JP5000046B2 - ポリケトン溶液及びポリケトン繊維の製造方法 - Google Patents

ポリケトン溶液及びポリケトン繊維の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5000046B2
JP5000046B2 JP2001198367A JP2001198367A JP5000046B2 JP 5000046 B2 JP5000046 B2 JP 5000046B2 JP 2001198367 A JP2001198367 A JP 2001198367A JP 2001198367 A JP2001198367 A JP 2001198367A JP 5000046 B2 JP5000046 B2 JP 5000046B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyketone
solution
temperature
solvent
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001198367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003012917A (ja
Inventor
徹 森田
仁一郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Fibers Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Fibers Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Fibers Corp filed Critical Asahi Kasei Fibers Corp
Priority to JP2001198367A priority Critical patent/JP5000046B2/ja
Publication of JP2003012917A publication Critical patent/JP2003012917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5000046B2 publication Critical patent/JP5000046B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、強度及び弾性率の高いポリケトン繊維の製造に適したポリケトン溶液及びこの溶液を用いたポリケトン繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一酸化炭素とエチレン、プロピレンのようなオレフィンとをパラジウムやニッケル等といった遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることにより、一酸化炭素とオレフィンが実質完全に交互共重合したポリケトンが得られることが知られている(工業材料、12月号、第5ページ、1997年)。ポリケトンを産業資材用繊維として応用する検討が多くの研究者によってなされ、高強度、高弾性率、高温での高い寸法安定性、良好な接着性、高い耐クリープ特性を生かしてタイヤコード、ベルト等の補強繊維、プラスチックの補強用繊維、といった複合材料用繊維への応用が期待されている。
【0003】
特に、エチレンと一酸化炭素の繰り返し単位からなるポリケトンは、高温での寸法安定性が最も高く、また、ポリエチレンやポリビニールアルコールのように分子鎖のコンフォメーションが直線に近いために、いわゆるスーパー繊維と呼ばれる高強度・高弾性率繊維となりえる。このようなポリケトン繊維が工業的に製造可能となれば、スチールタイヤコードの代替としてタイヤの軽量化が達成可能であり、環境問題改善の効果が期待される。
【0004】
以上のような高性能ポリケトン繊維を製造するために、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維等の製造にみられるゲル紡糸法をポリケトン繊維の製造に応用することが検討され、熱可逆性のゲルを形成するポリケトン用の溶剤が開発された。例えば、特表平4−505344号公報、特表平5−504371号公報には、ピロール、フェノール、ピリジン、安息香酸、ギ酸、N−メチルピロリジン、アニリン、フェノキシエタノール、N−メチルイミダゾール等が示され、特表平8−507328号公報にはエチレンカーボネート、ベンジルアルコール、γ―ブチロラクトン、ジプロピレングリコール等が示されている。これらの溶剤は、毒性が高い、ポリケトンが変性する、ポリケトンに対する溶解性が低い、可燃性が高く防爆設備が必要である、等の点から、工業的な方法としては問題があった。
