JP4342743B2 - 線形増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レベルが広範に変化する無線周波信号の電力をフィードフォワード法に基づいて増幅する線形増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDMA(Code Division Multiple Access)は、秘匿性に富み、かつ無線伝送路における周波数選択性フェージングその他の干渉・妨害の影響を受け難い特性を有し、かつ固有の遠近問題の解決に必須の送信電力制御を実現する技術が確立したために、近年、多くの移動通信システムに適用されつつある。
また、このような移動通信システムの無線ゾーンは、冗長に構成された電力増幅器と指向性アンテナとを介して下記の点で有利な複数のセクタゾーンとして形成されている。
【0003】
・アンテナの指向性に基づく同一チャネルの干渉の軽減と無線周波数の利用効率の向上とが可能である。
・オムニゾーンに比べて単位周波数当たりの同時通話者数(加入者数)が高い。
・セクタ毎のチャネル制御(送信電力制御を含む。)が可能である。
【0004】
さらに、上述した電力増幅器には、フィードフォワード法も多く適用されている。
図16は、フィードフォワード法が適用された電力増幅器の構成例を示す図である。
図において、可変減衰器41の入力には電力増幅の対象である入力信号(以下、「主信号」という。)が与えられ、その可変減衰器の出力は可変減衰器42と遅延部43との入力に接続される。可変減衰器42の出力は可変移相器44を介して主増幅器45の入力に接続され、その主増幅器45の出力は減衰器46の入力に接続される。遅延部43および減衰器46の出力は可変減衰器47の入力に接続され、その可変減衰器47の出力は可変移相器48、補助増幅器49および検波器50を介して、主増幅器45の出力と共に、パイロット信号検出部51の入力に接続される。可変減衰器42の入力にはパイロット信号生成部52の出力が可変減衰器53を介して接続され、これらのパイロット信号生成部52および可変減衰器53の制御入力に併せて、上述した可変減衰器41、42、47および可変移相器44、48の制御入力には制御部54の対応する出力ポートが接続される。検波器50およびパイロット信号検出部51のモニタ出力は制御部54の対応する入力ポートに接続され、そのパイロット信号検出部51の出力には送信波として送信されるべき主信号が得られる。
【0005】
なお、以下では、可変減衰器41の出力と可変減衰器47の入力との間に形成される環状の回路を「誤差検出ループ」(主信号キャンセルループ)と称し、かつ主増幅器45の出力とパイロット信号検出部51の入力との間に形成される環状の回路を「誤差除去ループ」(歪みキャンセルループ)と称する。
以下、このような構成の電力増幅器の定常状態における動作を説明する。
【0006】
可変減衰器41は、チャネル制御(送信電力制御が含まれてもよい。)の下で決定された減衰度が制御部54によって与えられ、所望の送信電力が達成されるレベルの主信号を可変減衰器42と遅延部43とに与える。
パイロット信号生成部52は、主信号の占有帯域外の既知の周波数の正弦波信号(以下、「パイロット信号」という。)を定常的に生成し、かつ減衰度が制御部54によって設定された可変減衰器53を介して可変減衰器42の入力にこのパイロット信号を所定のレベルで与える。
【0007】
主増幅器45は、可変減衰器42および可変移相器43を介して与えられるこれらの主信号とパイロット信号とを増幅することによって得られた信号(以下、「暫定出力信号」という。)を減衰器46に与える。この減衰器46は、縦属接続された可変減衰器42、可変減衰器44および主増幅器45の総合的な利得の公称値の逆数に等しい減衰度を有し、その可変減衰器42に入力された主信号とパイロット信号との和に相当する信号(以下、「換算入力信号」という。)を生成する。
【0008】
遅延部43の遅延時間は、縦属接続された可変減衰器42、可変移相器44、主増幅器45および減衰器46の総合的な伝搬遅延時間の公称値と、主信号の周期の半分に相当する時間との和(差)に等しい値に予め設定される。
さらに、遅延部43は、可変減衰器41によって出力された主信号をこのような遅延時間に亘って遅延させることによって、減衰器46の出力に得られる換算入力信号より位相が180度に亘って進んだ(遅れた)信号(以下、「主信号相殺信号」という。)を出力する。
【0009】
可変減衰器47、可変移相器48、補助増幅器49および検波部50は、制御部54の主導の下で上述した換算入力信号と主信号相殺信号との瞬時値の和の列として与えられる信号のレベルと位相とを変更することによって、「歪み相殺信号」を生成する。
また、検波器50は、このような歪み相殺信号に含まれる主信号の成分を抽出し、かつ検波することによってその主信号の成分のレベルを検出する。
【0010】
さらに、パイロット信号検出部51は、上述した暫定出力信号と歪み相殺信号との和として与えられる信号を出力し、その信号に含まれる既述のパイロット信号の成分のレベルを検出する。
ところで、制御部54は、始動時には、可変減衰器53に既述の減衰量を設定することによって可変減衰器42に与えられるパイロット信号のレベルを設定(図17(1))、かつ図示されない電源制御部を介して主増幅器45に駆動電力を供給する(図17(2))。
【0011】
さらに、制御部54は、可変減衰器42、47の減衰量ATTed、ATTesと、可変移相器44、48の移相量Φed、Φesとを規定の初期値(ここでは、簡単のため、減衰量・移相量が中間値となるディジタル値(正の純二進数)Xと仮定する。)に設定する(図17(3))処理(以下、「初期化処理」という。)を行う。
【0012】
また、この初期化処理を完了した後には、制御部54は、パイロット信号検出部51によって検出されたパイロット信号のレベルを最小とする適応アルゴリズムに基づいて、可変減衰器47の減衰量ATTesと可変移相器48の移相量Φesとを所定の頻度で更新する(図17(4))。なお、以下では、このようにして可変減衰器47の減衰量ATTesと可変移相器48の移相量Φesとが更新される処理については、単に「歪み相殺処理」という。
【0013】
さらに、制御部54は、この歪み相殺処理を完了ときには、パイロット信号検出部51の一部として備えられた主信号検出部(図示されない。)によって検出された主信号のレベルが所定の下限値を上回るか否かの判別を行い(図17(5))、その判別の結果が偽である限り、後述する「主信号相殺処理」を行うことなく、上述した歪み相殺処理を反復する。
【0014】
しかし、この判別の結果が真である場合には、制御部54は、上述した歪み相殺処理に併せて、検波器50によって検出された主信号のレベルを最小とする適応アルゴリズムに基づいて、可変減衰器42の減衰量ATTedと可変移相器44の移相量Φedとを更新する処理(以下、「主信号相殺処理」という。)を行う(図17(6))。
【0015】
すなわち、換算入力信号と主信号相殺信号とに含まれる主信号の成分は振幅が等しく、かつ位相が互いに180度異なる状態に維持されるので、可変減衰器47には、この換算入力信号に含まれる下記の成分が与えられる。
・パイロット信号の成分
・主信号に応じて主増幅器45で発生した歪みの成分
さらに、暫定出力信号と既述の歪み相殺信号とに含まれる下記の成分は、振幅が等しく、かつ位相が違いに180度異なる状態に維持されるので、パイロット信号検出部51の入力には、主増幅器45で生じた歪みの成分が抑圧された主信号が与えられる。
【0016】
・パイロット信号の成分
・主信号に応じて主増幅器45で発生した歪みの成分
