JP4347970B2 - 走行車両の変速機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインや運搬車等の走行車両の、操向ハンドルを丸型ハンドルとし、該操向ハンドルと変速操作機構を連結して、ステアリングコラムに配置し、左右の走行輪の速度差によって旋回できるようにした走行車両において、旋回モードを選択できるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、走行変速用油圧式無段変速装置(以下走行変速用HST)と操向用油圧式無段変速装置(以下操向用HST)をミッションケース上に配置したコンバイン等の車両は公知となっており、該コンバインのステアリングコラム上には丸型のハンドルを配置し、サイドコラム上には主変速レバーが配置されていた。そして、操向ハンドルを回動して旋回する場合、旋回内側の速度を旋回外側よりも小さくするようにし、機体中心の走行速度も低下させるようにした技術が公知となっている。例えば、特開平10−146126号の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、路上走行等の高速走行の場合には、急旋回とならず安心して旋回できるのであるが、作業時の低速走行、特に、軟弱な圃場での旋回ときに、スピンターンを行うと、クローラーが土中に埋まり、機体が沈んで脱出できないことが生じていた。そこで本発明は、硬質圃場では従来通りのスピンターンが可能な旋回モードとして、急旋回が可能で効率よく作業ができるようにし、かつ、軟質圃場での旋回時には機体の中心速度が常に一定速になる旋回モードとして、旋回半径は大きくなるが、常に、クローラーを進行させることで沈み込まないようにし、圃場の種類によって選択切替できるようにするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
主変速レバー(14)の操作により、左右の走行駆動輪(57L・57R)に無段階に変速した走行駆動力を伝達するとともに、操向ハンドル(13)の操作により、前記左右の走行駆動輪(57L・57R)に無段階に駆動速度差を加えるようにした走行車両において、ステアリングコラム(12)に、該操向ハンドル(13)と、主変速レバー(14)と、旋回時に機体進行速度を定速走行とするか減速走行にするかを選択する旋回モード切替手段(20)を配置し、該主変速レバー(14)に角度変更部材である揺動軸(52)を連結し、該角度変更部材である揺動軸(52)の先端に設けた受部(52a)に、前記操向ハンドル(13)の操作により回動される揺動部材(121)を回動自在に支持し、該主変速レバー(14)と操向ハンドル(13)とを、それぞれリンク機構を介して前記旋回モード切替手段(20)と連結し、前記旋回モード切替手段(20)の操作部である切替軸(22)を、支持パイプ(21)内において摺動自在に支持し、該切替軸(22)の一端を該ステアリングコラム(12)より外側へ突出し、切替軸(22)の外側にノブ(23)を設けて、該ノブ(23)の押引きにより、前記旋回モード切替手段(20)を操作可能としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
【0007】
図1はコンバインの全体側面図、図2は同じく全体平面図、図3は動力伝達機構のスケルトン図、図4は走行変速用HSTとミッションケースの後面断面図、図5は操向用HSTとミッションケースの正面断面図、図6はステアリングコラムと駐車ブレーキとセーフティーペダルの連結部を示す正面図、図7はステアリングコラム内のリンク機構を示す正面断面図である。
【0008】
図8は同じく側面図、図9は揺動部材の平面図、図10はステアリング機構の模式図、図11は前進時のリンクの動きを示す図、図12は後進時のリンクの動きを示す図、図13は旋回モード切替手段の正面断面図、図14は同じく平面図、図15は減速走行モードと定速走行モードにおける操向ハンドルの切れ角とクローラーの速度の関係を示す図、図16は旋回モード切替手段をレバーとした正面図である。
【0009】
まず、本発明に係わる旋回機構を搭載した車両をコンバインとした場合について説明する。図1、図2により全体構成から説明する。クローラ式走行装置1上に機体フレーム2を支持し、機体フレーム2上の左側上に選別装置、その上に脱穀部3を配置し、該脱穀部3の前部に、刈取部4を昇降可能に配置している。また、脱穀部3の右側にグレンタンク5を配置し、該グレンタンク5の後部から前方へ排出オーガ6を配置し、該グレンタンク5の前方に操縦部7を配置している。こうして、刈取部4により刈り取った穀稈を、後部の脱穀部3に搬送して、該脱穀部3において脱穀し、選別した後の穀粒を、グレンタンク5において貯留する。該グレンタンク5において貯留した穀粒を、排出オーガ6により搬送して、畦道に配置したトラックの荷台等に排出できるようにしている。
【0010】
前記操縦部7はステップ10の後部に、座席シート11が配置され、ステップ1の前部にステアリングコラム12が立設され、該ステアリングコラム12上に丸形の操向ハンドル13が配設され、該ステアリングコラム12の上部左側面より主変速レバー14が突出され、前記ステップ10の右側面より駐車ブレーキレバー15が突出されている。そして、座席シート11及びステップ10の左側よりサイドコラム16が立設され、作業レバーや副変速レバー等が配置されている。また、ステップ10の左側に主変速装置を中立に戻す操作手段としてセーフティーペダルが配置されている。
【0011】
前記刈取部4は、刈取フレーム220前端に分草板221を配置して、該分草板221の後部に引起し装置222を配置し、その後下部に刈刃223を配置している。そして、刈刃223上方に掻込ベルトやスターホィール等からなる下部搬送装置224、その上方に穂先搬送装置225が配置され、下部搬送装置224の後部には縦搬送装置226が配置されている。
【0012】
次に、走行変速用HST60と操向用HST90からミッションケース17内の動力伝達機構について、図3、図4、図5より説明する。まず、走行変速用HST60から車軸61L・61Rへの動力伝達機構を説明する。エンジン9の出力軸に、出力プーリー62が固定されている。該出力プーリー62と走行変速用HST60のポンプ軸64に固設された入力プーリー63との間にVベルト70が巻回されて動力が伝達可能とされている。更に、該ポンプ軸64の上には、操向用HST90に動力を伝達する為の、出力プーリー65が固設されており、該出力プーリー65と、操向用HST90のポンプ軸91上に固設した入力プーリー92の間に、Vベルト71が巻回されている。そして、前記ポンプ軸64・91上にはそれぞれ冷却ファン66・93が固設されている。
【0013】
また、前記走行変速用HST60の出力軸であるモータ軸67上に、変速ギア68・69が遊嵌され、該変速ギア68・69はそれぞれ変速軸81上に固設した固設歯車72・73とそれぞれ常時噛合している。そして、該変速ギア68・69の間のモータ軸67上にスライダー74がスプライン嵌合され、該スライダー74を摺動することによって変速ギア68・69の何れかと噛合して動力を伝達可能として副変速機構を構成している。また、前記固設歯車72はブレーキ軸82上に固設した歯車75と常時噛合しており、該ブレーキ軸82の一端にはブレーキ装置76が配置されている。また、ブレーキ軸82上には歯車77が固設され、該歯車77は回転自在に軸受支持したカウンター軸83上に固設した歯車78と噛合し、該歯車78はセンター軸84上に固設したセンターギア79と噛合して動力が伝達されるのである。
【0014】
次に、遊星ギア式操向機構について説明する。遊星ギア式操向機構は、センター軸84と太陽ギア85L・85Rと遊星ギア86L・86Rとベベルギア付きインターナルギア87L・87Rとキャリア89L・89R等により構成されている。該センター軸84の左右の端部には、太陽ギア85L・85Rが固設され、該太陽ギア85L・85Rの外周に、複数組がセットとなった遊星ギア86L・86Rが噛合され、該遊星ギア86L・86Rの外周には、ベベルギア付きインターナルギア87L・87Rに噛合されている。
【0015】
