JP4350216B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP4350216B2
JP4350216B2 JP20888999A JP20888999A JP4350216B2 JP 4350216 B2 JP4350216 B2 JP 4350216B2 JP 20888999 A JP20888999 A JP 20888999A JP 20888999 A JP20888999 A JP 20888999A JP 4350216 B2 JP4350216 B2 JP 4350216B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carcass
belt
steel cord
tire
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20888999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001030711A (ja
Inventor
直彦 尾花
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP20888999A priority Critical patent/JP4350216B2/ja
Publication of JP2001030711A publication Critical patent/JP2001030711A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4350216B2 publication Critical patent/JP4350216B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りラジアルタイヤ、中でもトラックやバスなどに装着して使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、特にベルトおよびカーカスの軽量化を有利に図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源または省エネルギーの観点から、車両の低燃費化に対する要請が強く、この低燃費化には、タイヤの重量軽減が大きく寄与することが知られている。そして、タイヤの軽量化には、タイヤの各構成材の使用量削減が有効であり、中でもスチールコードをゴム引きしてなるベルトは、タイヤ総重量に占める比率が大きいことから、このベルトの軽量化が特に有効である。
【0003】
例えば、重荷重用空気入りタイヤの補強を司るベルトは、スチールコードのゴム引き布の3〜4枚を積層して成るのが、一般的である。すなわち、タイヤ赤道面に対し大きく傾斜して配列したスチールコードのゴム引き布による第1ベルト層と、この第1ベルト層のタイヤ径方向外側にて、タイヤ赤道面に対し小さく傾斜して配列したスチールコードのゴム引き布による少なくとも2層を、その層間でスチールコードが互いに交差する配置で重ね合わせた、第2及び第3ベルト層とを有するのが通例である。
【0004】
このベルトに対する軽量化手法としては、ベルト層のスチールコード打込み本数を減らすこと、またはスチールコードを構成するフィラメントの引張強さを高めてベルト強度を維持しつつスチールコードの便用量を減らすことが有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの手法はベルト層におけるゴム中のスチールコード体積比率を減少し、ベルトのタイヤ周方向の引張剛性が低下する。その結果、タイヤ内圧充填時にタイヤ外径が大幅に増大したり、タイヤ転動に伴うクリープ現象によってタイヤ外径が増大し、ベルト端でのセパレーションが発生したり、偏摩耗を促進することになる。さらに、ベルトのタイヤ周方向引張剛性の低下は、コーナリングパワーの低下及び耐摩耗性の悪化をも引き起こす。
【0006】
そこで、本発明は、ベルトにおけるスチールコード重量の削減によってベルト総重量を低減しても、ベルトのタイヤ周方向の引張剛性が低下することのない、ベルト並びにカーカスの新規な構造について提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである。
(イ)一対のヒード部間でトロイド状に延びるラジアル配列のスチールコードのプライからなるカーカスを骨格とし、このカーカスの径方向外側に、タイヤの赤道面に対し傾斜して配列したスチールコードによるゴム引き層の少なくとも2層を、その層間でコードが互いに交差する配置で重ね合わせたベルトを配した空気入りラジアルタイヤであって、カーカスのばね定数をベルトのばね定数よりも低く、かつベルトのばね定数EB (kgf/mm)とカーカスのばね定数EC (kgf/mm)が、下記(1)および(2)式を満足することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

EB<4900 ・・・(1)
EC<1.48×EB−4800・・・(2)
ただし、EB=ECB×FAB/SB
EC=ECC×FAC/SC
ここで、ECB:ベルトのスチールコードのヤング率(kgf /mm 2
FAB:ベルトのスチールコード1本を横成するフィラメントの
総断面積(mm 2 )
SB:ベルトのスチールコード打込み間隔(mm)
ECC:カーカスのスチールコードのヤング率(kgf /mm 2
FAC:カーカスのスチールコード1本を構成するフィラメント
の総断面積(mm 2 )
SC:クラウン部カーカスのスチールコード打込み間隔(mm)
【0009】
)上記(イ)において、スチールコードが少なくとも1本のスチールフィラメントから成ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
【0010】
)上記(イ)または(ロ)において、スチールコードを構成するフィラメントの引張強さTS (kgf/mm2)が、下記(3)式を満足することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