【0005】
これに対して、本出願人は、国際公開第99/18143号パンフレットや国際公開第00/09611号パンフレット等において、塩化亜鉛等の金属塩水溶液をポリケトンの溶剤として用いることを提案し、さらに特開2001−293928号公報において金属塩水溶液を溶剤としたゲル紡糸法を提案した。このゲル紡糸法は、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩の金属塩水溶液からなる溶剤を用い、0〜250℃の温度範囲に相分離温度を有するポリケトン溶液を紡糸し、浴中で冷却凝固させて熱可逆ゲル繊維を形成させるものである。この方法において用いられる溶剤は、可燃性や毒性が低く、ポリケトンの化学架橋や分子量低下を起こさずポリケトンを溶解する。したがって、この方法によると、高強度・高弾性率のポリケトン繊維を製造することが可能である。
【0006】
しかしながら、特開2001−293928号公報に記載の溶剤を用いたゲル紡糸法では、紡糸速度が遅い場合には強度が15cN/dtex以上で弾性率が350cN/dtex以上の高強度・高弾性率のポリケトン繊維を得ることが可能であるが、紡糸速度が50m/分以上になると単糸切れ等の紡糸の不安定化や物性の低下をもたらした。この主な原因は、ここで用いられるポリケトン溶液のゲル化速度が遅いために、紡糸速度が速くなると冷却浴中の滞留時間が短くなり、十分なゲル化が進行しないためと考えられた。この対策として、冷却浴長を長くすることや冷却温度を下げることが考えられるが、これらの方法では浴抵抗が大きくなり繊維太さに斑や単糸切れを生じること、冷却浴の温調コスト及び溶剤の回収コストが高くなること等の欠点があった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、以下の課題を解決することを目的とする。
(1)低毒性、不燃で溶剤回収性に優れた溶剤を用いたゲル紡糸方法によりポリ
ケトン繊維を製造すること。
(2)短い凝固浴長で、50m/分以上の紡糸速度でゲル紡糸が可能であること。
(3)強度が15cN/dtex以上で弾性率が350cN/dtex以上の高
強度・高弾性率のポリケトン繊維が製造可能であること。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するために、ポリケトンの溶液組成及びポリケトン繊維の製造方法を詳細に検討した結果、驚くべきことに、塩化亜鉛と塩化リチウムの特定塩組成の水溶液を溶剤とした場合、ゲル化速度が早いために高速でゲル紡糸が可能になることがわかり、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、繰り返し単位の95モル%以上が化学式(1)で示されるポリケトンが溶剤に溶解された溶液において、溶剤が、塩化亜鉛の質量をZ、塩化リチウムの質量をL、塩化亜鉛及び塩化リチウム以外の金属塩の質量をX、水の質量をWとしたときに、以下に示す数式の関係を満たす水溶液であることを特徴とするポリケトン溶液、及び前記ポリケトン溶液を、ポリケトン溶液の相分離温度より高い温度で紡糸口金より吐出し、相分離温度より10℃以上低い温度の凝固浴に押し出して凝固させて繊維状物を形成させ、繊維状物から溶剤の一部又は全部を除去した後、熱延伸することを特徴とするポリケトン繊維の製造方法である。
0.2≦L/Z≦1.5
0.2≦(Z+L)/(Z+L+X+W)≦0.7
0.5≦(Z+L+X)/(Z+L+X+W)≦0.7
【0010】
【化2】
Figure 0005000046
【0011】
本発明のポリケトンは、繰り返し単位の95モル%以上が上記の式(1)で示されるものである。5モル%未満の範囲で上記の式(1)以外の繰り返し単位、例えば、化学式(2)に示したもの等を含有していてもよい。
【0012】
【化3】
Figure 0005000046
【0013】
式中、Rは、エチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えば、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等である。これらの水素原子の一部又は全部がハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基等で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以上であってもよく、例えば、プロピレンと1−フェニルエチレンが混在していてもよい。より高強度、高弾性率が達成可能で、高温での強度、弾性率の保持性が優れるという観点から、繰り返し単位の97モル%以上が上記の式(1)で示されるポリケトンであることが好ましく、最も好ましくは100モル%である。
【0014】
本発明で使用するポリケトンの極限粘度[η]に特に限定はないが、高強度化の観点から3以上が好ましく、溶解性や紡糸性の観点から20以下であることが好ましい。より好ましい[η]の範囲としては4〜15であり、最も好ましくは5〜10である。
【0015】
溶剤は、塩化亜鉛の質量をZ、塩化リチウムの質量をL、塩化亜鉛及び塩化リチウム以外の金属塩の質量をX、水の質量をWとしたときに以下に示す数式の関係にある水溶液であることが必要である。
0.2≦L/Z≦1.5
0.2≦(Z+L)/(Z+L+X+W)≦0.7
0.5≦(Z+L+X)/(Z+L+X+W)≦0.7
【0016】
L/Z、すなわち、塩化亜鉛に対する塩化リチウムの質量比は0.2〜1.5、好ましくは0.5〜1.3、より好ましくは0.8〜1.1である。 L/Zが0.2未満の場合にはゲル化速度が遅く、高強度のポリケトン繊維が得られない。 L/Zが1.5を越えるとポリマーの溶解性が悪化して紡糸が不安定になる。
【0017】
(Z+L)/(Z+L+X+W)、すなわち、溶剤に対する溶剤中の塩化亜鉛と塩化リチウムの質量比は0.2〜0.7、好ましくは0.3〜0.6である。(Z+L)/(Z+L+X+W)が0.2未満ではポリケトンの溶解性が悪くなり安定した紡糸ができず、0.7を越えるとゲル化速度が遅くなり、高強度のポリケトン繊維が得られない。
(Z+L+X)/(Z+L+X+W)、すなわち、溶剤に対する溶剤中の金属塩の質量比は0.5〜0.7である。( Z+L+X)/(Z+L+X+W)が0.5未満ではポリケトンの溶解性が悪く安定した紡糸ができず、0.7を越えるとゲル化速度が遅くなり、高強度のポリケトン繊維が得られない。
【0018】
塩化亜鉛及び塩化リチウム以外の金属塩は、50℃の温度の水に1質量%以上溶解する金属塩であり、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。特に、塩化カルシウムを含有するポリケトン溶液は、凝固浴中でより均一で緻密なゲル構造を形成し、比較的低倍率の熱延伸で高強度のポリケトン繊維を製造することが可能であり、延伸段数や加熱長の低減により延伸設備コストを削減する効果がる。
【0019】
本発明のポリケトン溶液中のポリマー濃度は、高強度のポリケトン繊維を製造する上で4〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%、最も好ましくは6〜15質量%である。
ポリマー濃度は、以下の式で定義される値である。
ポリマー濃度(質量%)
=[ポリマーの質量/(ポリマーの質量+溶剤の質量)]×100
【0020】
上記の溶剤を用いて実質的に均一に溶解したポリケトン溶液は、徐々に冷却したときに、ポリケトンが溶剤に均一に溶けなくなりポリケトン溶液が不均一な状態(白濁)となる性質がある。この不均一な状態となるときの温度、すなわち相分離温度は、溶剤の金属塩組成、ポリマー濃度及びポリマー分子量により異なる。本発明では、実質的に均一に溶解されたポリケトン溶液(この溶液の光の透過度をT1とする)を1時間に10℃の速度で徐々に冷却したとき(この冷却過程における所定温度での溶液の光の透過度をT2とする)に、光の透過度の減少率が増加し、光の透過度の減少率が10%となった時の温度を相分離温度と定義する。光の透過度は、波長が632.8nmのレーザー光を光源に用いて測定する。また、光の透過度の減少率は以下の式で定義される値である。
光の透過度の減少率(%)=(T1−T2)/T1×100
【0021】
相分離温度より低い温度に下げることにより、ポリケトン溶液はゲル状に固化する。ポリケトン溶液を紡糸口金から相分離温度より低温の凝固浴中に押し出し、ゲル状に固めることにより断面の均一な繊維が製造可能であり、後工程の熱延伸により斑の少ない延伸配向が達成され、高強度・高弾性率の物性を発現することが可能となる。本発明のポリケトン溶液はゲル化する速度が驚くべきことに、特に速く、低温浴中への接触が短時間でゲル状に固まり、低温浴長を長くすることなくゲル紡糸速度の向上が可能となる。
【0022】
国際公開第99/18143号パンフレット及び国際公開第00/09611号パンフレットにおいて、亜鉛塩やリチウム塩の溶液をポリケトンの溶剤に用いることが提案されているが、塩化亜鉛と塩化リチウムの特定塩組成の水溶液が上述のような特異な現象や効果をもたらすことについての記述は全くみられない。
ポリケトン溶液の相分離温度が高い場合、紡糸口金より吐出するときにポリケトン溶液を相分離温度より高い温度にする必要があり、ポリマーが化学架橋や分解を起こすことによりポリケトン繊維の物性を低下させる場合がある。また、低い場合には、ゲル化速度が遅くなり、ゲル紡糸速度を高める効果が小さくなると共に達成強度も低下させる傾向がある。これらの観点から、相分離温度は、10〜150℃が好ましく、20〜100℃がより好ましく、30〜70℃が最も好ましい。
【0023】
金属塩水溶液にポリケトンを溶解する方法については特に限定はないが、以下に、好ましい例を挙げて説明する。
溶解機にポリケトン及び溶剤を入れ、相分離温度より20℃以上高い温度で攪拌することが好ましい。攪拌する温度がこれより低いと完全に溶解するまでの時間が長くなる。攪拌する温度が200℃を越えるとポリマーの変性が起こる場合があるため、200℃以下の温度で攪拌することが好ましい。脱泡は、減圧下又は大気圧下で放置すれば可能であるが、ポリケトン溶液の粘度が高い場合には、溶解機にポリケトンを入れ、好ましくは10kPa以下、より好ましくは1kPa以下とした後、脱泡した溶剤を注入し、空気の混入を抑制して攪拌することにより、気泡が無く実質的に均一なポリケトン溶液が得られる。
【0024】
溶解機としては、1軸又は2軸の攪拌翼を有する攪拌効率に優れた公知のものが適用できる。1軸攪拌の溶解機としては、スパイラルや二重スパイラル翼を有したものが適している。2軸攪拌のバッチ式溶解機としては、例えば、自転と公転を有するフックを攪拌翼とするプラネタリーミキサー、双腕型ニーダー、バンバリーミキサー等、連続溶解機としては、例えば、スクリュー押出機やコニーダー等が用いられる。
【0025】
次に、本発明のポリケトン溶液を用いたポリケトン繊維の製造方法について述べる。
本発明のポリケトン溶液を必要に応じてフィルターで濾過し、ごみ、未溶解ポリマー、触媒残さ等を除去した後、ポリケトン溶液を紡糸口金から凝固浴へ押し出し、繊維状に成形する。ポリケトン溶液を紡糸口金から押し出すときの温度は、相分離温度より高いことが必要である。相分離温度以下では紡糸口金からのポリケトン溶液が不均一となり、糸切れや紡口詰まりが発生する。さらに、押し出しの長期安定性を考慮すれば相分離温度よりも10℃以上高い温度で押し出すことが好ましい。
【0026】
凝固浴の温度は、相分離温度よりも10℃以上低いことが必要である。相分離温度より低い温度の浴に押し出されたポリケトン溶液は、全体的にあるいは部分的にゲル化した繊維状物を形成するが、これより高いとゲル化速度が遅いために紡糸速度を高められない上に、高強度のポリケトン繊維を製造するのが困難である。凝固浴の温度は、ゲル化繊維状物を形成する速度が早まり、紡糸速度の高速化を可能にするという点で、相分離温度より20℃以上低いことが好ましく、相分離温度より50℃以上低いことがより好ましい。
【0027】
凝固浴を構成する媒体は、使用する温度において液体であれば溶剤との親和性が低いものでも、親和性が高いものでも差し支えない。親和性が低いものとして、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、トルエン、エチルベンゼン、デカリン等の炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらを凝固浴に使用した場合、溶剤との親和性が低いために、ゲル化繊維状物から溶剤の浴中への拡散はほとんどない。したがって、浴外へ引き上げられた繊維状物は押し出したポリケトン溶液とほぼ同じ組成であり、加温することにより再び溶液となる。親和性の高いものとしては、メタノール、アセトン、酢酸、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の水との親和性が高い有機溶剤、前記の有機溶剤を混合した水溶液、硫酸、塩酸、リン酸、金属塩等の無機物を溶解した水溶液、水等が挙げられる。
【0028】
これらを凝固浴に使用した場合、ポリケトンの溶剤との親和性が高いために、ゲル化繊維状物から溶剤が浴中へ拡散する。したがって、浴外へ引き上げられた繊維状物は溶剤の一部又は全部が除去されており、加温することにより再び溶液となる場合と部分的にならない場合がある。浴外へ引き上げた繊維状物の強度が強く、紡糸の高速化が可能な点で溶剤との親和性が高い方が好ましく、同じ観点から、水が30質量%以上含まれた水溶液であることがより好ましい。また、溶剤の回収コストを下げるために、溶剤と同じ金属塩からなる水溶液であることが最も好ましい。
【0029】
浴外へ引き上げられた繊維状物は、溶剤の一部又は全部を除去するために洗浄剤で洗浄する必要がある。浴外へ引き上げられた繊維状物の溶剤の一部がすでに除去されている場合は、必要に応じて洗浄剤で洗浄することができる。洗浄剤としては、水又は塩酸、硫酸、リン酸等を含んだpHが4以下の水溶液を用いることができる。洗浄方法としては、洗浄剤の入った浴中に糸をくぐらせる方法や、糸の上又は/及び下から洗浄剤を吹きかける方法等があり、もちろんこれらの方法を組み合わせてもよい。
【0030】
こうして得られた繊維状物を、次に、乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、延伸しながら、定長で、あるいは、収縮させながら乾燥してもよい。乾燥時の温度としては、通常、100〜250℃であり、好ましくは、150〜230℃である。乾燥するための装置としては、トンネル型乾燥機、ロール加熱機、ネットプロセス型乾燥機等、公知の設備が用いられる。
高強度・高弾性率の繊維を得るためにさらに熱延伸を行うことが必要である。延伸温度は100〜300℃が好ましい。延伸のしやすさから150℃以上が好ましく、より好ましくは180〜280℃である。延伸は1段で行っても、延伸温度を徐々に高くして多段で延伸を行ってもよいが、延伸速度を早くできる点で多段延伸が好ましい。
【0031】
繊維と延伸機との摩擦、静電気の発生を抑制し延伸を円滑にするために、乾燥から延伸の任意の段階で仕上げ剤を付けることが好ましい。仕上げ剤としては、公知のものが使用できる。
熱延伸装置としては、加熱ロール又はプレート上あるいは加熱気体中を走行させる方法や、走行糸にレーザーやマイクロ波、赤外線を照射する等の従来公知の装置をそのまま又は改良して採用することができる。
【0032】
本発明のポリケトン溶液を用いた製造方法によると、熱延伸時に単糸融着が起こりにくく、強度のバラツキが少なく、品位の優れたポリケトン繊維の製造が可能である。この点も熱延伸後の達成強度が高い原因の一つになっていると考えられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例により具体的に説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。
本発明に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求める。
Figure 0005000046
式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサイソプロパノール及びヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは上記100ml中のグラム単位による溶質質量値である。
【0034】
(2)繊維の強度、伸度、弾性率
繊維の強伸度は、JIS−L−1013に準じ、サンプル長=20cm、引張り速度=20cm/分で測定し、10回測定したときの平均値を求める。
(3)光の透過度
加温及び冷却の制御が可能なサンプルセルユニットが付属したレーザー式光散乱光度計LSD−101(商標)(日本科学エンジニアリング(株)社製)を用いて測定する。光源は波長が632.8nmのHe−Neレーザーで、出力は15mW、ビーム径は1.50m/m(1/e2にて)である。
【0035】
【実施例1】
塩化亜鉛/塩化リチウム/水の質量比が27/32/41である水溶液に、極限粘度が5.5で、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)で示されるポリケトンを8質量%となるように30℃で混合し、6.7kPaまで減圧した。30分放置後、減圧のまま密閉し、これを85℃で2時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た。このポリケトン溶液の一部をサンプルセルに移し、溶液の温度を1時間に10℃の速度で85℃から冷却しながら、光の透過度を測定した。このポリケトン溶液の相分離温度は41℃であった。溶剤の成分割合は、L/Z=1.19、(Z+L)/(Z+L+X+W)=0.59、(Z+L+X)/(Z+L+X+W)=0.59である。
【0036】
得られたポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.2mmの孔が50個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、80℃、90m/分の速度で押し出た。長さ10mmのエアギャップを通過させ、次いで、浸漬長50cm、温度2℃の水からなる凝固浴中を通過させた後、90m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いで、ネルソンロール上で1%の塩酸及び水を吹きかけて洗浄し、220℃のロール乾燥機を通して乾燥後、90m/分で巻き取った。このゲル紡糸を1時間行ったが、単糸切れや切断等のトラブルはみられなかった。この繊維を225℃で7.0倍、240℃で1.5倍、250℃で1.4倍、260℃で1.3倍の4段延伸を行い、ポリケトン繊維を得た。得られた繊維の繊度は78dtex、強度は16.7cN/dtex、伸度は4.9%、弾性率は401cN/dtexであった。
【0037】
【実施例2】
塩化亜鉛/塩化リチウム/塩化カルシウム/水の質量比が22/10/30/38である水溶液に、極限粘度が5.5で、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)で示されるポリケトンを6.5質量%となるように30℃で混合し、6.7kPaまで減圧した。30分放置後、減圧のまま密閉し、これを85℃で2時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た。このポリケトン溶液の一部をサンプルセルに移し、溶液の温度を1時間に10℃の速度で85℃から冷却しながら、光の透過度を測定した。このポリケトン溶液の相分離温度は52℃であった。溶剤成分の割合は、L/Z=0.45、(Z+L)/(Z+L+X+W)=0.32、(Z+L+X)/(Z+L+X+W)=0.62である。
【0038】
得られたポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.2mmの孔が50個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、80℃、90m/分の速度で押し出した。長さ10mmのエアギャップを通過させ、次いで、浸漬長50cm、温度2℃の水からなる凝固浴中を通過させた後、90m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いで、ネルソンロール上で1%の塩酸及び水を吹きかけて洗浄し、220℃のロール乾燥機を通して乾燥後、90m/分で巻き取った。このゲル紡糸を1時間行ったが、単糸切れや切断等のトラブルはみられなかった。この繊維を225℃で7.0倍、240℃で1.5倍、250℃で1.4倍の3段延伸を行い、ポリケトン繊維を得た。得られた繊維の、繊度は101dtex、強度は17.9cN/dtex、伸度は5.2%、弾性率は451cN/dtexであった。
【0039】
【比較例1】
塩化亜鉛/塩化リチウム/塩化カルシウム/水の質量比が22/4/36/38である水溶液に、極限粘度が5.5で、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)で示されるポリケトンを6.5質量%となるように30℃で混合し、6.7kPaまで減圧した。30分放置後、減圧のまま密閉し、これを85℃で2時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た。このポリケトン溶液の一部をサンプルセルに移し、溶液の温度を1時間に10℃の速度で85℃から冷却しながら、光の透過度を測定した。このポリケトン溶液の相分離温度は30℃であった。溶剤成分の割合は、L/Z=0.18、(Z+L)/(Z+L+X+W)=0.26、(Z+L+X)/(Z+L+X+W)=0.62である。
【0040】
得られたポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.2mmの孔が50個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、80℃、90m/分の速度で押し出した。長さ10mmのエアギャップを通過させ、次いで、浸漬長50cm、温度2℃の水からなる凝固浴中を通過させた後、90m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いで、そのネルソンロール上で1%の塩酸及び水を吹きかけて洗浄し、220℃のロール乾燥機を通して乾燥後、90m/分で巻き取った。このゲル紡糸を1時間行ったが、単糸切れが発生し紡糸が不安定であった。この繊維を225℃で7.0倍、240℃で1.5倍、250℃で1.3倍、257℃で1.2倍の4段延伸を行い、ポリケトン繊維を得た。得られた繊維の繊度は86dtex、強度は12.9cN/dtex、伸度は5.2%、弾性率は325cN/dtexであった。
【0041】
【比較例2】
塩化亜鉛/塩化カルシウム/水の質量比が22/40/38である水溶液に、極限粘度が5.5で、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)で示されるポリケトンを6.5質量%となるように30℃で混合し、6.7kPaまで減圧した。30分放置後、減圧のまま密閉し、これを85℃で2時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た。このポリケトン溶液の一部をサンプルセルに移し、溶液の温度を1時間に10℃の速度で85℃から冷却しながら、光の透過度を測定した。このポリケトン溶液の相分離温度は25℃であった。溶剤成分の割合は、L/Z=0、(Z+L)/(Z+L+X+W)=0.22、(Z+L+X)/(Z+L+X+W)=0.62である。
【0042】
得られたポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.2mmの孔が50個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、80℃、90m/分の速度で押し出した。長さ10mmのエアギャップを通過させ、次いで、浸漬長50cm、温度2℃の水からなる凝固浴中を通過させた後、90m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いで、そのネルソンロール上で1%の塩酸及び水を吹きかけて洗浄し、220℃のロール乾燥機を通して乾燥後、90m/分で巻き取った。このゲル紡糸を1時間行ったが、単糸切れや糸の切断が起こり不安定であった。この繊維を225℃で7.0倍、240℃で1.5倍、250℃で1.3倍、257℃で1.1倍の4段延伸を行い、ポリケトン繊維を得た。得られた繊維の繊度は94dtex、強度は12.4cN/dtex、伸度は5.2%、弾性率は311cN/dtexであった。
【0043】
【比較例3】
塩化亜鉛/塩化ナトリウム/水の質量比が58/10/32である水溶液に、極限粘度が5.5で、実質的に繰り返し単位の100モル%が式(1)で示されるポリケトンを8.0質量%となるように30℃で混合し、6.7kPaまで減圧した。30分放置後、減圧のまま密閉し、これを85℃で2時間攪拌することにより均一で透明なポリケトン溶液を得た。このポリケトン溶液の一部をサンプルセルに移し、溶液の温度を1時間に10℃の速度で85℃から冷却しながら、光の透過度を測定した。このポリケトン溶液の相分離温度は55℃であった。溶剤成分の割合は、L/Z=0、(Z+L)/(Z+L+X+W)=0.58、(Z+L+X)/(Z+L+X+W)=0.69である。
【0044】
得られたポリケトン溶液を20μmのフィルターを通過させた後、直径0.2mmの孔が50個ある紡糸口金からプランジャー型押出機を用いて、80℃、90m/分の速度で押し出した。長さ10mmのエアギャップを通過させ、次いで、浸漬長50cm、温度2℃の水からなる凝固浴中を通過させた後、90m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げた。次いで、そのネルソンロール上で1%の塩酸及び水を吹きかけて洗浄し、220℃のロール乾燥機を通して乾燥後、90m/分で巻き取った。このゲル紡糸を1時間行ったが、糸の切断が頻繁に起こり不安定であった。この繊維を225℃で7.0倍、240℃で1.5倍、250℃で1.3倍、257℃で1.2倍の4段延伸を行い、ポリケトン繊維を得た。得られた繊維の繊度は98dtex、強度は11.0cN/dtex、伸度は5.2%、弾性率は270cN/dtexであった。
【0045】
【発明の効果】
本発明のポリケトン溶液に用いる溶剤は、低毒性で不燃性であり、溶剤回収性に優れている。この溶剤を用いたポリケトン溶液は、高速でゲル紡糸を行うことが可能である。そのため、より安価に高強度・高弾性率のポリケトン繊維を製造することができる。また、熱延伸時での単糸融着が起こりにくく、品位の優れたポリケトン繊維の製造が可能である。
得られたポリケトン繊維は高性能なゴム補強材、プラスチック補強剤として展開が可能で、特にタイヤの軽量化に効果がある。

Claims (5)

  1. 繰り返し単位の95モル%以上が化学式(1)で示されるポリケトンが溶剤に溶解された溶液において、溶剤が、塩化亜鉛の質量をZ、塩化リチウムの質量をL、塩化亜鉛及び塩化リチウム以外の金属塩の質量をX、水の質量をWとしたときに、以下に示す数式の関係を満たす水溶液であることを特徴とするポリケトン溶液。
    0.2≦L/Z≦1.5
    0.2≦(Z+L)/(Z+L+X+W)≦0.7
    0.5≦(Z+L+X)/(Z+L+X+W)≦0.7
    Figure 0005000046
  2. 10〜150℃の温度範囲に相分離温度を有することを特徴とする請求項1記載のポリケトン溶液。
  3. 塩化亜鉛及び塩化リチウム以外の金属塩が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1又は2記載のポリケトン溶液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリケトン溶液を、ポリケトン溶液の相分離温度より高い温度で紡糸口金より吐出し、相分離温度より10℃以上低い温度の凝固浴に押し出して凝固させて繊維状物を形成させ、繊維状物から溶剤の一部又は全部を除去した後、熱延伸することを特徴とするポリケトン繊維の製造方法。
  5. 50m/分以上の紡糸速度であることを特徴とする請求項4記載のポリケトン繊維の製造方法。
JP2001198367A 2001-06-29 2001-06-29 ポリケトン溶液及びポリケトン繊維の製造方法 Expired - Fee Related JP5000046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001198367A JP5000046B2 (ja) 2001-06-29 2001-06-29 ポリケトン溶液及びポリケトン繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001198367A JP5000046B2 (ja) 2001-06-29 2001-06-29 ポリケトン溶液及びポリケトン繊維の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003012917A JP2003012917A (ja) 2003-01-15
JP5000046B2 true JP5000046B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=19035830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001198367A Expired - Fee Related JP5000046B2 (ja) 2001-06-29 2001-06-29 ポリケトン溶液及びポリケトン繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5000046B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001115007A (ja) * 1999-10-15 2001-04-24 Asahi Kasei Corp ポリケトン溶液およびポリケトン繊維の製造方法
JP4118479B2 (ja) * 1999-11-19 2008-07-16 旭化成せんい株式会社 ポリケトン繊維の製造方法
JP4342056B2 (ja) * 1999-12-07 2009-10-14 旭化成せんい株式会社 ポリケトン繊維及びその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003012917A (ja) 2003-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3717405B2 (ja) ポリケトン溶液
JP3883510B2 (ja) ポリケトン繊維及びその製造方法
US9334586B2 (en) Process of melt-spinning polyacrylonitrile fiber
JPH04228613A (ja) ポリケトン繊維及びその製造法
JP4342056B2 (ja) ポリケトン繊維及びその製造法
JP4118721B2 (ja) ポリケトン繊維の製造方法
JP5000046B2 (ja) ポリケトン溶液及びポリケトン繊維の製造方法
JP2000345431A (ja) ポリケトン繊維及びその製造方法
US4725394A (en) Process for preparing high stength cellulosic fibers
JP2001115007A (ja) ポリケトン溶液およびポリケトン繊維の製造方法
JP4118479B2 (ja) ポリケトン繊維の製造方法
JPS61108713A (ja) 優れた繊維物性を有するポリビニルアルコ−ル系繊維およびその製造法
KR101725811B1 (ko) 폴리케톤 섬유의 제조 방법
KR100713781B1 (ko) 고강도 폴리비닐알코올 섬유의 제조방법, 및 이로부터제조되는 고강도 폴리비닐알코올 섬유
JP3983255B2 (ja) 繊維強化複合材料
JP2000273720A (ja) ポリケトン繊維およびその製造方法
JP4145312B2 (ja) ポリケトン撚糸
JP2000355825A (ja) ポリケトンドープ及びそれを用いた繊維
KR100389659B1 (ko) 고강도 폴리비닐알코올 섬유의 제조방법
JPS5933100B2 (ja) 芳香族コポリアミド成型物の製造法
JP2000034620A (ja) ポリマードープ及びそれを用いた繊維の製造方法並びに該方法で得られた繊維
KR920009001B1 (ko) 방향족 폴리아미드 섬유의 제조방법
JP2001055622A (ja) ポリケトンドープおよび繊維およびその製造方法
JPS62238812A (ja) 高強度高弾性率ポリビニルアルコ−ル系繊維の製造法
JP2581853B2 (ja) ポリ−γ−グルタミン酸エステル繊維およびその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5000046

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees