JP4350296B2 - 光記録媒体用基板、光記録媒体、原盤、原盤記録装置および信号発生装置 - Google Patents
光記録媒体用基板、光記録媒体、原盤、原盤記録装置および信号発生装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光等の照射により情報の記録再生を行う光記録媒体に関し、さらに光記録媒体の基板、原盤、原盤記録装置およびそれに用いられる信号発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大容量で高密度なメモリーとして、光記録媒体が注目されており、現在、書換えが可能な消去型と呼ばれるものの開発が進められている。この消去型光記録媒体の一つとして、円盤状の透明基板上にアモルファス状態と結晶状態の間で相変化する薄膜からなる記録層を設け、レーザー光の照射による熱エネルギーによって情報の記録及び消去を行う相変化光ディスクがある。
【0003】
相変化光ディスクの製造工程としては、第1に表面に凹凸からなるガイド溝を備えた透明な基板上に、相変化型の記録層をスパッタリングなどの手法により形成する成膜工程、第2に記録薄膜上を保護するために記録層上に保護するための保護板を設ける貼合わせ工程、第3に、記録層の状態を、アモルファス状態から結晶状態に変化させるための初期化処理を行う初期化工程からなる。この記録層用の相変化材料としては、Ge,Sb,Te,In等を主成分とする合金膜、例えばGeSbTe合金が知られている。
【0004】
情報の記録は記録層の部分的なアモルファス化によってマークを形成して行い、消去はこのアモルファスマークの結晶化によって行う場合が多い。アモルファス化は記録層を融点以上に加熱した後に一定値以上の速さで冷却することによって行われる。一方、結晶化は記録層を結晶化温度以上、融点以下の温度に加熱することによって行われる。
【0005】
基板上には記録再生時にレーザー光をトラッキングするスパイラル状もしくは同心円状の案内溝(グルーブ)及び媒体上の位置を示す凹凸からなるのアドレスピットで構成されたアドレス情報(以後アドレスとも略す)を予め設けておくのが一般的である。
【0006】
さらにアドレス情報は、ZCAV、あるいはZCLVフォーマットと呼ばれる配置で形成されており、また、各トラックは、アドレスピットからなるアドレス部で幾つかに分割され、複数の記録セクターを備える。この1周のセクターの分割数は、半径方向に区切られたゾーン毎に異なる。すなわち、外周方向へ順次増加している。そして、同一ゾーンではセクタ数は同一である。さらに、ゾーンの数は、セクターの長さに依存し、セクターが長いほど少なくなる。
【0007】
最近では、各種情報機器の処理能力の向上に伴い、扱われる情報量が大きくなっている。そのために、より大容量な情報の記録再生が可能な記録媒体が求められている。この大容量化の手段として、DVD−RAM等では、ガイド溝の凹部と凸部の両方を情報トラックとして用いることにより、トラック密度を大きくする方法が採用されている。この場合、グルーブトラックとランドトラックの幅は、ほぼ等しくなるように設定される。
【0008】
この記録媒体では、アドレス情報を、グルーブトラックとランドトラックの中間に設け、隣合う一組のグルーブトラック及びランドトラックに対して1つのアドレス部を共有する方式が用いられている。この隣接するグルーブトラックとランドトラックとの中間に記録されたアドレス部を「中間アドレス」と呼ぶ。
【0009】
図11は、ゾーン内に設けられた中間アドレスを含む、光記録媒体の基板の構成を示す図である。1はグルーブトラック、2はランドトラック、3は中間アドレス、4は記録領域である。
【0010】
なお、中間アドレス3は、トラック中心対し半径方向にトラックピッチの1/2だけ半径方向にそれぞれシフトした位置に一対のアドレスピット3a、3bで構成されている。なお、図中アドレスピットは長円形であるが、四角形で代用している。なお、別の実施の形態としては、アドレス部はこのような一対のアドレスピット列ではなく、半径方向にシフトしていないアドレスピット列でもかまなわい。この場合は、アドレス部の中心は、そのアドレスピットの半径方向における中心位置とする。
【0011】
本実施の形態の中間アドレス3の特徴の第1は、1つのアドレスをグルーブトラック1とランドトラック2との双方から再生する構成であり、各トラックに対して両側に2つアドレスが存在するため、アドレス復調時に高い信頼性を確保することが可能である点である。
【0012】
第2の特徴は、左右に存在するアドレスピット3a、3bの再生信号から、記録トラックの中央位置を正確に求めることができる点である。具体的には、アドレスピット3a、3bからの再生信号の振幅を比較し、この2つのアドレスからの再生信号の振幅が等しくなるように制御することにより、トラックセンターを追従するトラッキングサーボが可能となる。これら2つの特徴により、ランド・グルーブ記録には、中間アドレス3が用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の基板から作製した記録媒体から得られる再生信号を詳細に測定した結果、半径方向に複数に分割された各ゾーンの始端位置(内周側)と終端位置(外周側)において、ガイド溝の中心と、中間アドレスの中心位置の相対位置関係にずれが生じる現象が見られた。
