JP4356242B2 - 有機チタン化合物及びこれを含む溶液原料 - Google Patents

有機チタン化合物及びこれを含む溶液原料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリー)等の誘電体メモリー、誘電体フィルター等に用いられる複合酸化物系誘電体薄膜を有機金属化学蒸着法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、以下、MOCVD法という。)により形成するための原料として好適な有機チタン化合物に関する。更に詳しくはこの有機チタン化合物を含む溶液原料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DRAMの集積度が急ピッチで増大するにつれて、キャパシタとして用いられる誘電体薄膜は、従来のSiO2では対応が難しくなりつつあり、より誘電率の高い誘電体材料が求められている。かかる誘電体材料の例としては、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸ストロンチウム(ST)、チタン酸バリウム(BT)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)等が挙げられる。
【0003】
このような複合酸化物系誘電体薄膜の形成方法については、金属アルコキシド原料を用いてスピンコートで基板上に成膜するゾルゲル法がこれまで盛んに研究されてきた。ゾルゲル法は、金属成分を気化させないため、膜の組成制御は容易である。しかし、DRAMのキャパシタ用電極は段差があり、集積度が高くなるほど段差が大きく、かつ複雑になるので、スピンコート法では基板となる電極状に均一に誘電体薄膜を形成することが難しい。
そのため、ここ数年は、デバイスの高集積度を見越して、段差被覆性(=ステップカバレッジ性、段差のある複雑形状の表面への付き回り性)に優れたMOCVD法による誘電体薄膜の作製の研究が活性化してきた。原料の有機金属化合物としては、ジピバロイルメタン(DPM)等のβ−ジケトン化合物を配位子とする有機金属錯体や金属アルコキシドが一般に使用されている。Ti、Zr、Ta等の金属の原料にはアルコキシドとβ−ジケトン錯体の両方が使用され、SrやBaの原料としては主にβ−ジケトン錯体が使用される。
【0004】
MOCVD法は、金属原料を減圧下で加熱して気化させ、その蒸気を成膜室に輸送して基板上で熱分解させることにより、生成した金属酸化物を基板上に付着させる方法である。このMOCVD法による誘電体薄膜の形成において、当初は、原料の有機金属化合物をそのまま加熱して気化させ、発生した蒸気を成膜室に送って成膜させていた。しかし、原料の有機金属化合物、特にMOCVD法に推奨されているDPM錯体のような化合物は安定性や気化性が悪く、使用中に気化性が低下したり、或いは気化性を高めるために加熱温度を上げると、原料化合物の蒸気が成膜室に達する前に熱分解することがある。そのため、原料を成膜室に安定して輸送することが困難であり、高価な原料が一回の成膜ごとに使い捨てになり、また膜の組成制御が困難で、良好な誘電特性を持つ薄膜を安定して成膜できないという問題があった。
そのため、原料を安定して供給できる溶液気化CVD法が現在広く用いられている。この溶液気化CVD法はMOCVD法の改良であり、固体のCVD原料を各種有機溶媒に溶解し、液体としてCVD装置に供給する方法である。
【0005】
しかしながら、Ti含有誘電体薄膜形成用のCVD原料として一般に知られているビスイソプロポキシビスジピバロイルメタナートチタン(以下、[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]という。)を溶液気化CVD材料に用いる場合、この[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]は有機溶媒への溶解度が1.0mol/L以下と低いため、原料の供給量が制限されてしまう問題があった。また、[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]は500℃未満の成膜温度では成膜速度が小さいという問題もあった。一方で、500℃を越える成膜温度では、[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]の分解温度は270℃と低いために成膜時に気相での分解反応が進みやすく、気相分解種の基板への吸着確率が増大する。このため、表面に凹凸を有する基板に対する成膜時の段差被覆性が悪化する問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、本出願人はTi含有誘電体薄膜形成用のCVD原料としてビスターシャリーブトキシビスジピバロイルメタナートチタン(以下、[Ti(O-t-Bu)2(DPM)2]という。)を用いることを提案した(特開平9−40683)。この[Ti(O-t-Bu)2(DPM)2]を用いて成膜することにより段差被覆性が良好な薄膜を形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平9−40683号公報に示される化合物では、有機溶媒への溶解度が0.5mol/L以下と[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]よりも小さく、原料を大量に供給できない問題があった。また、熱分解温度が[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]よりも高いため、成膜速度が小さいという問題もあった。
【0008】
本発明の目的は、有機溶媒への溶解度が高い有機チタン化合物を提供することにある。
本発明の別の目的は、高い成膜速度が得られ、熱安定性、気化安定性に優れた有機チタン化合物及びこれを含む溶液原料を提供することにある
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、次の式(1)に示される有機チタン化合物である。
【化3】
Figure 0004356242
但し、結合基OR1がイソブトキシド基(以下、O-i-Buという。)、ターシャリーブチルアルコキシド基(以下、O-t-Buという。)又はターシャリーアミルアルコキシド基(以下、O-t-Amという。)であり、dmhdは次の式(2)で表される2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン残基である。
【0010】
【化4】
Figure 0004356242
本発明の化合物は従来用いられてきたDPM化合物のメチル基の1つを水素に置き換えることにより、有機溶媒との親和性を増加させたため、有機溶媒への溶解度が向上する。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の有機チタン化合物を有機溶媒に溶解した溶液原料である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、有機溶媒がテトラヒドロフラン(以下、THFという。)、メチルテトラヒドロフラン、n−オクタン、イソオクタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ピリジン、ルチジン、酢酸ブチル又は酢酸アミルからなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒である溶液原料である。
請求項1に係る有機チタン化合物と上記溶媒とを混合した溶液原料は上記溶媒を混合しない場合と比較して原料を安定に供給できるためMOCVD法により成膜したときに更に一層堆積速度、即ち成膜速度が大きくなる。また、高い溶解度が得られるため、この溶液原料を用いてMOCVD法により成膜することにより大量にMOCVD装置に原料を供給できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の有機チタン化合物は、前述した式(1)に示される化合物である。
式(1)に示される結合基のR1は炭素数3〜10の直鎖又は分岐アルキル基であり、dmhdは前述した式(2)で表される2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン残基である。式(1)に示される結合基OR1は-O-CR234で表され、更に、-O-CR234はR2、R3及びR4の種類によりO-i-Bu基、O-t-Bu基又はO-t-Am基となる。R2、R3及びR4で表される組合せを表1に示す。なお、表1中のHは水素、Mはメチル基、Eはエチル基、IPはイソプロピル基をそれぞれ示す。
【0013】
【表1】
Figure 0004356242
【0014】
また、本発明の溶液原料は、請求項1記載の有機チタン化合物を有機溶媒に溶解することにより調製される。有機溶媒はTHF、メチルテトラヒドロフラン、n−オクタン、イソオクタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ピリジン、ルチジン、酢酸ブチル又は酢酸アミルからなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒である。更に、本発明のチタン含有誘電体薄膜は、請求項4又は5記載の溶液原料を用いてMOCVD法により作製される。