そして、前記遊星ギア86L・86Rは、それぞれが左右のキャリア89L・89Rに回転自在に軸受けされ、該キャリア89L・89Rは、前記左右の車軸61L・61Rに係合固設されており、該車軸61L・61Rの左右の端部には、走行駆動輪となる駆動スプロケット57L・57Rが設けられ、該駆動スプロケット57L・57Rにより前記左右のクローラ式走行装置1を駆動するようにしている。
【0016】
また、操向用HST90のモータ軸94上にギア95を固設し、該ギア95は減速軸96上に固設したギア97と常時噛合し、該減速軸96上には安定したニュートラル状態を作りだすブレーキ機構100が配置されている。前記減速軸96上には更に、ギア98が固設され、減速軸99上のギア101と噛合している。該減速軸99の端部にベベルギア102が固設され、該ベベルギア102がベベルギア103と噛合し、該ベベルギア103はベベルギア軸104の一端に固設され、該ベベルギア軸104の他端には操向用ベベルギア105を固設し、該操向用ベベルギア105は前記インターナルギア87L・87Rの外周に形成したベベルギヤ87La・87Raと噛合している。
【0017】
以上のような構成において、主変速レバー14の操作により走行変速用HST60の変速アーム54が回動されて油圧ポンプの斜板が回動され、走行無段変速および前後進の切換えが行われる。また、操向ハンドル13の回動により、操向用HST90の変速アーム55が回動されて油圧ポンプの斜板が回動され、モータ軸を正逆転させて遊星ギア式操向機構を駆動する。
【0018】
即ち、操向ハンドル13を直進方向に向けた状態では、操向用HST90はニュートラル位置でモータ軸94は回転せず、該モータ軸94に連動した操向用ベベルギア105が回転しないので、左右のベベルギア付きインターナルギア87L・87Rも回転しない状態となり、主変速レバー14の回動量に応じた走行変速用HST60からの出力回転が、左右の太陽ギア85L・85Rに伝えられて、左右の遊星ギア86L・86Rと、キャリア89L・89Rと、車軸61L・61Rに左右同じ回転数の動力が伝えられて直進状態となるのである。
【0019】
そして、旋回するために操向ハンドル13を左右何れかに回動すると、操向用HST90の変速アーム55が回動されて、モータ軸94が正転または逆転駆動されて、操向ハンドル13の回転角度に応じた回転が、操向ベベルギア36に伝達される。そして、左右のベベルギア付きインターナル87L・87Rを、強制的に操向用HST90により、無段階にかつ左右で正逆に回転させるので、操向用HST90の変速アーム55を操作することにより、ベベルギア付きインターナルギア87L・87Rが互いに正逆方向に回転されて、左右の遊星ギア機構には、一方は増速回転が、他方には減速回転が伝えられて、太陽ギア85L・85Rの回転数を一方は加算、他方は減算されて、車軸61L・61Rに伝達されて、左右の車軸61L・61Rの回転数が異なるようになって旋回されるのである。
【0020】
次に、前記操向ハンドル13及び主変速レバー14の操作回転を、それぞれ操向用HST90の可動斜板を傾倒させる変速アーム55、及び、走行変速用HST60の可動斜板を傾倒させる変速アーム54に伝えるためのリンク機構について説明する。まず、図6に示すように、ステアリングコラム12内にリンク機構が配設されており、ステアリングコラム12の進行方向左側面にカムケース56が付設され、該カムケース56内に中立戻し機構が収納され、図示しないペダルを踏んだり、駐車ブレーキを作動させることにより主変速レバー14を中立に戻すようにし、該カムケース56上部より主変速レバー14が突出され、該変速レバー14基部からアーム等を介して後述する揺動軸52と連結される。
【0021】
また、前記操向ハンドル13のハンドル軸120はベベルギヤ等を介して操向入力軸119に伝えられ、該操向入力軸119の下端は、図7〜図10に示すように、旋回方向を前後進に合わせる変更機構の揺動部材121とユニバーサルジョイント124を介して連結され、該揺動部材121は中央部を円錐状に構成して軸受を介して揺動軸52の端部に設けた受部52aに支持されている。該揺動部材121は前記操向ハンドル13の回動とともに操向入力軸119を中心回動でき、かつ、揺動軸52を中心に傾倒可能としている。
【0022】