【0014】
具体的にはトラッキングエラー信号の中心位置と、中間アドレスの再生信号の振幅の等しくなる条件が、ゾーンの境界部において大きく変化するという現象である。
【0015】
中間アドレスの中心位置を、ガイド溝の中心位置に対する位置ずれで表現すると、ゾーンの始端位置では、内周側に中間アドレス全体が移動した場合に発生する極性の再生信号が得られ、ゾーンの中央部ではガイド溝の中心と一致し、ゾーンの終端位置では中間アドレスが外周側に移動した場合に発生する極性の再生信号が得られる。
【0016】
この結果、前述のように中間アドレスを用いてトラックの中心を求めるトラッキング制御を行った場合は、ゾーンの始まる始端位置とゾーンの終端位置においてガイド溝の中心からずれた位置で、即ちオフトラックした状態でトラッキングサーボが動作する。
【0017】
この状態で信号記録を行うと、信号自身の品質が低下すると共に、隣接するトラックからのクロストークの影響も受けやすくなり、安定な記録再生が困難となるという課題があった。
【0018】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、ゾーン内で発生するガイド溝の中心位置と中間アドレスの中心位置のずれの少ない光記録媒体及びそれらを可能とする製造方法および装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、ディスク上の、少なくともガイド溝に形成された複数の記録トラックと、
前記記録トラックの情報読み出し方向に沿って、前記ガイド溝の記録トラック間に設けられた、アドレスピット列からなるアドレス部とを備え、
前記ガイド溝の記録トラックは、所定のゾーン毎に区分されており、
前記各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心は、
前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように配置されており、
前記アドレス部は、前記ディスクの半径方向にシフトした位置に存在する一対の中間アドレスからなり、
前記アドレス部の中心は、前記各中間アドレスの中心軸同士の中央線であり、
前記アドレス部の前記中心のシフトの方向は、同一の前記ゾーン内の最外周の記録トラックに対応するシフトと最内周の記録トラックに対応するシフトとで互いに逆向きであることを特徴とする光記録媒体用基板である。
第2の本発明は、前記アドレス部の中心のシフトの量は、前記各ゾーン内において、その最外周または最内周から中央部に行くに従って連続的または段階的に減少することを特徴とする第1の本発明の光記録媒体用基板である。
第3の本発明は、光記録媒体を所定の製造方法によって作るために用いられる光記録媒体用基板であって、
前記アドレス部の中心のシフトの量および方向は、
前記アドレス部の中心のシフトの量がゼロである校正用基板を用いて光記録媒体を前記製造方法によって作成し、この光記録媒体を再生した際の再生信号中に現れる前記アドレス部の中心のシフトの量および方向を、相殺する量及び方向であることを特徴とする第1の本発明の光記録媒体用基板である。
第4の本発明は、第1又は2に記載の光記録媒体用基板の上面に、相変化型の記録薄膜層を備えたことを特徴とする光記録媒体である。
第5の本発明は、前記相変化型の記録薄膜層は初期化処理済みであることを特徴とする第4の本発明の光記録媒体である。
第6の本発明は、第1に記載の光記録媒体用基板を作成するための原盤であって、
前記ガイド溝および前記アドレス部に対応する部分を、フォトレジスト層を有するガラス原盤上に形成したことを特徴とする光記録媒体用基板を作成するための原盤である。
第7の本発明は、第6の本発明の光記録媒体用基板を作成するための原盤を作成するための原盤記録装置であって、
前記ガラス原盤のフォトレジスト層を感光させるための光源と、
前記光源の光をアドレス信号に従って変調する光変調器と、
前記光変調された光を偏向させる偏向器であって、
(a)前記記録トラック区間に対しては、平行又は蛇行したガイド溝を形成させ、また、(b)前記アドレス部区間に対しては、前記光ビームを前記原盤の半径方向にシフトさせることにより、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光変調された光を偏向するEO偏向器とを備える原盤記録装置である。
第8の本発明は、第6の本発明の光記録媒体用基板を作成するための原盤に情報を記録する原盤記録装置であって、
前記ガラス原盤のフォトレジスト層を感光させるための光源と、
前記光源の光をアドレス信号に従って変調する光変調器と、
前記アドレス信号のタイミングに同期して、前記光変調された光ビームを偏向させ、前記アドレス部の中心が前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し一致する状態で前記アドレス部を形成させる光ビーム出力する第1のEO偏向器と、
前記第1のEO偏向器から出力された光を入力し、(a)前記記録トラック区間に対しては、前記アドレスピット列の方向に沿って蛇行した前記ガイド溝を形成するように、また、(b)前記アドレス部区間に対しては、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光ビームを前記原盤の半径方向に偏向させオフセットをかける第2のEO偏向器とを備える原盤記録装置である。
