JP4341277B2 - 石英ガラスの成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モールド内に石英ガラスを収容して加熱しつつ加圧して、石英ガラスを所定形状に均質に成形するための成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSI等の集積回路パターン転写には、主に投影露光装置(または光リソグラフィ装置)が用いられる。この装置に用いられる投影光学系には、集積回路の高集積化に伴い、広い露光領域と、その露光領域全体にわたって、より高い解像力が要求される。投影光学系の解像力の向上については、露光波長をより短くするか、あるいは投影光学系の開口数(NA)を大きくすることが行われる。
【0003】
露光波長については、g線(436nm)からi線(365nm)、KrF(248nm)やArF(193nm)エキシマレーザーへと短波長化が進められている。また、更に高集積化を進めるに当たって、現在、F(157nm)エキシマレーザ,X線,電子線を光源に用いる方法が検討されている。この中で、これまでの設計思想を生かして作製することが可能なFエキシマレーザを用いた縮小投影露光装置がにわかに脚光を浴びてきている。
【0004】
一般に、i線より長波長の光源を用いた縮小投影露光装置の照明光学系あるいは投影光学系のレンズ部材として用いられる光学ガラスは、i線よりも短い波長領域では光透過率が急激に低下し、特に250nm以下の波長領域ではほとんどの光学ガラスでは透過しなくなる。そのため、エキシマレーザを光源とした縮小投影露光装置の光学系を構成するレンズの材料には、石英ガラスとフッ化カルシウム結晶のみが使用可能である。この2つの材料はエキシマレーザの結像光学系で色収差補正を行う上で不可欠な材料である。
【0005】
縮小投影露光装置でウェハー上に回路を焼き付けるためのもう一つの重要な要素としてレチクルが挙げられる。このレチクルに用いられる材料としては、エキシマレーザ耐久性はもとより、基板の発熱による熱膨張が大きな問題になるため、耐久性が良好でなおかつ熱膨張係数の小さい、直接法と呼ばれる方法(火炎加水分解により透明石英ガラスを製造する方法)で合成された石英ガラスが用いられている。
【0006】
直接法では、石英ガラス製バーナにて支燃性ガス(酸素含有ガス、例えば酸素ガス)及び可燃性ガス(水素含有ガス、例えば水素ガスあるいは天然ガス)を混合・燃焼させ、前記バーナの中心部から原料ガスとして高純度のケイ素化合物(例えば四塩化ケイ素ガス)をキャリアガス(通常酸素ガス)で希釈して噴出させ、前記原料ガスを周囲の前記酸素ガス及び水素ガスの燃焼により反応(加水分解反応)させて石英ガラス微粒子を発生させ、その前記石英ガラス微粒子を、前記バーナ下方に配置され、回転および揺動および引き下げ運動を行う不透明石英ガラス板からなるターゲット上に堆積させ、同時に前記酸素ガス及び水素ガスの燃焼熱により溶融・ガラス化して石英ガラスインゴットを得ている。
【0007】
この方法によると、比較的大きな径の石英ガラスインゴットを得易いため、インゴットからブロックを切り出して所望の形状,大きさの光学部材を製造することができる。
【0008】
また、近年、大型のレンズやレチクル、或いは大型の液晶ディスプレイ等、広い面積の面を有する光学部材を得るため、予め形成されたインゴット等の石英ガラス塊を加熱加圧成形することにより扁平形状にして面積を拡大する成形方法が利用されている。
【0009】
この成形方法では、石英ガラス塊をモールド内に収容して加熱した状態で、加圧板により加圧することにより成形を行い、その後モールド内で徐冷したり、更にアニール処理を行い、1対向面の面積が拡大された所定形状の成形体を得ることができる。
【0010】
このような加熱加圧成形を行うものとして、例えば、グラファイト製のモールド内で、絶対圧が 0.1Torr以上大気圧以下のヘリウムガス雰囲気下に、1700℃以上の温度に加熱加圧成形し、ついで1100〜1300℃まで急冷する方法が知られている。また、石英ガラスとモールドの型材との熱膨張率差に起因する応力を緩和する構造を有するグラファイト製のモールドを用いて1600℃〜1700℃で加圧成形する方法(下記、特許文献1参照。)や、そのグラファイト製のモールドが2分割以上の縦型構造である成型装置が提案されている(下記、特許文献2及び3参照。)。更には、黒鉛製のモールド内面に石英粉末からなる被覆層を設けて、1550℃〜1700℃で加圧成形する方法(下記、特許文献4参照。)も知られている。
【0011】
【特許文献1】
特公平4−54626号公報。
【0012】
【特許文献2】
特開昭56−129621号公報。
【0013】
【特許文献3】
特開昭57−67031号公報。
【0014】
【特許文献4】
特開2002−22020号公報。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の加熱加圧成形では、モールド内に収容された石英ガラスを十分に軟化させて加圧していたため、石英ガラスが高温に曝される時間が長くなり易く、特に大型の成形体ほど、高温に曝される時間も長くなり易かった。
【0016】
例えば、上記特許文献2、3では、1700℃以上の高温で加圧されるため、昇降温時及び成形時に長時間高温に曝され易かった。
【0017】
また、上記特許文献1、4では、前記よりも低い温度で成形するものの、石英ガラスの流動性が低く、加圧して石英ガラスを変形させるのに長時間を要するため、結局、成形時に石英ガラスが高温に曝される時間は長くなり易かった。
【0018】
このように石英ガラスが長時間高温に曝される成形方法では、石英ガラス中に溶存している水素分子が低減してレーザ耐久性が低下し易くなり、また、モールドを透過して石英ガラスに不純物が混入されて純度が低下し易くなるなどの問題点があった。更に、石英ガラスとモールドのグラファイトとが反応して炭化珪素が生成されることにより表面に凹凸が形成され、これが亀裂等の原因となって歩留まりを低下し易く、また、石英ガラスとモールドとの線膨張係数の相違に基づいて生じる冷却時の応力が大きくなり、石英ガラスやモールドの破損を生じて歩留まりが低下し易く、更に、昇温及び降温にも時間を要するなど、生産性を向上し難いなどの問題点があった。
【0019】
この発明は、このような問題点を解決するため、石英ガラスが高温に曝される時間を低減して、レーザ耐久性に優れるともに高純度の石英ガラスを、生産性よく、しかも、均質に石英ガラスを成形することができる方法を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載の発明は、石英ガラスをモールド内に収容して加熱し、該石英ガラスを加圧部により加圧して所定形状に成形する方法において、前記石英ガラスを結晶化温度以上軟化点以下の温度範囲に加熱し、前記加圧部の加圧力を増加させつつ、最大圧力が2〜50Kg/cmとなるように制御して前記石英ガラスを加圧することにより、前記石英ガラスを所定形状に成形し、その後、前記石英ガラスを強制的に冷却することを特徴とする。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記石英ガラスを1300℃〜1100℃の温度範囲で強制的に冷却することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1はこの実施の形態の製造方法に用いる成形装置を示す。
【0028】
この成形装置10では、金属製の真空チャンバー11の内壁に、全面にわたって設けられた断熱材12と、断熱材12の縦壁内に設けられた加熱手段としてのカーボンヒータ13とが設けられ、更に、真空チャンバー11内部の略中央部に中空部21を有するモールド15が収容されている。
【0029】
モールド15は、底板16及び受板17を備えた底部18と、底部18の上部に筒状に形成された側壁部20とを備え、この筒状の側壁部20と底部18とにより中空部21が形成されている。
【0030】
この中空部21には、中空部21の形状に対応する形状の加圧部としての天板23が配置され、天板23の押圧面23b(上面)を、真空チャンバー11の外部に配設されたプレス装置としての油圧シリンダのシリンダロッド26で押圧することにより、モールド15の底部18側に移動可能となっている。
【0031】
なお、このシリンダロッド26を備えた油圧シリンダは、外部から供給する油圧を調整することにより加圧されて移動するように構成されているが、詳細な図示は省略されている。
【0032】
これらのモールド15及び天板23は、塊状の石英ガラス25の成形時の温度及び圧力に対する耐熱性及び強度を有し、且つ、成形時に塊状の石英ガラス25と接触しても不純物を混入し難い材料から形成されており、ここでは全てグラファイトにより形成されている。
【0033】
次に、このような成形装置10を用いて、石英ガラス25を成形する方法について説明する。
【0034】
まず、この成形方法により成形される石英ガラスは、各種の光学部材、好ましくは250nm以下の波長のレーザが照射されるレンズ、ミラー、レチクル用基板などを製造するために用いられる素材であり、特に、大型の液晶用マスク、半導体用マスク等のレチクル(フォトマスク)用基板、結像光学系の大型のレンズ材料などに用いられる広い面を有する板状体やその他の大型ガラスブロックであるのが好適である。
【0035】
このような石英ガラスは、予め各種の製造方法により合成された合成石英ガラス、好ましくは、四塩化ケイ素、シラン、有機ケイ素等のケイ素化合物を原料として合成された合成石英ガラスのインゴットやその一部、または、Ge、Ti、B、F、Al等の屈折率を変化させる成分を添加した合成石英ガラスのインゴットやその一部等の石英ガラス塊を用いて成形される。特に、屈折率を変化させる成分を混入した石英ガラスは、熱膨張係数や粘性が他の石英ガラスと異なるため、成形時に高温で気泡が発生したり、成形後の収縮が大きく、この成形方法を適用することにより成形するのが好ましい。
【0036】
まず、真空チャンバー11内に底板16、受板17、側壁部20を組合わせてモールド15を形成し、そして、モールド15の中空部21内に塊状の石英ガラス25を配置する。
【0037】
ここでは、モールド15内に収容する塊状の石英ガラス25を、予め図示しない加温手段により加温することにより、内部まで略均一に200℃〜300℃の温度範囲まで加温しておくのが好ましい。モールド15内において加熱する時間を短縮するためである。しかも、温度が200℃〜300℃であれば、加温時に石英ガラス25中の水素分子が低減しにくい。
【0038】
そして、中空部21内に収容した塊状の石英ガラス25の上部に天板23を配置し、更に、天板23の押圧面23bに油圧シリンダのシリンダロッド26の押圧部位26aを当接させてセットする。そして、真空チャンバー11内を不活性ガスで置換する。
【0039】
次に、カーボンヒータ13により、モールド15及びその中空部21に収容された塊状の石英ガラス25を加熱する。この加熱時には、カーボンヒータ13を発熱させ、前記加温温度から下記成形温度までの間を600〜800℃/hrの昇温速度で昇温し、所定温度で、塊状の石英ガラス25の内部まで十分に加熱される時間、例えば15〜60分間保持する。そして、これにより、塊状の石英ガラス25の全体の温度を、結晶化温度以上軟化点以下、例えば、1570℃〜1670℃の成形温度に昇温する。
【0040】
この昇温では、塊状の石英ガラス25の頂部25a付近を加圧する時点で、少なくとも頂部25a側がこの成形温度に到達していれば成形を開始することができる。
【0041】
また、この昇温では、塊状の石英ガラス25に加圧方向の温度分布を形成することが好ましく、天板23側の頂部25aとモールド15の底部18側の底面部25bとの温度差を、例えば5℃以上50℃以下とする。頂部25aの温度が高ければ、頂部25a側が底面部25b側より成形され易くなり、頂部25a側から順に成形することができて、成形途中で石英ガラス25に座屈が生じにくくなるからである。
【0042】
次に、このように塊状の石英ガラス25を加熱した状態で、油圧シリンダへの油圧を制御調整することにより、シリンダロッド26を下方へ移動させて、シリンダロッド26の押圧部位26aで天板23の押圧面23bを押圧する。これにより、天板23がモールド15の底部18側の加圧方向へ移動し、天板23の加圧面23a底部18との間で塊状の石英ガラス25が加圧される。
【0043】
このとき、天板23から加える圧力を、成形初期の段階で小さくし、その後、好ましくは最終段階で最大加圧力となるように増加させつつ、加圧を行う。ここでは、例えば、天板23の下降に伴って徐々に加圧を増加したり、所定量の成形が進行するまで初期段階の小さい加圧力で加圧し、その後、所定の加圧力に増加するようにしてもよく、更に、多段階に加圧力を増加することも可能である。その場合、成形前の石英ガラス25の頂部25aの高さ方向位置(即ち、天板23の加圧面23aの位置)を変位0%、石英ガラス25が成形後に余すところなく正常に成形された場合の頂部25aの高さ方向位置を変位100%とすると、例えば塊状の石英ガラス25の高さの変位が0%〜70%の高さまでは成形初期の小さい加圧力で加圧することができる。
【0044】
成形初期、即ち、石英ガラス25に天板23の加圧面23aが石英ガラス25の頂部25aに接触する段階では、天板23に接触する面積が小さく、加圧により変形させる体積が小さく、小さい加圧力で加圧することができる。この加圧時の圧力の好ましい範囲は、石英ガラス25の状態によって変動するものであるため、成形時に適宜選択するのが好ましいが、例えば、天板23の下降速度を5〜15cm/minとなるように、押圧力を調整することにより行うことも可能である。
【0045】
この成形初期の段階では、石英ガラス25が変形し易くて、頂部25a側の変位量が多いため、大きな加圧力を負荷すると、軟化点以下の温度で流動性が低い石英ガラス25を無理に変形させることになり、石英ガラス25が不均一に成形され易いからである。
【0046】
そして、天板23の加圧を続け、成形が進行した段階では、石英ガラス25がモールド15の中空部21内に広がり、天板23の加圧面23aの広い部分で加圧することになる。この段階では、石英ガラス25の変形が小さくなるが、石英ガラス25を変形させるのに要する力が大きくなる。特に、軟化点以下の温度の石英ガラス25であるため流動性が小さくて変形に要する力が大きくなり易い。そのため、この実施の形態では、天板23の加圧面23aから石英ガラス25へ負荷する加圧力を大きくし、好ましくは3Kg/cm以上にする。これにより、石英ガラス25をより短時間で変形させることができ、成形時間の短縮化が図れる。
【0047】
更に、成形の最終段階では、石英ガラス25がモールド15の中空部21内の断面方向略全体に広がり、天板23の加圧面23aの略全体で加圧することになる。この段階では、天板23の加圧面23aから負荷する加圧力を、石英ガラス25やモールド15の破損を防止できる範囲内で、できるだけ大きくするのが好ましく、この状態で最大圧力が2Kg/cm以上、好ましくは5〜50Kg/cmとなるように加圧する。これにより、石英ガラス25を確実に所望の形状に成形でき、また、石英ガラス25の成形時間を最終段階まで短縮化させることが可能となる。
【0048】
そして、石英ガラス25が所定の板状体に成形された段階で、天板23による加圧を終了する。その後、成形された石英ガラス25を、モールド15内に配置した状態のままで冷却する。
【0049】
この冷却では、石英ガラス25が高温に曝される時間をできるだけ短縮することが好ましく、この実施の形態では、石英ガラス25を強制的に冷却する。
【0050】
ここで、強制的な冷却は、モールド15内でカーボンヒータ13による加熱を停止して自然放冷する際の冷却速度より速い冷却速度で冷却することであり、真空チャンバー11内に設けられた図示しない冷却媒体用の通路に冷却媒体を通液することにより行うことができる。
【0051】
この冷却過程において、1300℃〜1100℃の温度範囲では、強制的に冷却するのが好ましく、石英ガラス25の結晶化を防止することができる。
【0052】
また、この冷却では、軟化点以下の低い温度で2〜50Kg/cmの最大圧力を負荷して成形された石英ガラス25の歪みを低減するために、1100℃から500℃まで冷却していく過程の任意の温度範囲内を、5〜20℃/hrの冷却速度で徐冷するのが好ましい。ここでは、任意の温度範囲を広くすれば、より歪みを低減し易いが、高温に曝される時間が長くなり易いため、各種成形条件に応じて温度範囲を調整するのが好ましい。
【0053】
そして、このような冷却により石英ガラス25の温度が十分に低下した段階で、真空チャンバ11から板状体を取り出す。
【0054】
以上のようにして、塊状の石英ガラス25を成形すれば、軟化点以下の低い温度で、しかも、2〜50Kg/cmの高い圧力で短時間に成形するため、石英ガラス25が高温に曝される時間を短縮することができる。そのため、石英ガラス中の水素分子が低減され難くてレーザ耐久性を維持し易く、また、石英ガラスに不純物が混入され難くて純度が低下し難い。
【0055】
さらに、この成形時の温度が軟化温度以下の低温であるため、石英ガラス25とモールド15のグラファイトとの反応を抑制でき、成形体の表面に凹凸が形成されにくい。また、石英ガラス25とモールド15との線膨張係数の相違に基づいて、生じる冷却時の熱収縮の差が、成形温度が低い分だけ少なくなり、モールド15により石英ガラス25を圧縮する応力を少なくできる。そのため、大型の成形品であっても、歩留まりを低下し易く、生産性を向上できる。しかも、成形温度が低い分、昇温及び降温に要する時間を短縮できるため、生産性を相乗的に向上することができる。
【0056】
そして、このような成形方法では、天板23の加圧力を増加させつつ成形するので、石英ガラス25の変位量が大きい成形初期には低い圧力で加圧でき、軟化点以下の流動性が低い状態の石英ガラス25を不均一に変形させることを防止し易い。
【0057】
また、石英ガラス25を板状体に成形した後、石英ガラス25を強制的に冷却するため、石英ガラス25を高温に曝す時間をより短縮して、石英ガラス25中の水素分子の低減や不純物の混入をより防止し易いとともに、降温に要する時間を短縮でき、更に生産性を向上することが可能である。
【0058】
更に、1100℃から500℃まで冷却していく過程の任意の温度範囲内を、5〜20℃/hrの冷却速度で徐冷するので、成形により生じた歪みを低減して、石英ガラス25の均質化をより図り易い。
【0059】
また、石英ガラス25をモールド15内に収容する前に予め加温するため、モールド15内の加熱時間を短縮して、生産性を向上し易く、しかも、その加温を200℃〜300℃で行うため、加温時に石英ガラス25中の水素分子が低減することも抑制できる。
【0060】
【実施例】
以下、この発明の実施例について説明する。
【0061】
参考例1
図1に示すような成形装置を用い、直径50cmで高さが70cmの合成石英ガラスインゴットからなる塊状の石英ガラス25から、一辺が100cmの正方形形状で厚さが13.7cmの板状の石英ガラス25を成形した。
【0062】
この成形では、真空ポンプにて、真空チャンバー11内の圧力を50Paまで減圧した後、純粋な窒素ガスを圧力3×10Paまで充填した。600℃/hrの昇温速度で昇温し、表1に示すような保持温度にして45分間保持して石英ガラス25を前記保持温度にした。
【0063】
次に、シリンダロッド26により天板23を加圧し、成形初期の高さ方向の変位0〜50%の段階では天板23を加圧する加圧力を2Kg/cmとし、その後、同変位50〜80%では加圧力を4Kg/cmとし、更に同変位80〜100%では7〜50Kg/cmと加圧力を増加し、表1に示す最大圧力で石英ガラス25を加圧することにより成形を行った。
【0064】
成形後、カーボンヒータ13の発熱を停止し、20時間放置して自然放冷を行って、石英ガラス25の板状体を得た。
【0065】
この板状体の透過率分布(Δn)、複屈折率、透過率、レーザ耐久性、及び不純物の混入による変質層の厚さを測定した。
【0066】
得られた結果を表2に示す。
【0067】
参考例2
参考例1と同様の成形装置を用い、モールド15に収容する前に表1に示す加温を行い、その後、表1に示す成形条件で成形する他は参考例1と同様にして板状体を得た。
【0068】
得られた板状体の透過率分布(Δn)、複屈折率、透過率、レーザ耐久性、及び不純物の混入による変質層の厚さを測定した結果を表2に示す。
【0069】
実施例
参考例1と同様の成形装置を用い、モールド15に収容する前に表1に示す加温を行い、表1の成形条件で成形を行い、成形後に表1に示す徐冷を行うとともに、400℃/hrの冷却速度で強制冷却を行う他は、参考例1と同様にして板状体を得た。
【0070】
得られた板状体の透過率分布(Δn)、複屈折率、透過率、レーザ耐久性、及び不純物の混入による変質層の厚さを測定した結果を表2に示す。
【0071】
実施例
参考例1と同様の成形装置を用い、表1の成形条件で成形を行い、成形後に実施例と同様の強制冷却を行う他は、参考例1と同様にして板状体を得た。
【0072】
得られた板状体の透過率分布(Δn)、複屈折率、透過率、レーザ耐久性、及び不純物の混入による変質層の厚さを測定した結果を表2に示す。
【0073】
参考例3
参考例1と同様の成形装置を用い、モールド15に収容する前に表1に示す加温を行い、表1の成形条件で成形を行い、成形後に表1に示す徐冷を行う他は、参考例1と同様にして板状体を得た。
【0074】
得られた板状体の透過率分布(Δn)、複屈折率、透過率、レーザ耐久性、及び不純物の混入による変質層の厚さを測定した結果を表2に示す。
【0075】
比較例1
参考例1と同様の成形装置を用い、表1の成形条件で、一定の加圧力で成形する他は、参考例1と同様に成形を行った。
【0076】
その結果、 加圧の最大圧力が0.1Kg/cmと著しく弱いため、石英ガラス25の変位が十分行なわれず、高さ方向の変位が30%で止まり、板状体が得られなかった。
【0077】
比較例2
参考例1と同様の成形装置を用い、表1の成形条件で成形を行う他は、参考例1と同様にして板状体を得た。
【0078】
得られた板状体の透過率分布(Δn)、複屈折率、透過率、レーザ耐久性、及び不純物の混入による変質層の厚さを測定した結果を表2に示す。
【0079】
比較例3
参考例1と同様の成形装置を用い、モールド15に収容する前に表1に示す加温を行い、表1の成形条件で、一定の加圧力で成形し、成形後に400℃/hrの冷却速度で強制冷却を行う他は、参考例1と同様にして板状体を得た。
【0080】
得られた板状体の透過率分布(Δn)、複屈折率、透過率、レーザ耐久性、及び不純物の混入による変質層の厚さを測定した結果を表2に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0004341277
【0082】
【表2】
Figure 0004341277
【0083】
表2の結果から明らかなように、実施例1、2、参考例1〜3では、何れも比較例2、3に比べて石英ガラス25が高温に曝される時間が短く、レーザ耐久性及び透過率がよいとともに変質層の厚さが薄くなっていた。
【0084】
また、予め加温を行った実施例1、参考例2、3は、何れも昇温時間が実施例2、参考例1や比較例1、2に比べて短かった。
【0085】
更に、徐冷を行った実施例は、参考例1に比べて屈折率分布が小さかった。
【0086】
そして、成形時に天板23により石英ガラス25を加圧する際の最大圧力が2Kg/cmより低すぎる比較例1では、板状体が成形できず、また、最大圧力が十分ではなく成形時間が長い比較例3、保持温度が高くて、強制冷却も行わない比較例2では、石英ガラス25が高温に曝される時間が長く、実施例1、2、参考例1〜3に比べて各測定結果が劣っていた。
【0087】
【発明の効果】
以上詳述の通り、請求項1に記載の発明によれば、石英ガラスを結晶化温度以上軟化点以下の温度範囲に加熱して、加圧部の加圧力を増加させつつ、最大圧力が2〜50Kg/cmとなるように加圧するので、成形時の温度を軟化点以下の低い温度にして、2〜50Kg/cmの高い圧力で短時間に成形することにより、石英ガラスが高温に曝される時間を短縮することができる。そのため、石英ガラス中の水素分子が低減され難くてレーザ耐久性を維持し易く、また、石英ガラスに不純物が混入され難くて純度が低下し難くく、同時に生産性も向上し易い。
【0088】
それとともに、加圧部の加圧力を増加させつつ成形するため、石英ガラスの変位量が大きい成形初期に低い圧力で加圧することによって穏やかに変形でき、軟化点以下で流動性が低い状態の石英ガラスが不均一に成形されることを防止し易い。
【0089】
また、石英ガラスを所定形状にした後、石英ガラスを強制的に冷却するので、成形後に石英ガラスを高温に曝す時間を短縮することができ、石英ガラス中の水素分子の低下や不純物の混入をより防止し易いとともに、降温に要する時間を短縮できて生産性も向上し易い。
【0090】
更に、請求項に記載の発明によれば、石英ガラスを1300℃〜1100℃の温度範囲で強制的に冷却するので、石英ガラスを高温に曝す時間を短縮することができるとともに、結晶化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の成形装置の一部を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
10 成形装置
11 真空チャンバ
13 カーボンヒータ
15 モールド
18 底部
20 側壁部
21 中空部
23 天板(加圧部)
25 石英ガラス
26 シリンダロッド

Claims (2)

  1. 石英ガラスをモールド内に収容して加熱し、該石英ガラスを加圧部により加圧して所定形状に成形する方法において、
    前記石英ガラスを結晶化温度以上軟化点以下の温度範囲に加熱し、
    前記加圧部の加圧力を増加させつつ、最大圧力が2〜50Kg/cmとなるように制御して前記石英ガラスを加圧することにより、前記石英ガラスを所定形状に成形し、
    その後、前記石英ガラスを強制的に冷却することを特徴とする石英ガラスの成形方法。
  2. 前記石英ガラスを1300℃〜1100℃の温度範囲で強制的に冷却することを特徴とする請求項1に記載の石英ガラスの成形方法。
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