そして、該揺動部材121からアーム部121aが側方に延出され、該アーム部121aの先端に、図9に示すように、ピンまたはボルト125a・125bを適宜間隔を開けて立設し、該ボルト125a・125bは連結体126に開口した長孔126a・126bに挿入されている。該長孔126a・126bは小判形で操向入力軸119の軸心O1に対して接線方向、つまり、半径方向に対して直角方向に開口されている。そして、該連結体126は板状で操向入力軸119に対して直角方向(略水平方向)に配置され、該連結体126の一端にユニバーサルジョイント等の連結部材123aを介して操向系リンク123と連結されている。
【0023】
該連結部材123aは操向ハンドル13が直進位置のとき前記揺動軸52の延長上に位置し、該揺動軸52は左右方向で前記軸心O1と交差するように配置し、該揺動軸52は後述するプレート等を介して主変速レバー14と連結されている。また、前記リンク123の下端は上下左右回動自在な球形ジョイント等の連設部材(以下の連結部材も同様の構成)123bを介してアーム127aと連結され、該アーム127aのボスは軸122に回転自在に支持され、該ボスからはさらにアーム127bが突設され、該アーム127b先端に連結ロッド128が枢結され、該連結ロッド128の他端はアーム129を介して内軸130の上部と連結されている。そして、該内軸130の下端からアーム136やリンク137等を介して操向用HST90の変速アーム55と連結されるのである。
【0024】
また、前記連結体126の他端に連結部材131aを介して走行用第一リンク131と連結され、該連結部材131aは軸心O1を中心として前記連結部材123aと90度離れた位置に配置され、本実施例では後方に配置している。そして、該リンク131の下端は連結部材131bを介して本発明の旋回モード切替手段20に設けられたアーム132aに連結されている。
【0025】
本発明の旋回モード切替手段20はステアリングラム12内に配置されており、図13、図14に示すように、ステアリングラム12にベアリングを介して左右水平方向に支持パイプ21が回転自在に支持され、該支持パイプ21内には切替軸22が摺動自在に収納され、該切替軸22の一端はステアリングコラム12より外側へ突出されて、外側の切替軸22上に容易に操作できるように操作部となるノブ23が設けられている。但し、図16に示すように、ノブ23の代わりにレバー24によって切替操作できるようにすることもできる。該レバー24はステアリングコラム12の側部に位置して左右に回動して切替できるようにしている。但し、切替軸22には回動自在に連結される。また、ペダルを用いたり、また、操縦部7にスイッチを設けてアクチュエーターと接続し、該アクチュエーターを切替軸22の一端に配置して連結し、スイッチの操作でアクチュエーターを駆動して切り替える構成とすることもできる。また、突出方向は本実施例では右側に突出しているが、左側に突出ことも可能である。
【0026】
そして、前記支持パイプ21の一端にはデテント機構25が設けられ、ボール26をバネ27で切替軸22の外周にリング状に形成した凹溝に押し付けて、旋回時に機体進行速度を定速走行位置とするか減速走行位置にするかの選択位置に維持できるようにしている。また、支持パイプ21の他側にアーム30が固設され、該支持パイプ21上にボス体31・132が回転自在に遊嵌され、該ボス体31・132の対向する側面にはそれぞれ直径方向に切欠31a・132bが設けられている。一方、前記支持パイプ21及び切替軸22に直径方向にピン33が貫通され、前記切欠31a・132bの何れかに位置するように配設され、該切欠31a・132bの範囲にわたって支持パイプ21には長孔21aが軸方向に開口されている。
【0027】
そして、前記ボス体31よりアーム31bが突設され、該アーム31bの先端に連結部材等を介して走行用第二リンク34の下端が枢支され、該走行用第二リンク34の上端は前記受部52aより突設したアーム35に連結部材等を介して連結されている(図8)。該アクチュエーター35は操向ハンドル13が直進位置で、前記連結部材131aと反対方向に突出して、走行用第一リンク131と走行用第二リンク34が旋回操作時に干渉しないようにしている。また、前記アーム30先端にロッド133の一端が連結され、該ロッド133の他端にアーム134を介して外軸135の上部と連結されている。
【0028】
該外軸135はパイプ状に構成されて、前記内軸130を回転自在に内嵌するとともに、ステアリングコラム12下部に軸受を介して回転自在に垂直方向に支持されている。そして、アーム140やリンク141やアーム等を介して走行変速用HST60の変速アーム54と連結されている。そして、前記操向用リンク123の下端の連結部材123bと、走行用第一リンク131の下端の連結部材131bは軸心O1の延長上に配置されている(図10)。
【0029】
このような構成において、図7〜図15より作用を説明する。前記ノブ23を押し込んで旋回モード切替手段20を減速走行モードに切り換えたときには(図15における太実線及び太点線)、ピン33は切欠132b内入り係合して、例えば、主変速レバー14を前進側へ回動して変速操作を行うと、揺動軸52の回動と共に揺動部材121(アーム部121a)が傾倒され、走行用第一リンク131が上方へ持ち上げられて、アーム132a→ボス体132→ピン33→支持パイプ21→アーム30→ロッド133→外軸135等を介して走行変速用HST60の変速アーム54が回動されて走行変速される。
【0030】
そして、前記揺動部材121が傾倒された状態で操向ハンドル13を例えば左側へ旋回するように回動すると、不感帯(遊び)を越えて一定角度(本実施例では15度)までは、従来のサイドクラッチを切った作用に略相当する緩旋回ができるようにしている。つまり、図9、図15に示すように、一定角度(θ1)まではボルト125a・125bが長孔126a・126bを移動する。このとき、長孔126a・126bが円弧状であるとその中だけで移動するので連結体126は移動しないが、接線方向に開口しているので、操向ハンドル13を回動することによって、ボルト125a・125bは長孔126a・126bの内面を押しながら回動する。この押し動作によって連結体126が捩じられて、直接回動されるよりも徐々に操向用リンク123を下方へ押し下げるのである。
【0031】
そして更に、左側へ回動すると、ボルト125a・125bは長孔126a・126bの内端面に当たり直接連結体126を変速レバー14で設定された傾斜の状態で回動し、操向用リンク123を下方へ押し下げ、従来のサイドブレーキをかけた作用に略相当する急旋回となるのである。しかし、前記連結体126によって操向用リンク123の上端と走行用第一リンク131の上端が連結されていることによって、操向用リンク123は中立側から下方へ押し下げるが、走行用第一リンク131は90度位相が異なっているので、最上昇位置から中立側に向かって下げられることになり、走行速度が減少されるのである。言い換えれば、主変速レバー14で設定した走行速度で機体は走行しているが、操向ハンドル13の回動に従って徐々に走行速度は低下し、急ハンドルをきっても機体の速度が低下されて機体が大きく傾くことがないようにしている。
【0032】
そして更に、操向ハンドル13を回動して、平面視で連結体126が90度回転されると、走行用第一リンク131は中立の位置まで戻り走行変速用HST60は駆動されなくなり、操向用リンク123が下げられた位置に応じて操向用HST90が駆動され、遊星歯車機構を左右互いに同回転数で逆方向に駆動するようになり、芯地旋回をさせることができるのである。なお、操向ハンドル13の回動量はハンドル軸120と操向入力軸119との間に歯車を介して減速させており、連結体126と操向ハンドル13の回動角度は一致せず、操作し易いような角度に設定している。
【0033】
前記主変速レバー14を逆に後進側へ回動して、操向ハンドル13を左に回転した場合には、連結体126は後下がりに傾斜され、図12に示すように、走行用第一リンク131は押し下げられる。そして、操向ハンドル13の左回転によって操向用リンク123は持ち上げられ、前記と同様に変速される。つまり、前進と後進では操向ハンドル13を同方向に回動しても、操向用HST90は前進と後進で逆方向に駆動するようにして、旋回方向を一致させているのである。
【0034】
具体的にその理由を説明すると、前記の旋回方向を前後進に合わせる変更機構がなく、操向ハンドル13と変速アーム55、主変速レバー14と変速アーム54を直接連結した場合には、前進で左旋回の場合、操向ハンドル13を左側へ回動して操向用HST90を変速すると、左側の車軸の回転数は減速、右側の車軸の回転数は増速されて、車軸の回転数が右側のほうが大きくなって左側へ旋回する。しかし、後進で左旋回を行うと、前記センター軸84は逆転されるにもかかわらず、操向用ベベルギア105は前後進にかかわりなく旋回方向に合わせた回動方向となるので、左側の車軸は後進側へ駆動されて、前進方向の減速、つまり、後進方向では増速となり、結局、左側が後進方向増速、右側が後進方向減速されて、操向ハンドル13の回転方向と逆方向に旋回してしまうのである。そこで前述した旋回方向を前後進に合わせる変更機構を設けているのてある。
【0035】
また、前記ノブ23を引っ張り旋回モード切替手段20を定速(不減速)走行モードに切り換えたときには(図15における細実線と細点線)、ピン33は切欠31a内入り係合して、例えば、主変速レバー14を前進側へ回動して変速操作を行うと、揺動軸52の回動と共に揺動部材121(アーム部121a・アーム35)が傾倒され、走行用第二リンク34が上方へ持ち上げられて、アーム31b→ボス体31→ピン33→支持パイプ21→アーム30→ロッド133→外軸135等を介して走行変速用HST60の変速アーム54が回動されて走行変速される。
【0036】
そして、前記揺動部材121が傾倒された状態で操向ハンドル13を左右回転しても、走行用第一リンク131は昇降されるが、ピン33が係合していないためにアーム30は回動されず減速せずに、図15に示すように、機体中心速度が定速(一定)となるのである。よって旋回時には左右のクローラーの回転速度は異なるが、機体中心の走行速度は殆ど変化しないのである。なお、切欠31a・132bが直線上に一致するのは操向ハンドル13を直進方向に向いているときであるので、旋回モード切替手段20を切り替えるときは操向ハンドル13を直進方向に向ける必要がある。
【0037】
また、前記主変速レバー14を中立の状態で操向ハンドル13を回動した場合、連結部材123b・131bは軸心O1の延長上に位置した状態のまま操向用リンク123、走行用第一リンク131が回動されるだけ、言い換えれば、逆円錐状の下端の頂点を中心に、上部の底面の円周外周上を連結部材123a・131aが移動するだけで、操向用リンク123、及び、走行用第一リンク131は上下に移動することがなく、機体は停止したままとなり、走行中立位置で操向ハンドル13を回動して、操向用HST90が駆動されて、不意に芯地旋回するようなことがないようにしている。
【0038】
また、主変速レバーの操作により左右の走行駆動輪に無段階に変速した走行駆動力を伝達するとともに、操向ハンドルの操作により前記左右の走行駆動輪に無段階に駆動速度差を加えるようにした走行車両において、旋回時に機体進行速度を定速走行とするか減速走行にするかを選択する旋回モード切替手段をステアリングコラム内に配置したので、ステアリングコラムによって旋回モード切替手段が保護され、外観を向上できる。また、主変速レバーに連結した角度変更部材と、該角度変更部材に回動自在に支持して操向ハンドルの回動により回動される揺動部材を、それぞれリンク機構を介して前記旋回モード切替手段と連結したので、ステアリングコラム内でリンク機構と連結して、リンク機構を塵埃等から保護でき、作動が容易に分かりメンテナンスや調整も容易にできる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。
主変速レバー(14)の操作により、左右の走行駆動輪(57L・57R)に無段階に変速した走行駆動力を伝達するとともに、操向ハンドル(13)の操作により、前記左右の走行駆動輪(57L・57R)に無段階に駆動速度差を加えるようにした走行車両において、ステアリングコラム(12)に、該操向ハンドル(13)と、主変速レバー(14)と、旋回時に機体進行速度を定速走行とするか減速走行にするかを選択する旋回モード切替手段(20)を配置し、該主変速レバー(14)に角度変更部材である揺動軸(52)を連結し、該角度変更部材である揺動軸(52)の先端に設けた受部(52a)に、前記操向ハンドル(13)の操作により回動される揺動部材(121)を回動自在に支持し、該主変速レバー(14)と操向ハンドル(13)とを、それぞれリンク機構を介して前記旋回モード切替手段(20)と連結し、前記旋回モード切替手段(20)の操作部である切替軸(22)を、支持パイプ(21)内において摺動自在に支持し、該切替軸(22)の一端を該ステアリングコラム(12)より外側へ突出し、切替軸(22)の外側にノブ(23)を設けて、該ノブ(23)の押引きにより、前記旋回モード切替手段(20)を操作可能としたので、操向ハンドル(13)と主変速レバー(14)と旋回モード切替手段(20)を、できるだけ近づけて配置できるようになり、連結機構を簡単な構成として、誤差も小さくすることができる。また、オペレーターもこれら操作手段が集中して配置されるために、座席シートから離れずに操作が容易に行える。
【0040】
また、前記旋回モード切替手段の操作部をステアリングコラム外部に設けて切替可能としたので、作業者が座席シートに着座した状態で操作ができ、作業者は目視によって切替状態を容易に把握できる。
【0041】
また、前記旋回モード切替手段の操作部をノブ(23)としたので、作業者は軽い力で容易に作業ができ、切替状態も容易に把握でき、構造も簡単で安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具備したコンバインの全体側面図である。
【図2】 同じく全体平面図である。
【図3】 動力伝達機構のスケルトン図である。
【図4】 走行変速用HSTとミッションケースの後面断面図である。
【図5】 操向用HSTとミッションケースの正面断面図である。
【図6】 ステアリングコラムと駐車ブレーキとセーフティーペダルの連結部を示す正面図である。
【図7】 ステアリングコラム内のリンク機構を示す正面断面図である。
【図8】 同じく側面図である。
【図9】 揺動部材の平面図である。
【図10】 ステアリング機構の模式図である。
【図11】 前進時のリンクの動きを示す図である。
【図12】 後進時のリンクの動きを示す図である。
【図13】 旋回モード切替手段の正面断面図である。
【図14】 同じく平面図である。
【図15】 減速走行モードと定速走行モードにおける操向ハンドルの切れ角とクローラーの速度の関係を示す図である。
【図16】 旋回モード切替手段をレバーとした正面図である。
【符号の説明】
7 操縦部
12 ステアリングコラム
13 操向ハンドル
14 主変速レバー
20 旋回モード切替手段
24 レバー

Claims (1)

  1. 主変速レバー(14)の操作により、左右の走行駆動輪(57L・57R)に無段階に変速した走行駆動力を伝達するとともに、操向ハンドル(13)の操作により、前記左右の走行駆動輪(57L・57R)に無段階に駆動速度差を加えるようにした走行車両において、ステアリングコラム(12)に、該操向ハンドル(13)と、主変速レバー(14)と、旋回時に機体進行速度を定速走行とするか減速走行にするかを選択する旋回モード切替手段(20)を配置し、該主変速レバー(14)に角度変更部材である揺動軸(52)を連結し、該角度変更部材である揺動軸(52)の先端に設けた受部(52a)に、前記操向ハンドル(13)の操作により回動される揺動部材(121)を回動自在に支持し、該主変速レバー(14)と操向ハンドル(13)とを、それぞれリンク機構を介して前記旋回モード切替手段(20)と連結し、前記旋回モード切替手段(20)の操作部である切替軸(22)を、支持パイプ(21)内において摺動自在に支持し、該切替軸(22)の一端を該ステアリングコラム(12)より外側へ突出し、切替軸(22)の外側にノブ(23)を設けて、該ノブ(23)の押引きにより、前記旋回モード切替手段(20)を操作可能としたことを特徴とする走行車両の変速機構。
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