第9の本発明は、前記第2のEO偏向器による前記アドレス部における光の偏向の方向は、同一の前記ゾーン内の前記最外周の記録トラックに対応する偏向と前記最内周の記録トラックに対応する偏向とで互いに逆向きである第8に記載の原盤記録装置である。
第10の本発明は、前記第2のEO偏向器による、前記アドレス部における偏向量を、前記各ゾーンにおいて、その最外周または最内周から中央部に行くに従って連続的または段階的に減少させることを特徴とする第9の本発明の原盤記録装置である。
第11の本発明は、光記録媒体を所定の製造方法によって作るために用いられる光記録媒体用基板を作成するための原盤に情報を記録する原盤記録装置であって、
前記第2のEO偏向器による前記光ビームの偏向方向および偏向量は、
前記アドレス部の中心のシフトの量がゼロである校正用基板を用いて光記録媒体を、前記製造方法によって作成し、これを再生した際の再生信号中に現れる前記アドレス部の中心のシフトの量および方向を相殺できる偏向方向および偏向量である第7ないし10の本発明の原盤記録装置である。
第12の本発明は、第7の本発明の原盤記録装置にて用いられる、前記EO偏向器を駆動する信号を発生する信号発生装置であって、
前記光変調器へ、前記アドレス信号に対応した2値化信号を出力し、
前記EO偏向器へ、(a)前記記録トラック区間に対しては、平行又は蛇行したガイド溝を形成させる電圧を出力し、(b)前記アドレス部区間に対しては、前記光ビームを前記原盤の半径方向にシフトさせることにより、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光変調された光を偏向するシフト電圧を出力する信号発生装置である。
第13の本発明は、第8の本発明の原盤記録装置にて用いられる、前記第1のEO偏向器と前記第2のEO偏向器を駆動する信号を発生する信号発生装置であって、
前記光変調器へ、前記アドレス信号に対応した2値化信号を出力し、
前記第1のEO偏向器へ、前記アドレス信号のタイミングに同期して、前記光変調された光ビームを偏向させ、前記アドレス部の中心が前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し一致するようにさせる電圧を出力し、
前記第2のEO偏向器へ、(a)前記記録トラック区間に対しては、前記アドレスピット列の方向に沿って蛇行した前記ガイド溝を形成するように、また、(b)前記アドレス部区間に対しては、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光ビームを前記原盤の半径方向に偏向させるオフセット電圧を出力する信号発生装置である。
第14の本発明は、前記EO偏向器又は前記第2のEO偏向器への前記シフト電圧は、同一の前記ゾーンにおいて前記最外周の記録トラックに対応する電圧と最内周の記録トラックに対応する電圧とで互いに逆極性であることを特徴とする第12又は13の本発明の信号発生装置である。
第15の本発明は、前記EO偏向器又は前記第2のEO偏向器へのシフト電圧は、前記各ゾーンにおいて、その最外周または最内周から中央部に行くに従って連続的または段階的に減少させることを特徴とする第12又は13の本発明の信号発生装置である。
第16の本発明は、光記録媒体を所定の製造方法によって作るために用いられる光記録媒体用基板を作成するための原盤に情報を記録する原盤記録装置で用いられる信号発生装置であって、
前記EO偏向器又は前記第2のEO偏向器へのシフト電圧の極性および大きさは、前記アドレス部のシフトの量がゼロである校正用基板を用いて、前記製造方法により光記録媒体を作成し、これを再生した際の再生信号中に現れる前記アドレス部のシフトの量および方向を相殺する極性および大きさであることを特徴とする第12又は13の本発明の信号発生装置である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板、光記録媒体及び記録再生装置について、図面を参照しながら説明する。
【0038】
上述したように、ゾーン境界部において生じるガイド溝の中心とアドレス部の中心との位置ずれは、基板単体では顕著でないが、その後の記録層の形成以降の工程において、発生していると考えられる。
【0039】
そこで、本発明は、従来法で作成した校正用基板を用いて各工程を経て完成した光記録媒体において、半径方向のアドレス部とガイド溝の位置ずれ量を測定する。次に、測定した結果得られた各半径位置における位置ずれ量を元に、予め基板の段階で前述の位置ずれの方向と逆の方向にシフトしたアドレス部を形成することにより、最終的な光記録媒体の形態で、位置ずれのないアドレス部とガイド溝を得ることである。
【0040】
本発明を適用する光記録媒体の形状は、円形であり、その表面に情報信号を記録する際のトラッキング用のガイド溝と、ガイド溝の一部を中断させ、アドレスピットを設ける。この際にアドレスピットの配置は、ZCAV(ゾーン定角速度)方式を用い、円周方向に複数のセクターで分割し、さらに半径方向にはゾーンで分割し、外周方向に行くに従ってセクター数を増大させる構成とする。
【0041】
