JP4342684B2 - 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法 - Google Patents

水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4342684B2
JP4342684B2 JP2000077945A JP2000077945A JP4342684B2 JP 4342684 B2 JP4342684 B2 JP 4342684B2 JP 2000077945 A JP2000077945 A JP 2000077945A JP 2000077945 A JP2000077945 A JP 2000077945A JP 4342684 B2 JP4342684 B2 JP 4342684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
water
urethane resin
weight
reactive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000077945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001261725A (ja
Inventor
和男 大谷
富生 山本
賢治 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Highpolymer Co Ltd
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP2000077945A priority Critical patent/JP4342684B2/ja
Publication of JP2001261725A publication Critical patent/JP2001261725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4342684B2 publication Critical patent/JP4342684B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水反応性であり且つ光硬化性であるウレタン樹脂組成物、水反応性であり且つ光硬化性であるFRPライニング用組成物及びプライマー樹脂組成物並びにそれらの硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FRPライニングに使用する樹脂としては、エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂などがあり、防水、防食等をはじめとする幅広い分野に使用されている。ライニング方法は用途によって異なり、プライマー処理工程を行なう場合と行なわない場合がある。
プライマー処理を行なわない場合の例としては、下水管更生の分野があるが、この分野では、ガラスや有機繊維等の基材に不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂等を含浸して、それを下水管内面に圧着した状態で過酸化物硬化により硬化させる方法が行なわれてきた。しかし、管が多量に水分を含んでいたり、流水していたりする場合には、硬化阻害を受け、施工できないという問題点があった。
ところが、近年行なわれている紫外線や可視光線などによる光硬化を利用した施工方法では、硬化阻害はなくなり、多量に水分を含んでいたり、流水していたりする悪条件下でも硬化はできるようになった。しかし、コンクリート等の下地との接着性が不十分となり、特に流水させた状態で施工を行なうと流水を完全に止めることができないという問題点が残っていた。
一方、プライマー処理を行なう場合の例としては、FRP防水があるが、この用途では湿気硬化型のウレタン樹脂がプライマーとしてよく使われている。しかし、下地の水分が多すぎるとプライマーとしての性能が十分に発揮されないため、施工時の下地の表面水分量に制約があった。また、低温では硬化に長時間を要したり、硬化不良になるなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こうした現状に鑑み、多量に水分を含んでいたり、流水していたりする場合でも、硬化阻害を受けずに硬化可能で、下地との接着性に優れた樹脂組成物、それを使用したFRPライニング用樹脂組成物及びその硬化方法を提供することを目的とする。また、下地の水分が多すぎたり、低温環境下でもプライマーとしての性能が十分に発揮される樹脂組成物及びその施工方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
▲1▼(A)ウレタン系樹脂5〜95重量%及び(B)光重合開始剤を含有する光ラジカル重合可能な化合物95〜5重量%からなることを特徴とする水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物、
▲2▼▲1▼に記載の樹脂組成物100重量部及び(C)強化繊維及び/または充填材300重量部以下からなる水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物、
▲3▼上記の▲1▼又は▲2▼に記載のウレタン樹脂組成物から成るFRPライニング用樹脂組成物、
▲4▼▲1▼に記載の樹脂組成物100重量部及び(D)充填材300重量部以下からなる組成物をさらにシート状の繊維強化材に含浸させて成るシート状水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物、
▲5▼上記の▲1▼又は▲2▼に記載のウレタン樹脂組成物から成るプライマー樹脂組成物を提供すると共に、上記の▲1▼〜▲5▼のいずれかに記載の樹脂組成物を水と反応させると同時に光照射して光硬化させることを特徴とする樹脂組成物の硬化方法
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するウレタン樹脂は、ジイソシアネートと2個以上の活性水素原子を有する有機化合物(普通ジオール)とを反応させて得られるウレタン結合を主体とする重合体で、遊離イソシアネート基を含んでいるので、熱または触媒の作用を受けてイソシアネート基同士が反応するかまたはイソシアネート基と水、グリコールなどと反応して熱硬化樹脂となる、「プラスチック工業辞典」(工業調査会、1985年発行)などに記載されている樹脂であり、更に詳しくは、末端イソシアネートのプレポリマーを大気中の水分と反応硬化させる湿気硬化型(一液型)や末端イソシアネートのプレポリマーを土中の水分と反応させ土砂を固め止水するグラウト材等の土木建築用ポリウレタン、ポリウレタン接着剤、ポリウレタン塗料等に分類されるもので、「プラスチック事典」(朝倉書店、1992年発行)などに記載されている樹脂であり、公知のものが使用できる。
例えば、末端に2個以上の水酸基を有する化合物と水酸基のモル数よりも多いイソシアネート基を有する化合物とを反応させたものでよく、溶剤を含んでいてもよい。商品名を例示すれば、ハイセルOHシリーズ(東邦化学工業(株)製)、ウォーターマジック(レオ化研(株)製)、アデカウルトラロックA−50、アデカウルトラシールA−80(旭電化工業(株)製)等がある。また、溶剤がスチレン等のように重合性不飽和基を有する化合物であるのがより好ましい。
【0006】
本発明に使用する光ラジカル重合可能な化合物とは、イソシアネート基と反応可能な活性水素原子を有していないスチレンモノマ−や(メタ)アクリル酸メチル等に代表される不飽和基を有する化合物である。スチレンモノマー、(メタ)アクリル酸メチル以外の光ラジカル重合可能な化合物の具体例としては、スチレンのα−,o−,m−,p−アルキル,ニトロ,シアノ,アミド,エステル誘導体、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン類、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−i−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−i−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化合物、シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和ジカルボン酸ジエステル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどのモノマレイミド化合物、N−(メタ)アクリロイルフタルイミドなどが挙げられる。
【0007】
また、本発明における光ラジカル重合可能な化合物として、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用してもよく、公知のものが使用できる。その具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど各種グリコール類の(メタ)アクリル酸エステルや一般式(I)
【0008】
【化1】
Figure 0004342684
【0009】
〔式中、Phはベンゼン核を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、m+nは2〜30の数を示す。〕で表されるものなどがある。
前記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:BPE−100)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:BPE−200)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:BPE−500)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:A−BPE−4)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:A−BPE−10)などが挙げられる。
【0010】
本発明における光重合開始剤としては、紫外線領域から近赤外線領域の範囲内のいずれかに感光性を有する公知の紫外光重合開始剤,可視光重合開始剤,近赤外光重合開始剤を使用することができる。
紫外光重合開始剤としては、ベンゾイン類,アセトフェノン類,ベンゾフェノン類,アントラキノン類,キサントン類,チオキサントン類,ケタール類,(ビス)アシルホスフィンオキサイド系をはじめとする公知の重合開始剤を使用することができるが、短波長の紫外線では光透過性が低いことから、比較的長波長、好ましくは300nm以上の波長域に感光性を有する(ビス)アシルホスフィンオキサイド系等の紫外線重合開始剤を使用することが好ましい。
可視光線領域に感光性を有する可視光重合開始剤としては、例えば山岡ら、「表面」,27(7),548(1989)、佐藤ら、「第3回 ポリマー材料フォーラム要旨集」、1BP18(1994)に記載のカンファーキノン,ベンジル,トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド,メチルチオキサントン,ビスペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロフェニル)等の単独での可視光重合開始剤の他、有機過酸化物触媒/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、ビイミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン色素の他、特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の複合開始剤系を挙げることができる。本発明で使用されるアシルホスフィンオキサイドは、下記の一般式(II)
【0011】
【化2】
Figure 0004342684
【0012】
〔式中、R1 ,R2 及びR3 はそれぞれ独立してアルキル基,アリール基,アラルキル基,アルケニル基又はアルキニル基を示す。〕または一般式(III)
【0013】
【化3】
Figure 0004342684
【0014】
〔式中、R4 ,R5 及びR6 は、それぞれ独立してアルキル基,アリール基,アラルキル基,アルケニル基,アルキニル基または複素環基を示す。〕で表される。
これらの重合開始剤は、従来用いられているUV開始剤よりも長波長領域に感光性を有し(400nm以上の可視光領域)、光の透過性に優れる上、光照射により開裂してアシルラジカルとホスフィノイルラジカルを発生するので、従来用いられているUV開始剤よりも重合開始効率が高いとされている。
【0015】
一般式(II)で表されるビスアシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,2−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−ドデシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−メトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。
【0016】
一般式(III)で表されるアシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル等を挙げることができる。
【0017】
具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)が75%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルーケトン(商品名:イルガキュア−184、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)が75%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、50%/50%の割合で混合された商品名イルガキュア−1850(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名LucirinTPO、BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF(株)製)が50%/50%の割合で混合された商品名Darocur4265などがある。380〜780nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であれば良く、それらを単独で使用しても、組合わせて使用しても良い。
近赤外線領域に感光性を有する近赤外光重合開始剤としては、一般式(IV)
+ ・ A- ・・・(IV)
〔式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を有するメチン,ポリメチン,シアニン,キサンテン,オキサジン、チアジン,アリールメタン,ピリリウム系色素陽イオンであり、A- は各種陰イオンを示す。〕で表される陽イオン色素と、一般式(V)
【0018】
【化4】
Figure 0004342684
【0019】
〔式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R7 ,R8 ,R9 及びR10はそれぞれ独立してアルキル基,アリール基,アシル基,アラルキル基,アルケニル基,アルキニル基,シリル基,複素環基,ハロゲン原子,置換アルキル基,置換アリール基,置換アシル基,置換アラルキル基,置換アルケニル基,置換アルキニル基,置換シリル基または置換複素環基を示す。〕で表されるホウ素系化合物を組み合わせた光重合開始剤が好ましい。
【0020】
また、一般式(V)における陽イオン「Z+ 」の例としては、可視光あるいは近赤外光領域に感光性を有しない4級アンモニウム陽イオン,4級ピリジニウム陽イオン,4級キノリニウム陽イオン,ジアゾニウム陽イオン,テトラゾリウム陽イオン,スルホニウム陽イオン,オキソスルホニウム陽イオン,ナトリウム,カリウム,リチウム,マグネシウム,カルシウム等の金属陽イオン、フラビリウム,ピラニウム塩等の酸素原子上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウム,シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウム等のハロゲニウム陽イオン、砒素,コバルト,パラジウム,クロム,チタン,スズ,アンチモン等の金属化合物の陽イオン等が挙げられる。
この有機ホウ素化合物と可視光あるいは近赤外光領域に感光波長を有するカチオン色素とを組み合わせることにより、感光領域の波長の光照射を受けた色素が励起され、有機ホウ素化合物と電子授受を行うことで色素が消色すると共にラジカルが発生し、共存する重合性不飽和化合物の重合反応を起こすことが可能となる。この重合反応は、従来の紫外線重合反応などとは異なり、発生ラジカルをコントロールしやすく、樹脂中の不飽和基の一部をラジカル重合したところで容易に止めることができる。また、可視光あるいは近赤外光領域の長波長を使用するため、充填材や顔料などが添加された系においても容易に反応を進めることができるという特徴を有する。
【0021】
上記陽イオン染料とホウ素系化合物との組み合わせの例は、特開平3−111402号公報,特開平3−179003号公報,特開平4−146905号公報,特開平4−261405号公報,特開平4−261406号公報,特開平5−194619号公報などに詳細な記載がある。陽イオン染料における「D+ 」の具体例を第1表及び第2表に示す。これらの陽イオン染料の中でも、好ましくはシアニン系,スチリル系陽イオン染料及びトリアリールメタン系染料が使用される。シアニン系,スチリル系陽イオン染料は、一般に有機ホウ素系化合物との電子授受が起こりやすいので、本発明の反応を容易に起こしやすいなどの点で好ましい。
【0022】
【表1】
Figure 0004342684
【0023】
【表2】
Figure 0004342684
【0024】
【表3】
Figure 0004342684
【0025】
【表4】
Figure 0004342684
【0026】
一般式(IV)で表される陽イオン染料のカウンターアニオンであるA- は、p−トルエンスルホネートイオン,有機カルボキシレートイオン,パークロレートイオン,ハライドイオン等の任意の陰イオンであるが、一般式(VI)
【0027】
【化5】
Figure 0004342684
【0028】
〔式中、R11,R12,R13及びR14は、それぞれ独立してアルキル基,アリール基,アシル基,アラルキル基,アルケニル基,アルキニル基,シリル基,複素環基,ハロゲン原子,置換アルキル基,置換アリール基,置換アシル基,置換アラルキル基,置換アルケニル基,置換アルキニル基,置換シリル基または置換複素環基を示す。〕で表される4配位ホウ素陰イオンが特に好ましい。
本発明の有機ホウ素化合物と近赤外光あるいは可視光吸収性陽イオン染料化 合物との組成比は、重量で1/5〜1/0.0 5(有機ホウ素化合物/陽イオン染料化合物)が好ましく、特に好ましくは1/1〜1/0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン染料よりも多く用いることが好ましい。
【0029】
光重合開始剤の添加量は、光ラジカル重合可能な化合物100重量部に対して0.05〜5重量部であるのが好ましく、0.5〜4重量部であるのが特に好ましい。光重合開始剤の添加量が少なすぎる場合は、十分に光ラジカル重合が進行せず、また光重合開始剤の添加量が上記比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
【0030】
本発明のウレタン樹脂組成物において、(A)ウレタン樹脂と(B)光重合開始剤を添加した光ラジカル重合可能な化合物との混合比は、5/95〜95/5〔(A)/(B)の重量比で〕、好ましくは10/90〜90/10ある。ウレタン樹脂が少なすぎる場合は、接着性が不足し、流水を止めることもできない。ウレタン樹脂がこの比率よりも多すぎる場合は、強度が不足する。
【0031】
本発明のウレタン樹脂組成物には、(C)成分として繊維強化材及び/又は充填材を配合することができる。ここで使用しうる繊維強化材としては、有機質又は無機質の繊維であってよく、例えばガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維,ポリエチレンテレフタレート繊維,ビニロン繊維等,公知の繊維を使用できる。勿論、これらの繊維を組み合わせて使用することも可能である。繊維強化材の形態としては、サーフェイスマット,チョップドストランドマット,ロービングクロス等のシート状のものや短繊維等公知のものが使用できる。
繊維強化材の配合量は、上記のようなウレタン樹脂組成物100重量部に対して300重量部以下、好ましくは200重量部以下である。この配合量が300重量部を超えると、樹脂組成物の含侵が困難となる。
【0032】
充填材は、繊維強化材と共に、あるいは繊維強化材なしで充填材単独で使用することができる。充填材としては、無機充填材、有機充填材またはポリマーであってよく、無機充填材としては、例えばガラスフレーク,ガラス粉,ガラスビーズ,シリカ,炭酸カルシウム,タルク,クレー,水酸化アルミニウム,硫酸バリウム,酸化チタン等、公知の充填材が使用できる。これらの無機充填材を単独であるいは2種類以上組み合わせて使用することもできる。無機充填材の使用量は、上記のようなウレタン樹脂組成物100重量部に対して300重量部以下、好ましくは200重量部以下である。無機充填材の配合量が300重量部よりも多い場合には樹脂等の粘度が高くなり、含浸性を損なうこと、樹脂内に泡が残り易くなることなどの問題が発生し、また品質も低下する。
この他、本発明のウレタン樹脂組成物に配合しうる有機充填材またはポリマーとしては、低収縮剤としても有効であることが知られているもの、例えばポリスチレン,ポリ酢酸ビニル,ポリメチルメタクリレート,ポリエチレン,ポリ塩化ビニリデンマイクロバルーン,ポリアクリロニトリルマイクロバルーン等が使用できる。その使用量は、樹脂100重量部に対して0〜40重量部、好ましくは0〜30重量部である。この使用量が40重量部を越える量では、粘度が高くなりすぎて含浸性を損ない、また品質も低下する。
【0033】
繊維強化材及び充填材は、併用することができるが、その場合の繊維強化材と充填材とを合わせた使用量は、ウレタン樹脂組成物100重量部に対して300重量部以下とする。
さらに本発明のウレタン樹脂組成物に顔料を配合することができる。顔料の種類の制限は特に無く、有機顔料または無機顔料が使用可能である。そのときの配合量として、ウレタン樹脂組成物100重量部に対し、多くとも20重量部、好ましくは10重量部までの量を使用することである。
【0034】
本発明のウレタン樹脂組成物に、(C)成分として繊維強化材及び必要に応じて充填材を配合した樹脂組成物は、FRPライニング用樹脂組成物として有用である。
また、本発明のウレタン樹脂組成物100重量部及び(D)充填材300重量部以下からなる組成物をさらにシート状の繊維強化材に含浸させて、シート状のFRPライニング用樹脂組成物とすることもできる。
【0035】
本発明のウレタン樹脂組成物は、水反応性であり、且つ光硬化性であるため、水と反応させると同時に光照射することによって硬化させることができる。ここで使用しうる光照射のための光源としては、紫外線から近赤外線領域の波長領域の光を出す光源であればよく、例えば水銀灯,高圧水銀灯,超高圧水銀灯,メタルハライドランプ,キセノンランプ,ハロゲンランプ,白熱灯,陽光ランプ,太陽光等を使用することができる。また、各種ランプを組み合わせて使用することもできる。屋外の作業では特に太陽光が有効である。
本発明において、紫外線とは280〜380nm、可視線とは380〜780nm、近赤外線とは780〜1200nmの波長領域の光線を指す。
また、より速い乾燥速度を得るためにはエネルギ−順位の高い短波長の領域の光も有効である。
【0036】
本発明のウレタン樹脂組成物においては、上記のように、光硬化と水によるウレタン樹脂の硬化を併用させることにより、多量に水分を含んでいたり、流水していたりする場合でも、硬化阻害を受けずに、下地との接着性に優れたライニング施工を実現することができた。また、下地の水分が多すぎてもプライマーとしての性能が十分に発揮されるプライマー施工を実現することができる。
【0037】
【実施例】
以下に示す実施例、比較例により、本発明の内容を詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」は重量基準を示す。
【0038】
実施例1
(樹脂組成物の調整)