TS≧230−148 logd ・・・(3)
ここで、d:スチールフィラメントの直径(mm)
log :常用対数
【0011】
)上記(イ)ないし()のいずれかにおいて、カーカスのスチールコ−ドを構成するスチールフィラメントの直径が0.10〜0.25mmであることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明に従うトラック、バス用空気入りラジアルタイヤの具体例を図解する。
このタイヤは、1対のビードコア1間でラジアル方向にトロイド状に延びるスチールコードのプライの少なくとも1枚からなるカーカス2、このカーカス2のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置した、少なくとも2層からなるベルト3およびこのベルト3のタイヤ径方向外側に配置したトレッド4から成る。
【0013】
さらに、上記巻取装置において、ブレーキパッドに圧力を供給する管に、補助圧力を供給するエアーチヤンバーを設けることができる。
【0014】
ベルト3の各ベルト層は、例えば図2に タイヤ幅方向断面を示すように、少なくとも1本、図示例では5本のスチールフィラメント50からなるスチールコード5を所定の間隔で互いに平行に配置して成る。同様に、カーカス2は、例えば図3にタイヤの赤道面に沿う断面を示すように、少なくとも1本以上、図示例では5本のスチールフィラメント60からなるスチールコード6を所定の間隔で互いに平行に配置して成る。
【0015】
ここで、カーカス2のばね定数をベルト3のばね定数よりも低くすることが、例えば重荷重用タイヤのベルトに従来よりも高強度なスチールコードを用いてスチールコード使用量を低減した場合に、タイヤ内圧充填時の径成長が増大することを回避するために、肝要である。
【0016】
すなわち、空気入りラジアルタイヤのベルトには、内圧充填によりタイヤ周方向への引張入力が作用する一方、カーカスには、内圧充填によりタイヤ幅方向への引張入力が作用する。そして、ベルトに対してカーカスは直交しているため、内圧充填によるタイヤの径成長は、このベルトに作用する引張力とカーカスに作用する引張力とのバランスによって決定付けられる。従って、ベルトのタイヤ周方向引張剛性よりもカーカスのタイヤ幅方向引張剛性を低減すれば、換言すると、カーカス2のばね定数をベルト3のばね定数よりも低くすれば、タイヤ内圧充填時に、カーカスのタイヤ幅方向への伸びが大きくなる。その結果、カーカスと直交するベルトにはタイヤ幅方向への引張作用が生じてタイヤ周方向への伸びが制限され、径成長も抑制される。
【0017】
カーカスおよびベルトのばね定数を上記の関係にするに当り、カーカスにはヤング率の低いスチールコードを適用するとよい。なぜなら、カーカスを補強しているスチールコードのヤング率を低くすれば必然的にカーカスの引張剛性も低くできるからである。さらに、カーカスには、高強度のスチールコードを適用するとよい。なぜなら、カーカスを補強しているスチールコードの引張強さを高めれば、カーカス総強力を維持しつつスチールコードのゴム中における体積率を減少して、カーカスの引張剛性を低くできるからである。
【0018】
とりわけ、ベルトのばね定数EB (kgf/mm)とカーカスのばね定数EC (kgf/mm)が、下記(1)および(2)式を満足することが、有利である。