図1は、本発明の光学記録媒体用の基板のゾーン境界におけるガイド溝およびアドレス部の構成を示す図である。図において、ガイド溝の凹凸のそれぞれが記録領域4を形成する記録トラックでありグルーブトラック1、ランドトラック2からなる。
【0042】
アドレス部は、各記録トラックの中心位置に対し、左右にシフトした位置に中間アドレス3を設ける。その際に中間アドレスの位置は、グルーブトラックの中心1c、あるいはランドトラックの中心2cに対し、略1/2トラックピッチだけずれた位置に設ける。ここで中間アドレスは、光ビームに対して前方に位置する第1のアドレスピット3aと後方に位置する第2のアドレスピット列3bから構成される。また、それぞれのアドレスピットの中心3ac、3bcの中心線3cを中間アドレスの中心線と定義する。なお、中間アドレスの中心線は、グルーブトラック1に対しては外周側の第1のアドレスピットと内周側の第2のアドレスピットの中心線であり、ランドトラックに対しては内周側の第1のアドレスピットと外周側の第2のアドレスピットの間に位置する。
【0043】
本発明においてはガイド溝のトラック中心に対する中間アドレスの中心線との相対的な位置関係を、各ゾーン内の半径方向で異なる値とする。
【0044】
図1はゾーン(N)とゾーン(N+1)の境界位置のセクター配置であり、ゾーン(N)の終端位置とゾーン(N+1)の開始位置を示している。ここでガイド溝の中心線に対する中間アドレスの中心線のずれ量をdと定義する。ゾーンの開始位置、即ち図中のゾーン(N+1)の領域では、中間アドレスの中心線3cがガイド溝のトラック中心1cに対し、シフト量d1だけ外周側にシフトした位置となるように配置する。ゾーンの終端位置、即ち図中のゾーン(N)の領域では、中間アドレスの中心線がガイド溝の中心に対してd2だけ内周側にシフトした位置とする。
【0045】
図2は、記録媒体の半径方向に対するガイド溝の中心に対する中間アドレスの中心線の位置ずれ量dを示した図である。ゾーンの開始位置ではd1だけ外周側(+方向)にシフトさせ、ゾーンの中央に向かうのに従ってシフト量が減少し、中心位置では0とし、ゾーン終端に近づくに従って内周側(−方向)にシフトさせ終端部ではシフト量d2とする。
【0046】
ガイド溝の中心位置と中間アドレスのシフト量dの値は、予め本発明の特徴であるシフト量dを0とする従来の方法により製造した校正用基板を用いて、記録材料層の成膜、貼り合わせ、初期化等を含む一連の所定の製造工程により光記録媒体を作成する。
【0047】
作成した光記録媒体の各ゾーンにおいて、ガイド溝の中心と中間アドレスの中心線のずれ量を測定する。そのずれ量に対し、反対の方向にずれ量と同じだけシフトさせて、前記所定の製造工程と同じ工程によって、図2に相当する基板を作成する。
【0048】
なお、ここで示すガイド溝の中心と中間アドレスの中心線のずれ量とは、トラッキングエラー信号の振幅の中心位置となる位置と、一対の中間アドレスの再生振幅の一致する位置との差から求めた値である。
【0049】
以上の構成とすることで、光記録媒体の製造工程において生じるガイド溝の中心位置と中間アドレスの中心線のずれ量を補正し、最終形態で完成した光記録媒体においてガイド溝の中心線と中間アドレスの中心位置を一致させることが可能となる。この結果、記録媒体が半径方向にチルトした際に発生する制御時のオフトラックを、中間アドレスを用いたトラック中心サーボにより補償し、安定な記録再生が可能となる。
【0050】
次に本発明の光記録媒体用の基板を得るための原盤を作成する原盤記録装置について、図3のブロック図を用いて説明する。なお、図1では、記録領域(区間)でのガイド溝が無変調の平行なガイド溝の形態で示したが、以下の図3,図4の実施の形態では、記録領域(区間)では、ガイド溝を蛇行させたウォブル溝とする。
【0051】
表面にフォトレジスト層をコーティングしたガラス原盤21をスピンドルモータ22により回転させる。フォトジスト層を感光させる記録用の光源23から出射した光ビームは、ミラー24により反射され、EO変調器(電気・光学素子)25に入射する。EO変調器は、マスタリングの装置全体を制御するフォーマット制御部26からのアドレス信号に対応した変調信号に従って、入射した光ビームを強度変調する。
【0052】
次に、EO変調器25から出射し、第2のミラー27で反射された光ビームは、フォーマット制御部26からの中間アドレスをトラック方向に1/2トラックピッチ分だけ位置シフトさせるための制御電圧に従って、第1のEO偏向器28により、光ビームを偏向させる。この第1のEO偏向器28は、アドレス部区間で動作するが、記録領域では偏向動作しない。本発明のEO偏向器はこの第1のEO偏向器に対応する。
【0053】
次に第2のEO偏向器29は、フォーマット制御部26からのガイド溝を所定の周波数に従って蛇行させるためのウォブル電圧に従って光ビームを偏向させる。
【0054】
第2のEO偏向器29からの光ビームは、第3のミラー30で反射され、対物レンズ31により微小スポットに集光され、ガラス原盤21の表面のフォトレジスト層を照射する。
【0055】
なお、図中ではその詳細を省略したが、本記録系には、対物レンズ31とガラス原盤21の距離を一定に保つための補助ビームを用いたフォーカス制御系を備える。
【0056】
図4は、原盤記録装置の光ビームを制御するための制御信号を発生するフォーマット制御部26の詳細を示す図である。以下、同図を用いて、フォーマット制御部26の動作について説明する。外部の制御器の記録開始信号に従って、記録が開始され、まずスピンドルモータ23からの回転位置を示す信号に同期したタイミングで、アドレス発生回路41からコード信号化されたアドレス信号が生成され、アドレス変調器42を経て変調信号が、EO変調器25に出力される。
【0057】
オフセット電圧発生回路45は、アドレス発生回路41のアドレス信号のゾーン内でのトラック数を計測するトラックカウント回路44の出力からゾーン内の位置を判別し、その結果に従ってオフセット電圧を発生し、アドレス偏向器43に出力する。
【0058】
アドレス偏向回路43は、アドレス信号発生器41から出力されたアドレス変調信号に同期したタイミング信号に応じて、第1のアドレスピット列と第2のアドレスピット列を対応した変調信号のタイミングと同期して、ガイド溝の中心に対し左右に等距離シフトさせる第1の偏向信号を生成し、さらにこの第1の偏向信号と、オフセット電圧回路45の出力電圧を重畳させた信号を第1のEO偏向器28に出力する。
【0059】
ここで図5にオフセット電圧回路45の出力電圧の半径位置依存性を示す。ゾーン(N)が始まるゾーン始端部では正のオフセット電圧Vf1を発生し、ゾーン中央に行くに従ってオフセット電圧を下降させ、ゾーン中央部ではゼロとする。さらにゾーン終端部に対して負のオフセット電圧を印加し、ゾーン終端では負のVf2のオフセット電圧を発生させる。
【0060】
なお、ここでは、オフセット電圧をゾーン位置に対して連続的に変化させる方法についてしたが、複数トラック、例えば20トラック単位で段階的にオフセット電圧を変化させる方法で有っても良い。この場合は、オフセット電圧発生回路を簡素化することができる。
【0061】
また、異なるゾーンに対しては、予め中間アドレスの条件をゾーン間で変化させない従来の方法により試作したディスクにより、中間アドレスの中心位置ずれ量を測定した値に基づいて、各ゾーンに対するオフセット電圧を設定することが好ましい。
【0062】
しかしながら、オフセット電圧発生回路45の回路を単純化させるという観点からは、複数に分割された各ゾーン間でシフト量の値のばらつきが小さい場合は、図5に示すように、各ゾーンの中でのシフト量を一定の値とし、例えば外周側のゾーン(N+1)においてもゾーン(N)と同様に、ゾーン始端部においてはVf1、中央部ではゼロ、ゾーン終端部においてはVf2のオフセット電圧とすることにより、オフセット電圧発生回路を簡素化できる。
【0063】
図6は、アドレス偏向回路43からの偏向信号のアドレス領域における出力波形を示す図である。図6(b)はゾーンの中央部のアドレス偏向電圧を示し、オフセット電圧回路45からの出力がゼロであるために、ガイド溝に対し1/2トラックピッチ分だけ左右に等距離シフトさせる電圧が発生し、前方の第1のアドレスピット列に対しては正の偏向電圧Vaが、後続する第2のアドレスピットに列に対しては、Vaと値が等しく極性が負の偏向電圧Vbを出力する。
【0064】
図6(a)は、ゾーン始端部を示し、オフセット電圧回路からオフセット電圧Vf1が入力され、アドレス偏向回路43は、第1のアドレスピットに対しては電圧(Va+Vf1)を、第2のアドレスピットに対しては電圧(Vb+Vf1)を出力する。
【0065】
一方、図6(c)はゾーン終端部を示し、オフセット電圧回路からオフセット電圧Vf2が入力され、アドレス偏向回路43は、第1のアドレスピットに対しては電圧(Va+Vf2)を、第2のアドレスピットに対しては電圧(Vb+Vf2)を出力する。なお、偏向電圧が正の場合は、光ビームはガラス原盤に対し外周方向に移動する。この結果、ゾーンの始端部では、中間アドレスの中心位置は外周側にシフトし、ゾーンの終端部では内周側にシフトした位置に形成する。
【0066】
次にゾーン位置に応じて中間アドレスのシフト量を補正する第2の方法について説明する。この第2の方法は、記録領域でガイド溝をウォブルさせる場合であり、そのウォブルさせる偏向程度と、上記オフセットさせる偏向程度とが同程度であり、それと比べて、上記一対のアドレスピット列を生成する偏向程度は大きいことに着目し、第1の偏向器をアドレスピット列用のものとし、その第1の偏向器の後に直列接続された第2の偏向器を前記ウォブルと、オフセット用とするものである。そうすることにより、コストの安い偏向器を用いることが可能となる。
【0067】
図7に示すフォーマット制御部26は、ガイド溝がウォブルした形態のものを用いる場合に、溝ウォブルの変調に用いる第2のEO偏向器に対し、オフセットを印加することにより、中間アドレス位置ずれを補正しようとするものである。
【0068】
アドレス偏向回路71が、アドレス信号発生器から発せられるアドレス変調信号に同期したタイミングに応じて、ガイド溝の中心に対し左右に等距離シフトさせるため、第1のアドレスピット列と第2のアドレスピット列に対し、電圧差差が等しく、極性が異なる信号を第1のEO偏向器28に出力する。
【0069】
オフセット電圧発生回路73は、アドレス発生回路41のアドレス信号のゾーン内でのトラック数を計測するトラックカウント回路44によりゾーンごとのトラック数をカウントすることによりゾーン内の位置を判別し、その結果に従ってオフセット電圧を発生し、溝ウォブル回路72に出力する。
【0070】
溝ウォブル回路72は、ガイド溝部に相当するタイミングでは、ガイド溝を左右に蛇行するためのウォブル電圧を発生する。
