JP4341884B2 - 基礎杭形成用組成物、その製造方法及び基礎杭形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地表建造物の基礎構造の一部として使用される基礎杭を形成するために用いられる基礎杭形成用組成物、その製造方法及び基礎杭形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地表建造物の基礎構造の一部として使用される基礎杭は、例えば、特許文献1に記載されているように、地中に縦穴を掘削して、掘削土壌とセメントミルクを混合したソイルセメントを縦穴内に充填し、これを硬化させてソイルセメント杭を形成させることにより行なわれていた。
【0003】
しかし、このような方法では、設計される基礎杭の直径と同等程度の直径の縦穴を掘削する必要があり、またセメントミルクを掘削土壌と混合するための装置が必要となることから、ソイルセメント杭の形成には大掛りな装置が必要となり、住宅密集地における基礎構造の形成には用いることが困難であった。
【0004】
また、大量の掘削土壌が発生し、特に所謂「ノロ」と呼ばれるセメントミルクと混合されたソイルセメントが縦穴から溢れて、これが大量の産業廃棄物となるといった問題も有していた。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−265462号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、大掛りな装置を必要とせず、住宅密集地においても施工することが可能であり、大量のノロを発生することなく基礎杭を形成することのできる基礎杭形成用組成物、その製造方法及び基礎杭形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、以下に示す構成とすることにより問題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の基礎杭形成用組成物は、比表面積5000cm2/g以上の微粒子セメント、アルカリ金属珪酸塩及び水を必須成分とし、前記アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO2/M2O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合をyとしたとき、x及びyが次式(1)〜(5)、
(1) y≦200
(2) x≧2.4
(3) x≦4.0
(4) y≧120x−260 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(5) y≧100 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足し、固形分含量10〜50重量%の水性スラリーであることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の基礎杭形成用組成物においては、前記微粒子セメントの割合が、基礎杭形成用組成物1リットル当たり100〜500gの範囲である。
【0010】
さらに、前記アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO2/M2O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合をyとしたとき、x及びyが、次式(6)及び(7)
(6) y≧120x−230 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(7) y≧−10x+160 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足することが好ましい。
【0011】
また、本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法は、比表面積5000cm2/g以上の微粒子セメントを必須成分とする水性スラリーであるI液と、アルカリ金属珪酸塩を必須成分とする水溶液であるII液とを、固形分含量が10〜50重量%の範囲内となるように混合した基礎杭形成用組成物の製造方法であって、前記アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO2/M2O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合をyとしたとき、x及びyが、次式(1)〜(5)、
(1) y≦200
(2) x≧2.4
(3) x≦4.0
(4) y≧120x−260 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(5) y≧100 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足するように、前記微粒子セメント及び前記アルカリ金属珪酸塩の割合を調整することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法においては、前記微粒子セメントを、基礎杭形成用組成物1リットル当たり100〜500gの範囲の割合とする。
【0013】
また、前記アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO2/M2O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合をyとしたとき、x及びyが次式(6)及び(7)、
(6) y≧120x−230 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(7) y≧−10x+160 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足するように、前記微粒子セメント及び前記アルカリ金属珪酸塩の割合を調整することが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の基礎杭形成方法は、地中に縦穴を掘削し、上記本発明の基礎杭形成用組成物を、該縦穴内に注入するとともに、該基礎杭形成用組成物を該縦穴の周囲に浸透させ、該基礎杭形成用組成物を硬化させることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に使用する微粒子セメントの種類は特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種セメントを使用することができ、また、必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲内で、石灰、石膏、ドロマイトプラスター、フライアッシュ、高炉水砕スラグ等の添加剤を加えることもできる。尚、高炉水砕スラグを含有するポルトランドセメントは高炉セメントとして入手することもでき、この高炉セメントも好ましく用いることができるが、その他のセメントであっても差し支えない。
【0016】
但し、本発明に使用するこれらセメントは、粒子径が比表面積5000cm2/g以上であることを必須条件とし、好ましくは比表面積10000cm2/g以上とするのがよい。セメント粒子の比表面積が大きいほど、地盤の土壌、砂の間隙や岩のクラック間に浸透していく性能が向上し、より強固な基礎杭を形成させることができるが、極端に大きすぎると凝集しやすくなり、また、コスト的な面から工業的に不利となるので、最も好ましくは10000cm2/g〜15000cm2/gの範囲である。
【0017】
次に、本発明に使用するアルカリ金属珪酸塩としては、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム等が挙げられるが、工業的に入手しやすいことを考慮すると珪酸ナトリウムが好ましい。
【0018】
本発明の基礎杭形成用組成物は、これら微粒子セメント、アルカリ金属珪酸塩及び水を必須成分とするものであって、固形分含量10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%の水性スラリーである。固形分含量が多すぎると注入操作が困難であり、逆に少なすぎると、基礎杭形成用組成物としての硬化自体が困難となる。
【0019】
本発明に使用する上記微粒子セメントの使用量は、基礎杭形成用組成物としての固結強度を考慮するとなるべく多くするのが好ましいが、多くすればするほど配合液の粘度が増加してしまうデメリットもある。強度と粘度とのバランスを考慮すると、セメント使用量は、基礎杭形成用組成物1リットル当たり100〜500g、特には、150〜350gの範囲の割合であることが好ましい。
【0020】
本発明に使用するアルカリ金属珪酸塩の使用量は、アルカリ金属珪酸塩中のSiO2分が、基礎杭形成用組成物1リットル当たり20〜200g、特には60〜130gの範囲であることが好ましい。アルカリ金属珪酸塩の使用量が少ないと、注入後流動停止はするが、明確なゲルとならずに湧水に対して流出しやすくなり、アルカリ金属珪酸塩の使用量が多くなって200gを超えると、固形分が多くなってセメントを分散しにくくなる。また、アルカリ金属珪酸塩の使用量が130gを超える場合は、使用上の難点はないものの、コスト的な観点から工業的に不利となりやすい。
【0021】
本発明に使用するアルカリ金属珪酸塩は、アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO2/M2O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)が2.0〜4.0の範囲であることが、基礎杭形成用組成物の流動停止時間の観点から好ましい。即ち、本発明の基礎杭形成用組成物は、中空ボルト等を通して地盤の縦穴へ注入され、地盤の亀裂部や砂質地盤内に浸透されるものであるが、流動停止時間が短すぎると、定着剤が十分浸透する前に流動停止してしまい、基礎杭の強度が不十分となることがある。また、流動停止時間が極端に長い場合も、基礎杭形成用組成物の硬化範囲が不明確となり、的確な基礎杭形成ができない場合がある。
【0022】
更に、本発明の基礎杭形成用組成物は、基礎杭形成用組成物中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合と、アルカリ金属珪酸塩における上記モル比(SiO2/M2O)との関係を特定の範囲内とすることにより、流動停止時間がより適切となり、かつ、流動停止時点において明確なゲル体となり、地中から湧水のある場合でも定着材が流されることなく的確に基礎杭を形成することができるので好ましい。この特定の範囲内とは、アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO2/M2O)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合をyとしたとき、x及びyが、次式(1)〜(5)、
(1) y≦200
(2) x≧2.4
(3) x≦4.0
(4) y≧120x−260 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(5) y≧100 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足する範囲内であり、より好ましくは、更に以下の(6)、(7)式、
(6) y≧120x−230 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(7) y≧−10x+160 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足する範囲内である。
【0023】
本発明の基礎杭形成用組成物は、その他、この組成物の性能を疎外しない程度にベントナイト、フライアッシュ等の増量材や、クエン酸ソーダや酒石酸ソーダ等のカルシウム補足剤もしくはゲル化コントロール剤、AE剤や減水剤等の改質剤、アルミ粉等の発泡剤等の各種添加剤を加えることができる。
【0024】
以下、本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法について説明する。
本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法は、即ち、比表面積5000cm2/g以上の微粒子セメントを必須成分とする水性スラリーであるI液と、アルカリ金属珪酸塩を必須成分とする水溶液であるII液とを、固形分含量が10〜50重量%内となるように混合するものである。
【0025】
本発明の基礎杭形成用組成物は、セメント成分とアルカリ金属珪酸塩成分とが混合されると直ちに反応が開始され、流動停止に向かうので、セメント成分とアルカリ金属珪酸塩成分とを混合した後、直ちに注入することが必要となる。ここで、セメント成分とアルカリ金属珪酸塩成分を混合したのち水を加えて水性スラリーとするか、或いは、いずれか一方の成分のみを水性スラリー又は水溶液とした後、他方の成分を混合し、更に水を加えて固形分量を調節する場合には、実用上支障のない程度に均質にするのに時間を要することから、これを注入すると、十分に浸透しない間に流動停止してしまう。
【0026】
従って、上記のような問題を回避するために、本発明においては、微粒子セメントを必須成分とする水性スラリーであるI液と、アルカリ金属珪酸塩を必須成分とする水溶液であるII液とを混合する(但し、混合物の固形分含量は10〜50重量%である)ものである。固形分含量を限定する理由は、前述と同様である。
【0027】
また、本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法では、微粒子セメントを基礎杭形成用組成物1リットル当たり100〜500gの範囲の割合とするとともに、アルカリ金属珪酸塩中のSiO2分を、基礎杭形成用組成物1リットル当たり20〜200gの範囲の割合とすることにより、前述したと同様の理由から、好ましい基礎杭形成用組成物を得ることができる。
【0028】
更に、本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法においては、基礎杭形成用組成物中におけるアルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO2/M2O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合をyとしたとき、x及びyが以下の(1)〜(5)式、
(1) y≦200
(2) x≧2.4
(3) x≦4.0
(4) y≧120x−260 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(5) y≧100 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足するように、上記微粒子セメント及び上記アルカリ金属珪酸塩の割合を調整することにより、前述したと同様の理由から、好ましい基礎杭形成用組成物を得ることができる。
【0029】
より好ましくは、x及びyがさらに以下の(6)、(7)式、
(6) y≧120x−230 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(7) y≧−10x+160 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足するように、上記微粒子セメント及び上記アルカリ金属珪酸塩の割合を調整するのがよい。
【0030】
本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法において、上記I液とII液との混合方法については特に限定されるものではないが、例えば、通常地盤注入工法などで注入材の混合と注入を行う際に用いられる1ショット法、1.5ショット法、2ショット法などを用いると、タイムロスが少なく、製造後直ちに注入に利用できるので好ましい。
【0031】
1ショット法は、例えば、上記I液及びII液を合わせてグラウトミキサー等で混合して基礎杭形成用組成物とし、グラウトポンプの吸入口から該基礎杭形成用組成物を吸入し、グラウトポンプの吐出口から中空ボルト内に吐出してする方法である。
【0032】
1.5ショット法は、I液の水性スラリー及びII液の水溶液をそれぞれグラウトミキサー等で調製しておき、吸入口及び吐出口を2つ有するグラウトポンプの各吸入口から、これらI液の水性スラリー及びII液の水溶液をそれぞれ吸入し、該グラウトポンプの各吐出口から、これらI液の水性スラリー及びII液の水溶液をY字状注入部材にそれぞれ吐出して、Y字部でこれらを混合して基礎杭形成用組成物となし、中空ボルトへ注入する方法である。
【0033】
2ショット法は、I液の水性スラリー及びII液の水溶液をそれぞれグラウトミキサー等で調製しておき、吸入口及び吐出口を2つ有するグラウトポンプの各吸入口から、これらI液の水性スラリー及びII液の水溶液をそれぞれ吸入し、該グラウトポンプの各吐出口から、これらI液の水性スラリー及びII液の水溶液を2重中空ボルトにそれぞれ吐出して、2重中空ボルトの吐出部でこれらを混合して基礎杭形成用組成物となし、注入する方法である。
【0034】
次に、本発明の基礎杭形成方法について説明する。
本発明の基礎杭形成方法は、地中に縦穴を掘削し、上記本発明の基礎杭形成用組成物を、この縦穴内へ注入するとともに、この縦穴の周囲に基礎杭形成用組成物を浸透させ、その後該基礎杭形成用組成物を硬化させるものである。
【0035】
縦穴の形成方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法にて行なうことができるが、従来の基礎杭形成のための縦穴に比して小さい直径の縦穴でよく、例えば、概ね直径30mm〜120mm程度の縦穴を形成すればよい。尚、縦穴形成時に自穿孔中空ロックボルト等を使用した場合には、これを縦穴内に残存させて基礎杭形成用組成物を注入するための中空ボルトとすることができ、この場合には直径30mm〜60mm程度の縦穴を形成すればよい。
【0036】
また、縦穴の深度は特に限定されず、基礎杭を要する建造物の設計に従えばよいが、概ね3m〜地盤安定部までであればよい。
【0037】
次に、この縦穴内に上記した本発明の基礎杭形成用組成物を注入する。注入方法は特に限定されないが、好ましくは、上記本発明の基礎杭形成用組成物の製造方法で説明した1ショット法、1.5ショット法、2ショット法により組成物を製造し、上記で説明した中空ボルト等を縦穴の底部付近まで挿入して(自穿孔中空ロックボルト等を使用した場合はこれを残存させ)、地表部を公知のもの、例えば、ウエスなどにより栓をして、上記のようなグラウトポンプ等から注入すればよい。
【0038】
注入された本発明の基礎杭形成用組成物は、直ちに縦穴壁から地盤中に浸透しはじめ、組成物が流動停止するまで浸透して、その後硬化する。概ね6時間以上、好ましくは12時間以上、より好ましくは24時間以上これを放置することにより硬化させることができ、上記したように30mm〜120mm程度の直径の縦穴であれば、この縦穴に充填された部分を含め、さらにその外側、合わせて概ね30cm〜80cm程度の直径の円柱状の基礎杭が形成される。
【0039】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、さらに具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
〔実施例1〜12、参考例1〜6〕
超微粒子セメント(比表面積11000cm2/g)を水と混合してI液(水性スラリー)とし、種々のモル比の珪酸ソーダ水溶液を水と混合してII液とし、I液とII液とを混合して各1リットルの基礎杭形成用組成物を得た。これらの各基礎杭形成用組成物の、ゲルタイム、ゲル特性、及びゲル化後1日経過後の硬化物の一軸圧縮強度を測定した結果を下記の表1〜3に示す。尚、実施例1〜12の組成物は、浸透性は良好であり、ゲル化するまで(ゲルタイム間)地盤へ浸透し、いずれも浸透領域は60cm以上であった。
【0041】
【表1】
(*1)表1中のグラフ領域A〜Cは、夫々以下の領域を表す(図1参照)。
A:上記式(1)〜(7)の関係を満足する領域
B:上記式(1)〜(5)の関係を満足するA以外の領域
C:A及びB以外の領域
(*2)各組成物を、底面直径5cm、高さ10cmの円筒形のモールド内でゲル化させた後モールドを外したときの保形性を表す。
【0042】
【表2】
(*1)及び(*2)はそれぞれ表1中と同様の意味を表す。
【0043】
【表3】
(*1)及び(*2)はそれぞれ表1中と同様の意味を表す。
(注)実施例12は粘度が高く、ポンプでの移液中に閉塞しないよう監視が必要であった。
【0044】
〔実施例13〕
地表からφ31mmの自穿孔中空ロックボルトを使用して、直径40mm、深さ3mの縦穴を掘削した。このロックボルトを残し地表部をウエスで栓をしたのち、1.5ショット法にて、実施例5の本発明の基礎杭形成用組成物を300リットル注入した。その後1日放置して硬化させた。地盤を直接掘削して調べたところ、地表から直径60cm、深さ3.3mの基礎杭が形成されていることが確認された。また、掘削前に地上部にて本基礎杭の引き抜き耐力を測定したところ、196kN以上であり、基礎杭として十分な数値であることが確認された。
【0045】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、十分な浸透性と適切なゲルタイムが得られ、一日で実強度を発現することができる性能を有することに加え、大掛りな装置を必要とせず、住宅密集地においても施工することが可能であり、大量のノロを発生することなく基礎杭を形成することのできる基礎杭形成用組成物、その製造方法及び基礎杭形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルカリ金属珪酸塩におけるモル比と、基礎杭形成用組成物中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO2分の割合(g/リットル)との関係を表すグラフである。
Claims (7)
- 比表面積5000cm2/g以上の微粒子セメント、アルカリ金属珪酸塩及び水を必須成分とし、前記アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO 2 /M 2 O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO 2 分の割合をy(g)としたとき、x及びyが次式(1)〜(5)、
(1) y≦200
(2) x≧2.4
(3) x≦4.0
(4) y≧120x−260 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(5) y≧100 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足し、固形分含量10〜50重量%の水性スラリーであることを特徴とする基礎杭形成用組成物。 - 前記微粒子セメントの割合が、基礎杭形成用組成物1リットル当たり100〜500gの範囲である請求項1に記載の基礎杭形成用組成物。
- x及びyが次式(6)及び(7)、
(6) y≧120x−230 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(7) y≧−10x+160 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足する請求項1又は請求項2記載の基礎杭形成用組成物。 - 比表面積5000cm2/g以上の微粒子セメントを必須成分とする水性スラリーであるI液と、アルカリ金属珪酸塩を必須成分とする水溶液であるII液とを、固形分含量が10〜50重量%の範囲内となるように混合した基礎杭形成用組成物の製造方法であって、前記アルカリ金属珪酸塩におけるモル比(SiO 2 /M 2 O)(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)をx、基礎杭形成用組成物1リットル中におけるアルカリ金属珪酸塩中のSiO 2 分の割合をy(g)としたとき、x及びyが、次式(1)〜(5)、
(1) y≦200
(2) x≧2.4
(3) x≦4.0
(4) y≧120x−260 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(5) y≧100 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足するように、前記微粒子セメント及び前記アルカリ金属珪酸塩の割合を調整することを特徴とする基礎杭形成用組成物の製造方法。 - 前記微粒子セメントを、基礎杭形成用組成物1リットル当たり100〜500gの範囲の割合とする請求項4に記載の基礎杭形成用組成物の製造方法。
- x及びyが、次式(6)及び(7)、
(6) y≧120x−230 (但し、2.4≦x≦3.0の範囲)
(7) y≧−10x+160 (但し、3.0<x≦4.0の範囲)
で表される関係を満足するように、前記微粒子セメント及び前記アルカリ金属珪酸塩の割合を調整する請求項4又は請求項5に記載の基礎杭形成用組成物の製造方法。 - 地中に縦穴を掘削し、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の基礎杭形成用組成物を、該縦穴内に注入するとともに、該基礎杭形成用組成物を該縦穴の周囲に浸透させ、該基礎杭形成用組成物を硬化させることを特徴とする基礎杭形成方法。
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