JP4342056B2 - ポリケトン繊維及びその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度・高弾性率で、高温での弾性率の保持率が高く、熱収縮率が低いポリケトン繊維およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一酸化炭素とエチレン、プロピレンのようなオレフィンとをパラジウムやニッケルなどといった遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることにより、一酸化炭素と該オレフィンが実質完全に交互共重合したポリケトンが得られることが知られている(工業材料、12月号、第5ページ、1997年)。ポリケトンを産業資材用繊維として応用する検討が多くの研究者によってなされ、高強度、高弾性率、耐熱性、高温での寸法安定性、接着性、耐クリープ特性を生かしてタイヤコード、ベルト等の補強繊維、コンクリート補強用繊維といった複合材料用繊維への応用が期待されている。
【0003】
特にエチレンと一酸化炭素からなるポリケトン(以後、ECOと略する)は結晶性が高いために、高強度、高弾性率の繊維が最も得やすく、高温下での物性変化や収縮率が小さい等の熱安定性にも最も優れている。繊維がタイヤコードして使用される場合、200cN/dtex以上の弾性率と優れた熱安定性を有することが求められており、ECO繊維は最も適正がある。このECO繊維の製造方法としては、特開平2−112413号公報、特表平4−505344号公報、特開平4−228613号公報、特表平5−504371号公報、特表平7−508317号公報、特表平8−507328号公報、国際特許出願第99/18143号に開示されている。ECOは溶融紡糸が困難であるため、溶剤にECOを溶解し、乾式または湿式紡糸法にて繊維化を行っている。弾性率が200cN/dtex以上の高性能なECO繊維を得るためには、高度な熱延伸が必要であり、9〜26倍の高倍率で1段または多段の熱延伸が行われている。また、1段で熱延伸するよりも、多段で熱延伸する方が高弾性率のECO繊維が得られることは公知である。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
このように高度な熱延伸を行うことにより弾性率を高めることは公知であるが、本発明者らの検討によれば、熱延伸方法が異なると、たとえ同程度の弾性率のポリケトン繊維が得られても、高温での弾性率保持性や寸法安定性(以後、熱安定性と略する)が異なることがわかった。タイヤコード用途としてポリケトン繊維を使用する場合、タイヤへ加工するときの加硫工程で170〜200℃の加熱を受けたり、高速走行によるタイヤの発熱により150℃以上の加熱を受ける可能性があり、熱安定性は必要性能として極めて重要である。本発明者らは200cN/dtex以上の高い弾性率と優れた熱安定性を同時に満たすには、極めて限られた特定の熱延伸条件の設定とその結果得られる繊維が特定の熱的性質を示すことが必要であることを見出した。特開平4−228613号公報の実施例3には確かに弾性率が200cN/dtex以上のECO繊維が示されている。しかしながら、第1段の延伸温度が175℃で、ECO繊維の本発明のいうところの緊張下融点は250℃以上であることから緊張下融点よりも75℃以上も低い温度で延伸を行っている。このため、延伸張力が高くて分子の切断が起こったりひずみが残りやすくなり、例えば200℃での弾性率の保持率は70%以下になるといった熱安定性が低い繊維となる。また、特開平2−112413号公報の実施例や特表平5−504371号公報の実施例10にも、弾性率が200cN/dtex以上のポリケトン繊維が示されているが、1段目の熱延伸を9倍以上の高い延伸倍率で行っていて、張力が高いことによる分子の切断や不均一な延伸が起こりやすいために、熱安定性が低い繊維となる。また、特表平4−505344号公報、特開平4−228613号公報、特表平5−504371号公報、特表平7−508317号公報、特表平8−507328号公報の実施例にも多段延伸により200cN/dtex以上の弾性率が得られることが示されている。しかしながら、多段延伸における各段の延伸温度と延伸倍率の組み合わせの記述がなされておらず、熱安定性を最大限に引き出す方法に関する示唆は一切なされていない。
【0005】