【0071】
さらに溝ウォブル回路72は中間アドレス領域に相当するタイミングでは、オフセット電圧発生回路73の出力電圧を第2のEO偏向器29に出力する。
【0072】
図8はオフセット電圧発生回路73の出力電圧の半径位置依存性を示す図である。ゾーンの始端点では正のオフセット電圧Vf3を発生し、ゾーン中央に行くに従ってオフセット電圧を下降させ、ゾーン中央部ではゼロとする。さらにゾーン終端部に対して負のオフセット電圧を印加し、ゾーン終端では負のVf4のオフセット電圧を発生させる。
【0073】
図9は、溝ウォブル回路72からの偏向信号のアドレス領域近傍における出力波形を示す図である。図9(b)はゾーンの中央部のアドレス偏向電圧を示し、ガイド溝に相当する領域内は、ガイド溝のウォブル量に対応したウォブル電圧Vwを出力し、中間アドレス領域ではオフセット電圧回路73からの出力がゼロであるために、電圧はゼロレベルとなる。
【0074】
図9(a)は、ゾーン始端部を示し、オフセット電圧回路からオフセット電圧Vf3が入力され、中間アドレス領域は電圧(Vf3)を出力する。一方、図9(c)はゾーン終端部を示し、オフセット電圧回路からオフセット電圧Vf4が入力され、溝ウォブル回路72は、中間アドレス領域で電圧(Vf4)を出力する。なお、偏向電圧が正の場合は、光ビームはガラス原盤に対し外周方向に移動する。この結果、ゾーンの始端部では、中間アドレスの中心位置は外周側にシフトし、ゾーンの終端部では内周側にシフトした位置に形成する。
【0075】
図10は、ガイド溝がウォブルした形態のものを用い、第7図に示した回路を用いて本発明による中間アドレスを作成した基板の一例を示す図である。図1と異なる点は、記録トラックであるグルーブトラック91、ランドトラック92が蛇行しているが、トラック中心はその平均的は中心線とする。
【0076】
本発明の補正を加えることにより、ゾーンの始端部では、外周方向にd91だけ中間アドレスの中心がシフトし、ゾーンの終端側では、d92だけ内周側にシフトする構成とする。
【0077】
以上の構成とすることで、ガイド溝のウォブルさせるための第2の偏向器に対し、オフセット電圧を印加する事により、ゾーン内でのガイド溝と中間アドレス位置を補正することができる。
【0078】
なお、ここでは、オフセット電圧をゾーン位置に対して連続的に変化させる方法について示したが、複数トラック、例えば20トラック単位で段階的にオフセット電圧を変化させる方法でも良い。この場合は、オフセット電圧発生回路を簡素化することができる。
【0079】
また、異なるゾーンに対しては、予め中間アドレスの条件をゾーン間で変化させない従来の方法により試作した基板により、中間アドレスの中心位置ずれ量を測定した値に基づいて、各ゾーンに対するオフセット電圧をそれぞれにふさわしく設定することが好ましい。
【0080】
しかしながら、オフセット電圧発生回路45の回路を単純化させるという観点からは、ゾーン間のシフト量の差が小さい場合は、図5に示すように、各ゾーンの中でのシフト量を一定の値とし、例えば外周側のゾーン(N+1)においてもゾーン(N)と同様に、ゾーン始端部においてはVf1、中央部ではゼロ、ゾーン終端部においてはVf2のオフセット電圧とすることにより、オフセット電圧発生回路を簡素化できる。
【0081】
次に、図3の原盤記録装置を用いて、基板を成形するための金型(スタンパ)を製作する工程について説明する。
【0082】
先述の2種類のフォーマット制御部により、原盤記録装置を制御し、フォトレジストを表面に備えるガラス原盤を露光する。次に、エッチッング工程により露光部を除去した後に、導電層を表面に蒸着する。さらにNiなどの金属層を電気鋳造により表面に形成し、その金属層を剥離することにより、金型を得ることができる。
【0083】
次にこの金型を射出成型器に装着し、ポリカーボネート、PMMAなどの樹脂材料を注入し、金型から剥離することにより、表面にガイド溝および中間アドレスを備えた樹脂基板を得ることができる。
【0084】
得られた基板に対し、スパッタリングあるいは蒸着法などの薄膜プロセスにより、記録材料層をその表面に形成し、その後保護カバーを設ける。次に初期化工程により記録材料層が相変化型の場合は、結晶化のための光照射を行う。以上の工程により、記録可能な相変化型の記録媒体を得ることができる。
【0085】
具体的な一例としては、本発明に基づいたトラックピッチ0.6μmのガイド溝と中間アドレスを備えた厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂からなる基板上に、記録層としてZnS−SiO2誘電体層、GeSbTe相変化型記録薄膜層、ZnS−SiO2誘電体層、Al合金反射層を順次、スパッタリング法により形成する。Al合金反射層上は、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂からなる保護カバーを、紫外線硬化樹脂層を用いて接着することで相変化型の光記録媒体が得られる。
【0086】
この記録媒体を回転させながら記録薄膜層に、長さ100μmのストライプ上の高出力のレーザ光を照射することにより、スパッタリングしたままのアモルファス状態から結晶状態に変化させる初期化処理を行うことで、相変化型の光記媒体が得られる。
【0087】
