JP4344646B2 - 電源回路 - Google Patents
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Description
このLDOレギュレータ回路は、内部に基準電圧VREFを出力する基準電圧源40を有し、この基準電圧VREFと、抵抗器R3,R4により出力電圧が抵抗分圧されて得られた帰還信号電圧との差が差誤増幅器OPにより増幅されて、出力用トランジスタTr1へ印加されることで、出力電圧が所定値となるように構成されたものとなっている。
ここで、出力端子41における出力電圧Voutは、下記する式により表される。
このような従来のLDOレギュレータ回路においては、出力端子41とグランドとの間に、出力電圧の安定化用コンデンサCLを設け、それにより出力端子41において発生する極を利用して出力電圧の安定化と共に、急激な負荷変動に対する出力電圧の平滑化が図られるようにしてある。なお、図7において、ESRは、安定化用コンデンサCLの等価直列抵抗である。
ここで、出力用トランジスタTr1の出力インピーダンスが、負荷となる負荷抵抗器RLのインピーダンスに対して充分大きいとすると、安定化用コンデンサCLと負荷抵抗器RLにより発生する極の周波数fp1は下記する式2により表されるものとなる。
式2によれば、極の周波数は、負荷抵抗の値により変化し、抵抗値が大きい場合には、低い周波数側に移動することが解る。
一方、誤差増幅器OPと出力用トランジスタTr1とにより発生する極があるため、負荷抵抗の抵抗値が大きい場合には、これら2つの極の周波数が非常に接近し、低い周波数において、帰還信号電圧の位相が180°遅れ、そのため、LDOレギュレータ回路が発振する場合がある。
すなわち、通常、コンデンサは、等価直列抵抗を有しており、この抵抗成分とコンデンサの容量とにより定まる周波数でゼロ点が生ずる。例えば、図7の構成例における等価抵抗ESRの抵抗値をRESR、安定化用コンデンサCLの容量値をCLとすると、ゼロ点の周波数fz1は下記する式3により表される。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、出力電圧の安定化用コンデンサとして低等価直列抵抗のセラミックコンデンサを用いることができ、しかも、出力電圧の安定化を確保できる電源回路を提供するものである。
基準電圧と出力電圧を分圧して得られた電圧との差が零となるようにして安定化された出力電圧が得られるよう構成されてなる電源回路であって、
前記出力電圧を得る出力用の第1のMOSトランジスタが設けられると共に、ゲート、ソースが前記出力用の第1のMOSトランジスタのゲート、ソースとそれぞれ相互に接続された位相補償用の第2のMOSトランジスタが設けられ、当該第2のMOSトランジスタのドレインとグランドの間には、位相補償用の第1の抵抗器が設けられ、当該第1の抵抗器の電圧がコンデンサを介して、前記基準電圧と比較される出力電圧を分圧した電圧に重畳されるよう構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における電源回路の第1の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
この電源回路は、基準電圧VREFを出力する基準電圧源1を有し、この基準電圧VREFと、後述するように出力電圧の抵抗分圧より得られた帰還信号電圧との差が誤差増幅器(図1においては「OP」と表記)2により増幅され、出力用トランジスタ(図1においては「Tr1」と表記)3へ印加されることで出力電圧が所定値となるように構成されたいわゆる低飽和動作(LDO)の安定化電源回路(LDOレギュレータ回路)となっているものである。
まず、基準電圧VREFを出力する基準電圧源1が設けられており、その基準電圧VREFは、演算増幅器を用いてなる誤差増幅器2の反転端子に印加されるようになっている。
誤差増幅器2の出力端子は、出力用トランジスタ3のゲート及び位相補償用トランジスタ(図1においては「Tr2」と表記)4のゲートに接続されている。本発明の実施の形態においては、出力用トランジスタ3及び位相補償用トランジスタ4は、いずれもPチャンネルMOS電界効果トランジスタが用いられたものとなっている。
そして、出力用トランジスタ3のドレインは、出力端子31に接続されると共に、このドレインとグランドとの間には、第3及び第4の抵抗器(図1においては、それぞれ「R3」、「R4」と表記)13,14が直列接続されている。
そして、第3及び第4の抵抗器13,14と第1のコンデンサ21との接続点は、先の誤差増幅器2の非反転入力端子に接続されている。
そして、出力端子31には、負荷抵抗器(図1においては「RL」と表記)16が接続されて、出力電圧Voutが出力されるようになっている。
本発明の実施の形態における電源回路においては、従来と異なり、第3及び第4の抵抗器13,14の接続点に、第1のコンデンサ21を介して位相補償用の第1の抵抗器11により発生された位相補償信号が加わることとなる。
なお、第1のコンデンサ21、第1の抵抗器11、第3及び第4の抵抗器13,14の値は、安定した出力電圧が得られるように適切な値に設定する必要がある。
この第2の構成例は、特に、先の図1に示された構成例における位相補償用の第1の抵抗器11を、半導体能動素子、すなわち、具体的には、バイポーラトランジスタ、ダイオード、MOSトランジスタなどに置き換える構成を示すもので、この図2に示された構成例においては、能動素子として、NチャンネルMOS電界効果トランジスタを用いたものとなっている。
なお、かかる構成においても、先に図1に示された構成例で説明したように、第1のコンデンサ21を介して帰還される位相補償用の信号により、低い周波数における180°の位相遅れが無くなるのは図1に示された第1の構成例で説明したと同一であり、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
この第3の構成例も、第2の構成例と同様、先の図1に示された構成例における位相補償用の第1の抵抗器11を半導体能動素子に代えた例であり、能動素子としてダイオード(図3においては「D1」と表記)7を用いた例である。
すなわち、ダイオード7は、そのアノードが位相補償用トランジスタ4のドレインに接続される一方、カソードがグランドに接続されたものとなっている。そして、このダイオード7で生ずる電圧降下が、位相補償信号として第1のコンデンサ21を介して誤差増幅器2の非反転入力端子へ印加され、低い周波数における180°の位相遅れが無くなる点は図1に示された第1の構成例で説明したと同一であり、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
この第4の構成例は、位相補償用トランジスタ4のソースと出力用トランジスタ3のソースの間に第2の抵抗器(図1においては「R2」と表記)12を接続すると共に、位相補償用トランジスタ4のサブストレートが出力用トランジスタ3のソースに接続された構成となっている。
なお、かかる点を除けば、低い周波数における180°の位相遅れが無くなる点は図1に示された第1の構成例で説明したと同一であり、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
この第5の構成例は、先の図1に示された構成例における第1のコンデンサ21を、第5の抵抗器(図5においては「R5」と表記)15と第1のコンデンサ21の直列接続に代えた構成となっている。
かかる構成においては、第5の抵抗器15及び第1のコンデンサ21を介して誤差増幅器2の非反転入力端子へ位相補償信号が印加される点を除けば、低い周波数における180°の位相遅れが無くなる点は図1に示された第1の構成例で説明したと同一であり、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
この第6の構成例は、先の図1に示された構成例に出力用トランジスタ3の電流制限のための電流制限回路101が付加された構成を有してなるものである。
以下、具体的に説明すれば、この構成例における電流制限回路101は、演算増幅器(図6においては「OP2」と表記)8と第4のトランジスタ(図6においては「Tr4」と表記)6とを有してなるもので、第4のトランジスタ6として、PチャンネルMOS電界効果トランジスタが用いられたものとなっている。
この演算増幅器8の反転入力端子は、位相補償用トランジスタ4と第1の抵抗器11の接続点に接続される一方、非反転入力端子には、基準電圧源1の基準電圧VREFが印加されるようになっている。
なお、かかる点を除けば、低い周波数における180°の位相遅れが無くなる点は図1に示された第1の構成例で説明したと同一であり、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
2…誤差増幅器
3…出力用トランジスタ
4…位相補償用トランジスタ
11…第1の抵抗器
12…第2の抵抗器
13…第3の抵抗器
14…第4の抵抗器
15…第5の抵抗器
16…負荷抵抗器
22…安定化用コンデンサ
Claims (6)
- 基準電圧と出力電圧を分圧して得られた電圧との差が零となるようにして安定化された出力電圧が得られるよう構成されてなる電源回路であって、
前記出力電圧を得る出力用の第1のMOSトランジスタが設けられると共に、ゲート、ソースが前記出力用の第1のMOSトランジスタのゲート、ソースとそれぞれ相互に接続された位相補償用の第2のMOSトランジスタが設けられ、当該第2のMOSトランジスタのドレインとグランドの間には、位相補償用の第1の抵抗器が設けられ、当該第1の抵抗器の電圧がコンデンサを介して、前記基準電圧と比較される出力電圧を分圧した電圧に重畳されるよう構成されてなることを特徴とする電源回路。 - 前記位相補償用の第1の抵抗器に代えて、半導体能動素子を設けたことを特徴とする請求項1記載の電源回路。
- 前記出力用の第1のMOSトランジスタのソースと、前記位相補償用の第2のMOSトランジスタのソースとの間に第2の抵抗器を設け、前記出力用の第1のMOSトランジスタのドレイン電流と前記位相補償用の第2のMOSトランジスタのドレイン電流の比が、前記出力用の第1のMOSトランジスタのドレイン電流の変化に伴い変化可能に構成されてなることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
- 前記コンデンサに代えて、抵抗器とコンデンサの直列接続を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3いずれか記載の電源回路。
- 前記位相補償用の第2のMOSトランジスタのドレイン電流に対応した電圧と基準電圧との比較結果に応じて、出力用の第1のMOSトランジスタのドレイン電流が制限されるよう構成されてなることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4いずれか記載の電源回路。
- 前記第1及び第2のMOSトランジスタに代えて、バイポーラトランジスタを用いたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5いずれか記載の電源回路。
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