2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(商品名、BPE−100、新中村化学工業(株)製)80部及びスチレンモノマー20部から成る光ラジカル重合可能な化合物に、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:25%、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド:75%から成る可視光領域に感光性を有するビスアシルホスフィンオキサイド系重合開始剤(商品名、イルガキュア1800:チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)2.5部を混合して光硬化性組成物を得た。
次に、この光硬化性組成物30部に、ウレタン樹脂としてウレタンプレポリマー、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート及び2−オキソ−4−メチル−1,3−ジオキソランの混合物(商品名、ハイセルOH−1X、東邦化学(株) 製)70部を混合し、水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物を得た。
(FRPライニング用組成物の調整)
上記樹脂組成物を#450チョップドストランドガラスマットにガラス含有 率が25%になるように含浸し、FRPライニング用組成物を得た。
(コンクリート湿潤面のFRPライニング)
一晩水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板を取り出し、水を拭き取らずに30cm×30cmの面に上記FRPライニング用組成物を貼り付け、同時に250Wメタルハライドランプを使用し、380〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行なったところ、水との反応と光硬化反応が同時に進行し、20分で硬化した。
(接着性テスト)
光硬化性防水材の性能を確認するためADHESION TESTER elcometerを使用して、接着面積4.9cm2 で接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリート母材破壊で、コンクリートを2〜5mm程度剥離させた。接着性は良好であり、湿潤面に対しても優れたFRPライニング組成物であることを確認した。接着強度は第3表に示した。
【0039】
実施例2
(樹脂組成物の調整)
光ラジカル重合可能な化合物としての2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(商品名、A−BPE−4、新中村化学工業(株)製)100部にイルガキュア1800:2.0部を混合して光硬化性組成物を得た。
次に、この光硬化性組成物30部に、ウレタン樹脂としてハイセルOH−1Xの溶剤を除去しSMを10Wt%となるように添加したもの70部を混合し、水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物を得た。
(FRPライニング用組成物の調整)
上記樹脂組成物100部にタルクを10部添加したものを#450チョップドストランドガラスマットにガラス含有率が25%になるように含浸し、FRPライニング用組成物を得た。
(コンクリート湿潤面のFRPライニング)
実施例1と同様に、一晩水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板を取り出し、水を拭き取らずに30cm×30cmの面に上記FRPライニング用組成物を貼り付け、同時に250Wメタルハライドランプを使用し、380〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行なったところ、水との反応と光硬化反応が同時に進行し、15分で硬化した。
(接着性テスト)
実施例1と同様に、光硬化性防水材の性能を確認するためADHESION TESTER elcometerを使用して、接着面積4.9cm2 で接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリート母材破壊で、コンクリートを2〜5mm程度剥離させた。接着性は良好であり、湿潤面に対しても優れたFRPライニング組成物であることを確認した。接着強度は第3表に示した。
【0040】
比較例1
(樹脂組成物の調整)
光ラジカル重合可能な化合物として2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(商品名、A−BPE−4、新中村化学工業(株)製)100部にイルガキュア1800:2.0部を混合して光硬化性組成物を得た。
(FRPライニング用組成物の調整)
実施例1と同様に、上記樹脂組成物を#450チョップドストランドガラスマットにガラス含有率が25%になるように含浸し、FRPライニング用組成物を得た。
(コンクリート湿潤面のFRPライニング)
実施例1と同様に、一晩水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板を取り出し、水を拭き取らずに30cm×30cmの面に上記FRPライニング用組成物を貼り付け、同時に250Wメタルハライドランプを使用し、380〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行なったところ、光硬化反応が進行し、15分で硬化した。
(接着性テスト)
実施例1と同様に、光硬化性防水材の性能を確認するためADHESION TESTER elcometerを使用して、接着面積4.9cm2 で接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリートとFRPライニング材との間の界面で剥がれた。接着性は乏しく、湿潤面に対して十分に接着しないことを確認した。接着強度は第3表に示した。
【0041】
比較例2
(FRPライニング用組成物の調整)
実施例1と同様に、ハイセルOHを#450チョップドストランドガラスマットにガラス含有率が25%になるように含浸し、FRPライニング用組成物を得た。
(コンクリート湿潤面のFRPライニング)
実施例1と同様に、一晩水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板を取り出し、水を拭き取らずに30cm×30cmの面に上記FRPライニング用組成物を貼り付けたところ水との反応が進行し、25分で硬化した。
(接着性テスト)
実施例1と同様に、光硬化性防水材の性能を確認するためADHESION TESTER elcometerを使用して、接着面積4.9cm2 で接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリートとFRPライニング材との間の界面で剥がれた。接着性は乏しく、湿潤面に対して十分に接着しないことを確認した。接着強度は第3表に示した。
【0042】
実施例3
(プライマーの調整)
光ラジカル重合可能な化合物としての2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(商品名、A−BPE−4、新中村化学工業(株)製)100部にイルガキュア1800:1.5部を混合して光硬化性組成物を得た。
上記光硬化性組成物40部に1液型ウレタン樹脂系プライマー〔商品名UM−50P(昭和高分子(株)製)〕60部を混合し、プライマー組成物を得た。
(コンクリート湿潤面のプライマー膜形成)
一晩3℃の水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板を取り出し、3℃の雰囲気下で水をウエスで完全に拭き取り30cm×30cmの面に、上記プライマー組成物をハケで0.2Kg/m2 塗布し、放置すると同時に250Wメタルハライドランプを使用して380〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行なったところ、水分との反応と光硬化反応が進行し、15分で硬化した。
(FRPライニング)
次に、硬化したプライマー面上に、比較例1で使用したFRPライニング用樹脂組成物を貼り付け、250Wメタルハライドランプを使用し、380〜450nm照度:5mW/cm2 の光照射を行なったところ、光硬化反応が進行し、15分で硬化した。
(接着性テスト)
実施例1と同様に、光硬化性防水材の性能を確認するためADHESION TESTER elcometerを使用して、接着面積4.9cm2 で接着強度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリート母材破壊で、コンクリートを2〜5mm程度剥離させた。接着性は良好であり、湿潤面に対しても優れたプライマーで組成物であることを確認した。接着強度は第3表に示した。
【0043】
【表5】
Figure 0004342684
【0044】
なお、一晩3℃の水に浸漬した30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板を取り出し、3℃の雰囲気下で水をウエスで完全に拭き取り30cm×30cmの面に上記の1液型ウレタン樹脂系プライマー(商品名UM−50P)をハケで0.2Kg/m2 塗布し、放置したところ硬化に2時間を要した。従来のウレタン系プライマーでは、硬化に時間がかかり過ぎることを確認した。
【0045】
【発明の効果】
本発明のウレタン樹脂組成物は、多量に水分を含んでいたり、流水していたりする場合でも、硬化阻害を受けずに、コンクリート等の下地との接着性に優れ、短時間に硬化することができる。したがって、下地の水分が多過ぎたり、低温環境下であっも短時間に硬化でき、性能を十分に発揮しうるプライマー、FRPライニング用の樹脂組成物として有効な利用が期待される。

Claims (9)

  1. (A)湿気硬化型(一液型)ウレタン樹脂5〜95重量%及び(B)光重合開始剤を含有する光ラジカル重合可能な化合物95〜5重量%から成るウレタン樹脂組成物100重量部及び(C)繊維強化材及び/または充填材300重量部以下からなることを特徴とする水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  2. (B)光重合開始剤を含有する光ラジカル重合可能な化合物が、光重合開始剤を含有する、分子内に水酸基を含有しない不飽和基を有する化合物である請求項1に記載の水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  3. 分子内に水酸基を含有しない不飽和基を有する化合物が、スチレン及び/またはアクリル酸エステル化合物である請求項2に記載の水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  4. 光重合開始剤が可視光ラジカル重合開始剤である請求項1に記載の水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物から成ることを特徴とするFRPライニング用水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載の樹脂組成物100重量部及び(D)充填材300重量部以下からなる組成物をさらにシート状の繊維強化材に含浸させて成ることを特徴とするシート状FRPライニング用水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物から成ることを特徴とする水反応性光硬化性プライマー樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を水と反応させると同時に光照射して光硬化させることを特徴とする樹脂組成物の硬化方法。
  9. 照射する光の波長が紫外線から近赤外線の範囲である請求項8に記載の樹脂組成物の硬化方法。
JP2000077945A 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法 Expired - Fee Related JP4342684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000077945A JP4342684B2 (ja) 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000077945A JP4342684B2 (ja) 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001261725A JP2001261725A (ja) 2001-09-26
JP4342684B2 true JP4342684B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=18595423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000077945A Expired - Fee Related JP4342684B2 (ja) 2000-03-21 2000-03-21 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4342684B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051466A (ja) * 2005-08-18 2007-03-01 Kumagai Gumi Co Ltd コンクリート構造体の施工方法
CN105593247A (zh) * 2014-01-21 2016-05-18 积水化学工业株式会社 光湿气固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂和显示元件用粘接剂
CN114702631A (zh) * 2014-01-21 2022-07-05 积水化学工业株式会社 光湿气固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂和显示元件用粘接剂
CN105579477B (zh) 2014-03-26 2018-07-27 积水化学工业株式会社 光湿固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂及显示元件用粘接剂
CN105492480B (zh) 2014-03-26 2019-11-01 积水化学工业株式会社 光湿固化型树脂组合物、电子部件用粘接剂及显示元件用粘接剂
KR102410694B1 (ko) * 2014-06-11 2022-06-17 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 광 습기 경화형 수지 조성물, 전자 부품용 접착제 및 표시 소자용 접착제
KR102323646B1 (ko) * 2014-11-13 2021-11-08 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 경화체, 전자 부품, 및, 표시 소자
JP6703409B2 (ja) * 2015-02-10 2020-06-03 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物及び熱伝導性接着剤
WO2016163353A1 (ja) * 2015-04-09 2016-10-13 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001261725A (ja) 2001-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4342684B2 (ja) 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法
EP1268586B1 (en) Polymers, processes, compositions, adhesives, uses, products
US5169902A (en) Vibration-proof damping polymer material
JP4246448B2 (ja) コンクリート剥落防止用硬化性材料及びコンクリート剥落防止方法
JP3479202B2 (ja) 光硬化性プリプレグ組成物及びその製造方法
JP2004181934A (ja) Frpライニング方法
JP2001294687A (ja) 硬化性プリプレグ組成物,その製造方法及び硬化方法
US6316089B1 (en) Photocurable prepreg sheet for waterproofing, method and apparatus for production of prepreg sheet, and waterproofing method using the sheet
JP2005097523A (ja) ビニルエステルとその樹脂、硬化性樹脂組成物及びその施工方法並びに構造体
JP4246555B2 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその施工方法、構造体
DE69835332T2 (de) Photohärtbare Prepregmatte zum Wasserdichten
JPH11263857A (ja) 光硬化性防水用プリプレグシート、プリプレグシートの製造方法、製造装置及び防水被覆工法
JP4465259B2 (ja) 管状ライニング材
JP2003286355A (ja) 硬化性プリプレグシート及びその製造方法と硬化方法
JP2002018991A (ja) 硬化性プリプレグ,その製造方法及び硬化方法
JP2004293161A (ja) 床の被覆工法
JPH0675374A (ja) 光硬化性材料及び硬化方法
JP3785687B2 (ja) 光硬化性組成物及びその硬化方法
EP1044777A1 (en) Molding method for corrosion-resistant FRP
JP4316101B2 (ja) 注型硬化物の製造方法
JPH0977836A (ja) 光硬化性複合材料組成物
JPH11270147A (ja) 構造物の補強方法
JP2002226530A (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH08231617A (ja) 光硬化性組成物の硬化方法
JP3587932B2 (ja) 繊維強化複合材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090708

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150717

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees