは、ヒトコラーゲンIα型(EMBL登録番号:CAA
67261)と相同性(33%同一)を有し、そしてStrongylocen
trotus purpuratus(ムラサキウニ)α−1コラーゲン(EM
BL登録番号:Q26634)と相同性(31%同一)を有する。NOV2ポリ
ペプチドの領域はまた、ヒトポリペプチド配列ORF652(OPFX;PAt
P登録番号:B40888)と高度な相同性(100%同一)を有する。
【0034】 (NOV3) 本発明に従うNOV3配列は、タンパク質のコラーゲンファミリーに関連する
ポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV3は、実施例2に記載される
ように同定され、そして少なくともリンパ組織、哺乳動物の腺/***組織、膵臓
および唾液腺に存在する。NOV3核酸およびそれにコードされるポリペプチド
は、表4に示される配列を含む。開示された核酸(配列番号5)は、1,011
ヌクレオチド長であり、そしてオープンリーディングフレーム(ORF)(ヌク
レオチド31〜33のATG開始コドンで始まり、かつヌクレオチド925〜9
27のTAG停止コドンで終わる)を含む。代表的なOPFは、29,009.
5ダルトン(Da)の推定分子量を有する298アミノ酸ポリペプチド(配列番
号6)をコードする。NOV2ポリペプチドのPSORT分析は、0.4500
の確実性で細胞質タンパク質を予測する。N末端シグナル配列は明らかに存在し
ない。コード配列の上流および下流の推定未翻訳領域は、配列番号5において下
線を付している。
【0035】
【表5】 NOV3ヌクレオチド配列の1つ以上の共通位置(Conc.Pos.)は、
表5に示されるようなSNPとして同定されている。「深さ」は、SNPの領域
を覆うクローンの数を示す。推定対立遺伝子頻度(Putative Alle
le Freq.)は、SNPを含む全てのクローンの画分である。記号「>」
は「に変えられる(is changed to)」を意味する。
【0036】
【表6】 NOV3ポリペプチドは、ヒトコラーゲンIα型(EMBL登録番号:CAA
67261)と相同性(33%同一)を有し、そして表6に示されるようにSt
rongylocentrotus purpuratus(ムラサキウニ)α
−1コラーゲン(COLa1;EMBL登録番号:Q26634)と相同性(3
1%同一、39%類似)を有する。NOV3ポリペプチドの領域はまた、ヒトポ
リペプチド配列ORF652(OPFX;PAtP登録番号:B40888)と
高度な相同性(99%同一)を有する。
【0037】
【表7】 NOV1〜3は、タンパク質のコラーゲンファミリーの新しいメンバーである
。NOV1〜3は、表7に示されるように互いの間に高度な相同性を有し、従っ
てタンパク質のコラーゲンファミリーの新しいサブファミリーを示す。コラーゲ
ンは、結合組織の主要な構造的糖タンパク質である。独特の一次構造および様々
な翻訳後修飾反応は、正常な原線維発生に必要とされる。翻訳後修飾としては、
プロリル残基およびリシル残基のヒドロキシル化、グリコシル化、3重らせん構
造への分子の折りたたみ、前駆体プロコラーゲンのコラーゲンへのタンパク質分
解性変換、ならびに特定のリシル残基およびヒドロキシリシル残基の酸化的脱ア
ミノ反応が挙げられる。コラーゲン分子の合成および分泌またはこれらの分子の
細胞外線維へ堆積を招く正常な機構における任意の欠損は、異常な原線維発生を
生じ得た;このような欠損は、結合組織疾患を生じ得た。最近、合成されたコラ
ーゲンの型の調節および翻訳後修飾に関する酵素における欠損は、結合組織の遺
伝性疾患において見出されている。ある程度まで、ヒトにおけるコラーゲン代謝
の主たる遺伝性障害としては、エーレルス−ダンロー症候群VI型におけるリシ
ルヒドロキシラーゼ欠損、エーレルス−ダンロー症候群VII型におけるp−コ
ラーゲンペプチド欠損、エーレルス−ダンロー症候群IV型におけるIII型コ
ラーゲン合成の減少、S−連鎖(S−linked)弛緩性皮膚およびエーレル
ス−ダンロー症候群V型におけるリシルオキシダーゼ欠損、ならびに骨形成不全
症におけるI型コラーゲン合成の減少が挙げられる(PMID:1448、UI
:76096101を参照のこと)。
【0038】 独特なコラーゲンサブタイプは、特異的な細胞表面レセプターによって認識さ
れる。最も公知のコラーゲンレセプターのうちの2つは、インテグリンファミリ
ーのメンバーであり、そしてα1β1およびα2β1と呼ばれる。インテグリン
α1β1は、平滑筋細胞上に豊富にあり、一方α2β1インテグリンは、上皮細
胞および血小板上の主要なコラーゲンレセプターである。多くの細胞型(例えば
、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、内皮細胞、およびリンパ球)は、このレセ
プターの両方を付随して発現し得る。さらに、この2つのレセプターは、独特な
シグナル伝達経路に接続され、そしてそれらの連結は、反対の細胞性応答を導き
得る(例えば、PMID:10963992を参照のこと)。
【0039】 結合組織は、外部ストレスおよび内部ストレスに対して形状を維持する。これ
らは、基本的形成単位が、細胞によって分泌される前駆分子に保有される情報に
基づいて、複雑性および相互作用を増加する層に集まる、分子階級組織である。
コラーゲン原線維は、そのアミノ酸配列によって制御される十分に理解された自
己凝集の目的産物であるが、原線維間無定形基質は、そこに溶解している特徴的
なグリコサミノグリカンの一次構造によって規定される類似の凝集によって構成
されているとして、これまでは見られていない。形態計測および立体解析学を用
いる透過型電子顕微鏡は、組織におけるそれらの存在を実証してきた。核磁気共
鳴は、これらの二次構造を規定し、回転式シャドーイング電子顕微鏡は、インビ
トロにおけるそれらの凝集を描写し、そして分子動力学刺激は、どのようにして
後者が前者から生じ得るかを示した。凝集の推進力は、疎水性および親水性結合
、ポリアニオンの電荷間の静電的相反によって相殺される。凝集の相対的な安定
性は、このバランスによって、それゆえそれらの電荷の位置および数(特に、硫
酸エステル基)によって決定される。角膜支質は、コラーゲン原線維の系であり
、透明度を保証するように高度に整列され、ここで、グリコサミノグリカン凝集
は、全ての結合組織において類似点を有する様式で、基準として整理された間隔
を決定するために提案されている(PMID:1612287、UI:9230
7242を参照のこと)。
【0040】 近年の生化学的および免疫組織化学的研究は、ヘパラン硫酸プロテオグリカン
、2つの高分子量糖タンパク質(フィブロネクチンおよびラミニン)、および2
つのコラーゲン型(IV型およびV型)を含む、基底膜のいくつかの成分を記載
している。これらのコラーゲンは、間質に位置する他の型と区別されるいくつか
の特性を有する:(a)IV型は、無定形のフェルト様マトリクスを形成し、そ
してIVまたはVのいずれも、大きく、バンドが交差した原線維において見出さ
れない、(b)両方とも、疎水性アミノ酸の含有量が増加している、(c)前駆
(プロ)形態は、間質性コラーゲンよりも大きい、(d)IV型は、三重へリッ
クス内に中断を有する、そして(e)IVおよびVは共に、ヒト皮膚コラゲナー
ゼに対して耐性であるが、マスト細胞、マクロファージ、および顆粒球由来の選
択された中性プロテアーゼのための基質である。免疫蛍光染色によって、IVコ
ラーゲンは、毛細管の真皮−上皮結合部における基底膜およびより大きい血管に
おける内皮細胞の下に局在化していた。超微細構造的に、基底膜緻密層の特定の
成分であることが示された。V型コラーゲンは、いくつかの細胞型の細胞周囲マ
トリクスに局在化し、そして基底膜に密接に関連する膜外性構造に特異的であり
得る。細胞外マトリクスと関連し得る他のコラーゲンタンパク質が、記載されて
いる。これらのうちの1つは、培養中の内皮細胞によって分泌され、そしてペプ
チドマッピングによって新規のコラーゲン型を示す。これは、無アスコルビン酸
条件下で分泌され、そしてタンパク質分解に対して高度に感受性である。動力学
的な相互主義が、細胞と、細胞の形状、生合成、移動、および接着を部分的に決
定するそれらの細胞外マトリクスとの間に存在することが提案されてきた。これ
らの現象のいくつかにおける表現型調節の例は、異なる基質で増殖される内皮細
胞を用いて示され、そして異なる血管環境から単離される(例えば、PMID:
7045245、UI:82215350を参照のこと)。
【0041】 NOV1−3は、コラーゲンファミリーの新しいサブファミリーを示す。NO
V1−2を使用して、膵臓、唾液腺、肺および肺腫瘍を検出し得、そしてNOV
3を使用して、少なくともリンパ様組織、乳腺/***組織、膵臓および唾液腺を
検出し得る。NOV1−3は、コラーゲンタンパク質ファミリー内に含まれる遺
伝子の発現における変化を決定するのに有用である。NOV1−3は、コラーゲ
ン関連タンパク質のメンバーの発現における変更に関連する障害の処置において
有用である新しい診断組成物または治療組成物を提供することによって、当該分
野における必要性を満たす。NOV1−3核酸、ポリペプチド、抗体、および本
発明の他の組成物は、制限しない例として、膵臓癌、乳癌、リンパ腫、および細
胞の形状、運動性および分化における変更によって特徴付けられる他の障害(例
えば、病理学的血管形成および創傷治癒)を含む、種々の疾患および病態の処置
および/または診断において有用である。
【0042】
【表8】 ここで、*は、同一性を示し、そして:は、強い類似性を示す。
【0043】 (NOV4) 本発明に従うNOV4配列は、電位型カリウムチャネル様タンパク質ファミリ
ーのタンパク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV4
核酸は、ヒト第19染色体において見出される。NOV4核酸およびそのコード
されたポリペプチドは、表8に示される配列を含む。開示された核酸(配列番号
7)は、1,747ヌクレオチド長であり、ヌクレオチド38〜40におけるA
TG開始コドンで始まりそしてヌクレオチド1715〜1717におけるTGA
停止コドンで終わるオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的な
ORFは、61,642.7Daの推定分子量を有する559アミノ酸ポリペプ
チド(配列番号8)をコードする。PSORT分析は、NOV4ポリペプチドが
、原形質膜タンパク質であることを推定する(確実性0.6000)。コード配
列の上流および下流の推定非翻訳領域を、配列番号7において下線を付す。
【0044】
【表9】 NOV4核酸は、表9において示されるように、クローンCTB−60B18
(CHR19;GenBank登録番号:AC008687)を含む、ヒト第1
9染色体の特徴付けられていない領域と高度な相同性(100%の同一性)を有
する。NOV4ポリペプチドは、表10において示されるように、マウス由来の
電位型カリウムチャネル様タンパク質(VGPC;EMBL登録番号:AAC2
3664)と相同性(83%の同一性、85%の類似性)を有する。NOV4ポ
リペプチドはまた、表11において示されるように、電位型カリウムチャネル様
タンパク質(HGK5;EMBL登録番号:P22001)と相同性(69%の
同一性、81%の類似性)を有する。
【0045】
【表10】 ここで、*は、同一性を示し、そして+は、類似性を示す。
【0046】
【表11】
【0047】
【表12】 ここで、*は、同一性を示し、そして+は、類似性を示す。
【0048】 NOV4は、表12におけるCLUSTAL W分析によって示されるように
、いくつかの種(例えば、ヒト、マウスおよびラット)由来のメンバーを含む電
位型カリウムチャネルのサブクラスの新しいメンバーを示す。
【0049】
【表13】 ここで、*は、同一性を示し、:は、強い類似性を示し、そして・は弱い類似
性を示す。ラットカリウムチャネルKV1.3(rKV;登録番号:A4353
10);ヒトカリウムチャネルKV1.3(hKV;登録番号:P22001)
;マウスカリウムチャネルKV1.7(mKV;登録番号:AAC23664)
【0050】 カリウムチャネルは、機能的観点および構造的観点の両方から、電位型イオン
チャネルの最も複雑なクラスを表す。全ての真核生物細胞に存在し、それらの多
様な機能は、膜電位を維持すること、細胞容量を調節すること、およびニューロ
ンの電気興奮性を調節することを含む。カリウムチャネルの遅延性整流機能によ
って、ニューロン細胞が、活動電位の後に効率的に再分極し得る。Drosop
hilaにおいて、4つの配列関連K+チャネル遺伝子(Shaker、Sha
w、Shab、およびShal)が同定されている。各遺伝子は、ヒトホモログ
を有することが示されている。
【0051】 DrosophilaのShakerとマウス電位型カリウムチャネルとの間
の保存された領域に基づくプライマーを用いるゲノムDNAのPCRによって、
Ramaswamiおよび共同研究者(Ramaswamiら、1990、Mo
l.Cell.Nueorsci.1:214)は、いくつかの関連したヒト遺
伝子のフラグメントを単離した。彼らは、cDNAライブラリーをスクリーニン
グするためのフラグメントを使用し、そして彼らがHuKI(KCNA1)、H
uKII(KCNA4;176266)、HuKIV(KCNA2;17626
2)、およびHuKV(KCNA6;176257)と命名するいくつかのカリ
ウムチャネルをコードするcDNAをクローニングした。他のShakerクラ
スカリウムチャネルのように、推定495アミノ酸KCNA1タンパク質は、6
つの疎水性セグメント、疎水性セグメント3と疎水性セグメント4との間のS4
と呼ばれる正荷電領域、およびロイシンジッパーを含む。KCNA1は、そのラ
ットホモログRCK1と98%アミノ酸同一性を共有する。Xenopus卵母
細胞において発現される場合、KCNA1、KCNA4、およびKCNA2は、
薬理学的カリウムチャネルブロッカーに対して、異なる電圧依存性、動力学、お
よび感受性を示した。KCNA1およびKCNA2は、非不活化チャネルであり
、遅延性整流に似ているが、KCNA4は、迅速に不活化した。
【0052】 Chandyおよび共同研究者(Chandyら、1990、Science
247:973)は、3つの密接に関連したカリウムチャネル遺伝子(MK1
、MK2、およびMK3)は、マウスのゲノム中の別々の部位に位置することを
実証した。これらの遺伝子(電圧依存性K+チャネルのサブユニットをコードす
る)は、DrosophilaのShaker遺伝子に相同である。Curra
nら(Curranら、1992,Genomics 12:729)は、ヒト
−げっ歯類体細胞パネルの使用によってKCNA1遺伝子を第12染色体にマッ
ピングし、そしてインサイチュハイブリダイゼーションによって遠位のショート
アームへの位置付けを狭めた。連鎖研究は、KCNA1とvon Willeb
rand座位(VWF;193400)との間で、0.05の組換え比で、2.
72の最大ロッドスコアを示した。Mus musculus間の種間戻し交雑
を使用して、Klockeら(Klockeら、1993、Genomics
18:568を参照のこと)は、Kcna1、Kcna5(176267)、お
よびKcna6遺伝子を、TPI1(190450)のホモログ(これは、ヒト
の第12染色体p13に位置する)の近くのマウス第6染色体にマッピングした
。Albrechtおよび共同研究者(Albrechtら、1995、Rec
eptors Channels 3:213を参照のこと)は、染色体12p
13上の300kbクラスターが、直列に配列されたヒトKCNA6、KCNA
1、およびKCNA5遺伝子を含むことを決定した。
【0053】 Browneら(Browneら、1994、Nature Genetic
s 8:136)は、偶発性の運動失調を有するミオキミア(筋肉の波うち)(
また、1型偶発性運動失調(EA1;160120)としても知られる)を有す
る4つのファミリーのKCNA1コード領域の変異分析を実施した。彼らは、ヘ
テロ接合性状態において存在する4つの異なるミスセンス変異を見出した。1型
偶発性運動失調およびその原因となる変異の包括的な総説については、Bran
dtおよびStrupp,1997,Audiol.Neurootl.2:3
73を参照のこと。Adelmanら(Adelmanら、1995、Neur
on 15:1449)は、偶発性運動失調を有する常染色体優性のミオキミア
に関連した6つの異なる変異に対応するcDNAを、Xenopus oocy
tesに注入した。彼らは、野生型サブユニットを有する1つ以上の偶発性運動
失調サブユニットの同時アセンブリは、チャネル機構を変更し、ドミナントネガ
ティブな効果を与え得ることを実証した。
【0054】 NOVX4は、電位型カリウムチャネル様タンパク質ファミリーのタンパク質
の新しいメンバーである。これは、ヒト第19染色体のマーカーとして有用であ
る。電位型カリウムチャンネル様ファミリーのタンパク質のメンバーとして、N
OV4核酸、タンパク質、抗体および本発明の他の組成物は、1型偶発性運動失
調、長QT症候群1および長QT症候群2、良性新生児てんかん、ジェルヴェル
−ランゲニールセン症候群、常染色体優性聴覚障害(DFNA2)、非インシュ
リン依存性糖尿病、CNS障害、不整脈、発作、喘息、高血圧治療および/また
は他の病態および障害に関与する潜在的な治療適用において有用である。NOV
4は、チャネルを調節する治療法の同定のための薬物スクリーニングにおいて有
用であり得、従って、インシュリン分泌を調節する。選択的なアンタゴニストは
、インシュリン放出を増加し、それにより、非インシュリン依存性糖尿病に関連
した高血糖を減少する。
【0055】 (NOV5) 本発明に従うNOV5配列は、チュフテリン様タンパク質ファミリーのタンパ
ク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV5核酸は、胎
児の肝臓、精巣、胎児の肺、および甲状腺において発現される。NOV5核酸お
よびそのコードされたポリペプチドは、表13に示される配列を含む。開示され
た核酸(配列番号9)は、1,080ヌクレオチド長であり、ヌクレオチド45
〜47におけるATG開始コドンで始まりそしてヌクレオチド799〜801に
おけるTGA停止コドンで終わるオープンリーディングフレーム(ORF)を含
む。代表的なORFは、29,229.5Daの推定分子量を有する251アミ
ノ酸ポリペプチド(配列番号10)をコードする。NOV5のPSORT分析は
、細胞質タンパク質を推定し(確実性0.4500)、そしてNOV5は、N末
端シグナル配列を欠くようである。コード配列の上流および下流の推定非翻訳領
域を、配列番号9において下線を付す。
【0056】
【表14】 NOV5核酸は、表14において示されるように、ヒト皮膚T細胞リンパ腫関
連抗原se57−1 mRNA(CTCL;GenBank登録番号:AF27
3051)と高度の相同性(99%の同一性)を有する。NOV5ポリペプチド
は、表15において示されるように、bos taurusのチュフテリン様タ
ンパク質(bTUF;EMBL登録番号:O97683)と相同性(26%の同
一性、55%の類似性)を有する。
【0057】
【表15】 ここで、*は、同一性を示し、そして+は、類似性を示す。
【0058】 (NOV6) 本発明に従うNOV6配列は、チュフテリン様タンパク質ファミリーのタンパ
ク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV6核酸は、胎
児の肝臓、精巣、胎児の肺、および甲状腺において発現される。NOV6核酸お
よびそのコードされたポリペプチドは、表16に示される配列を含む。開示され
た核酸(配列番号11)は、1,482ヌクレオチド長である。配列番号11の
反対の相補鎖は、配列番号69である。NOV6核酸は、配列番号69のヌクレ
オチド195〜197におけるATG開始コドンで始まりそしてヌクレオチド1
199〜1201におけるTGA停止コドンで終わるオープンリーディングフレ
ーム(ORF)を含む。代表的なORFは、38,839.1Daの推定分子量
を有する335アミノ酸ポリペプチド(配列番号12)をコードする。NOV6
のPSORT分析は、細胞質タンパク質を推定し(確実性0.4500)、そし
てNOV6は、N末端シグナル配列を欠くようである。コード配列の上流および
下流の推定非翻訳領域を、配列番号69において下線を付す。
【0059】 (表16)
【0060】
【表16】 NOV6核酸は、ヒト皮膚T細胞リンパ腫関連抗原se57−1 mRNA(
CTCL;GenBank登録番号:AF273051)と高度の相同性(99
%の同一性)を有する。NOV6ポリペプチドは、bos taurusのチュ
フテリン様タンパク質(bTUF;EMBL登録番号:O97683)と相同性
(25%の同一性、53%の類似性)を有する。
【0061】 (NOV7) 本発明に従うNOV7配列は、チュフテリン様タンパク質ファミリーのタンパ
ク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV7核酸は、胎
児の肝臓、胎児の肺、精巣、胎児の肺、および甲状腺において発現される。NO
V7核酸およびそのコードされたポリペプチドは、表17に示される配列を含む
。開示された核酸(配列番号13)は、1,442ヌクレオチド長であり、ヌク
レオチド155〜157におけるATG開始コドンで始まりそしてヌクレオチド
1159〜1161におけるTGA停止コドンで終わるオープンリーディングフ
レーム(ORF)を含む。代表的なORFは、42,276.8Daの推定分子
量を有する335アミノ酸ポリペプチド(配列番号14)をコードする。NOV
7のPSORT分析は、細胞質タンパク質を推定し(確実性0.4500)、そ
してNOV7は、N末端シグナル配列を欠くようである。コード配列の上流およ
び下流の推定非翻訳領域を、配列番号13において下線を付す。
【0062】 (表17)
【0063】
【表17】 NOV7核酸は、ヒト皮膚T細胞リンパ腫関連抗原se57−1 mRNA(
CTCL;GenBank登録番号:AF273051)と高度の相同性(99
%の同一性)を有する。NOV7ポリペプチドは、bos taurusのチュ
フテリン様タンパク質(bTUF;EMBL登録番号:O97683)と相同性
(26%の同一性、55%の類似性)を有する。
【0064】 NOV5〜7のポリペプチドは、表18に示されるように、互いの間で高度の
相同性を有する。従って、NOV5〜7は、チュフテリン様タンパク質ファミリ
ーの新規のサブファミリーを表わす。
【0065】 (表18)
【0066】
【表18】 ここで、*は同一性を示し、.は弱い類似性であることを示す。
【0067】 NOV5〜7は、エナメリンファミリーのタンパク質であるチュフテリンとの
類似性を有する。チュフテリンはエナメル鉱化において主要な役割を果たすと考
えられる、新規の酸性エナメタンパク質であり、常染色体により遺伝されるエナ
メル質形成不全(AI)の病因に関わる。AIは、発育不全および欠損鉱化作用
を含む種々のエナメル質欠損により特徴付けられる様々な群の遺伝障害である。
【0068】 チュフテリンは、エナメル鉱化において主要な役割を果たすと考えられる新規
の酸性エナメルタンパク質である。その同定および所在は、アミノ酸組成、酵素
結合免疫吸着検定法、ウェスタンブロット、間接免疫組織化学(indirec
t immunohistochemistry)、および高分解能プロテイン
A金免疫細胞化学(high resolution proteiN−A g
old immunocytochemistry)により確認された。推定チ
ュフテリンタンパク質(pI5.2)は、389アミノ酸を含み、そして43,
814Daの算出されたペプチド分子量を有する。免疫学的研究は、脊椎動物の
進化を通じた種間のチュフテリン構造の保存を示す。このcDNA配列は、種々
の推定翻訳後部位(1つのN−グリコシル化コンセンサス部位、7つのO−グリ
コシル化部位、および7つのリン酸化部位を含む)およびN末端領域の方に局在
するEF−ハンドカルシウム結合ドメイン(不一致)をコードする。C末端領域
(残基252−345)において、チュフテリンは、自己アセンブリのための構
造的に明らかな決定基を含む。蛍光インサイチュハイブリダイゼーションを用い
て、ヒトチュフテリン遺伝子を、第1染色体q21〜31にマッピングした。十
分に規定された細胞遺伝学的領域へのヒトチュフテリン遺伝子の局在化は、最も
一般的なエナメル遺伝病である、常染色体により遺伝されるエナメル質形成不全
の病因を理解する上で重要であり得る(Deutschら、1997、Ciba
Found Symp 205:135−47;ディスカッション147−1
55を参照のこと)。
【0069】 ウシチュフテリン遺伝子を、ウシチュフテリンcDNAの遺伝子と比較した。
この分析は、このcDNAが、38,630の算出された分子量および5.85
の等電点を有する338残基のタンパク質をコードする1014bpのオープン
リーディングフレームを含むことを実証した。これらの結果は、カルボキシ末端
領域についての異なる概念上のアミノ酸配列を含み、そして異なる末端コドンを
同定した、以前に公開された結果と異なる。本発明の前に、ウシチュフテリンタ
ンパク質は、任意の他の公知のタンパク質との相同性またはドメインモチーフを
共有すると思われていなかった。この遺伝子は、66〜1531bpの範囲の大
きさの13のエキソンからなり、後者は、コードされたカルボキシ末端領域およ
び3’非翻訳領域を含む。エキソンは、ゲノムDNAの28kbpより多く組込
まれている。コドンは、一般的にエキソン/イントロンの境界で分割されない。
様々な代替のスプライスされた転写物を、逆転写酵素/ポリメラーゼ連鎖反応に
より生成された単離された生成物のDNA配列分析により同定した(Bashi
rら、1997、Arch Oral Biol 42:489を参照のこと)
【0070】 NOV5〜7は、タンパク質のチュフテリン様ファミリーの新規のメンバーで
ある。NOV5〜7は、胎児の肝臓、精巣、胎児の肺、および甲状腺組織を検出
する際に有用である。NOV5〜7および他のチュフテリン様タンパク質ファミ
リーのメンバーの発現パターン、および遺伝子のエナメリンタンパク質ファミリ
ーに対する類似性は、NOV5〜7が、発現組織においてエナメルタンパク質と
して機能し得ることを示す。従って、これらの組織に関わる障害(例えば、エナ
メル質形成不全)およびエナメル欠損に関わる他の障害(発育不全および低鉱化
作用を含む)において関係すると考えられる。
【0071】 (NOV8) 本発明に従うNOV8配列は、ニューロン抗原様タンパク質ファミリーのタン
パク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV8核酸をヒ
ト第14染色体にマッピングした。NOV8核酸は、少なくとも脳、脳幹および
精巣において発現される。NOV8核酸およびそのコードされたポリペプチドは
、表19に示される配列を含む。開示された核酸(配列番号15)は、1,05
6ヌクレオチド長であり、ヌクレオチド1〜3におけるATG開始コドンで始ま
りそしてヌクレオチド1,054〜1,056におけるTGA停止コドンで終わ
るオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的なORFは、351
アミノ酸ポリペプチド(配列番号16)をコードする。PSORT分析は、NO
V8ポリペプチドがミトコンドリア膜空間(確実性0.3600)に局在化され
ていることを推定する。
【0072】 (表19)
【0073】
【表19】 NOV8核酸は、表20に示されるように、クローンRPCI4−794B2
を含むヒト第14染色体の特徴付けられていない領域(CHR14;GenBa
nk登録番号:AC005924)と高度の相同性(100%の同一性)を有す
る。NOV8ポリペプチドは、表21に示されるように、ヒト腫瘍随伴ニューロ
ン抗原タンパク質(hPNA;EMBL登録番号:O95144)と相同性(5
5%の同一性、72%の類似性)を有する。また、NOV8ポリペプチドは、表
22に示されるように、ヒト腫瘍随伴ニューロン抗原mm2ポリペプチド(hP
NA;EMBL登録番号:O95145)と相同性(49%の同一性、65%の
類似性)を有する。さらに、NOV8ポリペプチドの領域はまた、表39に示さ
れるように、ヒトポリペプチド配列ORF2787(ORFX;PatP登録番
号B43023)と高度の相同性(100%の同一性)を有する。
【0074】 (表20)
【0075】
【表20】 (表21)
【0076】
【表21】 ここで、*は同一性を示し、+は類似性を示す。
【0077】 (表22)
【0078】
【表22】 ここで、*は同一性を示し、+は類似性を示す。
【0079】 (表39)
【0080】
【表23】 ここで、*は同一性を示す。
【0081】 癌を有する患者において、辺縁系または脳幹の機能障害の症候は、腫瘍随伴障
害から生じ得る。腫瘍随伴性の辺縁系および脳幹の脳炎は、ほとんどの他の癌よ
りも精巣癌と共により頻繁に生じる。抗ニューロン抗体は、この症候群の診断試
験に用いられ得る。免疫組織学的技術および免疫ブロッティング技術を用いて、
血清抗体および脳脊髄液の抗体を検出した。相補性DNAライブラリーの血清学
的スクリーニングおよびノザンブロットを用いて標的抗原をクローン化し、そし
てどの組織がそれを発現するかを決定した。精巣癌および腫瘍随伴性の辺縁系ま
たは脳幹(もしくは両方)の脳炎を有する13人の患者の中で、10人が血清中
および脳脊髄液中に40−kdニューロンタンパク質に対する抗体を有した。こ
れらの抗体を用いて、Ma2と呼ばれる遺伝子をクローン化した。この遺伝子は
、10人の患者由来の血清によって認識されたが、344人のコントロール被験
体由来の血清によって認識されなかったタンパク質(Ma2)をコードする。M
a2は、正常な脳組織および患者の精巣腫瘍により、選択的に発現される。Ma
2は、他の腫瘍随伴性の症候群および腫瘍に関連する「脳−精巣−癌」遺伝子で
ある、Ma1と相同性を共有する。従って、亜急性の辺縁系および脳幹の機能障
害ならびに精巣癌を有する患者の血清は、正常な脳および精巣腫瘍において見出
されるタンパク質に対する抗体を含む。これらの抗体の検出は、神経学的障害の
腫瘍随伴性の起源を支持し、そして診断的重要性を有し得る(Voltzら、1
999、N.Engl.J.Med.340:1788を参照のこと)。
【0082】 また、抗ニューロン抗体の同定は、腫瘍随伴性の神経学的障害の診断、そして
関連の腫瘍の早期の検出を容易にした。それはまた、重要な可能性のあるニュー
ロン特異的タンパク質のクローニングを導いた。予想される腫瘍随伴性の障害を
有する患者由来の1705の血清の血清学的研究は、37kDaおよび40kD
aのニューロンタンパク質(抗Ma抗体)と反応する抗体を有する4人の患者を
同定した。3人の患者は、脳幹および小脳の機能障害を有し、そして1人は嚥下
障害および運動性の衰弱を有した。2人の患者の検死解剖は、プルキンエ細胞、
ベルグマン神経膠症、および深小脳白質炎症性浸潤の喪失を示した。主にCD8
+ T細胞から構成される広範囲の神経変性、神経膠症、および浸潤もまた、1
人の患者の脳幹において見出された。正常なヒトおよびラット組織において、抗
Ma抗体は、ニューロンおよび精巣生殖細胞と排他的に反応し;この反応は、主
に、原子核内エレメント(核封入体を含む)を伴い、そしてより低い程度で細胞
質を伴った。抗Ma抗体はまた、3人の抗Ma患者から入手可能な癌(***、結
腸、および耳下腺)と反応したが、変化した組織学的型の66の他の腫瘍とは反
応しなかった。任意の抗Ma血清との組織のプレインキュベーションは、他の抗
Ma免疫グロブリンの反応性を排除した。抗Ma血清によるヒト相補性DNAラ
イブラリーのプロービングは、新規の37kDaタンパク質(Ma1)をコード
する遺伝子のクローニングを生じた。組換えMa1は、4つの抗Ma血清によっ
て特異的に認識されたが、337のコントロール血清(52人の正常な個体、腫
瘍随伴性の神経症候を有さない179人の癌患者、腫瘍随伴性の症候を有する9
6人の患者、および非癌関連神経障害を有する10人の患者由来の血清を含む)
によっては認識されなかった。Ma1 mRNAの発現は、高度に脳および精巣
に制限される。その後の分析は、Ma1がリンタンパク質である可能性があるこ
とを示した。腫瘍随伴性の神経学的障害を有する数人の患者は、「脳/精巣」タ
ンパク質の拡大したファミリーの新規のメンバーである、Ma1に対する抗体を
生じる。
【0083】 NOV8は、タンパク質のニューロン抗原様タンパク質ファミリーの新規のメ
ンバーである。NOV8遺伝子およびそのファミリーメンバーの発現パターン、
および遺伝子のニューロン抗原様タンパク質ファミリーに対するその類似性は、
NOV8が発現組織においてニューロン抗原として機能し得ることを示す。NO
V8は、脳組織、脳幹組織、および精巣組織についてのマーカーとして有用であ
る。従って,NOV8は、これらの組織に関する障害に関係する。これらの障害
のいくつかとして以下が挙げられるがこれらに限定されない:心臓血管障害、糖
尿病、白血病/リンパ腫、癌、筋骨格障害、筋肉退化、生殖の健康、代謝障害お
よび内分泌障害、胃腸障害、免疫障害および自己免疫疾患、呼吸障害、骨障害、
ならびに組織/細胞増殖調節障害。NOV8はまた、ヒト第14染色体について
のマーカーとして有用である。
【0084】 (NOV9) 本発明によるNOV9配列は、脂肪酸結合タンパク質様タンパク質ファミリー
のタンパク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV9核
酸およびそのコードされるポリペプチドは、表23に示される配列を含む。開示
される核酸(配列番号17)は、499ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオ
チド5〜7のATG開始コドンで始まり、ヌクレオチド494〜496のTAA
終止コドンで終わる、オープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的
なORFは、163アミノ酸ポリペプチド(配列番号18)をコードする。推定
非翻訳領域上流のコード配列および推定非翻訳領域下流のコード配列は、配列番
号17において下線を付される。PSORT分析は、NOV9ポリペプチドが細
胞質に局在化すること(確実性0.6500)を推定する。SIGNALP分析
は、NOV9ポリペプチドが、シグナルペプチドを有さないことを示唆する。
【0085】 (表23)
【0086】
【表24】 NOV9核酸は、表24に示されるように、ヒト脂肪酸結合タンパク質ホモロ
グmRNA(hFBP;GenBank登録番号M94856)と高度の相同性
(92%の同一性)を有する。NOV9核酸はまた、表25に示されるように、
ヒトメラニン形成インヒビターmRNA(hMI;PatP登録番号R5586
6)と高度の相同性(94%の同一性)を有する。NOV9ポリペプチドは、表
26に示されるように、ヒト表皮脂肪酸結合タンパク質(eFBP;Swiss
Prot登録番号Q01469)と相同性(88%同一性、92%類似性)を有
する。
【0087】 (表24)
【0088】
【表25】 (表25)
【0089】
【表26】 (表26)
【0090】
【表27】 ここで、*は同一性を示し、+は類似性を示す。
【0091】 (NOV10) 本発明によるNOV10配列は、脂肪酸結合タンパク質様タンパク質ファミリ
ーのタンパク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV1
0核酸およびそのコードされるポリペプチドは、表27に示される配列を含む。
開示される核酸(配列番号19)は、413ヌクレオチド長であり、そしてヌク
レオチド6〜8のATG開始コドンで始まり、ヌクレオチド408〜410のT
AA終止コドンで終わる、オープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代
表的なORFは、134アミノ酸ポリペプチド(配列番号20)をコードする。
PSORT分析は、NOV10ポリペプチドが細胞質に局在化すること(0.6
500の確実性)を示唆し、SIGNALP分析は、NOV10ポリペプチドが
、シグナルペプチドを有さないことを示唆する。推定非翻訳領域上流のコード配
列および推定非翻訳領域下流のコード配列は、配列番号19において下線を付さ
れる。
【0092】
【表28】 NOV10核酸は、ヒト脂肪酸結合タンパク質ホモログのmRNA(GenB
ank登録番号M94856)と高度の相同性(94%の同一性)を有する。N
OV10核酸はまた、ヒトメラニン形成インヒビターのmRNA(PatP登録
番号R55866)と高度の相同性(94%の同一性)を有する。NOV10ポ
リペプチドは、表28に示されるように、ヒト表皮脂肪酸結合タンパク質(eF
BP;SwissProt登録番号Q01469)と相同性(88%同一性、9
2%類似性)を有する。
【0093】
【表29】 NOV9〜10は、お互いに高度に相同性であり、そして表29におけるCL
USTALW分析によって示されるような脂肪酸結合タンパク質様ファミリーの
タンパク質の他のメンバーに高度に相同性である。
【0094】
【表30】 ここで*は同一性を示し、:は強い類似性を示し、そして.は弱い相同性を示
す。ラット脂肪酸結合タンパク質(rFABP;SwissProt登録番号P
55053)、マウス脂肪酸結合タンパク質(mFABP;SwissProt
登録番号Q05816)、およびヒト脂肪酸結合タンパク質(hFABP;Sw
issProt登録番号Q01469)。
【0095】 哺乳動物細胞における脂肪酸代謝は、原形質膜とミトコンドリアまたはβ酸化
のためのペルオキシソームとの間の脂肪酸の流動、ならびに脂質合成のための他
の細胞オルガネラの間の脂肪酸の流動に依存する。脂肪酸結合タンパク質(FA
BP)ファミリーは、取り込み、輸送、およびこれらの疎水性リガンドの可溶化
に関連すると考えられている、小さなサイトゾルタンパク質から構成される。こ
のファミリーのメンバーは、高度に保存された配列および三次構造を有する。脂
肪酸結合タンパク質は、最初に腸(FABP2;OMIM−134640)で単
離され、そして後に肝臓(FABP1;OMIM−134650)、横紋筋(F
ABP3;OMIM−134651)、脂肪細胞(FABP4;OMIM−60
0434)および表皮組織(E−FABP;GDB ID:136450)中に
見出された。
【0096】 表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP)は、Madsenおよび共同研究
者による新規のケラチノサイトタンパク質と同じように乾癬患者の皮膚からクロ
ーン化された(Madsenら、1992、J.Invest.Dermato
l.99:299を参照のこと)。後に、定量的ウエスタンブロッティング分析
を使用して、Kingmaらは、皮膚に加えて、ウシE−FABPが、網膜、精
巣、および水晶体で発現されることを示した(Kngmaら、1998、Bio
chemistry 37:3250を参照のこと)。E−FABPは、最初は
乾癬患者の皮膚から同定されたので、これはまた、乾癬関連脂肪酸結合タンパク
質(PA−FABP)としても公知である。PA−FABPは、細胞質タンパク
質であり、そしてケラチノサイトで発現される。これは乾癬性の皮膚で高度にア
ップレギュレーションされる。これは、脂肪酸結合タンパク質の他のメンバーと
類似性を共有し、輸送体のfabp/p2/crbp/crabpファミリーに
属する。PA−FABPは、脂肪酸に対する高い特異性を有し、c18鎖長に最
も高い親和性を有すると考えられる。鎖長を減少するか、または二重結合を導入
することは、親和性を減少する。PA−FABPは、ケラチノサイト分化に関連
し得る。
【0097】 乾癬、基底細胞癌および扁平上皮細胞癌におけるE−FABPの発現の免疫組
織化学的な局在化は、細胞レベルでの脂肪酸の輸送についての間接的な情報を得
るために行われてきた(Masouyeら、1996、Dermatology
192:208を参照のこと)。E−FABPは、正常および非損傷乾癬性皮
膚における上部有棘層および顆粒層に局在化した。対照的に、損傷乾癬上皮は、
全ての基底上層において角質化していない口腔粘膜のようにE−FABPを強く
発現した。基底層は、これらのサンプルのいずれにおいてもE−FABP反応性
を発現しなかった。従って、基底細胞癌は、E−FABPネガティブであったが
、扁平上皮細胞癌の十分に分化した細胞のみが、E−FABPを発現した。この
ことは、E−FABP発現が、ケラチノサイトの分化の拘束に関連し、そしてE
−FABPの推定される役割を皮膚脂質バリアの形成に制限すべきでないことを
示唆する。E−FABPの発現のパターンは、細胞FA輸送を模倣するので、損
傷乾癬性皮膚および口腔粘膜は、正常および非損傷の乾癬上皮よりも高いFAに
対する代謝/輸送を有し得る。
【0098】 NOV9〜10は、表皮脂肪酸結合タンパク質のファミリーの新しいメンバー
を表し、従って、タンパク質と相互作用する表皮脂肪酸結合タンパク質を決定す
るために有用である。NOV9〜10の遺伝子およびそれらのファミリーメンバ
ーの発現パターンならびに表皮脂肪酸結合タンパク質ファミリーの遺伝子に対す
るそれらの類似性は、これらが、発現組織(例えば、ケラチノサイト)における
脂肪酸合成、取り込み、輸送、局在化、これらの疎水性リガンドの可溶化のレギ
ュレーターとして機能し得ることを示唆する。NOV9〜10は、ケラチノサイ
ト分化についてのマーカーとして有用である。従ってNOV9〜10は、これら
の組織に関連する疾患に関係する。これらの疾患のいくつかとして、損傷乾癬性
皮膚および損傷口腔粘膜が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】 (NOV11) 本発明によるNOV11配列は、タンパク質のシステインファミリーに関連す