したがって、制御部54によって可変減衰器41に設定される減衰量が広範に変化する場合であっても、その減衰量に整合した所望のレベルの主信号がスプリアスを伴うことなく送信波として得られる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来例では、電力増幅器の回路の構成に応じた振幅特性および位相特性は、その電力増幅器が実際に作動する条件(信号の電力や環境)によって変化する可能性があり、かつ製造時に可変減衰器42、47の減衰量と、可変移相器44,48の移相量との中心値が最適値となるように予め調整された場合であっても、実際の運用の段階でこれらの振幅特性および位相特性にズレが生じる可能性がある。
【0018】
このようなズレによる制御異常を回避するために、従来例では、初期摂動として、時間をかけて可変減衰器53、41の減衰量を可変することによって、パイロットや主信号のレベルを加減しながら最適な値になるように制御して立ち上げていた。
この初期摂動時に制御する時間が必要なため、例えば、(n+1)予備方式の冗長構成で、予備に切り替わる時間の高速性が要求される場合に適用できないといった問題が生じていた。
【0019】
また、仮にこのまま高速に増幅器を立ち上げようとすると、可変減衰器・可変移相器の中心値からズレがあった場合に摂動の極小値(最適値ではない途中の極小値)で引っかかり最適値に制御されるまでに時間がかかったり、その極小値で収束してしまう可能性もあり、制御異常で歪み(スプリアス)を発生させてしまうといった問題が生じていた。
【0020】
さらに、パイロット信号生成部52は可変減衰器41の減衰量(入力される主信号のレベル)の如何にかかわらず定常的にパイロット信号を生成するために、主増幅器45に入力される主信号のレベルが主増幅器45によって発生する歪みのレベルが許容される程度に小さい場合であっても、このパイロット信号の成分がスプリアスとして送信され、かつ平均的な消費電力が増加していた。
【0021】
本発明は、適用されたシステムや機器のコストが削減され、かつ性能および信頼性が高く維持される線形増幅器を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明にかかわる第一の線形増幅器の原理ブロック図である。
請求項1に記載の発明では、増幅手段11は、既知の周波数のパイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつフィードフォワード法に基づいて直線性が維持される。モニタ手段14は、増幅手段11に含まれる誤差除去ループ12の出力端で歪みの成分として含まれるパイロット信号の成分を抽出する。制御手段15は、上述した誤差除去ループ12と増幅手段11に含まれる誤差検出ループ13との好適な伝達特性が予め与えられる。さらに、制御手段15には、始動時にこれらの好適な伝達特性を適用し、かつ前記モニタ手段14によって抽出されたパイロット信号のレベルを最小とする適応制御の下でこれらの伝達特性を更新する。
【0023】
すなわち、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12とが始動時に定常状態に移行するために要する時間が短縮される。
したがって、増幅手段11は、始動の直後から確度高く主信号を線形増幅することができる。
さらに、制御手段15Aは、増幅手段11によって出力された主信号のレベルの変化率が所定の閾値を超えたときに、既述の好適な伝達特性を適用し、かつモニタ手段14によって抽出されたパイロット信号のレベルを最小とする適応制御の下でこれらの伝達特性を更新する。
【0024】
すなわち、主信号のレベルが急激に増減した場合であっても、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12とは、その主信号の新たなレベルに適合した定常状態に速やかに移行することができる。
したがって、増幅手段11の直線性は、確度高く、安定に保たれる。
請求項に記載の発明では、制御手段15、15Aは、始動時に、相互相関が小さく、かつ誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との伝達特性を与える複数の項目の個々の初期値を他の項目の値を規定値に固定しつつスキャンすることによって、モニタ手段14によって抽出されるパイロット信号のレベルが最小となる値として求め、これらの初期値の組み合わせを好適な伝達特性として適用する。
【0025】
すなわち、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との伝達特性は、環境条件や各部の特性が広範に変化し得る場合であっても、始動時における実際の特性に整合した値に柔軟に初期化される。
したがって、確度高く始動の高速化が図られ、かつ規定の性能が安定に維持される。
【0026】
図2は、本発明にかかわる第二の線形増幅器の原理ブロック図である。
請求項に記載の発明の下位概念の技術では、パイロット信号重畳手段10は、入力された主信号に既知の周波数のパイロット信号を重畳する。増幅手段11Aは、このようにパイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつ出力端に得られるそのパイロット信号の成分を最小とする適応制御の下でフィードフォワード法に基づいて直線性を維持する。制御手段15Bは、レベル監視手段16Aによって監視された主信号のレベルが規定の下限値を下回る期間に、パイロット信号重畳手段10によって行われるパイロット信号の重畳を規制する。
【0027】
すなわち、増幅手段11Aの特性が線形と見なされる程度に主信号のレベルが小さい場合には、このレベルの識別にかかわる支援が外部の機器によって何ら行われない場合であっても、上述したパイロット信号の生成や重畳に要する電力の消費に併せて、そのパイロット信号がスプリアスとして出力されることが回避される。
【0028】
したがって、ランニングコストに削減と性能の向上とが図られる。
請求項に記載の発明の下位概念の技術では、パイロット信号重畳手段10は、入力された主信号に既知の周波数のパイロット信号を重畳する。増幅手段11Aは、このようにパイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつ出力端に得られるそのパイロット信号の成分を最小とする適応制御の下でフィードフォワード法に基づいて直線性を維持する。
【0029】
また、制御手段15Cは、入力された主信号のレベルが規定の下限値を下回る期間を示す通知に応じてその期間に、パイロット信号重畳手段10によって行われるパイロット信号の重畳を規制する。
すなわち、増幅手段11Aの特性が線形と見なされる程度に主信号のレベルが小さい場合には、このレベルが上述した通知として確実に識別される限り、上述したパイロット信号の生成や重畳に要する電力の消費に併せて、そのパイロット信号がスプリアスとして出力されることが回避される。
【0030】
したがって、ランニングコストに削減と性能の向上とが図られる。
また、制御手段15、15Aは、更新された伝達特性の内、誤差除去ループ12と誤差検出ループ13との好適な伝達特性を記録し、かつ既述の予め与えられた好適な伝達特性として適用する。
【0031】
すなわち、始動時、あるいは主信号のレベルが急激に変化したときに誤差検出ループ13と誤差除去ループ12とに設定されるべき伝達特性は、実際に好適であった伝達特性として与えられる。
したがって、増幅手段11が実際に作動する条件(信号の電力や環境)に応じて生じ得る特性の変動に対する柔軟な適応が可能となり、その増幅手段11の直線性が高く維持される。
【0032】
また、請求項1に記載の発明に関連した第一の発明では、レベル監視手段16は、誤差検出ループ13に入力される主信号と、誤差除去ループ12を介して得られる主信号との双方もしくは何れか一方のレベルを監視する。記憶手段17には、主信号のレベルに応じて誤差検出ループ13と誤差除去ループ12に設定されるべき伝達特性が格納される。制御手段15、15Aは、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との双方もしくは何れか一方の好適な伝達特性として、レベル監視手段16によって監視されたレベルに対応して記憶手段17に格納された伝達特性を適用する。
【0033】
すなわち、始動時、あるいは主信号のレベルが急激に変化したときに誤差検出ループ13と誤差除去ループ12とに設定されるべき伝達特性は、主信号のレベルに応じて増幅手段11の直線性が変化する場合であっても、そのレベルに柔軟に適合した伝達特性として与えられる。
したがって、増幅手段11の特性の変化や偏差に対する柔軟な適応が可能となり、その増幅手段11の直線性が高く維持される。
【0034】
また、請求項1に記載の発明に関連した第二の発明では、制御手段15、15Aは、更新された伝達特性の内、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との好適な伝達特性をレベル監視手段16によって監視されたレベルに対応付けて記憶手段17に格納する。
すなわち、主信号のレベルに応じて増幅手段11の直線性が変化する場合であっても、始動時、あるいは主信号のレベルが急激に変化したときに誤差検出ループ13と誤差除去ループ12とに設定されるべき伝達特性は、実際に好適であった伝達特性として与えられる。
【0035】
したがって、増幅手段11が実際に作動する条件(信号の電力や環境)に応じて生じ得る特性の変動に対する柔軟な適応が可能となり、その増幅手段11の直線性が高く維持される。
また、請求項1に関連した第三の発明では、温度監視手段18は、増幅手段11またはその増幅手段11に熱的に結合する箇所の温度を監視する。記憶手段17Aには、その温度に応じて誤差検出ループ13と誤差除去ループ12に設定されるべき伝達特性が格納される。制御手段15、15Aは、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との双方もしくは何れか一方の好適な伝達特性として、温度監視手段18によって監視された温度に対応して記憶手段17Aに格納された伝達特性を適用する。
【0036】
すなわち、誤差検出ループ13および誤差除去ループ12は、主信号のレベルだけではなく温度に応じて増幅手段11の直線性が変化する場合であっても、その直線性の偏差に適応しつつ定常状態を確度高く、安定に維持することができる。
したがって、増幅手段11の直線性は、環境条件の変化に柔軟に適応しつつ高く保たれる。
【0037】
また、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第一の発明では、制御手段15、15Aは、更新された伝達特性の内、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との好適な伝達特性を温度監視手段18によって監視された温度に対応付けて記憶手段17に格納する。
すなわち、増幅手段11の直線性が温度に応じて変化する場合であっても、始動時、あるいは主信号のレベルが急激に変化したときに誤差検出ループ13と誤差除去ループ12とに設定されるべき伝達特性は、実際に好適であった伝達特性として与えられる。
【0038】
したがって、増幅手段11が実際に作動する条件(信号の電力や環境)に応じて生じ得る特性の変動に対する柔軟な適応が可能となり、その増幅手段11の直線性が高く維持される。
また、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第二の発明では、制御手段15、15Aは、更新されるべき新たな伝達特性の好適な伝達特性に対する偏差が規定の上限値を超えるときに、その新たな伝達特性に代えてこの好適な伝送特性を適用する。
【0039】
すなわち、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12とが制御部15の主導の下で行われる適応制御の下で何らかの原因により定常状態から脱却し、あるいは脱却する可能性がある場合には、これらの誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との伝達特性は速やかに好適な伝達特性に初期化される。
したがって、増幅手段11の直線性は、安定に、かつ高く維持される。
【0040】
また、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第三の発明では、レベル調整手段19は、制御手段15、15Aによって既述の複数の項目の個々の初期値が求められる期間に、主信号のレベルを増幅手段11で発生する歪みが軽減される小さな値に設定する。
すなわち、増幅手段11が過度に非線形な領域で作動することに起因してこれらの初期値の精度が低下することが回避されるので、性能が安定に維持される。
【0041】
また、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第四の発明では、制御手段15、15Aによって複数の項目の個々の初期値が求められる期間に、既述の主信号のレベルが増幅手段11で発生する歪みが軽減される小さな値に設定される。
すなわち、増幅手段11が過度に非線形な領域で作動することに起因してこれらの初期値の精度が低下することが回避されるので、性能が安定に維持される。
【0042】
また、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第五の発明では、補正値記憶手段20には、制御手段15、15Aによって複数の項目の個々の初期値が求められる期間と、その期間の経過後とにそれぞれ増幅手段11が増幅する主信号に伴い得るレベルの差と、これらのレベルの差とこの増幅手段11の特性とに応じて個別に生じる誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との伝達特性の誤差の補正に供される補正値が予め格納される。制御手段15、15Aは、このようなレベルの差の実際の値に対応して補正値記憶手段20に格納された補正値で複数の項目の初期値を補正する。
【0043】
すなわち、制御部15、15Aによって複数の項目の個々の初期値が求められる期間の経過後における主信号のレベルの如何にかかわらず、誤差検出ループ13と誤差除去ループ12との伝達特性の初期値は、確度高く適正な値に設定される。
したがって、多様なレベルダイヤグラムの機器に対する柔軟な適応が可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図3は、本発明の第一ないし第六の実施形態を示す図である。
図において、図16に示す従来例との構成の主な相違点は、制御部54に代えて制御部21が備えられ、その制御部21の入力に出力が接続されたレベル検出部22が可変減衰器41の前段に配置された点にある。
図4は、本発明の第一の実施形態の動作フローチャートである。
【0045】
以下、図3および図4を参照して本発明の第一の実施形態の動作を説明する。本実施形態の特徴は、始動時に制御部21が可変減衰器42、47に減衰量の初期値を設定し、かつこれらの可変減衰器42、47の減衰量の初期値と可変移相器44、48の移相量の初期値とを設定するために行う下記の処理の手順にある。
【0046】
制御部21の主記憶の特定の記憶領域には、図5に示すように、可変減衰器41に入力される主信号がとり得るレベルL(=L1、L2、…)と、これらのレベルL1、L2、…に応じてそれぞれ可変減衰器42、47に設定されるべき好適な減衰量ATTed、ATTesと、可変移相器44、48に設定されるべき好適な移相量Φed、Φesとが予め格納された初期値テーブル21Rが配置される。