上記溶媒を用いることにより、溶液原料をより安定して気化室や成膜室まで送込むことができ、結果としてMOCVDにおける薄膜の成長速度が促進される。
【0015】
固体である原料化合物をそのまま減圧下で加熱し、気化させる方法では配管全てを加熱しておく必要があり、加熱されていない部分があると析出してしまい、配管が閉塞する。また、加熱された状態で長時間保存されるため、材質の変質が起こり、気化しにくくなり、原料の供給量が減少してしまう。この結果、成膜速度が減少してしまう。固体原料化合物を溶媒に溶解して溶液とした場合は、室温で気化室まで原料を供給できるため、配管の閉塞が少なくなり、原料が加熱されている時間が短く、原料の変質が抑制できるので安定して原料を供給でき、成膜速度は促進される。
【0016】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
有機チタン化合物として[Ti(O-i-Bu)2(dmhd)2]を次の方法により合成した。
先ずテトライソブトキシチタン[Ti(O-i-Bu)4]を出発原料として用い、これを有機溶媒としてトルエンに1〜5重量%となるように溶解した。次いでこの溶解液に[Ti(O-i-Bu)4]に対して2倍モル量のHdmhdを加え、この溶液を有機溶媒の沸点より高い温度で2時間加熱還流することにより、反応させた。この反応液を減圧下で濃縮し、白色結晶を得た。次にこの白色結晶をトルエンを用いて再結晶後、減圧下で昇華させる精製を繰返し行うことにより精製した結晶を得た。
得られた結晶の同定は1H-NMR(C66)、質量分析及び元素分析により行った。1H-NMR分析の結果ではδ=5.4360(s、1H、dmhd-CH)、2.4053(m、1H、dmhd-CH)、2.2761(m、1H、dmhd-CH)、1.2348(d、6H、dmhd-CH3)、1.1019(d、3H、dmhd-CH3)、1.0213(d、3H、dmhd-CH3)、0.8762(d、6H、iBuO-CH3)、3.3269(m、2H、iBuO-CH2)、1.8761(m、1H、iBuO-CH)であった。元素分析の結果では、Ti9.8%(理論値9.4)、C61.4%(理論値61.4)、H9.9%(理論値10.2)、O18.8%(理論値18.9)であった。質量分析の結果では、m/Z=430[Ti(O-i-Bu)(dmhd)2]、375[TiO(dmhd)2]、349[Ti(O-i-Bu)2(dmhd)]であった。
【0017】
<実施例2>
有機チタン化合物として[Ti(O-t-Bu)2(dmhd)2]を次の方法により合成した。
先ずテトラターシャリーブトキシチタン[Ti(O-t-Bu)4]を出発原料として用い、これを有機溶媒としてトルエンに1〜5重量%となるように溶解した。次いでこの溶解液に[Ti(O-t-Bu)4]に対して2倍モル量のHdmhdを加え、この溶液を有機溶媒の沸点より高い温度で2時間加熱還流することにより、反応させた。この反応液を減圧下で濃縮し、白色結晶を得た。次にこの白色結晶をトルエンを用いて再結晶後、減圧下で昇華させる精製を繰返し行うことにより精製した結晶を得た。
得られた結晶の同定は1H-NMR(C66)、質量分析及び元素分析により行った。1H-NMRの結果ではδ=5.4360(s、1H、dmhd-CH)、2.4053(m、1H、dmhd-CH)、2.2761(m、1H、dmhd-CH)、1.2348(d、6H、dmhd-CH3)、1.1019(d、3H、dmhd-CH3)、1.0213(d、3H、dmhd-CH3)、1.5352(s、9H、tBuO-CH3)であった。元素分析の結果では、Ti9.6%(理論値9.4)、C61.6%(理論値61.4)、H10.0%(理論値10.2)、O19.1%(理論値18.9)であった。質量分析の結果では、m/Z=430[Ti(O-t-Bu)(dmhd)2]、375[TiO(dmhd)2]、349[Ti(O-t-Bu)2(dmhd)]であった。
【0018】
<実施例3>
有機チタン化合物として[Ti(O-t-Am)2(dmhd)2]を次の方法により合成した。
先ずテトラターシャリーアミルアルコキシチタン[Ti(O-t-Am)4]を出発原料として用い、これを有機溶媒としてトルエンに1〜5重量%となるように溶解した。次いでこの溶解液に[Ti(O-t-Am)4]に対して2倍モル量のHdmhdを加え、この溶液を有機溶媒の沸点より高い温度で2時間加熱還流することにより、反応させた。この反応液を減圧下で濃縮し、白色結晶を得た。次にこの白色結晶をトルエンを用いて再結晶後、減圧下で昇華させる精製を繰返し行うことにより精製した結晶を得た。
得られた結晶の同定は1H-NMR(C66)、質量分析及び元素分析により行った。1H-NMRの結果では、δ=5.4360(s、1H、dmhd-CH)、2.4053(m、1H、dmhd-CH)、2.2761(m、1H、dmhd-CH)、1.2348(d、6H、dmhd-CH3)、1.1019(d、3H、dmhd-CH3)、1.0213(d、3H、dmhd-CH3)、0.9729(t、6H、tAmO-CH3)、1.3952(s、6H、tAmO-CH3)、1.4383(m、2H、tAmO-CH2)であった。元素分析の結果では、Ti8.9%(理論値9.0)、C62.8%(理論値62.7)、H10.6%(理論値10.4)、O17.7%(理論値17.9)であった。質量分析の結果では、m/Z=444[Ti(O-t-Am)(dmhd)2]、375[TiO(dmhd)2]、363[Ti(O-t-Am)2(dmhd)]であった。
【0019】
<実施例4>
有機チタン化合物として実施例1で合成した[Ti(O-i-Bu)2(dmhd)2]を用意した。この有機チタン化合物をTHFに0.1mol/Lの濃度で溶解して溶液原料を得た。
また、有機チタン化合物の他に、有機ストロンチウム化合物としてビス(ジピバロイルメタナト)ストロンチウム錯体[Sr(DPM)2]、有機バリウム化合物としてビス(ジピバロイルメタナト)バリウム錯体[Ba(DPM)2]をそれぞれ用意し、これらの化合物をTHFにそれぞれ0.1mol/Lの濃度で溶解して2つの溶液原料を得た。上記3種の化合物の溶液原料を用いて、Sr原料を0.3ml/min、Ba原料を0.3ml/min、Ti原料を0.6ml/minとなるように、それぞれ各流量を制御しながら混合室に送って混合し、この混合溶液を気化室で気化させ、気化した蒸気を成膜室に搬送して、MOCVD法によりTi含有誘電体薄膜を成膜した。基板として、シリコン基板を用い、基板温度を450℃とした。[Sr(DPM)2]、[Ba(DPM)2]及び[Ti(O-i-Bu)2(dmhd)2]の気化温度をそれぞれ250℃にした。また、反応圧力を2Torrにそれぞれ設定した。キャリアガスとしてHeガスを用い、その流量を250sccmとした。また、反応ガスとして、O2を用い、その流量を1.0slmとした。
【0020】
<実施例5>
有機チタン化合物として実施例2で合成した[Ti(O-t-Bu)2(dmhd)2]を用いた以外は実施例4と同様にして成膜した。
<実施例6>
有機チタン化合物として実施例3で合成した[Ti(O-t-Am)2(dmhd)2]を用いた以外は実施例4と同様にして成膜した。
【0021】
<比較例1>
有機チタン化合物として[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]を用いた以外は実施例4と同様にして成膜した。
<比較評価1>
基板温度450℃で成膜した実施例4〜6及び比較例1のTi含有誘電体薄膜の段差被覆率及び成膜速度を測定した。表2にそれぞれ示す。
なお、段差被覆率は図1に示すような基板10の凹凸の面に成膜したときに、凸部表面に形成された膜11の厚さをa、凹部表面に形成された膜11の厚さをbとした場合に、a/bの値をいう。この段差被覆率が1に近いとき、凹部及び凸部の両面に均一な膜が形成されていることになり、段差被覆性がよいことになる。
【0022】
【表2】
Figure 0004356242
表2より明らかなように、比較例1に比べて実施例4〜6では低温での成膜においても大きな成膜速度を有していることがわかる。これにより、基板温度を低く設定することができる。
【0023】
<実施例7>
有機チタン化合物として実施例1で合成した[Ti(O-i-Bu)2(dmhd)2]を用い、基板温度を550℃とした以外は実施例4と同様にして成膜した。
<実施例8>
有機チタン化合物として実施例2で合成した[Ti(O-t-Bu)2(dmhd)2]を用い、基板温度を550℃とした以外は実施例4と同様にして成膜した。
<実施例9>
有機チタン化合物として実施例3で合成した[Ti(O-t-Am)2(dmhd)2]を用い、基板温度を550℃とした以外は実施例4と同様にして成膜した。
【0024】
<比較例2>
有機チタン化合物として[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]を用い、基板温度を550℃とした以外は実施例4と同様にして成膜した。
<比較例3>
有機チタン化合物として[Ti(O-t-Bu)2(DPM)2]を用い、基板温度を550℃とした以外は実施例4と同様にして成膜した。
<比較例4>
有機チタン化合物として[Ti(O-t-Am)2(DPM)2]を用い、基板温度を550℃とした以外は実施例4と同様にして成膜した。
<比較評価2>
基板温度550℃で成膜した実施例7〜9及び比較例2〜4のTi含有誘電体薄膜の段差被覆率及び成膜速度を測定した。表3にそれぞれ示す。
【0025】
【表3】
Figure 0004356242
表3により明らかなように、実施例7〜9では比較例3及び4と同等の段差被覆率を有し、比較例2に比べ段差被覆率に優れる。また、段差被覆率が同等の比較例3及び4に比べて成膜速度が大きい。これらのことから、本発明化合物は従来化合物を用いた場合に比べ高温での成膜においても良好な段差被覆性を確保しながら成膜速度を大きくすることができることが判る。
【0026】
<実施例10>
有機チタン化合物として実施例1で合成した[Ti(O-i-Bu)2(dmhd)2]を用意した。また有機溶媒としてTHF、n−オクタン、酢酸ブチル及びピリジンをそれぞれ用意し、これら有機溶媒に有機チタン化合物をそれぞれ溶解して溶液原料を調製した。
<実施例11>
有機チタン化合物として実施例2で合成した[Ti(O-t-Bu)2(dmhd)2]を用いた以外は実施例10と同様にして溶解した。
<実施例12>
有機チタン化合物として実施例3で合成した[Ti(O-t-Am)2(dmhd)2]を用いた以外は実施例10と同様にして溶解した。
【0027】
<比較例5>
有機チタン化合物として[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]を用いた以外は実施例10と同様にして溶解した。
<比較例6>
有機チタン化合物として[Ti(O-t-Bu)2(DPM)2]を用いた以外は実施例10と同様にして溶解した。
<比較例7>
有機チタン化合物として[Ti(O-t-Am)2(DPM)2]を用いた以外は実施例10と同様にして溶解した。
<比較評価3>
実施例10〜12及び比較例5〜7の有機チタン化合物の各有機溶媒における溶解度を測定した。表4にそれぞれ示す。
【0028】
【表4】
Figure 0004356242
表4より明らかなように、同等の段差被覆性を有する比較例6及び7と比べて実施例10〜12の溶解度はそれぞれ大きく、比較例5は実施例10〜12と溶解度はほぼ同等であるがこの比較例5は段差被覆性が悪い。実施例10〜12は各種有機溶媒への溶解度が大きいことから原料を大量に供給できるために成膜が効率よく行える点で優れていることが判る。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の一般式[Ti(OR1)2(dmhd)2]からなる有機チタン化合物(但し、結合基OR1がO-i-Bu基、O-t-Bu基又はO-t-Am基である。)は、この化合物を原料としてMOCVD法により成膜すると、従来の[Ti(O-i-Pr)2(DPM)2]に代表される有機チタン化合物と比べて、有機溶媒への溶解度が高いため、MOCVD装置に大量に原料を供給することができる。本発明の有機チタン化合物を有機溶媒に溶解した溶液原料は高い成膜速度でチタン含有誘電体薄膜が得られる。また、熱安定性、気化安定性に優れるため、高い純度の薄膜が得られる。この溶液原料を用いて薄膜を作製すると基板表面の凹凸が大きくても段差被覆性が良好である特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MOCVD法により成膜したときの段差被覆率の求め方を説明するための基板断面図。

Claims (3)

  1. 次の式(1)に示される有機チタン化合物。
    Figure 0004356242
    但し、結合基OR1がイソブトキシド基、ターシャリーブチルアルコキシド基又はターシャリーアミルアルコキシド基であり、dmhdは次の式(2)で表される2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン残基である。
    Figure 0004356242
  2. 請求項1記載の有機チタン化合物を有機溶媒に溶解した溶液原料。
  3. 有機溶媒がテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、n−オクタン、イソオクタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ピリジン、ルチジン、酢酸ブチル又は酢酸アミルからなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒である請求項2記載の溶液原料。
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