なお、記録材料層が、光磁気記録材料の場合の初期化工程は、磁界を加えた状態で、光照射を行い磁化方向を一定の方向とする処理を行う。
【0088】
これらの処理を行った結果、第1図あるいは第10図で示した基板を用いて、上記の一連の製造工程を経て得られた光記録媒体においては、ガイド溝の中心と中間アドレスの中心が一致する。この結果、中間アドレスの中心位置を光ビームが追従するトラッキングサーボを適用することにより、基板あるいは光ヘッドがチルトした場合においても安定なトラッキングサーボが可能となる。
【0089】
また、ここではランドトラックとグルーブトラックの間に設けた中間アドレスに対して説明してきたが、本発明はガイド溝とアドレスピットから構成され、かつゾーンでセクター数の異なる構成の記録媒体に適応することが可能である。例えば、アドレスピットの中心と、ガイドトラックの中心が一致するように配置されたフォーマットの記録媒体に対しても、同様の方法で中心位置補正を行うことができる。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、完成した光記録媒体のガイド溝と中間アドレスの中心位置を一致させることが可能となり、中間アドレスを用いたトラック中心サーボのゾーン境界領域における誤動作を解消することができ、安定なトラッキングサーボが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体用の基板の一実施形態の構成を示す概略図
【図2】本発明の中間アドレスの位置ずれ量のゾーン位置依存性を示す図
【図3】本発明の原盤記録装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明のフォーマット制御部の構成を示すブロック図
【図5】本発明のEO偏向器のオフセット電圧のゾーン位置依存性を示す図
【図6】本発明のEO偏向器の偏向電圧のゾーン位置依存性を示す図
【図7】本発明の第2のフォーマット制御部の構成を示すブロック図
【図8】本発明の第2オフセット電圧発生回路のオフセット電圧のゾーン位置依存性を示す図
【図9】本発明の溝ウォブル回路からのウォブル電圧のゾーン位置依存性を示す図
【図10】光記録媒体の溝ウォブル形態の基板の構成を示す概略図
【図11】光記録媒体の基板の構成を示す図
【符号の説明】
1 グルーブトラック
1c トラック中心
2 ランドトラック
3 中間アドレス
3c 中間アドレス中心
4 記録領域
21 原盤
23 光源
24、27、30 ミラー
25 EO変調器
26 フォーマット制御部
28 第1EO偏向器
29 第2EO偏向器
45 オフセット電圧発生回路
d1,d2 ずれ
Claims (16)
- ディスク上の、少なくともガイド溝に形成された複数の記録トラックと、
前記記録トラックの情報読み出し方向に沿って、前記ガイド溝の記録トラック間に設けられた、アドレスピット列からなるアドレス部とを備え、
前記ガイド溝の記録トラックは、所定のゾーン毎に区分されており、
前記各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心は、
前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように配置されており、
前記アドレス部は、前記ディスクの半径方向にシフトした位置に存在する一対の中間アドレスからなり、
前記アドレス部の中心は、前記各中間アドレスの中心軸同士の中央線であり、
前記アドレス部の前記中心のシフトの方向は、同一の前記ゾーン内の最外周の記録トラックに対応するシフトと最内周の記録トラックに対応するシフトとで互いに逆向きであることを特徴とする光記録媒体用基板。 - 前記アドレス部の中心のシフトの量は、前記各ゾーン内において、その最外周または最内周から中央部に行くに従って連続的または段階的に減少することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体用基板。
- 光記録媒体を所定の製造方法によって作るために用いられる光記録媒体用基板であって、
前記アドレス部の中心のシフトの量および方向は、
前記アドレス部の中心のシフトの量がゼロである校正用基板を用いて光記録媒体を前記製造方法によって作成し、この光記録媒体を再生した際の再生信号中に現れる前記アドレス部の中心のシフトの量および方向を、相殺する量及び方向であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体用基板。 - 請求項1又は2に記載の光記録媒体用基板の上面に、相変化型の記録薄膜層を備えたことを特徴とする光記録媒体。
- 前記相変化型の記録薄膜層は初期化処理済みであることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
- 請求項1に記載の光記録媒体用基板を作成するための原盤であって、
前記ガイド溝および前記アドレス部に対応する部分を、フォトレジスト層を有するガラス原盤上に形成したことを特徴とする光記録媒体用基板を作成するための原盤。 - 請求項6に記載の光記録媒体用基板を作成するための原盤を作成するための原盤記録装置であって、
前記ガラス原盤のフォトレジスト層を感光させるための光源と、
前記光源の光をアドレス信号に従って変調する光変調器と、
前記光変調された光を偏向させる偏向器であって、
(a)前記記録トラック区間に対しては、平行又は蛇行したガイド溝を形成させ、また、(b)前記アドレス部区間に対しては、前記光ビームを前記原盤の半径方向にシフトさせることにより、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光変調された光を偏向するEO偏向器とを備える原盤記録装置。 - 請求項6に記載の光記録媒体用基板を作成するための原盤に情報を記録する原盤記録装置であって、
前記ガラス原盤のフォトレジスト層を感光させるための光源と、
前記光源の光をアドレス信号に従って変調する光変調器と、
前記アドレス信号のタイミングに同期して、前記光変調された光ビームを偏向させ、前記アドレス部の中心が前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し一致する状態で前記アドレス部を形成させる光ビーム出力する第1のEO偏向器と、
前記第1のEO偏向器から出力された光を入力し、(a)前記記録トラック区間に対しては、前記アドレスピット列の方向に沿って蛇行した前記ガイド溝を形成するように、また、(b)前記アドレス部区間に対しては、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光ビームを前記原盤の半径方向に偏向させオフセットをかける第2のEO偏向器とを備える原盤記録装置。 - 前記第2のEO偏向器による前記アドレス部における光の偏向の方向は、同一の前記ゾーン内の前記最外周の記録トラックに対応する偏向と前記最内周の記録トラックに対応する偏向とで互いに逆向きである請求項8に記載の原盤記録装置。
- 前記第2のEO偏向器による、前記アドレス部における偏向量を、前記各ゾーンにおいて、その最外周または最内周から中央部に行くに従って連続的または段階的に減少させることを特徴とする請求項9に記載の原盤記録装置。
- 光記録媒体を所定の製造方法によって作るために用いられる光記録媒体用基板を作成するための原盤に情報を記録する原盤記録装置であって、
前記第2のEO偏向器による前記光ビームの偏向方向および偏向量は、
前記アドレス部の中心のシフトの量がゼロである校正用基板を用いて光記録媒体を、前記製造方法によって作成し、これを再生した際の再生信号中に現れる前記アドレス部の中心のシフトの量および方向を相殺できる偏向方向および偏向量である請求項7ないし10のいずれかに記載の原盤記録装置。 - 請求項7に記載の原盤記録装置にて用いられる、前記EO偏向器を駆動する信号を発生する信号発生装置であって、
前記光変調器へ、前記アドレス信号に対応した2値化信号を出力し、
前記EO偏向器へ、(a)前記記録トラック区間に対しては、平行又は蛇行したガイド溝を形成させる電圧を出力し、(b)前記アドレス部区間に対しては、前記光ビームを前記原盤の半径方向にシフトさせることにより、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光変調された光を偏向するシフト電圧を出力する信号発生装置。 - 請求項8に記載の原盤記録装置にて用いられる、前記第1のEO偏向器と前記第2のEO偏向器を駆動する信号を発生する信号発生装置であって、
前記光変調器へ、前記アドレス信号に対応した2値化信号を出力し、
前記第1のEO偏向器へ、前記アドレス信号のタイミングに同期して、前記光変調された光ビームを偏向させ、前記アドレス部の中心が前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し一致するようにさせる電圧を出力し、
前記第2のEO偏向器へ、(a)前記記録トラック区間に対しては、前記アドレスピット列の方向に沿って蛇行した前記ガイド溝を形成するように、また、(b)前記アドレス部区間に対しては、各ゾーンの、少なくとも最外周または最内周の前記ガイド溝の記録トラックに対応する前記アドレス部の中心が、前記ガイド溝の記録トラックの中心に対し、前記ディスクの半径方向に相対的にシフトするように、前記光ビームを前記原盤の半径方向に偏向させるオフセット電圧を出力する信号発生装置。 - 前記EO偏向器又は前記第2のEO偏向器への前記シフト電圧は、同一の前記ゾーンにおいて前記最外周の記録トラックに対応する電圧と最内周の記録トラックに対応する電圧とで互いに逆極性であることを特徴とする請求項12又は13に記載の信号発生装置。
- 前記EO偏向器又は前記第2のEO偏向器へのシフト電圧は、前記各ゾーンにおいて、その最外周または最内周から中央部に行くに従って連続的または段階的に減少させることを特徴とする請求項12又は13に記載の信号発生装置。
- 光記録媒体を所定の製造方法によって作るために用いられる光記録媒体用基板を作成するための原盤に情報を記録する原盤記録装置で用いられる信号発生装置であって、
前記EO偏向器又は前記第2のEO偏向器へのシフト電圧の極性および大きさは、前記アドレス部のシフトの量がゼロである校正用基板を用いて、前記製造方法により光記録媒体を作成し、これを再生した際の再生信号中に現れる前記アドレス部のシフトの量および方向を相殺する極性および大きさであることを特徴とする請求項12又は13に記載の信号発生装置。
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