【0047】
なお、このような初期値テーブル21Rに格納されるべきレベルL、減衰量ATTed、ATTesおよび移相量Φed、Φesの好適な値については、簡単のため、理論的に、あるいは実測により予め求められ、かつ「0」〜「255」の何れかの整数を示す8ビット長の純二進数として表されると仮定する。
また、始動時には、制御部21は、従来例と同様の手順に基づいてパイロット信号のレベル(可変減衰器53の減衰量)を設定し(図4(1))、かつ主増幅器45に駆動電力を供給する(図4(2))。
【0048】
さらに、制御部21は、下記の通りに従来例と異なる手順に基づいて初期化処理を行う。
・レベル検出部22によって計測され、かつそのレベル検出部22を介して可変減衰器41に入力される主信号のレベルLを取得する(図4(a))。
・初期値テーブル21Rのレコードの内、「レベルL」フィールドの値がこのレベルLに最も近いレコード(以下、「特定のレコード」という。)を特定する(図4(b))。
【0049】
・この特定のレコードに格納された減衰量ATTed、ATTesと移相量Φedesとをそれぞれ可変減衰器42、47と可変移相器44、48とに初期値として設定する。
なお、このような初期化処理が完了した後に行われる「歪み相殺処理」と「主信号相殺処理」との手順については、従来例と同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0050】
すなわち、可変減衰器42、47と可変移相器44、48とには、実際に入力される主信号のレベルに所定の精度で整合し、かつ理論的にあるいは実測に基づいて予め求められた好適な値が減衰量ATTed、ATTesと移相量Φed、Φesとが初期値として設定される。
したがって、本実施形態によれば、誤差検出ループと誤差除去ループとの双方は、上述した主信号のレベルの如何にかかわらず、始動時に速やかに定常状態に移行する。
【0051】
さらに、本実施形態にかかわる線形増幅器は、(n+1)予備方式の待機系として備えられた場合であっても、障害が発生した線形増幅器の代替の線形増幅器として速やかに始動し、既存の完了呼に対するサービスの続行が確度高く実現される。
なお、本実施形態では、初期値テーブル21Rは主信号のレベルLの値に対応した複数のレコードの集合として構成され、かつ個々のレコードには、既述の減衰量ATTed、ATTesと移相量Φed、Φesとの初期値がそれぞれ格納されたフィールドが含まれている。
【0052】
しかし、初期値テーブル21Rは、例えば、下記のように構成されてもよい。
・「レベルL」フィールドを含まない単一のレコードとして構成される。(主信号のレベルの如何にかかわらず、誤差検出ループと誤差除去ループとの双方が定常状態に移行するために要する時間が所望の上限値以下となる場合に整合する。)
・「レベルL」フィールドを含まない。(主信号のレベルLの範囲の内、既述の減衰量ATTed、ATTesと移相量Φed、Φesとの初期値の個々の組み合わせが適用されるべき範囲が既知である場合に整合する。)
・既述の減衰量ATTed、ATTesと移相量Φed、Φesとの一部のみの初期値が予め登録される。
【0053】
また、本実施形態では、レベル検出部22が可変減衰器41の前段に配置されている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、下記の構成の何れかが適用されてもよい。
・レベル検出部22は、図6に示すように、パイロット信号検出部51の後段に備えられ、かつ初期値テーブル21Rの「レベルL」フィールドの値がこのパイロット信号検出部51の出力に得られる主信号のレベルとして登録される。
【0054】
・可変減衰器41の前段に併せて、パイロット信号検出部51の後段にもレベル検出部が備えられ、かつ初期値テーブル21Rの「レベルL」フィールドの値がこれらのレベル検出部の双方によって個別に検出される主信号のレベルの対として登録されることによって、環境条件の変化や経年に応じた特性の変動に対する柔軟な適応が図られる。
【0055】
以下、図3を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。
本実施形態と既述の第一の実施形態との構成の主要な相違点は、制御部21に代えて制御部31が備えられ、その制御部31の主記憶の記憶領域の内、既述の初期値テーブル21Rが配置された記憶領域が不揮発性の記憶領域として形成された点にある。
【0056】
図7は、本発明の第二の実施形態の動作フローチャートである。
以下、図3および図7を参照して本発明の第二の実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、制御部31が始動時に既述の初期化処理を完了した後に行う下記の処理の手順にある。
なお、制御部31によって行われる処理については、下記の処理が併せて行われる点を除いて、既述の第一の実施形態において制御部21によって行われる処理と同じである。
【0057】
制御部31は、初期化処理(図7(1))を完了した後には、可変減衰器42の減衰量ATTedと可変移相器44の移相量Φedとの双方もしくは何れか一方の値の変化率が所定の上限値を超えるか否かを判別する(図7(2))。制御部31は、その判別(以下、「第一の判別」という。)の結果が偽である場合には、初期値テーブル21Rのレコードの内、「レベルL」フィールドの値がその時点でレベル検出部22によって検出されたレベルに最も近い特定のレコードを特定し、この特定のレコードの対応するフィールドにこれらの減衰量ATTedと移相量Φedとの双方もしくは何れか一方の最新の値を格納する。なお、以下では、このような処理を単に「歪み検出適正化処理」(図7(3))という。
【0058】
さらに、制御部31は、可変減衰器47の減衰量ATTesと可変移相器48の移相量Φesとの双方もしくは何れか一方の値の変化率が所定の上限値を超えるか否かを判別する(図7(4))。制御部31は、その判別(以下、「第二の判別」という。)の結果が偽である 場合には、初期値テーブル21Rのレコードの内、「レベルL」フィールドの値がその時点でレベル検出部22によって検出されたレベルに最も近い特定のレコードを特定し、この特定のレコードの対応するフィールドにこれらの減衰量ATTesと移相量Φesとの双方もしくは何れか一方の最新の値を格納する。なお、以下では、このような処理を単に「歪み除去適正化処理」(図7(5))という。
【0059】
また、制御部31は、上述した第一の判別の結果と第二の判別の結果との何れか一方が真である場合には、上述した「歪み検出適正化処理」と「歪み除去適正化処理」との双方を行うことなく、下記の処理(以下、「急速引き込み処理」という。)を行う(図7(6))。
・初期値テーブル21Rのレコードの内、「レベルL」フィールドの値がその時点でレベル検出部22によって検出されたレベルに最も近い特定のレコードを特定する。
【0060】
・可変減衰器42、47と可変移相器44、48とに、この特定のレコードの対応するフィールドに格納された減衰量ATTed、ATTesと移相量Φed、Φesとをそれぞれ設定する。
すなわち、初期値テーブル21Rの各フィールドの値は誤差検出ループや誤差除去ループの状態が実際に定常状態に保たれる好適な値に適宜更新され、このような好適な値に設定された減衰量や移相量は、始動時に併せて、定常的な稼働の過程で生じた急激な状態の変化に際して速やかに適用される。
【0061】
したがって、本実施形態によれば、温度、電源電圧その他の環境条件や経年に応じた特性の変動に対する柔軟な適応と性能の安定化とが図られる。