るポリペプチドをコードする核酸配列である。NOV11核酸およびそのコード
されるポリペプチドは、表30に示される配列を含む。開示される核酸(配列番
号21)は、468ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオチド10〜12のA
TG開始コドンで始まり、ヌクレオチド445〜447のTGA終止コドンで終
わる、オープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的なORFは、1
45アミノ酸ポリペプチド(配列番号22)をコードする。NOV11ポリペプ
チドの成熟形態は、実施例3に記載される。コード配列の推定の非翻訳領域の上
流および下流は、配列番号21で下線を付される。PSORT分析は、NOV1
1のポリペプチドが分泌されたタンパク質であることを予測し(確実性0.60
42)、SIGNALP分析は、NOV11が、配列番号22の19位と20位
との間に切断部位がおそらく存在する、N末端シグナルペプチドを有することを
示唆する。
【0100】
【表31】 NOV11核酸は、表31に示されるようにヒト染色体20p11.21〜1
2.3(クローンRP3−322G13(CHR20;GenBank登録番号
:HSJ322G13)を含む)の領域と高度の相同性(100%の同一性)を
有する。NOV11のポリペプチドは、表32に示すようにラットシステインC
ポリペプチド(RCYS;GenBank登録番号P14841)に相同である
。NOV11はまた、表33に示されるようにヒトシスタチンDポリペプチド(
hCYS;GenBank登録番号P28325)と相同である。
【0101】
【表32】
【0102】
【表33】
【0103】
【表34】 システインプロテイナーゼインヒビターのスーパーファミリーは、構造的に相
同なタンパク質を含み、これは少なくとも以下の3つのファミリーに分けられる
:ファミリーI(ステフィン;OMIM 184600を参照のこと)、ファミ
リーII(シスタチン)、およびファミリーIII(キニノゲン;OMIM 2
28960を参照のこと)。唾液のシスタチン(シスタチンS、SAおよびSN
として公知)は、主に唾液、涙液および精漿に見出されるが、シスタチンC(C
ST3;OMIM 604312)は、脳脊髄液、精漿、乳汁、滑液、および尿
ならびに***を有する患者の血漿中に豊富に存在する。これらのタンパク質が
、適切でないタンパク質分解から細胞を保護すること、ならびに宿主起源および
細菌起源の両方のシステインプロテイナーゼの調節に重要な役割を果たす可能性
がある。Saitohおよび共同研究者(Saitohら、1987、Gene
61:329)は、唾液型のシスタチンが、少なくとも7つの遺伝子座からな
る遺伝子ファミリーによって決定されることを示した。彼らは、3つのシスタチ
ン遺伝子、シスタチンSNについてのCST1、シスタチンSAについてのCS
T2、およびシスタチン偽遺伝子についてのCSTP1を単離した。Saito
hらは、CST3(シスタチンCをコードする遺伝子であり、そしてアイスラン
ド(Icelandic)型(OMIM 105150)の脳のアミロイド血管
症における変異体である)が、CST1およびCST2遺伝子と同じ機構を有す
ることを実証した(Saitohら、1989、Biochem.Biophy
s.Res.Commun.162:1324を参照のこと)。体細胞のハイブ
リッドクローンのサザン分析は、シスタチン遺伝子ファミリーの全てのメンバー
が、ヒト第20染色体で分離することを実証した。
【0104】 シスタチンC(II型シスタチン遺伝子ファミリーに属する)は、シスタチン
プロテアーゼの最も豊富な細胞外インヒビターである。これは、その合成後すぐ
に構成的に分泌される13kDaのタンパク質である(Barrettら、19
84、Biochem.Biophys.Res.Commun.120:63
1を参照のこと)。GrubbおよびLofbergは、このタンパク質のアミ
ノ酸配列を報告した(GrubbおよびLofberg、1982、Proc.
Nat.Acad.Sci.79:3024を参照のこと)。6つのヒトシステ
インプロテイナーゼインヒビター(シスタチンCを含む)の単離および特徴付け
が、1988年に報告された(Abrahamson、1988、Scand.
J.Clin.Lab.Invest.Sups.191:21を参照のこと)
。シスタチンD(OMIM 123858)、S(OMIM 123857)、
およびSA(OMIM 123856)は、主に唾液腺で発現されるが、シスタ
チンCは、実質的に身体の全ての器官で発現される。生物学的液体におけるその
高い濃度によって、シスタチンCは、おそらく最も重要なシステインプロテイナ
ーゼの細胞外インヒビターである。シスタチンCは、多くの神経内分泌細胞に存
在し、そして脳脊髄液におけるその濃度は、健常成人の血漿におけるその濃度の
5.5倍である(GrubbおよびLofberg、1982、Proc.Na
t.Acad.Sci.79:3024を参照のこと)。
【0105】 アテローム性動脈硬化症および大動脈瘤(AAA;OMIM 100070)
の病因は、弾性板の破壊に関連する。弾性線維溶解性システインプロテアーゼ(
カテプシンSおよびKを含む)は、動脈エラスチン傷害部位で過剰発現されるが
、内因性の局所的なインヒビターが、これらのプロテイナーゼと釣り合うか否か
は、未知である。Shiおよび同僚は、通常シスタチンCは、脈管壁の平滑筋細
胞に発現されるが、このシステインプロテアーゼインヒビターは、アテローム性
動脈硬化症および大動脈瘤損傷の両方において非常に減少していることを示した
(Shiら、1999、J.Clin.Invest.104:1191)。さ
らに、超音波検査によってスクリーニングされた122の患者の腹動脈瘤の直径
の増加は、血清シスタチンCレベルと反比例した。インビトロでは、サイトカイ
ン刺激性脈管平滑筋細胞は、カテプシンを分泌し、その弾性線維溶解活性は、シ
スタチンC分泌がTGF−β−1での処置によって誘導される場合に阻害され得
た。これらの知見は、動脈壁の再構築におけるシステインプロテアーゼとシスタ
チンCとの間の不均衡に対する潜在的に重要な役割を強調し、そしてシスタチン
Cの欠損が、脈管の疾患において生じることを確立した。Shiらはまた、Sh
iらの知る限りでは、アテローム性動脈硬化症および腹動脈瘤おける彼らの研究
において観察されたシステインプロテアナーゼの増大した発現と同時に起こるシ
スタチンCの顕著な抑制は、ヒト疾患における最初の後天性システインプロテア
ーゼインヒビター欠損を示すことを報告した(Shiら、1999、J.Cli
n.Invest.104:1191を参照のこと)。
【0106】 NOV11は、シスタチンファミリータンパク質の新規メンバーを示す。この
ように、NOV11は、システインと相互作用するタンパク質の同定に有用であ
る。NOV11はまた、ヒト染色体20p11.21〜11.3の領域のマーカ
ーとしても有用である。
【0107】 本発明の核酸およびタンパク質は、異常な細胞増殖、細胞分化および細胞遊走
(例えば、癌、新脈管形成および創傷治癒)、神経学的障害(例えば、腫瘍随伴
性神経学的傷害、挿話的運動失調、常染色体優性ミオキミア、発作、パーキンソ
ン病およびアルツハイマー病)、エナメル質欠損(例えば、エナメル質形成不全
症)、ならびに不適切なタンパク質分解(例えば、アテローム性動脈硬化症およ
び腹大動脈瘤)によって特徴付けられる障害に関係する、潜在的な治療適用に有
用である。例えば、チュフテリン様タンパク質をコードするcDNAは、エナメ
ル質形成不全および他のこのような障害を処置するための遺伝子治療において有
用であり得、そしてチュフテリン様タンパク質は、それを必要とする被験体に投
与する場合に有用であり得る。非制限的な例において、本発明の組成物は、神経
系の障害に罹患した患者の処置に有用性を有する。カリウムチャネル様タンパク
質をコードする新規な核酸、および本発明のカリウムチャネル様タンパク質、ま
たはそのフラグメントは、挿話的運動失調、1型、ロング(Long)QT症候
群1および2、新生児のてんかん、ジェルヴェル−ランゲ・ニールセン症候群、
常染色体優性難聴(DFNA2)、非インスリン依存性糖尿病、CNS障害、不
整脈、発作、ぜん息、高血圧の処置、疾患の病理の理解を助ける種々の障害の機
能分析のための強力なアッセイ系の開発、および種々の障害に対する新規の薬物
標的の開発においてさらに有用であり得る。これらはまた、診断的適用において
使用され得、ここで核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これ
らの材料は、治療方法または診断方法における使用のための、本発明の新規な物
質に対して免疫特異的に結合する抗体の産生においてさらに有用である。
【0108】 (NOVX核酸) 本発明の核酸は、NOVXポリペプチドまたはタンパク質をコードする核酸を
含有する。本明細書において使用されるように、用語ポリペプチドおよびタンパ
ク質は、交換可能である。
【0109】 いくつかの実施形態において、NOVX核酸は、成熟NOVXポリペプチドを
コードする。本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載されるポリペプチ
ドまたはタンパク質の「成熟」形態は、天然に存在するポリペプチドあるいは前
駆体形態またはプロタンパク質の産物に関係する。天然に存在するポリペプチド
、前駆体またはプロタンパク質としては、非限定的な例示を目的として、対応す
る遺伝子によってコードされる全長遺伝子産物が挙げられる。あるいは、本明細
書中で記載されるオープンリーディングフレームによってコードされる、ポリペ
プチド、前駆体またはプロタンパク質として規定され得る。産物の「成熟」形態
は、さらに非限定的な例示を目的として、遺伝子産物が産生される細胞中で発生
し得る、1以上の天然に存在するプロセッシング工程の結果として発生する。ポ
リペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態を生じるこのようなプロセッシング
工程の例としては、オープンリーディングフレームの開始コドンによってコード
される、N−末端メチオニン残基の切断、またはシグナルペプチドもしくはリー
ダー配列のタンパク分解性切断が挙げられる。従って、残基1〜N(ここで、残
基1は、N−末端メチオニンである)を有する、前駆体ポリペプチドまたはタン
パク質から生じる成熟形態は、N−末端メチオニンの除去後に残った残基2〜N
末端を有する。あるいは、残基1〜Nを有する前駆体ポリペプチドまたはタンパ
ク質から生じる成熟形態(ここで、残基1〜残基MのN末端シグナル配列が切断
される)は、残った残基M+1〜残基N由来の残基を有する。本明細書中でさら
に使用されるように、ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態は、タンパ
ク質分解性切断事象以外の、翻訳後改変工程から生じ得る。このようなさらなる
プロセスとしては、非制限例として、グリコシル化、ミリストイル化、またはリ
ン酸化が挙げられる。一般に、成熟ポリペプチドまたは成熟タンパク質は、これ
らのプロセスの1つのみの作用、またはそれらの任意の組み合わせから得られ得
る。
【0110】 NOVX核酸は、とりわけ、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15
、17、19、または21で提供される配列の核酸あるいはそれらのフラグメン
トである。さらに、本発明には、配列番号1、3、5、7、9、11、13、1
5、17、19、または21の変異体核酸または改変体核酸あるいはそれらのフ
ラグメントが挙げられ、任意のこれらの塩基は、配列番号1、3、5、7、9、
11、13、15、17、19、または21に示される対応する塩基から変化さ
れ得るが、NOVX様の活性および生理学的機能(すなわち、新脈管形成の調節
、ニューロン発生)の少なくとも1つを維持するタンパク質をなおもコードする
。本発明には、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、
または21の核酸配列の相補体(それらのフラグメント、誘導体、アナログおよ
びホモログを含む)がさらに挙げられる。本発明は、その構造が化学的改変を含
む、核酸または核酸フラグメントあるいはそれらの相補体をさらに含む。
【0111】 本発明の1つの局面は、NOVXタンパク質またはそれらの生物学的に活性な
部分をコードする単離された核酸分子に関する。また、NOVXをコードする核
酸(例えば、NOVX mRNA)を同定するためにハイブリダイゼーションプ
ローブとして使用するための十分な核酸フラグメントおよびNOVX核酸分子の
増幅または変異のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとして使用
するためのフラグメントも含まれる。本明細書において使用されるように、用語
「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA
分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチドアナログを使用して生成されるDNA
またはRNAのアナログ、ならびにそれらの誘導体、フラグメントおよびホモロ
グを含むことが意図される。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得るが、好
ましくは、二本鎖DNAである。
【0112】 「プローブ」とは、種々の長さの核酸配列をいい、好ましくは、用途に依存し
て、少なくとも約10ヌクレオチド(nt)、100nt、または例えば、約6
,000ntほどの大きさの間である。プローブは、同一、類似または相補的な
核酸配列の検出に使用される。より長いプローブは、通常、天然供給源または組
換え供給源から入手され、非常に特異的であり、そしてオリゴマーよりもはるか
に遅くハイブリダイズする。プローブは、一本鎖または二本鎖であり得、そして
PCR、メンブレンベースのハイブリダイゼーション技術またはELISA様技
術において特異性を有するように設計される。
【0113】 「単離された」核酸分子は、この核酸の天然の供給源中に存在するその他の核
酸分子から分離されているものである。単離された核酸分子の例としては、ベク
ター中に含まれる組換えDNA分子、異種宿主細胞中に維持される組換えDNA
分子、部分的または実質的に精製された核酸分子、および合成DNAまたはRN
A分子が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「単離された」核
酸は、この核酸が由来する生物のゲノムDNA中でこの核酸に天然に隣接する配
列(すなわち、この核酸の5’末端および3’末端に位置する配列)を含まない
。例えば、種々の実施形態で、単離されたNOVX核酸分子は、この核酸が由来
する細胞のゲノムDNA中でこの核酸に天然で隣接する、約50kb、25kb
、5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未
満のヌクレオチド配列を含み得る。さらに、「単離された」核酸分子、例えば、
cDNA分子は、組換え技術により生成される場合、その他の細胞物質または培
養培地を実質的に含まないか、または化学的に合成される場合、化学物質前駆体
もしくはその他の化学物質を実質的に含まないものであり得る。
【0114】 本発明の核酸分子、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15
、17、19、もしくは21のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはこれ
らのヌクレオチド配列のいずれかの相補体は、標準的な分子生物学的技法および
本明細書で提供される配列情報を用いて単離され得る。ハイブリダイゼーション
プローブとして、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19
、または21の核酸配列の全部または一部を使用して、NOVX核酸配列は、標
準的なハイブリダイゼーションおよびクローニング技術(例えば、Sambro
okら(編)、MOLECULAR CLONING:A LABORATOR
YY MANUAL 第2版、Cold Spring Harbor Lab
oratory Press、Cold Spring Harbor、NY、
1989;およびAusubelら、(編)、CURRENT PROTOCO
LS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&S
ons、New York、NY、1993)を用いて単離され得る。
【0115】 本発明の核酸は、標準的なPCR増幅技法に従って、テンプレートとしてcD
NA、mRNAあるいはゲノムDNA、および適切なオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いて増幅され得る。このように増幅された核酸は、適切なベクター中に
クローン化され、そしてDNA配列分析により特徴付けられ得る。さらに、NO
VXヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準的な合成技術、例
えば、自動化DNA合成機を用いることにより調製され得る。
【0116】 本明細書で用いられる用語「オリゴヌクレオチド」とは、一連の連結されたヌ
クレオチド残基をいい、このオリゴヌクレオチドは、PCR反応で用いるのに十
分な数のヌクレオチド塩基を有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配
列もしくはcDNA配列に基づき得るか、またはそれから設計され得、そして特
定の細胞もしくは組織において、同一、類似もしくは相補的DNAまたはRNA
を増幅し、確認し、もしくはその存在を明らかにするために用いられる。オリゴ
ヌクレオチドは、約10nt、50nt、または100ntの長さ、好ましくは
約15nt〜30ntの長さを有する核酸配列の部分を含む。1つの実施形態で
は、100ntより少ない長さの核酸分子を含むオリゴヌクレオチドは、さらに
、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、もしくは21
の少なくとも6個連続するヌクレオチド、またはその相補体を含む。オリゴヌク
レオチドは、化学的に合成され得、そしてプローブとして用いられ得る。
【0117】 別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7
、9、11、13、15、17、19、もしくは21に示されるヌクレオチド配
列の相補体またはこのヌクレオチド配列の一部である核酸分子を含む。配列番号
1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、または21に示されるヌ
クレオチド配列に相補的である核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11
、13、15、17、19、または21に示されるヌクレオチド配列に十分相補
的である核酸分子であり、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、1
7、19、または21に示される核酸配列に対しミスマッチがほとんどまたは全
くなく水素結合し得、それによって安定な二本鎖を形成する。
【0118】 本明細書で用いる用語「相補的」とは、核酸分子のヌクレオチド単位間のWa
tson−CrickまたはHoogsteen塩基対形成をいい、そして用語
「結合」は、2つのポリペプチドもしくは化合物または関連ポリペプチドあるい
は化合物またはその組合せ間の物理的または化学的相互作用を意味する。結合は
、イオン性、非イオン性、ファンデルワールス性、疎水性相互作用などを含む。
物理的相互作用は直接的であるかまたは間接的であり得る。間接的相互作用は、
別のポリペプチドまたは化合物を介するか、またはその効果に起因し得る。直接
的結合とは、別のポリペプチドもしくは化合物を介して、またはその効果に起因
して生じないが、その代わり、その他の実質的な化学的中間体がない相互作用を
いう。
【0119】 さらに、本発明の核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、1
5、17、19もしくは21の核酸配列の一部のみ(例えば、プローブまたはプ
ライマーとして使用され得るフラグメント、あるいはNOVXの生物学的に活性
な部分をコードするフラグメント)を含み得る。本明細書中に提供されるフラグ
メントは、少なくとも6個の(連続する)核酸配列または少なくとも4個の(連
続する)アミノ酸配列(それぞれ、核酸の場合には、特異的なハイブリダイゼー
ションを可能にし、またはアミノ酸の場合には、エピトープの特異的な認識を可
能にするに十分な長さ)として規定され、そして全長配列未満のせいぜいいくら
かの部分である。フラグメントは、選択された核酸配列またはアミノ酸配列の任
意の連続する部分に由来し得る。誘導体は、直接的にかまたは改変もしくは部分
的置換によってかのいずれかでネイティブな化合物から形成される核酸配列また
はアミノ酸配列である。アナログは、ネイティブな化合物に類似する構造を有す
る(しかし、同一ではない)が、特定の成分または側鎖に関してそれとは異なる
核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、合成物であり得るか、または
進化的に異なる起源に由来し得、そして野生型と比較して、類似の代謝活性また
は反対の代謝活性を有し得る。
【0120】 誘導体およびアナログは、以下に記載のように、誘導体またはアナログが、修
飾された核酸またはアミノ酸を含む場合、全長、または全長以外のものであり得
る。本発明の核酸またはタンパク質の誘導体またはアナログは、種々の実施形態
において、本発明の核酸もしくはタンパク質に、同一の大きさの核酸またはアミ
ノ酸配列にわたって、または整列した配列に比較した場合(この整列は、当該分
野で公知であるコンピューター相同性プログラムによって実施される)、少なく
とも約70%、80%、85%、90%、95%、98%、もしくは99%もの
同一性(好ましい同一性は、80〜99%)で実質的に相同であるか、あるいは
そのコードする核酸がストリンジェントの、中程度にストリンジェントの、また
は低いストリンジェントの条件下で上記のタンパク質をコードする配列の相補体
にハイブリダイズし得る、領域を含む分子を包含するが、これらに限定されない
。例えば、Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN M
OLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、N
ew York、NY、1993、および以下を参照のこと。例示のプログラム
は、Gapプログラム(Wisconsin Sequence Analys
is Package、Version 8 for UNIX(登録商標)、
Genetics Computer Group、University R
esearch Park、Madison、WI)(デフォルト設定を使用、
これは、SmithおよびWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl
.Math.、1981、2:482−489、これらは、その全体が参考とし
て本明細書中に援用される)を使用する)である。
【0121】 「相同な核酸配列」もしくは「相同なアミノ酸配列」、またはその改変体とは
、上記で考察したように、ヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルにおける相
同性によって特徴付けられる配列をいう。相同なヌクレオチド配列は、NOVX
ポリペプチドのアイソフォームをコードする配列をコードする。アイソフォーム
は、例えば、RNAの選択的スプライシングの結果として、同一の生物の異なる
組織において発現され得る。あるいは、アイソフォームは、異なる遺伝子によっ
てコードされ得る。本発明において、相同なヌクレオチド配列は、ヒト以外の種
(哺乳動物が挙げられるが、これに限定されず、従って、例えば、マウス、ラッ
ト、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよび他の生物が挙げられ得る)のNOV
Xポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。相同なヌクレオチド配列
はまた、天然に生じる対立遺伝子改変体および本明細書に記載されるヌクレオチ
ド配列の変異体が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、相同的ヌクレ
オチド配列は、ヒトNOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含まな
い。相同核酸配列は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18
、20または22の保存的アミノ酸置換(以下を参照のこと)、およびNOVX
活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOVXタンパク質の
生物学的活性は以下に記載されている。相同的アミノ酸配列は、ヒトNOVXポ
リペプチドのアミノ酸配列をコードしない。
【0122】 ヒトNOVX遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、他の
細胞型(例えば、他の組織由来)におけるNOVXホモログ、ならびに他の哺乳
動物由来のNOVXホモログを同定および/またはクローニングする際の使用の
ために設計されるプローブおよびプライマーの作製を可能にする。このプローブ
/プライマーは、代表的には、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。
このオリゴヌクレオチドは、代表的には、配列番号1、3、5、7、9、11、
13、15、17、19もしくは21の少なくとも約12個、約25個、約50
個、約100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約350
個または約400個以上の連続するセンス鎖ヌクレオチド配列;または配列番号
1、3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21のアンチセン
ス鎖ヌクレオチド配列;あるいは配列番号1、3、5、7、9、11、13、1
5、17、19もしくは21の天然に存在する変異体の少なくとも約12個、約
25個、約50個、約100個、約150個、約200個、約250個、約30
0個、約350個または約400個以上の連続するセンス鎖ヌクレオチド配列に
、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含
む。
【0123】 ヒトNOVXヌクレオチド配列に基づくプローブは、同じまたは相同なタンパ
ク質をコードする転写物またはゲノム配列を検出するために使用され得る。種々
の実施形態において、このプローブはさらに、プローブに付着した標識基を含み
、例えば、この標識基は放射性同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子で
あり得る。このようなプローブは、NOVXタンパク質を誤って発現する細胞ま
たは組織を同定するための診断試験キットの一部として、例えば、被験体由来の
細胞のサンプル中のNOVXをコードする核酸のレベルを測定すること(例えば
、NOVX mRNAレベルを検出すること、またはゲノムNOVX遺伝子が変
異しているかまたは欠失しているか否かを決定すること)によって使用され得る
【0124】 「NOVXの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」は、本発明のポリ
ペプチドの活性に類似するが必ずしも同一ではない活性を示すポリペプチドをい
い、用量依存性の有無に関わらず、特定の生物学的アッセイにおいて測定される
ような成熟形態を含む。「NOVXの生物学的に活性な部分」をコードする核酸
フラグメントは、NOVXの生物学的活性(NOVXタンパク質の生物学的活性
は、以下に記載される)を有するポリペプチドをコードする、配列番号1、3、
5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21の一部を単離し、NO
VXタンパク質のコードされた部分を発現させ(例えば、インビトロでの組換え
発現によって)、そしてNOVXのコードされた部分の活性を評価することによ
って調製され得る。例えば、NOVXの生物学的に活性な部分をコードする核酸
フラグメントは、必要に応じて、ATP結合ドメインを含み得る。別の実施形態
おいて、NOVXの生物学的に活性な部分をコードする核酸フラグメントは、1
つ以上の領域を含む。
【0125】 (NOVXの改変体) 本発明はさらに、遺伝コードの縮重に起因して、配列番号1、3、5、7、9
、11、13、15、17、19もしくは21に示されるヌクレオチド配列とは
異なる核酸分子を包含する。それにより、これらの核酸は、配列番号1、3、5
、7、9、11、13、15、17、19もしくは21に示されるヌクレオチド
配列によってコードされるタンパク質(例えば、配列番号2、4、6、8、10
、12、14、16、18、20または22のポリペプチド)と同じNOVXタ
ンパク質をコードする。別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は
、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または22に
示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有す
る。
【0126】 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21に
示されるヒトNOVXヌクレオチド配列に加えて、NOVXのアミノ酸配列にお
ける変化を導くDNA配列多型は、集団(例えば、ヒト集団)内に存在し得るこ
とが、当業者によって理解される。NOVX遺伝子中のこのような遺伝的多型は
、天然の対立遺伝子のバリエーションに起因して、集団内の個体間に存在し得る
。本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」は、N
OVXタンパク質、好ましくは哺乳動物のNOVXタンパク質をコードするオー
プンリーディングフレームを含む核酸分子をいう。このような天然の対立遺伝子
のバリエーションは、代表的には、NOVX遺伝子のヌクレオチド配列において
1〜5%の変動性を生じ得る。天然の対立遺伝子バリエーションの結果であり、
そしてNOVXの機能的活性を変化させない、NOVX内の任意および全てのこ
のようなヌクレオチドのバリエーションならびに得られるアミノ酸多型は、本発
明の範囲内であると意図される。
【0127】 さらに、他の種由来のNOVXタンパク質をコードし、従って、配列番号1、
3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21のヒト配列とは異
なるヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内にあることが意図さ
れる。本発明のNOVXのcDNAの天然の対立遺伝子改変体およびホモログに
対応する核酸分子は、本明細書中に開示されるヒトNOVX核酸に対するその相
同性に基づいて、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、標準的な
ハイブリダイゼーション技術に従うハイブリダイゼーションプローブとしてヒト
cDNAまたはその一部を用いて単離され得る。例えば、可溶性ヒトNOVX
cDNAは、ヒトの膜結合NOVXに対するその相同性に基づいて単離され得る
。同様に、膜結合ヒトNOVX cDNAは、可溶性ヒトNOVXに対するその
相同性に基づいて単離され得る。
【0128】 従って、別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、少なくとも6ヌ
クレオチド長であり、そしてストリンジェント条件下で配列番号1、3、5、7
、9、11、13、15、17、19もしくは21のヌクレオチド配列を含む核
酸分子にハイブリダイズする。別の実施形態では、この核酸は、少なくとも10
、25、50、100、250、500または750ヌクレオチド長である。別
の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、コード領域にハイブリダイズ
する。本明細書中で用いられる場合、用語「ストリンジェント条件下でハイブリ
ダイズする」は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄に関して、互いに少なくと
も60%相同なヌクレオチド配列が代表的には互いにハイブリダイズしたままで
ある条件を記載することを意図する。
【0129】 ホモログ(すなわち、ヒト以外の種由来のNOVXタンパク質をコードする核
酸)または他の関連配列(例えば、パラログ(paralogs))は、特定の
ヒト配列の全てまたは一部をプローブとし、核酸ハイブリダイゼーションおよび
クローニングに関して当該分野で周知の方法を使用して、低い、中程度の、また
は高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションによって入手され得る。
【0130】 本明細書で用いられる場合、語句「ストリンジェントハイブリダイゼーション
条件」は、その条件下で、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが、
その標的配列にハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしない
条件をいう。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる状況で
異なる。より長い配列は、より短い配列より高い温度で特異的にハイブリダイズ
する。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHで
、特定の配列の熱融解点(T)より約5℃低いように選択される。このTmは
、標的配列に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイ
ズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下)温度である。標的配列
は一般に過剰で存在するので、Tmでは、50%のプローブが平衡状態で占有さ
れている。代表的には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩
濃度が約1.0Mナトリウムイオンより少なく、代表的には約0.01〜1.0
Mナトリウムイオン(またはその他の塩)、そして温度が短いプローブ、プライ
マーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10nt〜50nt)について少なく
とも約30℃、そしてより長いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチド
について少なくとも約60℃であるような条件である。ストリンジェントな条件
はまた、ホルムアミドのような、脱安定化剤の添加で達成され得る。
【0131】 ストリンジェント条件は、当業者に公知であり、そしてCURRENT PR
OTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wi
ley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6に見出
され得る。好ましくは、この条件は、互いに少なくとも約65%、約70%、約
75%、約85%、約90%、約95%、約98%または約99%相同な配列が
、代表的には互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。ストリン
ジェントハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、6×SSC、50mM
Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02% PVP、
0.02% Ficoll、0.02% BSA、および500mg/ml変性
サケ***DNAを含む高塩緩衝液中での65℃でのハイブリダイゼーションであ
る。このハイブリダイゼーションに、0.2×SSC、0.01% BSA中で
の50℃での1回以上の洗浄が続く。ストリンジェント条件下で配列番号1、3
、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21の配列にハイブリダ
イズする、本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対応する
。本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」核酸分子とは、天然に存在
する(例えば、天然のタンパク質をコードする)ヌクレオチド配列を有する、R
NA分子またはDNA分子をいう。
【0132】 第2の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
、19もしくは21またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体のヌ
クレオチド配列を含む核酸分子に、中程度のストリンジェンシー条件下でハイブ
リダイズし得る核酸配列が提供される。中程度のストリンジェンシーハイブリダ
イゼーション条件の非限定的な例は、55℃での6×SSC、5×デンハルト溶
液、0.5% SDSおよび100mg/ml変性サケ***DNA中でのハイブ
リダイゼーション、続いて1×SSC、0.1% SDS中での37℃での1回
以上の洗浄である。用いられ得る中程度のストリンジェンシーの他の条件は、当
該分野で周知である。例えば、Ausubelら(編),1993,CURRE
NT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,Jo
hn Wiley & Sons,NYおよびKriegler,1990,G
ENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORA
TORY MANUAL,Stockton Press,NYを参照のこと。
【0133】 第3の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
、19もしくは21、またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体の
ヌクレオチド配列を含む核酸分子に、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダ
イズし得る核酸が提供される。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条
件の非限定的な例は、35%ホルムアミド、5×SSC、50 mM Tris
−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02% PVP、0.02%
Ficoll、0.2% BSA、100mg/mlの変性サケ***DNA、
10%(重量/容量)デキストラン硫酸中での40℃でのハイブリダイゼーショ
ン、続いて2×SSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM
EDTAおよび0.1% SDS中での50℃での1回以上の洗浄である。用い
られ得る低ストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である(例えば、
種交差ハイブリダイゼーションについて用いられるように)。例えば、Ausu
belら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MO
LECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,NY
ならびにKriegler,1990,GENE TRANSFER AND
EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL,Stock
ton Press,NY;ShiloおよびWeinberg,1981,P
roc Natl Acad Sci USA 78:6789−6792を参
照のこと。
【0134】 (保存的変異) 集団中に存在し得る、NOVX配列の天然に存在する対立遺伝子改変体に加え
て、当業者は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19も
しくは21のヌクレオチド配列への変異によって変化が導入され得、それによっ
て、NOVXタンパク質の機能的能力を変更することなく、コードされるNOV
Xタンパク質のアミノ酸配列に変化がもたらされることをさらに理解する。例え
ば、「非必須」アミノ酸残基にてアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド置換は、
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21の配
列において行われ得る。「非必須」アミノ酸残基は、生物学的活性を有意に変更
することなく、NOVXの野生型配列から、変更され得る残基であり、一方、「
必須」アミノ酸残基は、生物学的活性に必要とされる。例えば、本発明のNOV
Xタンパク質の間で保存されているアミノ酸残基は、特に変更を受け入れ難いと
予測される。
【0135】 本発明の別の局面は、活性に必須ではないアミノ酸残基における変化を含む、
NOVXタンパク質をコードする核酸分子に関する。このようなNOVXタンパ
ク質は、アミノ酸配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、
18、20、もしくは22とは異なるが、生物学的活性をなお保持する。1つの
実施形態では、単離された核酸分子は、タンパク質をコードするヌクレオチド配
列を含み、ここで、このタンパク質は、それぞれ、配列番号2、4、6、8、1
0、12、14、16、18、20、もしくは22のアミノ酸配列に少なくとも
約75%の相同性であるアミノ酸配列を含む。好ましくは、この核酸分子によっ
てコードされるタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、1
6、18、20、もしくは22に少なくとも約80%相同性であり、より好まし
くは配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、もしくは
22に少なくとも約90%、約95%、約98%相同性であり、そして最も好ま
しくは少なくとも約99%相同性である。
【0136】 タンパク質に相同なNOVXタンパク質をコードする単離された核酸分子は、
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21のヌ
クレオチド配列に1以上のヌクレオチドの置換、付加または欠失を導入すること
により作製され得、その結果、1以上のアミノ酸の置換,付加または欠失が、コ
ードされるタンパク質に導入される。
【0137】 変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)
によって配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは
21のヌクレオチド配列に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、
1以上の推定非必須アミノ酸残基にて作製される。「保存的アミノ酸置換」は、
アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換される、アミノ酸置換で
ある。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されて
いる。これらのファミリーとしては、以下が挙げられる:塩基性側鎖を有するア
ミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ
酸(例えば、アルパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ
酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロ
シン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン
、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプ
トファン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソ
ロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルア
ラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。従って、NOVX中の推定された非必
須アミノ酸残基は、同じ側鎖のファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換される
。あるいは、別の実施形態では、変異は、NOVXコード配列の全てまたは一部
に沿って(例えば、飽和変異誘発(saturation mutagenes
is)によって)ランダムに導入され得、そして得られる変異体は、NOVXの
生物学的活性についてスクリーニングされて、活性を維持する変異体を同定し得
る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21
の変異誘発に続いて、コードされるタンパク質は、当該分野で公知の任意の組換
え技術によって発現され得、そしてこのタンパク質の活性が決定され得る。
【0138】 1つの実施形態では、変異NOVXタンパク質は、以下についてアッセイされ
得る:(1)他のNOVXタンパク質、他の細胞表面タンパク質、または生物学
的に活性なそれらの部分と、タンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力、
(2)変異NOVXタンパク質と、NOVXのレセプターとの間の複合体形成;
(3)変異NOVXタンパク質が細胞内標的タンパク質またはその生物学的に活
性な部分に結合する能力;(例えば、アビジンタンパク質);(4)NOVXタ
ンパク質に結合する能力;あるいは(5)抗NOVXタンパク質抗体に特異的に
結合する能力。
【0139】 (アンチセンスNOVX核酸) 本発明の別の局面は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
、19もしくは21またはそのフラグメント、アナログもしくは誘導体のヌクレ
オチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズし得るかまたは相補的である、単離
されたアンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質を
コードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子のコー
ド鎖に相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド配列を
含む。特定の局面では、少なくとも約10、約25、約50、約100、約25
0もしくは約500ヌクレオチドまたは全体のNOVXコード鎖、またはそれら
の一部のみに相補的な配列を含む、アンチセンス核酸分子が提供される。配列番
号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、もしくは22のNO
VXタンパク質のフラグメント、ホモログ、誘導体およびアナログをコードする
核酸分子、または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19
もしくは21のNOVXの核酸配列に相補的なアンチセンス核酸がさらに提供さ
れる。
【0140】 1つの実施形態では、アンチセンス核酸分子は、NOVXをコードするヌクレ
オチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。用語「コ
ード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含む、ヌクレオチド配列の
領域をいう(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18
、20、もしくは22に対応する、ヒト(huma)NOVXのタンパク質コー
ド領域)。別の実施形態では、このアンチセンス核酸分子は、NOVXをコード
するヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセンスであ
る。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する、アミノ酸に翻訳されな
い、5’配列および3’配列をいう(すなわち、5’非翻訳領域および3’非翻
訳領域ともいわれる)。
【0141】 本明細書中に開示されるNOVXをコードするコード鎖配列(例えば、配列番
号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19もしくは21)を考慮す
れば、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickまたはHo
ogsteenの塩基対合の規則に従って設計され得る。アンチセンス核酸分子
は、NOVX mRNAのコード領域全体に相補的であり得るが、より好ましく
は、NOVX mRNAのコード領域または非コード領域の一部にのみアンチセ
ンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチ
ドは、NOVX mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域に相補的であり得る。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さが約5、約10、約15、約
20、約25、約30、約35、約40、約45または約50ヌクレオチドであ
り得る。本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を用いて、化学的
合成または酵素連結反応を用いて構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例
えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、ま
たはこの分子の生物学的安定性を増大させるように、もしくはアンチセンス核酸
とセンス核酸との間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるように設計
された種々に改変されたヌクレオチドを用いて化学的に合成され得る(例えば、
ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが用いられ得る)
【0142】 アンチセンス核酸を作製するために用いられ得る改変されたヌクレオチドの例
としては以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−
クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセ
チルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキ
シメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチル
ウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルクエオシン(galact
osylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−
メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチル
アデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N
6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メ
トキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルクエオシン(ma
nnosylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、
5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラ
シル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、クエオシ
ン(queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、
2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オ
キシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−
チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル
、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。あるいは、このアンチセン
ス核酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを用
いて生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNA
は、以下の小節にさらに記載される、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向
である)。
【0143】 本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的には被験体に投与されるか、または
インサイチュで生成され、その結果それらは、NOVXタンパク質をコードする
細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、またはそ
れに結合し、それによってこのタンパク質の発現を、例えば転写および/または
翻訳を阻害することによって阻害する。ハイブリダイゼーションは、安定な二重
鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によってか、または例えばDNA二重鎖
に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、二重らせんのメジャーグルーブ(
major groove)における特異的相互作用を介してであり得る。本発
明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位での直接的注射が
挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的化する
ように改変され得、次いで全身に投与される。例えば、全身投与のために、アン
チセンス分子は、それらが選択された細胞表面上に発現されたレセプターまたは
抗原に特異的に結合するように改変され得る。これは、例えば、そのアンチセン
ス核酸分子を細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に連
結することによる。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中に記載される
ベクターを用いて細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を
達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIプロモーターまた
はpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が、好ま
しい。
【0144】 なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー
核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイ
ブリッドを形成する。ここで、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は、互いに
平行に走行する(Gaultierら(1987)Nucleic Acids
Res 15:6625〜6641)。このアンチセンス核酸分子はまた、2
’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら、(1987)Nucleic
Acids Res 15:6131〜6148)またはキメラRNA−DN
Aアナログ(Inoueら(1987)FEBS Lett 215:327〜
330)を含み得る。
【0145】 このような改変としては、非制限的な例として、改変塩基、および糖リン酸バ
ックボーンが改変または誘導体化された核酸が挙げられる。これらの改変は、少
なくとも一部は、改変された核酸の化学的安定性を増強するために実施され、そ
の結果、それらは、例えば、被験体での治療的適用におけるアンチセンス結合核
酸として使用され得る。
【0146】 (NOVXリボザイムおよびPNA部分) なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。
リボザイムは、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ
活性を有する触媒性RNA分子であり、これらは、その一本鎖核酸に対して相補
領域を有する。従って、リボザイム(例えば、ハンマーヘッド型リボザイム(H
aselhoffおよびGerlach(1988)Nature 334:5
85〜591に記載される))を使用して、NOVX mRNA転写物を触媒的
に切断し、それによってNOVX mRNAの翻訳を阻害し得る。NOVXをコ
ードする核酸に特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示されるNOVX
DNAのヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1、3、5、7、9、11、
13、15、17、19もしくは21)に基づいて設計され得る。例えば、活性
部位のヌクレオチド配列が、NOVXをコードするmRNA内で切断されるヌク
レオチド配列に相補的である、テトラヒメナL−19 IVS RNAの誘導体
が構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号;およ
びCechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは、NO
VX mRNAを使用して、RNA分子のプールから、特異的リボヌクレアーゼ
活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartelら(1993)
Science 261:1411〜1418を参照のこと。
【0147】 あるいは、NOVX遺伝子発現は、NOVXの調節領域(例えば、NOVXの
プロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的
化し、標的細胞中でNOVX遺伝子の転写を妨害する三重らせん構造を形成する
ことによって阻害され得る。一般には、Helene.(1991)Antic
ancer Drug Des.6:569〜84;Heleneら(1992
)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27〜36;およびMaher
(1992)Bioassays 14:807〜15を参照のこと。
【0148】 種々の実施形態において、NOVXの核酸は、塩基部分、糖部分またはリン酸
骨格で改変され、例えば、その分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可
溶性を改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を改変して、ペ
プチド核酸を生成し得る(Hyrupら(1996)Bioorg Med C
hem 4:5〜23を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、用語「ペ
プチド核酸」または「PNA」は、デオキシリボースリン酸骨格が偽ペプチド骨
格によって置換され、そして4つの天然の核塩基(nucleobase)のみ
が保持されている核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいう。PNAの中性の
骨格は、低いイオン強度の条件下でDNAおよびRNAに対する特異的ハイブリ
ダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、
上記のHyrupら(1996);Perry−O’Keefeら(1996)
PNAS 93:14670〜675において記載されるような標準的固相ペプ
チド合成プロトコルを用いて行われ得る。
【0149】 NOVXのPNAは、治療的適用および診断的適用において使用され得る。例
えば、PNAは、例えば転写または翻訳の停止を誘導することまたは複製を阻害
することによる、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンスまたは抗遺
伝子剤として使用され得る。NOVXのPNAはまた、例えばPNA指向性PC
Rクランピングによる遺伝子における一塩基対変異の分析において;他の酵素(
例えば、S1ヌクレアーゼ)と組み合わせて使用される場合の人工制限酵素とし
て(Hyrup B.(1996)上記);またはDNA配列およびハイブリダ
イゼーションのプローブもしくはプライマーとして(Hyrupら(1996)
上記;Perry−O’Keefe(1996)、上記)、使用され得る。
【0150】 別の実施形態において、NOVXのPNAは、例えば、それらの安定性または
細胞性取り込みを増強するために、PNAに脂溶性基または他のヘルパー基を結
合することによって、PNA−DNAキメラの形成によって、またはリポソーム
もしくは当該分野において公知の薬物送達の他の技術の使用によって改変され得
る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組合せ得る、NOVXのPNA
−DNAキメラが生成され得る。PNA部分が高い結合親和性および特異性を提
供する一方で、そのようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNase H
およびDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用するのを可能にする。PN
A−DNAキメラは、塩基のスタッキング、核酸塩基間の結合数および方向を考
慮して選択される適切な長さのリンカーを使用して連結され得る(Hyrup(
1996)上記)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrup(1996)上
記およびFinnら(1996)Nucl Acids Res 24:335
7〜63において記載されるように行われ得る。例えば、DNA鎖は、標準的な
ホスホルアミダイトカップリング化学を用いて固体支持体上で合成され得、そし
て改変されたヌクレオシドアナログ(例えば、5’−(4−メトキシトリチル)
アミノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイト)が、PNAとDNAの
5’末端との間に使用され得る(Magら(1989)Nucl Acid R
es 17:5973〜88)。次いで、PNAモノマーが段階様式でカップリ
ングされ、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分
子を生成する(Finnら(1996)上記)。あるいは、5’DNAセグメン
トおよび3’PNAセグメントを用いて、キメラ分子が合成され得る。Pete
rsenら(1975)Bioorg Med Chem Lett 5:11
19〜11124を参照のこと。
【0151】 他の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、以下のような他の付属の基を
含み得る:ペプチド(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するため
)、または細胞膜を横切る輸送を促進する因子(例えば、Letsingerら
、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:65
53〜6556;Lemaitreら、1987、Proc.Natl.Aca
d.Sci.84:648〜652;PCT公開番号WO88/09810を参
照のこと)、または血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134
を参照のこと)。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション誘発
切断剤(例えば、Krolら、1988、BioTechniques 6:9
58〜976を参照のこと)、またはインターカレート剤(例えば、Zon,1
988、Pharm.Res.5:539〜549を参照のこと)で改変され得
る。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、
ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発切断
剤など)に結合体化され得る。
【0152】 (NOVXポリペプチド) 本発明のNOVXポリペプチドは、その配列が配列番号2、4、6、8、10
、12、14、16、18、20または22に提供されるNOVX様タンパク質
を含む。本発明はまた、なおそのNOVX様活性および生理学的機能を維持する
タンパク質、またはその機能的フラグメントをコードするが、その任意の残基が
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または22に示
される対応する残基から変化し得る、変異体または改変体タンパク質を含む。い
くつかの実施形態において、この変異体または改変体タンパク質において、20
%までまたはそれ以上の残基がそのように変化され得る。いくつかの実施形態に
おいて、本発明に従うNOVXポリペプチドは、成熟ポリペプチドである。
【0153】 一般に、NOVX様機能を保持するNOVX様改変体は、配列中の特定位置の
残基が他のアミノ酸により置換され、そしてさらに、親タンパク質の2つの残基
間にさらなる残基を挿入する可能性、および親配列から1つ以上の残基を欠失す
る可能性を含む任意の改変体を含む。任意のアミノ酸置換、挿入または欠失が、
本発明に包含される。好適な状況では、この置換は、上記で規定されるような保
存的置換である。
【0154】 本発明の1つの局面は、単離されたNOVXタンパク質、およびその生物学的
に活性な部分、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに
関する。抗NOVX抗体を惹起するための免疫原としての使用に適するポリペプ
チドフラグメントもまた提供される。1つの実施形態では、ネイティブなNOV
Xタンパク質が、標準的なタンパク質精製技術を用いる適切な精製スキームによ
り、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施形態では、NOVXタン
パク質は、組換えDNA技術により生産される。組換え発現の代替えとして、N
OVXタンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技術を用いて化
学的に合成され得る。
【0155】 「単離された」または「精製された」タンパク質またはその生物学的に活性な
部分は、NOVXタンパク質の由来する細胞または組織供給源由来の細胞性物質
または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、あるいは化学合成される場合
に化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。用語「細胞性物質を実質
的に含まない」は、NOVXタンパク質の調製物を含み、この調製物において、
NOVXタンパク質が単離または組換え産生される細胞の細胞性成分から、NO
VXタンパク質は分離されている。1つの実施形態において、用語「細胞性物質
を実質的に含まない」は、非NOVXタンパク質(本明細書中において「夾雑タ
ンパク質」とも呼ばれる)を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは非
NOVXタンパク質を約20%未満、なおより好ましくは非NOVXタンパク質
を約10%未満、そして最も好ましくは非NOVXタンパク質を約5%未満有す
る、NOVXタンパク質の調製物を含む。NOVXタンパク質またはその生物学
的に活性な部分が組換え産生される場合、好ましくは、調製物はまた培養培地を
実質的に含まない。すなわち、培養培地は、そのタンパク質調製物の容量の約2
0%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未満を表
す。
【0156】 用語「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、タンパク質が
、そのタンパク質の合成に関与する化学前駆体または他の化学物質から分離され
ているNOVXタンパク質の調製物を含む。1つの実施形態において、用語「化
学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、化学前駆体または非NO
VX化学物質を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは化学前駆体また
は非NOVX化学物質を約20%未満、なおより好ましくは化学前駆体または非
NOVX化学物質を約10%未満、そして最も好ましくは化学前駆体または非N
OVX化学物質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。
【0157】 NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、全長NOVXタンパク質より
少ないアミノ酸を含み、そしてNOVXタンパク質の活性の少なくとも1つを示
す、NOVXタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、1
0、12、14、16、18、20または22に示されるアミノ酸配列)に十分
に相同なアミノ酸配列、またはNOVXタンパク質のアミノ酸配列に由来するア
ミノ酸配列を含むペプチドを含む。代表的には、生物学的に活性な部分は、NO
VXタンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む
。NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、長さが10、25、
50、100またはそれより多いアミノ酸であるポリペプチドであり得る。
【0158】 本発明のNOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質
間に保存される上記の同定されたドメインの少なくとも1つ(例えば、TSRモ
ジュール)を含み得る。さらに、タンパク質の他の領域が欠失している他の生物
学的に活性な部分は、組換え技術によって調製され得、そしてネイティブなNO
VXタンパク質の機能的活性のうちの1つ以上について評価され得る。
【0159】 1つの実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、
10、12、14、16、18、20または22に示されるアミノ酸配列を有す
る。他の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、
10、12、14、16、18、20または22に実質的に相同であり、そして
以下に詳細に議論されるように、天然の対立遺伝子改変体または変異誘発に起因
してアミノ酸配列が異なるが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、1
6、18、20または22のタンパク質の機能的活性を保持する。従って、別の
実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、1
2、14、16、18、20または22のアミノ酸配列に少なくとも約45%相
同なアミノ酸配列を含み、そして、配列番号2、4、6、8、10、12、14
、16、18、20または22のNOVXタンパク質の機能的活性を保持するタ
ンパク質である。
【0160】 (2つ以上の配列間の相同性の決定) 2つのアミノ酸配列または2つの核酸の相同性のパーセンテージを決定するた
めに、配列は、至適な比較の目的のために整列される(例えば、ギャップは、配
列間の最適な整列について比較される配列のいずれかに導入され得る)。次いで
、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレ
オチドが比較される。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同
じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、分子はその位置で相同で
ある(すなわち、本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「相同性
」は、アミノ酸または核酸の「同一性」と等価である)。
【0161】 核酸配列の相同性は、2つの配列間の同一性の程度として決定され得る。相同
性は、当該分野において公知のコンピュータープログラム(例えば、GCGプロ
グラムパッケージにおいて提供されるGAPソフトウェア)を用いて決定され得
る。NeedlemanおよびWunsch 1970 J Mol Biol
48:443〜453を参照のこと。核酸配列比較のための以下の設定(GA
P作製ペナルティー、5.0、およびGAP伸長ペナルティー、0.3)を用い
てGCG GAPソフトウェアを使用すると、上記で言及される類似の核酸配列
のコード領域は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19
または21に示されるDNA配列のCDS(コード)部分と、好ましくは少なく
とも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なく
とも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の同
一性の程度を示す。
【0162】 用語「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列
が、特定の比較領域にわたって、残基毎を基準として同一である程度をいう。用
語「配列同一性のパーセンテージ」は、以下により算出される:この比較領域に
わたって最適に整列された2つの配列を比較すること、両方の配列において同一
の核酸塩基(例えば、核酸の場合にはA、T、C、G、U、またはI)が存在す
る位置の数を決定し、一致した位置の数を導くこと、この一致した位置の数を、
比較領域の内の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で除算すること、お
よびその結果を100で乗算して、配列同一性のパーセンテージを導くこと。用
語「実質的な同一性」は、本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチド配列
の特徴を示し、ここでこのポリヌクレオチドは、比較領域にわたり参照配列と比
較して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同
一性、そして頻繁には90〜95%の配列同一性、より通常には少なくとも99
%の配列同一性を有する配列を含む。用語「陽性(positive)残基のパ
ーセンテージ」は、以下により算出される:その比較領域にわたって最適に整列
された2つの配列を比較すること、同一のアミノ酸および保存的アミノ酸置換が
、上記のように両方の配列において存在する位置の数を決定し、一致した位置の
数を導くこと、この一致した位置の数を、比較領域中の位置の総数(すなわち、
ウインドウサイズ)で除算すること、およびその結果を100で乗算して、陽性
残基のパーセンテージを導くこと。
【0163】 (キメラタンパク質および融合タンパク質) 本発明はまた、NOVXキメラタンパク質または融合タンパク質を提供する。
本明細書中で使用される場合、NOVX「キメラタンパク質」またはNOVX「
融合タンパク質」は、非NOVXポリペプチドに作動可能に連結された、NOV
Xポリペプチドを含む。「NOVXポリペプチド」は、NOVXに対応するアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドをいうが、「非NOVXポリペプチド」は、NO
VXタンパク質に対して実質的に相同ではないタンパク質(例えば、NOVXタ
ンパク質とは異なり、かつ同一でかまたは異なる生物体に由来するタンパク質)
に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。NOVX融合タンパク質
において、このNOVXポリペプチドは、NOVXタンパク質のすべてまたは一
部分に対応し得る。1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVX
タンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の実施形態では
、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも2つの生物学的
に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結された」
とは、NOVXポリペプチドおよび非NOVXポリペプチドが、インフレームで
互いに融合されていることを示すことが意図される。非NOVXポリペプチドは
、NOVXポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0164】 例えば、1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、第2のタンパク質
の細胞外ドメインに作動可能に連結されたNOVXポリペプチドを含む。このよ
うな融合タンパク質は、NOVX活性を調節する化合物についてのスクリーニン
グアッセイでさらに利用され得る(このようなアッセイは、以下に詳細に記載さ
れる)。
【0165】 別の実施形態においては、この融合タンパク質は、GST−NOVX融合タン
パク質であり、ここではNOVX配列が、GST(すなわち、グルタチオンS−
トランスフェラーゼ)配列のC末端に融合される。このような融合タンパク質は
、組換えNOVXの精製を容易にし得る。
【0166】 別の実施形態においては、この融合タンパク質は、NOVX−免疫グロブリン
融合タンパク質であり、ここでは1つ以上のドメインを含むNOVX配列が、免
疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーに由来する配列に融合される。本
発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、薬学的組成物中に取り
込まれ、そして被験体に投与されて、細胞の表面上でNOVXリガントとNOV
Xタンパク質との間の相互作用を阻害し、それによってインビボのNOVX媒介
シグナル伝達を抑制し得る。1つの非限定的な例においては、意図される本発明
のNOVXリガンドは、NOVXレセプターである。このNOVX−免疫グロブ
リン融合タンパク質を用い、NOVX同族リガンドのバイオアベイラビリティに
影響を与え得る。NOVXリガンド/NOVX相互作用の阻害は、増殖障害およ
び分化障害(例えば、癌)の両方の処置、および細胞生存を調節(例えば、促進
または阻害)すること、ならびに急性および慢性の炎症性障害および過形成創傷
治癒(例えば、過形成性瘢痕およびケロイド)に、治療的に有用であり得る。さ
らに、本発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、被験体中で抗
NOVX抗体を産生するための免疫原として用いられ得、NOVXリガンドを精
製し、そしてNOVXリガンドとのNOVXの相互作用を阻害する分子を同定す
るスクリーニングアッセイで用いられ得る。
【0167】 本発明のNOVXキメラまたは融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技術
により産生され得る。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラ
グメントを、従来の技術に従って、例えば、連結のための平滑末端または粘着(
stagger)末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、必要に応じ
て粘着(cohesive)末端のフィルイン、所望しない連結を避けるための
アルカリホスファターゼ処理、および酵素的連結を採用することにより、インフ
レームで一緒に連結する。別の実施形態では、融合遺伝子を、自動化DNA合成
機を含む従来技術により合成し得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増
幅を、キメラ遺伝子配列を生成するために次いでアニールおよび再増幅され得る
、2つの連続遺伝子フラグメント間の相補的オーバハングを生じるアンカープラ
イマーを用いて実施し得る(例えば、Ausbelら(編)CURRENT P
ROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John W
iley&Sons、1992を参照のこと)。さらに、融合成分(例えば、G
STポリペプチド)をすでにコードした多くの発現ベクターが市販されている。
NOVXをコードする核酸は、この融合部分がNOVXタンパク質にインフレー
ム連結されるように、このような発現ベクター中にクローン化され得る。