EB<4900 ・・・(1)
EC<1.48×EB−4800・・・(2)
ただし、EB=ECB×FAB/SB
EC=ECC×FAC/SC
ここで、ECB:ベルトのスチールコードのヤング率(kgf /mm2
FAB:ベルトのスチールコード1本を横成するフィラメントの総断面積(mm2)
SB:ベルトのスチールコード打込み間隔(mm)
ECC:カーカスのスチールコードのヤング率(kgf /mm2
FAC:カーカスのスチールコード1本を構成するフィラメントの総断面積(mm2)
SC:カーカスクラウン部のスチールコード打込み間隔(mm)
【0019】
まず、ベルトのばね定数EBは4900kgf/mm未満とすることが好ましい。なぜなら、ベルトのばね定数EBを4900kgf/mm以上にすると、ベルトに用いるスチールコードの使用量を増加しなければならず、タイヤの軽量化の達成が難しいからである。すなわち、ベルトのばね定数EBとベルトに用いるスチールコードの使用量とは、大略リニアな関係にあり、コード使用量が増すとばね定数EBも高くなる。そして、タイヤの軽量化に寄与する程度までコード使用量を低減するには、ばね定数EBを4900kgf/mm未満にする必要がある。
【0020】
一方、ベルトのばね定数EBを4900kgf/mm未満とすると、タイヤの径成長が増大するため、この径成長をカーカスによって抑制する必要がある。そのためには、カーカスのばね定数ECを1.48×EB−4800kgf/mm未満とすることが好ましい。なぜなら、カーカスのばね定数ECを1.48×EB−4800kgf/mm以上にすると、カーカスのばね定数が従来のカーカスと同様に高くなり過ぎて、タイヤに内圧を充填した際にベルトをタイヤ幅方向に引張る作用が小さくなり、タイヤの径成長が大きくなるからである。すなわち、カーカスのばね定数ECを、ベルトのばね定数EBを変数とした式にて規制することによって、タイヤの径成長は有利に抑制されるのである。
【0021】
従って、ベルトのばね定数EBが4900kgf/mm未満、かつカーカスのばね定数ECが1.48×EB−4800kgf/mm未満にすることによって、タイヤ内圧充填時の径成長は有利に抑制される。
【0022】
ここで、ベルトのスチールコード打込み間隔SBとは、図2に示した、タイヤクラウン部のベルトのスチールコード打込み方向と直交する断面において、各ベルト層の隣接するスチールコード5相互の中心軸間距離を指す。また、タイヤクラウン部のカーカスのスチールコード打込み間隔SCとは、図3に示した、タイヤ赤道面に沿う断面において、カーカス2の隣接するスチールコード6相互の中心軸間距離を指す。さらに、図2における、DBはベルト3のスチールコード5の直径およびdBは同スチールコード5のスチールフィラメント50の直径を示す。同様に、図3における、DCはカーカス2のスチールコード6の直径およびdCは同スチールコード6のスチールフィラメント60の直径を示す。
【0023】
また、ベルトおよびカーカスに適用するスチールコードを構成するスチールフィラメントの引張強さTSは、下記(3)式を満足することが好ましい。

TS (kgf/mm2 )≧230−148 logd ・・・(3)
ここで、d:スチールフィラメントの直径(mm)
log :常用対数
【0024】
すなわち、引張強さの高いスチールフィラメントで構成される高強力なスチールコードをベルト及びカーカスに用いると、ベルトではベルト総強力を維持しつつスチールコードの使用量を減少でき、タイヤ重量が軽くなる。一方、カーカスでは、カーカスに引張入力が作用したときにスチールコードを構成するスチールフィラメントの単位断面積当たりの入力(引張応力)が大きくなり、そのために伸びが大きく、言い換えればカーカスの引張剛性が低くなり、ベルトをタイヤ周方向へ引張る作用が増加する結果、ベルトのタイヤ周方向への引張剛性低下を補うことができ、タイヤ内圧充填時の径成長をより低減できる。また、カーカスにおいても、カーカス総強力を維持しつつスチールコードの使用量を減少でき、タイヤの軽量化度合いは更に大きくなる。
【0025】
従って、スチールフィラメントの引張強さを、タイヤ内圧充填時の径成長が低減され、かつタイヤの軽量化が達成できる、(230−148 logd)kgf/mm2以上にすることが好ましい。
【0026】
なお、スチールフィラメントの引張強さを高くすることは空気入りラジアルタイヤの軽量化に有利に作用するものの、引張強さをあまり高くすると伸線工程での生産性が低下して経済的でないから、(360−148 logd)kgf/mm2 以下にすることが好ましい。
【0027】
さらに、カーカスのスチールコードを構成するスチールフィラメントの直径を0.10〜0.25mmとすることが好ましい。すなわち、カーカスのスチールフィラメントの直径が0.10mm未満では、カーカスの曲げ剛性が低下してタイヤサイド部の剛性が低くなり過ぎて、操縦安定性が低下する。一方、スチールフィラメントの直径が0.25mmをこえるとカーカスの曲げ剛性が高くなり過ぎて耐久性が悪化する。従って、カーカスのスチールコードを構成するスチールフィラメントの直径が0.10〜0.25mmであれば、操縦安定性や耐久性を犠牲にすることなく、カーカスの引張剛性を有利に低下して径成長を抑制し得る。
【0028】
以上のように、重荷重用空気入りラジアルタイヤにおける内圧充填時の径成長は、ベルトのタイヤ周方向引張剛性は勿論のこと、カーカスのタイヤ幅方向引張剛性の影響も大きく、カーカスの引張剛性が低いものほどタイヤ内圧充填時の径成長が低減でき、ベルト端でのセパレーション発生や偏摩耗が抑制されるため、良好な耐久性が得られる。
【0029】
なお、ベルト3のスチールコード5およびカーカス2のスチールコード6の耐久性をより向上するためには、スチールコードを構成するスチールフィラメントの表層残留応力を圧縮側にすることが好ましい。特に、カーカスのスチールフィラメント60の表層残留応力を圧縮化することが有効である。
【0030】
【実施例】
図1に示したタイヤのカーカスおよびベルトに、表1〜5に示す種々の条件を適用し、サイズが11R22.5の重荷重用空気入りラジアルタイヤを試作した。なお、ベルト3は、第1ベルト層3aはタイヤ赤道面に対し右52°、第2ベルト層3bは同右20°、第3ベルト層3cは同左20°および第4ベルト層3dは同左20°の向きに、それぞれスチールコードを打ち込んで成る。かくして得られた各タイヤについて、ベルトのばね定数、ベルトの重量、カーカスのばね定数、カーカスの重量、径成長、耐偏摩耗性および耐久性を評価した。その結果を、表1〜5に併記する。
【0031】
〔ベルトのばね定数〕
タイヤのベルトから抜き出したスチールコード(ゴムでスチールコードが覆われている状態)について引張試験を行うと、図4に示すような伸びと荷重の関係が得られる。この曲線の傾きからスチールコードのヤング率を算出し、上記した
EB=ECB×FAB/SB
の式に代入して、ベルトのばね定数EBを求めた。
【0032】
〔ベルトの重量〕
ベルト中に埋設されたスチールコードの使用重量について、従来例1を100 とした指数にて表示した。この数値が小さいほと軽量化が達成されていることを示す。
【0033】
〔カーカスのばね定数〕
タイヤのカーカスから抜き出したスチールコード(ゴムでスチールコードが覆われている状態)について引張試験を行うと、図4に示すような伸びと荷重の関係が得られる。この曲線の傾きからスチールコードのヤング率を算出し、上記した
EC=ECC×FAC/SC
の式に代入して、カーカスのばね定数ECを求めた。
【0034】
〔カーカスの重量〕
カーカス中に埋設されたスチールコード使用重量について、従来例1を100 とした指数にて表示した。この数値が小さいほと軽量化が達成されていることを示す。
【0035】
〔径成長〕
タイヤの内圧を1.0kgf/cm2 から7.0kgf/cm2 へ変化させたときのタイヤ外径の成長量について、従来例1を100 とした指数にて表示した。この数値が小さいほと径成長が抑制され、良好であることを示す。
【0036】
〔耐偏摩耗性〕
タイヤを車両に装着して10万km実地走行を行い、その後のタイヤトレッドの外観の摩耗形態を調査した。○は正常摩耗形態で、×は異常摩耗形態を示す。
【0037】
〔耐久性〕
外径1780mmのドラム試験機上に内圧を7.0kgf/cm2 に調整したタイヤを載置し、60km/hにて±3.5 °のスリップ角を断続的に付与しながら、12時間走行させた後、ベルト端部に生じる亀裂の有無を調査した。○は亀裂発生なし、×は亀裂発生を示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004350216
【0039】
【表2】
Figure 0004350216
【0040】
【表3】
Figure 0004350216
【0041】
【表4】
Figure 0004350216
【0042】
【表5】
Figure 0004350216
【0043】
表1〜5から明らかなように、発明例1〜9に示された、この発明に従うタイヤは、何れも従来例1対比で径成長が抑制され、耐偏摩耗性や耐久性を損なわにタイヤの軽量化の点で優れた結果を得た。
【0044】
表1に示す従来例1および発明例1〜3のタイヤは、ベルトのばね定数は同一であるが、カーカスのばね定数が変化しており、カーカスのばね定数が低いタイヤほど径成長が抑制されることがわかる。
【0045】
表2に示す比較例1〜4のタイヤおよび表4に示す比較例5〜8のタイヤは、上記した(2)式を満たす値までカーカスのばね定数が低減していないため、径成長が表1に示す従来例1のタイヤまで抑制されず、耐摩耗性や耐久性が悪化した。
【0046】
表3に示す発明例4のタイヤは表2に示す比較例1のタイヤのベルトのスチールコードのヤング率のみ撚りピッチを長くして高めることによって、ベルトのばね定数を高めたものであり、カーカスのばね定数が同一でも上記した(2)式を満たす値までカーカスのばね定数が低減しているため、径成長が抑制され、耐摩耗性や耐久性を損なわずタイヤを軽量化できた。同様のことが、発明例5と比較例2、発明例6と比較例3および発明例7と比較例4の関係においてもいえる。
【0047】
表5に示す比較例9のタイヤは表4に示す比較例5のタイヤのベルトのスチールコードのヤング率のみ撚りピッチを長くして高めることによって、ベルトのばね定数を高めたものであるが、カーカスのばね定数が同一であり上記した(2)式を満たす値までカーカスのばね定数が低減していないため、径成長が表1に示す従来例1のタイヤまで抑制できず、耐摩耗性や耐久性が悪化した。同様のことが、比較例10と比較例6の関係においてもいえる。また、発明例8のタイヤは比較例7のタイヤのベルトのスチールコードのヤング率のみ撚りピッチを長くして高めることによって、ベルトのばね定数を高めたものであり、カーカスのばね定数が同一でも上記した(2)式を満たす値までカーカスのばね定数が低減しているため、径成長が抑制され、耐摩耗性や耐久性を損なわずタイヤを軽量化できた。同様のことが、発明例9と比較例8の関係においてもいえる。
【0048】
以上のように、この発明の条件を満足した重荷重用空気入りラジアルタイヤは、ベルトにおけるスチールコード重量の削減によってベルト総重量を低減しても、カーカスのタイヤ幅方向引張剛性を低減した結果、タイヤ内圧充填時の径成長が抑制でき、耐偏摩耗性や耐久性を損なうことなくタイヤの軽量化が達成されていた。
【0049】
【発明の効果】
この発明によれば、ベルトの重量を削減したタイヤにおける、カーカスのタイヤ幅方向引張剛性を適正化することによって、偏摩耗性や耐久性を犠牲にすることなしにタイヤの軽量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りラジアルタイヤの断面図である。
【図2】 タイヤクラウン部のベルトにおけるスチールコード打込み方向に直交する断面を示す図である。
【図3】 カーカスのタイヤ赤道面に沿う断面を示す図である。
【図4】 スチールコードの引張試験時の伸びと荷重の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ビードコア
2 カーカス
3 ベルト
3a 第1ベルト層
3b 第2ベルト層
3c 第3ベルト層
3d 第4ベルト層
4 トレッド
5 スチールコード
50 スチールフィラメント
6 スチールコード
60 スチールフィラメント
DB ベルトのスチールコードの直径
SB ベルトのスチールコードの打込み間隔
dB ベルトのスチールフィラメントの直径
DC カーカスのスチールコードの直径
SC カーカスのスチールコードの打込み間隔
dC カーカスのスチールフィラメントの直径