なお、本実施形態では、可変減衰器41の前段とパイロット信号検出部51の後段との双方もしくは何れか一方にレベル検出部が備えられている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、下記の構成が適用されることによって、主増幅器45によって発生した歪みの検出と除去とが精度よく行われてもよい。
【0062】
・図8に示すように、制御部31の対応する入力ポートに出力が接続された温度検出部32が主増幅器45に熱的に結合する所定の箇所に備えられる。
・制御部31は、図9に示すように、初期値テーブル21Rに代わる初期値テーブル31Rの各レコードに付加され、かつ温度検出部32によって検出されるべき温度が格納された「温度T」フィールドの値を既述の特定のレコードの選定の基準として参照する。
【0063】
以下、本発明の第三の実施形態について説明する。
本実施形態と、上述した第二の実施形態との構成の主な相違点は、制御部31に代えて制御部31Aが備えられた点にある。
図10は、本発明の第三の実施形態の動作フローチャートである。
図11は、本発明の第三の実施形態の動作を説明する図(1) である。
【0064】
図12は、本発明の第三の実施形態の動作を説明する図(2) である。
以下、図3、図10〜図12を参照して本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、既述の初期化処理が完了した後に制御部31Aによって定常的に行われる下記の処理の手順にある。
制御部31Aは、初期値テーブル21R(31R)のレコードの内、既述の特定のレコードを逐次識別し、かつ所定の適応制御に基づいて可変減衰器42、47と可変移相器44、48とにそれぞれ設定されるべき新たな減衰量atted、attesと移相量φed、φesとを求める度に、下記の処理を行う。
【0065】
・これらの減衰量atted、attesおよび移相量φed、φesと、上述した特定のレコードの対応するフィールドに格納されている減衰量ATTed、ATTesおよび移相量Φed、Φesとに対して下式で示される偏差δaed、δφed 、δes、δφesがそれぞれ規定の上限値th1、th2、th3、th4(ここでは、簡単のため、何れも正数であると仮定する。)以下であるか否かの判別を行う(図10(1) )。
【0066】
δaed=|atted−ATTed
δφed=|atted−ATTed
δaes=|φes−Φes
δφes=|φes−Φes
・この判別の結果が偽である場合に限って、上述した新たな減衰量atted、attesと移相量φed、φesに代えて、上述した特定のレコードの対応するフィールドに格納されている減衰量ATTed、ATTesおよび移相量Φed、Φesをそれぞれ可変減衰器42、47および可変移相器44、48に設定する(図10(2))。
【0067】
すなわち、適応制御の下で可変減衰器42、47および可変移相器44、48にそれぞれ設定されるべき減衰量atted、attesおよび移相量φed、φesの組み合わせは、初期値テーブル21R(31R)に予め格納された好適な値の組み合わせに対する偏差δaed、δφed 、δaes、δφesが許容されない程度に大きい場合(図11(1))には、その好適な値の組み合わせで速やかに置換される(図11(2))。
【0068】
このように本実施形態によれば、下記の何れの場合であっても、誤差検出ループおよび誤差除去ループは、確度高く、かつ速やかに定常状態に移行する(図11(3))ことができる。
・入力される主信号のレベルの急激な変化、環境条件の変化、経年その他に起因して定常状態を維持できなくなった場合
・可変減衰器42の減衰度と可変移相器44の移相量とに対する「歪み相殺信号に含まれる主信号の成分のレベル(検波器50によって検出される。)」の極小点の内、好適ではない極小点に対応する値(図12(1))に、これらの減衰度および移相量(誤差検出ループの伝達特性)が収束した場合
・可変減衰器47の減衰度と可変移相器48の移相量とに対する「誤差除去ループを介して得られる信号に含まれるパイロット信号の成分のレベル(パイロット信号検出部51によって検出される。)」の極小点の内、好適ではない極小点に対応する値(図12(1))にこれらの減衰度および移相量(誤差除去ループの伝達特定)が収束した場合
したがって、総合的な直線性が安定に、かつ確度高く維持される。
【0069】
なお、本実施形態では、上述した判別は、誤差検出ループと誤差除去ループとの双方について一括して行われている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、上述した判別と、その判別の結果が偽である場合に行われるべき処理とは、誤差検出ループ(可変減衰器42および可変移相器44の対)と誤差除去ループ(可変減衰器47および可変移相器48の対)とに関して個別に行われてもよい。
【0070】
以下、本発明の第四の実施形態について説明する。
本実施形態と、既述の第一の実施形態との構成の主要な相違点は、制御部21に代えて制御部31Bが備えられた点にある。
図13は、本発明の第四および第五の実施形態の動作フローチャートである。
以下、図3および図13を参照して本実施形態の動作を説明する。
【0071】
本実施形態の特徴は、制御部31Bが行う下記の処理の手順にある。
制御部31Bは、既述の初期化処理を完了すると、下記の処理(1)〜(7)を行う。
(1) 増幅器45で発生する歪みのレベルが所定の閾値を下回る程度に小さくなる値に、可変減衰器41の減衰量をレベル検出部22によって検出された主信号のレベルに応じて設定する(図13(1))。
【0072】
(2) 可変移相器44の移相量を規定の暫定的な値(ここでは、簡単のため「80H」であると仮定する。)に設定し(図13(2))、かつ可変減衰器42の減 衰量をスキャン(例えば、「00H」ないし「FFH」に順次可変する。)こ とによって、歪み相殺信号に含まれる主信号の成分のレベル(検波器50によ って検出される。)が最小となるその減衰量の値ATTedを求める(図13 (3))。
【0073】
(3) 可変減衰器42の減衰量を規定の暫定的な値(ここでは、簡単のため「80H」であると仮定する。)に設定し(図13(4))、かつ可変移相器44の移 相量をスキャン(例えば、「00H」ないし「FFH」に順次可変する。)こ とによって、歪み相殺信号に含まれる主信号の成分のレベル(検波器50によ って検出される。)が最小となるその移相量の値Φedを求める(図13(5) ) 。
【0074】
(4) 可変移相器48の移相量を規定の暫定的な値(ここでは、簡単のため「80H」であると仮定する。)に設定し(図13(6))、かつ可変減衰器47の減 衰量をスキャン(例えば、「00H」ないし「FFH」に順次可変する。)こ とによって、パイロット信号検出部51によって検出されるパイロット信号の レベルが最小となるその減衰量の値ATTesを求める(図13(7))。
【0075】
(5) 可変減衰器47の減衰量を規定の暫定的な値(ここでは、簡単のため「80H」であると仮定する。)に設定し(図13(8))、かつ可変移相器48の移 相量をスキャン(例えば、「00H」ないし「FFH」に順次可変する。)こ とによって、パイロット信号検出部51によって検出されるパイロット信号の レベルがが最小となるその移相量の値Φesを求める(図13(9))。
【0076】
(6) これらの値ATTed、ATTes、Φed、Φesをそれぞれ可変減衰器42、47の減衰量の初期値と、可変移相器44、48の移相量の初期値として適用する(図13(10))。
(7) 可変減衰器41の減衰量を送信電力制御やチャネル制御の下で決定された値に設定する(図13(11)。
【0077】
すなわち、可変減衰器42、47の減衰量の初期値および可変移相器44、48の移相量の初期値とは、何れも始動時に制御部31Bの主導の下で行われる処理の過程で適宜求められ、かつ設定される。
したがって、環境条件の変動や経年に応じて特性が変化しても、既述の初期値テーブル21R、31Rが備えられることなく、誤差検出ループおよび誤差除去ループの双方は速やかに定常状態に移行する。
【0078】
以下、本発明の第五の実施形態について説明する。
本実施形態と上述した第四の実施形態との主な相違点は、上述した第四の実施形態と同様にして求められた既述の値ATTed、ATTes、Φed、Φesが下記の通りに制御部31Bによって補正された後に初期値として適用される点にある。制御部31Bの主記憶の記憶領域には、図14に示すように、下記の各値が格納されたフィールドからなるレコードの集合として構成された第一の補正値テーブル33が配置される。
【0079】
・可変減衰器41に先行して設定された減衰量と、後述するように送信電力制御やチャネル制御の下でその可変減衰器41に設定されるべき減衰量との差(以下、「差分減衰量」という。)
・上述した差分減衰量に応じて既述の値ATTed、ATTes、Φed、Φesの補正にそれぞれ適用されるべき補正値Δaed、Δaes、Δφed 、Δφesまた、制御部31Bの主記憶の記憶領域には、図15に示すように、下記の各値が予め格納されたフィールドからなるレコードの集合として構成された第二の補正値テーブル34が配置される。
【0080】
・通常状態において可変減衰器41に与えられる主信号のレベル(以下、「定格値」という。)と、始動時にその可変限定器41の前段からこの可変減衰器41に与えられる主信号のレベルとの差(以下、「差分レベル」という。)
・上述した差分レベルに応じて既述の値ATTed、ATTes、Φed、Φes の補正に適用されるべき補正値Δa^ed、Δa^es、Δφ^ed 、Δφ^es
なお、上述した補正値Δaed、Δaes、Δφed 、Δφes、Δa^ed、Δa^es、Δφ^ed 、Δφ^esについては、何れも実測あるいは理論に基づいて予め求められ、かつ8ビット長の2進数(負数である場合には、「2の補数」として表される。)として与えられると仮定する。
【0081】
制御部31Bは、既述の第四の実施形態と同様にして上述した値ATTed、ATTes、Φed、Φesを求めた(図13(1)〜(9))後には、下記の手順に基づいて可変減衰器42、47に設定されるべき減衰量の初期値と可変移相器44、48に設定されるべき移相量の初期値とを算出する。
(1) チャネル制御や送信電力制御の下で可変減衰器41に与えられるべき減衰量を特定し、その減衰量とその可変減衰器41に先行して設定されていた減衰量との差をとることによって差分減衰量を求める。
【0082】
(2) チャネル制御や送信電力制御の下で可変減衰器41の前段からその可変減衰器41に与えられるべき主信号のレベルを特定し、そのレベルと先行してこの可変減衰器41に与えられていた主信号のレベルとの差をとることによって差分レベルを求める。
(3) 第一の補正値テーブル32のレコードの内、「差分減衰量」フィールドの値が上述した差分減衰量に所定の精度で等しいレコードを特定し、そのレコードの各フィールドに格納された補正値Δaed、Δφed 、Δaes、Δφesを求める 。
【0083】
(4) 第二の補正値テーブル33のレコードの内、「差分レベル」フィールドの値が上述した差分レベルに所定の精度で等しいレコードを特定し、そのレコードの各フィールドに格納された補正値Δa^ed、Δφ^ed 、Δa^es、Δφ^esを求める。
(5) 下式で示される算術演算を行うことによって、初期値ATTied、ATTies 、Φied、Φiesを算出する。
【0084】
ATTied=ATTed+Δaed+Δa^ed
ATTies=ATTes+Δφes+Δφ^es
Φied=Φed+Δaed+Δa^ed
Φies=Φes+Δφes+Δφ^es
(6) これらの初期値ATTied、ATTies 、Φied、Φiesを可変減衰器42、47の減衰量の初期値および可変移相器44、48の移相量の初期値としてそれぞれ適用する。
【0085】
すなわち、可変減衰器42、47の減衰量および可変移相器44、48の移相量の初期値は、始動後に実際に主増幅器45に入力される主信号のレベルに適合した値に自動的に補正される(図13(a))。
したがって、本実施形態によれば、誤差検出ループおよび誤差除去ループは、何れも始動時に既述の第四の実施形態に比べて速やかに、かつ精度よく定常状態に移行することができる。
【0086】
なお、本実施形態には、第二の補正値テーブル33が備えられている。
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、可変減衰器41の前段からその可変減衰器41に与えられる主信号のレベルが始動時から一定の値に保たれる場合には、上述した第一の補正値テーブル32の参照によって得られた補正値のみが適用されてもよい。
【0087】
以下、図3を参照して本発明の第六の実施形態の動作を説明する。
本実施形態と既述の第一ないし第五の実施形態との主な相違点は、制御部21、31、31A、31Bが下記の処理を併せて行う点にある。
制御部21、31、31A、31Bには、主増幅器45で発生する歪みの成分が無視される程度に小さな値となる主信号の最大のレベルが既知の閾値として予め与えられる。
【0088】
制御部21、31、31A、31Bは、初期化処理を完了すると、レベル検出部22によって検出された主信号のレベルと上述した閾値とを比較し、前者が後者を下回る期間には、減衰器53に最大の減衰量を設定し、あるいはパイロット信号生成部52の稼働を停止させることによって、歪み抽出ループに対するパイロット信号の注入を規制する。
【0089】
また、制御部21、31、31A、31Bは、レベル検出部22によって検出された主信号のレベルが上述した閾値を上回る期間には、歪み抽出ループに対するパイロット信号の注入を許容する。
すなわち、主増幅器45の入出力特性が線形と見なされる程度にその主信号に入力される主信号のレベルが小さい場合には、パイロット信号生成部52で消費される電力と、入力される主信号にパイロット信号が重畳されているためにこの主増幅器45で無用に消費される電力が節減され、かつパイロット信号検出部51の出力端にこのようなパイロット信号が漏れ出ることに起因するスプリアスの増加が回避される。
【0090】
したがって、本実施形態によれば、ランニングコストの削減に併せて、伝送品質の向上が図られる。
なお、本実施形態では、主増幅器45に入力される主信号のレベルが閾値を下回るか否かの判別が制御部21、31、31A、31Bによって行われている。しかし、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、チャネル制御の手順や送信電力制御の結果に基づいてこのような判別の結果に等価な二値情報が外部から与えられる場合には、誤差検出ループに対するパイロット信号の注入の要否は、その二値情報の論理値に基づいて直接行われ、あるいは制御部21、31、31A、31Bを介して行われてもよい。
【0091】
さらに、このような誤差検出ループに対するパイロット信号の注入については、例えば、図3、図6および図8に点線で示すように、制御部21、31、31A、31Bに接続された情報端末等を介して操作者が与える指令に応じて適宜規制されあるいは開始されることによって、保守や運用の過程で精度よく行われるべきスプリアスの計測や確認の効率化が図られてもよい。
【0092】
また、上述した各実施形態では、CDMA方式の移動通信システムにおいてセクタゾーンを形成する無線基地局に搭載され、かつ(n+1)予備方式に基づいて冗長に構成された電力増幅器に本発明が適用されている。
しかし、本発明は、このような無線基地局に限定されず、始動時や稼働条件の急激な変化に柔軟に、かつ高速に応答すると共に、高い直線性が安定に保たれることが要求される機器であれば、増幅されるべき信号の周波数帯、占有帯域幅、その信号の送受信に適用される変復調方式の如何にかかわらず、如何なる機器やシステムに対する適用も可能である。
【0093】
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において、多様な形態による実施形態が可能であり、かつ構成装置の一部もしくは全てに如何なる改良が施されてもよい。
以下、上述した各実施形態に開示された発明の構成を階層的・多面的に整理し、かつ付記項として順次列記する。
【0094】
(付記1) 既知の周波数のパイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつフィードフォワード法に基づいて直線性が維持される増幅手段11と、
前記増幅手段11に含まれる誤差除去ループ12の出力端で歪みの成分として含まれる前記パイロット信号の成分を抽出するモニタ手段14と、
前記誤差除去ループ12と前記増幅手段11に含まれる誤差検出ループ13との好適な伝達特性が予め与えられ、かつ始動時にこれらの好適な伝達特性を適用し、かつ前記モニタ手段14によって抽出されたパイロット信号のレベルを最小とする適用制御の下でこれらの伝達特性を更新する制御手段15と
を備えたことを特徴とする線形増幅器。
【0095】
(付記2) 既知の周波数のパイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつフィードフォワード法に基づいて直線性が維持される増幅手段11と、
前記増幅手段11に含まれる誤差除去ループ12の出力端で歪みの成分として含まれる前記パイロット信号の成分を抽出するモニタ手段14と、
前記誤差除去ループ12と前記増幅手段11に含まれる誤差検出ループ13との好適な伝達特性が予め与えられ、かつ前記増幅手段11に入力され、もしくはその増幅手段11によって出力された主信号のレベルの変化率が所定の閾値を超えたときに、これらの好適な伝達特性を適用し、かつ前記モニタ手段14によって抽出されたパイロット信号のレベルを最小とする適応制御の下でこれらの伝達特性を更新する制御手段15Aと
を備えたことを特徴とする線形増幅器。
【0096】
(付記3) 付記1または付記2に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aは、
前記更新された伝達特性の内、前記誤差除去ループ12と前記誤差検出ループ13との好適な伝達特性を記録し、かつ前記予め与えられた好適な伝達特性として適用する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0097】
(付記4) 付記1または付記2に記載の線形増幅器において、
前記誤差検出ループ13に入力される主信号と、前記誤差除去ループ12を介して得られる主信号との双方もしくは何れか一方のレベルを監視するレベル監視手段16と、
前記主信号のレベルに応じて前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12に設定されるべき伝達特性が格納された記憶手段17を備え、
前記制御手段15、15Aは、
前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12との双方もしくは何れか一方の好適な伝達特性として、前記レベル監視手段16によって監視されたレベルに対応して前記記憶手段17に格納された伝達特性を適用する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0098】
(付記5) 付記4に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aは、
前記更新された伝達特性の内、前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12との好適な伝達特性をレベル監視手段16によって監視されたレベルに対応付けて前記記憶手段17に格納する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0099】
(付記6) 付記1または付記2に記載の線形増幅器において、
前記増幅手段11またはその増幅手段11に熱的に結合する箇所の温度を監視する温度監視手段18と、
前記温度に応じて前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12に設定されるべき伝達特性が格納された記憶手段17Aを備え、
前記制御手段15、15Aは、
前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12との双方もしくは何れか一方の好適な伝達特性として、前記温度監視手段18によって監視された温度に対応して前記記憶手段17Aに格納された伝達特性を適用する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0100】
(付記7) 付記6に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aは、
前記更新された伝達特性の内、前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12との好適な伝達特性を温度監視手段18によって監視されたレベルに対応付けて前記記憶手段17Aに格納する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0101】
(付記8) 付記1ないし付記7の何れか1項に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aは、
更新されるべき新たな伝達特性の前記好適な伝達特性に対する偏差が規定の上限値を超えるときに、その新たな伝達特性に代えてこの好適な伝送特性を適用する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0102】
(付記9) 付記1ないし付記8の何れか1項に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aは、
始動時に、相互相関が小さく、かつ前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12との伝達特性を与える複数の項目の個々の初期値を他の項目の値を規定値に固定しつつスキャンすることによって、前記モニタ手段14によって抽出されるパイロット信号のレベルが最小となる値として求め、これらの初期値の組み合わせを好適な伝達特性として適用する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0103】
(付記10) 付記9に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aによって前記複数の項目の個々の初期値が求められる期間に、前記主信号のレベルを前記増幅手段11で発生する歪みが軽減される小さな値に設定するレベル調整手段19を備えた
ことを特徴とする線形増幅器。
【0104】
(付記11) 付記9または付記10に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aによって前記複数の項目の個々の初期値が求められる期間に、前記主信号のレベルが前記増幅手段11で発生する歪みが軽減される小さな値に設定される
ことを特徴とする線形増幅器。
【0105】
(付記12) 付記10または付記11に記載の線形増幅器において、
前記制御手段15、15Aによって前記複数の項目の個々の初期値が求められる期間と、その期間の経過後とにそれぞれ前記増幅手段11が増幅する主信号に伴い得るレベルの差と、これらのレベルの差とこの増幅手段11の特性とに応じて個別に生じる前記誤差検出ループ13と前記誤差除去ループ12との伝達特性の誤差の補正に供される補正値が予め格納された補正値記憶手段20を備え、
前記制御手段15、15Aは、
前記レベルの差の実際の値に対応して前記補正値記憶手段20に格納された補正値で前記複数の項目の初期値を補正する
ことを特徴とする線形増幅器。
【0106】
(付記13) 入力された主信号に既知の周波数のパイロット信号を重畳するパイロット信号重畳手段10と、
前記パイロット信号重畳手段10によって前記パイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつ出力端に得られるそのパイロット信号の成分を最小とする適応制御の下でフィードフォワード法に基づいて直線性を維持する増幅手段11Aと、
前記入力された主信号のレベルを監視するレベル監視手段16Aと、
前記レベル監視手段16Aによって監視された主信号のレベルが規定の下限値を下回る期間に、前記パイロット信号重畳手段10によって行われるパイロット信号の重畳を規制する制御手段15Bと
を備えたことを特徴とする線形増幅器。
【0107】
(付記14) 入力された主信号に既知の周波数のパイロット信号を重畳するパイロット信号重畳手段10と、
前記パイロット信号重畳手段10によって前記パイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつ出力端に得られるそのパイロット信号の成分を最小とする適応制御の下でフィードフォワード法に基づいて直線性を維持する増幅手段11Aと、
前記入力された主信号のレベルが規定の下限値を下回る期間を示す通知に応じてその期間に、前記パイロット信号重畳手段10によって行われるパイロット信号の重畳を規制する制御手段15Cと
を備えたことを特徴とする線形増幅器。
【0108】
【発明の効果】
上述したように請求項1に記載の発明では、始動の直後から確度高く直線性が保たれる。
また、請求項2に記載の発明では、始動の高速化が確度高く達成され、かつ規定の性能が安定に維持される。
さらに、請求項および請求項に記載の発明の下位概念の技術では、ランニングコストの削減と性能の向上とが図られる。
【0109】
また、請求項1に記載の発明の下位概念の発明では、環境条件の変化や経年に応じて生じ得る特性の変動に対する柔軟な適応が可能となり、かつ直線性が高く維持される。
さらに、請求項1に記載の発明に関連した第一の発明では、特性の変化や偏差に対する柔軟な適応が可能となり、かつ直線性が高く維持される。
【0110】
また、請求項1に記載の発明に関連した第二の発明と請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第一の発明とでは、環境条件の変化や経年に応じて生じ得る特性の変動に対する柔軟な適応が可能となり、かつ直線性が高く維持される。
さらに、請求項1に記載の発明に関連した第三の発明では、環境条件の変化に柔軟に適応しつつ直線性が高く保たれる。
【0111】
また、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第二の発明では、直線性が安定に、高く維持される。
さらに、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第三および第四の発明では、性能が安定に維持される。
また、請求項1ないし請求項に記載の発明に関連した第五の発明では、多様なレベルダイヤグラムの機器に対する柔軟な適応が可能となる。
【0112】
したがって、本発明にかかわる線形増幅器が搭載された機器では、コストの削減に併せて、総合的な信頼性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第一の線形増幅器の原理ブロック図である。
【図2】本発明にかかる第二の線形増幅器の原理ブロック図である。
【図3】本発明の第一ないし第六の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施形態の動作フローチャートである。
【図5】本発明の第一の実施形態における初期値テーブルの構成を示す図である。
【図6】本発明の第一ないし第六の実施形態の他の構成を示す図である。
【図7】本発明の第二の実施形態の動作フローチャートである。
【図8】本発明の第二の実施形態の他の構成を示す図である。
【図9】図8に示す実施形態に適用されるべき初期値テーブルの他の構成を示す図である。
【図10】本発明の第三の実施形態の動作フローチャートである。
【図11】本発明の第三の実施形態の動作を説明する図(1) である。
【図12】本発明の第三の実施形態の動作を説明する図(2) である。
【図13】本発明の第四および第五の実施形態の動作フローチャートである。
【図14】本発明の第四の実施形態に適用されるべき第一の補正値テーブルの構成を示す図(1) である。
【図15】本発明の第四の実施形態に適用されるべき第二の補正値テーブルの構成を示す図(2) である。
【図16】フィードフォワード法が適用された電力増幅器の構成例を示す図である。
【図17】従来例における制御部の動作フローチャートである。
【符号の説明】
10 パイロット信号重畳手段
11,11A 増幅手段
12 誤差除去ループ
13 誤差検出ループ
14 モニタ手段
15,15A,15B,15C 制御手段
16,16A レベル監視手段
17,17A 記憶手段
18 温度監視手段
19 レベル調整手段
20 補正値記憶手段
21,31,31A,31B,54 制御部
22 レベル検出部
21R,31R 補正値テーブル
32 温度検出部
33 第一の補正値テーブル
34 第二の補正値テーブル
41,42,47,53 可変減衰器
43 遅延部
44,48 可変移相器
45 主増幅器
46 減衰器
49 補助増幅器
50 検波器
51 パイロット信号検出部
52 パイロット信号生成部

Claims (2)

  1. 既知の周波数のパイロット信号が重畳された主信号を増幅し、かつフィードフォワードが適用される増幅手段と、
    前記増幅手段に含まれる誤差除去ループの出力信号に含まれる前記パイロット信号の成分を抽出するモニタ手段と、
    前記モニタ手段によって抽出された前記パイロット号のレベルを最小とする適応制御により、前記増幅手段に含まれる前記誤差除去ループに与える伝達特性、又は、前記増幅手段に含まれる誤差検出ループに与える伝達特性を更新し、更新された値の変化の度合いに応じて、前記適応制御により該伝達特性の更新を続けるか、伝達特性の候補から選んだ伝達特性を設定するかを選択する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする線形増幅器。
  2. 請求項1に記載の線形増幅器において、
    前記制御手段は、始動時に、相互相関が小さく、かつ前記誤差検出ループと前記誤差除去ループとの伝達特性を与える複数の項目の個々の初期値を他の項目の値を規定値に固定しつつスキャンすることによって、前記モニタ手段によって抽出されるパイロット信号のレベルが最小となる値として求め、これらの初期値の組み合わせを前記伝達特性として適用することを特徴とする線形増幅器。
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