【0168】 (NOVXアゴニストおよびアンタゴニスト) 本発明はまた、NOVXアゴニスト(模倣物)として、またはNOVXアンタ
ゴニストとしてのいずれかで機能するNOVXタンパク質の改変体に関する。N
OVXタンパク質の改変体、例えば、NOVXタンパク質の離散した点変異また
は短縮型が、変異誘発により生成され得る。NOVXタンパク質のアゴニストは
、天然に存在する形態のNOVXタンパク質と実質的に同じ生物学的活性、また
はその生物学的活性のサブセットを保持し得る。NOVXタンパク質のアンタゴ
ニストは、天然に存在する形態のNOVXタンパク質の活性の1つ以上を、例え
ば、NOVXタンパク質を含む細胞シグナル伝達カスケードの下流または上流メ
ンバーに競合的に結合することにより阻害し得る。従って、特定の生物学的効果
が、限られた機能の改変体を用いた処理により惹起され得る。1つの実施形態で
は、このタンパク質の天然に存在する形態の生物学活性のサブセットを有する改
変体を用いた被験体の処置は、NOVXタンパク質の天然に存在する形態を用い
た処置に対して被験体におけるより少ない副作用を有する。
【0169】 NOVXアゴニスト(模倣物)として、またはNOVXアンタゴニストのいず
れかとして機能するNOVXタンパク質の改変体は、NOVXタンパク質アゴニ
ストまたはアンタゴニスト活性のためのNOVXタンパク質の変異体、例えば短
縮型変異体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより同
定され得る。1つの実施形態では、NOVX改変体の多彩なライブラリーは、核
酸レベルでのコンビナトリアル変異誘発により生成され、そして多彩な遺伝子ラ
イブラリーによりコードされる。NOVX改変体の多彩なライブラリーは、例え
ば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を、潜在的なNOVX配列の縮重セットが
、個々のポリペプチドとして、あるいは、その中にNOVX配列のセットを含む
(例えば、ファージディスプレイのための)より大きな融合タンパク質のセット
として発現可能であるように、遺伝子配列に酵素的に連結することにより産生さ
れ得る。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的なNOVX改変体のライブラリ
ーを産生するために用いられ得る種々の方法がある。縮重遺伝子配列の化学的合
成は、自動化DNA合成機中で実施され得、次いでこの合成遺伝子は、適切な発
現ベクター中に連結される。遺伝子の縮重セットの使用は、1つの混合物におい
て、潜在的なNOVX配列の所望のセットをコードする配列のすべての供給を可
能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当該分野で公知である(例
えば、Narang(1983)Tetrahedron 39:3;Itak
uraら(1984)Annu Rev Biochem 53:323;It
akuraら(1984)Science 198:1056;Ikeら(19
83)Nucl Acid Res 11:477を参照のこと)。
【0170】 (ポリペプチドライブラリー) さらに、NOVXタンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーを用い
て、NOVXタンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のための
NOVXフラグメントの多彩な集団を生成し得る。1つの実施形態では、コード
配列フラグメントのライブラリーは、NOVXコード配列の二本鎖PCRフラグ
メントを、1分子あたり約1つのみのニックが生じる条件下で、ヌクレアーゼで
処理すること、二本鎖DNAを変性させること、異なるニック産物からのセンス
/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにこのDNAを再生す
ること、S1ヌクレアーゼを用いた処理により再形成された二本鎖から一本鎖部
分を除去すること、および得られるフラグメントライブラリーを発現ベクター中
に連結することにより生成し得る。この方法により、NOVXタンパク質の種々
のサイズのN末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリーが派生
し得る。
【0171】 点変異または短縮により作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産
物をスクリーニングするため、および選択された性質を有する遺伝子産物のcD
NAライブラリーをスクリーニングするためのいくつかの技術が当該分野で公知
である。このような技術は、NOVXタンパク質のコンビナトリアル変異誘発に
より生成された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適用可能である。
大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための、高スループット分析に
適した最も広く用いられる技術は、代表的には、遺伝子ライブラリーを複製可能
な発現ベクター中にクローニングすること、得られるベクターのライブラリーで
適切な細胞を形質転換すること、およびこのコンビナトリアル遺伝子を、所望の
活性の検出が、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易
にする条件下で発現することを含む。ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増
大する新規技術であるリクルーシブエンセブル変異誘発(REM)を、スクリー
ニングアッセイと組み合わせて用い、NOVX改変体を同定し得る(Arkin
およびYourvan(1992)PNAS 89:7811−7815;De
lgraveら(1993)Protein Engineering 6:3
27−331)。
【0172】 (NOVX抗体) NOVXタンパク質に対する抗体、またはNOVXタンパク質のフラグメント
もまた、本発明に含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、免
疫グロブリン分子、および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分
(すなわち、抗原に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子
)をいう。このような抗体としては、ポリクロナール抗体、モノクロナール抗体
、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメントおよびF (ab’)2 フラグメント、ならびにFab発現ライブラリーが挙げられるが、
これらに限定されない。一般的に、ヒトから得られる抗体分子は、IgG、Ig
M、IgA、IgEおよびIgDの任意のクラスに関連し、これらは分子内に存
在する重鎖の性質によって互いに異なる。特定のクラスは同様にサブクラス(例
えば、IgG、IgGなど)を有する。さらに、ヒトにおいては、軽鎖はκ
鎖またはλ鎖であり得る。本明細書中で抗体に対する参照は、ヒト抗体種のすべ
てのこのようなクラス、サブクラスおよび型に対する参照を含む。
【0173】 本発明の単離されたNOVX関連タンパク質は、抗原、またはその一部もしく
はフラグメントとして役立つことが意図され得、そしてさらに、免疫原として使
用され、ポリクロナール抗体およびモノクロナール抗体の調製のための標準的な
技術を用いて、抗原に免疫特異的に結合する抗体を生成し得る。全長タンパク質
が使用され得るか、あるいは本発明は、免疫原として使用するための抗原の抗原
性ペプチドフラグメントを提供する。抗原性ペプチドフラグメントは、全長タン
パク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、
16、18、20または22において示されるアミノ酸配列)の少なくとも6ア
ミノ酸残基を含み、そしてそれらのエピトープを含み、その結果このペプチドに
対して惹起された抗体は、全長タンパク質またはこのエピトープを含む任意のフ
ラグメントと特定の免疫複合体を形成する。好ましくは、抗原性ペプチドは、少
なくとも10アミノ酸残基、または少なくとも15アミノ酸残基、または少なく
とも20アミノ酸残基、または少なくとも30アミノ酸残基を含む。この抗原性
ペプチドにより含まれる好ましいエピトープは、その表面上に位置するタンパク
質の領域であり;通常、これらは親水性領域である。
【0174】 本発明の特定の実施形態では、抗原性ペプチドにより包含される少なくとも1
つのエピトープは、NOVXタンパク質の表面上に位置するNOVX関連タンパ
ク質の領域、例えば、親水性領域である。ヒトNOVX関連タンパク質配列の疎
水性分析は、NOVX関連タンパク質のどの領域が特に親水性であるか、そして
それ故、抗体産生を標的化するために有用な表面残基をコードするようであるか
を示す。抗体産生を標的化する手段として、親水性および疎水性の領域を示すヒ
ドロパシープロットを、例えば、フーリエ変換とともにまたはなしの、Kyte
DoolittleまたはHopp Woods法を含む、当該分野で周知の
任意の方法により生成し得る。例えば、それらの各々の全体が本明細書に参考と
して援用される、HoppおよびWoods、1981、Proc.Nat.A
cad.Sci.USA 78:3824−3828;KyteおよびDool
ittle 1982、J.Mol.Biol.157:105−142を参照
のこと。抗原性タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくは
ホモログ内の1つ以上のドメインに対して特異的な抗体はまた、本明細書中で提
供される。
【0175】 本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログ、ホモログ
もしくはオルソログは、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体の
産生における免疫原として利用され得る。
【0176】 当該分野において公知の種々の手順が、本発明のタンパク質、またはその誘導
体、フラグメント、アナログ、ホモログもしくはオルソログに対して指向される
ポリクロナール抗体またはモノクロナール抗体の産生のために使用され得る(例
えば、Antibodies:A Laboratory Manual,Ha
rlow E,およびLane D,1988,Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press,Cold Spring Ha
rbor、NY(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。これら
の抗体のうちのいくつかは、以下で考察される。
【0177】 (ポリクロナール抗体) ポリクロナール抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ
、ヤギ、マウスまたは他の哺乳動物)は、ネイティブなタンパク質、その合成改
変体、または前記の誘導体を用いる1以上の注射によって免疫され得る。適切な
免疫原性調製物は、例えば、天然に存在する免疫原性タンパク質、免疫原性タン
パク質を提示する化学的に合成されたポリペプチド、または組換え的に発現され
る免疫原性タンパク質を含み得る。さらに、このタンパク質は、免役されている
哺乳動物において免疫原性であることが知られている第2のタンパク質に結合体
化され得る。このような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペッ
トヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、および大豆トリプシ
ンインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。この調製物はさらに、
アジュバントを含み得る。種々のアジュバントが免疫学的応答を増加させるため
に使用され、このようなアジュバントとしては、フロイント(完全および不完全
)、鉱物ゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、リゾレ
シチン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチ
ド、油乳濁液、ジニトロフェノールなど)、ヒトにおいて使用可能なアジュバン
ト(例えば、Bacille Calmette−GuerinおよびCory
nebacterium parvum)または類似の免疫刺激剤が挙げられる
が、これらに限定されない。使用され得るアジュバントのさらなる例としては、
MPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースジコ
リノミコレート)が挙げられる。
【0178】 免疫原性タンパク質に対して指向されるポリクロナール抗体分子は、哺乳動物
から(例えば、血液から)単離され得、そして周知の技術(例えば、プロテイン
AまたはプロテインGを用いるアフィニティクロマトグラフィー(これは、主に
免疫血清のIgG画分を提供する))によってさらに精製され得る。続いて、ま
たは代替的に、求められている免疫グロブリンの標的である特定の抗原またはそ
の抗原のエピトープがカラムに固定され、免疫アフィニティクロマトグラフィー
によって免疫特異的抗体を精製し得る。免疫グロブリンの精製は、例えば、D.
Wilkinson(The Scientist(The Scientis
t,Inc.,Philadelphia PAより発行)、第14巻、第8号
(2000年4月17日)、25〜28頁)によって考察される。
【0179】 (モノクロナール抗体) 本明細書で用いられる用語「モノクロナール抗体」(MAb)または「モノク
ロナール抗体組成物」は、独特の軽鎖遺伝子産物および独特の重鎖遺伝子産物か
らなる唯一の分子種の抗体分子を含む抗体分子の集団をいう。特に、モノクロナ
ール抗体の相補性決定領域(CDR)は、集団のすべての分子に同一である。従
って、MAbは、抗原への独特の結合親和性によって特徴付けられる抗原の特定
のエピトープと免疫反応可能な抗原結合部位を含む。
【0180】 モノクロナール抗体は、ハイブリドーマ方法(例えば、KohlerおよびM
ilstein,Nature,256:495(1975)に記載されるよう
な方法)を使用して調製され得る。ハイブリドーマ方法において、マウス、ハム
スター、または他の適切な宿主動物は、代表的に免疫剤で免疫され、免疫剤に特
異的に結合する抗体を産生するか、または産生し得るリンパ球を誘発する。ある
いは、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。
【0181】 免疫剤としては、代表的に、タンパク質抗原、そのフラグメントまたはその融
合タンパク質が挙げられる。一般的には、以下のいずれかである:ヒト起源の細
胞が望まれる場合は、末梢血リンパ球が使用され、または非ヒト哺乳動物供給源
が望まれる場合は、脾臓細胞またはリンパ節細胞が使用される。次いで、適切な
融合因子(例えば、ポリエチレングリコール)を使用して、リンパ球を不死化細
胞株に融合し、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclo
nal Antibodies:Principles and Practi
ce,Academic Press(1986)第59−103頁)。不死化
細胞株は、哺乳動物細胞、特にげっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞に通
常形質転換される。通常ラットまたはマウスの骨髄腫細胞株が使用される。ハイ
ブリドーマ細胞は、1以上の物質(融合されていない不死化細胞の増殖または生
存を阻害する)を好ましくは含む適切な培養培地中で培養され得る。例えば、親
の細胞が酵素、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(H
GPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマのための培養培地は、代
表的にヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(「HAT培地
」)、それらの物質はHGPRT欠失細胞の増殖を阻害する。
【0182】 好ましい不死化細胞株は、効率的に融合する細胞株であり、それらは選択され
た抗体産生細胞により安定な高レベルの抗体の発現を支持し、そしてHAT培地
のような培地に敏感である。より好ましい不死化細胞株はマウス骨髄腫細胞株で
あり、それらを、例えば、Salk Institute Cell Dist
ribution Center,San Diego,California
およびAmerican Type Culture Collection,
Manassas,Virginiaから得ることが可能である。ヒト骨髄腫お
よびマウス−ヒト骨髄腫細胞株はまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について
記載される(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(198
4);Brodeurら、Monoclonal Antibody Prod
uction Techniques and Applications,M
arcel Dekker,Inc.,New York,(1987)第51
−63頁)。
【0183】 次いで、ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、抗原に対して指向され
るモノクロナール抗体の存在についてアッセイされ得る。好ましくは、ハイブリ
ドーマ細胞によって産生されるモノクロナール抗体の結合特異性は、免疫沈降に
よって決定されるか、またはインビトロ結合アッセイ(例えば、ラジオイムノア
ッセイ(RIA)または酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA))によ
って決定される。このような技術およびアッセイは、当該分野で公知である。モ
ノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPollard
,Anal.Biochem.,107:220(1980)のスキャッチャー
ド(Scatchard)分析によって決定され得る。好ましくは、標的抗原に
対する高い程度の特異性および高結合親和性を有する抗体が、単離される。
【0184】 所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、希釈手順を限定することによって
、クローンがサブクローニングされ得、そして標準方法によって増殖され得る。
例えば、この目的のために適切な培養培地としては、Dulbecco’s M
odified Eagle’s MediumおよびRPMI−1640培地
が挙げられる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物内の腹水としてイン
ビボで増殖され得る。
【0185】 サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、従来の免疫グロブリ
ン精製手順(例えば、プロテインAセファロース、ヒドロキシアパタイトクロマ
トグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィー
など)によって、培養培地または腹水から、単離または精製され得る。
【0186】 モノクローナル抗体はまた、組換えDNA方法(例えば、米国特許第4,81
6,567号に記載される方法)によって作製され得る。本発明のモノクローナ
ル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重
鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプロ
ーブを使用することによって)容易に単離され得、そして配列決定され得る。本
発明のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ
。一旦単離されると、DNAは、発現ベクターに配置され得、次いでそれらは、
宿主細胞(例えば、別の方法では免疫グロブリンタンパク質を産生しないサルC
OS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞)に
トランスフェクトされ、組換え宿主細胞内でのモノクローナル抗体の合成を得る
。DNAはまた、例えば、相同なマウス配列の代わりにヒト重鎖定常ドメインお
よびヒト軽鎖定常ドメインについてのコード配列の置換(米国特許第4,816
,567号;Morrison,Nature 368,812−13(199
4))によってか、または非免疫グロブリンポリペプチドについてのコード配列
のすべてまたは一部の免疫グロブリンコード配列への共有結合的な連結によって
改変され得る。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定
常ドメインと置換され得るか、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変
ドメインと置換されて、キメラ二価の抗体が作製され得る。
【0187】 (ヒト化抗体) 本発明のタンパク質抗原に対する抗体は、さらにヒト化抗体またはヒト抗体を
含み得る。これらの抗体は、投与された免疫グロブリンに対するヒトによる免疫
応答を引き起こさないヒトへの投与に適する。抗体のヒト化形態は、キメラ免疫
グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、F
ab、Fab’、F(ab’)または抗体の他の抗原結合部分配列)であり、
それらは主にヒト免疫グロブリンの配列から構成され、そして非ヒト免疫グロブ
リンに由来する最小の配列を含む。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列について
のげっ歯類CDRまたはCDR配列の置換によって、Winterおよび共同研
究者の方法(Jonesら、Nature,321:522−525(1986
);Riechmannら、Nature,332:323−327(1988
);Verhoeyenら、Science,239:1534−1536(1
988))に従って実施され得る。(米国特許第5,225,539号もまた参
照のこと。)いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFv骨格(fra
mework)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体は
また、レピシエントの抗体においても、移入されたCDRまたは骨格配列におい
ても見出されない残基を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、お
よび代表的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含む。これらの領域内で、
すべてのまたは実質的にすべてのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンの領域に対
応し、そしてすべてまたは実質的にすべての骨格領域はヒト免疫グロブリンコン
センサス配列の領域に対応する。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(
Fc)、代表的には、ヒト免疫グロブリンの少なくとも一部を必要に応じて含む
(Jonesら、1986;Riechmannら、1988;およびPres
ta、Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−596(19
92))。
【0188】 (ヒト抗体) 十分なヒト抗体は、CDRを含む軽鎖および重鎖の両方の全体配列がヒト遺伝
子から本質的に生じる抗体分子に関連する。このような抗体を、「ヒト抗体」、
または「十分なヒト抗体」と本明細書中で呼ぶ。ヒトモノクローナル抗体は、ト
リオーマ(trioma)技術によって調製され得る;ヒトB細胞ハイブリドー
マ技術(Kozborら、1983 Immunol Today 4:72を
参照のこと)およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリド
ーマ技術(Coleら、1985:MONOCLONAL ANTIBODIE
S AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc
.,第77−96頁を参照のこと)。ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実施
において使用され得、そしてヒトハイブリドーマの使用によってか(Coteら
、1983.Proc Natl Acad Sci USA 80:2026
−2030を参照のこと)、またはインビトロでのエプスタイン−バーウイルス
を用いたヒトB細胞による形質転換によって(Coleら、1985:MONO
CLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY
,Alan R.Liss,Inc.,第77−96頁を参照のこと)産生され
得る。
【0189】 さらに、ヒト抗体はまた、さらなる技術(ファージディスプレイライブラリー
(HoogenboomおよびWinter,J.Mol.Biol.,227
:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:58
1(1991))を含む)を使用して産生され得る。同様に、ヒト免疫グロブリ
ンの遺伝子座をトランスジェニック動物(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子
が、部分的または完全に不活化されているマウス)に導入することによって、ヒ
ト抗体は作製され得る。チャレンジの際にヒト抗体産生が観察され、このことは
すべての点(遺伝子再配列、アセンブリ、および抗体レパートリーを含む)でヒ
トにおいて観察されたものに密接に類似する。このアプローチは、例えば、以下
に記載される:米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;
同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,42
5号;同第5,661,016号、およびMarksら(Bio/Techno
logy 10、779−783(1992));Lonbergら(Natu
re 368 856−859(1994));Morrison(Natur
e 368、812−13(1994));Fishwildら(Nature
Biotechnology 14、845−51(1996));Neub
erger(Nature Biotechnology 14、826(19
96));ならびにLonbergおよびHuszar(Intern.Rev
.Immunol.13 65−93(1995))。
【0190】 ヒト抗体は、抗原によるチャレンジに応答した動物の内因性抗体よりも十分な
ヒト抗体を産生するように改変されたトランスジェニック非ヒト動物を使用して
、さらに産生され得る。(PCT公開WO94/02602を参照のこと。)非
ヒト宿主における免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽鎖をコードする内
因性遺伝子は、機能しなくなっており、そしてヒト重鎖免疫グロブリンおよびヒ
ト軽鎖免疫グロブリンをコードする活性な遺伝子座は、宿主のゲノムに挿入され
る。例えば、必須のヒトDNAセグメントを含む酵母人工染色体を使用して、ヒ
ト遺伝子は組み込まれる。次いで、すべての所望の改変を提供する動物を、改変
の完全な相補体に満たない改変の相補体を含む中間トランスジェニック動物を交
雑することによって子孫として得る。このような非ヒト動物の好ましい実施形態
は、マウスであり、PCT公開WO96/33735およびWO96/3409
6に開示されるようにXenomouseTMと呼ばれる。この動物は、十分な
ヒト免疫グロブリンを分泌するB細胞を産生する。目的の免疫原を用いた免疫後
の動物から(例えば、ポリクローナル抗体の調製)、あるいは動物由来の不死化
されたB細胞(例えば、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ)から、
抗体を直接得ることが可能である。さらに、ヒト可変領域を有する免疫グロブリ
ンをコードする遺伝子は、抗体を直接得るために回収され、そして発現され得る
か、または抗体のアナログ(例えば、1本鎖Fv分子など)を得るために、さら
に改変され得る。
【0191】 内因性免疫グロブリン重鎖の発現を欠く非ヒト宿主(マウスとして例示される
)を作製するための方法の例は、米国特許第5,939,598号に開示される
。それを、以下の工程を包含する方法によって得ることが可能である:遺伝子座
の再配列を防ぎ、そして再配列された免疫グロブリン重鎖遺伝子座の転写物の形
成を防ぐために、胚幹細胞における少なくとも1つの内因性重鎖遺伝子座由来の
Jセグメント遺伝子を欠失させる工程(この欠失は、選択マーカーをコードする
遺伝子を含む標的ベクターによってもたらされる);およびトランスジェニック
マウス(その体細胞および生殖細胞は、選択マーカーをコードする遺伝子を含む
)を、胚幹細胞から作製する工程。
【0192】 目的の抗体(例えば、ヒト抗体)を産生する方法は、米国特許第5,916,
771号に開示される。その方法は以下の工程を包含する:重鎖をコードするヌ
クレオチド配列を含む発現ベクターを、培養中の一方の哺乳動物宿主細胞に導入
する工程、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、他方の哺
乳動物宿主細胞に導入する工程、およびハイブリッド細胞を形成するためにこれ
ら2つの細胞融合する工程。ハイブリッド細胞は、重鎖および軽鎖を含む抗体を
発現する。
【0193】 この手順のさらなる改善において、免疫原上の臨床的に関連するエピトープを
同定する方法、および関連するエピトープに高い親和性で免疫特異的に結合する
抗体を選択する相関する方法は、PCT公開WO99/53049に開示される
【0194】 (Fabフラグメントおよび1本鎖抗体) 本発明に従って、技術は、本発明の抗原性タンパク質に特異的な1本鎖抗体の
産生に適用され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)
。さらに、方法は、Fab発現ライブラリーの構築に適用され得(例えば、Hu
seら、1989 Science 246:1275−1281を参照のこと
)、タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログまたはホモログにつ
いての所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ効果
的な同定を可能にする。タンパク質抗原に対するイディオタイプを含む抗体フラ
グメントは、当該分野で公知の技術によって産生され得、このフラグメントとし
ては、(i)抗体分子のペプシン消化によって産生されるF(ab’)2フラグ
メント;(ii)F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元するこ
とによって産生されたFabフラグメント;(iii)ペプシンおよび還元剤を
用いた抗体分子の処理によって産生されたFabフラグメント、ならびに(iv
)Fフラグメント、が挙げられる、これらに限定されない。
【0195】 (二重特異的抗体) 二重特異的抗体は、モノクローナル抗体(好ましくはヒトモノクローナル抗体
またはヒト化モノクローナル抗体)であって、これは少なくとも2つの異なる抗
原に対して結合特異性を有する。この場合において、結合特異性の1つは、本発
明の抗原性タンパク質に対する結合特異性である。第2の結合標的は、任意の他
の抗原であり、そして有利には細胞表面タンパク質またはレセプターまたはレセ
プターサブユニットである。
【0196】 二重特異的抗体を作製する方法は、当該分野で公知である。伝統的に、二重特
異的抗体の組換え生成は、2つの免疫グロブリンの重鎖/軽鎖の対の同時発現に
基づき、ここでこの2つの重鎖は異なる特異性を有する(Milsteinおよ
びCuello、Nature,305:537−539(1983))。免疫
グロブリンの重鎖および軽鎖のランダムな組み合わせに起因して、これらのハイ
ブリドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の潜在的混合物を作製し
、このうち1つのみが正確な二重特異的構造を有する。この正確な分子の精製は
、通常アフィニティークロマトグラフィー工程によって達成される。同様の手順
は、1993年5月13日公開のWO93/08829、およびTraunec
kerら、1991 EMBO J.、10:3655−3659において開示
される。
【0197】 所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインは、免疫
グロブリン定常ドメイン配列に融合され得る。この融合は、好ましくは免疫グロ
ブリン重鎖定常ドメイン(ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも一部
を含む)との融合である。この融合物中の少なくとも1つに存在する軽鎖結合の
ために必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい
。この免疫グロブリン重鎖融合体、および所望の場合、この免疫グロブリン軽鎖
をコードするDNAは、別々の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生物
体に同時トランスフェクトされる。二重特異的抗体の作製のさらなる詳細は、例
えば、Sureshら、Methods in Enzymology,121
:210(1986)を参照のこと。
【0198】 WO96/27011に記載される別のアプローチに従って、抗体分子の対の
間の界面は、組換え細胞培養物から回収されるヘテロダイマーのパーセンテージ
を最大化するために操作され得る。好ましい界面は、抗体定常ドメインのCH3
領域の少なくとも一部を含む。この方法において、第1の抗体分子の界面からの
1つ以上の小さなアミノ酸側鎖は、より大きな側鎖(例えば、チロシンまたはト
リプトファン)で置換される。大きな側鎖についての同一または同様のサイズの
代償的な「空洞」は、大きなアミノ酸側鎖を小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラ
ニンまたはスレオニン)で置換することによって、第2の抗体分子の界面上に生
成される。このことは、ホモダイマーのような他の不必要な最終生成物よりも、
ヘテロダイマーの収量を増加するための機構を提供する。
【0199】 二重特異的抗体は、全長抗体または抗体フラグメント(例えば、F(ab’) 二重特異的抗体)として調製され得る。抗体フラグメントから二重特異的抗体
を作製するための技術は、文献において記載される。例えば、二重特異的抗体は
、化学結合を使用して調製され得る。Brennanら、Science 22
9:81(1985)は、インタクトな抗体がタンパク分解的に切断されてF(
ab’)フラグメントを生成する手順を記載する。これらのフラグメントは、
ビシナルジチオールを安定化し、そして分子間ジスルフィド形成を阻止するため
に、ジチオール錯化剤亜ヒ酸ナトリウムの存在下で還元される。次いで、この生
成されたFab’フラグメントは、チオニトロベンゾエート(TBN)誘導体に
変換される。次いで、Fab’−TNB誘導体の1つは、メルカプトエチルアミ
ンでの還元によってFab’−チオールに再変換され、そしてこれは等モル量の
他のFab’−TNB誘導体と混合されて二重特異的抗体を形成する。生成され
た二重特異的抗体は、酵素の選択的固定化のための薬剤として使用され得る。
【0200】 さらに、Fab’フラグメントは、E.coliから直接回収され得、そして
化学的にカップリングされて二重特異的抗体を形成する。Shalabyら、J
.Exp.Med.175:217−225(1992)は、完全にヒト化され
た二重特異的抗体F(ab’)分子の生成を記載する。各Fab’フラグメン
トは、E.coliから別々に分泌され、そしてインビトロの指向された化学的
カップリングに供され、二重特異的抗体を形成する。従って、形成されたこの二
重特異的抗体は、ErbB2レセプターを過剰発現する細胞および正常なヒトT
細胞に結合し得、そしてヒト胸部腫瘍標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶
解性活性を誘因し得る。
【0201】 組換え細胞培養物から直接二重特異的抗体フラグメントを作製し、そして単離
するための種々の技術がまた、記載されてきた。例えば、二重特異的抗体は、ロ
イシンジッパーを使用して産生される。Kostelnyら、J.Immuno
l.148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタン
パク質由来のロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗
体のFab’部分に結合される。この抗体ホモダイマーは、ヒンジ領域で還元さ
れてモノマーを形成し、次いで再酸化されて抗体ヘテロダイマーを形成する。こ
の方法はまた、抗体ホモダイマーの産生のために使用され得る。Holling
erら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6
448(1993)に記載されるこの「ディアボディー(diabody)」技
術は、二重特異的抗体フラグメントを作製するための代替的な機構を提供した。
このフラグメントは、短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間を対にできないリ
ンカーによって軽鎖可変領域(V)に接続された重鎖可変領域(V)を含む
。従って、1つのフラグメントのVおよびVドメインは、別のフラグメント
の相補的なVおよびVドメインと対になるように強制され、これによって2
つの抗原結合部位が形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用によって二重
特異的抗体フラグメントを作製するための別のストラテジーもまた、報告されて
きた。Gruberら、J.Immunol.152:5368(1994)を
参照のこと。
【0202】 2つより多くの結合価を有する抗体が意図される。例えば、三重特異的抗体が
調製され得る。Tuttら、J.Immunol.147:60(1991)。
【0203】 例示的な二重特異的抗体は、2つの異なるエピトープに結合し得、このうち少
なくとも1つは、本発明のタンパク質抗原に起源を有する。あるいは、免疫グロ
ブリン分子の抗抗原性アームは、T細胞レセプター分子(例えば、CD2、CD
3、CD28、またはB7)、あるいはIgGに対するFcレセプター(Fc
R)(例えば、Fc RI(CD64)、Fc RII(CD32)およびFc
RIII(CD16))のような白血球上の誘因分子に結合するアームに、特
定の抗原を発現する細胞に対する細胞の防御機構に焦点を合わせるように結合さ
れ得る。二重特異的抗体はまた、特定の抗原を発現する細胞に対して細胞傷害性
薬剤を指向させるために使用され得る。これらの抗体は抗原結合アーム、および
細胞傷害性薬剤または放射性核種キレーター(例えば、EOTUBE、DPTA
、DOTA、またはTETA)に結合するアームを保有する。目的の別の二重特
異的抗体は、本明細書中に記載のタンパク質抗原に結合し、そしてさらに組織因
子(TF)に結合する。
【0204】 (ヘテロ接合体抗体) ヘテロ接合体抗体はまた、本発明の範囲内である。ヘテロ接合体抗体は、2つ
の共有結合した抗体から構成される。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を
不必要な細胞に標的化するために(米国特許第4,676,980号)、および
HIV感染の処置のために(WO91/00360;WO92/200373;
EP 03089)提案されてきた。この抗体は、インビトロで、合成タンパク
質化学において公知の方法(架橋剤を含む方法を含む)を使用して調製され得る
ことが意図される。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応の使用またはチ
オエーテル結合の形成によって構築され得る。この目的のための適切な試薬の例
としては、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデート、
ならびに例えば米国特許第4,676,980号において開示される試薬が挙げ
られる。
【0205】 (エフェクター機能操作) 本発明の抗体を、エフェクター機能について、例えば癌の処置における抗体の
効力を増大するように改変することが望ましくあり得る。例えば、システイン残
基は、Fc領域に導入され得、これによってこの領域における鎖間ジスルフィド
結合の形成を可能にする。従って、作製されるこのホモダイマー抗体は、改良さ
れたインターナリゼーションの可能性および/または増加した補体媒介細胞死滅
、ならびに抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有し得る。Caronら、J.
Exp.Med.、176:1191−1195(1192)およびShope
s、J.Immunol.148:2918−2922(1992)を参照のこ
と。増大した抗腫瘍活性を有するホモダイマー抗体はまた、Wolffら、Ca
ncer Research、53:2560−2656(1993)に記載さ
れるヘテロ二官能性架橋剤を使用して調製され得る。あるいは、二重のFc領域
を有する抗体が操作され得、そしてこれによって増大した補体溶解およびADC
Cの可能性を有し得る。Stevensonら、Anti−Cancer Dr
ug Design,3:219−230(1989)を参照のこと。
【0206】 (免疫接合体) 本発明はまた、細胞傷害性の薬剤(例えば、化学療法剤、毒素(例えば、細菌
起源、真菌起源、植物起源、または動物起源の酵素学的に活性な毒素、あるいは
それらのフラグメント)、または放射性同位体(すなわち、放射性接合体))に
結合した抗体を含む免疫接合体に関する。
【0207】 このような免疫接合体の作製において有用な化学療法剤は、上記に記載される
。使用され得る酵素学的に活性な毒素およびそれらのフラグメントとしては、ジ
フテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(Pse
udomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、
モデシン(modeccin)A鎖、α−サルシン(α−sarcin)、Al
eurites fordiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タ
ンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、P
APII、およびPAP−S)、モモルジカキャランチア(momordica
charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(
crotin)、サパオナリアオフィシナリス(sapaonaria off
icinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトギリン(
mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フ
ェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、
およびトリコテセン(tricothecene)が挙げられる。種々の放射性
核種は、放射性結合した抗体の作製のために利用可能である。その例としては、 212 Bi、131I、131In、90Y、および186Reが挙げられる。
【0208】 抗体および細胞傷害性薬剤の接合体は、種々の二官能性タンパク質結合因子(
例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネー
ト(SPDP)、イミノチオラン(iminothiolane)(IT)、イ
ミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミデート HCL)、
活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば
、グルタルアルデヒド(glutareldehyde))、ビスアジド化合物
(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニ
ウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミ
ン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン2,6−ジイソシアネート)、およ
びビス−活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベ
ンゼン))を使用して作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta
ら、Science,238:1098(1987)に記載されるように調製さ
れ得る。炭素−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレ
ントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性核種の抗体への結合のための
例示的なキレート剤である。WO94/11026を参照のこと。
【0209】 別の実施形態において、腫瘍の前標的化における利用のために、この抗体は、
「レセプター」(例えば、ストレプトアビジン)に結合され得、ここで抗体−レ
セプター接合体は患者に投与され、続いて除去剤を使用して結合していない接合
体が循環から除去され、次いで細胞傷害性薬剤に順番に結合する「リガンド」(
例えば、アビジン)が投与される。
【0210】 (NOVX組換え発現ベクターおよび宿主細胞) 本発明の別の局面は、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメ
ント、アナログ、もしくはホモログをコードする核酸を含むベクター、好ましく
は発現ベクターに関する。本明細書中で使用される場合、用語「ベクター」とは
、これが接続された別の核酸を輸送し得る核酸分子をいう。ベクターの1つの型
は「プラスミド」であり、これはさらなるDNAセグメントが連結し得る環状の
二本鎖DNAループをいう。ベクターの別の型はウイルス性ベクターであり、こ
こでさらなるDNAセグメントはこのウイルス性ゲノムに連結され得る。特定の
ベクターは、導入された宿主細胞中で自発的に複製し得る(例えば、細菌の複製
起源を有する細菌ベクターおよびエピソームの哺乳動物ベクター)。他のベクタ
ー(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞に導入される際に宿
主細胞のゲノムに組み込まれ、そしてこれによって宿主のゲノムと同調して複製
される。さらに、特定のベクターは、これが作動可能に連結される遺伝子の発現
を指向し得る。このようなベクターは、本明細書中で「発現ベクター」といわれ
る。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしばプラス
ミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、
このプラスミドがベクターの最も一般的に使用される形態であるため、交換可能
に使用され得る。しかし、本発明は、ウイルス性ベクター(例えば、複製欠損レ
トロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)のような発現ベクタ
ーのこのような他の形態を含むことを意図し、これらは等価な機能を果たす。
【0211】 本発明の組換え発現ベクターは、本発明の核酸を、宿主細胞におけるその核酸
の発現に適切な形態で含み、これはこの組換え発現ベクターが、発現のために使
用される宿主細胞に基いて選択される1つ以上の調節配列を含むこと意味し、こ
れは発現される核酸配列に作動可能に連結される。組換え発現ベクターにおいて
、「作動可能に連結」は、目的のヌクレオチド配列が、そのヌクレオチド配列の
発現を可能にする(例えば、インビトロ転写/翻訳系またはこのベクターが宿主
細胞に導入される場合、宿主細胞において)ような様式で調節配列に連結される
ことを意味することを意図する。
【0212】 用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメ
ント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調
節配列は、例えば、Goeddel、GENE EXPRESSION TEC
HNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Ac
ademic Press、San Diego、Calif.(1990)に
記載されている。調節配列は、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の
構成的発現を指向する配列、および特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配
列の発現を指向する配列(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクター
の設計が形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベルなど
のような因子に依存し得ることは当業者に理解される。本発明の発現ベクターは
、宿主細胞に導入され、それにより、本明細書に記載されるような核酸によりコ
ードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質または融合ペプチドを含
む)(例えば、NOVXタンパク質、NOVXタンパク質の変異形態、融合タン
パク質など)を生成し得る。
【0213】 本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における、
NOVXタンパク質の発現のために設計され得る。例えば、NOVXタンパク質
は、細菌細胞(例えば、Escherichia coli)、昆虫細胞(バキ
ュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発
現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel、GENE EXPRESSI
ON TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY
185、Academic Press、San Diego、Calif.(
1990)においてさらに考察される。あるいは、組換え発現ベクターは、例え
ば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで
転写および翻訳され得る。
【0214】 原核生物におけるタンパク質の発現は、最も頻繁には、融合タンパク質または
非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性
プロモーターを含むベクターを用いて、Escherichia coliにお
いて実行される。融合ベクターは、そこにコードされるタンパク質に、通常、組
換えタンパク質のアミノ末端に、多数のアミノ酸を付加する。このような融合ベ
クターは、代表的には、以下の3つの目的のために役立つ:(i)組換えタンパ
ク質の発現を増加させること;(ii)組換えタンパク質の溶解度を増加させる
こと;および(iii)親和性精製においてリガンドとして作用することによっ
て組換えタンパク質の精製の際に補助すること。しばしば、融合発現ベクターに
おいて、タンパク質分解性切断部位が、融合部分の結合部に導入され、そして融
合タンパク質の精製の後に、組換えタンパク質は、その組換えタンパク質が融合
部分から分離されることを可能にする。このような酵素、およびその同族の認識
配列は、第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融
合発現ベクターとしては、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マ
ルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを、それぞれ、標的の組換えタ
ンパク質に融合するpGEX(Pharmacia Biotech Inc;
Smith and Johnson 1988.Gene 67:31−40
)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,M
ass.)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,N
.J.)が挙げられる。
【0215】 適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例としては、pTrc(Am
rannら(1988)Gene 69:301−315)およびpET 11
d(Studierら、GENE EXPRESSION TECHNOLOG
Y:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic
Press,San Diego,Calif.(1990)60−89)が
挙げられる。
【0216】 E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つのストラ
テジーは、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力が損なわれた宿
主細菌中でタンパク質を発現させることである。例えば、Gottesman,
GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS I
N ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San
Diego,Calif.(1990)119−128を参照のこと。別のスト
ラテジーは、各アミノ酸についての個々のコドンが、E.coliにおいて優先
的に利用されるものであるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を
変更することである(例えば、Wadaら,1992.Nucl.Acids
Res.20:2111−2118を参照のこと)。本発明の核酸配列のこのよ
うな変更は、標準的なDNA合成技術によって実行され得る。
【0217】 別の実施形態において、NOVX発現ベクターは、酵母発現ベクターである。
酵母Saccharomyces cerivisaeにおける発現のためのベ
クターの例には、pYepSec1(Baldariら、(1987)EMBO
J 6:229−234)、pMFa(KurjanおよびHerskowi
tz、1982.Cell 30:933−943)、pJRY88(Schu
ltzら、1987.Gene 54:113−123)、pYES2(Inv
itrogen Corporation,San Diego,Calif.
)、およびpicZ(InVitrogen Corp.,San Diego
,Calif.)が挙げられる。
【0218】 あるいは、NOVXは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細胞
中で発現され得る。培養された昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でのタンパク
質の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(
Smithら、1983.Mol.Cell.Biol.3:2156−216
5)およびpVLシリーズ(LucklowおよびSummers、1989.
Virology 170:31−39)が挙げられる。
【0219】 なお別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用し
て、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8
(Seed、1987.Nature 329:840)およびpMT2PC(
Kaufmanら、1987.EMBO J.6:187−195)が挙げられ
る。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、
ウイルスの調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用されるプロ
モーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシ
ミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方のため
の他の適切な発現系については、例えば、Sambrookら、MOLECUL
AR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、C
old Spring Harbor Laboratory,Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,Cold Sp
ring Harbor,N.Y.,1989の第16章および第17章を参照
のこと。
【0220】 別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型中で優
先的に核酸の発現を指向し得る(例えば、組織特異的調節エレメントを使用して
核酸を発現する)。組織特異的調節エレメントは、当該分野で公知である。適切
な組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(
肝臓特異的;Pinkertら、1987.Genes Dev.1:268−
277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton、198
8.Adv.Immunol.43:235−275)、特に、T細胞レセプタ
ープロモーター(WinotoおよびBaltimore、1989.EMBO
J.8:729−733)および免疫グロブリン(Banerjiら、198
3.Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore、
1983.Cell 33:741−748)のプロモーター、ニューロン特異
的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;Byrneおよ
びRuddle、1989.Proc.Natl.Acad.Sci.USA
86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら、19
85.Science 230:912−916)、および乳腺特異的プロモー
ター(例えば、ミルク乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号およ
び欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発生的に調節されるプロモ
ーターもまた含まれる(例えば、マウスホックス(murine hox)プロ
モーター(KesselおよびGruss、1990.Science 249
:374−379)およびα−フェトプロテインプロモーター(Campesお
よびTilghman、1989.Genes Dev.3:537−546)
【0221】 本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発
明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、そのDNA分
子は、NOVX mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DN
A分子の転写によって)を可能にする様式で調節配列に作動可能に連結される。
種々の細胞型におけるアンチセンスRNA分子の連続的な発現を指向する、アン
チセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結される調節配列が選択
され得る。例えば、アンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、または
細胞型特異的発現を指向する、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハン
サー、または調節配列が選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換えプ
ラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得、ここで
はアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で産生され、その活性は、ベク
ターが導入される細胞型によって決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する
遺伝子発現の調節の議論については、例えば、Weintraubら、「Ant
isense RNA as a molecular tool for g
enetic analysis」、Reviews−Trends in G
enetics、第1巻(1)1986を参照のこと。
【0222】 本発明の別の局面は、本発明の組換え発現べクターが導入された宿主細胞に関
する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能
に使用される。このような用語は、特定の対象の細胞をいうのみでなく、そのよ
うな細胞の子孫または潜在的な子孫をいうことが理解される。変異または環境的
影響のいずれかに起因して、特定の改変は次の世代において存在し得るので、こ
のような子孫は、実際、親の細胞と同一でないかもしれないが、なお、本明細書
中で使用されるような用語の範囲内に含まれる。
【0223】 宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、N
OVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母また
は哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO
)またはCOS細胞)で発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知で
ある。
【0224】 ベクターDNAは、従来的な形質転換またはトランスフェクション技術を介し
て原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場
合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例
えば、DNA)を宿主細胞中に導入するための当該分野で認識される種々の技術
をいうことを意図し、これらには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈
殿、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、また
はエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェ
クトするための適切な方法は、Sambrookら(MOLECULAR CL
ONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold S
pring Harbor Laboratory,Cold Spring
Harbor Laboratory Press,Cold Spring
Harbor,N.Y.,1989)および他の実験室マニュアルに見出され得
る。
【0225】 哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションについては、使用される発現ベク
ターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞のほんの一部のみが外来
DNAをそのゲノム中に組み込み得ることが知られている。これらの要素を同定
および選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコー
ドする遺伝子が、一般的には目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。種々
の選択マーカーには、薬物に対する耐性を付与するマーカー(例えば、G418
、ハイグロマイシン、およびメトトレキセート)が含まれる。選択マーカーをコ
ードする核酸は、NOVXをコードするベクターと同じベクター上で宿主細胞に
導入され得るか、あるいは別々のベクター上で導入され得る。導入された核酸と
ともに安定にトランスフェクトされる細胞は、薬物選択によって同定され得る(
例えば、選択マーカー遺伝子を取り込んだ細胞は生存するが、他の細胞は死滅す
る)。
【0226】 本発明の宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞および真核生物宿主細
胞)は、NOVXタンパク質を産生(すなわち、発現)するために使用され得る
。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して、NOVXタンパク質
を産生するための方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NO
VXタンパク質が産生されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(ここに
、NOVXタンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を培
養する工程を包含する。別の実施形態において、この方法はさらに、培地または
宿主細胞からNOVXを単離する工程を包含する。
【0227】 (トランスジェニックNOVX動物) 本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために使
用され得る。例えば、1つの実施形態において、本発明の宿主細胞は、NOVX
タンパク質コード配列が導入される、受精した卵母細胞または胚性幹細胞である
。次いで、このような宿主細胞は、非ヒトトランスジェニック動物を作製するた
めに使用され得、ここで外因性のNOVX配列は、それらのゲノムまたは相同組
換え動物(ここで内因性のNOVX配列が変更されている)に導入される。この
ような動物は、NOVXタンパク質の機能および/または活性を研究するため、
およびNOVXタンパク質の活性のモジュレーターを同定および/または評価す
るために有用である。本明細書中で使用される場合、「トランスジェニック動物
」とは、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、ラットまた
はマウスのような齧歯動物であり、ここでこれらの動物の1つ以上の細胞は、導
入遺伝子を含む。トランスジェニック動物の他の例には、非ヒト霊長類、ヒツジ
、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などを含む。導入遺伝子は、細胞のゲノ
ムに組み込まれ(この細胞からトランスジェニック動物が発生する)、そして成
熟動物のゲノムに残存する外因性のDNAであり、それによって、このトランス
ジェニック動物の1つ以上の細胞型または組織においてコード遺伝子産物の発現
を指向する。本明細書中で使用される場合、「相同組換え動物」とは、非ヒト動
物であり、好ましくは哺乳動物、より好ましくはマウスであり、ここで、内因性
NOVX遺伝子は、この内因性の遺伝子と、動物の発生の前に動物の細胞(例え
ば、動物の胚細胞)に導入された外因性DNA分子との間の相同組換えによって
、変更されている。
【0228】 本発明のトランスジェニック動物は、NOVXをコードする核酸を、(受精し
た卵母細胞の雄性前核に導入することによって(例えば、マイクロインジェクシ
ョン、レトロウイルス感染によって)、およびこの卵母細胞が偽妊娠雌性フォス
ター動物(foster animal)中で発生することを可能にすることに
よって作製され得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、
19または21を含む配列は、非ヒト動物のゲノムに導入遺伝子として導入され
得る。あるいは、ヒトNOVX遺伝子の非ヒトホモログ(例えば、マウスNOV
X遺伝子)は、ヒトNOVX cDNAに対するハイブリダイゼーションに基づ
いて単離され得(上述にさらに記載される)、そして導入遺伝子として使用され
得る。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた導入遺伝子中に含ま
れ、その導入遺伝子の発現の効率を増大させ得る。組織特異的調節配列(単数ま
たは複数)は、特定の細胞に対して、NOVXタンパク質の発現を指向するため
に、NOVX導入遺伝子に作動可能に連結される。胚の操作およびマイクロイン
ジェクションを介するトランスジェニック動物(特に、マウスのような動物)を
生成するための方法は、当該分野で従来的になっており、そして例えば、米国特
許第4,736,866号;同第4,870,009号;および同第4,873
,191号;ならびにHogan 1986、MANIPULATING TH
E MOUSE EMBRYO,Cold Spring Harbor La
boratory Press,Cold Spring Harbor,N.
Y.に記載されている。同様の方法は、他のトランスジェニック動物の作製のた
めに使用される。トランスジェニック初代動物は、そのゲノムにおけるNOVX
導入遺伝子の存在および/またはその動物の組織または細胞中のNOVX mR
NAの発現に基づいて同定され得る。次いで、トランスジェニック初代動物は、
導入遺伝子を有するさらなる動物を繁殖させるために使用され得る。さらに、N
OVXタンパク質をコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物は、
さらに、他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物へと繁殖させ得る
【0229】 相同組換え動物を作製するために、欠失、付加、または置換が導入されて、そ
れによってNOVX遺伝子が変化(例えば、機能的に破壊)されている、少なく
とも、NOVX遺伝子の一部を含むベクターを調製する。NOVX遺伝子は、ヒ
ト遺伝子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、1
9または21のDNA)であり得るが、より好ましくは、ヒトNOVX遺伝子の
非ヒトホモログである。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、1
5、17、19または21のヒトNOVX遺伝子のマウスホモログは、マウスゲ
ノムにおいて内因性NOVX遺伝子を変更するのに適切な相同組換えベクターを
構築するために使用され得る。1つの実施形態において、そのベクターは、相同
組換えに際して、内因性NOVX遺伝子が、機能的に破壊される(すなわち、機
能的タンパク質をもはやコードしない;「ノックアウト」ベクターともいわれる
)ように設計される。
【0230】 あるいは、このベクターは、相同組換えの際に、内因性NOVX遺伝子が変異
されるか、あるいはさもなければ、変更されるが、なお機能性タンパク質をコー
ドするように設計される(例えば、上流の調節領域を変更して、それによって内
因性NOVXタンパク質の発現を変更し得る)。相同組換えベクターにおいて、
NOVX遺伝子の変更された部分は、NOVX遺伝子のさらなる核酸によって、
その5’末端および3’末端で隣接され、相同組換えが、ベクターによって運ば
れる外因性NOVX遺伝子と胚幹細胞中の内因性NOVX遺伝子との間で起こる
ことを可能にする。さらなる隣接するNOVX核酸は、内因性遺伝子との首尾よ
い相同組換えに十分な長さである。代表的に、数キロベースの隣接するDNA(
5’末端および3’末端の両方)が、ベクターに含まれる。例えば、相同組換え
ベクターの記載について、Thomasら(1987)Cell 51:503
を参照のこと。次いで、このベクターは、胚幹細胞株に導入され(例えば、エレ
クトロポレーションによって)、この導入されたNOVX遺伝子が、内因性NO
VX遺伝子と相同組換えされた細胞が、選択される(例えば、Liら(1992
)Cell 69:915を参照のこと)。
【0231】 次いで、この選択された細胞を、動物(例えば、マウス)の胚盤胞へ注入して
、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley(1987)のTERATO
CARCINOMAS AND EMBRYONIC STEM CELLS:
A PRACTICAL APPROACH、Robertson編、IRL、
Oxford 113頁〜152頁を参照のこと。次いで、キメラ胚を、適切な
偽妊娠雌性フォスター動物に移植し得、そしてこの胚を、一定期間置く。それら
の胚芽細胞中に相同組換えDNAを保有する子孫を使用して、動物を繁殖し得、
ここで、この動物の全ての細胞は、導入遺伝子の生殖系列伝達によって、この相
同組換えDNAを含む。相同的組換えベクターおよび相同的組換え動物を構築す
るための方法が、さらに以下に記載される;Bradley(1991)Cur
r.Opin.Biotechnol.2:823〜829;PCT国際公開番
号:WO90/11354;WO91/01140;WO92/0968;およ
びWO93/04169。
【0232】 別の実施形態において、導入遺伝子の調節された発現を可能にする選択された
系を含む、非ヒトトランスジェニック動物が産生され得る。このような系の1つ
の例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。
cre/loxPリコンビナーゼ系の記載については、例えば、Laksoら、
1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232〜
6236を参照のこと。リコンビナーゼ系の別の例は、Saccharomyc
es cerevisiaeのFLPリコンビナーゼ系である(O’Gorma
nら、1991、Science 251:1351〜1355を参照のこと)
。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を調節するために使用
される場合、Creリコンビナーゼおよび選択されたタンパク質の両方をコード
する導入遺伝子を含む動物が、必要となる。このような動物は、例えば、2種の
トランスジェニック動物(一方は選択されたタンパク質をコードした導入遺伝子
を含み、他方はリコンビナーゼをコードした導入遺伝子を含む)を交配すること
による、「二重の」トランスジェニック動物の構築によって提供され得る。
【0233】 本明細書中に記載されるトランスジェニック非ヒト動物のクローンがまた、W
ilmutら、1997、Nature 385:810〜813に記載される
方法に従って、産生され得る。簡単には、トランスジェニック動物由来の細胞(
例えば、体細胞)を、単離および誘導し、増殖サイクルから出し、そしてG
に入らせ得る。次いで、この静止細胞を、例えば、電気パルスの使用により、静
止細胞が単離される同種動物由来の、摘出された卵母細胞へ融合し得る。次いで
、この再構築された卵母細胞を培養し、これにより、これは桑実胚または未分化
胚芽細胞に発達し、次いで、偽妊娠雌性フォスター動物に移される。この雌性フ
ォスター動物の産生子孫は、この細胞(例えば、体細胞)が単離される動物のク
ローンである。
【0234】 (薬学的組成物) 本発明のNOVX核酸分子、NOVXタンパク質、および抗NOVX抗体(こ
れはまた、本明細書中で「活性化合物」といわれる)、ならびにそれらの誘導体
、フラグメント、アナログ、およびホモログが、投与に適した薬学的組成物に組
み込まれ得る。このような組成物は、代表的に、核酸分子、タンパク質または抗
体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、
「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的な投与に適合した、任意および全て
の溶媒、分散液、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延
剤(delaying agent)などを含むことが意図される。適切なキャ
リアは、当該分野における標準的な参考書である、Remington’s P
harmaceutical Sciencesの最新版(本明細書中で参考と
して援用される)に記載される。このようなキャリアまたは賦形薬の好ましい例
としては、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、および5%
ヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されない。リポソームおよび非水性
ビヒクル(例えば、不揮発性油)はまた、使用され得る。薬学的に活性物質であ
る、このような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。この活性化合
物と不適合性である任意の従来の媒体または薬剤の範囲を除いて、組成物におけ
るその使用は、意図される。補足的な活性化合物はまた、この組成物に組み込ま
れ得る。
【0235】 本明細書中に開示された抗体は、免疫リポソームとして処方され得る。この抗
体を含むリポソームは、当該分野で公知の方法によって調製される(例えば、E
psteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:36
88(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,77:4030(1980);および米国特許第4,485,045号お
よび同第4,544,545号において記載される)。増強された循環時間を有
するリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示される。
【0236】 特に、有用であるリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、お
よびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含有す
る脂質組成物との逆層蒸発法によって生成され得る。リポソームは、規定された
孔径のフィルターを通って押し出され、所望の直径を有するリポソームを生じる
。本発明の抗体のFab’フラグメントは、Martinら、J.Biol.C
hem.,257:286〜288(1982)に記載のようにジスルフィド交
換反応を介してリポソームに結合体化され得る。化学治療剤(例えば、Doxo
rubicin)は、必要に応じてリポソーム内に含まれ得る。Gabizon
ら、J.National Cancer Inst.,81(19):148
4(1989)を参照のこと。
【0237】 本発明の薬学的組成物は、その意図される投与の経路と適合可能に処方される
。投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)、経口(例え
ば、吸入)、経皮的(すなわち、局所的)、粘膜を越えて、および直腸投与が挙
げられる。非経口、皮内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液
としては、以下の成分が挙げられ得る:滅菌賦形薬(注射のための水、生理食塩
水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコ
ールまたは他の合成溶媒);抗菌性剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチ
ルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム)
;キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));緩衝液(例え
ば、アセテート、シトレートまたはホスフェート);および張度の調整のための
薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基
(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)を用いて調整され得る。非経口調製物
は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは複数用量
バイアルに封入され得る。
【0238】 注射使用に適した薬学的組成物は、滅菌の水溶液(ここで、水溶性)または分
散液および滅菌注射可能な溶液または分散液の即席調製のための滅菌粉末を含む
。静脈内投与について、適切なキャリアには、生理食塩水、静菌性水、Crem
ophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.)またはリ
ン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物
は、滅菌性であるべきであり、そして容易な注入性(syringeabili
ty)が存在する程度に流動的であるべきである。これは、製造および保存の条
件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌などの微生物の汚染作用
に対して維持されるべきである。このキャリアは、例えば、以下を含む溶媒また
は分散媒体であり得る:例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセ
ロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)なら
びにそれらの適切な混合物。適切な流動性が、例えば、レシチンなどのコーティ
ングの使用によって、分散に関しては、要求される粒子サイズを維持することに
よって、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の作用
の予防は、種々の抗菌および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、
フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多く
の場合、組成物中に等張剤(例えば、糖、マンニトール(manitol)、ソ
ルビトールなどのポリアルコール、塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注
射可能組成物の長期の吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、アルミニウムモノ
ステアレートおよびゼラチン)を組成物に含ませることによってもたらされ得る
【0239】 滅菌注射可能溶液は、必要量のこの活性化合物(例えば、NOVXタンパク質
あるいは抗NOVX抗体)を、適切な溶媒中に、上記で列挙される成分の1つま
たは組み合わせと共に組み込み、必要な場合、続いて濾過滅菌することによって
調製され得る。一般的に、分散液は、活性化合物を、基本分散媒体および上記で
列挙される成分から必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクル中へ組み込むこと
によって調製される。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉末の場合において
、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、活性成分および予
め滅菌濾過されたその溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を得る。
【0240】 経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは
、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤へ圧縮され得る。経口治療投
与の目的のために、この活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、そして錠
剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物はまた、
マウスウォッシュ(mouthwash)としての使用のために流体キャリアを
使用して調製され得、ここで、この流体キャリア中のこの化合物は、経口的に適
用され、そして素早く動かされ(スイッシュ)(swish)、そして吐き出さ
れるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュ
バント材料が、この組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、
トローチ剤などが、以下のいずれかの成分または同様の性質を有する化合物を含
み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガントまたはゼラチン)
;賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸
)、Primogel、またはコーンスターチ;滑沢剤(例えば、ステアリン酸
マグネシウムまたはSterotes);グライダント(glidant)(例
えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリ
ン);あるいは香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレ
ンジフレーバー)。
【0241】 吸入による投与について、この化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素
のような気体)を含む圧縮容器またはディスペンサー、あるいは噴霧器から、エ
アロゾルスプレーの形態で送達される。
【0242】 全身的投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により得る。経粘膜投与または
経皮投与について、浸透されるバリアに対して適切な浸透剤が、処方において使
用される。このような浸透剤は、一般的に、当該分野で公知であり、そして、例
えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体
が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤によって達成され得る。経
皮投与については、この活性化合物は、当該分野で一般的に公知である軟膏剤、
軟膏、ゲル、またはクリーム剤へ処方される。
【0243】 この化合物はまた、直腸送達のための坐剤の使用(例えば、ココアバターおよ
び他のグリセリドのような従来の坐剤ベースと共に)または保持浣腸の形態で調
製され得る。
【0244】 1つの実施形態において、この活性化合物は、身体からの迅速な排出に対して
この化合物を保護するキャリアを用いて調製され(例えば、制御放出処方物)、
これには、移植片およびマイクロカプセル化された送達系が挙げられる。酢酸エ
チレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステ
ル、およびポリ乳酸のような、生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。
このような処方物の調製のための方法は、当該業者には明らかである。これらの
材料はまた、Alza Corporation and Nova Phar
maceuticals,Inc.から商業的に入手可能である。リポソーム懸
濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を含む、感染させた細胞へ標的
化されるリポソームを含む)がまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用さ
れ得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるよう
な、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0245】 投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で、経口組成物ま
たは非経口組成物を処方することが、特に有益である。本明細書で使用される投
薬単位形態は、処置される被験体のための単位投薬量として適切な、物理的に個
々の単位をいい;各単位は、必要とされる薬学的キャリアと関連して、所望の治
療的効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の投薬単
位形態についての詳細は、この活性化合物の固有の特性、および達成される特定
の治療効果、ならびに個体の処置のためのこのような活性化合物を調合する当該
分野に固有の制限によって決定されるか、あるいはこれらに直接依存する。
【0246】 本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとし
て使用され得る。遺伝子治療ベクターは、被験体へ、例えば、静脈内注射、局所
投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)または定位注射(例えば
、Chenら(1994)Proc.Natl.Sci.USA.91:305
4〜3057を参照のこと)によって送達され得る。遺伝子治療ベクターの薬学
的調製物には、受容可能な希釈剤中の遺伝子治療ベクターが挙げられ得、または
遺伝子送達ビヒクルが組み込まれる徐放性マトリックスを含み得る。あるいは、
完全な遺伝子送達ベクターが、組換え細胞からインタクトで産生され得(例えば
、レトロウイルスベクター)、この薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1
以上の細胞を含み得る。
【0247】 本発明のタンパク質に特異的に結合する抗体、ならびに本明細書中で開示され
るスクリーニングアッセイによって同定される他の分子は、薬学的組成物の形態
で種々の障害の処置のために投与され得る。このような組成物を調製する際に関
する原理および考慮、ならびに成分の選択の際の手引きは、例えば、Remin
gtonのThe Science And Practice Of Pha
rmacy 第19編(Alfonso R.Gennaroら、編)Mack
Pub.Co.,Easton,Pa:1995;Drug Absorpt
ion Enhancement:Concepts,Possibiliti
es,Limitations,And Trends,Harwood Ac
ademic Publishers,Langhorne,Pa.,1994
;およびPeptide And Protein Drug Deliver
y(Advances In Parenteral Sciences,Vo
l.4)、1991、M.Dekker,New York.に提供される。抗
原性タンパク質が、細胞内にあり、そして完全な抗体が、インヒビターとして使
用される場合、抗体を内在化することが、好ましい。しかし、リポソームはまた
、抗体または抗体フラグメントを細胞に送達するために使用され得る。抗体フラ
グメントが、使用される場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合す
る最小の抑制フラグメントが、好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づい
て、標的タンパク質配列に結合する能力を維持するペプチド分子は、設計され得
る。このようなペプチドは、化学的に合成され得、そして/または組み換えDN
A技術によって産生され得る。例えば、Marascoら、1993 Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,90:7889〜7893を参照のこ
と。本明細書中の処方物はまた、処置される特定の指標について必要な1より多
くの活性化合物を含み得、好ましくは、互いに悪影響を与えない相補的活性を有
する化合物を含み得る。あるいは、またはさらに、この組成物は、その機能を増
強する薬剤(例えば、細胞毒性剤、サイトカイン、化学療法剤または増殖抑制剤
)を含み得る。このような分子は、意図される目的のために有効である量で組み
合わせて適切に存在する。活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術ま
たは界面重合化によって調製されたマイクロカプセル(例えば、それぞれ、ヒド
ロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メタ
クリル酸メチル)マイクロカプセル)で、コロイド状薬物送達系(例えば、リポ
ソーム、アルブミン微粒子、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプ
セル)またはマクロエマルジョンにおいてトラップされ得る。
【0248】 インビボ投与のために使用される処方物は、滅菌である。これは、滅菌濾過膜
を通す濾過によって容易に達成される。
【0249】 徐放性調製物は、調製され得る。徐放性調製物の適切な例としては、抗体を含
有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、このマトリックス
は、成形された粒子(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である
。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ
(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))
、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とエチ
ル−L−グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン−ビニルアセテート、
分解性乳酸−グリコール酸コポリマー(例えば、LUPRON DEPOTTM (乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドで構成される注入可能
なミクロスフェア)、ならびにポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げら
れる。エチレン−ビニルアセテートおよび乳酸−グリコール酸のようなポリマー
は、100日を超えて分子の放出を可能にする一方で、特定のヒドロゲルは、よ
り短い期間でタンパク質を放出する。
【0250】 薬学的組成物は、投与のための使用説明書をとともに、容器、包装、またはデ
ィスペンサーに含まれ得る。
【0251】 (スクリーニング方法および検出方法) 本発明の単離された核酸分子は、NOVXタンパク質を発現するために(例え
ば、遺伝子治療適用の際に宿主細胞における組み換え発現ベクターを介して)使
用され、NOVX mRNA(例えば、生物学的サンプルにおける)またはNO
VX遺伝子における遺伝的病変を検出し得、かつ以下にさらに記載されるような
NOVX活性を調節し得る。さらに、NOVXタンパク質は、NOVXタンパク
質活性または発現を調節する薬物または化合物をスクリーニングし、ならびにN
OVXタンパク質の不十分かもしくは過剰な産生またはNOVXタンパク質形態
の産生の減少またはNOVX野生型タンパク質と比較して異常な活性によって特
徴づけられる障害を処置するために使用され得る。さらに、本発明の抗NOVX
抗体は、NOVXタンパク質を検出および単離し、ならびにNOVX活性を調節
するために使用され得る。例えば、NOVX活性は、成長および分化、抗体産生
、および腫瘍増殖を含む。
【0252】 本発明は、さらに、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって
同定される新規の薬剤、および上記の処置のためのそれらの使用に関する。
【0253】 (スクリーニングアッセイ) 本発明は、調節因子、すなわち、NOVXタンパク質に結合するか、あるいは
例えば、NOVXタンパク質発現またはNOVXタンパク質活性に対して刺激効
果または阻害効果を有する、候補化合物または候補薬剤、あるいは試験化合物ま
たは試験薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子または他の薬物)を
同定するための方法(本明細書中において「スクリーニングアッセイ」とも称さ
れる)を提供する。本発明はまた、本明細書中で記載されるスクリーニングアッ
セイにおいて同定される化合物を含む。
【0254】 1つの実施形態において、本発明は、NOVXのタンパク質またはポリペプチ
ド、あるいはその生物学的に活性な部分の膜結合形態に結合するか、またはそれ
ら膜結合形態の活性を調節する、候補化合物もしくは試験化合物をスクリーニン
グするためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、当該分野において公
知のコンビナトリアルライブラリー法における任意の多数のアプローチを使用し
て得られ得、これらのライブラリーには、以下が挙げられる:生物学的ライブラ
リー;空間的にアクセス可能な平行固相もしくは溶液相ライブラリー;逆重畳を
要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフ
ィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。生物学的ラ
イブラリーアプローチはペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプ
ローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーもしくは化合物の低分子ライブラリ
ーに適用可能である(Lam(1997)Anticancer Drug D
esign 12:145を参照のこと)。
【0255】 本明細書中で使用される場合、「低分子」とは、約5kD未満の分子量、最も
好ましくは約4kD未満の分子量を有する組成物をいうように意味される。低分
子は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣体、糖、脂質また
は他の有機分子もしくは無機分子であり得る。化学的および/または生物学的混
合物(例えば、真菌、細菌または藻類抽出物)のライブラリーは、当該分野で公
知であり、そして本発明のアッセイのいずれかを用いてスクリーニングされ得る
【0256】 分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば以下
に見出され得る:DeWittら(1993)Proc.Natl.Acad.
Sci.U.S.A.90:6909;Erbら(1994)Proc.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A.91:11422;Zuckermann
ら(1994)J.Med.Chem.37:2678;Choら(1993)
Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew
.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carellら(19
94)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;およ
びGallopら(1994)J.Med.Chem.37:1233。
【0257】 化合物のライブラリーは、溶液中で(例えば、Houghten(1992)
Biotechniques 13:412〜421)、あるいはビーズ上(L
am(1991)Nature 354:82〜84)、チップ上(Fodor
(1993)Nature 364:555〜556)、細菌(Ladner
米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner 米国特許第5,23
3,409号)、プラスミド(Cullら(1992)Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 89:1865〜1869)またはファージ上(Sc
ottおよびSmith(1990)Science 249:386〜390
;Devlin(1990)Science 249:404〜406;Cwi
rlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.8
7:6378〜6382;Felici(1991)J.Mol.Biol.2
22:301〜310;Ladner、米国特許第5,233,409号)にお
いて示され得る。
【0258】 1つの実施形態において、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、ここで、
膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分を細胞表面
上に発現する細胞が、試験化合物と接触され、そしてこの試験化合物が、NOV
Xタンパク質に結合する能力が、決定される。例えば、細胞は、哺乳動物起源ま
たは酵母細胞であり得る。この試験化合物がNOVXタンパク質に結合する能力
の決定は、例えば、その試験化合物を放射性同位体標識または酵素標識とカップ
リングさせて、その結果、この試験化合物のNOVXタンパク質またはその生物
学的に活性な部分に対する結合が、複合体におけるその標識化合物を検出するこ
とによって決定され得ることによって達成され得る。例えば、試験化合物は、 25 I、35S、14C、またはHで直接的または間接的のいずれかで標識さ
れ得、そしてその放射性同位体が、放射線放射の直接の計数により、またはシン
チレーション計数により、検出され得る。あるいは、試験化合物は、例えば、西
洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで
酵素的に標識され得、そしてこの酵素的標識が、適切な基質の生成物への転換を
決定することにより、検出され得る。1つの実施形態において、このアッセイは
、膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分をその細
胞表面上に発現する細胞を、NOVXと結合する公知の化合物と接触させて、ア
ッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物に試験化合物を接触させる工
程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定す
る工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する
能力を決定する工程が、この試験化合物が、公知の化合物と比較して、NOVX
タンパク質またはその生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する
工程を包含する。
【0259】 別の実施形態において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、これは、
膜結合形態のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上
で発現する細胞を、試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物が、
NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺
激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物が、NOV
Xまたはその生物学的に活性な部分の活性を調節する能力の決定は、例えば、N
OVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合またはこれら標的分子と相互作用
する能力を決定することによって、達成され得る。本明細書中において使用する
場合には、「標的分子」とは、NOVXタンパク質が自然に結合または相互作用
する分子であり、例えば、NOVX相互作用タンパク質を発現する細胞表面上の
分子、第二の細胞表面上の分子、細胞外環境中の分子、細胞膜の内部表面と会合
する分子、または細胞質分子である。NOVX標的分子は、非NOVX分子ある
いは本発明のNOVXタンパク質またはポリペプチドであり得る。1つの実施形
態において、NOVX標的分子は、シグナル伝達経路の構成要素であり、これは
、細胞膜を通って細胞内への細胞外シグナル(例えば、化合物が膜結合NOVX
分子に結合することにより発生するシグナル)の伝達を促進する。その標的は、
例えば、触媒活性を有する第二の細胞内タンパク質、または下流シグナル分子の
NOVXとの会合を容易にするタンパク質であり得る。
【0260】 NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相
互作用する能力の決定は、直接的結合を決定するための上記方法の1つにより、
達成され得る。1つの実施形態において、NOVXタンパク質がNOVX標的分
子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、その標的分子
の活性を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の活性は、
その標的の細胞セカンドメッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシル
グリセロール、IPなど)の誘導を検出すること、適切な基質への標的の触媒
活性/酵素活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー(例え
ば、ルシフェラーゼ)をコードする核酸に作動的に連結されたNOVX応答性調
節エレメントを含む)の誘導を検出すること、または細胞応答(例えば、細胞生
存度、細胞分化、または細胞増殖)を検出することにより、決定され得る。
【0261】 なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、無細胞アッセイであり、N
OVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物に接触させる工
程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な
部分と結合する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物の、NOVXタ
ンパク質への結合は、上記のように、直接的または間接的にのいずれかで決定さ
れ得る。1つのこのような実施形態において、このアッセイは、NOVXタンパ
ク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXを結合する公知の化合物に接
触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物に
接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する
能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と
相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が、公知の化合物と比較し
て、NOVX、またはその生物学的に活性な部分と優先的に相互作用する能力を
決定する工程を包含する。
【0262】 さらに別の実施形態において、アッセイは、無細胞アッセイであり、NOVX
タンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、な
らびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の
活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。こ
の試験化合物がNOVXの活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタン
パク質が、NOVX標的分子に結合する能力を、直接的結合の決定のための上記
方法の1つによって決定することにより、達成され得る。代替の実施形態におい
て、この試験化合物がNOVXタンパク質の活性を調節する能力の決定は、NO
VXタンパク質が、NOVX標的分子をさらに調節する能力を決定することによ
り、達成され得る。例えば、この標的分子の適切な基質に対する触媒活性/酵素
活性は、上記のように決定され得る。
【0263】 なお別の実施形態において、無細胞アッセイは、NOVXタンパク質またはそ
の生物学的に活性な部分を、NOVXタンパク質を結合する公知の化合物に接触
させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接触
させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力
を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互
作用する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子と優先的に結
合するか、またはその標的分子の活性を優先的に調節する能力を決定する工程を
包含する。
【0264】 本発明の無細胞アッセイは、NOVXタンパク質の、可溶性の形態または膜結
合形態の両方の使用に受け入れられる。膜結合形態のNOVXタンパク質を含む
無細胞アッセイの場合には、NOVXタンパク質の膜結合形態が溶液中に維持さ
れるように、可溶化剤を利用することが望ましくあり得る。このような可溶化剤
の例には、非イオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、n−オクチルグルコシド
、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチ
ルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton(登録商標)
X−100、Triton(登録商標)X−114、Thesit(登録商標)
、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)(Isotridec
ypoly(ethylene glycol ether)、N−ドデシル
−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、3−(3−
コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホネート(3−(3
−cholamidopropyl)dimethylamminiol−1−
propane sulfonate)(CHAPS)、または3−(3−コラ
ミドプロピル)ジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネー
ト(3−(3−cholamidopropyl)dimethylammin
iol−2−hydroxy−1−propane sulfonate)(C
HAPSO)である。
【0265】 本発明の上記アッセイ方法の1つより多い実施形態において、NOVXタンパ
ク質またはその標的分子のいずれかを固定して、そのタンパク質の一方または両
方の非複合形態からの複合形態の分離を促進し、そしてそのアッセイの自動化に
適用させることが、望ましくあり得る。試験化合物の、NOVXタンパク質への
結合、または候補化合物の存在下および非存在下での、NOVXタンパク質の標
的分子との相互作用は、これらの反応物を収容するために適切な任意の容器内で
、達成され得る。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管
、および微小遠心管が挙げられる。1実施形態において、そのタンパク質の一方
または両方がマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合
タンパク質が、提供され得る。例えば、GST−NOVX融合タンパク質または
GST標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma
Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイ
クロタイタープレート上に吸着され得、次いでこれらは、試験化合物と合わせら
れるか、あるいは試験化合物および吸着されない標的タンパク質、またはNOV
Xタンパク質のいずれかと合わせられ、そしてこの混合物が、複合体形成に貢献
する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートさ
れる。インキュベーションに続いて、ビーズまたはマイクロタイタープレートウ
ェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマト
リックスを固定し、例えば上記(前出)のように、複合体を直接的または間接的
のいずれかで決定する。あるいは、複合体がマトリックスから解離され得、そし
てNOVXタンパク質の結合レベルまたは活性レベルを、標準的な技術を使用し
て決定し得る。
【0266】 タンパク質をマトリックスに固定するための他の技術がまた、本発明のスクリ
ーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、NOVXタンパク質、または
その標的分子のいずれかが、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を利用して
、固定され得る。ビオチニル化NOVXタンパク質、または標的分子は、当該分
野において周知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシン
イミド)から調製され得(例えば、ビオチニル化キット、Pierce Che
micals、Rockford、Ill.)、そしてストレプトアビジンで被
覆した96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェルに固
定され得る。あるいは、NOVXタンパク質、または標的分子と反応性であるが
NOVXタンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体が、そのプレート
のウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的またはNOVXタンパク
質が、抗体の結合によってウェル内にトラップされ得る。このような複合体を検
出するための方法には、GST固定複合体に関しての上記のものに加えて、NO
VXタンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫検出、
ならびにNOVXタンパク質、または標的分子に関する酵素活性の検出に依存す
る酵素結合アッセイが挙げられる。
【0267】 別の実施形態において、NOVXタンパク質発現のモジュレーターは、細胞を
候補化合物と接触させ、そして細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の
発現を決定する方法において同定される。候補化合物の存在下でのNOVX m
RNAまたはタンパク質の発現レベルは、候補化合物の非存在下でのNOVX
mRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較される。次いで、候補化合物は、
この比較に基づいて、NOVX mRNAまたはタンパク質発現のモジュレータ
ーとして同定され得る。例えば、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が
候補化合物の非存在下より、その存在下における方が大きい(すなわち、統計的
に有意に大きい)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク
質の発現の刺激物質として同定される。あるいは、NOVX mRNAまたはタ
ンパク質の発現が候補化合物の非存在下よりその存在下の方が少ない(統計的に
有意に少ない)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質
の発現のインヒビターとして同定される。細胞中のNOVX mRNAまたはタ
ンパク質の発現レベルは、NOVX mRNAまたはタンパク質を検出するため
に本明細書中に記載の方法によって決定され得る。
【0268】 本発明のなお別の局面において、NOVXタンパク質は、ツーハイブリッドア
ッセイまたはスリーハイブリッドアッセイにおいて「ベイトタンパク質」として
使用されて(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら(19
93)Cell 72:223〜232;Maduraら、1993 J.Bi
ol.Chem.268:12046〜12054;Bartelら、1993
Biotechniques 14:920〜924;Iwabuchiら、
1993 Oncogene 8:1693〜1696;およびBrent W
O94/10300を参照のこと)、NOVX(「NOVX結合タンパク質」ま
たは「NOVX−bp」)に結合するか、またはこれと相互作用し、そしてNO
VX活性を調節する他のタンパク質を同定し得る。このようなNOVX結合タン
パク質はまた、例えば、NOVX経路の上流または下流エレメントとしてNOV
Xタンパク質によるシグナル伝達に関与するようである。
【0269】 ツーハイブリッドシステムは、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ド
メインからなる、大部分の転写因子のモジュール的性質に基づく。簡潔には、こ
のアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物においては
、NOVXをコードする遺伝子が既知の転写因子(例えば、GAL−4)のDN
A結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物においては、D
NA配列のライブラリー由来の、未同定タンパク質(「プレイ」または「サンプ
ル」)をコードするDNA配列が、公知の転写因子の活性化ドメインをコードす
る遺伝子に融合される。「ベイト」および「プレイ」タンパク質がインビボで相
互作用して、NOVX依存性複合体を形成し得る場合、この転写因子のDNA結
合ドメインおよび活性化ドメインは、非常に近位にある。近位にあることにより
、転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結されたレポーター遺伝子(
例えば、LacZ)の転写を可能にする。レポーター遺伝子の発現が検出され得
、そして機能的転写因子を含む細胞コロニーは、単離され得、そしてNOVXと
相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るために使
用され得る。
【0270】 本発明はさらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規な薬剤
および本明細書中に記載されるような処置のためのこの薬剤の使用に関する。
【0271】 (検出アッセイ) 本明細書中で同定されるcDNA配列の一部分またはフラグメント(および対
応する完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多くの方法で使用さ
れ得る。例えば、限定しないが、これらの配列を使用して、(i)微量の生物学
的サンプルから個体を同定し得る(組織型決定);および(ii)生物学的サン
プルの法医学的識別を助け得る。これらの適用のうちのいくつかは、以下の節に
おいて記載される。
【0272】 (組織型決定(tissue typing)) 本発明のNOVX配列は、わずかな生物学的サンプルから個体を識別するため
に使用され得る。この技術において、個体のゲノムDNAは、1つ以上の制限酵
素で消化され、そして同定のために独特のバンドを生成するためにサザンブロッ
ト上でプローブされる。本発明の配列は、RFLP(米国特許第5,272,0
57号に記載の「制限フラグメント長多型」)のためのさらなるDNAマーカー
として有用である。
【0273】 さらに、本発明の配列を用いて、個体のゲノムの選択された部分について実際
の塩基ごとにDNA配列を決定する代替的技術を提供し得る。従って、本明細書
中に記載のNOVX配列を用いて、配列の5’末端および3’末端から2つのP
CRプライマーを調製し得る。次いで、これらのプライマーを使用して、個体の
DNAを増幅し得、引き続いて、配列決定し得る。
【0274】 このように調製された個体由来の対応するDNA配列のパネルは、各個体が、
対立遺伝子差異に起因するこのようなDNA配列の独特のセットを有するので、
唯一の個体識別を提供し得る。本発明の配列は、個体および組織からのこのよう
な識別配列を得るために使用され得る。本発明のNOVX配列は、ヒトゲノムの
部分を独特に表す。対立遺伝子変異は、これらの配列のコード領域においてある
程度生じ、そして非コード領域においてより大きな程度に生じる。個々のヒト間
での対立遺伝子変異は、各500塩基につき約1回の頻度で生じると見積もられ
る。対立遺伝子変異の多さは、制限フラグメント長多型(RFLP)を含む単一
ヌクレオチド多型(SNP)に起因する。
【0275】 本明細書中で記載の配列の各々は、ある程度、標準物質(これに対して個体か
らのDNAが識別の目的で比較され得る)として使用され得る。より多くの多型
が非コード領域で生じるので、個体を区別するために、それほど多くの配列が必
要であるわけではない。非コード配列は、おそらく10〜1,000プライマー
のパネルを用いてポジティブな個体識別を不自由なく提供し得る。これらのプラ
イマーは、各々が100塩基の増幅された非コード配列を生じる。推定コード配
列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19また
は21における配列)が使用される場合、ポジティブな個体識別に関するプライ
マーのより適切な数は、500〜2,000である。
【0276】 (予測医療) 本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、薬物ゲノム(pharmaco
genomics)およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)の目的に使用
され、これによって個体を予防的に処置する、予測医療の分野に関する。従って
、本発明の1つの局面は、NOVXタンパク質および/または核酸の発現、なら
びにNOVXの活性を、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)
の関連で決定し、これによって、異常なNOVXの発現または活性に関連して、
個体が疾患または障害に罹患するかどうか、あるいは障害を発症する危険性があ
るか否を決定する。異常なNOVX発現活性に関連した障害としては、例えば、
異常な細胞増殖、細胞分化、および細胞移動(例えば、癌、新脈管形成および創
傷治癒)、神経学的障害(例えば、腫瘍随伴性神経学的障害、偶発性運動失調、
常染色体優性筋波動症、発作、パーキンソン病およびアルツハイマー病)、エナ
メル質欠損(例えば、エナメル質形成不全症)ならびに不適正なタンパク質分解
(例えば、アテローム性動脈硬化症および腹大動脈動脈瘤)によって特徴付けら
れる障害が挙げられる。
【0277】 本発明はまた、個体が、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性と関連
した障害を発症するリスクがあるか否かを決定するための予後的(または予測的
)アッセイを提供する。例えば、NOVX遺伝子における変異が、生物学的サン
プルにおいてアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後的または予測的な
目的に使用され得、これによってNOVXのタンパク質、核酸の発現または生物
学的活性によって特徴付けられるかまたはそれに関連した障害の発病の前に個体
を予防的に処置する。
【0278】 本発明の別の局面は、個体におけるNOVXタンパク質、核酸の発現または活
性を決定するための方法を提供し、これによって、その個体についての適切な治
療的または予防的因子(本明細書において「薬理ゲノム」とよばれる)を選択す
る。薬理ゲノムは、個体の遺伝型(例えば、特定の因子に対して応答する個体の
能力を決定するために試験された個体の遺伝型)に基づいた、個体の治療的また
は予防的処置のための因子(例えば、薬物)の選択を可能にする。
【0279】 本発明のなお別の局面は、臨床試験におけるNOVXの発現または活性に対す
る因子(例えば、薬剤、化合物)の影響をモニタリングすることに関する。
【0280】 これらおよび他の因子は、以下の節でさらに詳細に記載される。
【0281】 (診断アッセイ) 生物学的サンプルにおけるNOVXの存在または非存在を検出するための例示
的な方法は、試験被験体から生物学的サンプルを得る工程、およびその生物学的
サンプルを、NOVXタンパク質またはNOVXタンパク質をコードする核酸(
例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出し得る化合物もしくは薬剤とを接触さ
せ、その結果、NOVXの存在が、その生物学的サンプルにおいて検出される、
工程を包含する。NOVXのmRNAまたはゲノムDNAを検出するための薬剤
は、NOVXのmRNAまたはゲノムDNAにハイブリダイズし得る、標識され
た核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、全長のNOVX核酸(例
えば、SEQ ID NO:1、3、5、7、9、11、13、15、17、1
9もしくは21またはその部分の核酸(例えば、少なくとも、15、30、50
、100、250もしくは500ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、
そしてストリンジェントな条件下でNOVXのmRNAまたはゲノムDNAと特
異的にハイブリダイズするに十分である核酸))であり得る。本発明の診断アッ
セイにおける使用のための他の適切なプローブは本明細書中に記載される。
【0282】 NOVXタンパク質を検出するための1つの薬剤は、NOVXと結合し得る抗
体、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。本発明のタンパク質に対
する抗体は、タンパク質の局在および/または定量化に関連する、当該分野で公
知の方法において使用され得る(例えば、適切な生理学的サンプル内のタンパク
質のレベルの測定における使用のため、診断方法における使用のため、タンパク
質の画像化における使用のためなど)。所定の実施形態では、タンパク質に対す
る抗体または抗原結合ドメインを含むその誘導体、フラグメント、アナログまた
はホモログは、薬理学的に活性な組成物として使用される。
【0283】 本発明のタンパク質に特異的な抗体は、標準技術(例えば、免疫親和性クロマ
トグラフィまたは免疫沈降)によって、タンパク質を単離するために使用され得
る。このような抗体は、細胞からの天然のタンパク質抗原の精製および宿主細胞
において発現される組換え的に産生された抗原の精製を容易にし得る。さらに、
抗原タンパク質の発現の量およびパターンを評価するために、このような抗体を
使用して(例えば、細胞の溶解液または細胞上清における)抗原タンパク質を検
出し得る。このタンパク質に対する抗体は、例えば、所定の処置レジメンの有効
性を決定するために、臨床試験の手順の一部として組織におけるタンパク質レベ
ルを診断的にモニターするために使用され得る。検出は、抗体を検出可能物質に
カップリングする(すなわち、物理的に連結する)ことにより容易にされ得る。
検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、
生物発光物質および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたは
アセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子団複合体の例としては
、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適切な
蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイ
ソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン(dichlor
otriazinylamine)フルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフ
ィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生
物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙
げられ、そして、適切な放射性物質の例としては125I、131I、35Sま
たはHが挙げられる。
【0284】 抗体は、ポリクローナルであり得るか、またはより好ましくはモノクローナル
抗体であり得る。インタクトな抗体またはそのフラグメント(例えば、Fabま
たはF(ab’))が使用され得る。用語「標識(された)」とは、プローブ
または抗体に関して、検出可能な物質をそのプローブもしくは抗体にカップリン
グさせる(すなわち、物理的に連結する)ことによって、そのプローブまたは抗
体を直接標識すること、ならびに、直接標識される別の試薬との反応性によって
、そのプローブもしくは抗体を間接的に標識をすることを包含することが意図さ
れる。間接的な標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を用いる一次抗体の
検出、および蛍光標識されたストレプトアビジンを用いて検出され得るようにビ
オチンを用いるDNAプローブの末端標識が挙げられる。用語「生物学的サンプ
ル」とは、被験体から単離された、組織、細胞および生物学的流体ならびに被験
体に存在する組織、細胞および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明
の検出方法を用いて、生物学的サンプル中のNOVXのmRNA、タンパク質ま
たはゲノムDNAを、インビトロおよびインビボで検出し得る。例えば、NOV
X mRNAの検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼ
ーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。NOVXタ
ンパク質の検出のためのインビトロ技術としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(
ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光が挙げられる。N
OVXゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリ
ダイゼーションが挙げられる。さらに、NOVXタンパク質の検出のためのイン
ビボ技術としては、標識された抗NOVX抗体を被験体に導入することが挙げら
れる。例えば、その抗体は、放射性マーカーを用いて標識され得る。この被験体
における放射性マーカーの存在および位置は、標準的な画像化技術によって検出
され得る。
【0285】 1つの実施形態において、この生物学的サンプルは、その試験被験体からのタ
ンパク質分子を含む。あるいは、その生物学的サンプルは、その試験被験体から
のmRNA分子またはその試験被験体からのゲノムDNA分子を含み得る。好ま
しい生物学的サンプルは、被験体から従来の手段によって単離された末梢血白血
球サンプルである。
【0286】 1つの実施形態において、本発明の方法はさらに、コントロール被験体からコ
ントロール生物学的サンプルを得る工程、そのコントロールサンプルを、NOV
Xのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAを検出し得る化合物または薬剤
と接触させ、その結果、NOVXのタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの
存在がその生物学的サンプルにおいて検出される、工程、およびそのコントロー
ルサンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在
と、その試験サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAまたはゲノムD
NAの存在とを比較する工程を包含する。
【0287】 本発明はまた、生物学的サンプルにおけるNOVXの存在を検出するためのキ
ットを包含する。例えば、このキットは、以下を備え得る:生物学的サンプルに
おいてNOVXのタンパク質またはmRNAを検出し得る、標識された化合物ま
たは薬剤;そのサンプルにおいてNOVXの量を決定するための手段;およびそ
のサンプルにおけるNOVXの量を標準と比較するための手段。この化合物また
は薬剤は、適切な容器内にパッケージングされ得る。このキットは、さらに、N
OVXタンパク質または核酸を検出するためにキットを用いるための説明書を備
え得る。
【0288】 (予後アッセイ) 本明細書において記載された診断方法をさらに利用して、NOVXの異常発現
または異常活性に関連した疾患もしくは障害を有するか、またはその発症の危険
性を有する被験体を同定し得る。例えば、本明細書に記載されるアッセイ(例え
ば、上述の診断アッセイまたは下記のアッセイ)を利用して、NOVXのタンパ
ク質、核酸の発現または活性に関連する障害を有するかまたはその発症の危険性
を有する被験体を同定し得る。このような障害としては、例えば、異常な細胞増
殖、細胞分化、および細胞移動(例えば、癌、新脈管形成および創傷治癒)、神
経学的障害(例えば、腫瘍随伴性神経学的障害、偶発性運動失調、常染色体優性
筋波動症、発作、パーキンソン病およびアルツハイマー病)、エナメル質欠損(
例えば、エナメル質形成不全症)ならびに不適正なタンパク質分解(例えば、ア
テローム性動脈硬化症および腹大動脈動脈瘤)によって特徴付けられる障害が挙
げられる。
【0289】 あるいは、この予後アッセイを利用して、疾患または障害を有するかまたはそ
の発症の危険性を有する被験体を同定し得る。従って、本発明は、NOVXの異
常発現または異常活性に関連する疾患もしくは障害を同定するための方法を提供
する。ここで、試験サンプルは、被験体から得られ、そしてNOVXのタンパク
質または核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)が検出され、ここで、NOV
Xのタンパク質または核酸の存在は、NOVXの異常発現または異常活性に関連
する疾患または障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体について
の診断指標である。本明細書において使用される場合「試験サンプル」とは、目
的の被験体から得られた生物学的サンプルをいう。例えば、試験サンプルは、生
物学的流体(例えば、血清)、細胞サンプル、または組織であり得る。
【0290】 さらに、本明細書に記載される予後アッセイを使用して、被験体に薬剤(例え
ば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核
酸、低分子、または他の薬物候補)を投与してNOVXの異常発現または異常活
性に関連する疾患または障害を処置し得るか否かを、決定し得る。例えば、この
ような方法を使用して、被験体が障害のための薬剤で有効に処置され得るか否か
を決定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連す
る障害についての薬剤を用いて、被験体が有効に処置され得るか否かを決定する
ための方法を提供する。ここで、試験サンプルが得られ、そしてNOVXのタン
パク質または核酸が検出される(例えば、ここで、NOVXのタンパク質または
核酸の存在は、この薬剤が投与されてNOVXの異常発現または異常活性に関連
する障害が処置され得る被験体についての、診断指標である)。
【0291】 本発明の方法はまた、NOVX遺伝子における遺伝的損傷を検出し、それによ
って、その損傷遺伝子を有する被験体が異常な細胞増殖および/または分化によ
って特徴付けられる障害についての危険性を有するか否かを決定するためにも使
用され得る。種々の実施形態において、この方法は、その被験体からの細胞のサ
ンプルにおいて、NOVXタンパク質をコードする遺伝子の統合性に影響を与え
る少なくとも1つの変更によって特徴付けられる遺伝的損傷の存在または非存在
、あるいはNOVX遺伝子の誤発現を検出する工程を包含する。例えば、そのよ
うな遺伝的損傷は、以下の少なくとも1つの存在を確認することによって検出さ
れ得る:(i)NOVX遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;(ii)
NOVX遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;(iii)NOVX遺伝子
の1つ以上のヌクレオチドの置換、(iv)NOVX遺伝子の染色体再配置;(
v)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルにおける変更、(v
i)NOVX遺伝子の異常改変(例えば、ゲノムDNAのメチル化パターンの異
常改変)、(vii)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型
スプライシングパターンの存在、(viii)NOVXタンパク質の非野生型レ
ベル、(ix)NOVX遺伝子の対立遺伝子の欠失、ならびに(x)NOVXタ
ンパク質の不適切な翻訳後修飾。本明細書において記載されるように、当該分野
において、NOVX遺伝子における損傷を検出するために使用され得る、多数の
公知のアッセイ技術が存在する。好ましい生物学的サンプルは、従来手段によっ
て被験体から単離された末梢血白血球サンプルである。しかし、有核細胞を含む
任意の生物学的サンプルが使用され得、これには、例えば、頬粘膜細胞が挙げら
れる。
【0292】 特定の実施形態において、損傷の検出は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(
例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参
照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、連
結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Scien
ce 241:1077〜1080;およびNakazawaら(1994)P
roc.Natl.Acad.Sic.USA 91:360〜364を参照の
こと)におけるプローブ/プライマーの使用を包含する。後者は、NOVX遺伝
子における点変異を検出するために特に有用であり得る)(Abravayaら
,1995 Nucl Acids Res 23:675〜682を参照のこ
と)。この方法は、患者から細胞のサンプルを収集する工程、核酸(例えば、ゲ
ノム、mRNAまたはその両方)をそのサンプルの細胞から単離する工程、NO
VXの遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーとその核酸サ
ンプルとを、NOVX遺伝子(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび
増幅が生じるような条件下で接触させる工程、ならびに増幅産物の存在もしくは
非存在を検出する工程、またはその増幅産物のサイズを検出する工程およびその
長さをコントロールサンプルと比較する工程を包含し得る。PCRおよび/また
はLCRは、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される技術のい
ずれかとともに予備的増幅工程として使用されることが望ましくあり得ることが
、予想される。
【0293】 代替的な増幅方法としては、以下が挙げられる:自己維持配列複製(Guat
elliら、1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87
:1874−1878を参照のこと)、転写増幅系(Kwoh、ら、1989、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177を
参照のこと)、Qβレプリカーゼ(Lizardiら、1988、BioTec
hnology 6:1197を参照のこと)、または他の任意の核酸増幅方法
、それに続く、当業者に周知な技術を用いた、その増幅された分子の検出。これ
らの検出スキームは、核酸分子が非常に少数で存在する場合に、このような分子
の検出のために特に有用である。
【0294】 代替の実施形態において、サンプル細胞からのNOVX遺伝子における変異は
、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプル
およびコントロールのDNAが単離され、増幅され(必要に応じて)、1つ以上
の制限エンドヌクレアーゼを用いて消化され、そしてフラグメント長の大きさが
ゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルDNAとコントロ
ールDNAとの間のフラグメント長の大きさにおける差異は、そのサンプルDN
Aにおける変異を示す。さらに、配列特異的なリボザイムの使用(例えば、米国
特許第5,493,531号を参照のこと)を使用して、リボザイム切断部位の
発生または喪失によって特異的な変異の存在についてスコア付けし得る。
【0295】 他の実施形態において、NOVXにおける遺伝子変異は、サンプル核酸および
コントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)を、数百または数千のオリゴ
ヌクレオチドプローブを含む高密度アレイに対してハイブリダイズさせることに
よって同定され得る(例えば、Croninら、1996、Human Mut
ation 7:244−255;Kozalら、1996、Nat.Med.
2:753−759を参照のこと)。例えば、NOVXにおける遺伝子変異は、
Croninら(前出)に記載のように光生成DNAプローブを含む二次元アレ
イにおいて同定され得る。手短には、プローブの第一ハイブリダイゼーションア
レイを用いて、サンプルおよびコントロールにおける長いストレッチのDNAに
わたって走査し、配列が重複するプローブの線形アレイを作製することによって
、その配列間の塩基変化を同定し得る。この工程は、点変異の同定を可能にする
。この工程に、第二のハイブリダイゼーションアレイ(検出される全ての改変体
または変異体に相補的な、より小さな特化されたプローブアレイを用いて、特定
の変異の特徴付けを可能にする)が続く。各変異アレイは、一方が野生型遺伝子
に対して相補的であり、そして他方が変異遺伝子に対して相補的である並行プロ
ーブセットから構成される。
【0296】 なお別の実施形態において、当該分野で公知の種々の配列決定反応のいずれか
を使用して、NOVX遺伝子を直接配列決定し得、そしてサンプルのNOVX配
列とその対応する野生型(コントロール)配列とを比較することによって、変異
を検出し得る。配列決定反応の例としては、MaximおよびGilbert(
1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:560また
はSanger(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
74:5463によって開発された技術に基づくものが挙げられる。診断アッセ
イを実施する場合、種々の自動化配列決定手順のいずれかを利用し得ることもま
た意図される(例えば、Naeveら、(1995)Biotechnique
s 19:448を参照のこと)。これらには、質量分析法による配列決定法(
例えば、PCT国際公開番号WO 94/16101;Cohenら(1996
)Adv.Chromatography 36:127−162;およびGr
iffinら(1993)Appl.Biochem.Biotechnol.
38:147−159を参照のこと)が含まれる。
【0297】 NOVX遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、切断薬剤か
らの保護を使用して、RNA/RNAまたはRNA/DNAのヘテロ二重鎖にお
けるミスマッチ塩基を検出する方法が挙げられる。例えば、Myersら(19
85)Science 230:1242を参照のこと。一般に、「ミスマッチ
切断」の当該分野の技術は、野生型のNOVX配列を含む(標識された)RNA
またはDNAを、組織サンプルから得られた潜在的な変異体RNAまたは変異体
DNAとハイブリダイズさせることによって形成されるヘテロ二重鎖を提供する
工程によって始まる。この二本鎖の二重鎖を、二重鎖の一本鎖領域(例えば、そ
のコントロールとサンプルの鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するも
の)を切断する薬剤を用いて処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖を、RN
aseを用いて処理し得、そしてDNA/DNAハイブリッドを、そのミスマッ
チ領域を酵素的に消化するために、Sヌクレアーゼを用いて処理し得る。他の
実施形態において、DNA/DNAまたはRNA/DNAのいずれかの二重鎖を
、ミスマッチ領域を消化するために、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウ
ムを用いて、およびピペリジンを用いて処理し得る。次いで、そのミスマッチ領
域の消化後、得られた材料を変性ポリアクリルアミドゲル上で、大きさで分離し
て、変異の部位を決定する。例えば、Cottonら(1988)Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 85:4397;Saleebaら(19
92)Methods Enzymol 217:286−295を参照のこと
。1つの実施形態において、コントロールのDNAまたはRNAは、検出のため
に標識され得る。
【0298】 なお別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、二本鎖DNAにおけるミ
スマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ
修復」酵素)を、細胞のサンプルから得られたNOVX cDNAにおける点変
異を検出およびマッピングするために規定された系において使用する。例えば、
E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeL
a細胞からのチミジンDNAグリコシダーゼは、G/TミスマッチでTを切断す
る。例えば、Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:16
57〜1662を参照のこと。例示的な実施形態に従って、NOVX配列(例え
ば、野生型NOVX配列)に基づくプローブは、試験細胞由来のcDNAまたは
他のDNA産物にハイブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素
を用いて処理され、そしてその切断産物(もしあれば)は、電気泳動プロトコル
などから検出され得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと
【0299】 他の実施形態において、電気泳動の移動度における変化は、NOVX遺伝子に
おける変異を同定するために使用される。例えば、一本鎖コンホメーション多型
(SSCP)は、変異体と野生型核酸との間の電気泳動の移動度における差異を
検出するために使用され得る(例えば、Oritaら(1989)Proc.N
atl.Acad.Sci.USA:86:2766;Cotton(1993
)Mutat.Res.285:125〜144;Hayashi(1992)
Genet.Anal.Tech.Appl.9:73〜79を参照のこと)。
サンプルおよびコントロールNOVX核酸の一本鎖DNAフラグメントは、変性
され、そして復元される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気
泳動の移動度において得られる変化は、1塩基変化の検出さえも可能にする。D
NAフラグメントは、標識され得るか、または標識されたプローブを用いて検出
され得る。アッセイの感度は、二次構造が、配列中の変化に対してより感受的で
ある、(DNAよりもむしろ)RNAを使用することによって増強され得る。1
つの実施形態において、本発明の方法は、ヘテロ二重鎖分析を利用して、電気泳
動の移動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離する。例え
ば、Keenら(1991)Trends Genet.7:5を参照のこと。
【0300】 なお別の実施形態において、一定勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミド
ゲルにおける変異体または野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動
(DGGE)を使用してアッセイされる。例えば、Myersら(1985)N
ature 313:495を参照のこと。DGGEが分析の方法として使用さ
れる場合、DNAは、例えば、PCRにより約40bpの高融点GCリッチDN
AのGCクランプを付加することによって、完全には変性されないことを確実す
るように改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールお
よびサンプルDNAの移動度における差異を同定するために、変性剤勾配の代わ
りに使用される。例えば、RosenbaumおよびReissner(198
7)Biophys.Chem.265:12753を参照のこと。
【0301】 点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増
幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、
既知の変異が中心的に配置されるように調製され得、次いで、完全なマッチが見
出される場合にのみハイブリダイゼーションを可能にする条件下で標的DNAに
ハイブリダイズされる。例えば、Saikiら(1986)Nature 32
4:163);Saikiら(1989)Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 86:6230を参照のこと。このような対立遺伝子特異的オリゴ
ヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に付着され、そし
て標識された標的DNAとハイブリダイズされる場合に、PCR増幅された標的
DNAまたは多くの異なる変異にハイブリダイズされる。
【0302】 あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明
と合わせて使用され得る。特異的増幅のためのプライマーとして使用されるオリ
ゴヌクレオチドは、分子の中心に目的の変異を保有し得る(その結果、増幅は、
差次的ハイブリダイゼーションに依存する;例えば、Gibbsら(1989)
Nucl.Acids Res.17:2437〜2448を参照のこと)か、
または適切な条件下でミスマッチが阻害され得るかもしくはポリメラーゼ伸長を
減少し得る、1つのプライマーの3’の最末端に、目的の変異を保有し得る(例
えば、Prossner(1993)Tibtech.11:238を参照のこ
と)。さらに、変異の領域において新規な制限部位を導入することは、切断に基
づく検出を開発するために望ましくあり得る。例えば、Gaspariniら(
1992)Mol.Cell Probes 6:1を参照のこと。特定の実施
形態において、増幅はまた、増幅のためのTaqリガーゼを使用して実施され得
ることが予測される。例えば、Barany(1991)Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 88:189を参照のこと。このような場合におい
て、連結は、5’配列の3’末端に完全なマッチが存在する場合にのみ生じ、増
幅の存在または非存在を探索することによって、特定の部位で既知の変異の存在
を検出することを可能にする。
【0303】 本明細書中に記載される方法は、例えば、本明細書中に記載される少なくとも
1つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージングされた診断キッ
トを利用することによって実施され得、これは、例えば、NOVX遺伝子に関す
る疾患または疾病の症状または家族病歴を示す患者を診断するための臨床的設定
において簡便に使用され得る。
【0304】 さらに、NOVXが発現される任意の細胞型または組織(好ましくは、末梢血
白血球)は、本明細書中に記載される予後アッセイにおいて利用され得る。しか
し、有核細胞を含む任意の生物学的サンプル(例えば、頬粘膜細胞を含む)が、
使用され得る。
【0305】 (薬理ゲノム学(Pharmacogenomics)) NOVX活性(例えば、NOVX遺伝子発現)に対する刺激性または阻害性の
効果を有する因子、すなわちモジュレーターは、本明細書中に記載されるスクリ
ーニングアッセイによって同定されるように、異常な細胞増殖、細胞分化および
細胞移動によって特徴付けられる障害(例えば、癌、新脈管形成および創傷治癒
)、神経学的障害(例えば、腫瘍随伴性の神経学的障害、挿話的運動失調(ep
isodic ataxia)、常染色体優性ミオキミア、発作、パーキンソン
病およびアルツハイマー病)、エナメル質欠損(enamel defect)
(例えば、エナメル質形成不全症)ならびに不適切なタンパク質分解(例えば、
アテローム硬化症および腹大動脈動脈瘤(abdominal aortic
aneurisms))によって特徴付けられる障害を処置(予防的または治療
的に)するために個体に投与され得る。このような処置と合わせて、個体の薬理
ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と外来化合物または薬物に対するその個体
の応答との間の関係についての研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝における
差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血中濃度との間の関係を変更することに
よって、重篤な毒性および治療の失敗を導き得る。従って、個体の薬理ゲノム学
は、個体の遺伝子型の考慮に基づく予防的または治療的処置のために有効な薬剤
(例えば、薬物)の選択を許容する。このような薬理ゲノム学は、さらに、適切
な投薬量および治療剤レジメンを決定するために使用され得る。従って、NOV
Xタンパク質の活性、NOVX核酸の発現、または個体におけるNOVX遺伝子
の変異含量が決定されて、それによって個体の治療的または予防的処置のために
適切な薬剤を選択し得る。
【0306】 薬理ゲノム学は、罹患された人において変更された薬物の性質および異常な作
用に起因する、薬物への応答における臨床的に有意な遺伝性のバリエーションを
扱う。例えば、Eichelbaum、1996,Clin.Exp.Phar
macol.Physiol.,23:983〜985;Linder、199
7,Clin.Chem.,43:254〜266を参照のこと。一般に、2つ
の型の薬理ゲノム学状態が、区別され得る。遺伝的状態は、薬物が身体に作用す
る方法を変更する1つの因子として伝達されるか(変更された薬物作用)、また
は遺伝的状態は、身体が薬物に作用する方法を変更する1つの因子として伝達さ
れる(変更された薬物代謝)。これらの薬理ゲノム学状態は、稀な欠損としてか
、または多型としてのいずれかで生じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損は、一般的な遺伝性酵素病であり、この主な臨
床的合併症は、酸化剤薬物(抗マラリア剤、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフ
ラン)の摂取およびソラマメの消費後の溶血である。
【0307】 例示的な実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続
期間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトラ
ンスフェラーゼ2(NAT2)およびシトクロムP450酵素CYP2D6およ
びCYP2C19)の遺伝的多型の発見は、幾人かの患者が予期される薬物効果
を得ないか、または標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に過大な薬物応答
および深刻な毒性を示すことに関しての説明を提供した。これらの多型は、集団
において2つの表現型(高い代謝能を持つ人(extensive metab
olizer)(EM)および低い代謝能を持つ人(poor metabol
izer)(PM))で表現される。PMの有病率は、異なる集団の間で異なる
。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多型であり、そしていくら
かの変異がPMにおいて同定されており、この全ては機能的CYP2D6の非存
在に至る。CYP2D6およびCYP2C19の低い代謝能を持つ人は、彼らが
標準的な用量を受ける場合に、かなり頻繁に過大な薬物応答および副作用を経験
する。代謝産物が活性な治療的部分である場合、そのCYP2D6形成代謝産物
であるモルヒネによって媒介されるコデインの鎮痛効果について実証されるよう
に、PMは治療的応答を示さない。他の極端なものは、標準的な用量に応答しな
い、いわゆる超迅速な代謝能を持つ人である。最近、超迅速な代謝の基準となる
分子は、CYP2D6遺伝子増幅に起因していることが同定されている。
【0308】 従って、NOVXタンパク質の活性、NOVX核酸の発現、または個体におけ
るNOVX遺伝子の変異含有を決定して、それによって、その個体の治療的また
は予防的処置のために適切な薬剤を選択し得る。さらに、薬理ゲノム学の研究を
使用して、個体の薬物応答性の表現型の同定のために薬物代謝酵素をコードする
多型対立遺伝子の遺伝子型を適用し得る。この知見は、用量または薬物選択に適
用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、従って、被験体をNO
VXの調節因子(例えば、本明細書中に記載される例示的なスクリーニングアッ
セイの1つによって同定される調節因子)を用いて処置する場合に治療的または
予防的効率を増強し得る。
【0309】 (臨床試験中の効果のモニタリング) NOVXの発現または活性(例えば、異常な細胞増殖を調節する能力)に対す
る薬剤(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすることは、基本的な薬
物スクリーニングのみならず臨床試験にも適用され得る。例えば、本明細書中に
記載されるようなスクリーニングアッセイによって決定される薬剤の、NOVX
の遺伝子発現、タンパク質レベルを増加する効力、またはNOVX活性をアップ
レギュレートする効力は、減少したNOVX遺伝子発現、タンパク質レベル、ま
たはダウンレギュレートされたNOVX活性を示す被験体の臨床試験においてモ
ニターされ得る。あるいは、スクリーニングアッセイによって決定される薬剤の
、NOVX遺伝子発現、タンパク質レベルを減少する効力、またはNOVX活性
をダウンレギュレートする効力は、増加したNOVX遺伝子発現、タンパク質レ
ベル、またはアップレギュレートしたNOVX活性を示す被験体の臨床試験にお
いてモニターされ得る。このような臨床試験において、NOVXの発現または活
性、および好ましくは、例えば、細胞増殖または免疫障害に関与する他の遺伝子
が、「リードアウト(読み出し)(read out)」、すなわち、特定の細
胞の免疫応答性のマーカーとして使用され得る。
【0310】 例のためであって、限定のためではなく、NOVXを含む遺伝子(これは、N
OVX活性(例えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイに
おいて同定される)を調節する薬剤(例えば、化合物、薬物または低分子)を用
いる処置によって、細胞内で調節される)が、同定され得る。従って、細胞性増
殖障害に対する薬剤の効果を研究するために、例えば、臨床試験において、細胞
が単離され得、そしてRNAが調製され得、そしてNOVXおよびこの障害に関
与する他の遺伝子の発現のレベルについて分析され得る。遺伝子発現のレベル(
すなわち、遺伝子発現パターン)は、本明細書中に記載されるように、ノーザン
ブロット分析もしくはRT−PCRによるか、あるいは産生されるタンパク質の
量を測定することによるか、本明細書中に記載されるような方法の1つによるか
、あるいはNOVXまたは他の遺伝子の活性のレベルを測定することによって、
定量され得る。この様式で、この遺伝子発現パターンは、この薬剤に対する細胞
の生理学的応答の指標であるマーカーとして作用し得る。従って、この応答状態
は、この薬剤を用いる個体の処置の前、およびこの処置の間の種々の時点で、決
定され得る。
【0311】 1つの実施形態において、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニ
スト、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、低分子、または本明細書
中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される他の薬物候補物)を
用いる、被験体の処置の効力をモニタリングするための方法を提供し、これは、
以下の工程を包含する:(i)薬剤の投与の前に、被験体から投与前サンプルを
得る工程;(ii)この投与前サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mR
NA、またはゲノムDNAの発現のレベルを検出する工程;(iii)この被験
体から1つ以上の投与後サンプルを得る工程;(iv)この投与後サンプルにお
いて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性
のレベルを検出する工程;(v)この投与前サンプルにおけるNOVXのタンパ
ク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを、この投与後
サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現
または活性のレベルと比較する工程;ならびに(vi)それに従って、この被験
体に対する薬剤の投与を変更する工程。例えば、この薬剤の増加した投与は、検
出されるよりも高いレベルにNOVXの発現または活性を増加すること(すなわ
ち、この薬剤の効力を増加すること)が望ましくあり得る。あるいは、この薬剤
の減少した投与は、検出されるよりも低いレベルにNOVXの発現または活性を
減少すること(すなわち、この薬剤の効力を減少すること)が望ましくあり得る
【0312】 (処置方法) 本発明は、異常なNOVXの発現または活性に関連する障害の危険性のある(
または感受性)か、またはこの障害を有する被験体を処置する予防的および治療
的の両方の方法を提供する。異常なNOVX発現に関連する障害としては、例え
ば、異常な細胞増殖、細胞分化および細胞移動によって特徴付けられる障害(例
えば、癌、新脈管形成および創傷治癒)、神経学的障害(例えば、腫瘍随伴性の
神経学的障害、挿話的運動失調、常染色体優性ミオキミア、発作、パーキンソン
病およびアルツハイマー病)、エナメル質欠損(例えば、エナメル質形成不全症
)ならびに不適切なタンパク質分解(例えば、アテローム硬化症および腹大動脈
動脈瘤)が挙げられる。これらの処置方法は、以下で、より完全に議論される。
【0313】 (疾患および障害) (その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)増加したレベルま
たは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性に拮抗する(
すなわち、低減または阻害する)治療剤を用いて処置され得る。活性に拮抗する
治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤と
しては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)上記のペプチド、
またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;(ii)上記の
ペプチドに対する抗体;(iii)上記のペプチドをコードする核酸;(iv)
相同組換えによって上記のペプチドの内因性機能を「ノックアウトする」ために
利用される、アンチセンス核酸および「機能不全性」である(すなわち、上記の
ペプチドに対するコード配列のコード配列内の異種挿入に起因する)核酸の投与
、(例えば、Capecchi、1989、Science 244:1288
〜1292を参照のこと);または(v)上記のペプチドとその結合パートナー
との間の相互作用を変化させる、調節因子(すなわち、インヒビター、アゴニス
トおよびアンタゴニスト(本発明のさらなるペプチド模倣物または本発明のペプ
チドに対して特異的な抗体を含む))。
【0314】 (その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)減少したレベルま
たは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を増加させる
(すなわち、活性に対するアゴニストである)治療剤を用いて処置され得る。活
性をアップレギュレートする治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され
得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されな
い:上記のペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモ
ログ;あるいはバイオアベイラビリティーを増加させるアゴニスト。
【0315】 増加したレベルまたは減少したレベルは、ペプチドおよび/またはRNAを定
量することによって、容易に検出され得る。この定量は、患者の組織サンプルを
(例えば、生検組織から)入手し、そしてそのサンプルを、その発現したペプチ
ド(または上記のペプチドのmRNA)のRNAレベルまたはペプチドレベル、
構造および/または活性をインビトロでアッセイすることによる。当該分野にお
いて周知の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イムノ
アッセイ(例えば、ウェスタンブロット分析、免疫沈降に続くドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動、免疫細胞化学などによる)
および/またはmRNAの発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッセ
イ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インサイチュハイブリダイゼ
ーションなど)。
【0316】 (予防的方法) 1つの局面において、本発明は、被験体において異常なNOVXの発現または
活性と関連する疾患または状態を、NOVXの発現または少なくとも1つのNO
VX活性を調節する薬剤をこの被験体に投与することによって予防するための方
法を提供する。異常なNOVXの発現または活性によって引き起こされるかまた
はこれらに起因する、疾患にかかる危険がある被験体は、例えば、本明細書中に
記載の診断アッセイまたは予後アッセイのいずれか、またはそれらの組み合わせ
によって、同定され得る。予防薬剤の投与は、疾患または障害が予防されるか、
あるいはその進行を遅らせられるように、このNOVX異常の特徴である症状が
現われる前に行い得る。このNOVX異常の型に依存して、例えば、NOVXア
ゴニスト薬剤またはNOVXアンタゴニスト薬剤が、その被験体を処置するため
に使用され得る。その適切な薬剤は、本明細書中に記載のスクリーニングアッセ
イに基づいて決定され得る。本発明の予防方法は、以下の小節において、さらに
議論される。
【0317】 (治療方法) 本発明の別の局面は、治療目的のためにNOVXの発現または活性を調節する
方法に関する。本発明の調節方法は、細胞を、その細胞に関するNOVXタンパ
ク質活性の活性のうちの1つ以上を調節する薬剤と接触させる工程を包含する。
NOVXタンパク質活性を調節する薬剤は、核酸またはタンパク質、NOVXタ
ンパク質の天然に存在する同族リガンド、ペプチド、NOVXペプチド模倣物、
または他の低分子のような、本明細書中に記載されるような薬剤であり得る。1
つの実施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上
を刺激する。このような刺激薬剤の例としては、活性なNOVXタンパク質、お
よびその細胞に導入されたNOVXをコードする核酸分子が挙げられる。別の実
施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を阻害
する。このような阻害薬剤の例としては、アンチセンスNOVX核酸分子、およ
び抗NOVX抗体が挙げられる。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、
その薬剤とともにその細胞を培養することによって)、あるいはインビボで(例
えば、被験体にその薬剤を投与することによって)実施され得る。このように、
本発明は、NOVXタンパク質またはNOVX核酸分子の、異常な発現または異
常な活性によって特徴付けられる、疾患または障害に罹患した個体を処置する方
法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NOVXの発現または活
性を調節する(例えば、アップレギュレートもしくはダウンレギュレートする)
薬剤(例えば、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される
薬剤)あるいはそのような薬剤の組み合わせを投与する工程を包含する。別の実
施形態において、この方法は、NOVXのタンパク質または核酸分子を、低減し
たかまたは異常なNOVXの発現または活性を補償するための治療として、投与
する工程を包含する。
【0318】 NOVX活性の刺激は、NOVXが異常にダウンレギュレートされている状況
、および/またはNOVX活性の増加が有益な効果を有するようである状況にお
いて、望ましい。このような状況の1つの例は、被験体が、異常な細胞増殖およ
び/または細胞分化によって特徴付けられる障害(例えば、癌または免疫関連)
を有する場合である。このような状況の別の例は、被験体が免疫不全疾患(例え
ば、AIDS)を有する場合である。
【0319】 本発明の抗体(ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、およ
び完全なヒト抗体を含む)は、治療剤として使用され得る。このような薬剤は、
一般的に、被験体における疾患および病理を処置または予防するために使用され
る。抗体調製物(好ましくは、その標的抗原について高い特異性および高い親和
性を有するもの)は、被験体に対して投与され、そして一般的に、その標的との
結合に起因して効果を有する。このような効果は、所定の抗体分子と問題の標的
抗原との間の相互作用の特異的性質に依存して、2つの種類のうちの1つであり
得る。第1の例では、抗体の投与は、標的とそれが天然に結合する内因性リガン
ドとの結合を抑止または阻害し得る。この場合、抗体は、標的に結合し、そして
天然に存在するリガンドの結合部位をマスクし、ここでそのリガンドは、エフェ
クター分子として働く。従って、レセプターは、そのリガンドがシグナル伝達の
原因であるシグナル伝達経路を媒介する。
【0320】 あるいは、その効果は、標的分子上のエフェクター結合部位への結合によって
、抗体が生理学的結果を誘発するものであり得る。この場合、標的(存在し得な
いかまたは疾患もしくは病理を欠損し得る内因性リガンドを有するレセプター)
が、代理のエフェクターリガンドとして抗体を結合して、レセプターによる、レ
セプターに基づくシグナル伝達事象を開始する。
【0321】 治療的に有効な量の本発明の抗体は、治療目的を達成するために必要とされる
量を一般的にいう。上記のように、これは、いくつかの場合において標的の機能
を妨害し、そして他の場合において生理学的応答を促進する、抗体とその標的抗
原との間の結合相互作用であり得る。投与のために必要な量は、その特異的抗原
についての抗体の結合親和性にさらに依存し、そしてまた、その量は、投与され
る抗体が、その抗体が投与される被験体の自由体積から枯渇される速度に依存す
る。本発明の抗体または抗体フラグメントの治療的に有効な投薬量の一般的な範
囲は、非限定的な例として、約0.1mg/kg体重〜約50mg/kg体重で
ある。一般的な投薬の頻度は、例えば、毎日2回〜1週間に1回の範囲であり得
る。
【0322】 (治療剤の生物学的効果の決定) 本発明の種々の実施形態において、適切なインビトロまたはインビボアッセイ
を行って、特定の治療剤の効果およびその投与が罹患組織の処置を示すか否かを
決定する。
【0323】 種々の特定の実施形態において、インビトロアッセイが患者の障害に関与する
代表的な細胞型を用いて行われ、所定の治療剤がこの細胞型に対して所望の効果
を発揮するか否かを決定し得る。治療において使用する化合物は、ヒト被験体に
おいて試験する前に適切な動物モデル系において試験され得る。これらの動物モ
デル系としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ラット、マウス
、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギなど。同様に、インビボ試験については、当該
分野で公知の任意の動物モデル系が、ヒト被験体に対する投与の前に使用され得
る。
【0324】 本発明はさらに、以下の実施例において記載され、この実施例は、特許請求の
範囲において記載される本発明の範囲を限定しない。
【0325】 (実施例) (実施例1:本発明の核酸を同定する方法) 新規な核酸配列を、GenBankによって利用可能にされたGenomic
Daily Filesに対して実行したCuraGen Corporat
ionの配列ファイルを使用するTblastNによって同定した。核酸を、エ
キソンの選択を含むプログラムGenScanTMによってさらに予測した。こ
れらを、BLAST検索を用いて類似性によってさらに改変した。次いで配列を
、見かけの不一致について手動で補正し、それによって全長タンパク質をコード
する配列を得た。
【0326】 (実施例2:NOV3(CG51785−06)の同定) 登録番号CG51785−06の配列を、インシリコでの配列の予測によって
、cDNAフラグメントの実験室でのクローニングによって得た。全長DNA配
列、またはその配列の一部のいずれか、もしくはその両方を網羅するcDNAフ
ラグメントをクローニングした。インシリコ予測は、Curagenが独自の配
列データベースまたは公的なヒト配列のデータベースにおいて利用可能な配列に
基づき、そして全長DNA配列またはそのいくらかの部分のいずれかが提供され
る。
【0327】 研究室クローニングを、以下に要約される方法の1つ以上を使用して実行した
: SeqCallingTM技術:cDNAを、複数の組織型、正常状態および
疾患状態、生理的状態、および異なるドナー由来の発生学的状態を表す、種々の
ヒトサンプルより得た。サンプルを、組織全体、初代細胞または組織培養初代細
胞または細胞株として得た。細胞および細胞株を、遺伝子発現を調節する生物学
的または化学的薬剤(例えば、増殖因子、ケモカイン、またはステロイド)で処
理し得た。次いで、得られたcDNAを、CuraGenが独自のSegCal
ling技術を使用して配列決定した。配列の追跡(trace)を、手動で評
価し、そして適切な場合、訂正のために編集した。すべてのサンプルからのcD
NA配列を一緒に集めて(ときどき公的なヒト配列を含め)バイオインフォマテ
ィックプログラムを使用して各アセンブリについてコンセンサス配列を生成する
。各アセンブリをCuraGen Corporationのデータベースに含
める。配列を、別の成分との同一性の程度が、50bpにわたって少なくとも9
5%であった場合に、アセンブリについての成分として含めた。各アセンブリは
遺伝子またはその部分を表し、そして改変体(例えば、単一ヌクレオチド多型(
SNP)、挿入、欠失、および他の配列改変体を形成するスプライシング)の情
報を含む。
【0328】 エキソン連結:CG51785−06配列をコードするcDNAを、以下のプ
ライマーを使用してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってクローニングした
: 5’−TCTCCCACAGGCCAGGAC−3’(配列番号59)および 5’−CGCATGGTTTTGGGATTG−3’(配列番号60)。
【0329】 プライマーを、本発明のcDNA/タンパク質配列の全長またはいくらかの部
分(1以上のエキソン)のインシリコ予測に基づいて設計した。これらのプライ
マーを使用して、以下の組織に由来する発現したヒト配列を含むプールからcD
NAを増幅した:副腎、骨髄、脳−扁桃、脳−小脳、脳−海馬、脳−黒質、脳−
視床、脳−全体、胎児脳、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、心臓、腎臓、リンパ腫
−ラージ、乳腺、膵臓、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、脊髄、
脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、および子宮。
【0330】 複数のクローンを配列決定し、そしてこれらのフラグメントを一緒に集め、(
ときどき公的なヒト配列を含めて)、バイオインフォマティックプログラムを使
用して各アセンブリについてコンセンサス配列を生成する。各アセンブリをCu
raGen Corporationのデータベースに含める。配列を、別の成
分との同一性の程度が、50bpにわたって少なくとも95%であった場合に、
アセンブリについての成分として含めた。各アセンブリは遺伝子またはその部分
を表し、そして改変体(例えば、単一ヌクレオチド多型(SNP)、挿入、欠失
、および他の配列改変体を形成するスプライシング)の情報を含む。
【0331】 物理的クローン:オープンリーディングフレーム全体を網羅するエキソン連結
によって誘導したPCR産物を、InvitrogenからのpCR2.1ベク
ターにクローニングして、クローン27824582_0_105.69849
6.F5を提供した。
【0332】 改変体配列もまた、本願に含まれる。改変体配列は、単一ヌクレオチド多型(
SNP)を含み得る。いくつかの例において、SNPは、SNPを含むヌクレオ
チド配列がcDNAを起源とすることを示すために「cSNP」として称され得
る。SNPは、幾つかの方法において生じ得る。例えば、SNPは、多型部位で
の1つのヌクレオチドと別のヌクレオチドとの置換に起因し得る。このような置
換は、転位またはトランスバージョンのいずれかであり得る。SNPはまた、参
照対立遺伝子に関して、ヌクレオチドの欠失またはヌクレオチドの挿入から生じ
得る。この場合、多型部位は、1つの対立遺伝子が、別の対立遺伝子における特
定のヌクレオチドに関するギャップを生じる部位である。遺伝子に存在するSN
Pは、SNPの位置における遺伝子によってコードされるアミノ酸の改変を生じ
得る。SNPを含むコドンが、遺伝子コードの縮退の結果として同じアミノ酸を
コードする場合、遺伝子内のSNPはまた、サイレントであり得る。遺伝子の領
域の外側または遺伝子のイントロン内に存在するSNPは、タンパク質の任意の
アミノ酸配列における改変を生じないが、発現パターンの改変された制御を生じ
得る。例としては、一時的発現、生理学的応答調節、細胞型発現制御、発現の強
度および転写メッセージの安定性における改変が挙げられる。
【0333】 新規のコラーゲン様遺伝子についてのDNA配列およびタンパク質配列は、エ
キソン連結によって得られ、そしてNOV3(CG51785−06)として本
明細書中で報告される。
【0334】 (実施例3.NOV11(AL096677_A)の分子クローニング) クローン AL096677_Aについて推定されるOV11タンパク質の成
熟形態は、(配列番号22)。すなわち、アミノ酸残基20〜アミノ酸残基14
8の領域を、クローニングのための標的とした。以下に示されるPCRプライマ
ーを、調製した。
【0335】
【化1】 PCR反応を、5ngのヒト精巣cDNAテンプレートを使用して開始した。
反応混合物は、50μl 反応容量中に各々の1μMのAL_096677_A
Mat−FおよびAL096677_A REVプライマー、5μmol d
NTP(Clontech Laboratories,Palo Alto
CA)および1μlの 50×Advantage−HF 2 ポリメラーゼ(
Clontech Laboratories,Palo Alto CA)を
含んだ。以下の反応条件を使用した: a) 96℃ 3分間 b) 96℃ 30秒間 変性 c) 70℃ 30秒間 プライマーアニーリング:この温度は、1℃/サイ
クルで、徐々に下げた d) 72℃ 3分間 伸長 工程b〜dを10回繰り返す e) 96℃ 30秒間 変性 f) 60℃ 30秒間 アニーリング g) 72℃ 3分間 伸長 工程e〜gを35回繰り返す h) 72℃ 5分間 最終伸長。
【0336】 約450bpの予想サイズを有する増幅産物を、アガロースゲル電気泳動によ
って検出した。このフラグメントを、アガロースゲルから精製し、そして製造者
の奨励に従ってpCR2.1ベクター(Invitrogen Carlsba
d,CA)に連結した。このクローンを、pC2.1−AL096655_A−
S602−9Bと称する。このクローニングされた挿入物を、以下の配列特異的
なプライマーを使用して、配列決定した。
【0337】
【化2】 クローンpCR2.1_AL096655_A−S602−9Bに関して得ら
れたヌクレオチド配列を、表34に示す。
【0338】
【表35】 クローンpCR2.1_AL096655_A−S602−9Bに関して推定
された対応アミノ酸配列を、表35に示す。
【0339】
【表36】 クローンAL096655_Aの対応部分の配列と比較して、クローンにおい
て4つのアミノ酸変化(太字で下線を付す)を導入する5つのヌクレオチド変化
(太字で下線を付す)が、存在する。これらは、表36および表37において特
徴づけされる。 (表36.クローンAL09677_A(上列)のヌクレオチド配列とクローン
AL09677_A−S602−9B(下列)のヌクレオチド配列との比較)
【0340】
【表37】 (表37.クローンAL09677_A(上列)のアミノ酸配列とクローンAL
09677_A−S602−9B(下列)のアミノ酸配列との比較)
【0341】
【表38】 (他の実施形態) 本発明は、その詳細な説明とともに記載されてきたが、前述の説明は例示であ
って、本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明の範囲は、添付の特許
請求の範囲により規定される。他の局面、利点および変更は、上記の特許請求の
範囲の範囲内にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 17/02 4C085 9/10 101 25/00 4H045 17/02 25/16 25/00 25/28 25/16 35/00 25/28 43/00 111 35/00 C07K 14/47 43/00 111 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 C12P 21/08 C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/189,139 (32)優先日 平成12年3月14日(2000.3.14) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/189,140 (32)優先日 平成12年3月14日(2000.3.14) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/190,401 (32)優先日 平成12年3月17日(2000.3.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/190,231 (32)優先日 平成12年3月17日(2000.3.17) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 バーネット, コリーヌ エイ. エム. アメリカ合衆国 フロリダ 32060, ゲ インズビル, エヌ.ダブリュー. 43ア ールディー ストリート 4830 ピーナン バー253 (72)発明者 フェルナンデス, エルマ アメリカ合衆国 コネチカット 06405, ブランフォード, フローレンス ロー ド 77 ナンバー2ビー (72)発明者 シムケッツ, リチャード エイ. アメリカ合衆国 コネチカット 06516, ウエスト ヘイブン, リート ストリ ート 191 (72)発明者 スパデルナ, スティーブン ケイ. アメリカ合衆国 コネチカット 06037, ベルリン, ディアフィールド ドライ ブ 261 (72)発明者 マジュンダー, クムド アメリカ合衆国 コネチカット 06905, スタンフォード, シルバー ヒル レ ーン 140 (72)発明者 リ, リ アメリカ合衆国 コネチカット 06410, チェサイアー, オーク ストリート 478 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA53 BA61 BA80 CA04 CA07 CA09 CA12 CA20 DA01 DA02 DA03 DA05 DA11 DA12 FA02 GA11 HA11 HA13 HA14 HA15 HA17 4B063 QA01 QA05 QA19 QQ02 QQ08 QQ21 QQ41 QQ53 QQ61 QQ79 QQ89 QQ91 QR08 QR32 QR35 QR40 QR42 QR48 QR56 QR62 QR72 QR77 QR80 QS16 QS25 QS33 QS34 QS36 QX01 QX02 QX10 4B064 AG27 CA10 CA20 CC01 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA58X AA72X AA90X AA93Y AB01 AC14 AC20 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 BA01 BA22 BA23 CA53 DC50 NA14 ZA022 ZA162 ZA202 ZA362 ZA452 ZA892 ZB262 4C085 AA13 AA14 BB11 CC02 CC04 CC05 DD22 DD23 DD32 DD33 DD41 DD43 EE01 GG01 GG08 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA75 DA76 EA20 EA50 FA71 FA72 FA74

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリペプチドであって、以下: a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態; b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで
    、該成熟形態中の任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に変更され、ただし、該成熟
    形態の配列中の15%のアミノ残基しかそのように変更されない、改変体; c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列; d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで該選択され
    た配列中で特定される任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に変更され、ただし、該
    配列中の15%のアミノ酸残基しかそのように変更されない、改変体;および e)a)〜d)のいずれかのフラグメント からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが
    、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または22か
    らなる群より選択される配列の天然に存在する対立遺伝子改変体である、ポリペ
    プチド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポリペプチドであって、ここで、前記改変
    体が単一ヌクレオチド多型の翻訳物である、ポリペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが
    請求項1に記載の改変体ポリペプチドであり、ここで、前記選択された配列中で
    特定される任意のアミノ酸が保存的置換を提供するように変更される、ポリペプ
    チド。
  5. 【請求項5】 単離された核酸分子であって、該核酸分子が、以下: a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2に付与されたアミノ酸配列の成熟形態; b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで
    、該選択された配列の該成熟形態中の任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に変更さ
    れ、ただし、該成熟形態の配列中の15%のアミノ残基しかそのように変更され
    ない、改変体; c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列; d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、該選択された配列
    中で特定される任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に変更され、ただし、該配列中
    の15%のアミノ酸残基しかそのように変更されない、改変体; e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20または2
    2からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、または該ポリペ
    プチドの任意の改変体の、少なくとも一部をコードする核酸フラグメントであっ
    て、ここで、該選択された配列の任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に変更され、
    ただし、該配列中の10%のアミノ酸残基しかそのように変化されない、核酸フ
    ラグメント;および f)該核酸分子のいずれかの相補体 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配
    列を含む、核酸分子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が
    天然に存在する対立遺伝子核酸改変体のヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  7. 【請求項7】 改変体ポリペプチドをコードする請求項5に記載の核酸分子
    であって、ここで、該改変体ポリペプチドが天然に存在するポリペプチド改変体
    のポリペプチド配列を有する、核酸分子。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が
    前記改変体ポリペプチドをコードする単一ヌクレオチド多型を含む、核酸分子。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が
    以下: a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19または21
    からなる群より選択されるヌクレオチド配列; b)ヌクレオチド配列であって、ここで、配列番号1、3、5、7、9、11
    、13、15、17、19または21からなる群より選択されるヌクレオチド配
    列中の1つ以上のヌクレオチドが、前記選択された配列からなる群より選択され
    るヌクレオチドから異なるヌクレオチドに変更され、ただし、15%のヌクレオ
    チドしかそのように変更されない、ヌクレオチド配列; c)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19または21
    からなる群より選択される配列の核酸フラグメント;および d)核酸フラグメントであって、ここで、配列番号1、3、5、7、9、11
    、13、15、17、19または21からなる群より選択されるヌクレオチド配
    列中の1つ以上のヌクレオチドが、該選択された配列からなる群より選択される
    ヌクレオチドから異なるヌクレオチドに変更され、ただし、15%のヌクレオチ
    ドしかそのように変更されない、核酸フラグメント; からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子
    が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19または21か
    らなる群より選択されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列の相補鎖に
    ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、核酸分子。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子
    が、以下:前記選択されたヌクレオチド配列のコード配列において特定される任
    意のヌクレオチドが、該選択された配列からなる群より選択されるヌクレオチド
    から異なるヌクレオチドに変更され、ただし、該選択されたコード配列中の15
    %のヌクレオチドしかそのように変化されないヌクレオチド配列、またはそれら
    のいずれかのフラグメント、第1のポリヌクレオチドに相補的な単離された第2
    のポリヌクレオチド、 を含む、核酸分子。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  13. 【請求項13】 前記核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターをさら
    に含む、請求項12に記載のベクター。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載のベクターを含む、細胞。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のポリペプチドに免疫特異的に結合する、
    抗体。
  16. 【請求項16】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載
    の抗体。
  17. 【請求項17】 前記抗体がヒト化抗体である、請求項15に記載の抗体。
  18. 【請求項18】 サンプル中の請求項1に記載のポリペプチドの存在または
    量を測定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該サンプルを提供する工程; (b)該サンプルを該ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体に導入する工
    程;および (c)該ポリペプチドに結合する抗体の存在または量を測定して、それによっ
    て該サンプル中のポリペプチドの存在または量を測定する工程 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 サンプル中の請求項5に記載の核酸分子の存在または量を
    測定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該サンプルを提供する工程; (b)該サンプルを該核酸分子に結合するプローブに導入する工程;および (c)該核酸分子に結合する該プローブの存在または量を測定して、それによ
    って該サンプル中の該核酸分子の存在または量を測定する工程 を包含する、方法。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載のポリペプチドに結合する因子を同定する
    方法であって、該方法は、以下: (a)該ポリペプチドを該因子に導入する工程;および (b)該因子が該ポリペプチドに結合するか否かを測定する工程 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 病態の処置における使用のための潜在的な治療因子を同定
    するための方法であって、ここで、該病態は、請求項1に記載のポリペプチドの
    異常な発現または異常な生理学的相互作用に関連し、該方法が、以下: (a)請求項1に記載のポリペプチドを発現しかつ該ポリペプチドに起因する
    特性または機能を有する細胞を提供する工程; (b)該細胞を候補物質を含有する組成物と接触させる工程;および (c)該物質が該ポリペプチドに起因し得る該素因または該機能を変更するか
    否かを測定し、これによって、該物質の存在下で観察された変更が、該細胞を該
    物質を欠く組成物と接触させた際に観察されない場合、該物質が潜在的な治療因
    子として同定される、工程 を包含する、方法。
  22. 【請求項22】 請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節するための方
    法であって、該方法が、請求項1に記載のポリペプチドを発現する細胞サンプル
    を、該ポリペプチドの活性を調節するに十分な量で該ポリペプチドに結合する化
    合物と共に導入する工程を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態を処置また
    は予防する方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被
    験体に、該被験体の該病態を処置または予防するに十分な量で請求項1に記載の
    ポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。
  24. 【請求項24】 前記被験体がヒトである、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態を処置また
    は予防する方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被
    験体に、該被験体の該病態を処置または予防するに十分な量でNOVX核酸を投
    与する工程を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 前記被験体がヒトである、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態を処置また
    は予防する方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被
    験体に、該被験体の該病態を処置または予防するに十分な量でNOVX抗体を投
    与する工程を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 前記被験体がヒトである、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能な
    キャリアを含有する、薬学的組成物。
  30. 【請求項30】 請求項5に記載の核酸分子および薬学的に受容可能なキャ
    リアを含有する、薬学的組成物。
  31. 【請求項31】 請求項15に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリ
    アを含有する、薬学的組成物。
  32. 【請求項32】 請求項29に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  33. 【請求項33】 請求項30に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  34. 【請求項34】 請求項31に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  35. 【請求項35】 ヒトの疾患と関連する症候群を処置するための医薬品の製
    造における治療剤の使用であって、該疾患が請求項1に記載のポリペプチドと関
    連する病態から選択され、ここで、該治療剤が請求項1に記載のポリペプチドで
    ある、使用。
  36. 【請求項36】 ヒトの疾患と関連する症候群を処置するための医薬品の製
    造における治療剤の使用であって、該疾患が請求項1に記載のポリペプチドと関
    連する病態から選択され、ここで、該治療剤がNOVX核酸である、使用。
  37. 【請求項37】 ヒトの疾患と関連する症候群を処置するための医薬品の製
    造における治療剤の使用であって、該疾患が請求項1に記載のポリペプチドと関
    連する病態から選択され、ここで、該治療剤がNOVX抗体である、使用。
  38. 【請求項38】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態に対する活
    性もしくは潜伏のモジュレーターまたは該病態の素因をスクリーニングするため
    の方法であって、該方法が、以下: a)請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態に対する増加した危険性の
    試験動物に試験化合物を投与する工程であって、ここで、該試験動物は請求項1
    に記載のポリペプチドを組み換え発現する、工程; b)工程(a)の該化合物を投与する工程の後に該試験動物中の該ポリペプチ
    ドの活性を測定する工程;および c)該試験動物における該タンパク質の活性を、該ポリペプチドが投与されて
    いないコントロール動物における該ポリペプチドの活性と比較する工程であって
    、ここで、該コントロール動物と比較した該試験動物中の該ポリペプチドの活性
    における変化は、該試験化合物が請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態
    の潜伏のモジュレーターまたは該病態の素因であることを示す、工程 を包含する、方法。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の方法であって、ここで、前記試験動物
    が、野生型試験動物と比較して増加したレベルで、試験タンパク質導入遺伝子を
    発現するかまたはプロモーターの制御下で該導入遺伝子を発現する、組換え試験
    動物であり、ここで、該プロモーターは、該導入遺伝子のネイティブな遺伝子プ
    ロモーターではない、方法。
  40. 【請求項40】 第1の哺乳動物被験体における請求項1に記載のポリペプ
    チドの変化したレベルと関連する疾患の存在または該疾患の素因を決定するため
    の方法であって、該方法が、以下: a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該ポリペプチドの発現レベル
    を測定する工程;および b)工程(a)の該サンプル中の該ポリペプチドの量を、該疾患を有さないこ
    とが既知であるかまたは該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被
    験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリペプチドの量と比較する工
    程であって、 ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第1の被験体における該
    ペプチドの発現レベルにおける変化が、該疾患の存在または該疾患の素因を示す
    、工程 を包含する、方法。
  41. 【請求項41】 第1の哺乳動物被験体における請求項5に記載の核酸分子
    の変化したレベルと関連する疾患の存在または該疾患の素因を決定するための方
    法であって、該方法が、以下: a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該核酸の量を測定する工程;
    および b)工程(a)の該サンプル中の該核酸の量を、該疾患を有さないことが既知
    であるかまたは該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被験体由来
    のコントロールサンプル中に存在する該核酸の量と比較する工程であって、 ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第1の被験体における該
    核酸のレベルにおける変化が、該疾患の存在または該疾患の素因を示す、工程 を包含する、方法。
  42. 【請求項42】 哺乳動物において病理学的状態を処置する方法であって、
    該方法が、該病理状態を緩和するに十分な量でポリペプチドを該哺乳動物に投与
    する工程を包含し、ここで、該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10
    、12、14、16、18、20または22からなる群より選択されるアミノ酸
    配列またはそれらの生物学的に活性なフラグメントを含むポリペプチドに少なく
    とも95%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドである、方法。
  43. 【請求項43】 哺乳動物において病理学的状態を処置する方法であって、
    該方法が、該病理学的状態を緩和するに十分な量で、請求項15に記載の抗体を
    該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
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