JP4341802B2 - 油圧緩衝器とそのばね荷重調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器とそのばね荷重調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車等の油圧緩衝器として、ダンパシリンダとピストンロッドの間に介装した懸架スプリングのばね荷重を調整するばね荷重調整装置を有するものがある。従来のばね荷重調整装置としては、カムアジャスタによるものと、ねじアジャスタによるものがある。
【0003】
カムアジャスタによるばね荷重調整装置は、ダンパシリンダの外周に嵌装したカムアジャスタの複数のカム面のうちの1つのカム面を、ダンパシリンダの外周のストッパに係合することにより、カムアジャスタを新規調整位置に段階状に設定替えし、このカムアジャスタにより懸架スプリングを担持するものである。
【0004】
ねじアジャスタによるばね荷重調整装置は、ダンパシリンダの外周に螺合したねじアジャスタを螺動することにより、ねじアジャスタを新規調整位置に無段階状に設定替えし、このねじアジャスタにより懸架スプリングを担持するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼カムアジャスタによるばね荷重調整装置にあっては、カムアジャスタを新規調整位置に設定替えする際に、カムアジャスタは懸架スプリングのばね荷重を担持しながらストッパ上を滑るから、ストッパの磨耗が激しい。そして、カムアジャスタとストッパの耐久を維持するためにそれらを鉄系材料にて構成する必要があり、油圧緩衝器を軽量化することに困難がある。
【0006】
▲2▼ねじアジャスタによるばね荷重調整装置にあっては、ねじアジャスタを無段階状に新規調整位置に設定替えするため、原位置が不明となり、調整作業性が悪い。
【0007】
本発明の課題は、油圧緩衝器のばね荷重調整装置において、耐久性を向上し、且つ調整作業性を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ダンパシリンダとピストンロッドの間に介装した懸架スプリングのばね荷重を調整するばね荷重調整装置を有する油圧緩衝器において、前記ばね荷重調整装置が、ダンパシリンダの外周に固定されたストッパと、ダンパシリンダの外周に回動自在に嵌装され、上記ストッパに選択的に係合し、高さが異なる複数のカム面を周上に備えたカムアジャスタと、ダンパシリンダの外周に螺合し、懸架スプリングを支持するばね受面を備えるとともに、該ばね受面の反端側の端面を上記カムアジャスタに衝合可能とするねじアジャスタとを有するようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、ダンパシリンダとピストンロッドの間に介装した懸架スプリングのばね荷重を調整するばね荷重調整装置を有する油圧緩衝器において、前記ばね荷重調整装置が、ピストンロッドの外周に設けた円筒状部材と、円筒状部材の外周に固定されたストッパと、円筒状部材の外周に回動自在に嵌装され、上記ストッパに選択的に係合し、高さが異なる複数のカム面を周上に備えたカムアジャスタと、円筒状部材の外周に螺合し、懸架スプリングを支持するばね受面を備えるとともに、該ばね受面の反端側の端面を上記カムアジャスタに衝合可能とするねじアジャスタとを有するようにしたものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記ダンパシリンダ又は円筒状部材の外周とカムアジャスタの内周の間に、弾性部材を介装したものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記ダンパシリンダを上方に、ピストンロッドを下方に配置し、該ダンパシリンダの外周とカムアジャスタの内周の間に、弾性部材を介装したものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記カムアジャスタのカム面がダンパシリンダの軸方向に対し傾斜する傾斜面からなり、相隣るカム面は軸方向に沿う垂直面により接続されてなるようにしたものである。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、前記ダンパシリンダ又は円筒状部材が軽合金からなり、且つ前記ストッパを一体成形されてなるようにしたものである。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1又は2に記載の油圧緩衝器のばね荷重調整方法であって、ねじアジャスタを懸架スプリングの縮み方向に螺動してカムアジャスタとの衝合を解き、カムアジャスタを回動し、複数のカム面のうちの1つのカム面をストッパに係合することにより、カムアジャスタを新規調整位置に設定し、ねじアジャスタを懸架スプリングの伸び方向に螺動してカムアジャスタに衝合し、懸架スプリングをねじアジャスタを介して新規調整位置に設定された上記カムアジャスタに担持させることにより、懸架スプリングの初期荷重を調整するようにしたものである。
【0015】
【作用】
請求項1、2、6、7の発明によれば、下記▲1▼〜▲3▼の作用がある。
▲1▼カムアジャスタを新規調整位置に設定替えするとき、ねじアジャスタは懸架スプリングの縮み方向に螺動されていてカムアジャスタとの衝合を解かれる。従って、カムアジャスタは懸架スプリングのばね荷重を受けることなく自在に回動されてストッパとの係合位置を変更できるから、ストッパを激しく磨耗することがなく、カムアジャスタとストッパの耐久性を向上できる。
【0016】
▲2▼ストッパが激しく磨耗することがないから、ストッパ、及びこれが一体成形されるダンパシリンダ又は円筒状部材の耐久維持のためにこれらを鉄系材料とする必要がなく、これらをアルミ等の軽合金にて構成し、油圧緩衝器の軽量化を図ることができる。
【0017】
▲3▼懸架スプリングの初期荷重は、カムアジャスタを新規調整位置に段階状に設定替えすることにより調整するものであり、原位置を不明にせず、調整作業性は良い。
【0018】
請求項3、4の発明によれば下記▲4▼の作用がある。
▲4▼カムアジャスタは、前述▲1▼でねじアジャスタが懸架スプリングの縮み方向に螺動されて該ねじアジャスタとの衝合を解かれても、弾性部材が付与する弾発力の存在により、ダンパシリンダ又は円筒状部材の周囲に軽く保持され続ける。これにより、カムアジャスタが自由に回転したり、自重で落下することがなく、調整作業性を向上できる。
【0019】
請求項5の発明によれば下記▲5▼の作用がある。
▲5▼カムアジャスタの相隣るカム面がダンパシリンダの軸方向に沿う垂直面により接続され、周方向に延びる傾斜状つなぎ部を必要としないので、周方向でのカム段数を多くとることができる。これにより、ばね荷重の微調整が可能となる。また、カム面とストッパとの接触面を大きくとることができるので、ストッパの面圧を下げることができ、ストッパがアルミ等の軽合金でなる場合にも、へたることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は油圧緩衝器を示す半断面図、図2は図1の側面図、図3は図1の平面図、図4は図1の要部拡大図、図5は図2の要部拡大図である。
【0021】
油圧緩衝器10は、図1、図2に示す如く、ダンパシリンダ11に中空ピストンロッド12を挿入し、シリンダ11とピストンロッド12の外側部に懸架スプリング13を介装している。
【0022】
シリンダ11は車体側取付部材14を備え、ピストンロッド12に車輪側取付部材15を備える。シリンダ11の外周部にはばね荷重調整装置16を構成する後述のねじアジャスタ83が螺着され、ピストンロッド12にはばね受け18が固定されており、ねじアジャスタ83とばね受け18の間に懸架スプリング13を介装し、ばね荷重調整装置16の後述する操作により懸架スプリング13の設定長さ(初期荷重)を調整可能としている。懸架スプリング13の弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0023】
シリンダ11はピストンロッド12が貫通するロッドガイド21を備える。ロッドガイド21は、図1に示す如く、Oリング22A、ストッパリング22Bを介してシリンダ11に液密に装着されるとともに、オイルシール23、ブッシュ24、ダストシール25を備える内径部にピストンロッド12を液密に摺動自在としている。尚、シリンダ11は、ロッドガイド21の外側に圧側バンパ26を備え、最圧縮時に、ピストンロッド12が備えるバンパストッパ27にこの圧側バンパ26を衝合して最圧縮ストロークを規制可能としている。また、シリンダ11は、ロッドガイド21の内側にワッシャ28A、伸側バンプラバー28を備えている。
【0024】
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置(圧側及び伸側減衰力発生装置)30を有している。油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30が発生する減衰力により、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に伴うシリンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑制する。
【0025】
ピストンバルブ装置30は、図1に示す如く、シリンダ11に挿入されたピストンロッド12の端部にバルブストッパ31、圧側バルブ32、ピストン33、伸側バルブ34、バルブストッパ35を装着し、これらをナット36で固定してある。
【0026】
ピストン33は、外周部に備えたOリング37A、ピストンリング37Bを介してシリンダ11の内部を液密に摺接し、シリンダ11の内部をピストンロッド12が収容されないピストン側油室38Aと、ピストンロッド12が収容されるロッド側油室38Bとに区画する。ピストン33は、圧側バルブ32を備えてピストン側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可能とする圧側流路39(不図示)と、伸側バルブ34を備えてピストン側油室38Aとロッド側油室38Bとを連通可能とする伸側流路40とを備える。
【0027】
また、ピストンバルブ装置30は、図2に示す減衰力調整装置41を有している。
【0028】
減衰力調整装置41は、ピストンロッド12にピストン側油室38Aとロッド側油室38Bを連通可能とするバイパス流路42を形成し、このバイパス流路42をピストン側油室38Aに開口する縦孔42Aとロッド側油室38Bに開口する横孔42Bにより構成している。減衰力調整装置41は、ピストンロッド12の中空部に調整ロッド43を軸方向に進退自在に、且つOリング44を介して液密に挿入され、先端のニードル弁43Aによりバイパス流路42の縦孔42Aの開放端に設けてあるバルブシート42Cの開口面積を調整する。このとき、調整ロッド43は、その基端部をピストンロッド12から取付部材15の側に延在し、その基端部の端面に当接部45を設けている。そして、調整ロッド43は、ピストン側油室38Aの油圧に基づくスラスト力により、その当接部45を後述するアジャスタ51に衝合する方向に突出せしめられている。
【0029】
アジャスタ51は、ピストンロッド12の外端部に固定されている取付部材15に設けられ、調整ロッド43の軸方向に交差する、車幅方向に穿設された装着孔52に支持され、調整ロッド43の当接部45に直接当接し、調整ロッド43を軸方向に進退させ、調整ロッド43のニードル弁43Aによりバイパス流路42のバルブシート42Cの開口面積を調整し、伸側減衰力を調整可能とする。具体的には、アジャスタ51は、装着孔52のねじ孔52Aから挿入され、先端の溝付操作部51Bを装着孔52の支持孔52BにOリング53を介して液密に枢支され、基端のねじ部51Aを装着孔52のねじ孔52Aに螺着され、中間のテーパ状カム面51Cを調整ロッド43の当接部45に当接せしめている。これにより、アジャスタ51は、溝付操作部51Bの溝に係入せしめられる回転操作工具により回転されて螺動され、カム面51Cの変位により調整ロッド43を軸方向に進退可能とする。尚、装着孔52のねじ孔52Aはプラグ54により封止される。
【0030】
このとき、プラグ54は、アジャスタ51が調整ロッド43のニードル弁43Aによりバルブシート42Cを全閉にするときに、アジャスタ51のねじ部51Aの基端面が衝合する位置に設定されて用いられる。これにより、アジャスタ51はプラグ54に衝合するバルブシート42Cの全閉位置を調整基準位置とし、この基準位置から1回転、2回転…の如くに戻し方向に螺動してバルブシート42Cの開度を調整でき、その調整を容易化できる。
【0031】
油圧緩衝器10は、図3に示す如く、シリンダ11のピストン側油室38Aにセパレータ61を介してリザーバ60を接続している。リザーバ60は、キャップ62で封止される内部を隔壁部材63により油室64Aとガス室64Bに区画し、ガス室64Bに加圧ガスを封入するガス封入バルブ65を備える。セパレータ61は、シリンダ11のピストン側油室38Aとリザーバ60の油室64Aとを連絡する圧側流路66と伸側流路67を備え、調整部材68のニードル弁69を圧側流路66に挿入可能とし、伸側チェックバルブ70を伸側流路67に備える。調整部材68はキャップ71にOリング68Aを介して液密に螺入され、キャップ71はリザーバ60にOリング71Aを介して固着されている。調整部材68はキャップ71に螺動操作されて進退し、ニードル弁69により圧側流路66の開口面積を調整する。
【0032】
従って、油圧緩衝器10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
ピストン側油室38Aの油が圧側流路39を通ってロッド側油室38Bに流れ、この油が圧側バルブ32を撓み変形させて圧側の減衰力を得る。これに続き、シリンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が余剰になり、この余剰油がピストン側油室38Aからセパレータ61の圧側流路66を通ってリザーバ60の油室64Aに排出され、この間のニードル弁69による絞り抵抗により圧側減衰力を得るものとなる。
【0033】
(伸長時)
シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が低速のとき、ロッド側油室38Bの油が調整ロッド43のニードル弁43Aにより開度調整されているピストンロッド12のバイバス流路42を通ってピストン側油室38Aに流れ、この間のニードル弁43Aによる絞り抵抗により伸側減衰力を得る。また、シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が中高速のとき、ロッド側油室38Bの油が伸側流路40を通り、伸側バルブ34を撓み変形させてピストン側油室38Aへ流れ、伸側の減衰力を得る。そしてこのとき、シリンダ11から退出するピストンロッド12の退出体積分の油が不足し、この不足油がリザーバ60の油室64Aからセパレータ61の伸側流路67を通ってピストン側油室38Aへ速やかに補給される。
【0034】
これらの圧側と伸側の減衰力により、油圧緩衝器10の伸縮振動が抑制される。
【0035】
尚、油圧緩衝器10の最圧縮時には、シリンダ11の側のバンパ26とピストンロッド12の側のバンパストッパ27との衝合により最圧縮時の緩衝作用を果たす。また、油圧緩衝器10の最伸長時には、シリンダ11の側のバンパラバー28とピストンロッド12の側のバルブストッパ31との衝合により、伸び切り時の緩衝作用を果たす。
【0036】
然るに、油圧緩衝器10にあっては、懸架スプリング13の初期荷重(設定長さ)を調整するためのばね荷重調整装置16を以下の如くに構成している(図4、図5)。
【0037】
ばね荷重調整装置16は、シリンダ11の外周に一体成形したストッパ81を備え、ストッパ81のストッパ面81Aをカムアジャスタ82の各カム面82Aの傾斜面と同一勾配に設定している。そして、ばね荷重調整装置16は、シリンダ11の外周にカムアジャスタ82を回動自在に嵌装し、カムアジャスタ82はストッパ81のストッパ面81Aに選択的に係合し、高さの異なる複数の平坦な傾斜面状のカム面82Aを周方向に段階状に備える。また、ばね荷重調整装置16は、シリンダ11の外周に設けたねじ部11Aに螺合するねじアジャスタ83を備える。ねじアジャスタ83は、懸架スプリング13を支持するばね受面83Aを備えるとともに、ばね受面83Aの反対側の衝合端面83Bを上記カムアジャスタ82の下端衝合面82Bに衝合可能とする。
【0038】
このとき、ばね荷重調整装置16は、シリンダ11の外周とカムアジャスタ82の内周の間に、Oリング等の弾性部材84を挟圧状態で介装している。本実施形態において、弾性部材84はカムアジャスタ82の内周の環状溝に装填されている。
【0039】
また、ばね荷重調整装置16は、カムアジャスタ82のカム面82Aをシリンダ11の軸方向に対し先端部(カム段の低い方)が高くなるように傾斜する上述の平坦な傾斜面とし、相隣るカム面82A、82Aを軸方向に沿う垂直面85により接続するものとし、結果として、カム面82Aを周方向に鋸歯状をなす段階状に接続している。カム面82Aの先端部を高くすることにより、カムアジャスタ82がカム段の低い方に逆転することを防止できる。
【0040】
また、油圧緩衝器10にあっては、シリンダ11をアルミ合金からなるものとし、且つストッパ81をこのアルミ合金にて一体成形している。
【0041】
従って、ばね荷重調整装置16によるばね荷重調整手順は以下の如くになる。
(1)ねじアジャスタ83を懸架スプリング13の縮み方向(下方向)に螺動し、カムアジャスタ82との衝合を解く。このとき、カムアジャスタ82は弾性部材84の存在により、ねじアジャスタ83を下げても自重では落下しない。
【0042】
(2)カムアジャスタ82を手動操作で回動し、複数のカム面82Aのうちから選択された1つのカム面82Aをストッパ81のストッパ面81Aに衝合することにより、カムアジャスタ82を新規調整位置に設定する。
【0043】
(3)ねじアジャスタ83を懸架スプリング13の伸び方向(上方向)に螺動してその衝合端面83Bをカムアジャスタ82の下端衝合面82Bに衝合し、ロックする。これにより、懸架スプリング13はねじアジャスタ83を介して新規調整位置に設定された上記カムアジャスタ82に担持され、初期荷重(設定長さ)が設定される。
【0044】
尚、油圧緩衝器10にあっては、車体側取付部材14と車輪側取付部材15の取付間隔を調整するため、シリンダ11の車体側端部に設けた孔部91にねじ部材92を固定し、車体側取付部材14に設けたおねじ部93をねじ部材92の内周ねじ部に螺合し、これをロックナット94でロック可能としている。ねじ部材92は内周ねじ部を右ねじとするのに対し、左ねじとした外周ねじ部を孔部91の開口ねじ部に螺合し、且つこの外周ねじ部をその開口ねじ部に接着剤を介して固着している。また、車体側取付部材14のおねじ部93の先端側にストッパ95を係着し、このストッパ95をねじ部材92の内側端面に係止可能として抜け止めを図っている。ねじ部材92の外側端面には、該ねじ部材92を孔部91の開口ねじ部に螺合するための工具係合溝がその直径方向に刻設されている。
【0045】
本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼カムアジャスタ82を新規調整位置に設定替えするとき、ねじアジャスタ83は懸架スプリング13の縮み方向に螺動されていてカムアジャスタ82との衝合を解かれる。従って、カムアジャスタ82は懸架スプリング13のばね荷重を受けることなく自在に回動されてストッパ81との係合位置を変更できるから、ストッパ81を激しく磨耗することがなく、カムアジャスタ82とストッパ81の耐久性を向上できる。
【0046】
▲2▼ストッパ81が激しく磨耗することがないから、ストッパ81、及びこれが一体成形されるダンパシリンダ11の耐久維持のためにこれらを鉄系材料とする必要がなく、これらをアルミ等の軽合金にて構成し、油圧緩衝器10の軽量化を図ることができる。
【0047】
▲3▼懸架スプリング13の初期荷重は、カムアジャスタ82を新規調整位置に段階状に設定替えすることにより調整するものであり、原位置を不明にせず、調整作業性は良い。
【0048】
▲4▼カムアジャスタ82は、前述▲1▼でねじアジャスタ83が懸架スプリング13の縮み方向に螺動されて該ねじアジャスタ83との衝合を解かれても、弾性部材84が付与する弾発力の存在により、ダンパシリンダ11の周囲に軽く保持され続ける。これにより、カムアジャスタ82が自由に回転したり、自重で落下することがなく、調整作業性を向上できる。
【0049】
▲5▼カムアジャスタ82の相隣るカム面82Aがダンパシリンダの軸方向に沿う垂直面により接続され、周方向に延びる傾斜状つなぎ部を必要としないので、周方向でのカム段数を多くとることができる。これにより、ばね荷重の微調整が可能となる。また、カム面82Aとストッパ81との接触面を大きくとることができるので、ストッパ81の面圧を下げることができ、ストッパ81がアルミ等の軽合金でなる場合にも、へたることがない。
【0050】
尚、本発明では、ピストンロッド12のシリンダ11から突出している部分の外周に円筒状部材を固定し、この円筒状部材の外周にストッパを固定的に設けるとともに、この円筒状部材の外周にカムアジャスタを回動自在に嵌装し、且つこの円筒状部材の外周にねじアジャスタを螺合し、ねじアジャスタのばね受面により懸架スプリング13を支持し、ねじアジャスタのばね受面と反対側の端面をカムアジャスタに衝合するように構成することもできる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、油圧緩衝器のばね荷重調整装置において、耐久性を向上し、且つ調整作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す半断面図である。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図1の平面図である。
【図4】図4は図1の要部拡大図である。
【図5】図5は図2の要部拡大図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
11 ダンパシリンダ
12 ピストンロッド
13 懸架スプリング
16 ばね荷重調整装置
81 ストッパ
82 カムアジャスタ
82A カム面
83 ねじアジャスタ
83A ばね受面
84 弾性部材
85 垂直面
Claims (7)
- ダンパシリンダとピストンロッドの間に介装した懸架スプリングのばね荷重を調整するばね荷重調整装置を有する油圧緩衝器において、
前記ばね荷重調整装置が、
ダンパシリンダの外周に固定されたストッパと、
ダンパシリンダの外周に回動自在に嵌装され、上記ストッパに選択的に係合し、高さが異なる複数のカム面を周上に備えたカムアジャスタと、
ダンパシリンダの外周に螺合し、懸架スプリングを支持するばね受面を備えるとともに、該ばね受面の反端側の端面を上記カムアジャスタに衝合可能とするねじアジャスタとを有することを特徴とする油圧緩衝器。 - ダンパシリンダとピストンロッドの間に介装した懸架スプリングのばね荷重を調整するばね荷重調整装置を有する油圧緩衝器において、
前記ばね荷重調整装置が、
ピストンロッドの外周に設けた円筒状部材と、
円筒状部材の外周に固定されたストッパと、
円筒状部材の外周に回動自在に嵌装され、上記ストッパに選択的に係合し、高さが異なる複数のカム面を周上に備えたカムアジャスタと、
円筒状部材の外周に螺合し、懸架スプリングを支持するばね受面を備えるとともに、該ばね受面の反端側の端面を上記カムアジャスタに衝合可能とするねじアジャスタとを有することを特徴とする油圧緩衝器。 - 前記ダンパシリンダ又は円筒状部材の外周とカムアジャスタの内周の間に、弾性部材を介装した請求項1又は2記載の油圧緩衝器。
- 前記ダンパシリンダを上方に、ピストンロッドを下方に配置し、該ダンパシリンダの外周とカムアジャスタの内周の間に、弾性部材を介装した請求項1又は2記載の油圧緩衝器。
- 前記カムアジャスタのカム面がダンパシリンダの軸方向に対し傾斜する傾斜面からなり、相隣るカム面は軸方向に沿う垂直面により接続されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器。
- 前記ダンパシリンダ又は円筒状部材が軽合金からなり、且つ前記ストッパを一体成形されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の油圧緩衝器。
- 請求項1又は2に記載の油圧緩衝器のばね荷重調整方法であって、
ねじアジャスタを懸架スプリングの縮み方向に螺動してカムアジャスタとの衝合を解き、
カムアジャスタを回動し、複数のカム面のうちの1つのカム面をストッパに係合することにより、カムアジャスタを新規調整位置に設定し、
ねじアジャスタを懸架スプリングの伸び方向に螺動してカムアジャスタに衝合し、懸架スプリングをねじアジャスタを介して新規調整位置に設定された上記カムアジャスタに担持させることにより、懸架スプリングの初期荷重を調整する油圧緩衝器のばね荷重調整方法。
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