本発明の課題は、高弾性率で、高温での弾性率の保持率が高く、熱収縮率が低いポリケトン繊維を提供することである。具体的には、DSCにより観察されるTmが少なくとも265℃であり、Tmのピーク面積に対する150℃〜Tmの温度範囲に見られる吸熱ピーク面積の比率が1%以下であるポリケトン繊維を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために、ポリケトン繊維の紡糸及び延伸を様々な方法で行い、高温での弾性率保持性及び寸法安定性(以下、熱安定性とする)と構造パラメータの関係を詳細に検討した結果、示差走査熱量計(DSC)により観察される最大吸熱ピーク温度(以下Tmとする)と、最大吸熱ピーク面積に対する150℃〜Tmの温度範囲に見られる吸熱ピーク面積の比率が特定の範囲であれば熱安定性に優れたポリケトン繊維を提供することが可能となることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、繰り返し単位の97モル%以上が下記の式(1)で示されるポリケトンからなるポリケトン繊維において、示差走査熱量計(DSC)により観察される最大吸熱ピーク温度(以下Tmとする)が少なくとも265℃であり、下記の式(2)で定義されるピーク面積比率が1%以下であり、200℃での熱収縮率が3.2%以下、200℃での弾性率保持率が75%以上であることを特徴とするポリケトン繊維を提供するものである。
【0008】
【化2】
Figure 0004342056
【0009】
【数2】
ピーク面積比率(%)=[(A1+A2+・・)/Am]×100 ・・(2)
ここで、A1,A2,・・はTmよりも低く150℃以上の温度に見られる吸熱ピークの面積であり、Amは最大吸熱ピークの面積である。
本発明のポリケトン繊維は、繰り返し単位の97モル%以上が上記の式(1)で示されるポリケトンである。3モル%未満の範囲で上記の式(1)以外の繰り返し単位、例えば下記の式(3)に示したもの等を含有していても良い。
【0010】
【化3】
Figure 0004342056
Rはエチレン以外の1〜30の有機基であり、例えばプロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等が例示される。これらの水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以上であってもよく、例えば、プロピレンと1−フェニルエチレンが混在していてもよい。高強度、高弾性率が達成可能で、高温での安定性が優れるという観点で繰り返し単位の98モル%以上が上記の式(1)で示されるポリケトンであるこことが好ましく、最も好ましくは100モル%である。
【0011】
また、これらのポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のポリケトン繊維は、示差走査熱量計(DSC)により観察されるTmが少なくとも265℃であり、上記の式(2)で定義されるピーク面積比率が1%以下である必要がある。実施例に示したような方法でDSC測定したときに、高度に熱延伸されたポリケトン繊維では、150℃以上Tm未満の間に吸熱ピークが1本以上見られる場合がある(図1)。同じTmをもったポリケトン繊維であっても、150℃以上Tm未満の温度範囲に見られる吸熱ピークの大きさにより、熱安定性が大きく異なる。Tmが265℃以上であってもピーク面積比率が1%より大きい場合、熱安定性は不十分なものとなってしまう。また、Tmが265℃より小さい場合、ピーク面積比率が1%以下であっても十分な熱安定性が得られない。熱安定性がさらに良いという点でTmは270℃以上が好ましく、さらに275℃以上が好ましい。また、ピーク面積比率も同様に0.5%以下が好ましく、0.3%以下がさらに好ましく、0%が最も好ましい。
【0012】
本発明のポリケトン繊維の強度及び弾性率は高い方が好ましいが、特に弾性率は200cN/dtex以上であることが好ましく、さらに250cN/dtexであることが好ましい。
本発明のポリケトン繊維の極限粘度[η]は、3dl/g以上が好ましい。3dl/gより小さいと、延伸による融点の向上効果が小さくなり、結果的に熱安定性の優れたものが得られにくい。ただし、[η]が20dl/gより大きい場合、熱延伸性が悪くなる傾向が見られ、かえって熱安定性が低下する場合があるので、20dl/g以下であることが好ましい。好ましい[η]の範囲としては3〜18dl/gが好ましく、さらに好ましくは、5〜15dl/gである。
Tmが265℃以上で、ピーク面積比率が1%以下の該ポリケトン繊維であれば、その製造方法は特に限定されるものではないが、以下に達成可能な製造法について説明する。
【0013】
本発明に用いるポリケトンについては融点以上でポリマーの化学架橋反応によるゲル化の進行が早いため、湿式紡糸法または乾式紡糸を用いて行うことが好ましい。特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特表平4−505344号公報に記載の溶剤、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール、クロロフェノール、レゾルシン/水、フェノール/アセトン、プロピレンカーボネート/ヒドロキノン、ピロール、レゾルシン/プロピレンカーボネート、ピリジン、ギ酸等の有機溶剤を用いて行うこともできるが、これらの溶剤は高価または毒性が高いものであったり、引火性の高い凝固剤を使用する必要がある等、工業的に使用するには問題がある。また、米国特許第5929150号明細書、国際特許出願第99/18143号では、例えば亜鉛塩溶液、リチウム塩の溶液が溶剤として使用できることが開示されている。しかしながら、リチウム塩の溶液は高価であるので、工業的に使用することができない。これに対して、亜鉛塩の溶液は安価であるが、ポリケトンを亜鉛塩の溶液に溶した場合、溶解から紡糸に至る間にポリマーの変成が起こり、長期にわたって安定に紡糸する事が困難であるという問題がある。本発明者らは、米国特許第5929150号明細書、国際特許出願第99/18143号とは独立にハロゲン化亜鉛とハロゲン化アルカリ金属及び/またはハロゲン化アルカリ土類金属の混合塩の水溶液を使用することで、上記の問題を解決している。したがって、ハロゲン化亜鉛とハロゲン化アルカリ金属及び/またはハロゲン化アルカリ土類金属の混合塩の水溶液を溶剤とした湿式紡糸法を一例として以下に説明する。
【0014】
ハロゲン化亜鉛としては、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等がある。ポリケトンの溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性の点で塩化亜鉛が最も好ましい。ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩バリウム、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、ヨウ化ナトリウム等がある。コスト、溶液の長期安定性、溶剤の回収のしやすさという点で塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウムが好ましく、さらに好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カルシウムである。ハロゲン化亜鉛とハロゲン化アルカリ金属及び/またはハロゲン化アルカリ土類金属の混合塩水溶液の塩濃度としては、溶解性、コストやポリケトン溶液の安定性の観点から40〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜75%である。また、ハロゲン化亜鉛とハロゲン化アルカリ金属及び/またはハロゲン化アルカリ土類金属の混合重量比は、ポリケトンの溶解性、ポリケトン溶液の長期安定性の観点から、95/5〜40/60が好ましく、さらに好ましくは90/10〜55/45である。
【0015】
ポリケトン溶液中のポリマー濃度は0.005〜70重量%であることが好ましい。ポリマー濃度が0.005重量%未満では濃度が低すぎて、凝固時に繊維になりにくい欠点を有する他、繊維の製造コストが高くなりすぎる欠点を有する。また、70重量%を越えるともはやポリマーが溶剤に溶解しなくなる。溶解性、紡糸のしやすさ、繊維の製造コストの観点から、好ましくは0.5〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%である。
【0016】
このポリケトン溶液を紡糸口金から押し出し、続いて凝固浴中で繊維状に凝固させる。凝固浴の組成は、メタノール、アセトン等の有機溶剤、水、有機物水溶液、無機物水溶液等どのようなものであってもよいが、有機溶剤単独組成の凝固浴の場合には、凝固速度が著しく遅くなり工業的なスピードで、安価な設備で紡糸することが困難となってしまうため、少なくとも1重量%の水を含有する溶液であることが好ましい。回収効率の観点からは溶剤に使用された該混合塩の水溶液であることが好ましい。
【0017】
紡糸速度や凝固温度によっては、凝固浴中で凝固糸中の該混合塩を十分に除去できない場合もあるので、必要に応じては凝固浴を出た凝固糸をさらに洗浄してもよい。洗浄には該混合塩を溶解する能力を有する液体であればどのようなものを用いてもよいが、安全性、溶液のコスト、回収のコスト等を考慮すると、水系の溶液が好ましく、ハロゲン化亜鉛の溶解性の観点からは水もしくは硫酸、塩酸、リン酸等の酸性水溶液が特に好ましい。
【0018】
こうして洗浄された凝固糸は、水分の一部又は全部を除くために乾燥を行う。乾燥方法としては、定長であるいは収縮させながら乾燥してもよい。乾燥方法としては、バッチ乾燥法であっても、加熱したロールやプレート上あるいは加熱気体中を走行させて乾燥する連続乾燥法であってもよい。糸の均一性や製造コストの観点からは連続乾燥法が好ましい。乾燥温度は特に制約はないが、60℃〜260℃の範囲が好ましい。
このようにして得られた乾燥糸を、以下に示すような特定の熱延伸温度及び延伸倍率で、2段以上の熱延伸を行うことで本発明のTmが265℃以上で、ピーク面積比率が1%以下のポリケトン繊維を得ることができる。