Claims (4)

  1. 一対のヒード部間でトロイド状に延びるラジアル配列のスチールコードのプライからなるカーカスを骨格とし、このカーカスの径方向外側に、タイヤの赤道面に対し傾斜して配列したスチールコードによるゴム引き層の少なくとも2層を、その層間でコードが互いに交差する配置で重ね合わせたベルトを配した空気入りラジアルタイヤであって、カーカスのばね定数をベルトのばね定数よりも低く、かつベルトのばね定数EB (kgf/mm)とカーカスのばね定数EC (kgf/mm)が、下記(1)および(2)式を満足することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

    EB<4900 ・・・(1)
    EC<1.48×EB−4800・・・(2)
    ただし、EB=ECB×FAB/SB
    EC=ECC×FAC/SC
    ここで、ECB:ベルトのスチールコードのヤング率(kgf /mm 2
    FAB:ベルトのスチールコード1本を横成するフィラメントの
    総断面積(mm 2 )
    SB:ベルトのスチールコード打込み間隔(mm)
    ECC:カーカスのスチールコードのヤング率(kgf /mm 2
    FAC:カーカスのスチールコード1本を構成するフィラメント
    の総断面積(mm 2 )
    SC:クラウン部カーカスのスチールコード打込み間隔(mm)
  2. 請求項1において、スチールコードが少なくとも1本のスチールフィラメントから成ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  3. 請求項1または2において、スチールコードを構成するフィラメントの引張強さTS (kgf/mm2 )が、下記(3)式を満足することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

    TS≧230−148 logd ・・・(3)
    ここで、d:スチールフィラメントの直径(mm)
    log :常用対数
  4. 請求項1ないしのいずれかにおいて、カーカスのスチールコ−ドを構成するスチールフィラメントの直径が0.10〜0.25mmであることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
JP20888999A 1999-07-23 1999-07-23 空気入りラジアルタイヤ Expired - Fee Related JP4350216B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20888999A JP4350216B2 (ja) 1999-07-23 1999-07-23 空気入りラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20888999A JP4350216B2 (ja) 1999-07-23 1999-07-23 空気入りラジアルタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001030711A JP2001030711A (ja) 2001-02-06
JP4350216B2 true JP4350216B2 (ja) 2009-10-21

Family

ID=16563813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20888999A Expired - Fee Related JP4350216B2 (ja) 1999-07-23 1999-07-23 空気入りラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4350216B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5258108B2 (ja) * 2009-04-27 2013-08-07 株式会社ブリヂストン 空気入りラジアルタイヤ
CN110281704B (zh) * 2019-06-26 2023-06-02 青岛双星轮胎工业有限公司 钢丝胎体st轮胎及其制造工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001030711A (ja) 2001-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0826524B1 (en) Pneumatic radial tires
JP4751454B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3645277B2 (ja) 空気入りタイヤ
US6213182B1 (en) Pneumatic tire having sidewall portions
JP4420504B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP0884200A2 (en) Heavy duty pneumatic radial tyres
JP3838455B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
US6543503B2 (en) Heavy duty pneumatic radial tires with organic fiber cord bead reinforcing layer
JP4467107B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3749351B2 (ja) 高性能偏平空気入りラジアルタイヤ
JP4526363B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4350216B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP3703935B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP3021451B1 (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ
JPH0112682B2 (ja)
JP2003335110A (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP5332422B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3889474B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP3730618B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3578558B2 (ja) 重荷重用偏平空気入りラジアルタイヤ
JP2000016018A (ja) 建設車両用空気入りラジアルタイヤ
JP2000016019A (ja) 建設車両用空気入りラジアルタイヤ
JPH11217779A (ja) ゴム物品用補強材および空気入りタイヤ
JP3755050B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4097448B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090511

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090722

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees