JP4343753B2 - 撮像装置 - Google Patents

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本発明は、撮影レンズからの光束をファインダ光学系に導く第1の状態と、前記光束を撮像素子に到達させる第2の状態との間で切り換わる撮像装置に関するものである。
撮像装置の一つである一眼レフレックスカメラでは、光学ファインダを用いた物体像観察時には、撮影レンズから射出した光束を、撮影レンズに対して像面側に配置された反射ミラーで反射させて、ペンタプリズム等を含む光学ファインダに導いている。これにより、撮影者は、撮影レンズで形成された物体像を正像として見ることができる。このとき、反射ミラーは、撮影光路上に斜設されている。
一方、物体像を撮影する場合には、反射ミラーが撮影光路から待避することで撮影レンズからの光束を撮像媒体(フィルムやCCD等の撮像素子)に到達させる。そして、撮影動作が終了すると、反射ミラーは撮影光路上に斜設される。
ここで、一眼レフ方式のデジタルカメラには、手動で位相差検出方式による焦点調節とコントラスト検出方式による焦点調節を選択できるものがある(例えば、特許文献1参照)。また、反射ミラーが撮影光路上に斜設されているときには、位相差検出方式による焦点調節を行い、反射ミラーが撮影光路から退避しているときには、撮像素子の出力を用いてコントラスト検出方式による焦点調節を行うものがある(例えば、特許文献2参照)。該特許文献2のカメラでは、撮像素子から読み出された画像を表示ユニットで表示(電子表示)させながら、コントラスト検出方式による焦点調節を行うことができる。また、撮像素子の出力を用いて被写体輝度の測定を行うこともできる。
一般に、コントラスト検出方式による焦点調節においては、撮像レンズを光軸方向に僅かに移動させながら評価関数値を求めていくため、合焦状態となるまでに時間を要するという問題がある。なお、位相差検出方式による焦点調節では、検出されたデフォーカス量の分だけ撮影レンズを移動させるだけであるため、コントラスト検出方式に比べて合焦状態となるまでの時間が短くなる。
そこで、電子表示を用いて物体像を観察する場合でも、位相差検出方式による高速な焦点調節を行わせるために、カメラを以下に説明するような構成とすることができる。
カメラ内に設けられる全面ハーフミラーである主ミラーと、主ミラーからの透過光を反射させるサブミラーとを独立して動作させる構成とし、EVF(Electric View Finder)状態およびOVF(Optical View Finder)状態に応じて主ミラーおよびサブミラーの位置を変えるようにする。すなわち、OVF状態では、撮影レンズからの光束を主ミラーで反射させて光学ファインダに導くとともに、主ミラーの透過光をサブミラーで反射させて焦点検出ユニットに導くようにする。また、EVF状態では、サブミラーを撮影光路から退避させるとともに、主ミラーの位置を変えて撮影レンズからの光束を反射させて焦点検出ユニットに導くとともに、主ミラーの透過光を撮像素子に到達させるようにする。
上述した構成にすることで、OVF状態およびEVF状態において、焦点検出ユニットで位相差検出方式による焦点検出を行わせることができ、高速な焦点調節を行うことが可能となる。
一方、一眼レフ方式のカメラにおいて、被写体輝度を測定するための測光ユニットは、通常ファインダ光学系の近傍に配置されており、ファインダ光学系内を通過する光束の一部を取り込んでいる(例えば、特許文献3参照)。これは、撮影レンズからの光束を利用したTTL(Through The Lens)方式の測光を行うためには、測光ユニットをファインダ光学系の近傍に設けるのが好ましいからである。
特開2001−275033号公報(段落番号0053〜0057、図5) 特開2001−125173号公報(段落番号0062〜0067、図8、9) 特開平10−312009号公報(図1等)
しかし、上述したOVF状態およびEVF状態に応じて主ミラーおよびサブミラーの位置を変える構成のカメラでは、EVF状態においてファインダ光学系に撮影光束が導かれないため、ファインダ光学系内に配置された測光ユニットを用いて測光を行うことができない。
また、カメラがOVF状態にある場合であって、撮影者が被写体となって撮影を行う場合、例えば、リモート撮影やセルフタイマ撮影を行う場合には、撮影者がファインダ光学系の接眼部を除くことはない。このため、カメラ外部の光が接眼部を介してカメラ内に入り込み、焦点検出ユニット、撮像素子又は測光ユニットに到達する恐れがある。
接眼部から入射した光(ファインダ逆入射光)は、撮影に用いられる光ではないため、ゴースト光となる。そして、ファインダ逆入射光が焦点検出ユニットに到達した場合には焦点検出に誤差が生じてしまい、撮像素子に到達した場合には撮像動作によって得られた画像が劣化してしまう。さらに、ファインダ逆入射光が測光ユニットに到達した場合には、測光検出に誤差が生じてしまう。
本発明の撮像装置は、撮影レンズからの光束により形成された被写体像を光電変換する撮像素子と、前記光束により光学的に被写体像の観察を可能とするファインダ光学系と、前記光束の光路内に配置されて前記光束を前記ファインダ光学系に向けて反射する第1の状態と、前記光路内に配置されて前記光束を前記撮像素子に向けて透過させる第2の状態とに切り換え駆動されるミラーユニットと、前記ミラーユニットからの反射光束を用いて測光を行うための測光手段と、前記ミラーユニットが前記第1の状態にあるときは前記測光手段からの出力信号を用いて測光を行い、前記第2の状態にあるときは前記撮像素子からの出力信号を用いて測光を行う制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、測光手段および撮像素子の出力信号のうち測光を行うために用いる信号を、ミラーユニットの状態に応じて変更しているため、ミラーユニットが第1および第2の状態のいずれの状態にあるときでも測光を行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
以下、本発明の実施例1であるカメラについて、図1から図7を参照しながら説明する。
図6は本実施例におけるカメラシステムの構成を示す概略図である。このカメラシステムは、カメラ本体と、該カメラ本体に着脱可能に装着されるレンズ装置とを有している。
カメラは、CCDあるいはCMOSセンサなどの撮像素子を用いた単板式のデジタルカラーカメラであり、撮像素子を連続的または単発的に駆動して動画像または静止画像を表わす画像信号を得る。ここで、撮像素子は、露光した光を画素毎に電気信号に変換して受光量に応じた電荷を蓄積し、蓄積された電荷を読み出すタイプのエリアセンサである。
図6において、101はカメラ本体、102はカメラ本体101に対して取り外し可能なレンズ装置である。レンズ装置102内には、撮影光学系が設けられている。レンズ装置102は、公知のマウント機構を介してカメラ本体101に電気的、機械的に接続される。そして、焦点距離の異なるレンズ装置102をカメラ本体101に装着することによって、様々な画角の撮影画面を得ることが可能である。
また、レンズ装置102では、不図示の駆動機構を介して撮影光学系103の一部の要素であるフォーカシングレンズを光軸L1方向に移動させたり、フォーカシングレンズを柔軟性のある透明弾性部材や液体レンズで構成し、界面形状を変化させて屈折力を変えたりすることで、撮影光学系の焦点調節を行う。
106はパッケージ124に収納された撮像素子である。撮影光学系103から撮像素子106に至る光路中には、撮像素子106上に物体像(光学像)の必要以上に高い空間周波数成分が伝達されないように撮影光学系103のカットオフ周波数を制限する光学ローパスフィルタ156が設けられている。また、撮影光学系103には、不図示の赤外線カットフィルタが形成されている。
撮像素子106から読み出された信号は、後述するように所定の処理が施された後、画像データとしてディスプレイユニット107上に表示される。ディスプレイユニット107はカメラ本体101の背面に取り付けられており、使用者はディスプレイユニット107での表示を直接観察できるようになっている。
ディスプレイユニット107を、有機EL空間変調素子や液晶空間変調素子、微粒子の電気泳動を利用した空間変調素子などで構成すれば、消費電力を小さくでき、かつディスプレイユニット107の薄型化を図ることができる。これにより、カメラ本体1の省電力化および小型化を図ることができる。
撮像素子106は、具体的には、増幅型固体撮像素子の1つであるCMOSプロセスコンパチブルのセンサ(以降CMOSセンサと略す)である。CMOSセンサの特長の1つに、エリアセンサ部のMOSトランジスタと撮像素子駆動回路、AD変換回路、画像処理回路といった周辺回路を同一工程で形成できるため、マスク枚数、プロセス工程がCCDと比較して大幅に削減できる。また、任意の画素へのランダムアクセスが可能といった特長も有し、ディスプレイ用に間引いた読み出しが容易であって、ディスプレイユニット107において高い表示レートでリアルタイム表示が行える。
撮像素子106は、上述した特長を利用し、ディスプレイ画像出力動作(撮像素子106の受光領域のうち一部を間引いた領域での読み出し)および高精彩画像出力動作(全受光領域での読み出し)を行う。
111は可動型のハーフミラー(第1のミラー部材)であり、撮影光学系103からの光束のうち一部を反射させるとともに、残りを透過させる。ハーフミラー111の屈折率はおよそ1.5であり、厚さが0.5mmである。105は撮影光学系103によって形成される物体像の予定結像面に配置されたフォーカシングスクリーン、112はペンタプリズムである。
109はフォーカシングスクリーン上に結像された物体像を観察するためのファインダレンズであり、実際には3つのファインダレンズ(図1の109−1、109−2、109−3)で構成されている。フォーカシングスクリーン105、ペンタプリズム112およびファインダレンズ109は、ファインダ光学系を構成する。
ファインダ光学系には、被写体輝度を測定するための測光センサ(測光手段)144と、フォーカシングスクリーン105に映し出された撮像画像の光束を、測光センサ144の受光面に結像させるための測光レンズ145が設けられている。
ハーフミラー111の背後(像面側)には可動型のサブミラー(第2のミラー部材)122が設けられ、ハーフミラー111を透過した光束のうち光軸L1に近い光束を反射させて焦点検出ユニット(焦点検出手段)121に導いている。サブミラー122は後述する回転軸125(図1等参照)を中心に回転し、ハーフミラー111の動きに応じてミラーボックスの下部に収納される。すなわち、サブミラー122は、ハーフミラーと一体となって動作せず、独立して撮影光路に対して進退可能となっている。
焦点検出ユニット121は、サブミラー122からの光束を受光して位相差検出方式による焦点検出を行う。
ハーフミラー111とサブミラー122で構成される光路分割系は、後述するように第1から第3の光路分割状態の間で切り換わることができるようになっている。第1の光路分割状態(第1の状態)では、撮影光学系103からの光束がハーフミラー111で反射してファインダ光学系に導かれるとともに、ハーフミラー111を透過した光束がサブミラー122で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。
第1の光路分割状態では、ファインダレンズ109を介して上記光束によって形成された物体像を観察することができるとともに、焦点検出ユニット121において焦点検出を行わせることができる。なお、図6では、第1の光路分割状態を示している。
第2の光路分割状態(透過/反射状態:第2の状態)では、撮影光学系103からの光束がハーフミラー111を透過し、開状態となったフォーカルプレンシャッタ113を通過して撮像素子106に到達するとともに、ハーフミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。第2の光路分割状態では、撮像された画像データをディスプレイユニット107上でリアルタイム表示させたり、高速連続撮影を行ったりすることができる。ここで、第2の光路分割状態では、光路分割系を動作させずに撮像素子106での撮像を行うことができるため、信号処理系での動作を高速化させることで高速連続撮影を行うことができる。
また、第2の光路分割状態では、焦点検出ユニット121において焦点検出を行わせることができる。このため、ディスプレイユニット107でのモニタ中でも、位相差検出方式による高速な焦点調節を行うことが可能である。
第3の光路分割状態(退避状態)では、フォーカルプレンシャッタ113が開くことで、撮影光学系103からの光束がダイレクトに撮像素子106に導かれる。この状態において、ハーフミラー111およびサブミラー122は、撮影光路から退避している。第3の光路分割状態は、大型のプリントなどに好適な高精細な画像を生成するために使用される。なお、この状態では、実際にはハーフミラー111およびサブミラー122による光路分割は行われないが、本実施例では、この状態を第3の光路分割状態という。
光路分割系の駆動は、不図示の電磁モータおよびギア列を有するミラー駆動機構150によって行われ、ハーフミラー111およびサブミラー122それぞれの位置を変化させることで、第1から第3の光路分割状態の間で切り換えることができる。ミラー駆動機構150の駆動制御は、カメラシステム制御回路135によって行われる。
ここで、上述した3通りの光路分割状態を高速で切り換えるために、ハーフミラー111を透明樹脂で形成して軽量化を図っている。また、ハーフミラー111の裏面(図6においてサブミラー122側の面)には、複屈折性を持つ高分子薄膜が貼り付けられている。これは、画像をモニタ(リアルタイム表示)する場合や高速連続撮影を行う場合のように撮像素子106の全画素を用いて撮像しないことに対応させて、さらに強いローパス効果を付与するためである。
なお、ハーフミラー111の表面に、可視光の波長よりも小さなピッチを持つ微細な角錐状の周期構造を形成し、いわゆるフォトニック結晶として作用させることによって、空気と樹脂との屈折率差による光の表面反射を低減し、光の利用効率を高めることも可能である。このように構成すると、第2の光路分割状態において、ハーフミラー111の裏面および表面での光の多重反射によってゴーストが発生するのを防ぐことができる。
104は可動式の閃光発光ユニットであり、カメラ本体101に収納される収納位置とカメラ本体101から突出した発光位置との間で移動可能である。113は像面に入射する光量を調節するフォーカルプレンシャッタ、119はカメラ本体101を起動させるためのメインスイッチである。
120は2段階で押圧操作されるレリーズボタンであり、半押し操作(SW1のON)で撮影準備動作(測光動作や焦点調節動作等)が開始され、全押し操作(SW2のON)で撮影動作(画像記録動作:撮像素子106から読み出された画像データの記録媒体への記録)が開始される。
123はモード切換スイッチ(操作手段)であり、OVFモードおよびEVFモード間の切り換えを行うために操作される。ファインダモード切換スイッチ123は、スライド式のスイッチになっており、OVFモード又はEVFモードの設定位置まで移動させると、この位置を保持できる構成となっている。
180は、フォーカシングスクリーン105上に特定の情報を表示させるための光学ファインダ内情報表示ユニットである。
次に、測光レンズ145および測光センサ144を有する測光光学系について説明する。
第1の光路分割状態では、撮影レンズ103を透過した撮影光束はハーフミラー111で反射してフォーカシングスクリーン105の上面(ペンタプリズム112側の面)に結像する。フォーカシングスクリーン105の上面にはマット処理が施されており、撮影光束を拡散させている。このため、フォーカシングスクリーン105の上面に撮影光束が結像した場合には、撮影者はファインダ光学系を介して鮮明な撮影画像を観察することができるが、結像していない場合には、撮影光束が拡散されてボケた撮影画像しか見ることができない。フォーカシングスクリーン105の上面は、撮像素子106の結像位置と光学的に等価な位置に配置されているため、フォーカシングスクリーン105の上面での拡散作用を利用して、撮影者は撮影光学系の焦点状態を把握することができる。
フォーカシングスクリーン105の上面で拡散された光束は、光軸(ファインダ光軸)と平行な成分が多く、光軸に対して角度を持つ成分は該角度が大きくなるほど少なくなっている。測光光学系は、図3に示すように、光軸に対して略6度傾いた角度からフォーカシングスクリーン105の上面を観察できる位置に配置されている。すなわち、光軸に対してそれほど大きくない角度を持つ成分が測光光学系に入射するようになっているため、第1の光路分割状態(図3)においてハーフミラー111で反射した光束を、ファインダレンズ109に導くとともに、測光光学系にも導くことができる。
測光光学系に到達した光束は、測光レンズ145で測光センサ144の受光面に結像される。ここで、測光センサ144の受光面は35(7×5)分割されており、35分割された各測光エリアで被写体輝度の測定が行われる。なお、測光センサ144の受光面は、撮像素子106の結像面(受光面)と光学的に等価の位置に設けられている。
図7は、本実施例におけるカメラシステムの電気的構成を示すブロック図である。ここで、図6で説明した部材と同じ部材については同一符号を用いている。まず、物体像の撮像、記録に関する部分から説明する。
カメラシステムは、撮像系、画像処理系、記録再生系および制御系を有する。撮像系は、撮影光学系103および撮像素子106を有し、画像処理系は、A/D変換器130、RGB画像処理回路131およびYC処理回路132を有する。また、記録再生系は、記録処理回路133および再生処理回路134を有し、制御系は、カメラシステム制御回路(制御手段)135、操作検出回路136、撮像素子駆動回路137および測光制御回路143を有する。
138は、外部のコンピュータ等に接続され、データの送受信を行うために規格化された接続端子である。上述した電気回路は、不図示の小型燃料電池からの電力供給を受けて駆動する。
撮像系は、物体からの光を、撮影光学系103を介して撮像素子106の撮像面に結像させる光学処理系である。撮影光学系103内に設けられた不図示の絞りの駆動を制御するとともに、必要に応じてフォーカルプレンシャッタ113の駆動を制御することによって、適切な光量の物体光を撮像素子106で受光させることができる。
撮像素子106として、正方画素が長辺方向に3700個、短辺方向に2800個並べられ、合計約1000万個の画素数を有する撮像素子が用いられている。そして、各画素にR(赤色)G(緑色)B(青色)のカラーフィルタが交互に配置され、4画素が一組となるいわゆるベイヤー配列を構成している。
ベイヤー配列では、観察者が画像を見たときに強く感じやすいGの画素をRやBの画素よりも多く配置することで、総合的な画像性能を上げている。一般に、この方式の撮像素子を用いる画像処理では、輝度信号は主にGから生成し、色信号はR、G、Bから生成する。
撮像素子106から読み出された信号は、A/D変換器130を介して画像処理系に供給される。この画像処理系での画像処理によって画像データが生成される。
A/D変換器130は、撮像素子106の各画素から読み出された信号の振幅に応じて、例えば撮像素子106の出力信号を10ビットのデジタル信号に変換して出力する信号変換回路であり、以降の画像処理はデジタル処理にて実行される。
画像処理系は、R、G、Bのデジタル信号から所望の形式の画像信号を得る信号処理回路であり、R、G、Bの色信号を輝度信号Yおよび色差信号(R−Y)、(B−Y)にて表わされるYC信号などに変換する。
RGB画像処理回路131は、A/D変換器130の出力信号を処理する信号処理回路であり、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、補間演算による高解像度化を行う補間演算回路を有する。
YC処理回路132は、輝度信号Yおよび色差信号R−Y、B−Yを生成する信号処理回路である。このYC処理回路132は、高域輝度信号YHを生成する高域輝度信号発生回路、低域輝度信号YLを生成する低域輝度信号発生回路および、色差信号R−Y、B−Yを生成する色差信号発生回路を有している。輝度信号Yは、高域輝度信号YHと低域輝度信号YLを合成することによって形成される。
記録再生系は、不図示のメモリへの画像信号の出力と、ディスプレイユニット107への画像信号の出力とを行う処理系である。記録処理回路133はメモリへの画像信号の書き込み処理および読み出し処理を行い、再生処理回路134はメモリから読み出した画像信号を再生して、ディスプレイユニット107に出力する。
また、記録処理回路133は、静止画データおよび動画データを表わすYC信号を所定の圧縮形式にて圧縮するとともに、圧縮されたデータを伸張させる圧縮伸張回路を内部に有する。圧縮伸張回路は、信号処理のためのフレームメモリなどを有しており、このフレームメモリに画像処理系からのYC信号をフレーム毎に蓄積し、複数のブロックのうち各ブロックから蓄積された信号を読み出して圧縮符号化する。圧縮符号化は、例えば、ブロック毎の画像信号を2次元直交変換、正規化およびハフマン符号化することにより行われる。
再生処理回路134は、輝度信号Yおよび色差信号R−Y、B−Yをマトリクス変換して、例えばRGB信号に変換する回路である。再生処理回路134によって変換された信号はディスプレイユニット107に出力され、可視画像として表示(再生)される。再生処理回路134およびディスプレイユニット107は、Bluetoothなどの無線通信を介して接続されていてもよく、このように構成すれば、このカメラで撮像された画像を離れたところからモニタすることができる。
一方、制御系における操作検出回路136は、メインスイッチ119、レリーズボタン120、ファインダモード切換スイッチ123、撮影モード設定スイッチ126等(他のスイッチは図7では不図示)の操作を検出して、この検出結果をカメラシステム制御回路135に出力する。
ここで、撮影モード設定スイッチ126は、カメラにおいて設定可能な複数の撮影モードのうちいずれか1つの撮影モードを選択して、設定するために操作されるスイッチである。上記撮影モードとしては、例えば、シャッタ優先撮影モード、絞り優先撮影モード、後述するリモート撮影モードおよびセルフタイマ撮影モードがある。
カメラシステム制御回路135は、操作検出回路136からの検出信号を受けることで、検出結果に応じた動作を行う。また、カメラシステム制御回路135は、撮像動作を行う際のタイミング信号を生成して、撮像素子駆動回路137に出力する。
撮像素子駆動回路137は、カメラシステム制御回路135からの制御信号を受けることで撮像素子106を駆動させるための駆動信号を生成する。情報表示回路142は、カメラシステム制御回路135からの制御信号を受けて光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を制御する。
測光制御回路143は、カメラシステム制御回路135からの出力に基づいて測光センサ144の駆動を制御する。アイピースシャッタ駆動機構151は、カメラシステム制御回路135の制御によって、アイピースシャッタ163をファインダ光学系の光路内に進入させたり、該光路から退避させたりする。
制御系は、カメラ本体101に設けられた各種スイッチの操作に応じて撮像系、画像処理系および記録再生系での駆動を制御する。例えば、レリーズボタン120の操作によってSW2がONとなった場合、制御系(カメラシステム制御回路135)は、撮像素子106の駆動、RGB画像処理回路131の動作、記録処理回路133の圧縮処理などを制御する。さらに、制御系は、情報表示回路142を介して光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を制御することによって、光学ファインダ内での表示(表示セグメントの状態)を変更する。
次に、撮影光学系103の焦点調節動作に関して説明する。
カメラシステム制御回路135はAF制御回路140と接続している。また、レンズ装置102をカメラ本体101に装着することで、カメラシステム制御回路135は、マウント接点101a、102aを介してレンズ装置102内のレンズシステム制御回路141と接続される。そして、AF制御回路140およびレンズシステム制御回路141と、カメラシステム制御回路135とは、特定の処理の際に必要となるデータを相互に通信する。
焦点検出ユニット121は、撮影画面内の所定位置に設けられた焦点検出領域での検出信号をAF制御回路140に出力する。AF制御回路140は、焦点検出ユニット121からの出力信号に基づいて焦点検出信号を生成し、撮影光学系103の焦点調節状態(デフォーカス量)を検出する。そして、AF制御回路140は、検出したデフォーカス量を撮影光学系103の一部の要素であるフォーカシングレンズの駆動量に変換し、フォーカシングレンズの駆動量に関するデータを、カメラシステム制御回路135を介してレンズシステム制御回路141に送信する。
ここで、移動する物体に対して焦点調節を行う場合、AF制御回路140は、レリーズボタン120が全押し操作されてから実際の撮像制御が開始されるまでのタイムラグを勘案して、フォーカシングレンズの適切な停止位置を予測する。そして、予測した停止位置へのフォーカシングレンズの駆動量に関するデータをレンズシステム制御回路141に送信する。
一方、カメラシステム制御回路135が、撮像素子106の出力信号に基づいて物体の輝度が低く、十分な焦点検出精度が得られないと判定したときには、閃光発光ユニット104又は、カメラ本体101に設けられた不図示の白色LEDや蛍光管を駆動することによって物体を照明する。
レンズシステム制御回路141はフォーカシングレンズの駆動量に関するデータを受信すると、レンズ装置102内の不図示の駆動機構を駆動することによってフォーカシングレンズを光軸L1方向に移動させる。なお、上述したようにフォーカシングレンズが液体レンズ等で構成されている場合には、界面形状を変化させることになる。これにより、撮影光学系103の焦点調節動作が行われる。
AF制御回路140において物体にピントが合ったことが検出されると、この情報はカメラシステム制御回路135に送信される。このとき、レリーズボタン120の全押し操作によってSW2がON状態になれば、上述したように撮像系、画像処理系および記録再生系によって撮影動作が行われる。
次に、測光センサ144を用いた測光動作について説明する。
測光レンズ145を透過した光束が、35分割された測光センサ144の受光面で受光されると、測光センサ144には検出電流が発生する。測光制御回路143は、35分割された各測光エリアの検出電流を電圧に変換して、カメラシステム制御回路135に検出信号として送る。
カメラシステム制御回路135は、測光制御回路143から送られてきた各測光エリアの検出電圧をA/D変換し、各測光エリアにおける輝度情報を得る。そして、カメラシステム制御回路135は、撮影者によって選択された測光方式に応じて、各測光エリアにおける輝度の重み付けを行い、最終的な露出演算に用いる輝度を決定する。
上記測光方式としては、例えば、すべての測光エリアで測光を行い被写体に最適な露出を得るための評価測光方式や、画面中央領域に対して測光する中央部部分測光方式や、画面中央領域に重点を置きつつ、画面全体を平均的に測光する中央部重点平均測光方式がある。撮影者はディスプレイユニット107での表示内容を見ながらカメラに設けられたスイッチ(不図示)を操作することによって、上述した測光方式を選択することができる。
図1から図5は本実施例におけるカメラシステムの断面図である。なお、これらの図においては、レンズ装置102の一部を示している。また、図6で説明した部材と同じ部材については同一符号を用いている。
ここで、図1は第2の光路分割状態にあるときのカメラシステムの断面図、図2は第1の光路分割状態および第2の光路分割状態の間で切り換わる途中の状態にあるカメラシステムの断面図である。図3は第1の光路分割状態にあるときのカメラシステムの断面図、図4は第1の光路分割状態および第3の光路分割状態の間で切り換わる途中の状態にあるカメラシステムの断面図、図5は第3の光路分割状態にあるときのカメラシステムの断面図である。
以下、ハーフミラー111およびサブミラー122で構成される光路分割系が上述した第1の光路分割状態にあるときの図(図3)を用いてカメラシステムの構成について説明する。
図3において、101はカメラ本体、102はレンズ装置である。レンズ装置102は、レンズ側マウント102bを介してカメラ側マウント101bに装着される。103aは撮影光学系103を構成する複数のレンズのうち最も像面側に位置する撮影レンズ、105はファインダ光学系のフォーカシングスクリーンである。107はディスプレイユニット、163はアイピースシャッタ(ファインダシャッタ)である。
164は焦点検出ユニット121における光束の取り込み窓となるコンデンサーレンズ、165はコンデンサーレンズ164からの光束を反射させる反射ミラーである。166は反射ミラー165で反射した光束を焦点検出センサ122上で結像させるための再結像レンズ、167は焦点検出センサである。
111は可動型のハーフミラーで、不図示のハーフミラー受け板に保持されている。ハーフミラー受け板の両側縁部(紙面奥方向および紙面手前方向)には、それぞれピン173が設けられているとともに、一方の側縁部(紙面奥方向)にはピン174が設けられている。ここで、ハーフミラー111とピン173、174は一体的に移動するようになっている。
170はハーフミラー駆動レバー、171はハーフミラー支持アームである。ハーフミラー駆動レバー170は、カメラ本体101に固定された回転軸170aに対して回転可能に支持され、ハーフミラー支持アーム171はカメラ本体101に固定された回転軸171aに対して回転可能に支持されている。
また、ハーフミラー支持アーム171は接続部171bを介してミラーボックスの対向する壁面側に設けられた略同一形状の構造と接続されている。不図示のハーフミラー受け板の両側に設けられたピン173は、ハーフミラー支持アーム171の先端に設けられた貫通孔部171cに係合している。これにより、ハーフミラー111は、ハーフミラー受け板を介して貫通孔部171cを中心に回動可能となっている。
ハーフミラー受け板は、ピン173とピン174の中間位置において不図示のトーションバネによって矢印A方向に付勢されており、該トーションバネの付勢力はハーフミラー受け板を介してハーフミラー111にも働いている。
第1の光路分割状態では、ミラーストッパ160、161がハーフミラー111の移動領域内に進入した状態にあるため、ハーフミラー111は、上記トーションバネの付勢力を受けてミラーストッパ160、161に当接している。このとき、ピン173とハーフミラー駆動レバー170の第1のカム面170bとの間および、ピン174とハーフミラー駆動レバー170の第2のカム面170cとの間には若干の隙間がある。これにより、ハーフミラー111は、図3に示す状態で位置決めされている。
なお、ミラーストッパ160、161は、ミラー駆動機構150の駆動によってハーフミラー111の移動領域内に進入したり、退避したりすることができる。また、ミラーストッパ160、161は、ハーフミラー111の移動領域内にあるか移動領域外にあるかを問わず、撮影光路外(撮影光束に影響を与えない位置)に位置している。さらに、後述するミラーストッパ175、176も同様に撮影光路外に位置している。
一方、サブミラー122は回転軸125を中心に回転可能となっており、第1の光路分割状態では、図3に示すようにハーフミラー111からの透過光を焦点検出ユニット121(コンデンサーレンズ164)側に反射させる位置に保持されている。
第1の光路分割状態において、撮影光学系103からの光束のうち一部の光束はハーフミラー111で反射してファインダ光学系に導かれ、残りの光束はハーフミラー111を透過しサブミラー122で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。
図3に示す状態にあるミラーストッパ160、161がハーフミラー111の移動領域から退避したとき、ハーフミラー111は不図示のトーションバネによる矢印A方向の付勢力を受けて図2に示す状態となる。このとき、トーションバネの付勢力により、ピン173はハーフミラー駆動レバー170の第1のカム面170bに当接し、ピン174はハーフミラー駆動レバー170の第2のカム面170cに当接する。
そして、ハーフミラー駆動レバー170の回転に応じて第1のカム面170bと第2のカム面170cに沿ってピン173、174がそれぞれ摺動し、ハーフミラー111の姿勢が変化する。すなわち、ハーフミラー駆動レバー170の回転に伴ってハーフミラー支持アーム171が回転し、ハーフミラー駆動レバー170およびハーフミラー支持アーム171に対してピン173、174を介して連結されている不図示のハーフミラー受け板とハーフミラー111が一体的に動作する。
ハーフミラー駆動レバー170およびハーフミラー支持アーム171が図3中反時計方向に回動することによって、ハーフミラー111は図1に示すようにミラーストッパ175、176に当接する。このとき、ハーフミラー111は不図示のトーションバネによる矢印A方向の付勢力を受けているため、図1に示す状態、すなわち第2の光路分割状態に保持される。
ここで、ハーフミラー111が第1の光路分割状態から第2の光路分割状態に移行するときには、サブミラー122が回転軸125を中心に図3中時計方向に回動することによってミラーボックスの下部まで移動する。すなわち、ハーフミラー111が第1の光路分割状態から第2の光路分割状態に移行する前に、サブミラー122がミラーボックスの下部へ移動することで、ハーフミラー111がサブミラー122に衝突するのを避けている。
第2の光路分割状態では、図1に示すように撮影レンズ103aからの光束のうち一部の光束がハーフミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれるとともに、残りの光束がハーフミラー111を透過して撮像素子106に到達する。
一方、第1の光路分割状態(図3)から第3の光路分割状態(図5)に移行する際には、ハーフミラー駆動レバー170が図3中時計方向に回転することにより、ハーフミラー111を撮影光路に対してカメラ本体101の上方(フォーカシングスクリーン105側)に退避させる。また、回転軸125を中心としてサブミラー122を図3中時計方向に回転させることにより、サブミラー122を撮影光路に対してカメラ本体101の下側に退避させる。
第3の光路分割状態では、図5に示すように撮影レンズ103aからの光束が撮像素子106に到達する。
次に、第2の光路分割状態において、撮像素子106の出力を用いて被写体輝度の測定(測光)を行う場合について説明する。
上述したように第2の光路分割状態ではファインダ光学系に撮影光束が導かれないため、測光センサ144を用いて測光することができない。一方、撮影レンズ103aから射出された物体光は、ハーフミラー111を透過して撮像素子106に到達する。このため、第2の光路分割状態では、上記透過光に対する撮像素子106での光電変換によって生成された信号を用いて被写体輝度を測定する。
第2の光路状態では、60Hzのフレームレートで撮像動作を行い、得られた画像をディスプレイユニット107でリアルタイム表示する。60Hzのフレームレートを実現するために、撮像素子106では間引いた読み出しが行われる。撮像素子106は上述したようにCMOSで構成されており、任意の画素へのランダムアクセスが可能であるため、リアルタイム表示用に間引いた読み出しが行える。
撮像素子106から間引いて読み出された画像信号は、A/D変換器130において、各画素での信号の振幅に応じた10ビットのデジタル信号に変換される。10ビットのデジタル信号に変換されたR、G、Bの画像信号は、画像処理系での処理によって輝度信号Yおよび色差信号R−Y、B−Yに変換される。
ここで、撮像素子106の出力信号を用いて測光を行う場合には、輝度信号Yの強度分布に基づいて被写体輝度を決定する。そして、撮影者によって選択された測光方式に応じて、輝度信号Yの強度分布に重み付けを行い、最終的な露出演算に用いる輝度を決定する。
上述した構成のカメラシステムにおける撮影シーケンスについて、図8を用いて説明する。なお、図8に示す動作はカメラシステム制御回路135において行われる。
ステップS100では、メインスイッチ119がオンであるか否かを判別する。ここで、メインスイッチ119がオンの場合にはステップS101に進む。ステップS101では、カメラシステム内の電気回路への電力供給を行うことで、カメラシステムを起動させる。
ステップS200では、ファインダモード切り換えサブルーチンを実行する。この動作の詳細については後述する。
ステップS102では、操作検出回路136の出力に基づいて、ファインダファインダモード切換スイッチ123の操作が行われたか否かを判別する。ファインダモード切換スイッチ123の操作が検出されたときには、ステップS200でファインダモードの切り換え動作を実行する。一方、ファインダモード切換スイッチ123の操作が検出されなかったときには、ステップS103に進む。
ステップS103では、撮影モード設定スイッチ126の操作によって、リモート撮影モードやセルフタイマ撮影モードが設定されているか否かを判別する。ここで、リモート撮影モードは、カメラ本体101とは別体のリモートコントロール装置からの操作により撮影準備動作(SW1オン)および撮影動作(SW2オン)を開始させるモードであり、撮影者本人が被写体となる場合などに用いられる場合が多い。また、セルフタイマ撮影モードでは、レリーズボタン120の全押し操作が行われてから所定時間経過後に撮影動作が開始されるモードであり、該モードも撮影者本人が被写体となる場合などに用いられる場合が多い。
ステップS103でリモート撮影モードやセルフタイマ撮影モードが設定されていると判別したときには、ステップS119に進む。ステップS119において、カメラシステム制御回路135は、アイピースシャッタ駆動機構151を介してアイピースシャッタ163をファインダ光学系の光路内に進入させる(閉じ状態)。
リモート撮影モードやセルフタイマ撮影モードでは、光学ファインダの接眼部を撮影者が覗かないため、接眼部からカメラ本体101内にファインダ逆入射光が入り込みやすい。ここで、測光センサ144はファインダ光学系内に配置され、接眼部に近い位置にあるため、ファインダ逆入射光が測光センサ144に到達するおそれが高い。
ファインダ逆入射光が測光センサ144に到達した場合は、測光検出誤差の要因となり、高精度の測光を行うことができないおそれがある。また、ファインダ逆入射光が焦点検出ユニット121に到達した場合には、焦点検出誤差の要因となり、高精度の焦点検出を行うことができないおそれがある。
このため、ステップS119においてアイピースシャッタ163を閉じ状態とさせることで、高精度な測光動作と焦点検出動作を行えるようにしている。そして、アイピースシャッタ163を閉じ状態とさせた後は、ステップS104に進む。
ステップS103において、リモート撮影モードやセルフタイマ撮影モードが設定されていないと判別したときには、ステップS104に進む。
ステップS104では、操作検出回路136を介して、ファインダモード切換スイッチ123で選択されているモードがEVFモードであるか否かを判別する。ここで、OVFモードが選択されている場合にはステップS105に進み、ファインダ光学系内に設けられた測光センサ144を用いて測光を行う。一方、EVFモードが選択されている場合にはステップS106に進み、撮像素子106の出力を用いて測光を行う。
OVFモード(第1の光路分割状態)では、撮影光束の一部がハーフミラー111で反射してファインダ光学系に導かれるとともに、残りの光束がハーフミラー111を透過し、サブミラー121で反射して焦点検出ユニット121に導かれ、焦点検出用の光束として用いられる。このため、撮像素子106には撮影光束が到達せず、撮像素子106の出力を用いて測光を行うことはできない。したがって、フォーカシングスクリーン105で拡散したハーフミラー111の反射光を用いて測光センサ144で測光を行うことで、撮影に適切な露出の演算を行うことができる。
一方、EVFモード(第2の光路分割状態)では、撮影光束の一部がハーフミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれるとともに、残りの光束がハーフミラー111を透過して撮像素子106に到達するため、ファインダ光学系(測光センサ144)には撮影光束が導かれない。このため、ファインダ光学系に設けられた測光センサ144を用いて測光を行うことはできない。したがって、本実施例では、ハーフミラー111の透過光を受光する撮像素子106の出力信号から得られる輝度信号Yを用いて測光を行う。これにより、EVFモードにおいても、撮影に適切な露出の演算を行うことができる。
ステップS107では、レリーズボタン120の半押し操作によってSW1がオンであるか否かを判別する。ここで、SW1がオンでない場合にはS102に戻り、再びファインダモード切換スイッチ123の操作が行われたか否かを判別する。一方、SW1がオンである場合には、ステップS108に進む。
ステップS108において、カメラシステム制御回路135は、AF制御回路140にAF開始信号を送ることで、焦点検出センサ167での焦点検出動作を開始させる。レンズシステム制御回路141は、上述したように、AF制御回路140で得られたレンズ駆動量の分だけ撮影光学系130のフォーカスレンズを駆動させることで、撮影光学系の焦点調節を行う。
ステップS109では、ファインダモード切換スイッチ123で選択されているモードがEVFモードであるか否かを判別する。ここで、OVFモードが選択されている場合にはステップS110に進み、ファインダ光学系内に設けられた測光センサ144を用いて測光を行う。一方、EVFモードが選択されている場合にはステップS111に進み、撮像素子106の出力を用いて測光を行う。
OVFモード(第1の光路分割状態)では、撮影光束の一部がハーフミラー111で反射してファインダ光学系に導かれるとともに、残りの光束がハーフミラー111を透過し、サブミラー121で反射して焦点検出ユニット121に導かれ、焦点検出用の光束として用いられる。このため、撮像素子106には撮影光束が到達せず、撮像素子106の出力を用いて測光を行うことはできない。したがって、フォーカシングスクリーン105で拡散したハーフミラー111の反射光を用いて測光センサ144で測光を行うことで、撮影に適切な露出の演算を行うことができる。
一方、EVFモード(第2の光路分割状態)では、撮影光束の一部がハーフミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれるとともに、残りの光束がハーフミラー111を透過して撮像素子106に到達するため、ファインダ光学系(測光センサ144)には撮影光束が導かれない。このため、ファインダ光学系に設けられた測光センサ144を用いて測光を行うことはできない。したがって、本実施例では、ハーフミラー111の透過光を受光する撮像素子106の出力信号から得られる輝度信号Yを用いて測光を行う。これにより、EVFモードにおいても、撮影に適切な露出の演算を行うことができる。
そして、ステップS110又はステップS111での測光結果を用いて、後述するステップS115における撮像動作を行う際の露出値(シャッタ速度および絞り値)を決定する。
ステップS112では、レリーズボタン120の全押し操作によりSW2がオンであるか否かを判別する。ここで、SW2がオンでない場合にはS104に戻り、再びファインダモード(OVFモード・EVFモード)の判別を行う。一方、SW2がオンである場合には、ステップS113に進む。
ステップS113では、ファインダ光学系内に設けられたアイピースシャッタ163を閉じ状態とさせる。ここで、ステップS119で予めアイピースシャッタ163が閉じ状態となっているときには、本ステップでの動作は行わない。
ステップS114において、カメラシステム制御回路135は、ミラー駆動機構150にミラー駆動開始信号を送り、ハーフミラー111とサブミラー122の位置を変化させて第3の光路分割状態(図5)にセットする。第3の光路分割状態では、ハーフミラー111とサブミラー122が撮影光路から退避するため、撮影光学系103からの光束をダイレクトに撮像素子106に到達させることができる。
ステップS115では、カメラシステム制御回路135は、レンズシステム制御回路141を介してレンズ装置102内に設けられた絞り(不図示)の駆動を制御するとともに、必要に応じてフォーカルプレンシャッタ113の駆動を制御する。これにより、適切な光量の物体光を、撮影光学系103を介して撮像素子106の撮像面に結像させる。このときの露光量は、ステップS110又はステップS111で得られた測光結果に基づいて決定された露出量となる。
また、カメラシステム制御回路135は、撮像素子駆動回路137に撮像開始信号を送り、撮像素子106での撮像動作(電荷蓄積および蓄積された電荷の読み出し)を行わせる。
ステップS116では、撮像素子106から読み出された画像信号が、A/D変換器130を介してRGB画像処理回路131に送られ、ホワイトバランス処理、ガンマ補正、補間演算処理が施される。また、YC処理回路132でYC処理が施されて画像処理が完了する。第3の光路分割状態での撮影においては、撮影レンズ103aからの光束が直接撮像素子106に到達するため、高精彩な画像の取り込みが可能となる。
ステップS117では、画像処理後の画像データを記録処理回路133に送り、所定の圧縮形式にて圧縮してから記録媒体(カメラ本体101に内蔵されていたり、カメラ本体101に着脱可能に装着されていたりする)に記録する。
ステップS118では、画像処理後の画像データを再生処理回路134にも送り、ディスプレイ107において撮像した画像データを表示(プレビュー表示)させる。プレビュー表示後は、ファインダモード切り換えサブルーチン(S200)に戻り、ファインダモード切換スイッチ123の操作状態に応じた光路分割状態に設定する。
本実施例では、上述したように、OVFモードおよびEVFモードのいずれにおいても測光動作を行うことができるとともに、撮影動作を行うときにファインダ逆入射光がカメラ本体101内に入り込むのを阻止することができる。
次に、ファインダモード切り換えサブルーチン(S200)について、図9を用いて説明する。
ステップS201において、カメラシステム制御回路135は、操作検出回路136からの出力に基づいてファインダモード切換スイッチ123の状態を判別する。ここで、EVFモードに設定されている場合にはステップS202に進み、OVFモードに設定されている場合にはステップS220に進む。
ここで、ステップS202以降の処理は、OVFモードからEVFモードに切り換えるときの処理を示し、ステップS220以降の処理は、EVFモードからOVFモードに切り換えるときの処理を示している。
ステップS202では、ファインダ光学系に設けられたアイピースシャッタ163を閉じ状態とする。ステップS203では、情報表示回路142の駆動を制御することによって光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を停止させる。これにより、ファインダ視野内での情報表示については非表示状態となる。ここで、アイピースシャッタ163はステップS202での処理によってすでに閉じ状態となっているため、ファインダ視野内に特定の情報を表示させても、該情報を撮影者は見ることができない。したがって、光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を停止させることで、カメラシステム内での不要な電力消費を抑制し、電池の消耗を遅らせることができる。
ステップS204では、ハーフミラー111を第2の光路分割状態へ移動させるために、まず、サブミラー122をミラーボックスの下部まで移動させて撮影光路から退避させる。
ステップS205では、ミラー駆動機構150の駆動を制御することによって、ミラーストッパ160、161をハーフミラー111の移動領域から退避させる。ミラーストッパ160、161を退避させた後、ステップS206でハーフミラー駆動レバー170を図3中反時計方向に回転させると、ハーフミラー111は、不図示のバネの付勢力(矢印Aに示す力)を受けることで、図2に示す状態を経て第2の光路分割状態(図1)まで駆動される。
この結果、撮影レンズ103aから射出された光束のうち一部の光束は、ハーフミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれ、残りの光束はハーフミラー111を透過して像面側に進む。
第2の光路分割状態(図1)では、ピン173とハーフミラー駆動レバー170の第1のカム面170bとの間および、ピン174とハーフミラー駆動レバー170の第2のカム面170cとの間には若干の隙間が生じており、ハーフミラー111はミラーストッパ175とミラーストッパ176に当接して位置決めされる。
第2の光路分割状態におけるハーフミラー111の反射面の位置は、第1の光路分割状態におけるサブミラー122の反射面の位置と略等しくなっている。このように構成することによって、第1の光路分割状態と第2の光路分割状態とで、焦点検出ユニット121に入射する光束の位置がずれるのを抑制することができる。
第2の光路分割状態では、撮影レンズ103aからの光束がハーフミラー111を透過して撮像素子106に到達するため、ハーフミラー111を透過した光束が撮像素子106上で形成する物体像のピント位置は、ハーフミラー111を透過しないで撮像素子106に到達する場合に比べて若干ずれる。
このため、ステップS207では、上述したピント位置のずれを補正するためにピント補正モードを起動する。
本実施例において、焦点検出ユニット121から出力される焦点検出信号は、第3の光路分割状態において撮影レンズ103aからの光束が撮像素子106に直接到達したときのピント状態を示すようになっている。これに対して、第2の光路分割状態においてピント補正モードが設定されているときには、撮影レンズ103aからの光束がハーフミラー111を透過して撮像素子106に到達したときのピント状態を示すように、上記焦点検出信号を補正している。このため、第2の光路分割状態における撮影光学系103内のフォーカスレンズの合焦位置は、第1および第3の光路分割状態での合焦位置に対して焦点検出信号を補正した分だけずれることになる。
したがって、EVFモードにおいてSW2をオンにして撮影動作を行う場合、すなわち、光路分割系を第2の光路分割状態から第3の光路分割状態に切り換える場合には、フォーカルプレンシャッタ113の先幕駆動機構のチャージとともに、フォーカスレンズの位置を上述したずれの分だけ補正する。すなわち、フォーカスレンズを、第2の光路分割状態での合焦位置から第3の光路分割状態での合焦位置に移動させる。この後、フォーカルプレンシャッタ113を所定時間だけ開き状態とすることで、撮像素子106による撮像動作を行う。
上述したように構成することで、EVFモード(第2の光路分割状態)においてはディスプレイユニット107でピントのあった画像を確認することができ、第3の光路分割状態で撮影を行ったときにもピントのあった撮影画像を得ることができる。
ステップS208では、フォーカルプレンシャッタ113の先幕だけを走行させてバルブ露光状態にすることで、撮影光学系103を通過した物体光を連続的に撮像素子106に到達させ、ディスプレイユニット107上で画像を表示させるための撮像が可能な状態とする。
ステップS209では、ディスプレイユニット107の電源を投入する。ステップS210では、撮影光学系103によって形成された物体像に対して撮像素子106による撮像動作を連続的に行い、撮像素子106から読み出されて画像処理された画像データをディスプレイユニット107上でリアルタイム表示させる。そして、OVFモードからEVFモードへの切り換え動作を終了する。
ここで、EVFモードである第2の光路分割状態では、撮影レンズ103aからの光束がハーフミラー111で屈折してから撮像素子106に到達する。このため、図12に示すように、第2の光路分割状態における撮像素子106の受光領域190が、第3の光路分割状態における撮像素子106の受光領域191に対して撮像素子106の上下方向(図1の上下方向)で僅かにずれてしまうことがある。すなわち、第2の光路分割状態においてディスプレイユニット107でリアルタイム表示される画像が、第3の光路分割状態で撮影された画像と一致せずにずれてしまうことがある。
ここで、領域190のうち領域191と重ならない領域190aは、ディスプレイユニット107上でリアルタイム表示されるものの、第3の光路分割状態での撮影によって得られた画像には含まれない領域となる。
本実施例のカメラでは、図13に示すように、ディスプレイユニット107上でリアルタイム表示される画像領域のうち領域190aに相当する領域192をブラックアウトさせて、領域190全体を表示させないようにしている。この処理は、再生処理回路134において行われる。
これにより、実際に撮影された画像の中に、ディスプレイユニット107でリアルタイム表示された画像が含まれていないといった不具合を避けることができる。
次に、図9のステップS201において、OVFモードが設定されていると判断された場合について説明する。すなわち、カメラをEVFモードからOVFモードに切り換える際の動作について説明する。
ステップS220では、ディスプレイユニット107の駆動を停止させるとともに、撮像素子106による撮像動作を停止させる。
ステップS221では、フォーカルプレンシャッタ113の後幕を走行させてシャッタを閉じ状態とし、撮影に備えて先幕および後幕の駆動機構をチャージする。ステップS222では、後のステップで行われるハーフミラー111の移動を可能にするために、ミラーストッパ160、161をハーフミラー111の移動領域から退避させる。
ステップS223では、ハーフミラー駆動レバー170を図1中時計回りに回転させて、ハーフミラー111だけを図2の状態→図3の状態→図4の状態→図5の状態の順に移動させる。このとき、ハーフミラー111は、第1の光路分割状態(図3)を経て、第3の光路分割状態(図5)となる。
ステップS224では、ミラーストッパ160、161をハーフミラー111の移動領域内に進入させ、ハーフミラー111を位置決めするための所定位置まで移動させる。
上述したように、ミラーストッパ160、161をハーフミラー111の移動領域から退避させてからハーフミラー111を第3の光路分割状態まで移動させ、その後ミラーストッパ160、161をハーフミラー111の移動領域内に進入させているため、ハーフミラー111が移動する際にミラーストッパ160、161と衝突することはない。これにより、OVFモードからEVFモードに切り換える際の機構的信頼性を高くできる。
ステップS225では、ハーフミラー駆動レバー170を図5中反時計回りに回転させて、ハーフミラー111を第3の光路分割状態(図5の状態)から図4の状態を経て、第1の光路分割状態(図3の状態)に移動させる。ここで、ハーフミラー111は、ミラー駆動機構150内の不図示のバネの付勢力(図3の矢印Aに示す力)を受けることにより、ミラーストッパ160、161に当接した状態となる。
ステップS226では、ファインダ光学系内に設けられたアイピースシャッタ163を開き状態とする。
ステップS227において、カメラシステム制御回路135は、カメラシステム内に設けられたAF/MF切換スイッチ(不図示)の操作状態に基づいて、マニュアルフォーカスモードに設定されているか否かを判別する。ここで、マニュアルフォーカスモードに設定されていればステップS205に移行し、マニュアルフォーカスモードに設定されておらず、オートフォーカスモードに設定されていればステップS228に進む。
マニュアルフォーカスモードに設定されている場合には、焦点検出ユニット121を動作させる必要がなく、また、OVFを用いるよりもEVFを用いる方が背景(被写体像)のボケ具合を正確に把握することができる。このため、マニュアルフォーカスモードに設定されているときには、ディスプレイユニット107でのリアルタイム表示を行うために、ステップS205に進む。
ここで、ステップS205に進む場合、アイピースシャッタ163を閉じ状態にさせる。これにより、マニュアルフォーカスモードの場合にEVFを用いた被写体観察を優先させることができるとともに、ファインダ光学系からの逆入射光がリアルタイム表示される画像に悪影響を与えるのを抑制することができる。
ステップS228では、サブミラー122を撮影光路内に進入させて、ハーフミラー111を透過した物体光を焦点検出ユニット121に導く所定の位置にセットする。ここで、ステップS220からステップS227までの処理を行う間、サブミラー122は第2の光路分割状態(図1)での位置、すなわち撮影光路から退避した位置にあり、ステップS228に進んだときに動作することになる。
ステップS229において、カメラシステム制御回路135は光学ファインダ内情報表示ユニット180を駆動させて、ファインダ内情報表示を点灯させる。そして、EVFモードからOVFモードへの切り換え動作を終了する。
本実施例では、撮像画像をディスプレイユニット107で表示させる場合、すなわちEVFモードの場合には、ハーフミラー111およびサブミラー122を有する光路分割系が第2の光路分割状態(図1)となっており、撮影レンズ103aからの光束を焦点検出ユニット121に導いている。これにより、EVFモードのときにも、焦点検出ユニット121での位相差検出方式による焦点検出に基づいて、高速な焦点調節動作を行わせることができる。
次に、焦点検出ユニット121における焦点検出のための信号処理について説明する。
撮影レンズ103aから射出した光束(物体光)は、第2の光路分割状態ではハーフミラー111で反射し、第1の光路分割状態ではサブミラー122で反射した後、ミラーボックスの下部に設けられたコンデンサーレンズ164に入射する。そして、コンデンサーレンズ164に入射した光束は、反射ミラー165で偏向し、再結像レンズ166の作用によって焦点検出センサ167上に物体の2次像を形成する。
焦点検出センサ167には少なくとも2つの画素列が備えられている。2つの画素列それぞれから出力される信号波形を比較すると、撮影光学系103によって形成された物体像の焦点検出領域上での結像状態に応じて、相対的に横シフトした状態が観測される。上記結像状態が前ピンか後ピンかで、出力信号波形のシフト方向が逆になり、相関演算などの手法を用いてシフト方向およびシフト量(位相差)を検出するのが焦点検出の原理である。
図10と図11は、AF制御回路140に入力された焦点検出センサ167の出力信号波形を表す図である。横軸は画素の並びを示し、縦軸は焦点検出センサ167の出力値を示している。図10では、物体像にピントが合っていない状態での出力信号波形を示し、図11では、物体像にピントが合った状態での出力信号波形を示している。
一般に、焦点検出に用いられる光束は絞り開放状態での結像光束と同じではなく、結像光束の一部となっている。すなわち、焦点検出を行う場合には、暗いFナンバーの光束が用いられる。また、カメラ内の機構の誤差を考慮すると、撮像素子106の位置と焦点検出センサ167の位置が厳密な意味で光学的に共役とはいえない。
このため、物体像にピントが合った状態であっても、図11に示すように2つの出力信号波形の間には、僅かの初期位相差Δが残る。該初期位相差Δは、上述したピント補正モード(図9のステップS207参照)において焦点検出信号に対する補正で用いられるものとは異なるものである。
ここで、2つの像の相関演算で検出された位相差から初期位相差Δを差し引けば真の位相差を知ることができるため、初期位相差Δの存在自体は通常問題とならない。
本実施例では、上述したように焦点検出に用いられる光束が、第1の光路分割状態においてサブミラー122から導かれる場合と、第2の光路分割状態においてハーフミラー111から導かれる場合とがある。この場合、第1の光路分割状態(図3)でのサブミラー122の反射面位置と、第2の光路分割状態(図1)でのハーフミラー111の反射面位置が、機構精度上完全には一致せず、光路分割状態に応じて初期位相差Δの値が異なってしまう。このため、相関演算で検出された位相差から一定の初期位相差Δを差し引いただけでは、第1および第2の光路分割状態での真の位相差を知ることができない。
通常の部品加工精度では、2つの反射面位置が、該反射面の垂直方向に略30μm程度ずれる可能性がある。ここで、反射面位置のずれをメカ的に小さくしようとすると、部品加工のためのコストが極めて高くなってしまう。
そこで、本実施例では、第1の光路分割状態と第2の光路分割状態で初期位相差Δをそれぞれ設定し、光路分割状態に応じた初期位相差Δを用いることにより、焦点検出センサ167の出力信号に対して補正を行うようにしている。これにより、光路分割状態に応じた真の位相差を知ることができ、該位相差に基づいて精度の良い焦点検出を行うことができる。
このように、初期位相差を考慮に入れて一組の信号の同一性を判定することで撮影光学系が合焦状態にあるか否かを判別できる。また、相関演算を用いた公知の手法、例えば特公平5−88445号公報に開示されている手法を用いて位相差を検出することにより、デフォーカス量を求めることができる。そして、得られたデフォーカス量を撮影光学系103のフォーカシングレンズの駆動量に換算し、該駆動量の分だけフォーカシングレンズを駆動させれば撮影光学系の焦点調節を自動で行うことができる。
位相差検出方式では、フォーカシングレンズの駆動量があらかじめ分かるので、通常、合焦位置までのレンズ駆動はほぼ一回で済み、極めて高速な焦点調節が可能である。
本実施例によれば、第1および第2の光路分割状態に応じて撮像素子106の出力を用いたり、測光センサ144の出力を用いたりして測光を行っているため、光路分割系が第1および第2の光路分割状態のうちいずれの状態にあるかに拘わらず測光を行うことができる。
また、ファインダ光学系を用いて物体像を観察する場合(OVFモードの場合)に加えて、ディスプレイユニット107で物体像をリアルタイム表示させる場合(EVFモードの場合)にも、焦点検出ユニット121において位相差検出方式による焦点検出を行うことができ、撮影光学系の焦点調節動作を高速で行うことができる。また、第2の光路分割状態(図1)で連続撮影や動画撮影を行うようにすれば、これらの撮影においても高速な焦点調節動作を行うことができる。さらに、従来のように2つの焦点検出ユニットを設ける必要はないため、コストアップとなることもない。
本実施例において、第2の光路分割状態(図1)では、撮影レンズ103aからの光束を焦点検出ユニット121に導き、焦点検出ユニット121において位相差検出方式による焦点検出を行わせているが、該光路分割状態では撮像素子106にも撮影レンズ103aからの光束が到達するため、撮像素子106の出力に基づいてコントラスト検出方式による焦点調節を合わせて行うようにしてもよい。すなわち、位相差検出方式による焦点検出結果に基づいてフォーカスレンズを駆動させた後に、コントラスト検出方式による焦点調節を行うことで、フォーカスレンズを合焦位置まで精度良く移動させることができる。
ここで、コントラスト検出方式による焦点調節とは、撮像光学系103によって形成された物体像の鮮鋭度を、撮像素子106の出力に対して所定の関数で評価することによって求め、関数値が極値をとるようにフォーカスレンズの光軸上の位置を調節するものである。
評価関数としては、隣接する輝度信号の差の絶対値を焦点検出領域内で加算するものや、隣接する輝度信号の差の2乗を焦点検出領域内で加算するもの、あるいはR、G、Bの各画像信号のうち隣接する信号の差に対して上記と同様に処理するもの等がある。
一方、EVFモード(第2の光路分割状態)では、アイピースシャッタ163を閉じ状態とさせているため、ファインダ逆入射光がカメラ本体101内に入り込むのを阻止することができる。また、リモート撮影やセルフタイマ撮影を行うときにアイピースシャッタ163を閉じ状態とさせることにより、ファインダ光学系の接眼部からカメラ本体101内にファインダ逆入射光が入り込むのを阻止することができる。
これにより、ファインダ逆入射光が焦点検出ユニット121や測光センサ144に到達することがなくなり、焦点検出精度および測光精度を向上させることができる。
第2の光路分割状態にあるカメラの断面図。 第1の光路分割状態から第2の光路分割状態に切り換わる途中のカメラの断面図。 第1の光路分割状態にあるカメラの断面図。 第1の光路分割状態から第3の光路分割状態に切り換わる途中のカメラの断面図。 第3の光路分割状態にあるカメラの断面図。 実施例1のカメラシステムの構成を示す概略図。 実施例1のカメラシステムの回路構成を示すブロック図。 実施例1のカメラの撮影動作を示すフローチャート。 モード切り換えサブルーチンの動作を示すフローチャート。 撮影光学系が合焦状態にないときの焦点検出センサの出力信号波形を表す図。 撮影光学系が合焦状態にあるときの焦点検出センサの出力信号波形を表す図。 ディスプレイユニットに出力可能な画像範囲と撮像範囲との関係を表す図。 ディスプレイユニットに出力可能な画像範囲と撮像範囲との関係を表す図。
符号の説明
103・・・撮影光学系
105・・・フォーカシングスクリーン
106・・・撮像素子
107・・・ディスプレイユニット
109・・・ファインダレンズ
111・・・ハーフミラー
121・・・焦点検出ユニット
122・・・サブミラー
123・・・モード切換スイッチ
135・・・カメラシステム制御回路
144・・・測光センサ
145・・・測光レンズ

Claims (7)

  1. 撮影レンズからの光束により形成された被写体像を光電変換する撮像素子と、
    前記光束により光学的に被写体像の観察を可能とするファインダ光学系と、
    前記光束の光路内に配置されて前記光束を前記ファインダ光学系に向けて反射する第1の状態と、前記光路内に配置されて前記光束を前記撮像素子に向けて透過させる第2の状態とに切り換え駆動されるミラーユニットと、
    前記ミラーユニットからの反射光束を用いて測光を行うための測光手段と、
    前記ミラーユニットが前記第1の状態にあるときは前記測光手段からの出力信号を用いて測光を行い、前記第2の状態にあるときは前記撮像素子からの出力信号を用いて測光を行う制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第1および第2の状態の切り換えを指示する操作手段を有し、
    前記制御手段は、該操作手段からの信号に基づいて前記ミラーユニットを駆動するとともに、前記測光手段からの出力信号を用いて測光を行うか前記撮像素子からの出力信号を用いて測光を行うかを決定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記ファインダ光学系の光路を開閉するファインダシャッタと、
    前記ファインダシャッタを開閉駆動する駆動手段とを有し、
    前記制御手段は、前記ミラーユニットを前記第2の状態に駆動するときに、前記ファインダシャッタが閉じるように前記駆動手段を駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記光束を用いて前記撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段を有し、
    前記第1の状態は、前記光束を前記ファインダ光学系および前記焦点検出手段に向けて反射する状態であり、前記第2の状態は、前記光束を前記撮像素子に向けて透過させるとともに前記焦点検出手段に向けて反射する状態であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の撮像装置。
  5. 前記ミラーユニットは、前記光束の一部を反射し、残りを透過させる第1のミラー部材と、該第1のミラー部材を透過した光束を反射する第2のミラー部材とにより構成されており、
    前記第1の状態では前記第1および第2のミラー部材が前記光路内に配置され、前記第2の状態では前記第1のミラー部材が前記光路内に配置されるとともに前記第2のミラー部材が前記光路から退避し、
    画像記録動作時には前記第1および第2のミラー部材が前記光路から退避することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像装置は、リモート撮影モードおよびセルフタイマ撮影モードを含む複数の撮影モードの設定が可能なモード設定手段とを有し、前記制御手段は、前記リモート撮影モードおよび前記セルフタイマ撮影モードのうち少なくとも一方が設定されることに応じて、前記ファインダシャッタを閉じることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の撮像装置と、
    該撮像装置に装着される撮影レンズとを有することを特徴とする撮影システム。
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