【0019】
熱延伸温度は、ポリケトン繊維の緊張下融点に対して0〜30℃低い温度である必要がある。ここで、緊張下融点とは、ポリケトン繊維に緊張がかかった状態でDSCを用いて測定したときの最大吸熱ピーク温度(詳細は実施例に示した)のことであり、前述のTmと比較してより高い温度となる。熱延伸はポリケトン繊維に緊張がかかった状態で行われることを考えると、緊張下融点を基準に熱延伸温度を決定することは極めて重要である。延伸温度が緊張下融点から30℃を越えて低いときは、Tmが265℃以上でピーク面積比率が1%以下のポリケトン繊維が得られない。また、延伸温度が緊張下融点よりも高いときは、延伸不能となる。同様な観点から、好ましくは10〜20℃低い温度であり、さらに好ましくは13〜17℃低い温度である。
【0020】
1段目の延伸は2〜8倍の範囲で行う必要がある。1段目の延伸倍率が8より高いときは、Tmが265℃以上の繊維が得られなかったり、Tmが265℃以上のポリケトン繊維は得られてもピーク面積比率が1%より大きくなる。1段目の延伸が2倍より低いときは、延伸の効率が悪くなるばかりか、到達物性が低くなる。好ましくは3〜7倍であり、さらに好ましくは4〜6倍である。2段目以降の延伸は、破断延伸倍率の30〜80%の延伸倍率で行う必要がある。ここで、破断延伸倍率とは、緊張下融点に対して0〜30℃低い延伸温度で熱延伸したときに繊維の切断が起こる限界の延伸倍率のことである。延伸倍率が破断延伸倍率の80%より大きいときは、延伸による強度の向上率が低くなるとともに、Tmが265℃以上の繊維が得られなかったり、Tmが265℃以上となってもピーク面積比率が1%よりも高くなる。延伸倍率が破断延伸倍率の30%より小さい場合、たとえ多段で延伸を行っても高強度、高弾性率のポリケトン繊維を得ることが困難で、熱安定性も低いものとなる。同様な観点から40〜75%が好ましく、さらに好ましくは50〜70%である。
【0021】
熱延伸の段数は2段以上であれば特に制限はないが、強度や弾性率の高いポリケトン繊維が得られやすいという点で3段以上が好ましい。ただし、7段より多くても強度や弾性率の向上率が小さくなるばかりか、設備が高価となったり、生産効率が悪くなるなど逆に不利益をもたらすため、7段以下が好ましい。さらに好ましくは4〜6段の範囲である。
熱延伸方法としては、加熱ロールまたはプレート上あるいは加熱気体中を走行させる方法や、走行糸にレーザーやマイクロ波、遠赤外線を照射する方法等の従来公知の装置、方法をそのままあるいは改良して採用することができる。
【0022】
本発明のポリケトン繊維は、高温での弾性率保持性が高く、熱収縮率が小さいため、タイヤやベルト等の高温で使用される可能性がある繊維強化複合材料用途に適している。本発明のポリケトン繊維をタイヤコードとする場合は、公知の方法を用いることができる。タイヤコードとして用いる場合は、単糸繊度は1〜4dが好ましく、総繊度は500〜3000dが好ましい。必要に応じて他の繊維、例えば、レーヨン、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、スチール繊維等と混合使用してもよいが、好ましくはタイヤ中に含まれる全タイヤコードの20重量%、好ましくは50重量%以上使用されていることが性能発揮の面から好ましい。得られたポリケトン繊維は、合撚して100〜1000T/m、好ましくは、200〜500T/mの撚りを掛けた後、すだれ織りとした後、10〜30%のRFL(フェノール/ホルマリンラテックス)液を付着させ、少なくとも100℃で固着させる。RFL樹脂の付着量は、繊維重量に対して2〜7重量%が好ましい。こうして得られたタイヤコードは、特にラジアルタイヤ用カーカス材として有用である。
【0023】
【実施例】
本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するがそれらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求めた。
[η]=lim(T−t)/(t・C)
C→0
定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
(2)繊維の強度、弾性率
引張り物性測定器(オリエンテック社製、UCT−10T)を用いて、25℃、試料長20cm、クロスヘッドスピード20cm/分で測定した。
【0024】
(3)Tm及びピーク面積比率
長さ2mm程度に切断したポリケトン繊維2mgを、窒素雰囲気下で、20℃/分の昇温速度で、示差走査熱量計(PERKIN ELMER社製 Pyris 1 DSC)を用いて測定を行った。Tmは、図1に示したように最も面積の大きい吸熱ピーク温度である。また、ピーク面積は図1のように点線のベースラインと吸熱ピークで囲まれた面積であり、PERKIN ELMER社製 Pyris 1 DSCに付属した解析ソフト「Pyris Data Analysis」を使用して計算した。
(4)緊張下融点
長さ5mm、幅2mm、厚さ0.2mmのアルミ製の板に、ポリケトン繊維を1.0cN/dtexの荷重をかけて2mg巻き付け固定し、これを20℃/分の昇温速度で、窒素雰囲気下で、示差走査熱量計(PERKIN ELMER社製 Pyris 1 DSC)を用いて測定を行った。緊張下融点は、最も面積の大きい吸熱ピーク温度である。
【0025】
(5)破断延伸倍率
図2に示した装置を用いて、所定のホットプレート温度で、送りロール速度を2m/分とし、巻き取りロールを2m/分から10m/分/分の加速度で速度を徐々に上げ、糸が切断したときの巻き取りロールの速度(m/分)を測定した。破断延伸倍率は以下の式より計算した。
破断延伸倍率=糸が切断したときの巻き取りロールの速度/2
(6)延伸倍率比
延伸倍率比は破断延伸倍率に対する実際に延伸した延伸倍率の比であり、以下の式より計算した。
延伸倍率比(%)=延伸倍率/破断延伸倍率×100
【0026】
(7)弾性率の保持率
サンプル設置部をヒーターボックスで囲み、試料温度が200℃となるようにして、それ以外は(2)と同様な条件で弾性率を測定した。保持率は以下の式に示す式より計算した。
保持率(%)=[弾性率(200℃)/弾性率(25℃)]×100
(8)熱収縮率
ポリケトン繊維を200℃、30分の無緊張状態で熱処理したときの繊維長の変化を測定し、以下に示した式より熱収縮率を計算した。
熱収縮率(%)=
[(熱処理前の繊維長−熱処理後の繊維長)/熱処理前の繊維長]×100
【0027】
【実施例1〜2、比較例1〜3】
75重量%の塩化亜鉛と塩化ナトリウムの混合塩(塩化亜鉛と塩化ナトリウムの重量比は65/10)水溶液に、極限粘度が6.0dl/gで、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)で示されるポリケトンを7重量%となるように混合し、これを80℃で3時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た。
【0028】
このポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.1mmの穴が50個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、80℃、6m/分の速度で押し出し、エアギャップ長10mmを通過させ、そのまま10℃の水である浴中を通した後、6m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いでそのネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、さらに2%の硫酸浴を通してネルソンロールで引き上げた後ネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、水を含んだ状態で管上に巻き取った。この糸を240℃のホットプレート上を2m/分の速度で通して乾燥した。このポリケトン繊維の緊張下融点は、253℃であった。
【0029】
このポリケトン繊維を、図2に示した装置を用い、表1の条件で熱延伸した。尚、送りロール速度は2m/分である。表1には、それぞれの延伸段階での緊張下融点及び延伸温度、延伸温度での破断延伸倍率、延伸倍率及び延伸倍率比を示した。表2には、3段延伸後のポリケトン繊維のTm、ピーク面積比率、[η]、25℃での強度及び弾性率、200℃での弾性率の保持率、200℃での熱収縮率を示した。
表2に示すように、実施例1〜2のポリケトン繊維は、弾性率の保持率が高く、熱収縮率が小さくなっており、高い熱安定性を示す。一方、比較例1では1段延伸の延伸温度が低すぎ、比較例2では1段延伸の延伸倍率が高すぎ、比較例3では3段延伸の延伸倍率が高すぎるために、弾性率は本発明と同程度であるが熱安定性が低いものとなっている。
【0030】
【実施例3〜4、比較例4】
63重量%の塩化亜鉛と塩化カルシウムの混合塩(塩化亜鉛と塩化カルシウムの重量比は51/49)水溶液に、極限粘度が7.6dl/gで、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)であるポリケトンを8重量%となるように30℃で混合し、10torrまで減圧した。泡の発生が無くなった後減圧のまま密閉し、これを120℃で5時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た。
【0031】
このポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.1mmの穴が50個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、100℃、6m/分の速度で押し出し、エアギャップ長10mmを通過させ、そのまま−20℃の30重量%メタノール水溶液である浴中を通した後、6m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いでそのネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、さらに2%の硫酸浴を通してネルソンロールで引き上げた後ネルソンロール上で水を吹きかけて洗浄し、水を含んだ状態で管上に巻き取った。この糸を240℃のホットプレート上を2m/分の速度で通して乾燥した。このポリケトン繊維の緊張下融点は、255℃であった。
【0032】
このポリケトン繊維を、図2に示した装置を用いて、表3に示す条件で熱延伸を行った。尚、送りロール速度は2m/分である。表3には、それぞれの延伸段階での緊張下融点及び延伸温度、延伸温度での破断延伸倍率、延伸倍率比を示した。表4には、4段延伸後のポリケトン繊維のTm、ピーク面積比率、[η]、25℃での強度及び弾性率、200℃での弾性率の保持率、200℃での熱収縮率を示した。
表4に示すように、実施例3〜4のポリケトン繊維は、弾性率の保持率が高く、熱収縮率が小さくなっており、高い熱安定性を示す。一方、比較例4では4段延伸の延伸倍率が高すぎるために、弾性率は本発明と同程度であるが熱安定性が低いものとなっている。
【0033】
【実施例5、比較例5】
極限粘度が6.2dl/gで、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)であるポリケトンを用いて、特開平4−228613号公報の実施例3に従って湿式紡糸を行った。乾燥後の緊張下融点は、255℃であった。
これを図2に示した装置を用い、表5の条件で熱延伸した。尚、送りロール速度は2m/分である。表5には、それぞれの延伸段階での緊張下融点及び延伸温度、延伸温度での破断延伸倍率、延伸倍率及び延伸倍率比を示した。表6には、3段延伸後のポリケトン繊維のTm、ピーク面積比率、[η]、25℃での強度及び弾性率、200℃での弾性率の保持率、200℃での熱収縮率を示した。
【0034】
表6に示すように、実施例5のポリケトン繊維は、弾性率の保持率が高く、熱収縮率が小さくなっており、高い熱安定性を示す。一方、比較例5(特開平4−228613号公報の実施例3の熱延伸方法)では1段延伸の延伸温度が低すぎる上に2段延伸の延伸倍率が高すぎるために、弾性率は本発明と同程度であるが熱安定性が低いものとなっている。
【0035】
【表1】
Figure 0004342056
【0036】
【表2】
Figure 0004342056
【0037】
【表3】
Figure 0004342056
【0038】
【表4】
Figure 0004342056
【0039】
【表5】
Figure 0004342056
【0040】
【表6】
Figure 0004342056
【0041】
【発明の効果】
高温での弾性率の保持率が高く、熱収縮率が低いなど、熱安定性に優れたポリケトン繊維を提供することが可能となった。本発明のポリケトン繊維は、高温での弾性率保持性が高く、熱収縮率が小さいため、タイヤやベルト等の高温で使用される可能性がある繊維強化複合材料用途に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】Tmとピーク面積比率を説明するためのDSC曲線図である。
【図2】本発明に用いた熱延伸機の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 延伸前の糸
2 送りロール
3 ホットプレート
4 巻き取りロール
5 ワインダー

Claims (3)

  1. 繰り返し単位の97モル%以上が下記の式(1)で示されるポリケトンからなるポリケトン繊維において、示差走査熱量計(DSC)により観察される最大吸熱ピーク温度(以下Tmとする)が少なくとも265℃であり、下記の式(2)で定義されるピーク面積比率が1%以下であり、200℃での熱収縮率が3.2%以下、200℃での弾性率保持率が75%以上であることを特徴とするポリケトン繊維。
    Figure 0004342056
    数1
    ピーク面積比率(%)=[(A1+A2+・・)/Am]×100 ・・(2)
    ここで、A1,A2,・・はTmよりも低く150℃以上の温度に見られる吸熱ピークの面積であり、Amは最大吸熱ピークの面積である。
  2. Tmが少なくとも270℃であることを特徴とする請求項1記載のポリケトン繊維。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載のポリケトン繊維を50重量%以上用いたことを特徴とするタイヤコード。
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