JP4340689B2 - 光ピックアップ及び情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の情報記録媒体に対する情報の記録及び再生に用いる光ピックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からDVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)のような規格の異なる各種の光ディスクに対して、データの記録及び再生を行うコンパチブルプレーヤ等の情報記録再生装置(以下、単に「情報記録再生装置」という)が各種提供されている。この種の情報記録再生装置においてはユーザの利便性を向上させると共に他製品との差別化を図る観点からDVD-R等の光ディスクに対するデータの記録スピードの向上が望まれている現状にある。
【0003】
しかしながら、DVD-RやDVD-RW等の光ディスクは、所定の単位時間あたりに照射される光ビームのエネルギー総量が所定の閾値を越えた場合、或いは、光ディスク上における温度が一定の値以上になった場合に色素変色或いは相変化を生じ、これにより各種データが記録される構成となっているため、記録スピードを向上させ光ビームに対する光ディスクの相対速度が上昇すると照射される光ビームのエネルギー量を増加させなければデータの記録が実現できないこととなる。
【0004】
その一方、この種の情報記録再生装置に用いられる光源は、出力可能ワット数の向上に伴い放熱量が増加し、現状、放熱対策等の観点から150mW(ミリワット)程度の光源が実現されているにすぎない。このため、理論的な最高の記録スピードが光源の性能に依存することとなり新たな光源が開発されない限り、これ以上記録スピードの向上が望めない。
【0005】
そこで、従来、例えば、CD-Rに対するデータの記録時に波長780nm及び650nmの各光ビームに対応した2つの光源を同時点灯し、波長780nmの光ビームを利用してトラッキングサーボ、フォーカスサーボを行うことにより、データの記録に用いる650nmの光ビームの利用効率を高める提案がなされている(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2000−173084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
[0006]
ところで、特許文献1に記載の一の装置においては、光ディスクによって反射された波長の異なる2つの光ビームを同一のフォトディテクタによって受光する構成が採用されている。しかし、かかる構成を採用した場合、高精度に光軸あわせを行わないと受光された光ビームから各光ビームを分離することが困難となり、両ビーム間にクロストークが発生してしまう。このようにクロストークが発生した場合、一方の光ビームが他方の光ビームに対するノイズとなりデータの記録やトラッキング等の制御が困難となる。
[0007]
本願は以上説明した事情に鑑みてなされたものであって、その課題の一例としては、簡易な構成を採用しつつDVD−R等の光ディスクに対する記録スピードの向上を図ると共に、確実にデータの記録、再生を可能とすることが可能な光ピックアップ及び情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
[0008]
上述した課題を解決するため、本願の一つの観点において請求項1に記載の光ピックアップは、光源から出力された光ビームを情報記録媒体に集光し、当該情報記録媒体からの反射光を受光する光ピックアップであって、第1の波長を有する第1光ビームを出力する第1光源と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2光ビームを出力する第2光源と、前記情報記録媒体によって反射された前記反射光を受光すると共に受光光量に応じた信号を出力する受光部と、前記情報記録媒体から前記受光部に対する前記反射光の光路上に設置され、入射された前記第2光ビームの透過を制御するフィルタと、前記第1光源及び第2光源の双方を制御し、前記第1及び第2光ビームの何れか一方、或いは、双方を出力させる光源制御手段と、前記第1及び第2光ビームの双方が出力された場合に、前記フィルタを制御して前記第2ビームの透過を制限するフィルタ制御手段と、前記情報記録媒体の種類を判別する検出手段と、を備え、前記光源制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1光源及び第2光源からの前記光ビームの出力の有無を決定すると共に、前記検出手段により検出された情報記録媒体が色素型情報記録媒体の時には、前記光源制御手段は、該情報記録媒体に適した波長を有するレーザ光を出力可能な光源のみから前記光ビームを出力させることを特徴とする。
[0009]
また、本願の他の観点においては、請求項9に記載の情報記録再生装置は、光源から出力された光ビームを情報記録媒体に集光し、当該情報記録媒体からの反射光を受光する光ピックアップを備えた情報記録再生装置であって、前記光ピックアップは、第1の波長を有する第1光ビームを出力する第1光源と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2光ビームを出力する第2光源と、前記情報記録媒体によって反射された前記反射光を受光すると共に受光光量に応じた信号を出力する受光部と、前記情報記録媒体から前記受光部に対する前記反射光の光路上に設置され、入射された前記第2光ビームの透過を制御するフィルタと、前記第1光源及び第2光源の双方を制御し、前記第1及び第2光ビームの何れか一方、或いは、双方を出力させる光源制御手段と、前記第1及び第2光ビームの双方が出力された場合に、前記フィルタを制御して前記第2ビームの透過を制限するフィルタ制御手段と、前記情報記録媒体の種類を判別する検出手段と、を備え、前記光源制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1光源及び第2光源からの前記光ビームの出力の有無を決定すると共に、前記検出手段により検出された情報記録媒体が色素型情報記録媒体の時には、前記光源制御手段は、該情報記録媒体に適した波長を有するレーザ光を出力可能な光源のみから前記光ビームを出力させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
[0010]
[図1]実施形態における情報記録再生装置RPの構成を示すブロック図である。
[図2]同実施形態における光ディスクDK上の集光スポット及び当該集光スポット上におけるエネルギー分布を示す概念図である。
[図3]同実施形態における波長フィルタ18を無機EC材料を用いて構成した場合の構成例を示す図である。
[図4]同実施形態における波長フィルタ18を有機EC材料を用いて構成した場合の構成例を示す図である。
【符号の説明】
[0011]
RP・・・情報記録再生装置
SP・・・信号処理部
C・・・制御部
D・・・駆動回路
PU・・・光ピックアップ
S・・・サーボ回路
P・・・再生部
【発明を実施するための最良の形態】
[0012]
[1]実施形態
以下、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの概要構成を示す図1を参照しつつ、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの構成及び動作について説明する。なお、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、CD及びDVDの両規格に対応した光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行うコンパチブルプレーヤに、本願の情報記録再生装置を応用したものである。
【0013】
同図に示すように本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、大別して信号処理部SPと、制御部Cと、駆動回路Dと、光ピックアップPUと、サーボ回路Sと、再生部Pと、を有している。
【0014】
信号処理部SPは、入力端子を有しており、この端子を介して入力されたデータに信号処理を施して制御部Cに出力する。この信号処理部SPにおいて行う具体的な処理内容については任意であり、例えば、入力されたデータをMPEG(Moving Picture Experts Group)等の圧縮方式にて圧縮した後、当該データを制御部Cに出力するようにしても良い。
【0015】
制御部Cは、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成され、情報記録再生装置RPの各部を制御する。例えば、光ディスクDKに対してデータを記録する場合、制御部Cは、信号処理部SPから入力されたデータに対応した駆動信号を駆動回路Dに出力する。また、光ディスクDKに記録されているデータの再生を行う場合、制御部Cは、信号処理部SPからのデータ入力の有無にかかわらず所定の駆動信号を駆動回路Dに出力する。
【0016】
駆動回路Dは主として増幅回路に構成され、制御部Cから入力された駆動信号を増幅した後、光ピックアップPUに供給する。この駆動回路Dにおける増幅率は制御部Cにより制御され、光ディスクDKにデータを記録する場合には、光ピックアップPUから光ディスクDKに相変化或いは色素変色を生じさせることができるエネルギー量(以下、「記録パワー」という)の光ビームが出力されるように増幅率が制御される。一方、光ディスクDKに記録されているデータを再生する場合、光ディスクDKにおいて色素変色等の変化が生じないエネルギー量(以下、「再生パワー」という)の光ビームが光ピックアップPUから出力されるように増幅率が制御される。
【0017】
光ピックアップPUは、例えば、第1光源11と、第2光源12と、第1ビームスプリッタ13と、第2ビームスプリッタ14と、アクチュエータ部15と、集光レンズ16と、フォトディテクタ17と、波長フィルタ18と、を有し、光ディスクDKに対して光ビームを照射することにより、光ディスクDKに対するデータの記録及び読み出しを行う。
【0018】
第1光源11及び第2光源12は、共にレーザダイオードにより構成されており、駆動回路Dから供給される駆動信号に基づき、各々異なる波長の光ビームを出力する。本実施形態において、これら第1光源11及び第2光源12は、DVD及びCDの両規格に対応したデータの記録及び再生を実現すべく、夫々、第1光源11が660nmの波長を有する光ビームを、第2光源12が780nmの波長を有する光ビームを出力する。
【0019】
この第1光源11及び第2光源12から出力される光ビームは、各光ビームの光路上に配置された、第1及び第2ビームスプリッタ13、14に照射される。この第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14は、例えば、ダイクロイックミラーにより構成されており、対応する各光源11及び12から照射された光ビームを反射する。なお、ダイクロイックミラーにより第1及び第2ビームスプリッタ13及び14を構成する場合、第1ビームスプリッタ13については660nmの光ビームを90%反射、10%透過すると共に780nmの光ビームについては100%透過するダイクロイックミラーを、第2ビームスプリッタ14については780nmの光ビームを90%反射、10%透過すると共に660nmの光ビームについては100%透過するダイクロイックミラーを採用することが望ましい。
【0020】
このようにして、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14により反射された光ビームは、アクチュエータ部15に設けられた波長板(図示は省略)を透過して、アクチュエータ部15に設置された対物レンズに入射され、光ディスクDK上に集光されることとなる。かかる光ビームの集光機能を実現すべく、アクチュエータ部15には、対物レンズを可動する機構が設けられている。なお、アクチュエータ部15の具体的な構成については、任意である。
【0021】
次いで、光ディスクDKに対して照射された光ビームは、光ディスクDKにおいて反射された後、再度、アクチュエータ部15の対物レンズを介して第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14に入射し、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14を透過して、集光レンズ16に入射することとなる。そして、集光レンズ16に入射した反射光が集光レンズ16によりフォトディテクタ17上に集光される。
【0022】
フォトディテクタ17は、例えば、フォトダイオードにより構成され、集光レンズ16から照射される光ビームを受光して、当該反射光の受光光量に応じた信号を出力する。具体的には、反射光の受光光量に応じたRF信号を制御部Cに出力すると共に、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボに必要な信号をサーボ回路Sに出力する。
【0023】
このようにして、フォトディテクタ17からRF信号が供給された場合、制御部Cは、(a)再生時においては、当該RF信号を再生部Pに供給し、当該RF信号に対応するデータが出力端子を介して外部に出力されるように再生部Pを制御する一方、(b)記録時においては、当該RF信号に基づいて、例えば、光ディスクDK上のアドレスを取得し、或いは、記録すべきデータに対応した駆動信号の出力タイミングを決定する。
【0024】
サーボ回路Sは、演算回路により構成され、フォトディテクタ17から供給される信号に基づいてトラッキング及びフォーカスに関するサーボ量を算出し、当該算出結果に対応する制御信号をアクチュエータ部15に出力する。この結果、アクチュエータ部15において、サーボ回路Sからフィードバックされた制御信号に基づいて対物レンズの位置が変更されトラッキングサーボ及びフォーカスサーボがなされることとなる。
【0025】
なお、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボを実現するための具体的な方式については任意である。但し、本実施形態においては、説明を具体的なものとするため、次のような方式を採用するものとする。すなわち、フォトディテクタ17を4分割形状とすると共に、集光レンズ16としてシリンドリカルレンズを採用する。そして、フォーカスサーボについては、非点収差法を用いてサーボ回路Sにおいてサーボ量を算出すると共に、トラッキングサーボについては、各領域における受光光量に基づいてサーボ回路Sにおいてサーボ量を算出する。
【0026】
ここで、かかる構成を有する本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、光ディスクDKに対するデータの記録スピードを向上させようとする場合、単位時間あたりに光ディスクDKに照射される光ビームのエネルギー総量が所定の閾値を越え、或いは、光ディスクDK上における温度が一定の値以上になることが必要とされるため、光ディスクDKに対して照射される光ビームのエネルギー総量を増加させることが必要となる。その一方、光ディスクDKに記録されているデータを再生する場合、光ディスクDKに対して照射する光ビームのエネルギー量を増加させる必要性は存在しない。そこで、本実施形態においては、光ディスクDKに対するデータの記録時及び再生時に制御部Cは以下のような制御を行う。
【0027】
(1)データ記録時
光ディスクDKに対するデータの記録スピードを向上させるべく、本実施形態において制御部Cは、光ディスクDKに記録すべきデータに対応する駆動信号を駆動回路Dに出力すると共に、当該駆動信号に基づいて記録パワーの光ビームが第1光源11及び第2光源12の双方から出力されるように駆動回路Dを制御する。この結果、駆動回路Dから供給される信号を利用して、第1光源11及び第2光源12が発光し、各光源11及び12から出力された光ビーム、すなわち、波長660nm及び780nmの光ビームの双方が第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14に入射され、両ビームスプリッタ13及び14によって反射されてアクチュエータ部15の対物レンズに照射される。
【0028】
図2に、この際光ディスクDK上に現れる集光スポットと、当該集光スポット内における光ビームのエネルギー分布との関係を示す。なお、同図においては、集光スポット上の各位置と、グラフ上の横軸とが対応付けてある。
【0029】
この場合、波長660nm及び780nmの両集光スポットの半径rは、各々、
r=(k×λ)/NA・・・・(式1)
の関係を示すこととなる。但し、(式1)において「λ」は波長を示し、「NA」は対物レンズに開口数を示している。本実施形態の場合、何れの光ビームについても、同一の対物レンズに入射され、光ディスクDK上に集光されることから、ビーム半径は、ほぼ波長の比に依存して決定されることとなり、780nmの集光スポット内に80%程度の半径を持って660nmの集光スポットが形成されることとなる。
【0030】
両集光スポットについての、エネルギー分布はガウス分布に従うことから、両スポットが中心点において完全に一致している状態においては、光の重ね合わせの原理から各点におけるエネルギー量の和が光ディスクDK上における光ビームのエネルギー量になる。このため、両ビームが照射されている状態にすることにより、光ディスクDKに対して照射可能な光ビームのエネルギー量を増加させることが可能となる。
【0031】
但し、実際に光ディスクDKに対して780nmと660nmの光ビームの双方を照射した場合、焦点距離の違いから球面収差が発生すると考えられるためエネルギー損失が生じ、例えば、DVD-Rに対して両ビームを照射した場合、780nmの光ビームについては、最大で70〜80%程度の効率にてエネルギーが利用できることとなる。
【0032】
なお、DVD-R等の色素型の光ディスクDKにおいては、照射される光ビームのエネルギー総量が所定値を越えた場合に色素変色を生じ情報が記録されるものと(フォトンモード)、記録面上における温度が一定の値を超えた場合に情報が記録されるものがあるが(熱記録)、何れの光ディスクDKにおいても、光ディスクDKに照射されている光ビームの光強度を向上させることにより記録スピードを向上させることが可能となる。
【0033】
なおまた、このように2つの波長に対応した光ビームを光ディスクDKに集光させる構成を採用し、DVD規格に従った光ディスクDKに対して波長780nmのCD用の光ビームを照射すると、当該780nmの波長の光ビームが記録対象となっているグルーブトラックのみならず、隣接するグルーブトラックにまで照射されてしまい、相変化や色素変色が発生してしまう可能性がある。従って、上記構成を採用する場合には、光ディスクDKに使用する材料を適宜選択し、波長780nmの光ビームのみが照射された状態においては、情報の記録が行われないようにすることが必要となる。
【0034】
一方、第1光源11及び第2光源12の双方から光ディスクDKに対して光ビームを照射した場合、光ディスクDKにおいて反射された反射光に波長の異なる成分(660nm及び780nm)が混在することとなる。このため、当該反射光がフォトディテクタ17に入射されると、上述のようにクロストークが発生し、正常な記録動作を行うことが困難となる可能性がある。そこで、本実施形態においては、光ディスクDKからの反射光の光路上に波長フィルタ18を設けた構成が採用されている。
【0035】
この波長フィルタ18は、例えば、EC(Electro Chromic)材料により構成されており、制御部Cによる制御の下、入射された光ビームの内、所定波長の光ビームのみを透過する構成となっている。なお、EC材料とは、印加電圧により可逆的に吸収波長が変化するエレクトロクロイズム現象を起こす材料であり、有機系、無機系の2系統が存在している。無機系EC材料としては、例えば、電気吸光反応を利用したWO3(三酸化タングステン)、MoO3(三酸化モリブデン)等のカソードEC(還元により着色)や、プルシアンブルー(KxFeyFez(CN)6)、Ni(OH)n等のアノーディックEC(酸化により着色)があり、有機EC材料としては、有機EL(Electro Luminescent)材料として用いられる、ポリフェナザシリン等の機能性高分子がある。
【0036】
図3に、無機ECを用いた場合の波長フィルタ18の構成例を、図4に有機ECを用いた場合の波長フィルタ18の構成例を示す。
【0037】
まず図3において101は基板であり、例えば、SiO2(二酸化珪素)のような透過性の高い基材により構成される。この基板101上には透明電極102が形成され、この透明電極102上にゾル・ゲル法或いは引き上げ法、蒸着等の方法により製膜後、焼成を行うことによりEC層103が形成される。また、このEC層103上には、更に透明電極104が積層され、この結果、透明電極102と104の間にエレクトロクロミック層103がサンドイッチされた状態にて形成されることとなる。この波長フィルタ18上に設けられた両透明電極102及び104は、夫々、制御部Cと接続されており、制御部Cは両電極102及び104間に電位差を生じさせることによりEC層103における吸収波長を可逆的に変更させることとなる。
【0038】
なお、波長フィルタ18を設計するに際しては、660nm〜780nmの間に急峻な吸光特性を設けることが望ましい。例えば、EC層1803としてプルシアンブルーを利用する場合、0.2Vの電位差を与えることにより無色から青色、更に1.0Vの電位差にて青色から緑色へと変化する。従って、電位差を変化させることにより吸収波長を780nm或いは660nmに調節することが可能となり、適切な膜圧を選択することにより低電圧にて必要とされるフィルタ特性を得ることが可能となる。また、用いる材料によっては、異なるEC材料により形成されるEC層1803を複数積層し、各波長の光ビームの吸光率を高めるようにしても良い。
【0039】
次に、有機ECを用いた場合、波長フィルタ18は、2枚の透明基板201及び204を間隙を持って張り合わせ、両基板間に有機EC材料203を充填して構成されることとなる。各透明基板201及び204の対向面上には夫々透明電極202及び205が形成されており、各電極202及び205は制御部Cに接続され、制御部Cは両電極202及び205間に電位差を生じさせることにより有機EC材料203における吸収波長を可逆的に変化させることとなる。
【0040】
ここで、この波長フィルタ18を採用する場合、透過及び吸光される光ビームの他に波長フィルタ18において反射される光ビームも発生する。従って、光ビームの入射軸を法線とする角度に波長フィルタ18を設置してしまうと、当該波長フィルタ18上にて反射された光ビームが光軸上にて迷光する可能性がある。従って、波長フィルタ18は、光ビームの入射軸に対して所定の角度θをもって設置し、フィルタ18において当該入射上に反射光が発生しないようにすることが必要となる。
【0041】
また、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタよりもアクチュエータ部15側に波長フィルタ18を設置してしまうと、両光源から出力された光ビームが光ディスクDKに照射される前に吸光若しくは反射が発生するため、波長フィルタは、必ず、両ビームスプリッタ13及び14よりもフォトディテクタ17側に設置することが必要となる。
【0042】
以上のように波長フィルタ18を構成することにより、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、例えば、DVD-RWに情報を記録する場合、光ディスクDKにおいて反射された光ビームの内、780nmの波長を有する光ビームが波長フィルタ18において吸光及び反射され、660nmの波長を有する光ビームのみが波長フィルタ18を透過して、フォトディテクタ17に受光される。そして、当該光ビームに従って、RF信号、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボに必要な信号がフォトディテクタ18における受光光量に応じて得られることとなる。
【0043】
(2)データ再生時
これに対して、光ディスクDKに記録された情報を再生する場合、制御部Cは、当該再生対象となる光ディスクDKの規格に対応した光源のみを発光させる。例えば、再生対象となっている光ディスクDKがCD規格に対応したものである場合、制御部Cは、第1光源11に対して駆動信号を供給し第1光源11を発光させる一方、再生対象となっている光ディスクDKがDVD規格に対応したものである場合、第2光源12に対して駆動信号を供給し第2光源12を発光させる。
【0044】
また、この波長フィルタ18を光ディスクDKの再生時にどのように制御するかは任意であり、再生時には透過率が最大の状態に制御するようにしても良いし、或いは、再生対象となる光ディスクDKの規格に合わせて、吸収波長を変更するようにしても良い。
【0045】
なお、上記の実施例では二種類の光源を有する場合について、本発明の説明をしたが、光源の種類はこれに限定されるものではない。具体的にはDVDに記録再生を行うための第1光源、CDに記録再生を行うための第2光源に加え、ブルーレイディスクに対して記録再生を行うために、405nmの波長を有する光ビームを出力可能な第3光源を備えた装置に対しても本発明を適用することができる。この場合、波長フィルタ18の吸光特性の設計としては、上記した第1〜3光源のうちの少なくとも2種類の光源から発せられたレーザ光の波長に対する吸光特性を設定する必要がある。
【0046】
また、DVD−R、CD−R等の追記型記録媒体(色素系ディスク)は媒体に用いられる色素によっては記録性能の波長依存性が高く、書き込みに適切とされる波長以外の波長を有するレーザ光を照射しても効率的な書き込みが行えない可能性がある。具体的にはDVD−Rへの書き込みには波長660nmのレーザ光が適切であり、波長780nmを有するレーザ光を同時に照射しても十分な書き込み性能が得られない場合がある。そこでこのような記録媒体に対して書き込みを行う場合には、光源の同時点灯は行わずに、単一の光源(書き込み対象の記録媒体に対して最も適切とされる波長を有するレーザ光を照射可能な光源)のみを用いて記録を行うようにしても良い。この場合、制御部Cは自身が書き込もうとしている記録媒体の種類を検出し、その検出結果に応じて複数ある光源の各々について、レーザ光照射の要否を決定するようにすると良い。
【0047】
逆に、DVD−RWやDVD−RAM等の書き換え型記録媒体(相変化ディスク)は記録性能の波長依存特性が低く、十分な光量を照射することで書き込みが行えるため、本発明を積極的に利用することが望ましい。この場合、記録媒体への書き込みに必要な熱エネルギー確保するためには、波長の短いレーザ光を照射可能な光源へ、光源の駆動電流の配分割合を高くすることが望ましい。
【0048】
このようにして、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、光源から出力された光ビームを光ディスクDKに集光し、当該光ディスクDKからの反射光を受光する光ピックアップPUを有し、光ピックアップPUは、例えば、660nmの波長を有する光ビームを出力する第1光源11と、例えば、780nmの波長を有する光ビームを第1光源から出力される光ビームの光路と同一の光路に出力する第2光源12と、光ディスクDKによって反射された光ビームの反射光を受光する共に受光光量に応じた信号を出力するフォトディテクタ17と、光ディスクDKからフォトディテクタ17に対する反射光の光路上に設置され、入射された光ビームの透過を制御する波長フィルタ18と、第1光源11及び第2光源12の双方を制御し、両光源11及び12の何れか一方、或いは、双方から光ビームを出力させると共に、660nm及び780nmの波長の光ビームが共に出力された場合に、波長フィルタ18を制御して780nmの波長の光ビームの透過を制限する制御部Cと、を備えている構成となっている。
【0049】
この構成により、第1光源及び第2光源の双方から光ビームが出力されている環境下においては、制御部Cが波長フィルタ18を制御し、第1光源11から出力されている660nmの波長の光ビームのみが波長フィルタ18を透過させる。この結果、660nmの波長の光ビームのみがフォトディテクタ17によって受光されることとなる。このため、例えば、光ディスクDKに記録されたデータの記録時に第1光源11及び第2光源12の双方から光ビームを出力し、光ディスクDKに照射される光ビームのエネルギー総量を増加させることが可能となると共に、両光源11及び12を点灯させた場合であっても、例えば、波長660nmの光ビームのみをフォトディテクタ17に入射させることが可能となり、もって、DVD-R等の光ディスクに対する記録スピードの向上を図ると共に、確実にデータの記録、再生を可能とすることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態にかかる情報記録装置RPにおいて、波長フィルタ18は、印加電圧値により透過可能な光ビームの波長を可変するエレクトロクロミック層103或いは203と、エレクトロクロミック層103或いは203に対して電圧を印可する透明電極と、を有すると共に、制御部Cは、前記透明電極に対して印可する電圧値を変更して波長フィルタ18の透過波長を可変させることにより、780nmの波長の光ビームの透過を制限する構成となっている。
【0051】
この構成によれば、エレクトロミック層103或いは203に対する印加電圧の制御のみで、780nmの波長の光ビームの透過を制限することが可能となり、もって、簡易な構成を採用しつつフォトディテクタ17におけるクロストークを防止することが可能となる。
【0052】
また更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、制御部Cは、光ディスクDKに記録されたデータの再生時には、例えば、第1光源11のみを制御して波長660nmの光ビームを出力させる一方、光ディスクDKに対するデータの記録時には第1光源11及び第2光源12の双方を制御し、例えば、波長660nm及び780nmの光ビームの双方を出力させる構成となっている。
【0053】
このため、光ディスクDKに記録されたデータの再生時に当該データの確実な再生を可能としつつ、データの記録に光ディスクDK上に照射される光ビームのエネルギー総量を増加させることが可能となる。
【0054】
更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、波長フィルタ18は、光ディスクDKからの反射光の光路に対して予め定められた角度を持って設置された構成となっている。このため、波長フィルタ18において反射される光ビームが発生した場合であっても、光軸上における迷光を防止することが可能となる。
【0055】
なお、上記実施形態においては、波長フィルタ18をEC材料により構成した例について説明したが、コレスティック液晶のように温度により透過率を変更可能な材料を用いて波長フィルタ18を構成し、制御部Cから供給する電圧を制御することにより、何れか一方の波長を有する光ビームを透過するように構成しても良い。
【0056】
また、上記実施形態においてはCD及びDVDの両規格に対応した光ディスクDKに対する情報の記録及び再生を行う装置RPについて説明したが、例えば、ブルーレイディスクとCD、或いは、ブルーレイディスクとDVDの規格に対応した光ディスクDKに対する情報の記録及び再生を行う装置についても上記と同様の構成により実現可能である。
【0057】
また更に、本実施形態においては、第1光源11及び第2光源12から出力された光ビームを第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14の双方に対して直接照射する構成となっている。しかし、光源とビームスプリッタの間に回折格子を設置し、第1光源11或いは第2光源12から出力された光ビームを主ビーム(0次回折光)及び副ビーム(±1次回折光)に分割した後、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14に照射するようにしても良い。但し、かかる構成を採用する場合、フォトディテクタ17には、主ビームを受光するための領域を設け当該領域を4分割形状とすると共に、この主ビームを受光するための領域の左右に、副ビームを受光するための領域を設けることが必要となる。また、この副ビームを受光するための領域については、更に左右2分割の形状とすることにより、副ビームを利用したトラッキングサーボ、フォーカスサーボを行うことが可能となる。
【0058】
更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいては、制御部C及び駆動回路Dを光ピックアップPUと別体のCPU等の装置により構成した例について説明したが、これらは光ピックアップPUと一体的に構成するようにしても良い。
【0001】
本発明は、光ディスク等の情報記録媒体に対する情報の記録及び再生に用いる光ピックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からDVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)のような規格の異なる各種の光ディスクに対して、データの記録及び再生を行うコンパチブルプレーヤ等の情報記録再生装置(以下、単に「情報記録再生装置」という)が各種提供されている。この種の情報記録再生装置においてはユーザの利便性を向上させると共に他製品との差別化を図る観点からDVD-R等の光ディスクに対するデータの記録スピードの向上が望まれている現状にある。
【0003】
しかしながら、DVD-RやDVD-RW等の光ディスクは、所定の単位時間あたりに照射される光ビームのエネルギー総量が所定の閾値を越えた場合、或いは、光ディスク上における温度が一定の値以上になった場合に色素変色或いは相変化を生じ、これにより各種データが記録される構成となっているため、記録スピードを向上させ光ビームに対する光ディスクの相対速度が上昇すると照射される光ビームのエネルギー量を増加させなければデータの記録が実現できないこととなる。
【0004】
その一方、この種の情報記録再生装置に用いられる光源は、出力可能ワット数の向上に伴い放熱量が増加し、現状、放熱対策等の観点から150mW(ミリワット)程度の光源が実現されているにすぎない。このため、理論的な最高の記録スピードが光源の性能に依存することとなり新たな光源が開発されない限り、これ以上記録スピードの向上が望めない。
【0005】
そこで、従来、例えば、CD-Rに対するデータの記録時に波長780nm及び650nmの各光ビームに対応した2つの光源を同時点灯し、波長780nmの光ビームを利用してトラッキングサーボ、フォーカスサーボを行うことにより、データの記録に用いる650nmの光ビームの利用効率を高める提案がなされている(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2000−173084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
[0006]
ところで、特許文献1に記載の一の装置においては、光ディスクによって反射された波長の異なる2つの光ビームを同一のフォトディテクタによって受光する構成が採用されている。しかし、かかる構成を採用した場合、高精度に光軸あわせを行わないと受光された光ビームから各光ビームを分離することが困難となり、両ビーム間にクロストークが発生してしまう。このようにクロストークが発生した場合、一方の光ビームが他方の光ビームに対するノイズとなりデータの記録やトラッキング等の制御が困難となる。
[0007]
本願は以上説明した事情に鑑みてなされたものであって、その課題の一例としては、簡易な構成を採用しつつDVD−R等の光ディスクに対する記録スピードの向上を図ると共に、確実にデータの記録、再生を可能とすることが可能な光ピックアップ及び情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
[0008]
上述した課題を解決するため、本願の一つの観点において請求項1に記載の光ピックアップは、光源から出力された光ビームを情報記録媒体に集光し、当該情報記録媒体からの反射光を受光する光ピックアップであって、第1の波長を有する第1光ビームを出力する第1光源と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2光ビームを出力する第2光源と、前記情報記録媒体によって反射された前記反射光を受光すると共に受光光量に応じた信号を出力する受光部と、前記情報記録媒体から前記受光部に対する前記反射光の光路上に設置され、入射された前記第2光ビームの透過を制御するフィルタと、前記第1光源及び第2光源の双方を制御し、前記第1及び第2光ビームの何れか一方、或いは、双方を出力させる光源制御手段と、前記第1及び第2光ビームの双方が出力された場合に、前記フィルタを制御して前記第2ビームの透過を制限するフィルタ制御手段と、前記情報記録媒体の種類を判別する検出手段と、を備え、前記光源制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1光源及び第2光源からの前記光ビームの出力の有無を決定すると共に、前記検出手段により検出された情報記録媒体が色素型情報記録媒体の時には、前記光源制御手段は、該情報記録媒体に適した波長を有するレーザ光を出力可能な光源のみから前記光ビームを出力させることを特徴とする。
[0009]
また、本願の他の観点においては、請求項9に記載の情報記録再生装置は、光源から出力された光ビームを情報記録媒体に集光し、当該情報記録媒体からの反射光を受光する光ピックアップを備えた情報記録再生装置であって、前記光ピックアップは、第1の波長を有する第1光ビームを出力する第1光源と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2光ビームを出力する第2光源と、前記情報記録媒体によって反射された前記反射光を受光すると共に受光光量に応じた信号を出力する受光部と、前記情報記録媒体から前記受光部に対する前記反射光の光路上に設置され、入射された前記第2光ビームの透過を制御するフィルタと、前記第1光源及び第2光源の双方を制御し、前記第1及び第2光ビームの何れか一方、或いは、双方を出力させる光源制御手段と、前記第1及び第2光ビームの双方が出力された場合に、前記フィルタを制御して前記第2ビームの透過を制限するフィルタ制御手段と、前記情報記録媒体の種類を判別する検出手段と、を備え、前記光源制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1光源及び第2光源からの前記光ビームの出力の有無を決定すると共に、前記検出手段により検出された情報記録媒体が色素型情報記録媒体の時には、前記光源制御手段は、該情報記録媒体に適した波長を有するレーザ光を出力可能な光源のみから前記光ビームを出力させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
[0010]
[図1]実施形態における情報記録再生装置RPの構成を示すブロック図である。
[図2]同実施形態における光ディスクDK上の集光スポット及び当該集光スポット上におけるエネルギー分布を示す概念図である。
[図3]同実施形態における波長フィルタ18を無機EC材料を用いて構成した場合の構成例を示す図である。
[図4]同実施形態における波長フィルタ18を有機EC材料を用いて構成した場合の構成例を示す図である。
【符号の説明】
[0011]
RP・・・情報記録再生装置
SP・・・信号処理部
C・・・制御部
D・・・駆動回路
PU・・・光ピックアップ
S・・・サーボ回路
P・・・再生部
【発明を実施するための最良の形態】
[0012]
[1]実施形態
以下、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの概要構成を示す図1を参照しつつ、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの構成及び動作について説明する。なお、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、CD及びDVDの両規格に対応した光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行うコンパチブルプレーヤに、本願の情報記録再生装置を応用したものである。
【0013】
同図に示すように本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、大別して信号処理部SPと、制御部Cと、駆動回路Dと、光ピックアップPUと、サーボ回路Sと、再生部Pと、を有している。
【0014】
信号処理部SPは、入力端子を有しており、この端子を介して入力されたデータに信号処理を施して制御部Cに出力する。この信号処理部SPにおいて行う具体的な処理内容については任意であり、例えば、入力されたデータをMPEG(Moving Picture Experts Group)等の圧縮方式にて圧縮した後、当該データを制御部Cに出力するようにしても良い。
【0015】
制御部Cは、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成され、情報記録再生装置RPの各部を制御する。例えば、光ディスクDKに対してデータを記録する場合、制御部Cは、信号処理部SPから入力されたデータに対応した駆動信号を駆動回路Dに出力する。また、光ディスクDKに記録されているデータの再生を行う場合、制御部Cは、信号処理部SPからのデータ入力の有無にかかわらず所定の駆動信号を駆動回路Dに出力する。
【0016】
駆動回路Dは主として増幅回路に構成され、制御部Cから入力された駆動信号を増幅した後、光ピックアップPUに供給する。この駆動回路Dにおける増幅率は制御部Cにより制御され、光ディスクDKにデータを記録する場合には、光ピックアップPUから光ディスクDKに相変化或いは色素変色を生じさせることができるエネルギー量(以下、「記録パワー」という)の光ビームが出力されるように増幅率が制御される。一方、光ディスクDKに記録されているデータを再生する場合、光ディスクDKにおいて色素変色等の変化が生じないエネルギー量(以下、「再生パワー」という)の光ビームが光ピックアップPUから出力されるように増幅率が制御される。
【0017】
光ピックアップPUは、例えば、第1光源11と、第2光源12と、第1ビームスプリッタ13と、第2ビームスプリッタ14と、アクチュエータ部15と、集光レンズ16と、フォトディテクタ17と、波長フィルタ18と、を有し、光ディスクDKに対して光ビームを照射することにより、光ディスクDKに対するデータの記録及び読み出しを行う。
【0018】
第1光源11及び第2光源12は、共にレーザダイオードにより構成されており、駆動回路Dから供給される駆動信号に基づき、各々異なる波長の光ビームを出力する。本実施形態において、これら第1光源11及び第2光源12は、DVD及びCDの両規格に対応したデータの記録及び再生を実現すべく、夫々、第1光源11が660nmの波長を有する光ビームを、第2光源12が780nmの波長を有する光ビームを出力する。
【0019】
この第1光源11及び第2光源12から出力される光ビームは、各光ビームの光路上に配置された、第1及び第2ビームスプリッタ13、14に照射される。この第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14は、例えば、ダイクロイックミラーにより構成されており、対応する各光源11及び12から照射された光ビームを反射する。なお、ダイクロイックミラーにより第1及び第2ビームスプリッタ13及び14を構成する場合、第1ビームスプリッタ13については660nmの光ビームを90%反射、10%透過すると共に780nmの光ビームについては100%透過するダイクロイックミラーを、第2ビームスプリッタ14については780nmの光ビームを90%反射、10%透過すると共に660nmの光ビームについては100%透過するダイクロイックミラーを採用することが望ましい。
【0020】
このようにして、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14により反射された光ビームは、アクチュエータ部15に設けられた波長板(図示は省略)を透過して、アクチュエータ部15に設置された対物レンズに入射され、光ディスクDK上に集光されることとなる。かかる光ビームの集光機能を実現すべく、アクチュエータ部15には、対物レンズを可動する機構が設けられている。なお、アクチュエータ部15の具体的な構成については、任意である。
【0021】
次いで、光ディスクDKに対して照射された光ビームは、光ディスクDKにおいて反射された後、再度、アクチュエータ部15の対物レンズを介して第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14に入射し、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14を透過して、集光レンズ16に入射することとなる。そして、集光レンズ16に入射した反射光が集光レンズ16によりフォトディテクタ17上に集光される。
【0022】
フォトディテクタ17は、例えば、フォトダイオードにより構成され、集光レンズ16から照射される光ビームを受光して、当該反射光の受光光量に応じた信号を出力する。具体的には、反射光の受光光量に応じたRF信号を制御部Cに出力すると共に、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボに必要な信号をサーボ回路Sに出力する。
【0023】
このようにして、フォトディテクタ17からRF信号が供給された場合、制御部Cは、(a)再生時においては、当該RF信号を再生部Pに供給し、当該RF信号に対応するデータが出力端子を介して外部に出力されるように再生部Pを制御する一方、(b)記録時においては、当該RF信号に基づいて、例えば、光ディスクDK上のアドレスを取得し、或いは、記録すべきデータに対応した駆動信号の出力タイミングを決定する。
【0024】
サーボ回路Sは、演算回路により構成され、フォトディテクタ17から供給される信号に基づいてトラッキング及びフォーカスに関するサーボ量を算出し、当該算出結果に対応する制御信号をアクチュエータ部15に出力する。この結果、アクチュエータ部15において、サーボ回路Sからフィードバックされた制御信号に基づいて対物レンズの位置が変更されトラッキングサーボ及びフォーカスサーボがなされることとなる。
【0025】
なお、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボを実現するための具体的な方式については任意である。但し、本実施形態においては、説明を具体的なものとするため、次のような方式を採用するものとする。すなわち、フォトディテクタ17を4分割形状とすると共に、集光レンズ16としてシリンドリカルレンズを採用する。そして、フォーカスサーボについては、非点収差法を用いてサーボ回路Sにおいてサーボ量を算出すると共に、トラッキングサーボについては、各領域における受光光量に基づいてサーボ回路Sにおいてサーボ量を算出する。
【0026】
ここで、かかる構成を有する本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、光ディスクDKに対するデータの記録スピードを向上させようとする場合、単位時間あたりに光ディスクDKに照射される光ビームのエネルギー総量が所定の閾値を越え、或いは、光ディスクDK上における温度が一定の値以上になることが必要とされるため、光ディスクDKに対して照射される光ビームのエネルギー総量を増加させることが必要となる。その一方、光ディスクDKに記録されているデータを再生する場合、光ディスクDKに対して照射する光ビームのエネルギー量を増加させる必要性は存在しない。そこで、本実施形態においては、光ディスクDKに対するデータの記録時及び再生時に制御部Cは以下のような制御を行う。
【0027】
(1)データ記録時
光ディスクDKに対するデータの記録スピードを向上させるべく、本実施形態において制御部Cは、光ディスクDKに記録すべきデータに対応する駆動信号を駆動回路Dに出力すると共に、当該駆動信号に基づいて記録パワーの光ビームが第1光源11及び第2光源12の双方から出力されるように駆動回路Dを制御する。この結果、駆動回路Dから供給される信号を利用して、第1光源11及び第2光源12が発光し、各光源11及び12から出力された光ビーム、すなわち、波長660nm及び780nmの光ビームの双方が第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14に入射され、両ビームスプリッタ13及び14によって反射されてアクチュエータ部15の対物レンズに照射される。
【0028】
図2に、この際光ディスクDK上に現れる集光スポットと、当該集光スポット内における光ビームのエネルギー分布との関係を示す。なお、同図においては、集光スポット上の各位置と、グラフ上の横軸とが対応付けてある。
【0029】
この場合、波長660nm及び780nmの両集光スポットの半径rは、各々、
r=(k×λ)/NA・・・・(式1)
の関係を示すこととなる。但し、(式1)において「λ」は波長を示し、「NA」は対物レンズに開口数を示している。本実施形態の場合、何れの光ビームについても、同一の対物レンズに入射され、光ディスクDK上に集光されることから、ビーム半径は、ほぼ波長の比に依存して決定されることとなり、780nmの集光スポット内に80%程度の半径を持って660nmの集光スポットが形成されることとなる。
【0030】
両集光スポットについての、エネルギー分布はガウス分布に従うことから、両スポットが中心点において完全に一致している状態においては、光の重ね合わせの原理から各点におけるエネルギー量の和が光ディスクDK上における光ビームのエネルギー量になる。このため、両ビームが照射されている状態にすることにより、光ディスクDKに対して照射可能な光ビームのエネルギー量を増加させることが可能となる。
【0031】
但し、実際に光ディスクDKに対して780nmと660nmの光ビームの双方を照射した場合、焦点距離の違いから球面収差が発生すると考えられるためエネルギー損失が生じ、例えば、DVD-Rに対して両ビームを照射した場合、780nmの光ビームについては、最大で70〜80%程度の効率にてエネルギーが利用できることとなる。
【0032】
なお、DVD-R等の色素型の光ディスクDKにおいては、照射される光ビームのエネルギー総量が所定値を越えた場合に色素変色を生じ情報が記録されるものと(フォトンモード)、記録面上における温度が一定の値を超えた場合に情報が記録されるものがあるが(熱記録)、何れの光ディスクDKにおいても、光ディスクDKに照射されている光ビームの光強度を向上させることにより記録スピードを向上させることが可能となる。
【0033】
なおまた、このように2つの波長に対応した光ビームを光ディスクDKに集光させる構成を採用し、DVD規格に従った光ディスクDKに対して波長780nmのCD用の光ビームを照射すると、当該780nmの波長の光ビームが記録対象となっているグルーブトラックのみならず、隣接するグルーブトラックにまで照射されてしまい、相変化や色素変色が発生してしまう可能性がある。従って、上記構成を採用する場合には、光ディスクDKに使用する材料を適宜選択し、波長780nmの光ビームのみが照射された状態においては、情報の記録が行われないようにすることが必要となる。
【0034】
一方、第1光源11及び第2光源12の双方から光ディスクDKに対して光ビームを照射した場合、光ディスクDKにおいて反射された反射光に波長の異なる成分(660nm及び780nm)が混在することとなる。このため、当該反射光がフォトディテクタ17に入射されると、上述のようにクロストークが発生し、正常な記録動作を行うことが困難となる可能性がある。そこで、本実施形態においては、光ディスクDKからの反射光の光路上に波長フィルタ18を設けた構成が採用されている。
【0035】
この波長フィルタ18は、例えば、EC(Electro Chromic)材料により構成されており、制御部Cによる制御の下、入射された光ビームの内、所定波長の光ビームのみを透過する構成となっている。なお、EC材料とは、印加電圧により可逆的に吸収波長が変化するエレクトロクロイズム現象を起こす材料であり、有機系、無機系の2系統が存在している。無機系EC材料としては、例えば、電気吸光反応を利用したWO3(三酸化タングステン)、MoO3(三酸化モリブデン)等のカソードEC(還元により着色)や、プルシアンブルー(KxFeyFez(CN)6)、Ni(OH)n等のアノーディックEC(酸化により着色)があり、有機EC材料としては、有機EL(Electro Luminescent)材料として用いられる、ポリフェナザシリン等の機能性高分子がある。
【0036】
図3に、無機ECを用いた場合の波長フィルタ18の構成例を、図4に有機ECを用いた場合の波長フィルタ18の構成例を示す。
【0037】
まず図3において101は基板であり、例えば、SiO2(二酸化珪素)のような透過性の高い基材により構成される。この基板101上には透明電極102が形成され、この透明電極102上にゾル・ゲル法或いは引き上げ法、蒸着等の方法により製膜後、焼成を行うことによりEC層103が形成される。また、このEC層103上には、更に透明電極104が積層され、この結果、透明電極102と104の間にエレクトロクロミック層103がサンドイッチされた状態にて形成されることとなる。この波長フィルタ18上に設けられた両透明電極102及び104は、夫々、制御部Cと接続されており、制御部Cは両電極102及び104間に電位差を生じさせることによりEC層103における吸収波長を可逆的に変更させることとなる。
【0038】
なお、波長フィルタ18を設計するに際しては、660nm〜780nmの間に急峻な吸光特性を設けることが望ましい。例えば、EC層1803としてプルシアンブルーを利用する場合、0.2Vの電位差を与えることにより無色から青色、更に1.0Vの電位差にて青色から緑色へと変化する。従って、電位差を変化させることにより吸収波長を780nm或いは660nmに調節することが可能となり、適切な膜圧を選択することにより低電圧にて必要とされるフィルタ特性を得ることが可能となる。また、用いる材料によっては、異なるEC材料により形成されるEC層1803を複数積層し、各波長の光ビームの吸光率を高めるようにしても良い。
【0039】
次に、有機ECを用いた場合、波長フィルタ18は、2枚の透明基板201及び204を間隙を持って張り合わせ、両基板間に有機EC材料203を充填して構成されることとなる。各透明基板201及び204の対向面上には夫々透明電極202及び205が形成されており、各電極202及び205は制御部Cに接続され、制御部Cは両電極202及び205間に電位差を生じさせることにより有機EC材料203における吸収波長を可逆的に変化させることとなる。
【0040】
ここで、この波長フィルタ18を採用する場合、透過及び吸光される光ビームの他に波長フィルタ18において反射される光ビームも発生する。従って、光ビームの入射軸を法線とする角度に波長フィルタ18を設置してしまうと、当該波長フィルタ18上にて反射された光ビームが光軸上にて迷光する可能性がある。従って、波長フィルタ18は、光ビームの入射軸に対して所定の角度θをもって設置し、フィルタ18において当該入射上に反射光が発生しないようにすることが必要となる。
【0041】
また、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタよりもアクチュエータ部15側に波長フィルタ18を設置してしまうと、両光源から出力された光ビームが光ディスクDKに照射される前に吸光若しくは反射が発生するため、波長フィルタは、必ず、両ビームスプリッタ13及び14よりもフォトディテクタ17側に設置することが必要となる。
【0042】
以上のように波長フィルタ18を構成することにより、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、例えば、DVD-RWに情報を記録する場合、光ディスクDKにおいて反射された光ビームの内、780nmの波長を有する光ビームが波長フィルタ18において吸光及び反射され、660nmの波長を有する光ビームのみが波長フィルタ18を透過して、フォトディテクタ17に受光される。そして、当該光ビームに従って、RF信号、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボに必要な信号がフォトディテクタ18における受光光量に応じて得られることとなる。
【0043】
(2)データ再生時
これに対して、光ディスクDKに記録された情報を再生する場合、制御部Cは、当該再生対象となる光ディスクDKの規格に対応した光源のみを発光させる。例えば、再生対象となっている光ディスクDKがCD規格に対応したものである場合、制御部Cは、第1光源11に対して駆動信号を供給し第1光源11を発光させる一方、再生対象となっている光ディスクDKがDVD規格に対応したものである場合、第2光源12に対して駆動信号を供給し第2光源12を発光させる。
【0044】
また、この波長フィルタ18を光ディスクDKの再生時にどのように制御するかは任意であり、再生時には透過率が最大の状態に制御するようにしても良いし、或いは、再生対象となる光ディスクDKの規格に合わせて、吸収波長を変更するようにしても良い。
【0045】
なお、上記の実施例では二種類の光源を有する場合について、本発明の説明をしたが、光源の種類はこれに限定されるものではない。具体的にはDVDに記録再生を行うための第1光源、CDに記録再生を行うための第2光源に加え、ブルーレイディスクに対して記録再生を行うために、405nmの波長を有する光ビームを出力可能な第3光源を備えた装置に対しても本発明を適用することができる。この場合、波長フィルタ18の吸光特性の設計としては、上記した第1〜3光源のうちの少なくとも2種類の光源から発せられたレーザ光の波長に対する吸光特性を設定する必要がある。
【0046】
また、DVD−R、CD−R等の追記型記録媒体(色素系ディスク)は媒体に用いられる色素によっては記録性能の波長依存性が高く、書き込みに適切とされる波長以外の波長を有するレーザ光を照射しても効率的な書き込みが行えない可能性がある。具体的にはDVD−Rへの書き込みには波長660nmのレーザ光が適切であり、波長780nmを有するレーザ光を同時に照射しても十分な書き込み性能が得られない場合がある。そこでこのような記録媒体に対して書き込みを行う場合には、光源の同時点灯は行わずに、単一の光源(書き込み対象の記録媒体に対して最も適切とされる波長を有するレーザ光を照射可能な光源)のみを用いて記録を行うようにしても良い。この場合、制御部Cは自身が書き込もうとしている記録媒体の種類を検出し、その検出結果に応じて複数ある光源の各々について、レーザ光照射の要否を決定するようにすると良い。
【0047】
逆に、DVD−RWやDVD−RAM等の書き換え型記録媒体(相変化ディスク)は記録性能の波長依存特性が低く、十分な光量を照射することで書き込みが行えるため、本発明を積極的に利用することが望ましい。この場合、記録媒体への書き込みに必要な熱エネルギー確保するためには、波長の短いレーザ光を照射可能な光源へ、光源の駆動電流の配分割合を高くすることが望ましい。
【0048】
このようにして、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、光源から出力された光ビームを光ディスクDKに集光し、当該光ディスクDKからの反射光を受光する光ピックアップPUを有し、光ピックアップPUは、例えば、660nmの波長を有する光ビームを出力する第1光源11と、例えば、780nmの波長を有する光ビームを第1光源から出力される光ビームの光路と同一の光路に出力する第2光源12と、光ディスクDKによって反射された光ビームの反射光を受光する共に受光光量に応じた信号を出力するフォトディテクタ17と、光ディスクDKからフォトディテクタ17に対する反射光の光路上に設置され、入射された光ビームの透過を制御する波長フィルタ18と、第1光源11及び第2光源12の双方を制御し、両光源11及び12の何れか一方、或いは、双方から光ビームを出力させると共に、660nm及び780nmの波長の光ビームが共に出力された場合に、波長フィルタ18を制御して780nmの波長の光ビームの透過を制限する制御部Cと、を備えている構成となっている。
【0049】
この構成により、第1光源及び第2光源の双方から光ビームが出力されている環境下においては、制御部Cが波長フィルタ18を制御し、第1光源11から出力されている660nmの波長の光ビームのみが波長フィルタ18を透過させる。この結果、660nmの波長の光ビームのみがフォトディテクタ17によって受光されることとなる。このため、例えば、光ディスクDKに記録されたデータの記録時に第1光源11及び第2光源12の双方から光ビームを出力し、光ディスクDKに照射される光ビームのエネルギー総量を増加させることが可能となると共に、両光源11及び12を点灯させた場合であっても、例えば、波長660nmの光ビームのみをフォトディテクタ17に入射させることが可能となり、もって、DVD-R等の光ディスクに対する記録スピードの向上を図ると共に、確実にデータの記録、再生を可能とすることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態にかかる情報記録装置RPにおいて、波長フィルタ18は、印加電圧値により透過可能な光ビームの波長を可変するエレクトロクロミック層103或いは203と、エレクトロクロミック層103或いは203に対して電圧を印可する透明電極と、を有すると共に、制御部Cは、前記透明電極に対して印可する電圧値を変更して波長フィルタ18の透過波長を可変させることにより、780nmの波長の光ビームの透過を制限する構成となっている。
【0051】
この構成によれば、エレクトロミック層103或いは203に対する印加電圧の制御のみで、780nmの波長の光ビームの透過を制限することが可能となり、もって、簡易な構成を採用しつつフォトディテクタ17におけるクロストークを防止することが可能となる。
【0052】
また更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、制御部Cは、光ディスクDKに記録されたデータの再生時には、例えば、第1光源11のみを制御して波長660nmの光ビームを出力させる一方、光ディスクDKに対するデータの記録時には第1光源11及び第2光源12の双方を制御し、例えば、波長660nm及び780nmの光ビームの双方を出力させる構成となっている。
【0053】
このため、光ディスクDKに記録されたデータの再生時に当該データの確実な再生を可能としつつ、データの記録に光ディスクDK上に照射される光ビームのエネルギー総量を増加させることが可能となる。
【0054】
更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて、波長フィルタ18は、光ディスクDKからの反射光の光路に対して予め定められた角度を持って設置された構成となっている。このため、波長フィルタ18において反射される光ビームが発生した場合であっても、光軸上における迷光を防止することが可能となる。
【0055】
なお、上記実施形態においては、波長フィルタ18をEC材料により構成した例について説明したが、コレスティック液晶のように温度により透過率を変更可能な材料を用いて波長フィルタ18を構成し、制御部Cから供給する電圧を制御することにより、何れか一方の波長を有する光ビームを透過するように構成しても良い。
【0056】
また、上記実施形態においてはCD及びDVDの両規格に対応した光ディスクDKに対する情報の記録及び再生を行う装置RPについて説明したが、例えば、ブルーレイディスクとCD、或いは、ブルーレイディスクとDVDの規格に対応した光ディスクDKに対する情報の記録及び再生を行う装置についても上記と同様の構成により実現可能である。
【0057】
また更に、本実施形態においては、第1光源11及び第2光源12から出力された光ビームを第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14の双方に対して直接照射する構成となっている。しかし、光源とビームスプリッタの間に回折格子を設置し、第1光源11或いは第2光源12から出力された光ビームを主ビーム(0次回折光)及び副ビーム(±1次回折光)に分割した後、第1ビームスプリッタ13及び第2ビームスプリッタ14に照射するようにしても良い。但し、かかる構成を採用する場合、フォトディテクタ17には、主ビームを受光するための領域を設け当該領域を4分割形状とすると共に、この主ビームを受光するための領域の左右に、副ビームを受光するための領域を設けることが必要となる。また、この副ビームを受光するための領域については、更に左右2分割の形状とすることにより、副ビームを利用したトラッキングサーボ、フォーカスサーボを行うことが可能となる。
【0058】
更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいては、制御部C及び駆動回路Dを光ピックアップPUと別体のCPU等の装置により構成した例について説明したが、これらは光ピックアップPUと一体的に構成するようにしても良い。
Claims (7)
- 光源から出力された光ビームを情報記録媒体に集光し、当該情報記録媒体からの反射光を受光する光ピックアップであって、
第1の波長を有する第1光ビームを出力する第1光源と、
前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2光ビームを出力する第2光源と、
前記情報記録媒体によって反射された前記反射光を受光すると共に受光光量に応じた信号を出力する受光部と、
前記情報記録媒体から前記受光部に対する前記反射光の光路上に設置され、入射された前記第2光ビームの透過を制御するフィルタと、
前記第1光源及び第2光源の双方を制御し、前記第1及び第2光ビームの何れか一方、或いは、双方を出力させる光源制御手段と、
前記第1及び第2光ビームの双方が出力された場合に、前記フィルタを制御して前記第2ビームの透過を制限するフィルタ制御手段と、
前記情報記録媒体の種類を判別する検出手段と、
を備え、
前記光源制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1光源及び第2光源からの前記光ビームの出力の有無を決定すると共に、
前記検出手段により検出された情報記録媒体が色素型情報記録媒体の時には、前記光源制御手段は、該情報記録媒体に適した波長を有するレーザ光を出力可能な光源のみから前記光ビームを出力させることを特徴とする光ピックアップ。 - 前記フィルタは、
印加電圧値により透過可能な光ビームの波長を可変する吸光層と、
前記吸光層に対して電圧を印可する電極と、を有すると共に、
前記フィルタ制御手段は、前記電極に対して印可する電圧値を変更して前記フィルタの透過波長を可変させることにより、前記第2光ビームの透過を制限することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 前記光源制御手段は、前記情報記録媒体の再生時には前記第1光源のみを制御して前記第1光ビームを出力させると共に、前記情報記録媒体に対する情報記録時には前記第1光源及び第2光源の双方を制御し前記第1及び第2光ビームの双方を出力させることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の光ピックアップ。
- 前記フィルタは、前記反射光の光路に対して予め定められた角度を持って設置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の光ピックアップ。
- 前記情報記録媒体の種類を判別する検出手段を有し、
前記光源制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1光源及び第2光源からの前記光ビームの出力割合を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 前記検出手段により検出された情報記録媒体が相変化情報記録媒体の時には、前記第1光源及び第2光源のうち、波長の短いレーザ光を出力可能な光源からの前記レーザ光の出力割合を、他の光源からの前記レーザ光の出力割合よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
- 光源から出力された光ビームを情報記録媒体に集光し、当該情報記録媒体からの反射光を受光する光ピックアップを備えた情報記録再生装置であって、
前記光ピックアップは、
第1の波長を有する第1光ビームを出力する第1光源と、
前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2光ビームを出力する第2光源と、
前記情報記録媒体によって反射された前記反射光を受光すると共に受光光量に応じた信号を出力する受光部と、
前記情報記録媒体から前記受光部に対する前記反射光の光路上に設置され、入射された前記第2光ビームの透過を制御するフィルタと、
前記第1光源及び第2光源の双方を制御し、前記第1及び第2光ビームの何れか一方、或いは、双方を出力させる光源制御手段と、
前記第1及び第2光ビームの双方が出力された場合に、前記フィルタを制御して前記第2ビームの透過を制限するフィルタ制御手段と、
前記情報記録媒体の種類を判別する検出手段と、
を備え、
前記光源制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記第1光源及び第2光源からの前記光ビームの出力の有無を決定すると共に、
前記検出手段により検出された情報記録媒体が色素型情報記録媒体の時には、前記光源制御手段は、該情報記録媒体に適した波長を有するレーザ光を出力可能な光源のみから前記光ビームを出力させることを特徴とする情報記録再生装置。
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